平成 26 年 8 月号 事務所便り ご挨拶 連絡先 : 452-0944 愛知県清須市上条 2-15-7 あらた経営労務事務所特定社会保険労務士大倉昭治携帯電話 :090-7609-6348 TEL :052-400-8709 FAX :052-400-8710 E mail:srookura@clovernet.ne.jp URL :http://www.aratasr.com/ 8 月 15 日は 終戦記念日ですが この時期 いつも思い出すのは郷里長岡の山本五十六です 今回は山本五十六語録の紹介です 分かり易いですが 含蓄のあることばです やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば人は動かじ 話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず 目次 1. 非正規労働者 - 正規 無期転換が積極化 2. 多様な正社員 限定正社員 を活用すべきケースとは? 3. 職業生活を通じて活用できるツールに? キャリア パスポート 創設の動向 4. メンタルヘルス支援会社の産業医紹介サービスが拡大中 5.8 月の税務と労務の手続提出期限 [ 提出先 納付先 ]
非正規労働者 - 正規 無期転換が積極化 労働新聞 8 月 11 日号 厚生労働省が平成 25 年度からスタートさせた非正規雇用労働者を対象とするキャリアアップ助成金が 予定規模を大幅に上回る利用状況となり注目が集まっている 同助成金を利用するための条件である キャリアアップ計画 を作成し認定を受けた企業数が 26 年 3 月末までに約 1 万 6000 社に到達 当初見込み 1300 社の 10 倍以上に膨れ上がった 同計画のうち 9 割近くは 非正規雇用労働者の正規 無期雇用転換の方針を打ち出している 厚労省は 企業が非正規の雇用転換に前向きになり始めた とみている キャリアアップ助成金は 有期契約労働者 短時間労働者 派遣労働者などの非正規労働者の企業内でのキャリアアップを促進するのが目的である 非正規雇用労働者の正規 無期雇用転換を助成する 正規雇用等転換コース 職業訓練実施を助成する 人材育成コース 賃金テーブルの整備を助成する 処遇改善コース など 計 6 つの助成コースがある 同助成金を受給するには 事前に 3~5 年を期間とする キャリアアップ計画 を作成し 都道府県労働局に提出 認定を受ける必要がある 厚労省のまとめによると 同計画の受付け初年度となった平成 25 年度の認定計画数は 企業数で約 1 万 6000 社に及んだことが分かった 当初 1300 社ほどと見込んでいたもので 予定数の 10 倍以上に膨れ上がっている 認定した同計画の内訳 ( 重複申請が可能 ) をみると 正規雇用等転換コース への申請が約 1 万 4000 社に達し圧倒的に多く 次いで 人材育成コース への申請が約 8500 社となっている 正規雇用等転換コース は 有期労働から正規雇用への転換で 1 人当たり 40 万円 ( 大企業 30 万円 ) 有期労働から無期雇用へあるいは無期労働から正規雇用への転換でいずれも同 20 万円 ( 同 15 万円 ) を支給する 28 年 3 月までの早期転換を図った場合には助成金の上乗せ ( 加算 :10 万円 ) もある 助成金支給は これから本格化するが 26 年 3 月の実績は同助成金全体で約 2500 件 4 月の実績が約 2700 件となり やはり増加傾向にある 厚労省は 同計画の認定状況から 非正規雇用労働者に対し 一方で能力開発を行いながら正規雇用や無期雇用への転換を進めていこうという意図が明らか 最近の景気上昇の影響も少なくないが 徐々に企業が非正規の雇用転換に前向きになりつつある との見方を示した 厚労省では 今後 都道府県労働局に配置している事業主支援アドバイザーを計画認定企業へ個別訪問させ 同計画が予定通り実行できるようバックアップしていく
多様な正社員 限定正社員 を活用すべきケースとは? 厚労省分科会の配布資料日本版ホワイトカラーエグゼンプションなど 今後の労働時間規制の緩和に関する議論が厚生労働省労働政策審議会 ( 労働条件分科会 ) で始まりました 7 月 7 日開催の分科会で配付された 多様な正社員 の普及 拡大のための有識者懇談会における議論の状況 という資料の中で 多様な正社員 の活用が考えられるケース等が挙げられていましたので簡単にご紹介します 活用が考えられるケース 多様な正社員 とは 限定正社員 とも呼ばれ 主に 勤務地 職務 勤務時間 などが限定された社員のことを指します 活用が考えられるケースとして 勤務地限定正社員については 育児 介護等の事情により転勤が困難な者や地元に定着した就業を希望するケース 改正労働契約法のいわゆる無期転換ルールによる転換後の受け皿として活用するケース 等が挙げられています 職務限定正社員については 金融 IT などで専門性が高く特定の職能内でのプロフェッショナルとしてのキャリア形成が必要なケース また 勤務時間限定正社員については 育児 介護等の事情により長時間労働が困難な者が就職 就業を継続し 能力の発揮が可能なケース 等が挙げられています 導入にあたっての課題すでに突入しつつある慢性的な人手不足の時代において 多様な正社員 限定正社員 の活用が非常に大きな役割を果たすと言われています ただし 多様な正社員制度の導入にあたっては 制度が労働者の納得を得られるように努めるとともに 制度を円滑に運用できるようにするために労働者に対する十分な情報提供と十分な協議が必要だと指摘されています 管理職のマネジメントも重要なお 多様な働き方を円滑に進めるためには 職場における管理職のマネジメント能力の向上が不可欠であることも指摘されています 近年 管理職の プレイングマネージャー化 が進展していますが 十分なマネジメントが実現するような能力向上が図られるよう 各職場の実情に即した対応が求められています
