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CMOS アナログ設計の基礎 東京工業大学大学院理工学研究科 松澤昭 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007

内容 MOSトランジスタとそのアナログ特性 増幅回路の基本 カレントミラーとバイアス回路 CMOS OPアンプ 位相補償 ノイズとミスマッチ電圧 MOSトランジスタのキャラクタライズ 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007

MOS トランジスタとそのアナログ特性 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 3

MOS トランジスタの特性 飽和領域での電圧電流式 μc ox W I + L s T A @ > 400u 300u : 0 より 00m ステップ ID(M) ID(M) (A) I (A) 00u 00u T 0-00u 0 0. 0.4 0.6 0.8.0 s () アナログで使用するゲート電圧 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 4

トランスコンダクタンス :m を設定すると電流だけで設計できる ID(M) (A) I (A) 600u 500u 400u 300u 00u 00u T ID I W μ m C ox s L m I + 0.0m 0.8m {D は通常 0. を中心に設定する用途に応じて 0.5 から 0.3 程度 {DIFF(ID(M))} m (S) 0.6m 0.4m 0.m 0 0 0. 0.4 0.6 0.8.0. () s () はじめに を設定し 電流に応じて W/L を変える 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 5

ドレイン電圧 電流特性 通常は飽和領域で使用する またドレイン電流はドレイン電圧を上げると増加する 400u 300u リニア領域 飽和領域 ドレイン電圧が上がると電流が増える 0.55 ID(M 0.45 @ < I リニア領域の電圧 電流式 μc ox W L I (A) 00u 00u 0.35 0.5 飽和領域の電圧 電流式 μc ox W I + L A 0 0.5 @ > -00u 0 0.4 0.8..6.0 () () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 6

チャネル長変調効果 n + s ( x ) I( x ) I L ox X po X 方向 n + W ピンチオフ点よりもドレイン側では完全に空乏化している この空乏層はドレイン電圧が高くなると伸びて ピンチオフ点をソース側に押しやる したがって 実効的なチャネル長が短くなり 電流を増加させる これをチャネル長変調という I I d sat I + L 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 7 L Δ ( ) [ + λ( )] μncox W s TH L μ ncox W I + L λ L K + φ o I d sat + Φo: ビルトインポテンシャル K L ( ε ε s 0 K qn A ) + φ K を小さくするにはチャネル濃度を高くするただし この場合同時に T が高くなる λ はチャネル長に反比例し - +φ o の平方根に反比例する a a λ この表現を用いると回路設計がし易い o

ドレインコンダクタンス.0m.6m リニア領域ではドレイン抵抗が低いため利得が取れない 増幅器は飽和領域を用いる W I μcox L I μc ox W L ( ) (S).m 0 μc ox W L 0.8m 0.4m 0 {D 0 0. 0.4 0.6 0.8.0 () () A A I ( オンコンダクタンス ) 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 8

増幅回路の基本 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 9

増幅器の基本 増幅器にはトランスコンダクタンスと負荷抵抗が必要である トランスコンダクタンス 入力電圧 i m v i 負荷抵抗 v i v G o ain i v v r o i m r 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 0

MOS トランジスタを用いた増幅器 s を 0.7 程度に設定すれば増幅器にはなるが T 変化 温度変化に対して不安定である.0.6 バイアスポイント (OUT) (). 0.8 0.4 G6 0 00u (OUT) ID(M) 60u ID(M) (A) 0u 80u 40u 0 0 0.4 0.8..6.0 () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007

抵抗分圧を用いたバイアス 抵抗分圧を用いてバイアスすれば s 0.7 にはなるが T 変化 温度変化に対して不安定である また 電源ノイズがまともにでてしまう.8.5 TRANSIENT RESPONSES (). 0.9 0.6 (OUT (IN) 0.3 0 0.4u 0.8u.u.6u.0u TIME (s) 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007

ダイオードと定電流源を用いたバイアス 通常はこのようにダイオードと定電流源を用いてバイアスする T, 温度変化に強くなる ただし 抵抗負荷は利得が取れない せいぜい 0 倍程度 dd G max mrl I R L < I dd I dd TRANSIENT RESPONSES ().8.5. 0.9 G6 (OUT) (6) 0.6 0.3 0 0.4u 0.8u.u.6u.0u TIME (s) 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 3

