PowerPoint プレゼンテーション

Similar documents
PowerPoint プレゼンテーション

反射係数

PowerPoint プレゼンテーション

s ss s ss = ε = = s ss s (3) と表される s の要素における s s = κ = κ, =,, (4) jωε jω s は複素比誘電率に相当する物理量であり ここで PML 媒質定数を次のように定義する すなわち κξ をPML 媒質の等価比誘電率 ξ をPML 媒質の

平面波

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

スライド 1

パソコンシミュレータの現状

スライド 1

人間科学部研究年報平成 24 年 (1) (2) (3) (4) 式 (1) は, クーロン (Coulomb) の法則とも呼ばれる.ρは電荷密度を表し,ε 0 は真空の誘電率と呼ばれる定数である. 式 (2) は, 磁荷が存在しないことを表す式である. 式 (3) はファラデー (Faraday)

Laplace2.rtf

Microsoft Word - thesis.doc

Microsoft Word - 1B2011.doc

Microsoft PowerPoint EM2_15.ppt

補足 中学で学習したフレミング左手の法則 ( 電 磁 力 ) と関連付けると覚えやすい 電磁力は電流と磁界の外積で表される 力 F 磁 電磁力 F li 右ねじの回転の向き電 li ( l は導線の長さ ) 補足 有向線分とベクトル有向線分 : 矢印の位

Microsoft PowerPoint - 第5回電磁気学I 

スライド 1

<4D F736F F D2097CD8A7793FC96E582BD82ED82DD8A E6318FCD2E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - Chap17

喨微勃挹稉弑

ÿþŸb8bn0irt

<4D F736F F D20824F B CC92E8979D814696CA90CF95AA82C691CC90CF95AA2E646F63>

Microsoft Word - 付録1誘導機の2軸理論.doc

線積分.indd

スライド 1

2. コンデンサー 極板面積 S m 2, 極板間隔 d m で, 極板間の誘電率が ε F/m の平行板コンデンサー 容量 C F は C = ( )(23) 容量 C のコンデンサーの極板間に電圧をかけたとき 蓄えられる電荷 Q C Q = ( )(24) 蓄えられる静電エネルギー U J U

数学 ⅡB < 公理 > 公理を論拠に定義を用いて定理を証明する 1 大小関係の公理 順序 (a > b, a = b, a > b 1 つ成立 a > b, b > c a > c 成立 ) 順序と演算 (a > b a + c > b + c (a > b, c > 0 ac > bc) 2 図

交流 のための三角関数 1. 次の変数 t についての関数を微分しなさい ただし A および ω は定数とする 1 f(t) = sin t 2 f(t) = A sin t 3 f(t) = A sinωt 4 f(t) = A cosωt 2. 次の変数 t についての関数を積分しなさい ただし

スライド 1

F コンデンサーの静電容量高校物理において コンデンサーは合同な 2 枚の金属板を平行に並べたものである 電池を接続すると 電圧の高い方 (+ 極 ) に接続された金属板には正の電気量 Q(C) が 低い方には負の電気量 -Q(C) が蓄積される 正負の電気量の絶対値は等しい 蓄積された電気量 Q

Microsoft PowerPoint - 10.pptx

Taro-F25理論 印刷原稿

電磁気学 IV 第 7 回導体内の電磁界 表皮効果 ( 電磁気ノート19 章を参照 ) 工学部電気電子工学科松嶋徹 授業のスケジュール ( 順番変更 ) 6 月 12 日 ( 第 1 回 ) 電磁気学的な量 一般直交座標におけるベクトル演算 6 月 14 日 ( 第 2 回 )

s とは何か 2011 年 2 月 5 日目次へ戻る 1 正弦波の微分 y=v m sin ωt を時間 t で微分します V m は正弦波の最大値です 合成関数の微分法を用い y=v m sin u u=ωt と置きますと dy dt dy du du dt d du V m sin u d dt

