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車両のモデリングと制御 松尾孝美 まえがき 制御理論は世の中のあらゆるものを対象として, それを数学的に解釈するとともに, いかに自分の目的とする解を得るようにその対象を変形していくかということにその本質がある. ベースとなるのは数学と物理学のこれまでの美しい 金字塔である. 難しさゆえに数物系学問は他分野の理工系人にとっても敬遠されがちであるが, ものごとの本質を理解する上で欠かせないものである. 難しいことも毎日のように考え続けていれば, 何年かたてば理解できるようになるし, それが出来たときのすがすがしさは, 登山にたとえることもできる. また, 一度そのすがすがしさを味わうと病みつきになってしまうのも登山に似ているかもしれない. それはお金や権力とは全くかけ離れたところに位置している. 昨今の政財界主導による大学改革は財政改革や企業活動活性化の観点から行われていることから, 本来の大学活動の本筋とはかけ離れていると思われる. 手っ取り早く技術革新することをよしとする風潮さえ生まれているし, マスメディアからの要求も度を越したものになっている. 中には, このような改革の気風に大学人は無関心過ぎるとも揶揄されている. しかし, 我々はこれに対して愚痴をいっていても始まらず, 地道に教育研究を続けるしかないし, その姿に感動を与えるように日々精進しなければならない. さらに, もしかしたら, 幸運な場合には, 独創的と呼ばれる成果を手にすることができるかもしれない. ただ, 独創性は一朝一夕に生まれるものではなく, 地道な基礎と膨大な努力とちょっとしたひらめきによって生まれるものであろう. 私のような制御理論屋にとっての基礎とは数理的手法である. ここでは, 微分幾何学を用いた車両のノンホロノミック制御の基礎についてまとめてみた. 例題として, 車両制御をあげている. 日々の生活の中にもこのような数理的体系を構築できることを実感して欲しい. 車両制御のおもしろいエピソードが文献に紹介されているので一読して欲しい. 最近の学生さんをみると, 今の自分の能力で, ビッグなことがしたい なんていう人がいるが, 甘すぎるのよ. しっかり基礎を勉強しなさい と言いたい. 微分幾何基礎ベクトルと双対ベクトルを実数体とかくあるいは複素数体とかくとする. をスカラー数という ( 体というのは, 単位元と逆元があり, 和と積の定義された代数構造をいい, 実数や複素数が体の構造をもっていることが証明できる. ここでは, 単に実数のすべてを実数体, 複素数のすべてを複素数体とよんでいると思えば良く, そこまでむずかしく考える必要はない ). ベクトルは, 複数個のスカラー数の組をいい, これをつぎのように表す. 大分大学工学部福祉環境工学科松尾研究室ノンホロノミック制御 ゼミ資料

ただし, である. とくに, が実数体のとき, 実ベクトルといい, が複素数体のとき, 複素ベクトルという. をベクトルの要素という. また, つぎの横ベクトル を, 双対ベクトルという. 実数に限定した場合には転置を用いる. 双対と言う意味は, もともとは, ベクトルをスカラー量に写像する汎関数を双対関数 ( あるいは, 共役関数 ) というところから来ている. つまり, 双対関数をつぎの形で定義できるからである. ベクトルの和はつぎのように定義される. また, スカラー数とベクトルのスカラー積はつぎのように定義される. 双対ベクトルの和とスカラー積も同様に定義できる. ベクトル空間と双対ベクトル空間ベクトル空間は線形空間とも呼ばれ, つぎにより定義される. ベクトルの集合がつぎの条件を満たすとき, ベクトル空間という. 特に, の要素が実数, スラカー数も実数のとき, 実ベクトル空間と言い, ベクトルの要素の数がのとき, 次元実ベクトル空間と書き, を空間の次元という. また, 要素とスカラー数が複素数で, 次元のとき, 次元複素ベクトル空間という. がベクトル空間のとき, つぎがいえる. の任意の要素とスカラー数に対して, が成り立つ.

