introduction 敗血症ショックの患者の死亡率は 30-45% と報告されている N Engl J Med 2017; 377:414-7, Am J Respir Crit Care Med 2016;193: グルココルチコイドは敗血症に 40 年以上も使用されてきた Ann

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1 敗血症に対するステロイド投与 N Engl J Med Mar 1;378(9): 青栁佑加理

2 introduction 敗血症ショックの患者の死亡率は 30-45% と報告されている N Engl J Med 2017; 377:414-7, Am J Respir Crit Care Med 2016;193: グルココルチコイドは敗血症に 40 年以上も使用されてきた Ann Surg 1976; 184: しかし その安全性 有効性は未だ確立されていない

3 グルココルチコイド 正常 :5-24μg/dL 侵襲下では 45-50μg/dL にも増加 ストレスホルモンと言われるように重症疾患コルチゾール代謝酵素 腎機能低下 : 半減期の延長炎症性サイトカイン : 受容体との親和性を増加不活化を無効に前駆体の転換を促進 頭部外傷 神経抑制 下垂体梗塞 副腎出血 感染 悪性腫瘍は HPA axis を障害し それでも相対的に不足している状態 = 相対的副腎不全となり得る ショックが遷延する N Engl J Med. 2003;348(8):727. 重症疾患にステロイドは必要だが その至適濃度は不明 J Exp Med. 1924;39(3):457. Uptodate より引用

4 1980 年代 NEJM 1984; 311: RCT 重症敗血症患者 59 例 ( うち 55 名が昇圧薬を使用 ) メチルプレドニゾロン 30mg/kg デキサメタゾン 6mg/kg プラセボを比較 ショックから平均 17.5 時間で投与 24 時間以内のショック離脱 :7/24(19%) vs 7/22(32%) vs 0/16(0%) (corticosteroid groups vs. control group, P<0.05) 院内死亡率 :16/21 (76%) vs 17/22 (77%) vs 11/16 (69%) 高容量ステロイド投与によりショック離脱は早いが 死亡率は変わらない

5 NEJM 1987; 317: 多施設二重盲検プラセボ対照群 RCT 382 人診断から 2 時間以内に介入メチルプレドニゾロン (30mg/kg を 4 回 ) とプラセボを比較ショックの離脱 全体の死亡率には有意差なし サブ解析で血清 Cr>2mg/dl の群では むしろメチルプロドニゾロン群で 14 日死亡率が高くなった (46/78 [59%] vs. 17/58 [29%] ;P<0.01). 高容量ステロイドは敗血症治療に有効ではない?

6 2000 年代 French trial 多施設二重盲検プラセボ対照群 RCT フランス 19 施設の ICU 敗血症性ショックの患者 ( 適切な輸液 + 昇圧剤を 1hr 以上続けても SBP<90mmHg) n=300 8 時間以内に投与ハイドロコルチゾン 50mg 6st + フルドロコルチゾン 50μg/ 日 (7 日間 ) vs プラセボ 介入前に ACTH 負荷試験 (250μg 投与 ) Responder( コルチゾール増加 >9μg/dL) と Non-responder に分類 28 日死亡率を比較 JAMA. 2002;288(7):

7 ステロイド群 Non-responder プラセボ群 重症度 :SAPS Ⅱ 日死亡率ステロイド群 vs プラセボ群で Responder ステロイド群プラセボ群 全患者 全患者 : 55% vs 61% OR0.65 (P=0.09) Non-responder: 53% vs 63% OR0.54 (P=0.54) Responder: 61% vs 53% OR0.97 (P=0.96) 全患者では有意差なし Non-responder 28 日死亡率 ICU 死亡率 院内死亡率 ステロイド群 プラセボ群 重症度は高め 相対的副腎不全患者? ではステロイドが有効そう

