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すると gin は より ˆ = ˆ F ω ω + γiω = = {( ) i } ( ) { i } 複素共役 ( z = z z ) ω ω + γ ω ω ω γ ω ( ) ω ω + γ ω (D.8) ˆ gin = = Fˆ ω ω + γ ω ( ) (D.9) gin これを横軸に ω, 縦軸に gin をとってグラフを書くと 図 - ( 上 ) のようになる また 両対数軸で描いたもの を図 - ( 下 ) に示した ω r ω gin を最大にする角振動数 ω を求めるため gin を ω の関数 gin (ω ) とみて ω について微分すると ( ω) gin = ω( ω γ ω ) ( ω ω ) + γ ω ( ) 3 ω のとき gin ω = ω γ ω = ( ) γ ω = ω よって gin は ω ω ( ω ) (D.) γ = rとおくのときに極大値 log( gin) log( ω r ) 図 - ginm = (D.) γ γ ω をとる このとき 図 - より 外力の角振動数 ω がω r に近づくにつれて gin は急増し やがてω = ω r となるところで最大となっていることがわかる - -.5 - -.5.5.5 log( ω) -

γ 特に 摩擦係数 γ が非常に小さい場合 ( γ ω ) には gin はω = ω ωで極大値 ginm = (D.) γω γ γ ω をとることがわかる このように 外部から振動が与えられる場合に その外力の角振動数が系の固有角振動数に近づくと gin が急激に大きくなることを共振現象といい gin が最大となるときの角振動数 ω r を共振角振動数という 特に γ ω の場合は 固有角振動数と共振角振動数は 一致する ( ω ω ) r 補足 以下の と の相互作用の式 ( 質量作用ではない ) と運動方程式に同じである + γ + ω = は本質的 ( ) ( ) + + = re eerminn ( D-) 概念的な生化学反応と力学系 にて詳述 ) 補足 文章中で 周波数 と 振動数 という言葉が使われているが これらは本質的に同じものであり 英語ではいずれも frequen である 単位はいずれも [Hz]( ヘルツ ) を用いる また同様に 角周波数 角振動数 角速度も本質的に同義である 単位はいずれも [r/s] 周波数 f と角周波数 ω との関係はω = π f で与えられる これらの用語は 見ている現象によって使い分けられ 振動数は物理現象や機械系の分野などで 周波数は制御工学や電気系の分野で用いられることが多い -3

D-) 概念的な生化学反応と力学系 A B <, < のとき, のとき 概念的な生化学反応ネットワークを簡単にモデル化することを考えよう と を分子と見立て,,, は反応の強さと向きを表すとする A の場合 < なので は速度定数 に従い分解されていくとみなせる 同様に も (< ) に従い分解されていくと見なせる 一方 B の場合は なので は速度定数 に従い増加していくため 一種のポジティブフィードバックと見なすこともできる ただし ポジティブフィードバックは時間とともに発散していき 双安定性は示さない ( 現実的に細胞では何かの分子が発散することはなく 分子数は有限なのでどこかで落ち着くことになる ただし そこは後で述べる安定な点ではない!) また の に対する作用は のとき活性化 < のとき抑制化であると見なせる の に対する作用も同様である,,, はそれぞれ速度定数とみなして の の関係を以下のような連立微分方程式に書き下すことにする = + = + (D.5) (D.6) ただし は の時間変化 式 (D.5) より 式 (D.6) より 式 (D.7) 式 (D.8) より また (D.5) の両辺を について微分すると 式 (D.9) を式 (D.) に代入すると, は の時間変化 を表す = + (D.7) = + (D.8) ( ) ( ) = = (D.9) = + (D.) -

( ) ( ) ( ) ( ) = + が得られる ( 同様に ( + ) + ( ) = + + = (D.) も得られる ) この式は D-) の補足 でも触れたように (D.) で外力が働かない場合のバネの運動方 程式 + γ + ω = ( ただし γ = /m, ω = k /m ) と非常によく似た形をしている 式 (D.) をバネの運動方程式と対応させた場合 質量 m = γ = ( + ) 固有角振動数は ω = となる ( ただし γ, ω より + <, ) つまり 分解が摩擦に対応しており また 角周波数 対して この系は最大の応答をすることになる ( 共振現象 ) ( 詳しい対応関係については D-3) 線形微分方程式の対応表 参照 ) を持つような入力刺激に 一方 式 (D.5), (D.6) は 行列を用いて = (D.) と表せる ここで A = とおいて 行列 A の固有値を, ( ) λ ( ) λ λ とすると λ, λ は固有方程式 λ + + = (D.3) の解である r A = +, e A = であるから 式 (D.3) の解 λ, λは これより r A ± (r A) e A λ, λ = (D.) と表せる λ + λ = r A= + λ λ = e A = 行列 A の対角成分の和 + を A のトレース (re) といい r A と表す また e A は A の行列式 のことである したがって式 (D.) は と書ける ( ) λ + λ + λ λ = (D.5) -5

