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また リハビリテーションの種類別では 理学療法はいずれの医療圏でも 60% 以上が実施したが 作業療法 言語療法は実施状況に医療圏による差があった 病型別では 脳梗塞の合計(59.9%) 脳内出血 (51.7%) が3 日以内にリハビリテーションを開始した (6) 発症時の合併症や生活習慣 高血圧を

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例 vs 28 例で有意差なかったが 二次エンドポイントの mrs 例 vs 24 例と有意差を認め た この研究は倫理的問題のため中止となっている AHA のガイドラインでは局所動注療法は 全体として予後改善の効果があるが静注療法と治療成績に差はなかった 静注療法と局所動注療法を比較

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Transcription:

C1-1 64 歳男性 ( 低血糖発作 ) 大きな声で呼びかけると開眼する 発声は あー うー 程度 痛み刺激には逃避 自発運動がときにあるが 左上肢と比べて 右上肢の動きがわずかに悪い 64 歳男性 M: 町内会の会合中 I: つじつまの合わないことを言い始めたのち眠り込んだという S: 意識 2 桁 他バイタルサインは問題なし CPSS: 自発運動で右上肢の動きが悪そうで + KPSS C:1-1 M:4-4 V:2 計 12 点 T: 既往歴や内服は不明 現在家族が病院に向かっている 発症時刻は 時 分 (15 分前 ) 時 分 (5 分後 ) 到着予定 評価 大まかな意識レベル :V,2 桁 :O.K. 血糖測定 : 電源入らず 血糖測定必要ですか? 必要との指示なら他部署に借りに行く 静脈路確保 : 12 誘導心電図 :HR110, 整 B:SpO2 98%(room) RR13 C:BP 146/86 P 110, 整 大まかな神経学的評価 : 指示動作不可だが右がやや動き悪い 意識レベル :ECS10 GCSE2V2M4 JCS20 瞳孔所見 :4/4 +/+ 右麻痺あり 脳卒中の可能性 意識障害あり 他の疾患も念頭にいれる は安定しており 移動可能 NIHSS 評価や頭部 CT 指示でたところで 血糖結果 :Low 糖液 (+ ビタミン ) 静注で意識清明となる 麻痺も消失 家族到着 糖尿病で経口糖尿病薬を内服中 との情報 初めの10 分間の手順 ( パウチ ) 振り返りのポイント 意識障害患者の血糖測定の意義 AIUEOTIPS(ICLSコースガイドp.33) ワイドトリアージの容認

C1-2 68 歳女性 ( 症例 9: くも膜下出血 ) 意識は清明だが 激しい頭痛と嘔吐を訴える 指示動作可能 麻痺なし 急変までは いたいいたい 突然自発語無くなる 意識レベル低下 68 歳女性 M: 自宅での食事中に I: 突然頭痛を訴え 嘔吐したという S: 意識清明 血圧は 180 台 他バイタルサインは問題なし CPSS:- KPSS C:0-0 M:0-0 V:0 計 0 点激しい頭痛のため Hurry, but gently! を宣言 T: 既往歴に特記すべきことなし 内服なし 安静保ちながら搬送中 発症時刻は 時 分 (45 分前 ) 時 分 (10 分後 ) 到着予定 評価 大まかな意識レベル :A,1 桁 :O.K. 血糖測定 :204mg/dl 静脈路確保 12 誘導心電図 :HR92, 整 B:SpO2 100%(room) RR14 C:BP 186/98 P 92, 整 大まかな神経学的評価 : 麻痺なし 意識レベル :ECS1 GCSE4V5M6 JCS0 瞳孔所見 :3/3 +/+ 突然の 激しい 頭痛 くも膜下出血? 頭部 CT を優先 は安定 移動可 頭部 CT 指示でたら モニターを外す 移動しようとしたら患者の自発語消失 再評価 モニター装着 HR98 BP226/118 SpO2 92% RR9( 失調様 ) 酸素投与開始し 降圧を考慮 ECS20 E2V3M4 JCS30 振り返りのポイント くも膜下出血の急性期治療 再出血の可能性を念頭に (ICLS コースガイド p.91)