8 CORTICUS study N Engl J Med 2008;358: 多施設二重盲検プラセボ対照群 RCT 敗血症性ショック ( 適切な輸液 or 昇圧薬使用しても SBP<90mmHg) N=499 ソル コーテフ 50mg 6st vs プラセボ群 5 日間投与して 6 日間かけて漸減 72 時間以内で介入 ACTH テスト (250μg) Response 群 ( コルチゾール増加 >9μg/dL) と Nonresponse 群 28 日死亡率を比較

9 28 日死亡率 39.2% vs 36.1%, P= % vs 28.7%, P=1.00 重症度 :SOFA 10.6 SAPSⅡ49 28 日死亡率全群において有意差なし ショック離脱はソルコーテフ群で早かった (3.3 日 vs 5.8 日 (P=0.006)) しかし新たな敗血症 (OR1.37 (95% CI, )) 高血糖 高 Na 血症が多かった ソルコーテフは迅速 ACTH 負荷試験の結果に関わらず 死亡率を下げなかった ショック離脱は早めた 34.3% vs 31.5%, P=0.51 プラセボ群での死亡率が予想の 50% より低い (32%) 重症度もこれまでの研究と比較して低め

10 2000 年代 2 つの RCT French Trial では相対的副腎不全の患者において 死亡率が改善 CORTICUS study では副腎機能に関わらず死亡率に差を認めず これらの結果の違いとして French Trial は重症度が高く 死亡率の高い集団であったこと ハイドロコルチゾン投与が 8 時間以内と早期であったことが挙げられる より重症な敗血症患者への早期投与は有用? どちらにしてもショックからの離脱時間は早めそう ショックからの離脱に有効なら ショックへの進展も予防できるのでは?

11 2016 年 HYPRESS study JAMA 2016;316: 多施設二重盲検プラセボ対照群 RCT ドイツ 34 施設の ICU (N=380) ハイドロコルチゾン投与 14 日以内の敗血症性ショックへの進展を検証 敗血症患者 :SIRS>2 つ 感染症 48 時間以内に臓器不全 (SOFA 6.3 APACHE II 19.0 SAPSⅡ 54.1 SAPS ) ショック : 十分な輸液負荷後も MAP<65mmHg or SBP<90mmHg 昇圧剤が必要な状態が 4 時間以上持続 ハイドロコルチゾン群 :50mg ボーラス 5 日間 200mg/ 日持続静注 (6 日間かけて漸減 ) プラセボ群 : マンニトールを投与

12 ショック移行率 移行までの時間 死亡率は有意差なし せん妄が減少 (11.2% vs 24.5% (P=0.01)) 高血糖が増加 (90.9% vs 81.5% (P=0.009)) 58.4%(206 人 ) に ACTH 負荷試験が行われ そのうち 33.5%(69 人 ) で相対的副腎不全とされたが それらの患者においてもハイドロコルチゾン投与による有意差は認められなかった 敗血症患者のショックへの進行を予防しない

13 これらを受けて 敗血症診療ガイドライン 2016 では (J-SSCG2016)

14

15 ACTH 負荷試験? 一部の重症患者において ACTH の刺激なく血清コルチゾール 9μg/dL に増加 この閾値が臨床的には有用でない可能性がある Anaesth Intensive Care. 2005;33(2):201. ACTH 負荷試験は同一人物に実施しても誤差が大きい Ann Intern Med. 1995;123(12):962. 総コルチゾール濃度測定では実際に生体内で活性を示すフリーコルチゾール濃度を正確に評価できない 重症患者では反応と解釈が一定せず ステロイドが有効な症例を選別できないことから SSCG 2008 から 推奨されない (class 2B) となっている

16 持続 or ボーラス? フィンランドの 4ICU による多施設 RCT Critical Care 2007, 11:R21 ハイドロコルチゾン 200 mg/day(5 日間 ) 持続投与 or Bolus 投与スケール対応で血糖値コントロール血糖推移を比較 敗血症ショックの患者 n=48 (APACHEⅡ22.6 SAPSⅡ51.9 SOFA 10.2)