ディジタル信号処理

ÿþŸb8bn0irt

Microsoft PowerPoint EM2_15.ppt

Chap2.key

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生

代数 幾何 < ベクトル > 1 ベクトルの演算 和 差 実数倍については 文字の計算と同様 2 ベクトルの成分表示 平面ベクトル : a x e y e x, ) ( 1 y1 空間ベクトル : a x e y e z e x, y, ) ( 1 1 z1

Microsoft Word - NumericalComputation.docx

電磁波解析入門セミナー 説明資料 All Rights Reserved, Copyright c Murata Software Co., Ltd. 1

基礎から学ぶ光物性 第2回 光が物質中を伝わるとき:

物理演習問題

数学 Ⅲ 微分法の応用 大学入試問題 ( 教科書程度 ) 1 問 1 (1) 次の各問に答えよ (ⅰ) 極限 を求めよ 年会津大学 ( 前期 ) (ⅱ) 極限値 を求めよ 年愛媛大学 ( 前期 ) (ⅲ) 無限等比級数 が収束するような実数 の範囲と そのときの和を求めよ 年広島市立大学 ( 前期

学習指導要領

DVIOUT

相対性理論入門 1 Lorentz 変換 光がどのような座標系に対しても同一の速さ c で進むことから導かれる座標の一次変換である. (x, y, z, t ) の座標系が (x, y, z, t) の座標系に対して x 軸方向に w の速度で進んでいる場合, 座標系が一次変換で関係づけられるとする

微分方程式による現象記述と解きかた

Microsoft PowerPoint - H22制御工学I-2回.ppt

PowerPoint Presentation

DVIOUT-SS_Ma

2009 年 11 月 16 日版 ( 久家 ) 遠地 P 波の変位波形の作成 遠地 P 波の変位波形 ( 変位の時間関数 ) は 波線理論をもとに P U () t = S()* t E()* t P() t で近似的に計算できる * は畳み込み積分 (convolution) を表す ( 付録

重要例題113

DVIOUT

スライド 1

PowerPoint Presentation

Microsoft Word - 1.2全反射.doc

伝熱学課題

(Microsoft Word - 10ta320a_\220U\223\256\212w\223\301\230__6\217\315\221O\224\274\203\214\203W\203\201.docx)

スライド 1

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように

第 4 週コンボリューションその 2, 正弦波による分解 教科書 p. 16~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問 1. 以下の図にならって,1 と 2 の δ 関数を図示せよ δ (t) 2

1/30 平成 29 年 3 月 24 日 ( 金 ) 午前 11 時 25 分第三章フェルミ量子場 : スピノール場 ( 次元あり ) 第三章フェルミ量子場 : スピノール場 フェルミ型 ボーズ量子場のエネルギーは 第二章ボーズ量子場 : スカラー場 の (2.18) より ˆ dp 1 1 =

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

Microsoft Word - 9章(分子物性).doc

Microsoft Word - 断面諸量

Microsoft Word - 漸化式の解法NEW.DOCX

横浜市環境科学研究所

SPring-8ワークショップ_リガク伊藤

<4D F736F F D2094F795AA95FB92F68EAE82CC89F082AB95FB E646F63>

スライド タイトルなし

航空機の運動方程式

Microsoft Word

(Microsoft PowerPoint - \221\34613\211\361)

< BD96CA E B816989A B A>

Microsoft PowerPoint - 第3回2.ppt

公式集 数学 Ⅱ B 頭に入っていますか? 8 和積の公式 A + B A B si A + si B si os A + B A B si A si B os si A + B A B os A + os B os os A + B A B os A os B si si 9 三角関数の合成 si