ベクトル空間の要素であるベクトルの各々は, その空間上の点とみなされる. また, このベクトル空間は原点を含む真平らなどこまでも広がる平面をイメージすれば良い ( 原点を含まない真平らなどこまでも広がる平面はアフィン空間と呼ばれる.) この平面が曲っていれば上式は満たされず, 非線形空間 ( 曲った空間 ) となる. これ以降は複素空間は扱わず, 実空間のみを対象とする. ベクトル場と双対ベクトル場の部分集合の各要素のそれぞれに, ベクトルが, つぎのように対応しているとする. ただし, とする. このとき, であり, このをベクトル場というベクトル場は定義域と値域の次元が等しい連続微分可能写像である. 滑らかなベクトル場とは, 定義域上で無限回微分可能な写像からなるベクトル場のことである. 上のすべての滑らかなベクトル場の集合をと書くことにする. 勾配ベクトル場とは, スカラー関数に対して, その勾配を与えるベクトル場であり, 次式で表される. このとき, をポテンシャル関数という. また, の各要素のそれぞれに, ベクトルが, つぎのように対応しているとする. ただし, とする. このとき, であり, このを双対ベクトル場と言う. 力学系 空間の位置を表すベクトルは時間に依存するとする. つまり, である. このとき, の動きがベクトル場に対して規定されており, つぎのような微分方程式で書けるとき, このような微分方程式を力学系という. 要素でかくとつぎのようになる. これは, はの変化率を表すので, 運動する点が場所にあるとき, どの方向にどれくらいの割合で動くのかを規定している式とみなすことができる. の場合には, ベクトル場は, 平面状の各点に貼りつけられたベクトルを表し, 力学系は, このベクトルに沿って動く点の運動を表すことになる. この微分方程式の解をベクトル場の積分曲線積分多様体という. たとえば, でのポテンシャル関数の勾配ベクトル場による力学系はつぎのように表される.

このときの積分曲線は, つぎのようになる. アファイン系非線形制御系で登場する状態方程式で, 次式のようなものをアファイン系という. ただし, とする. は入力によらず決まり, ドリフト項という. ドリフト項のない次式のアファイン系を対称アファイン系という. 勾配ベクトル におけるスカラー関数 の勾配ベクトル とは, つぎをいう. ヤコビ行列におけるベクトル場のヤコビ行列は, 次で定義される. 接空間と接バンドル次元平面上の曲線を例に接平面と接バンドルを説明する. とすると, である. 曲線上の点における接線の方程式は次式のようになる. 点を原点にし, 座標軸が軸軸と平行になっている直交座標系を選ぶ. この座標軸を軸軸とする. 軸を点におけるの接空間といい, と書く. 同様に, 軸は点におけるの接空間であり, と書く. これらつの空間の間の線形写像を次式で定義し, をにおけるの導写像といい, を微分係数という.

導写像はの近傍での次近似になっている. ここまでは, 点のみを対象にしたが, のすべての点に対して, それぞれの点に対する接空間をつくり, その全体の集合を, つまり, の元は, の座標と接空間の座標との組で表現されるので, 次元平面と同相になる. 集合をの接バンドルという. また, についても接バンドルが構成される. の元に対して, における導写像を用いて, の元を対応させる写像を考える. つまり, であったものを, 全体で集めたものである. これによって写像 が定義され, この写像を写像の微分写像という. とえば, を例に考える. となる点をの特異点, そうでない点を正則点という. た ここで, の場合の導写像はつぎのようになる. は接空間の軸であるが, この空間の基底をとかく. このとき, つぎのような演算が定義できる. この演算は, 基底ベクトルの長さを求めると, になることを意味している. つぎに, 写像を対象とする. とすると, はつぎのように成分で書くことができる. 導写像は次式のようになる.