ここで λ λ のとき それぞれの固有値に対する固有ベクトルを, とすれば v と v は一次独立だから 式 (D.) の一般解は α α λ λ = Ce + Ce β β α v =, β v α = β (D.6) と表すことができる 但し C, C は定数である ( 補足 3 参照 ) ここで 固有値が異なる つの実数であるとき すなわち式 (D.) において (r A) e A であるとき 例えば解が () = e λ となる場合を考えてみると λ λ のとき ( ) λ < のとき ( ) λ < となる また 固有値が複素数のとき すなわち式 (D.) において ( A) r e A< であるとき λ λ 例えば解が () = e + e となる場合を考えてみる λ = + i, λ = i とすれば () iθ オイラーの公式 e = osθ + isinθ より このとき ( ) ( ) ( ) λ λ + i i i i = e + e = e + e = e e + e () = e os (D.7) のとき ( ) < のとき ( ) = < また =, すなわち固有値が純虚数の場合は 式 (D.7) は調和振動 ( 単振動 ) となる つまり 虚数解は振動成分を生むということがわかる 以上のことから λ, λ の取り得る値 ( 正負 実虚 ) すなわち r A, e A の関係によって式 (D.6) の挙動が変化することがわかる これより 固有値 λ, λ の取り得る値によって解の挙動の様子をまとめると次の表のようになる -6

固有値 の正負 r A = λ + λ の正負 e A = λ λ の正負 解の挙動 解の時間 変化の様子 λ, λ + + 発散 実数解 ( ) e A < r A λ <, λ < - + 減衰 ( 振動しない ) λ, λ < λ λ λ < λ + - - - 発散 虚数解 ( ) e A r A 実数部 + + 発散振動 実数部 < - + 減衰振動 ( 振動する ) 実数部 = ( 純虚数 ) + 単振動 = のとき ) 振動するかしな いかの境界となっている 次に r A と e A の取り得る値によって式 (D.) の解 (, ) がどうふるまうのか考えて 式 (D.3) が重解をとなるときは ( すなわちλ = λ, e A ( r A) みよう いま 以下のような連立微分方程式 = f(, ) = g(, ) を考えたとき この方程式を満たす解を (), () とすると 点 ( (), ()) の軌跡は平面上の 曲線を表す この平面を相平面といい 解を描く曲線を解軌道という そこで 式 (D.) の解軌道が r A と e A の値によってどのように変化するのかを図示すると 図 -3 のようになる -7

(IV) e A (V) (r ) e A = A (I) (II) (VI) (III) (III) r A 図 -3 グラフ中のローマ数字は D-6) 平衡点の分類 における表に対応している そちらも参照にされたい を運動方程式 + γ + ω = と対応させ それでは 式 (D.): ( + ) + ( ) = た場合には 解の挙動はどのようになるのだろうか 図 -3 を用いて 調べてみよう 運動方程式と対応させた場合には γ = ( + ), ω = となるので r A = + < e A= を満たす よって この場合は図 -3 の第 象限にあたることがわかる したがって 図 -3 の第 象限を見てみると (I) と (IV) の解軌道の場合があるとわかる が いずれ場合のも解 ( (), () ) は時間とともに減衰し ある一点へ収束すると考えられる ( ただし外力は無いものとする ) -8

さらに e A < (r A) を満たす場合には ( すなわち式 (D.3) で固有値 λ, λ が実数のと き ) 解軌道は図 -3 (I) のようになり 減衰するが振動しないと予想される ( これを過減衰という ) また 逆に e A (r A) である場合には 解軌道は図 -3 (IV) のようになり 減衰しな がら振動すると考えられる ( これを減衰振動という ) このときの,,, の関係を調べてみると e A, r A ( ) すなわち同様にして とわかる e A (r A) + ( + ) ( ) ( + ) < = = + より ( ) ( ) < ( + ) <, ( ) + < 振動する ( ) + e A< (r A) 振動しない ( ) + = のときも振動はしないが 振動が現れるかどうかの臨界の状態なので 特 にこの場合を臨界減衰と呼ぶ 一方 摩擦 ( 分解 ) がない場合 すなわち γ = ( + ) = r A= の場合には 常に e A (r A) を満たし 解軌道は図 -3 (VI) のようになる したがって 減衰せずに振動 し続けると考えられる ( つまりこれは単振動である ) 以上をまとめると r A <, e A の条件下では -9