カレントミラーを用いた負荷 カレントミラーを用いると高抵抗負荷を実現できる リニア領域 飽和領域 5u 00u r o 40KΩ ID(M4 75u ID(M4) (A) 50u 5u 0-5u 0 0.4 0.8..6.0 3 () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 4

カレントミラー負荷を用いた増幅器 カレントミラー負荷を用いることで大きな利得が得られる ただし 電流設定感度が高く 不安定.6.4 out 890m pp G45 TRANSIENT RESPONSES ()..0 0.8 (OUT3) (40) 0.6 in 0m pp 0.4 0 0.4u 0.8u.u.6u.0u TIME (s) 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 5

差動対回路 トランジスタ対は差動電圧を差動電流に変換する Gm は差動電圧が 0 で最大になり 差動電圧が でゼロになる W/L 4.5/0. 300u 00u 00u -0-00u -00u -300u.5m.0m.5m.0m 0.5m 0 0. {ID(M3) {DIFF(ID -0.5m -600m -400m -00m -0 00m 400m 600m 34 () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 6

差動増幅器 差動回路とカレントミラーを用いることで安定な増幅器が実現できる 利得は と A で決まる Gain n mn + p I I / An / + I n / Ap 利得 : 0 倍 n An + n Ap n p Ap An 0. 0.4 5 4 Is00uA 9.0 で設定 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 7

差動増幅回路の電圧電流特性 トランジスタがリニア領域にあるか 飽和領域にあるかが重要 出力電圧は接地レベルまで低下する M0はリニア領域に入る.0 この領域では M0 が飽和領域にあるので差動電流は入力差動電圧に比例する (OUT.6 ここの電圧は殆ど変化しない (). (60) 0.8 0.4 80u 50u (6) ID(M9) 0u I (A) 90u 60u ペアトランジスタの電流は殆ど変化しない 30u ID(M0) -0m -80m -40m 0 40m 80m 0m 38 () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 8

入力電圧範囲の考察 ().0.6. 0.8 0.4 0 50u 00u 入出力電圧範囲の考察は非常に重要 最適入力電圧範囲 M0 の飽和条件 出力振幅 ( 上 ) 出力振幅 ( 下 ) (60) 入力電圧範囲 ( 出力振幅を考慮しない場合 ) (6) (OUT5) ID(M4) M の飽和条件 コモンソース電圧 50u I (A) 00u ID(M0) ID(M9) 50u 0 0 0.4 0.8..6.0 入力コモン電圧 36 () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 9

チャネル長の効果 チャネル長を長くすることで増幅率を高くすることができる ( 周波数特性劣化と面積増加に注意 ) L n L p 0.um L n L p 0.8um.0 (OUT5).0 (OUT5).6.6 (OUT5) (). 0.8 0.4 (OUT5) (). 0.8 0.4 0 50 0 00 G (S) 40 30 0 0 G max 40 G max 90 Gd (S) 80 60 40 0 0 G -0m -80m -40m 0 40m 80m 0m 38 () 0 Gd -0m -80m -40m 0 40m 80m 0m 38 () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 0

カスコード回路の効果 カスコード回路を用いることでチャネル長の短いトランジスタを用いても増幅率を大幅に高めることができる L n L p 0.um.75 (OUT7).50 (OUT7) ().5.00 0.75 0.50 500 400 G max 500 Gd (S) 300 00 00 0 Gd -m -8m -4m -0 4m 8m m 44 () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007

トランジスタ 抵抗負荷の増幅器 このようなオープンタイプの増幅器の実現方法もある 抵抗を変えてもコモンモード電圧は一定である X6.4 6kΩ 8kΩ 4kΩ kω X.0 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007

カレントミラーとバイアス回路 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 3

カレントミラー チャネル長が長いほど定電流性が良好で が低くても電流比は良好である が一致すればチャネル長にかかわらず電流比は になる () L0.um L0.4um L0.6um 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 4

カレントミラー 電流 I と I が等しくなるには? I I )L, W それぞれに等しいこと L, W は等しい 完全に同一のトランジスタを用いること 電流比率を付けるときは並列接続の個数で調整する ) ドレイン電圧が等しいこと になるようにする 3) ドレイン抵抗が高いこと W/L W/L チャネル長を長くする カスコード接続を用いる を高めに設定する M M 4) しきい値電圧が等しいこと T ミスマッチを小さくする チャネル長 L を長くする 5) 温度が等しいこと 温度が等しくなるレイアウトを行う 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 5