17 ショック離脱率 ICU 死亡率に有意差なし 平均血糖値は両群で有意差なし 持続投与群で 高血糖 (>126mg/dl) のエピソードは減少 (15.7vs10.5 回 /patient, p = 0.039) ( 重症高血糖 (>150mg/dl) 低血糖 (<40mg/dl) は両群で稀 ) 持続投与群で 血糖コントロールに必要な看護仕事量は減少 (p = 0.038) n は少ないが 持続投与の方が有利? 血糖値 (P=0.34) インスリン必要量 (P=0.91)

18 重症か敗血症性ショックで ハイドロコルチゾン早期投与は予後を改善するか? 大規模 RCTによる検証が必要

19 ADRENAL trial N Engl J Med Mar 1;378(9):

20 method

21 デザイン 二重盲検 RCT Australia, the United Kingdom, New Zealand, Saudi Arabia, and Denmark の 5 カ国 69ICU ウェブのデータベースを利用 スポンサーの the George Institute for Global Health, Australia が統計処理を含めた工程を担当したが 薬剤取得 盲検化については Mater Pharmacy Services (Brisbane, Australia) が担当 各施設の倫理委員会が承認し 全患者に十分な IC が行われた

22 ジョージ国際保健研究所オーストラリアで設立された臨床 公衆衛生研究施設 シドニー大学 北京大学健康科学センター ハイデラバード大学 オックスフォード大学と系列関係 世界 350 人以上で構成させれており 40 カ国以上で project が行われいる 同研究所は過去数年間の影響力でトップ 10 の世界的研究所の 1 つにランクされており あらゆるエビデンスを構築 *Mater Pharmacy Services は詳細不明

23 Inclusion criteria 18 歳以上 人工呼吸器管理 臨床的に強く感染症を疑う SIRS criteria >2 対象 血管収縮薬 or 強心薬を 4 時間以上使用 (SBP<90mmHg or MBP<60mmHg で使用する ) Exclusion criteria 敗血症以外の理由でグルココルチコイド使用 入院後に Etomidate ( 副腎機能抑制作用 +) を使用 真菌血症に対してアンホテンシン B 使用 中枢性マラリアの診断 寄生虫感染の診断 予後が 90 日以内 治療制限あり Inclusion Criteria を満たして 24 時間以上経過 1. 中枢温 > 38 度 or < 36 度 2. HR > 90 bpm 3. RR> 20 回, or PaCO2< 32 mmhg, or 人工呼吸器管理 4. WBC> 12 x 10 9 /L or < 4 x 10 9 /L or 幼若球 > 10% Sepsis-3 の septic shock 定義に近い criteria

24 介入 ハイドロコルチゾン群 200mg/day プラセボ群 ( 生理食塩水 0.2ml) 生理食塩水 100ml or 5% デキストラン 100ml に混注し infusion pump で末梢静脈 or CV ラインから投与 最大 7 日間 ICU 退室 or 死亡した場合はその時点で終了 患者 担当者は盲検化 その他の治療については担当医師の裁量 割付時に担当医は感染 focus を調査され疑わしい場所を解答 複数ある場合は 3 つまで解答

25 Primary outcome 90 日死亡率 Secondary outcome 28 日死亡率 ショック離脱 ( 血管収縮薬 and 強心薬 off) までの時間 ショック再発 ( 再度 血管収縮薬 and 強心薬を使用 ) ICU 滞在期間 人工呼吸器時間 RRT 期間 頻度 2-14 日間の新たな菌血症 真菌血症 ICU での輸血使用率

26 6 つのサブグループに分けて解析 入室経路 ( 内科系 vs. 外科系 ) カテコラミン量 (NAD or epinephrine <15 μg/ 分 vs. 15μg/ 分 ) 初期感染巣 ( 呼吸器 vs. それ以外 ) 性別 (male vs. female) APACHE II score (<25 vs. 25) ショックになってから介入されるまでの時間 (<6hr vs 6-12hr vs 12-18hr vs 18-24hr)