(Microsoft Word - \216\221\227\277\201i\220\333\223\256\201jv2.doc)

diode_revise

第1章 単 位

Microsoft PowerPoint _量子力学短大.pptx

チェビシェフ多項式の2変数への拡張と公開鍵暗号(ElGamal暗号)への応用

Microsoft Word - 第2章電磁気学編_

ファイナンスのための数学基礎 第1回 オリエンテーション、ベクトル

技術者のための構造力学 2014/06/11 1. はじめに 資料 2 節点座標系による傾斜支持節点節点の処理 三好崇夫加藤久人 従来, マトリックス変位法に基づく骨組解析を紹介する教科書においては, 全体座標系に対して傾斜 した斜面上の支持条件を考慮する処理方法として, 一旦, 傾斜支持を無視した

Microsoft PowerPoint - 10.pptx

ÿþŸb8bn0irt

2014年度 筑波大・理系数学

19年度一次基礎科目計算問題略解

FEM原理講座 (サンプルテキスト)

スライド 1

Microsoft PowerPoint - H21生物計算化学2.ppt

Microsoft PowerPoint - H22制御工学I-10回.ppt

ベクトル公式.rtf

p tn tn したがって, 点 の 座標は p p tn tn tn また, 直線 l と直線 p の交点 の 座標は p p tn p tn よって, 点 の座標 (, ) は p p, tn tn と表され p 4p p 4p 4p tn tn tn より, 点 は放物線 4 p 上を動くこと

s と Z(s) の関係 2019 年 3 月 22 日目次へ戻る s が虚軸を含む複素平面右半面の値の時 X(s) も虚軸を含む複素平面右半面の値でなけれ ばなりません その訳を探ります 本章では 受動回路をインピーダンス Z(s) にしていま す リアクタンス回路の駆動点リアクタンス X(s)

Microsoft Word - ultrasonic_2010.doc

7 渦度方程式 総観規模あるいは全球規模の大気の運動を考える このような大きな空間スケールでの大気の運動においては 鉛直方向の運動よりも水平方向の運動のほうがずっと大きい しかも 水平方向の運動の中でも 収束 発散成分は相対的に小さく 低気圧や高気圧などで見られるような渦 つまり回転成分のほうが卓越

Transcription:

電磁波工学 第 5 回平面波の媒質への垂直および射入射と透過 柴田幸司

Bounda Plan Rgon ε μ Rgon Mdum ( ガラスなど ε μ z 平面波の反射と透過 垂直入射の場合 左図に示す様に 平面波が境界面に対して垂直に入射する場合を考える この時の入射波を とすると 入射波は境界において 透過波 と とに分解される この時の透過量を 反射量を Γ とおくと 領域 における媒質の誘電率に対して透過量 および反射量 Γ は決定される よって その量を先の電磁波の境界条件から求めてみる そのためまず透過係数は 入射波と透過波の比として 次に反射係数は 入射波と反射波の比として と定義する と定義する そして これら透過係数や反射係数を計算する為の と x 成分を持つ平面波の各電磁界成分は マクスウェルの方程式より変形される次式の波動方程式の解として のみを用いて次の様に置くことが出来る z 屈折率と誘電率 c n との関係 v c 媒質中の光速度 v 真空中の光速度

現時点では未知数であり 境界条件を考慮することにより定数として決定される j z j z 理由 j z j 波動として振舞う ( ( (3 j sn であり j z x Y j z x Y x Y スカラ表現されたマクスウェル方程式の解より電界と磁界には j z (4 (5 (6 ここで および は自由空間および媒質中の波数であり 周波数と誘電率によって決定される波長と関連する定数としてマクスウェルの方程式から波動方程式を導出すれば その一般解の構成要素として と直交している を得る x なる関係があるので x となる ここで 自由空間インピーダンスは o Y o

よって与式は また x Y Y である となり (4 および (6 式は直ちに求まる Γ を求める方針. (~(6 式に接線成分の連続条件を適用して. 各領域の電磁界の和が等しい性質より つの方程式を組み立てる 3. そして Γ を求める時には透過電界である を消去し を求める時には反射電界である を消去して関係式を導出する なお 磁界の反射波は境界で更に向きが反転して (5 式のごとく ( - が無くなる ここで 誘電体境界面において 電磁界には n (7 n n (8 K n (9 なる関係が存在する