カスコード型カレントミラー I I 電流マッチングは非常に良い s3 s4 電流値はトランジスタ M により決定されゲート電圧とドレイン電圧が M とほぼ等しいため M 3 M 4 s3 s4 r _ total _ total G ain _ M m 4 r + 4 b4 G ain _ M M M 欠点は動作電圧が高いこと 入力側 : 出力側 : s s + ( + ) T + T 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 6

007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 7 カスコード回路 M M ( ) _ b m b m cascode b m s s b m v i v i v v v i i v v i + + + + + + + M u b m cascode G + カスコード回路は出力インピーダンスをトランジスタの固有ゲイン倍に高めることができる Δ u G Δ Δ b m u G + ドレイン ソース間電圧が大きく変化してもゲート ソース間電圧はそれほど大きく変化しない

低電圧カスコード型カレントミラー カレントミラーを構成する全てのトランジスタが飽和領域に入ればよい M: b > s3 + T 3 + 3 + M 3 : s > b s3 + 3 b T 3 3 + 3 b T 3 b I I M 3 M 4 + + > > + + T T 3 b T 3 3 + > > 3 + T b T 3 > 3 T3 + 3 このように b を設定すれば良い > ( ) 入力側 : + s T M M 出力側 : 0. 3 とすると 0.6 程度になる 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 8

バイアス電圧の作り方 W 0, I 0 を調整すればよい + 3 0 + α α は飽和抵抗を調整するための電圧 (0. 程度か ) I 0 M 0 I I M 3 M 4 I W μcox L より M M I W 0 0 I W + I W 3 + α W 0 4 I I 0 W W 0 4 I I 0 W ( W, W3 α 0 ) 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 9

セルフバイアスカレントミラー I 3 T + 抵抗 R b を以下のように設定する R b + T M 3 M 4 I R b 3 I I M M ただし 抵抗と寄生容量による周波数特性劣化をチェックのこと 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 30

カスコード型カレントミラー カスコードを用いると定電流性は良好になるが 電流を決めるトランジスタの を 以上にしないと効果が薄れる W/L4.4/0. 0., 0 0., 0., 0.3, 0.4, 0.5 @M4 @M3 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 3

電源電圧不感型バイアス回路 (a) 電圧不感型バイアス回路 A (W/L) P M M 4 M 5 3 dd 簡易な電流バイアス回路として用いられる (W/L) P Y m(w/l) P M 6 I out I REF M (W/L) N X M I b K(W/L) N R s ss s μc I b ox s I b ( W μc + I + / L) ox b ( W R s Tn / L) R s μc ox I b K ( W K / L) + Tn + I b R s 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 3

電源電圧不感型バイアス回路 dd, T に対しては安定だが 電流値設定はかなり難しい > 3 + + dd TP TN 最低動作電圧 出力電流 (A) 電源電圧 () 動作電流は50uA, 各 TRの 0.に設定 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 33

007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 34 温度不感 m K R K R L W C I s m s ox bias ) / ( μ I b bias ox m I L W C μ バイアス電流を抵抗と MOS の W 比率で決めるもの m は抵抗の温度係数で決まる バイアス抵抗に温度変化の少ないものを選ぶ

電流源回路のバイアス回路 セルフバイアス方式 (W p /L p )/4 周波数特性に影響が無いので安心して使用できる b M T + (W/L) M 0 M M 3 (W p /L p ) M 4 M 5 (W p /L p ) (W p /L p ) T + (W p /L p ) I out dd (W/L) (W/L) M 5 M 8 M 9 M 4 (W/L) M 3 M (W/L) M 6 (W/L) デカップリング容量を必ず入れる M7 (W/L) ss 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 35

CMOS OP アンプ 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 36

演算増幅器のシンボル表現 v in- - v in - - v o + v in+ + v out G(v in+ -v in- ) v in + + v o - v out v o+ -v o- G(v in+ -v in- ) cmi cmo () Sinle () Differential 必ず入力コモン電圧と出力コモン電圧が設定される ただし この つのコモン電圧は必ずしも一致させる必要は無い 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 37