27 割付 ADRENAL trial や op のチームじゃない者が担当 1 施設に対し 381kit( 全患者の 10% 相当 ) を配布し その中からランダムに選ばれる 0.2ml 無菌水 or ハイドロコルチゾンが入ったバイアル ( ラッピング済 ) に 2mL の生理食塩水を入れて 20 秒撹拌 3 分放置して投与 1. 未使用のバイアルに番号を振り記録 2. 割付がわかるマスキングテープを剥がす 3. 番号と割り付けを一致させる 4. セキュリティーバッグで管理 5. 介入し結果が出た後 統計学者が解析

28 統計 サンプルサイズ =3800 人 (90 日死亡率を 33% と仮定 α=0.05 絶対尺度 5% power=90% 1% の脱落を想定 ) ロジェステック回帰モデル ( 性別 年齢 APACHEⅡ スコア ランダム化までの時間 介入前の腎代替療法の共変量を加えて追加分析 ) 線形回帰 Kaplan Meier プロット Cox 比例ハザードモデル 生理学的データを 1 日から 14 日の期間にわたって平均し 反復測定 線形混合モデルの使用と比較し 対応する 95% 信頼区間との全体平均差として提示 事後分析は 1 日目から 7 日目 ( 試験レジメンの期間 ) および 8 日目から 14 日目まで別で計算 Fisher s exact test. Intention-to treat 分析 SAS software, version 9.4

29 result

30 患者 人 1898 人 1902 人 1832 人 1826 人

31 背景 62 歳男性 6 割内科系 7 割 APACHE Ⅱ 中央値は 24.0 カテコラミン使用は NAD が 98% RRT は 13% 程度

32 背景 HR 95bpm MBP 72mmHg MBP 最低値 57mmHg Lactate 最高値 34mg/dl (=3.77mmol/L) 両群に有意差なし

33 割付から介入までの時間 0.8 hr (IQR,0.4 to 1.6) vs 0.8 hr (IQR, 0.4 to 1.5) : 有意差なし (P=0.28) 介入時間 5.1 日 [IQR, 2.7 to 6.8] vs 5.6 日 [IQR, 2.9 to 6.8] : 有意差なし (P=0.09) 遵守率 95.2±11.3% vs 94.9±12.1% : 有意差なし (P = 0.34) 介入中 open-label のグルココルチコイド使用 138 人 (7.4%) vs 164 人 (8.8%) : 有意差なし (P=0.13)

34 NAD 最高使用量 / 日有意差なし平均差 -0.69( ), p=0.69 他 強心薬 etomidate スタチン 抗生剤の使用量に有意差なし 平均血圧差第 1-7 病日 5.39 mmhg (95% CI ; P<0.0001). 第 8-14 病日 1.31 mmhg (95% CI ) ハイドロコルチゾン群で早期の平均血圧が高い

35 HR 第 1-7 病日 -6.6 bpm (95% CI ; P<0.0001) 第 8-14 病日 bpm (95% CI ) ハイドロコルチゾン群で早期の HR が低い 乳酸値第 1-7 病日 0.08 mmol/l (95% CI ; P= 0.02) 第 8-14 病日 0.04 mmol/l (95% CI ; P=0.38) ハイドロコルチゾン群で早期の乳酸値が高い

36 Primary Outcome 90 日死亡率は 両群で有意差を認めなかった (P=0.50) 27.8% vs 28.8% (OR; 0.95 [ ])

37 Kaplan-Mayer 両群に有意差なし

38 サブカテゴリー別 全グループ間で 90 日死亡率に有意なし

39 Secondary outcomes ショック離脱までが 3 vs. 4 日 (p<0.001) ICU 退室までが 10 vs. 12 日 (p<0.001) 人工呼吸器離脱までが 6 vs. 7 日 (p<0.001) とハイドロコルチゾン群で短縮 輸血した割合は 37.0% vs. 41.7%(p=0.004) とハイドロコルチゾン群で少なかった ICU 生存退室率に有意差なし