C1-3 72 歳男性 ( 症候性てんかん発作 ) 呼びかけで開眼する 会話は成立しないが 発語あり 指示動作不可 左上下肢不全麻痺 突然 強直 - 間代性けいれん発作をおこす 72 歳男性 M: 自宅で自室にいた際に I: 物音が聞こえ家人が見に行くと倒れており 左向きの共同偏視があったらしい 現在は改善 S: 意識 2 桁 他バイタルサインは問題なし CPSS: 左麻痺 言語異常より + KPSS C:1-1 M:4-4 V:2 計 12 点 T: 既往歴に脳挫傷 ( 右側 ) だが麻痺はなかった 発症時刻は 時 分 (20 分前 ) 時 分 (15 分後 ) 到着予定 評価 大まかな意識レベル :V,2 桁 :O.K. 血糖測定 :118mg/dl 静脈路確保 12 誘導心電図 :HR114, 整 B:SpO2 96%(room) RR12 酸素開始したら SpO2 100% C:BP 158/72 P 114, 整 大まかな神経学的評価 : 左上下肢不全麻痺 意識レベル :ECS10 GCSE3V3M5 JCS10 瞳孔所見 :3/3 +/+ 左向きの共同偏視 麻痺 脳出血? 偏視改善 脳挫傷既往 けいれん発作? 次の指示でたら 四肢の強直 - 間代性けいれん出現 モニターの一部項目は表示されない HR? BP? SpO2 92% RR? 酸素開始 BVM を準備してジアゼパム ( セルシン ホリゾン ) 静注 ジアゼパム使用でけいれんはおさまる 自発は十分 SpO2 改善 振り返りのポイント 痙攣の管理 (ICLS コースガイド p.57) 左上下肢の麻痺は Todd 麻痺を想定 何か異常があれば に戻るのが原則

C1-A 86 歳男性 ( 症例 6: 右基底核領域のアテローム血栓性梗塞 ) は問題なし JCS10 E3V3M6 指示動作には従うが 会話は成立せず無関係な発語のみ 左上下肢に不全麻痺あり 持ち上げると下垂する + 左顔面麻痺 通報内容 86 歳男性 覚知 7:50 朝になっても起きてこないため寝室に行くと様子がおかしいとの通報内容 現着 8:00 状況評価 通報者情報の確認 感染防御 携行資器材の確認 現場確認 大まかな意識レベル :2 桁 ( 呼びかけで開眼 ) B: 正常 16 回 / 分 C:84 回 / 分 整 皮膚湿潤なし 内因性 L&G か?: 内因性 L&G 適応外 各種モニター装着を指示 初期評価 問診 ( 同居家族より ) 判断 重点観察 (KPSS) 評価と 振り返りのポイント 意識レベル :ECS10 GCSE3V3M6 JCS10( 全てとらなくてよい ) 瞳孔 :5/5 +/+ CPSS: 顔面左が下垂 上肢左が下垂 言語発語あるが復唱不可 ドロッピングテスト : 左が下垂 膝立て試験 : 左がゆっくりくずれる 異常姿勢 : なし バイタルサイン :P84 整 BP186/94 SpO2 96%(room) RR16 S: 左上下肢 顔面麻痺 A: なし M: 降圧剤 糖尿病の薬 P: 高血圧 糖尿病 L: 前日 19 時に夕食 E: 前日 22 時に就寝 中途起床なく 7:36 に発見された 脳卒中の疑い?:Yes C:1-1 M:0-2 上下肢 1 点づつ V:1 "Hurry,but Gently!" か?:No 医療機関の選定 : 発症時刻 ( 最終未発症時刻 ) と年齢より t-pa 適応外と考えられる M: 就寝中に I: 意識障害 左顔面 上下肢の不完全麻痺 S: 意識レベル バイタルサイン KPSS T: 処置 既往 発症時刻 到着予定時刻 PSLS アルゴリズムの確認 ( パウチ ) 発症時刻の把握 ( 最終未発症時刻 )(PSLS コースガイド p.30)