差動型スイッチドキャパシタ積分器 現在のスイッチトキャパシタ回路は殆ど差動型で構成される スイッチのフィードスルーの影響が抑制される ノイズに強い 信号振幅が大きいので SNR が向上するか もしくは容量が小さくできるので消費電力や動作速度が向上する 差動型回路の方が周波数特性が良好 ( ミラーポールを持たない ) cmi φ d φ φ C DAC+ i+ i- DAC- φ d φ d C C φ φ - + + - C o+ o - cmi 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 38

出力抵抗を上げる各種回路 DC 利得を上げるには I to 変換つまり負荷回路を工夫するしかない I out I out I out r out b G r out r out b M + - M in M in M M in r rout r ( m r ) rout r ( m r ) out r r G (a) Source rounded ckt. (b) Cascode ckt. (c) Super-cascode ckt. o r G o G G 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 39

カスコード型演算増幅器 dd dd M 3 M 4 M 3 M 4 b3 M 7 M 8 M 7 M 8 b v out b v out+ v out- M 5 b M 6 v in+ M M v in- b v in+ M 5 M 6 M M v in- Iss Iss (a) Sinle (b) Differential 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 40

スーパーカスコード回路を用いた演算増幅器 dd b M 3 M 4 A ゲインブースト増幅器の負荷はトランジスタ 個なのであまり電流を流す必要はない v out + M 7 M 8 M 5 M 6 A v out- v in + M M v in - I ss 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 4

スーパーカスコード回路の一例 b b M M b M 9 I ss3 M 0 b M 3 M 4 b3 M M 7 8 M 5 M 6 b3 I ssa I ssb v in+ M M v in- I ss 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 4

コモンモードゲイン コモンモード利得は電流源のコンダクタンスを負荷のコモンモードコンダクタンスで割ったもの G cm c ml これを下げるには電流源のコンダクタンスを下げるしかない交流に対しては差動ペアのソースに付く容量を下げる必要がある コモンモード電圧に対する出力電圧 ml 上 : カスコードあり : -40dB 下 : カスコードなし : -4dB 最低コモン入力電圧 c このノードに容量が付くと高い周波数のコモンモード利得が劣化する 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 43

電源除去比 電源ノイズ dd M 3 M 4 v out このような回路ではオープンループ状態で電源ノイズが出力端にそのまま現れる 電源除去比 (PSRR) は出力の入力に対する利得から出力の電源にノイズに対するゲインを割ったものである 同じ電圧になる 出力に現れるノイズ 通常 PSRR は G open にほぼ等しい v in+ M M v in- 一般に高域で PSRR が低下するのは回路の利得が低下するためである I ss 対策 : 差動回路を用いる 負荷を接地側にする バイアス回路を電源電圧不感にする 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 44

コモンモードフィードバック回路 差動増幅器ではコモンモードの安定が不可欠である dd I sd I sd CM Level detection v out+ v out- I ss + - cmo + out + out ref 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 45

コモンモード電圧検出回路 ( 時間連続系 ) P M 6 M 5 dd v out+ R R v out- M M v out+ v out- v out+ v out- M M FB M 3 M 4 ref out, CM 最も簡単 利得が出ない ( 低増幅率で有効 ) 周波数特性に注意 時間連続系で良く用いられる T ばらつきに弱い リニア領域の範囲に注意 T ばらつきに弱い リニア領域の範囲が狭い (a) Series resistance (b) MOS in Triode reion (c) Differential transistor pairs 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 46

時間連続型差動増幅器 このような時間連続型のコモンモード制御はミスマッチ電圧ばらつきに弱い dd b3 M 3 M 4 M 7 M 8 b b v out + b M 5 M 6 v out- in_com v in+ M M v in- out_com 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 47

コモンモードフィードバック回路 ( スイッチドキャパシタ型 ) M I out 改良型 v out+ v out- C C a C a b C S 4 C C ~ 4 0 S S C b bc S 3 動作 cm I ss M )OP アンプを増幅器として動作させる期間 スイッチ S 3 を M 側に倒す S, S 3 を com 側に倒す 容量 C a, C b に以下の電圧が貯まる C a c b cm out 端子と M のゲートには容量 C b, C b を通じてコモンモードフィードバックがかかっている )OP アンプを増幅器として動作させない期間 スイッチ S 3 を M 側に倒し S, S 3 を out 側に倒す このとき通常は S 4 を設けて S 4 を閉じる 容量 C a, C b から容量 C a, C b に向かって電荷が転送されて 何サイクルか繰り返すと出力のコモン電圧は cm に等しくなる bc 利点 : 全周期で帰還がかかっており安定である チャージフィードスルによる誤差が少ない 欠点 : 複数サイクル経たないと安定しない 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 48