境界条件について異なる媒質の境界 ( 不連続部 では マクスウェルの方程式はそのまま適用出来ない 境界面に境界条件を適用 Rgon Bounda Plan Rgon Mdum ( ガラスなど 媒質内における電磁波の伝搬 線積分 C ds Rgon Rgon 変位電流 S ε μ σ C S ε μ σ dd J nds d n τ (.4 小さな面 Sとこれを囲む閉路 C( C= につ いて拡張されたマクスウェルアンペア (.4 式を適用 電流 Jにより 有限の値 (.6 K n K 境界面を面電流が流れている時の電流密度 [A/m] (.6 式 境界面に面電流が流れている場合 その分の不連続が生ずる

同様に小さな面 S とこれを囲む閉路 C( C= についてファラデー (.7 式を適用 d d ds B nds (.7 d d S C n (.7 電界の接線成分は連続 領域 および 共に完全導体でなければ 面電流 = となる n n (. 不連続部における一般的な境界条件 (. 式を変形すれば (. 式の意味 n n n x となる これは 領域 および の単位法線ベクトル n に垂直な磁界の 成分 ( x および が 境界面では等しいということを意味している z x

境界面 領域 領域 媒質 ( 空気 誘電体の境界条件 媒質 ( ガラスなど アンペアマクスウェルの積分形より K n K 境界面を面電流が流れている時の密度 [A/m] 境界において 磁界は K の不連続が生じる 但し 完全金属以外では K= となり z 入射波透過波媒質の誘電率に関連して透過 n n n n が成り立つ また 電界は ファラデーの積分形より n となる すなわち 電界の接線成分は連続 ( 境界での電界の接線成分は等しい

n とは 領域 領域 n n n x について n 単位法線ベクトル ( 境界面と垂直なベクトル x z n とは n に垂直な および x 成分の電界のこと 領域名 つまり 境界において x x が成り立つ

すなわち (8 式は境界において電界の接線成分が等しいことを表しており x x となる 次に (9 式の K は境界が完全導体では無い時には零であり n より n n となるから 結局 磁界の接線成分も等しくなり x x を得る 接線成分の連続条件の導入 よって 領域 の電磁界の和と領域 の電磁界の和が等しいことより この条件より に関して j z j z j z また x に関しては Y Y ( ( x x x より z j z j z Y Y も成り立つ ( が成り立つ j を変形して j z j z j z Y (3 となる

( と (3 式について z= = の場合には = となるので の項を省略すれば改めて (4 と書き直せる 反射係数の導出 Y ( Y (5 これらの式より まず反射係数 Γ は と との比であるから透過電界である を消去することを考える すなわち (4 式を (5 式に代入すれば Y Y ( Y ( となるので これを整理すれば Y Y Y ( Y Y ( Y Y と変形される これより 反射係数は Y Y Y Y (6 (7 を得る

透過係数の導出 透過係数 は入射と透過の比であるから (4 および (5 式から を消去することを考える まず (5 式を Y Y Y Y Y Y (8 と変形する 一方 (4 式は となるので Y Y Y これを (8 式に代入すれば を得る これを展開すれば Y Y Y Y となり さらに展開して Y Y Y Y より Y Y Y となる ここで 透過係数は と定義されているので 方向の電界について

(9 であり この式に Y および Y を代入して与式はを得る また たとえばガラスなどの誘電体を仮定して μ=μ とすると となり これが 媒質による平面波の反射係数及び透過係数の公式である Y Y Y

Γ の計算例 Bounda Plan Rgon Rgon Mdum ( ガラスなど そこで 具体的に領域 の媒質の比誘電率が与えられた時の反射係数について考える もし 媒質 の比誘電率がε =の場合には となるから次式を得る ε ε z また 媒質 の比誘電率が ε = の場合には.44.44.44.44.7.44.44.89 となる