C1-B 67 歳男性 ( 症例 1: 左中大脳動脈領域の脳塞栓 ) で脈不整ある以外は問題なし JCS10 E3V5M6 指示動作は可能 構音障害 + 右片麻痺 呂律がまわっておらずかろうじて理解可能な言葉だが質問には答える 通報内容 67 歳男性 覚知 9:07 整体師より さきほど施術中に突然呂律がまわらなくなった 現着 9:12 状況評価 通報者情報の確認 感染防御 携行資器材の確認 現場確認 大まかな意識レベル :2 桁 ( 呼びかけで開眼 ) B: 正常 18 回 / 分 C:90 回 / 分 不整 皮膚湿潤なし 内因性 L&G か?: 内因性 L&G 適応外 各種モニター装着を指示 初期評価 問診 ( 主に本人より ) 判断 重点観察 (KPSS) 評価と 意識レベル :ECS10 GCSE3V5M6 JCS10( 全てとらなくてよい ) 瞳孔 :5/5 +/+ CPSS: 顔面正常 上肢右が落下 言語構音障害あり ドロッピングテスト : 右が落下 膝立て試験 : 右がくずれる 異常姿勢 : なし バイタルサイン :P90 不整 BP165/80 SpO2 98%(room) RR18 S: 発語が不明瞭 A: なし M: 血圧の薬 糖尿病の薬 不整脈の薬 P: 高血圧 糖尿病 心房細動 手術歴なし L:7 時ごろ E:8:50 発症 脳卒中の疑い?:Yes C:1-0 M:0-4 右上下肢各 2 点 V:1 "Hurry,but Gently!" か?:No 医療機関の選定 :t-pa 適応の可能性あり M: マッサージ中 I: 突然の言語障害 右片麻痺 S: 意識レベル バイタルサイン KPSS T: 処置 既往 発症時刻 到着予定時刻 振り返りのポイント t-pa の適応と禁忌 (PSLS コースガイド p.121)

C2-1 67 歳男性 ( 症例 5 改 : 脳梗塞 ) 運動性失語のため 検者と目が合い質問や指示に答えようとするそぶりはあるが発語なし 開眼しているが 指示動作は簡単なものだけできる 意味不明の発声 ( うなり声 ) のみある 67 歳男性 M: 自宅で食事中に I: 発語困難と右上下肢の脱力 S: 意識 1 桁 脈不整あり 他バイタルサインは問題なし CPSS: 右顔面 上肢麻痺 言語異常より + KPSS C:0-1 M:4-0 V:2 計 7 点 T: 既往歴として不整脈指摘されたが内服はしていないとの情報 発症時刻は 時 分 (40 分前 ) 時 分 (10 分後 ) 到着予定 大まかな意識レベル :A,1 桁 :O.K. 脈不整あり 血糖測定 :86mg/dl 静脈路確保 12 誘導心電図 :HR80, 不整 B:SpO2 98%(room) RR13 酸素開始したらSpO2 100% C:BP 165/80 P 80, 不整 大まかな神経学的評価 : 右顔面麻痺 右上下肢運動麻痺 感覚障害 意識レベル :ECS2 GCSE4V2M5 JCS3 瞳孔所見 :3/3 +/+ 評価右片麻痺 発症早期 脳梗塞 t-pa 適応の可能性? 頭部 CT ポーズ 病歴把握 発症時刻の確定 NIHSS 症例のその後 出血 early CT sign 指摘できない 神経内科医にコール はい 神経内科です 向かいますので 病歴把握と NIHSS をお願いします パウチ &ICLS コースガイド p.101~ [2] 発症時刻 [4] 既往歴を中心に確認し 病歴把握の際に何を聞くかを考察する ( 家人より聴取してもらう ) 時 分に 食事中にとつぜん箸を落として発症した つい先日の検診で不整脈を指摘され 精査を指示されたところである 入院や手術 継続的な通院をした病気はまったくないです 1b 質問 :2 4 顔面麻痺 :2 5a 上肢の運動 :4 6a 下肢の運動 :3 8 感覚 :1 9 最良の言語 :2 10 構音障害 :2 合計 16 点 ( 省略 ) 神経内科医師より家人に IC t-pa 治療の同意が得られたため SCU に移動 ( 以後 専門医とともに診療 ) バイタル再測定 BP190/110 (t-pa 投与前血圧と降圧法を確認 ICLS コースガイド p.55) 降圧開始して 10 分後 ジルチアゼム ( ヘルベッサー ) BP150/90 HR70( 不整 ) へ ニカルジピン ( ペルジピン ) BP150/90 HR90( 不整 ) へ ICLS コースガイド p.75 をみながら 出血性梗塞を発症したが 症状は著明に改善 発症時刻の正確な把握(ICLSコースガイドp.102) 振り返りのポイント t-pa 禁忌 慎重投与の該当項目 ( パウチ ICLSコースガイドp.104) 血圧管理( 本邦では 高血圧治療ガイドラインの高血圧緊急症の治療を参