テレスコピックカスコード回路の許容入出力電圧 テレスコピックカスコード回路の共通入出力電圧範囲は極めて小さい dd b3 M 3 M 4 dd b > TN5 +3 b Output rane +Δ T TN5 b v out+ M 7 M 8 v out- Input rane Common rane M 5 M 6 b v in+ b0 v in- M M (a) Telescopic cascode op-amp b b TN + Input rane Input rane b M 5 TN5 + v in+ M TN + > > in in TN + Δ T + + GND v out 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 49 TN 5 + b TN5 + out out > > b b TN 5 TN 5 +

フォールディッドカスコード回路の許容入出力電圧 フォールディッドカスコード回路の入出力電圧範囲は極めて広い dd dd b M 3 M 4 TP + Output rane dd I ss b M 7 M 8 Input rane Common rane v in+ M M v out+ b3 M 5 M 6 v out- - TP GND v in- M 9 I ss I ss M 0 v in TP + M M 9 in + TP > + in TP > 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 50

位相補償 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 5

位相補償回路 このような発振がおこらないようにするのが位相補償回路 X(s) + Se G(s) Y(s) Y ( s) X( s) G( s) + FG( s) Sfb F FG(s)- になると発振する フィードバックネットワーク FG( jω), X(s) + Se G(s) Y(s) FG( jω) 80 Sfb 発振条件 F フィードバックネットワーク 位相が反転している 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 5

カスコード型演算増幅器とそのポールの位置 信号パスの各ノードには固有の時定数が存在し これがポールを形成する 各ノードの時定数 ポール ( ゼロ ) を推定することが重要 dd M 3 X M 4 C D 抵抗が高く 容量が大きいノードはポール角周波数が低い jω b M 8 M 7 Y v out M 5 b M 6 A B v in+ M M C L v in- ω p,a ω p,c ω p,b ω p,d ω p,x ω p, y σ I ss (a) カスコード型演算増幅器 (b) 演算増幅器のポールの位置 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 53

ポールの性質 位相 ( 度 ) DC ゲイン (db) A0 A( s) 利得 : 周波数が高くなると s + ポール角周波数から-0db/decで単調減少 ωp 位相 : ω p /0から回りだし ω p で-45,0 ω p で-45 回転するがそれ以上の周波数では-90 を保つ 0 45 90 ω p 0 ω p 0ω p -0dB/dec φ lo ω lo ω 57.3 tan 0 lo + j ω ω p 0dB ω ω 0 lo + ω p ωp ( ω << ω ) ω 0 lo ω p p ( ω >> ω ) p 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 54

位相補償のポイント 第 ポールと第 ポールを十分に離して第 ポール付近の周波数で利得をゼロ以下にする 手段 安定動作 : 利得が (0dB) のときに -30 度以上位相が回転しない 第 ポールだけでは発振しない ( せいぜい -90 ) 第 ポール付近で位相が -35 に達する 容量を付加するなどして第 ポールの角周波数を下げる 第 ポール付近で位相が -35 だが 利得が下げられる 位相補償条件 : ユニティーゲイン角周波数が第 ポール角周波数の / よりも小さいこと 位相補償条件 ω < u ω p 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 55

第 ポール角周波数を低下させる (db) H (ω) 第 ポール -0db/dec 第 ポール H 0 ( ω) 0-45 o -90 o -35 o -80 o ω ω 負荷容量増加によるポール角周波数の低下 ' ω p, y ω ω p, y ω p, u p, x p, A ω p,b ω (lo scale) 第 ポールを下げると第 ポール近辺で利得が低下する 負荷容量を増やすことで位相補償が可能 位相回転はあまり変わらないことに注意 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 56

信号伝達パスと時定数 out in s + ω p m R L s + ω p ω p R C L L ノードでの電流伝達時定数 カレントミラーカスコード回路など DC 利得 m RL in v m in s + ω p CL out RL ユニティーゲイン角周波数 out in mr ωu ω p L ω u C m L 初段の MOS トランジスタ 負荷容量 等価負荷抵抗 負荷容量のアドミッタンスが MOS の m と等しくなる周波数 安定増幅の帯域を上げるには第 ポールの角周波数を上げる必要がある 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 57