40 ショック離脱まで

41 有害事象 イベントは合計 28 人 33 件出現 発生率は ハイドロコルチゾン群で有意に多かった (1.1% vs 0.3% P = 0.009) 重篤なイベント ( 出血, myopathy, 腸管虚血, 創部離開, 循環ショック ) はハイドロコルチゾン群で 4 人 プラセボ群で 2 人であった

42 discussion

43 重症敗血症へのステロイド使用は プラセボと比較して 90 日死亡率を下げなかった ショック離脱を早め 輸血を受ける者を減らした ICU 退室を早め 初回の人工呼吸器使用期間を短縮した 28 日死亡率 ショック再発率 ICU 退室後生存日数 退院後生存日数 人工呼吸器の再装着 腎代替療法率 菌血症 真菌血症の新規発生率は 両群間に有意差はなかった

44 strength バイアスを減らすため盲検化を行った 盲検前に統計分析のプランを公開している Primary outcome として 90 日死亡率をあげ 対象を 重要臓器のサポートが必要な死亡リスクの高い患者に限定した 実際に抽出できた ほとんどの患者がフォローアップされている 対象となった患者のうち 実際に割付に至った患者の割合は 0.69 であり他の大規模試験に近い 5 カ国 69 施設を含んでおり 整合性が高い

45 今までの試験との違い 炎症を軽減しショックを離脱することが示されているため ハイドロコルチゾンを持続投与している 敗血症ショックのガイドラインには infusion がグルココルチコイドの有害な反応を最小限に抑えることが示されている Intensive Care Med 2017;43: 最近の研究ではグルココルチコイド漸減の有益性は示されていないため漸減していない JAMA 2002;288: コルチコトロピン =ACTH 負荷試験は重症患者において有効性が示されていないため施行していない Intensive Care Med 2017;43: Etomidate 使用患者を除外している 有効性が示されていないため フルドロコルチゾンは投与していない JAMA 2010; 303:341-8.

46 limitation イベント発生の判断は各担当医に一任されており その判断の整合性については評価していない 菌血症 真菌血症のみを記録している 二次感染についてはデータを収集していない 抗生剤の妥当性は評価していない Myopathy は各担当医が CK 上昇や人工呼吸器再装着などの臨床所見で総合的に評価したが 長期的な筋衰弱の評価はしていない

47 まとめ ハイドロコルチゾン投与は 90 日死亡率を減少させなかった いくつかの secondary outcome を改善させている ハイドロコルチゾンの血行力学的効果はこれまでの研究と同様 費用対効果は検証していないが 今後考えるべき項目である

48 今月の NEJM にて

49 APROCCHSS trial 多施設共同二重盲検 RCT 敗血症性ショック患者 N=1241 (SOFA>3 の臓器不全を 2 つ以上 SBP 90mmHg or MBP 65mmHg を保つのにカテコラミン >0.25γ or >1mg/hr が必要 ) 重症度 :SAPSⅡ56 SOFA 12 D. Annane NEJM 2018 Mar 1;378(9): ステロイド群 : ハイドロコルチゾン :50mg 6st/ 日 + フルドロコルチゾン経口 50μg/ 日 (7 日間 ) vs プラセボ群 ( 当初は活性化プロテイン C も組み合わせた 2 2 比較であったが 製造が中止となりステロイド vs プラセボとなった ) 90 日死亡率を比較

50 90 日死亡率ステロイド群 43.0% vs プラセボ群 49.1% (P=0.03 RR %CI; ) また ステロイド群では ICU 退室時の死亡率 退院時死亡率 180 日死亡率が有意に低かった

51 P<0.001 昇圧薬 free days 臓器不全 free days はステロイド群のほうが有意に多かった P=0.006 また 昇圧薬離脱までの期間 人工呼吸器離脱までの期間 SOFA<6 になるまでの期間はステロイド群で有意に短かった 有害事象としては 高血糖 ( 150mg/dl) は 89.1% vs. 83.1%(p=0.002) とステロイド群で増加した P<0.001