C2-2 28 歳女性 (CaseC 改 : 若年性脳出血 ) いびき呼吸 用手気道確保しても同様 来院時 ECS100W 28 歳女性 M: 勤務先での事務作業中に I: 突然の頭痛 嘔吐で発症し 右上下肢の脱力 S: 接触時呼びかけで開眼したが現在意識 3 桁 SpO2 低下傾向で酸素投与開始したところ 他バイタルサインは問題なし CPSS: 右顔面 上肢麻痺 発語なしより + KPSS C:2-1 M:4-4 V:2 計 13 点 T: 既往歴や内服は不明 発症時刻は 時 分 (20 分前 ) 時 分 (5 分後 ) 到着予定 評価 気道確保 大まかな意識レベル :U,3 桁 : いびき様呼吸 気道確保しても同様 C は O.K. 血糖測定 :84mg/dl 静脈路確保 12 誘導心電図 :HR90, 整 A: いびき様 気道確保しても同様 B:SpO2 98%(10L) RR4 酸素のみ SpO2 低下マスク換気 換気抵抗あるがわずかに SpO2 上昇 C:BP 230/120 P 90, 整 降圧剤使用したら BP190/100 大まかな神経学的評価 : 右顔面麻痺 右上下肢運動麻痺 意識レベル :ECS100W GCSE1V2M4 JCS100 瞳孔所見 :3/3 +/+ SpO2 低下傾向 早急に気道確保 マネキン設定 ( 舌浮腫 ) 挿管しようとすると抵抗する エアウェイ挿入換気良好となるが 嘔吐を誘発して外れる そのまま挿管喉頭鏡をかけたところで患者が暴れだす 筋弛緩のみして挿管血圧 +30mmHg だが挿管可能 換気改善 鎮静 鎮痛自発呼吸停止 数分かけて血圧 -80mmHg ここで挿管設定により挿管不可 ここで筋弛緩したのち挿管血圧 +10mmHg 挿管可能 換気改善 挿管できたら挿管後の確認を行い の安定を確認後 CT へ 気道確保の各種方法振り返りのポイント RSIの方法 (ICLSコースガイドp.53) 鎮静する場合は 可能な限り意識レベルや神経所見を確認しておくこと 挿管のために筋弛緩を要する症例 ( RSI) 適応の選択に基準を設けるのは困難 テキスト掲載の RSI の方法は一例である 詳細な方法について議論は避ける