ノイズとミスマッチ電圧 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 58

ノイズ 3) トランジスタのサーマルノイズ n 8kT 8kT γ fbw, n γ f 0.5 以下の微細 Trでは bw 3m 3 γは 程度になる m m ms, f bw GHz では γ として n 0u D D S ΔGS G S ΔI DS 等価変換 G ~ S ΔI DS 4γk B T 3 S m DS > GS T S Δ S S I DS Δ γ m GS 3 8k BT m 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 59

OP アンプのノイズ M, M の単位周波数帯域での入力換算電圧ノイズは dd M 3 M 4 n, n ( / Hz) 8γkT 3m + K n ( WL) C f ox γ : ノイズ増加係数 v in+ M M I ss v out v in- M 3, M 4 の単位周波数帯域での電流ノイズは I 8γkT / Hz) 3 p n 3, n 4( A m3 + m K ( ) 3 WL 3Cox f この電流性ノイズは M, M で入力換算雑音電圧に変換される 8γkT + + + m3 K K n p m3 / Hz) 3 m m Cox f n ( ( ) ( ) WL WL 3 m したがって低ノイズ化は m を大きく m3 を小さくし /f ノイズはゲート面積に注意する 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 60

ノイズ : 容量 ) スイッチのノイズ 使用可能な容量の最小値はノイズで決まる n kt C in CpF では 64u rms C0fF では 640u rms R C ローパスフィルタを形成する S P out n, ( f out ) + 0 + 4kTR ( πrcf ) 4kTR df kt tan kt 0 ( πrcf ) πc C u 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 6

ノイズ 4)/f ノイズ ( フリッカーノイズ ) キャリアの表面散乱などにより発生するノイズ低周波側で大きく 周波数が高くなるほど減少する S n ( f ) C ox K LW f n ( f ) C ox K LW f f H L df f C ox K LW ln f f H L Sn (f) (db) /f ノイズ fc 熱雑音 f H をかなり高く f L を低く取ると相当大きくなるので 通常 f H はコーナ周波数まで取り f L は 0Hz 位に取る K はおよそ 0-5 F (LW を um 単位で取ったとき ) Lo (f) f c : コーナー周波数 つのノイズのスペクトラム密度が等しい周波数 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 6

007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 63 入力換算ノイズ G G G 3 入力出力 n n n3 G G G 3 nieq 3 3 + + + + G G G G G G n n n nieq n n n nieq どんなノイズも入力換算ノイズに変換できる 初段のノイズで殆ど決まる オフセットも同様

OP アンプのオフセット電圧 dd M 3 M 4 v out σ σ off T σ, σ T 3 T + σ T 3 m3 m ( Tミスマッチ電圧の標準偏差 ) v in+ M M m は大きく m3 は小さくトランジスタの L は大きいほうが良い I ss 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 64

カスコード型 OP アンプの雑音 オフセット電圧 dd M 3 M 4 カスコード回路 b M 7 M 8 bias M5 os v out M 5 b M 6 v in+ M M v in- M インピーダンスが高い 電流への変換が殆ど生じない Iss カスコードトランジスタのオフセット電圧の影響は無視できる 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 65

MOS トランジスタのキャラクタライズ 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 66

キャラクタライズ用回路 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 67

Tr のキャラクタライズ : Nch W/L/0. 0.4 リニア : I 飽和 : I μc μc ox ox W L W L ( ) s s T T これに I 35uA, s 0.8, T 0.45, 0.4,W/L0 を代入すると I I 000 μc ox 0 0 5 0 6 6 ( A / ( A / Spice file より T ox 4.e -9 ) @ 飽和 ) @ リニア sqrt T_n 0.45 ただし L0.4umでは 70uA/ C ox 4 8.85 0 7 4 0 8.85 0 7 s n I.3 lo I 4 ( F /cm s U T ) 8.85 ff / μm これより n.4 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 68

Tr のキャラクタライズ : Nch 最小チャネル長に近いチャネル長では電流値が低く も大きい 7.0E-05 6.0E-05 5.0E-05 4.0E-05 L0.6um L0.4um L0.um W/L0 0. 3.0E-05.0E-05.0E-05 0.0E+00 0.0 0.5.0.5.0 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 69