52 重症敗血症患者において, ハイドロコルチゾン + フルドロコルチゾンを投与した群では 90 日死亡率が改善した ステロイドは心血管機能を増強させる これは必要な昇圧薬が減ったこととも一致 ( 鉱質ステロイドによる循環血漿量増加 糖質ステロイドの血管内皮受容体に関連した末梢血管抵抗増加 ) French APROCCHSS と 死亡率を改善させなかった CORTICUS HYPRESS の違いとして 1 フルドロコルチゾンを追加 鉱質コルチコイド作用が加わっている 敗血症は NF-κB に関連し鉱質コルチコイド受容体がダウンレギュレーション Crit Care Med 2017;45(9):e954-e962. 鉱質コルチコイド作動薬は α1 受容体を表出させ phenylephrine の反応性をあげ また endotoxic shock のマウスの死亡率を改善 Neuroimmunomodulation 2005; 12: 対象の重症度が高い 初期蘇生で改善せず昇圧薬を高容量で必要としている重症敗血症ショック患者 = 死亡率が高い Lancet 2005;365: (APRROCCHSS を CORTICUS と比較すると SOFA+1.5points SAPSⅡ+7points) そして French APPOCCHSS では死亡率を改善させている

53 ADRENAL APROCCHSS に対して

54 コルチコステロイドは炎症を抑え感染に対する耐性を下げるが 44% もの死亡率を改善させなかった JAMA 1963;183: 高容量のレジメンは結果が悪く用いられなくなった Clin Microbiol Infect 2009;15: 死亡率やショック離脱を改善させるとするシステマティックレ ビューがある一方 反する結論に至ったレビューもあり 大規模な RCT が望まれていた Cochrane Database Syst Rev 2015;12 Intensive Care Med 2015;41: ADRENAL APROCCHSS 両試験とも大規模 死亡率に大きなばらつきがある ADRENAL trial27.9% vs 28.8% [P=0.50] APROCCHSS trial, 43.0% vs. 49.1% [P=0.03] APATCHE と SOFA SAPSⅡ で評価されているため単純比較はできないが APPOCCHSS の方が重症そう

55 APPOCCHSS ではフルドロコルチゾンを使用 今まで ハイドロコルチゾン単独と併用との有効性の差は示されていなかった JAMA2010;303: ADRENAL の方が外科手術が多い (31.5% vs. 18.3%) RRT 施行率が低い (12.7% vs 27.6%) 血液感染が低い (17.3% vs. 36.6%) 呼吸器感染が低い (35.2% vs. 59.4%) 尿路感染が低い (7.5% vs. 17.7%) 腹部感染が多い (25.5% vs. 11.5%). 両試験とも ステロイド投与でショック 人工呼吸器離脱は早かった ステロイドボーラス投与による高血糖を除き 有害事象の割合は低かった ステロイドの有効性は重症度に依存する Clin Microbiol Infect 2009;15: という考えの妥当性を示唆した結果となった 治療抵抗性の重症敗血症ショックの患者に対して 低容量ハイドロコルチゾンをリスクを吟味し使用してみてもいいかもしれない

56 私見 ADRENAL trial について 明確な課題設定 デザイン 十分なサンプルサイズを設定した大規模試験である 外部者による割付 二重盲検化されており整合性は高い 介入以外の治療については各担当医に一任されている 今回は死亡率に有意差はでなかったが より重症度の高い対象者で行われたら差が出た可能性があると考える ショック離脱を早めるのは間違いなさそう 有害事象としての高血糖については持続投与にするメリットがあるかもしれない APROCCHSS ではステロイド群が死亡率を改善させた要因として 患者群の違いの他にフルドロコルチゾンが有効である可能性もあり さらなる研究が望まれる

57 治療に難渋する重症敗血症ショック患者に 低容量ステロイドの早期介入 いかがでしょうか?

58 補足 ) ステロイド

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