とすると, は内において, パラメータを時間と見なしたときの速度ベクトルになっていることがわかる. たとえば, 円運動の場合にはつぎのようになる. の基底をとすると, 次式が成り立つ. このとき, の基底をとすると, における導写像はつぎのように表現できる. これを成分のみで表示すると, 次式のようになる. これは線形写像である. さらに, 写像を対象とする. とする. 接空間の基底をとし, 接空間の基底をととることにする. 接空間の要素接ベクトルと表すは基底を用いて, と書くことができるので, におけるの導写像 は, つぎのように定義できる.

これを成分のみで表現すると次式のようになる. これも線形写像である. ここで, 接ベクトルと方向微分の関係について説明する. 接空間の任意のベクトルはつぎのように表せる. を時間変数とし, 時刻で点で速度で通過する直線は, で与えられる. 写像に対する導写像は次式のように, 速度ベクトルになる. 各時刻に対して対応する点でのの値は時間変数の関数となり, この時間に対する変化率は次式のようになる. ここで, と置換えると, 上式は全微分を表す式になる. さらに, 写像を対象とする. とすると, 次式のように書ける.

のにおける接空間の基底を, のにおける接空間の基底をとすると, のにおける導写像 は次式のように定義できる. そこで, と接空間の座標成分を書きなおし, 接空間の座標成分をとかくと, 次式のような成分表現が可能である. これも線形写像であり, また上式は全微分を表している. この式の右辺の行列は写像のヤコビ行列になっている. ヤコビ行列の階数が以下であるような点を写像の特異点という. また, 特異点からなる集合を特異集合という. たとえば, の場合, ヤコビ行列はつぎのようになる. これから特異集合はを満たす点の集合である. とくに, の場合には, ヤコビ行列は であることから, となり, 方向が縮退することがわかる. 力学系の接ベクトルを用いた表現方法 が常微分方程式 を満足するとする. 上式はのに対する速度がであることを意味しており, これを接ベクトルを用いて表現すると, 次式のようになる. すべての点に対する接ベクトル全体の集合がベクトル場になり, これを単にベクトル場とよぶ. この解曲線をベクトル場の積分曲線という. 常微分方程式の存在定理をベクトル場を用いて記述すると, つぎのようになる.

上のベクトル場 が と定義されているとする. ただし, はすべて連続微分可能であるとする. このとき, 任意の点および任意の時刻に対して, 時刻に点を通過する積分曲線が唯一存在する. ただし, 積分曲線の定義される区間はを含む開集合であるが, 全域とは限らないことに注意する. 微分 スカラー関数 のベクトル場 によるリー微分は次式で定義される. 高次のリー微分は次のように与えられる. リー括弧積, リー交換子積ベクトル場とベクトル場のリー交換子積は次式で与えれるベクトル場のことである. 高次のリー交換子積は次のように定義される. さらに, リー交換子積は, 次の性質が成り立つ.

ただし, はのベクトル場, はスカラ関数, はスカラ定数である. は, 次式が成り立つことからわかる. ただし, はの行列であり, 次式で与えられる. 微分同相写像微分同相写像は線形空間における座標変換行列に対応し, つぎのように定義される. の開集合に対して, 写像が対の上への写像であり. および逆写像がいずれも関数であるとき, は微分同相写像であるという. と において, を次式のように, 個の ベクトル場 からなる集合とする. の任意の要素の線形結合で張られる空間をのといい, で表す. ここで, がにおいて線形独立であるとき, は正則という. また, 任意のベクトル場の組合せからなるリー交換子積をとする. 任意のに対して, となるような汎関数が存在するとき, はであるという. これは, 任意の点に対して, を意味するまた, の各要素から構成される行列を と定義し, がという代りに, がということもある.