Rgon ε 電源抵抗 交流電圧源 Bounda Plan 等価回路との関係 Rgon Mdum ( ガラスなど ε z 領域 領域 z= なお この様なモデルは等価回路に置き換えることが出来て Γ および はそれぞれ Y Y Y Y Y Y Y となる つまり インピーダンス不連続問題に帰着する

同様の手法により 厚みを持った媒質による透過波も計算が可能である z= z=d Rgon Rgon3 Rgon z=d での境界条件から領域 と 3 との電磁界の関係式を組み立て 領域 と に関する関係式も含めて 4 元連立方程式から および を導出 ガラス窓などによる光の透過係数の計算が可能

Bounda Rgon Plan Rgon ε z θ θ x ˆz 電磁波の媒質への斜め入射 Mdum ( ガラスなど ε θ z 左図に示す様に 自由空間 ε 中の電界および磁界が ε なる誘電媒質に対して入射面と水平に平面波が θ なる角度で入射する場合を考える この時の入射波は z 面に対して時間項は省略して 方向および z 方向成分の合成として 電界が入射断面である z 面に平行して振動 水平偏波の場合 o j sn ˆ ˆ sn z z o j Η x ˆ 方向成分 sn z と表現出来る ここで は電界強度の初期値である z 方向成分 (a (a ˆ sn つまり 水平偏波の場合には入射面である z 面に対して電界 は平行であり および z が存在する 一方 磁界はフレミングの左手の法則より x のみが存在する さらに 境界面からの反射波を

とおく この式は反射量の表現式であるから z の符号のみを逆にすることを留意する ここで および は領域 における波数および特性インピーダンスであり 空気 ( 真空 中において j sn ˆ ˆ sn z z o o xˆ c j ( sn z (a4 角周波数を真空中の光の速度で割った値 となる また θ は反射角であり Γ は境界における反射係数である さらに 領域 への透過波を o ( ˆ o xˆ j zˆ sn ( sn z 方向のみ向きが変化する. ( sn z (a3 (a5 とおけば は透過係数である ここで および は領域 における波数および特性インピーダンスとして j (a6

で与えられる なお 現時点においては Γ および さらに θ θ は未知数である 以上の様に定義した電磁界について z= 点における接線成分の連続性より ( ( x z z ( ( x z z (a7 (a8 を適用する その際に入射 反射および透過波の関係を考慮すれば 垂直入射の時と同様 x z z z z x z x z および なる関係を得る さらに z= における境界面に平行な成分について上記の式に (a~(a6 式を代入すれば z に関する関数はすべて消え以下の 式を得る j sn j sn jsn j sn j sn j sn. (a (a9

(a9 および (a 式の両辺は 座標の関数であり この時点では未知数である Γ および は定まらない ( つまり Γ は一定とならない ここで 先程の境界条件が成り立つということは 図に示す様に z= における境界面に沿って = 3 n において同じ状態にあることである つまり この つの式がすべての 座標について成り立つ為には指数関数の変数同士が相等しい必要があり その為に次式を満足する必要がある sn sn sn (a この に関する式の解は 一般にスネルの反射および屈折に関する法則として 次式で表されることが知られている (a sn sn. (a3 より. sn sn 周波数は関係無い ( 光でも電波でも同じ 上記の式は (.9 および (. 式の位相項がいかなる に対しても境界の両面にて同じ比で変化することを表しており しばしばこれを位相の整合条件と呼ぶ ここで θ に着目すると

sn sn より 透過波の角度は sn sn となる 式 (a9 および (a に (a および (a3 の条件を適用し 両式から Γ または だけについて整理すれば 以下の 媒質における反射および透過係数を得る まず (a9 式に j j sn sn となるので これを整理すれば を代入して j sn j sn j sn j j sn sn (aa (= の場合について =の場合には となる 一方 (a 式に = を代入して両辺に - を掛けると となるから (ab となるので これをについて整理すれば (ac となる また Γ にて整理すれば