Tr のキャラクタライズ : Nch はチャネル長が異なっても で一致し その後チャネル長が長いほど小さくなる (S).00E-04.80E-04.60E-04.40E-04.0E-04.00E-04 A は 近傍でチャネル長に依らず 程度で が大きくなると数 程度に上昇する I A 0. A () W/L0, 0. L0.um 0.4um 0.6um 0.0 8.0 6.0 4.0.0 0.0 W/L0, 0. L0.6um L0.4um 8.00E-05 6.00E-05 4.00E-05.00E-05 8.0 6.0 4.0.0 L0.um 0.00E+00 0.00E+00.00E-0 4.00E-0 6.00E-0 8.00E-0.00E 0.0 0.00 0.0 0.40 0.60 0.80.00 () 0. A.0 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 70

Tr のキャラクタライズ : Pch W/L/0. 0.4 I 33uA, s 0.8, T 0.44, 0.4,W/L0 を代入すると μc 5 ua / ox I sqrt I 000 T_n 0.44 チャネル長依存は殆ど無い Spice file より T ox 4.e -9 C ox 4 8.85 0 7 4 0 8.85 0 7 4 ( F /cm ) 8.85 ff / μm s n I.3 lo I s U これより n.34 T Δ 0.3 T bs 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 7

Tr のキャラクタライズ : Pch 最小チャネル長に近いチャネル長では電流値が低く も大きい W/L0.4E-05.E-05 L0.6um 0..0E-05 8.0E-06 L0.4um L0.um 6.0E-06 4.0E-06.0E-06 0.0E+00 0.0 0. 0.4 0.6 0.8.0 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 7

Tr のキャラクタライズ : Pch はチャネル長が異なっても で一致し その後チャネル長が長いほど小さくなる (S).0E-04 9.0E-05 8.0E-05 7.0E-05 6.0E-05 A は 近傍でチャネル長に依らず 程度で が大きくなると数 程度に上昇する I A 0. A () W/L0, 0. L0.um 0.4um 0.6um 0.0 9.0 8.0 7.0 6.0 W/L0, 0. L0.6um 5.0E-05 4.0E-05 3.0E-05 5.0 4.0 3.0 L0.4um.0E-05.0E-05.0.0 L0.um 0.0E+00 0.0 0. 0. 0.3 0.4 0.5 0.6 0.0 0.0 0. 0. 0.3 0.4 0.5 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 73

動作電流と W/L I μc ox Nch, L0.um では W L Nch, L0.4um 以上では W ( um) W ( um) I μc 0.では 0.3では 0.4では ox W L W ( um) W ( um) W ( um) あるいは 0. I ( ua) I 0.008 0 0.では 0.3では 0.4では W ( um) W ( um) W ( um) 0.045 I 0.0 I 0.0 I W L ( ua) ( ua) 0.85 L I 0.08 L I 0.046 L I ( ua) ( ua) L I ( ua) I ( ua) 0.0074L 70 ( ua) ( ua) ( ua) I μc ox Pch では W ( um) L I ( ua) I ( ua) 0.038L 5 0.では W ( um) 0.3では 0.4では W ( um) W ( um) 0.95 L I 0.4L I 0.4L I 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 74 ( ua) ( ua) ( ua)

バックゲートバイアス効果 Δ T () 0.5 0.45 0.4 0.35 0.3 0.5 0. 0.5 0. 0.05 0 直線で近似してもそれほど大きな誤差にはならない 0 0.5.5 sb () 0.5 0.33 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 75 Δ Δ Tn Tp ( sb sbn sbp < 0.6 )

トランジスタの容量 Nch, L0.um, Wum, 0. にて C ox 8.85fF/um C s.9ff C d 0.7fF C.8fF Pch, L0.um, Wum, 0. にて C s 3.0fF C d 0.63fF C.fF 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 76

スイッチのコンダクタンス スイッチのオンコンダクタンスの入力電圧依存性をキャラクタライズしておく 40u 3.3mS この設定の場合 オンコンダクタンスは表示の電流を 0m で割ることで得られる DC TRANSFER CURES (A) 30u 0u 0u Nch (.8/0.8) (4.4 倍 ) 0.75mS Pch (.8/0.8) ID(M8) 0 ID(M7) 0 0.4 0.8..6.0 8 () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 77