完全可積分とフロベニウスの定理ベクトル場の集合がある点の近傍で線形独立であるとする. が完全積分であるとは, 個の汎関数がつぎの偏微分方程式系を満たすことである. は線形独立さらに, つぎのフロベニウスの定理が成り立つ. 定理が完全可積分であるための必要十分条件は, がであることである. と つぎの力学系を考える. 運動 ベクトル場のとは, 上式の解のことである. さらに, 線形システムの表記法のアナロジーから, フローをつぎのように書くことがある. また, つの力学系の接続も次式のように表す. この表現を用いると, つのベクトル場

そこで, まずのフローを, それからのフローを, 最後に, のフローをというふうに接続すると, これは, 軸まわりの回転に一致することが次式よりわかる. これを一般のつのベクトル場とそれから生成されるフローについて考えてみよう. ここで, 次式が成り立つことに注意しよう. 始点から出発した状態はややなどの方向に動くことができる. このようにしてできる軌道をと書くことにすると, 方向への動きは次式を意味している. これは, 次のようにして得られる. 時刻での軌道が次式のようにとる場合を考える. このとき, この軌道のにおいて動く方向は, これを微分することにより次式のように得られる. ここで, から, 方向への動きが得られる. さらに, つぎのような, 切換えし運動の場合を考える. これは, の展開 をもちいると, 次式のようになる. これは, リー代数におけるキャンベル ベーカー ハウスドルフ公式の特殊形である. これから, ることがわかる. たとえば前述のベクトル場 の方向にも動け

に対するは次式のようになる. ここで, 運動を展開を用いて具体的に計算しておこう. つぎの線形システムを考える. このシステムは, 入力をどのように取ろうとも, の時間方向の接線ベクトルは, なる空間にしかないので, この方向にしか動けないことがわかる. ただし, は次式で定義されるベクトルととから張られる空間である. 任意のつぎに, 次式の対称アファイン系を考える. つぎのような不連続入力を考える. から出発した解をテイラー展開を用いて計算する. したがって, 対称アファインシステムでは, し, ベクトル場 の方向に状態が動けることがわかる. ただ のベクトル

に対する微分は, つぎのように定義されている. さらに, 入力の選び方を工夫すると, のネスト方向 に状態が動けることがわかる. ドリフト項が存在する場合には, 方向にも状態が動ける. 方向に動くことができることから, つぎのような これについては, を参照すること. ノンホロノミック拘束 力学系において, 一般化座標をとすると, は一般化速度である. 次式のように本の速度に関する拘束条件をがある場合を考える. ただし, であり, の近傍ではフルランクであるとする. 上式は微分係数に関する関係式である. 微小時間における微小変化量である微分は微分係数を用いて次式で表される. そこで, を書きなおすと, 次式のようになる. これを微分形式という. は次元の空間空間を持っている. つまり, 次式が成り立つような一次独立な次元ベクトル対が存在する. このベクトル対をまとめて行列として表す. このとき, は正則なとなり, これがであるならば, の定理から, が成り立つような次元ベクトル関数

が存在し, は次式のように書くことができる. このとき, は次式のようになる. これから, となり, 速度拘束式 が次式のような位置拘束式 となる. このような位置拘束になる変形できるものをホロノミック拘束といい, この場合には, 個の一般化座標が固定される問題に変形され, 力学系の自由度はとなる. がでない場合には, 速度拘束の一部は位置拘束にはならず, 自由度も低下しない. このような拘束をノンホロノミック拘束という. 輪車両の運動学モデル 運動学モデル幾何モデルともいうは, 速度の幾何的関係のみから導出される単純なものである. これに対して, 運動方程式に基づくモデルと動力学モデルという. 図のように車軸中心点座標を, 軸から図った車体軸角度を, 車体軸方向速度をとする. 車軸中心点の速度の座標表示は, となる. 一般化座標を とする. 横滑りがない条件は次式のようになる. この拘束式は次式のように書くことができる. ここで, は次式のようのおくことができる.