(ad となる そこで これらの関係よりまず反射係数 Γ を求めることを考える すなわち を消去するために (ac 式を (aa 式に代入して となる

次に 透過係数 は Γ を消去するために (ad 式を (aa 式に代入して を得る から

以上をまとめれば (a4 (a5 となる ここで 電磁界が垂直入射する場合には θ =θ = θ = であるから となり 先の垂直入射における結果と一致する この偏波ではブリュスター角 ( θ b という特別な角度が存在し 反射係数は Γ= なることが知られており この条件について考えてみる (a4 式にて Γ= となる為には分子が零になる必要があるので

b b を得る さらに入射角をブリュスター角としてあらたに θ =θ b と置き換えれば * なる関係を得る よって * 式を θ について整理すると 一方 三角関数の公式である sn *4 sn となる ここで (a3 式のスネルの法則は となる よって この式を θ b のみの関係式に変形することを考える そのために以下の手順を実行する. 三角関数の公式より θ を snθ で表現し. スネルの法則よりこれを snθ で表現し 3.θ =θ b として θ b で表現し 4. この θ を *4 式に代入する * なる関係を θ について整理すると

sn sn であるから これをsnθ について整理すれば を得るので θ =θ b なる関係より 式にこの式を代入すれば sn sn sn b *3 を得る これより *3 に *4 式を代入して θ を消去すれば b sn b Γ. となる よって b sn b. を満たす様な b がブリュスター角となる b 9 θ

垂直偏波の場合 垂直偏波の場合には電界のベクトルは入射面の z 断面に対して垂直となる まず 入射する電磁界は o xˆ j ( sn z (b o ( ˆ zˆ sn j ( sn z (b とおくことが出来る ここで および は領域 における波数 特性インピーダンスであり となる これより 反射および透過係数は

o x j( sn z ˆ (b3 o ( ˆ zˆ sn j ( sn z (b4 o xˆ j ( sn z (b5 o ( ˆ zˆ sn j ( sn z (b6 とおく ここで Γ および は反射および透過係数であり 領域 について となる

なお 現時点においては Γ および さらには θ θ は未知数である 以上の様に定義した電磁界について = 点における電磁界の接線成分の連続性 ( 境界条件 より ( ( z x z x (b7 ( ( z z (b8 を適用すれば 先ほどと同様に以下の 式を得る sn sn sn j j j j j sn sn (b9 (b. sn j

水平偏波の時と同様に x および が = 点においてすべての に対して連続である為には 位相の整合条件より 以下のスネルの法則が成立する sn sn sn (b 式 (b9 および (b に (a 式の条件を適用することにより それぞれ Γ および について整理すれば以下の 媒質における反射および透過係数を得る (a (a3

ブリュスター角について考えると Γ= であるためには (a 式の分子が零である必要があるので となる また スネルの法則より sn sn sn だから これら 3 式を θ のみで整理すれば sn sn sn sn まず sn について ( ( を ( 式に代入すると であるから sn ( 更に ( 式を代入して

. sn ( ( となる しかし これは矛盾を導く 右辺の括弧内は 誘電体内では あらゆる点においてゼロとなる ( sn となる これを展開してここで sn sn (3 を得る を (3 式に代入すれば sn sn となるので まず両辺に を掛けて sn sn となるので これを整理すれば

なぜなら であるから に値を代入すれば となるからである よって 垂直偏波では誘電体への入射によるブリュスター角は存在しない

一例として ε=.55 の時 入射角度に対する反射係数は以下の様になる Γ. 垂直偏波. 水平偏波 θ 9 反射 屈折のアニメーション hp://www-annna.p.ch.ac.jp/~ha/hobb/du/m/fsnl/ndx-j.hml