γ = ( + ) = ( 摩擦なし ) 減衰なし ( 単振動 ) ( + ) 振動しない ( 過減衰 ) γ = ( + ) ( 摩擦あり ) 減衰あり なおかつ ( + ) < 振動する ( 減衰振動 ) つまり 固有値が実数であるか虚数であるかによって振動の有無が 摩擦 ( 分解 ) があるかないかによって減衰の有無が決まる 以上は生化学反応の式にあわせて振動条件を求めたが 運動方程式 + γ + ω = の振動 条件を求めると e A= ω, r A= γ なので e A (r A) より γ ω < γ γ < ω よって ( γ, ω ) ω 補足 3 連立同次線形微分方程式の一般解 同次連立微分方程式 X = AX に関して次の定理が成り立つ ただし, X n =, A= n n nn A が n 次の定数行列で n 個の異なる固有値 ( λ, λ,, λ n ) とそれに対する固有ベクトル (,,, ) をもつならば, この微分方程式の一般解は C C C n n X () = CX i i() i= λ で与えられる ただし X () = Ce i ( i=,,, n) はそれぞれ X = AX の解であり 一次独 立である i この定理の詳しい証明は線形代数の教科書を参考に譲るが 微分方程式 () = () の一般 解は () = e で与えられることと 重ね合わせの原理 ( X, X, が線形方程式の解となる場 αx + βx + (α,βは任意の定数) も同様に解となる ) を勘案すると上述のように一般 合 解が求まる -

D-3) 線形微分方程式の対応表 (i) バネの振動 ( ) m + + k = F 慣性力摩擦力弾性力外力 F + γ + ω = m k m F() () (ii) RLC 電気回路 R Lq + Rq + q = E C () コイル抵抗コンデンサ起電力 L E( ) C q() (iii) 生化学反応 ( 変数の場合 ) 濃度 : ( ) ( ) + + = I 刺激 一般的特性 バネ ( 力学 ) RLC ( 電気回路 ) 生化学反応 ( 濃度 ) 独立変数 時間 ( ) 時間 ( ) 時間 ( ) 従属変数 位置 ( ) 電気量 ( q ) 濃度 ( ) 慣性 ( 慣性要素 ) 質量 ( m ) インダクタンス ( L) 抵抗 ( 減衰要素 ) 粘性摩擦係数 ( = γ m) 電気抵抗 ( R ) 分解速度 ( + ) かたさ ( 復元要素 ) 固有角振動数 ( 共振角周波数 ) バネ定数 ( k ) ω = k m 電気容量 C m 周期 T = π T = π LC k ω = ω = LC T = π -

D-) ヌルクライン ヌルクラインは 微分法式系を解析するのに有効な方法の一つである 以下の微分方程式 = f (,, n ) = f n (,, n ) の場合 ヌルクラインとは j = つまり fj(,, ) n = によって定まる点の集合 ( つま り平衡曲線 ) のことである まずは簡単のため以下のような生化学反応モデル ( 総和保存あり ) のヌルクラインを考える,, + = C ( 定数 ) とすると,, C = + = = = の直線がヌルクラインである いま = + = なので 成分のヌルクラインは + = = < = = つまり = = のとき のとき < のとき = < なので ( + = C) 同様に = < 成分のヌルクラインは = = のとき = のとき < ここで + = Cなので, 平面上での解軌道を図示すると以下のようになる < のとき -

= = これは + = C においての極小 C + = C -3

D-5) ヌルクラインと生化学反応式続いて 一般的な経路を想定した ( 総和保存がない ) 右図のような生化学反応を考える = + (D.8) = + (D.9) = = J, は負であってもよい また その時はある値 ( 平衡点など ) からの差を考える 今 (D.8), (D.9) が下図の場合を考える ( = = のとき = = となる場合 ) = のとき = = = = のとき = であり また 左図において 傾きは = = = のほうが = より大きく また右上がりであることから (D.3) ここで と が同じ符号とすると ( ) より また 式 (D.3) から, なので と, と の符号はそれぞれ反対 上記のケースでは 行列 J = の符号には以下の つの場合がある (i) + (ii) + or + + (i) のとき は が増えれば増加し は が増えれば減少する つまり は に対して活性化因子 (ivor) とみなせ は に対して抑制化因子 (inhiior) であるとみなせる -