図 輪車両モデル このとき, は次式のようになる. したがって, はと線形独立であることから, ノンホロノミック制約であることがわかる. また, このベクトル場は, 車輪の横滑り方向を表していることから, 何度かの切換えしを行うことにより, 横滑りせずにその方向へ動くことができることを意味している. これは, 車の縦列駐車を意味している. また, 車体軸方向の速度は次式のようになる. ここで, このシステムの入力を, 推進力と操舵角速度, つまり, とすると, から次式が導出される. これから, 次式の対称アファイン系が得られる. 上式は, 当然ながら拘束を満たしていることに注意しよう.

上式の微分方程式をベクトル場のフローを用いて表すと, つぎのようになる. を生成するベクトル場は, 次式で書くことができる. は舵のフローを意味するが, これ は車輪によるフローを意味するが, これを生成するベクトル場は, 次式のようになる. これから, を計算すると, 次式のようになる. このベクトル場のフローが車軸横滑り方向を生成するわけである. この車両において, 両車輪が駆動車輪で, そのつの回転速度速度は次式のように書くことができる. が独立に制御できる場合には, 推進力と操舵角 ただし, は車輪の半径, は車輪の中点から車輪までの距離である. これから入力変換が次式のように得られる. 図 独立駆動車輪 輪車両の運動学モデル 輪および輪車両は車輪の拘束条件は増えるが輪車両と同様のモデル化が可能である. 前輪, 後輪の中点座標をそれぞれ, とし, 前後輪の中点間の距離を, 前輪の操舵角をとする. 車輪が横滑りしない条件は, つぎのつの式になる. また, 進行方向の速度をとすると, 次式が成り立つ. また,

図 輪車輪 を前輪の拘束条件に代入すると, 次式のように変形できる. そこで, 入力をとおくと, 次式のような輪車両モデルが導出される. 運動学モデルと動力学モデルの関係 運動学モデルにおける入力は速度であるが, 実際の制御系においては, 力が入力となることから, 運動方程式に基づくモデルが必要になる. 輪車両モデルの運動方程式を求めてみよう. 車両の全質量を, 重心周りの慣性モーメントを, 車体進行方向の駆動力を, 操舵トルクをとすると, 次式の運動方程式が得られる. 一般化座標を とおくと, 次式のようになる.

また, 横滑りしない速度拘束条件は, 次式のようになる. この拘束はつぎのように変形できる. これから加速度制約は次式のようになる. ここで, である. この拘束が仕事をしない拘束である場合には, この拘束条件を満足する運動方程式は次式のように書くことができる. これは制約条件付の変分問題から導出されるオイラー ラグランジュ方程式より導出できる. ただし, はラグランジュの未定係数で, 拘束を保つために発生しなくてはならない一般化力をあらわしている. この式に左からをかけて, を消去し, 加速度に関する制約式を代入して整理すると, 次式が導出できる. そこで, 次式の線形化入力を施す. これから閉ループ方程式は次式のようになる. そこで, を大きく選んでハイゲインフィードバックすると, 上式はつぎのようになる.

したがって, 拘束条件といっしょにまとめると, 次式が得られる. さらに, に置換えると, もともとの輪車両の運動学モデルに一致することがわかる. とノンホロノミック制御 対称アファイン系で表されるノンホロノミック系の制御方法を文献をもとにまとめる. 線形制御系のサーボ問題では, 整定したい出力の数と入力の数が等しいことが必要であったが, ノンホロノミック系では, 入力数が出力数よりも少なくても制御が可能となる. ただし, の定理より, 時不変連続フィードバックによって安定化が達成されないことが証明されており, この条件をはずした不連続フィードバックを用いた制御則が提案されている. 通常は, つぎに述べる標準形から出発して制御則が構成される. の定理 についてまとめる. まず, つぎのスカラーシステムを考える. ただし, は状態, を入力とし, は原点を含むの部分区間とする. についてシステムを安定化する入力が存在するならば, 次式が成り立たなければならない. は連続関数で, かつ, ることがわかる. は連結閉集合であることから, つぎの性質をもつ原点を含むある開区間が存在す これを一般化して定理の形にしたのが, である. 定理 ここで, とは, システムを安定化する 級フィードバック関数 が存在することを意味している. 例題 つぎのシステムを考える. このシステムでは, 次の点をの値域に持つことはできない. したがって, 級のフィードバック制御により, 安定化することはできない. しかし, 不連続フィードバックによって安定化できる可能性を否定しているわけではない.