職業生活を通じて活用できるツールに? キャリア パスポート 創設の動向 キャリア パスポート 創設の検討が始まるジョブ カードの普及が遅れており せっかく取得しても活用できない状況にあることが指摘されています そこで厚生労働省では ジョブ カード制度を大幅に改編し キャリア パスポート制度 ( 仮称 ) に移行する検討を開始しました 構想の内容産業競争力会議の 雇用 人材分科会 では キャリア パスポート ( 仮称 ) の構想について 学生段階から職業生活を通じて活用できるものとすることや 企業及び働き手の双方にしっかり浸透する仕掛けとして 雇用保険二事業の助成金支給の必要条件とすること等 労使の理解を得つつ 抜本的に見直す とともに 電子化してネット上での共有を図り 円滑な労働移動につなげる等 外部労働市場の構築に資する方策を検討する こと等としています マッチングツールとして普及させるためにこのキャリア パスポートの目的は その取得により外部労働市場で通用するマッチングのためのツールとして活用できるようにすることです そのための見直し検討事項として 様々な場面で活用可能とするための様式のあり方 関係情報の電子化 SNSに掲載して活用する場合の条件整備などが課題となりそうです 今後の動きは? 厚生労働省では 平成 27 年 2 月頃を目標に 最終的な構想案を提示する方針です 助成金支給の必要条件とすることが検討されていることから 創設の影響は決して小さくないものと思われます 今後の動向に注意が必要です
メンタルヘルス支援会社の産業医紹介サービスが拡大中 ストレスチェックの義務化先日 労働安全衛生法の改正案が成立し 医師 保健師などによるストレスチェックの実施が事業者に義務付けられることになりました ( 従業員 50 人未満の事業場については 当分の間努力義務 ) これにより 企業は社員が精神疾患を発症する前に対策をとることが求められます 産業医の紹介サービスこうした流れを受け 次のような企業のメンタルヘルス対策を支援するサービスが拡大中のようです 企業が求める診断能力を持つ産業医を紹介するサービス グローバル化に対応し 英語版のストレスチェックを提供するサービス 独自のストレスチェックテストで問題があった場合に産業医を派遣するサービス 産業医との相性も大事従来から 50 名以上の労働者を雇用している事業場は 産業医による毎月の訪問 労働者の健康管理指導の実施が必要ですし 月 80 時間超の残業をした労働者等がいる事業場 (50 名未満の事業場も含む ) では 労働者の疲労の程度を把握し 本人の申出により医師の面談を実施する義務があります これらに違反する場合は行政指導の対象となります ( 罰則もあり ) 多くの企業では もちろん産業医の選任は行っているのでしょうが 近年のメンタルヘルス不全による職場の問題への対応が重要になってきた流れを受け 自社が求めるものと産業医との相性が合わないケースも増えてきたようです 精神疾患による労災件数過労や職場でのいじめにより うつ病 などの精神疾患を発症したとして労災申請をした人数は 2013 年度には 1,409 人となり 過去最多を更新しました また 実際に労災認定された人は2 年連続で 400 人を超えています メンタルヘルス不全や精神疾患の発症を招かないためには 事前の対策が重要です 長時間労働や過重労働は 日ごろの労務管理で対応し 併せてこのようなサービスを利用することも検討すべきでしょう
8 月の税務と労務の手続提出期限 [ 提出先 納付先 ] 11 日 源泉徴収税額 住民税特別徴収税額の納付 [ 郵便局または銀行 ] 雇用保険被保険者資格取得届の提出 < 前月以降に採用した労働者がいる場合 >[ 公共職業安定所 ] 労働保険一括有期事業開始届の提出 < 前月以降に一括有期事業を開始している場合 >[ 労働基準監督署 ] 9 月 1 日 個人事業税の納付 < 第 1 期分 >[ 郵便局または銀行 ] 個人の道府県民税 市町村民税の納付 < 第 2 期分 >[ 郵便局または銀行 ] 健保 厚年保険料の納付 [ 郵便局または銀行 ] 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出 [ 年金事務所 ] 労働保険印紙保険料納付 納付計器使用状況報告書の提出 [ 公共職業安定所 ] 外国人雇用状況報告 ( 雇用保険の被保険者でない場合 )< 雇入れ 離職の翌月末日 >[ 公共職業安定所 ]