(ii) のとき (i) の逆であり (i) の と を入れ替えたものになる (i) と本質的に変わらない (i) + + のときを考える = のとき = = のとき = のとき + より のとき + より < のとき + < より < < のとき + < より = < = < < したがって = =, = で区切られた 領域をみると = それぞれ の方向が異なっており 時計回りになりうることがわかる ヌルクラインの平衡解が安定か不安定かどうか また発散振動 減衰振動 収束するの か等に関してはヌルクラインのみでは判定できず J = の e J, r J の値 及び J の固有値 λ, λ の関係によって決まる ここで再び D-) 概念的な生化学反応と力学 -5

系 に立ち戻って確認しておくことをお勧めする また D-6) 平衡点の分類 の表も併せて参照すると良い 先に挙げたヌルクラインの解の挙動を調べてみると e J, および下の表から r J = + = のとき振動し続ける ( 摩擦がない場合 (γ = ) に相当 つまり単振動 ) r J = + < のとき振動しながら or 振動せずにある一点 ( この場合は原点 ) に収束 + ( ) このとき 振動するのは < のとき r J = + のとき振動しながら or 振動せずに発散 (r A) e A のとき グラフから行列 J の符号を判定する方法平衡点 ( = = の点 すなわちヌルクラインの交点 ) を の正方向へ少しだけずらすと その点における, の符号がそれぞれ, の符号となる 同様に 平衡点から の正方向へ少しだけずらした点における, の符号がそれぞれ, の符号となる = 先述した例では 左図より = + + < < 平衡点から 正方向へ少しずらした点における, の符号 平衡点から 正方向へ少しずらした点における, の符号 平衡点 -6

ここで ヌルクラインは同じで行列 J の符号が異なる他の 3 つの場合について同様の考察を行う まず 先述の (ii) + + の場合を考える これは と の符号が同じ時である < = = のとき = のとき + < < のとき + < < = = のとき = のとき + < < のとき + < = = このとき 振動する場合は反時計回りとなる 次に と の符号が異なる場合を考える = 傾きから ここで と の符号は異なり < なので = < < つまり e J < また, より以下の 通りが考えられる -7

-8 (iii) (iv) or + + + + (iii) について考えると (iv) について考えると上図よりどちらもサドル型となる 一方の固有ベクトルは時間とともに収束し 他方の固有ベクトルは時間とともに発散する < < < < < < < <

また ヌルクラインが以下のような場合も考えてみよう 傾きから < < ( と が同符号 ) のとき < (e J < ) < ( と が異符号 ) のとき (e J ) 振動するためには e J すなわち < が必要 = = (I) かつ < のとき, < < より かつ < (II) < かつ のとき, < < より < かつ + + + + 以上の条件で r J のとき振動 ( 発散 ) また 以下の場合傾きから = ( と が同符号 ) のとき < (e J < ) < ( と が異符号 ) のとき (e J ) 上の例と同様に 振動の必要条件 < を考えると (I) かつ < のとき, より < かつ < + = (II) < かつ のとき, より かつ + + + (I) の場合 r J < なので減衰振動する (II) の場合 r J なので発散振動する -9

D-6) 平衡点の分類 (I) 安定結節点解は収束する < 条件 e J r J < λ λ Im Re = λ = λ e J < ( ) r J (II) 不安定結節点 解は発散する Im = λ < 条件 e J r J λ λ Re = λ e J < ( ) r J (III) 鞍点 Im = λ 解はサドル型にな る < 条件 e J < λ λ Re = λ -

(IV) 安定焦点 ( 渦状点 ) Im 解は減衰振動する < 条件 e J r J < Re e J ( ) r J (V) 不安定焦点 ( 渦状点 ) Im 解は発散振動する < 条件 e J r J Re e J ( ) r J (VI) 中心点 ( 渦心点 ) Im 解はリミットサイクルを描く < 条件 e J r J = Re e J ( ) r J なお 本文 -3) で示したモデルにおいて ネガティブフィードバック単独のときの振動は (Ⅳ) 安定焦点型になり ネガティブフィードバックとポジティブフィードバックの組み合わせによる振動は (VI) 中心点型になる -