いくつかの標準系の定義非線形制御系の標準形にはつぎのようなものがある. のベクトル表現は次式のようになる. 入力対称アファイン系の つぎの次元入力アファイン系を対象とする. への変換 ただし, とする. この系を状態変数変換と入力変数変換

を用いて, に変換する条件と変換行列はつぎのように与えられている. ある開領域があり, において, の十分条件は, 以下の条件が成立することである. への座標変換 が存在するため 以下の行列 において, で, かつ, がである. 次式を満たすが存在する. 上の条件が成り立つとき, の定理から を満たすが存在し, のひとつは次式で与えられる. 輪車両モデルの への変換 次式の輪車両モデルを種類の方法でに変換する. 方法入力の変数変換 を行うと, 次式のようになる.

一般化座標を とおくと, つぎの対称アファイン系になる. は次式のようになる. そこで, つぎのようなつのベクトル場からつくられる行列を考える. つぎが成り立つ. はなるを除いて局所的に次元. はなぜならば, はさらに, を満たすは次式のようにして求められる. さらに, を持たすは, つぎのようにして求められる.

これから, となり, 座標変換は次式のようになる. また, 入力変換は次式のようになる. はを微分することにより, 次式のように得られる. と本来の入力の関係は次式のようになる. これから, という. では入力の逆変換ができないことから, この変換はこの点では有効ではない. このような点を特異点 方法つぎのような変換を用いると, 特異点を回避することができる. まず入力を入れ換えて とすると, 次式のようになる. このとき, は, つぎのようになる.

さらに, を満たすは次式のようにして求められる. さらに, を持たすは, つぎのようにして求められる. これから, 座標変換は次式のようになる. また, 入力変換は次式のようになる. はを微分することにより, 次式のように得られる. と本来の入力の関係は次式のようになる. から への変換方法 の状態変数を次式のようにおくと, からへ変換できる.

サーボ系における誤差系の構成もも原点が平衡点になる. の状態の目標値がの場合に, 線形系と同様に誤差系を構成することにより, サーボ系をゼロに収束させるレギュレータ問題に帰着させることができる. このために, つぎの修正目標値を構成する. 修正誤差を と定義すると, は次式の誤差系となり, これはまたになっていることがわかる. 上式はつぎを意味する. したがって, 誤差系を安定にすることにより, サーボ系を構成することができる. 代表的な制御法 時不変連続制御則では安定化できないことから, つぎのような制御方法が提案されている. 不変多様体制御 を用いる方法 らによる疑似連続指数安定化制御, らの可変拘束 ディジタル制御 制御対象を不連続化する方法 のプロセスを用いた方法 時変フィードバックを用いる方法三平らの時間軸状態制御, の方法 らの方法, の漸近安定化制御, フィードフォワード制御

うになる. らによる疑似連続指数安定化制御らは原点以外で連続なフィードバックで閉ループ系を指数安定化する方法を提案している. 輪車両をに直した次式を対象として, この手法を適用してみよう. のベクトル表現は次式のよ リアプノフ関数の候補と不変多様体を, 次式のように定義する. さらに, 制御則を次式で与える. ただし, とする. 上式の右辺第項はに収束させる制御則であり, 第項はにする原点で不連続な制御則である. このとき, 次式が成り立つ. これより, となり, ともに指数関数と同じ速さで時間ともにゼロに収束することがわかる指数安定を意味する. また, であるので, となり, 入力はである限り有界であり, 時間とともにゼロへ収束することがわかる. となるようなの集合は時間に対して一定の代数多様体となり, これを非線形制御では不変多様体という.