C2-A 59 歳男性 ( 症例 4: 左皮殻出血 ) で血圧高い以外は問題なし JCS10 E3V2M5 開眼すると視線が合う 指示動作不可 右片麻痺 + 右顔面麻痺失語のため発語なく 意味不明のうなり声のみ 通報内容 59 歳男性 覚知 13:10 新聞を読んでいるときに突然激しい頭痛を訴えて その後反応がない 現着 13:15 状況評価 通報者情報の確認 感染防御 携行資器材の確認 現場確認 大まかな意識レベル :2 桁 ( 呼びかけで開眼 ) B: 正常 16 回 / 分 C:96 回 / 分 整 皮膚湿潤なし 内因性 L&G か?: 内因性 L&G 適応外 各種モニター装着を指示 初期評価 問診 ( 同居家族より ) 判断 重点観察 (KPSS) 評価と 振り返りのポイント 意識レベル :ECS10 GCSE3V2M5 JCS10( 全てとらなくてよい ) 瞳孔 :5/5 +/+ CPSS: 顔面右が下垂 上肢右が落下 言語発語なし ドロッピングテスト : 右が落下 膝立て試験 : 右がくずれる 異常姿勢 : なし バイタルサイン :P96 整 BP206/108 SpO2 96%(room) RR16 S: 頭痛ののちに しゃべれなくなった A: なし M: 血圧の薬 P: 高血圧 L:8 時ごろ E:13:08 発症 脳卒中の疑い?:Yes C:1-1 M:4-4 上下肢 2 点づつ ( 指示に従えないため左右とも 4 点 ) V:2 "Hurry,but Gently!" か?:Yes( 突然の頭痛 血圧 >200mmHg) 医療機関の選定 : 脳出血の可能性 脳神経外科対応可能なところ 脳梗塞の可能性もあり t-pa も念頭に M: 新聞を読んでいたとき I: 頭痛を訴えて 失語 右顔面 上下肢の完全麻痺 S: 意識レベル バイタルサイン KPSS T: 処置 既往 発症時刻 到着予定時刻 "Hurry,but Gently!" の対象となる状態 (PSLS コースガイド p.32) くも膜下出血では意識レベルの低下はあっても麻痺はでにくい (PSLS コースガイド p.127)

C2-B 68 歳女性 ( 症例 5: 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血 ) でやや血圧高い以外は問題なし JCS1 E4V5M6 指示動作は可能 頭を痛がっている 神経学的欠損なし 問いかけにややもたつくが正確に返答する 通報内容 68 歳女性 覚知 19:40 家人より 妻が家事をしている最中に突然頭痛を訴え始めた 現着 19:45 状況評価 通報者情報の確認 感染防御 携行資器材の確認 現場確認 大まかな意識レベル :1 桁 B: 正常 20 回 / 分 C:100 回 / 分 整 皮膚湿潤なし 内因性 L&G か?: 内因性 L&G 適応外 各種モニター装着を指示 初期評価 問診 ( 主に本人より ) 判断 重点観察 (KPSS) 評価と 意識レベル :ECS1 GCSE4V5M6 JCS1( 全てとらなくてよい ) 瞳孔 :4/4 +/+ CPSS: 顔面正常 上肢正常 言語正常 ドロッピングテスト : 正常 膝立て試験 : 正常 異常姿勢 : なし バイタルサイン :P100 整 BP200/120 SpO2 98%(room) RR14 S: 突然の頭痛 救急隊接触前に嘔吐 1 回あり A: なし M: なし P: 高血圧 ( 治療していない ) L:19 時ごろ E:19:30 発症 脳卒中の疑い?: くも膜下出血の疑い C:0-0 M:0-0 V:0 (KPSS 省略も許容される?) "Hurry,but Gently!" か?:Yes( 突然の頭痛 ) 医療機関の選定 : 脳外科のある医療機関 M: 家事をしているとき I: 突然の頭痛 嘔吐 S: 意識レベル バイタルサイン KPSS T: 処置 既往 発症時刻 到着予定時刻 振り返りのポイント くも膜下出血の症状の特徴と取り扱い (PSLS コースガイド p.127)