スイッチのコンダクタンス スイッチのオンコンダクタンスは dd / のときに最小値を取る 電圧依存の対称性を取ると W p は W n の 4 倍程度に設定しなければならない -0 W P W N のとき 0.35mS -0u W P 4.4W N のとき.5mS -0u I(4) 0.75mS -5u (0 倍 ) -0u Nch (.8/0.8) Pch (.8/0.8) -30u 3.4mS -40u 0 0.4 0.8..6.0 () I(4) (A) (.7 倍 ) -0u -5u Nch (.8/0.8) Pch (7.9/0.8) -30u 3.4mS 3.4mS I(4) -35u 0 0.4 0.8..6.0 () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 78

スイッチのフィードスルー SCF 回路ではスイッチオフ時のフィードスルーが問題になる W P W N.8um 906m 904m 90m (34) () 900m (34) 898m Δ.m 896m 894m 0 5n 0n 5n 0n 5n TIME (s) 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 79

スイッチのフィードスルー W p と W n をアンバランスにすると電圧誤差は大きくなる 960m W N.8um W P 7.9um 940m (34) () 90m 900m (34) Δ39m 880m 860m 0 5n 0n 5n 0n 5n TIME (s) 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 80

スイッチのフィードスルー ダミースイッチを入れることでオフセット電圧を減らすことができるが 微妙なバランスで成り立っているので 過信しないこと また ダミーを入れると容量が増加して 応答が遅くなることがある スイッチの大きさはセットリング時間が満足できる範囲で比較的小さなスイッチが良いようである 9m スイッチ W P W N.8um ダミースイッチ W P W N 0.9um 908m Δ0.3m 904m (34) () 900m (34) 896m 89m 0 5n 0n 5n 0n 5n TIME (s) 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 8

参考文献 P.R.Gray, P.J.Hurst, S.H. Lewis, R. G. Meyer, Analysis and Desin of Analo Interated Circuits, Fourth Edition, John Wiley & Sons. D. A. Johns, K. martin, Analo Interated Circuit Desin, John Wiley & Sons. B. Razavi, Desin of Analo CMOS Interated Circuits, McGraw-Hill. P. E. Allen, D. R. Holber, CMOS Analo Circuit desin, Second Edition, OXFORD University Press. R. J. Baker, H. W. Li, D. E. Boyce, CMOS Circuit Desin, Layout, and Simulation, IEEE Press. R. Greorian, Introduction to CMOS OP-AMPS and Comparators, John Wiley & Sons. J. H. Huijsin, Operational Amplifiers, Theory and Desin, Kluwer Academic Publishers. 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 8

TR パラメータの決め方 Lにより性能が変わる W/L 比は求まったがどのようにして W,Lを決めるか? さまざまな考慮で最適点を決めていく ゲート容量 Cs CoxLW L 3.3 トランジスタの面積 S L Lo 大きさ 出力抵抗 DC ゲイン 周波数特性 r o G ω T L m C /fノイズ n LW L W Δ T Qα LW α L L T ばらつき ΔI C ΔT σ μ T OX 電流源ばらつき I L I r p o + C L ox L m + GC d L 小さい Lo L 大きい 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 83

L の決定 通常の設計法のテキストでは W/L の決定までは述べている しかし これは比率であり 実際に L,W を決定するのはどうしたら良いか 回路の仕様とゲート長 L の関係を見てみる トランジスタ面積 ゲート容量 カットオフ周波数 C S s f T W LW L L C LW C OX 3 3 π ( C π C 3 ox s m + C I W L L p 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 84 + C p OX L ) π ( C 3 ox W L I LW + C これらはすべてゲート長 L を短くした方がその 乗に比例して良くなる p )

L の決定 T ばらつき Δ 電流源の電流ばらつき T C OX μ LW W L C oxi C L OX L L に反比例 ΔI I /f ノイズ Δ nf ドレインコンダクタンス T C K F C LW ox λi ox Δf f LW L K C ox C K F W L ox L Δf f L + φ 0 I W L L L に反比例 μc I L に反比例 ox L に反比例 バラツキ /f ノイズ ドレインコンダクタンスを良くするにはゲート長 L を長くする 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 85

b バックゲート電圧が変化しても I は変化する この係数が b である I ( n ) m b bs I ( ) ( ) 80u 60u 40u ID 0u 0 00u 60u {D b 0u 80u 40u 0 -.0-0.8-0.6-0.4-0. -0.0 bs () 007.0.5 A. Matsuzawa, Titech, DEC 007 86