のプロセスを用いた方法はを除いた状態で指数安定化する制御則を提案している. まず, 次式のプロセスとよばれる不連続な座標変換を行う. はつぎの微分方程式を満たす. 入力を次式で与える. このとき, 閉ループ系は次式のように線形になる. 上式を安定化する次式のような線形フィードバック則を求めることができる. 輪車両の場合には, プロセスと制御則は次式のようになる. 三平らの時間軸状態制御のベクトル表現から始める.

まず, つぎの入力変換 を行うと, 次式を得る. 上式の第式はを時間軸として用いた状態方程式通常の可制御正準系と同じであり, 状態制御部と呼ばれる. 第式はを制御する部分で時間軸制御部と呼ばれている. これらをまとめて, 時間軸状態制御系という. 輪車両モデル は座標変換と入力変換 を用いると, 次式のに変換される. さらに, 入力変換

により次式の時間軸状態制御系に変換される. ただし, この変換はの範囲で有効な局所的なものである. さらに, この輪車両に対する制御則を説明する. であるので, とすると, となり, 軸正方向に前進し, さらに, 制御則 とすると, 状態制御部は となるので, 次式の意味での安定性が成り立つ. これは を意味するので, 前進することにより, 軸に漸近する制御則になっていることがわかる. また, とすると, となり, 軸負方向に後退し, さらに, 制御則 とすると, 状態制御部は となるので, 次式の意味での安定性が成り立つ. これは を意味するので, 後退することにより, 軸に漸近する制御則になっていることがわかる. また, を制御する場合には, 制御則 を用いてゼロに漸近させればよいが, システム全体の指数安定性は保証されていない.

のリアプノフ関数を用いる方法この方法は次元入力対称アファイン系 において, 行列 がでランクであるか, または, 座標変換してそのように整理できる場合に限定して, 大域的な一様漸近安定性を保証するものである. ここでは, 簡単のため次元入力の に限って説明する. まず, 周期の時変関数 時変数を陽に含むを を満たすように選ぶ. ついで, リアプノフ関数と時間関数を と選び, 制御則を次式のように与える. ただし, は微分であり, 次式のようになる. 特に, 輪車両系の場合 について説明する. 周期関数を次式のように選ぶ. と選ぶと,

となり, リアプノフ関数は次式となる. リアプノフ関数の時間微分は次式のようになる. したがって, 入力を と選ぶと, となり, 漸近安定性が証明できる. らの指数安定化制御らはの原点が指数安定となる制御則を提案している. この制御則は時変で不連続フィードバック制御になっているが, 詳細はを参照すること. の漸近安定化制御はを線形座標変換を用いて, に変換して, 漸近安定を保証する制御則を提案しているが, 詳細はを参照すること. 参考文献 保江邦夫 : 量子の道草第章, 日本評論社 美多勉 : 非線形制御入門劣駆動ロボットの技能制御論, 昭晃堂三平満司 : 非線形制御系における制御系設計入門, 若手セミナーテキスト

中村仁彦 非ホロノミック系制御研究の展望, 計測と制御 宮崎, 升谷, 西川 : ロボティックス入門, 共立出版和田, 高木, 森 : 双輪キャスタ型駆動機構を用いたホロノミック全方向移動ロボット, 日本ロボット学会誌 王, 深尾, 足立 : 非ホロノミック移動ロボットの適応トラッキング制御日本ロボット学会誌 熊本, 坂元, 天目, 下浦 : 低次元化スライディングモードと特異注視点による自動車の操舵制御, 計測自動制御学会論文集小川, 武士俣, 嶋岡, 川谷 : 画像情報を利用した輪駆動型ロボットの制御, 日本ロボット学会誌 宇敷重広 : 初等カタストロフ理論ルネ トム他, 形態と構造, みすず書房 佐武一郎 : リー群の話, 日本評論社講義資料