公共経済分析II

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1 講義ノート 3 佐藤主光 ( もとひろ ) 一橋大学経済学研究科 政策大学院

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3 消費税 事業課税としての消費税 - 賃金税 = 消費税税の公平感 - 公平感の多面性 - 担税力の測定税と再分配 - 課税だけでは再分配は完結しない - 課税と給付の一体化税以外の税金 - 暗黙裡の課税 3

4 4

5 消費税とは消費に対する課税である 名前がそうだから 欧州諸国での名称は 付加価値税 税等価 : 消費税 =( 賃金 ) 所得税 制度が異なっても経済効果が同じことがある 消費税は消費者が負担 ( だから逆進的 ) 制度上 消費税は 中間生産者 からも取られている ( 生産 流通の各段階で課税 ) みかけは企業課税に近い 法人事業税の 付加価値 割 ( 外形標準課税 )= 法人企業課税として理解 効果は消費税と同じ! 5

6 消費税の支払い 通念小売段階での課税? 実際 生産 流通の各段階で課税 事業者への ( 多段階流通 ) 課税 消費税の負担 消費者 原則 消費者 ( 一部は非課税事 業者も負担 ) 課税 ( 登録 ) 事業者は仕入れに要した消費税額を還付 納税額 =5%* 売り上げー仕入れに払った消費税 消費税を売り手に順次転嫁させていく 消費者は登録業者ではない 税還付が受けられない 税負担が帰着 6

7 製造業者 小売業者消費者 A. 売り上げ ( 税抜き ) B. 税務署に納める消費税 =5%*A C. 仕入れ ( 税抜き ) (= 消費 ) D. 仕入れに支払った消費税 =5%*D E. 税還付 付加価値 =A-C 消費税純計 =B-E 5 5 負担する消費税 仕入れで支払った 消費税 (=5) は還付 7

8 課税ベース= 売上 - 仕入 仕入には設備投資 ( 機械等の購入 ) も含まれる 投資コストは即時償却 法人税 = 投資コストは減価減価償却費として複数年に渡って償却 消費税は投資の 誘因 に対して 中立的 課税ベースからの控除額初年 年目 2 年目 3 年目現在価値 消費税 3 億円 3 億円 法人税 0 億円 億円 億円 2.7 億円 前提 () 設備投資は 3 億円 3 年間で償却 (2) 年間金利 ( 割引率 )=5% 法人税では 3 千万円分の投資コストが控除されない

9 課税後収益 =(- 税率 )* 売上 -(- 税率 )* 仕入れ =(- 税率 )*( 売上 - 仕入れ ) 今期投資 企業の投資選択 Π = ptf( Kt ) ptf( Kt ) ( τ ) K0 τk 0 = ( τ ) K t t t= t ( + r) ( + r) = 0 K = K ( δ ); t+ t t 今期投資から発生する将来収入の現在価値 仕入れ税額控除 = 投資即控除 課税は収入とコストに対称的に適用される = 中立性

10 J.Arnold (2008) 同じ税収を上げる (= 税収中立 ) とすれば 当該税収に占める消費税 ( 付加価値税 ) の比重が高い国の方が 所得課税 法人課税の比重の高い国よりも経済成長は高い 経済成長上 消費税に 比較優位 0

11 付加価値税は消費税だけではない 外形標準課税も付加価値税の一つ 出所 : 総務省資料

12 所得型付加価値 2

13 設備投資 地方消費税 即 00% 控除 ( 仕入れ税額控除 ) 生産効率性 = 成長促進型 課税地原則仕向け地主義 国際競争力から遮断 外形標準課税 減価償却額を控除 ( 現在価値でみて ) 税負担が帰着 投資抑制的 源泉地主義 = 輸出課税 輸入非課税 国内企業には国際競争上不利 税の帰着原則最終消費者消費者 労働者等に拡散 3

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15 税等価 = 制度的には異なっても同じ経済効果を有した税 制度 ではなく 帰結 に着目した税の分類化 税等価あれこれ 税目 税等価 消費税 ( 付加価値税 ) 賃金所得税 ( 部分的に ) 外形標準課税 社会保険料 ( 正規雇用 ) 賃金所得税 社会保険料 事業主負担 社会保険料 労働者負担 法人税 消費税 + 賃金所得税 + 資本所得税 補助金 = 配る ( ばら撒き ) 税額控除 = 取らない ( 減税 )

16 このイメージは 現在表示できません 家計の予算制約式 ( + t) p x + ( + t) p y x y = I p x x + p y y = + t I = t + t I 税率 t の消費税は税率 t/(+t) の所得税と 税等価 同じ経済 誘因効果 ただし この所得税は 累進的 ではない 直感 : 所得は ( いずれかの時点で ) 消費される 6

17 r I I r C t C t + + = ) ( ) ( 2 2 生涯所得将来消費の現在価値 = + + r I I t t r C C 2 2 所得税率資本 ( 利子 ) 所得は非課税今期の賃金所得の他親からの相続 過去に蓄積した資産を含む今期の消費 7

18 生涯予算ベースでみると消費税は資本 ( 派生 ) 所得には課税しない 賃金所得課税 包括的所得税 既に貯蓄 資本のある個人 ( 高齢世帯 ) にとって消費税はこうした貯蓄 資本への課税 今期の所得は少ないが貯蓄を取り崩して生計を立てる世帯への課税 ( 包括的 ) 所得税消費税 新しい貯蓄 ( 資本 ) 課税非課税 古い ( 既存の ) 貯蓄 ( 資本 ) 収益への課税 元本を含めて課税 8

19 r I I r C C I S r C I S C + + = = = + ) ( 第 期 ( 若年期 ) 第 2 期 ( 中高年期 ) 資本所得 = 派生所得生涯所得賃金所得 (+ 相続 ) 9

20 消費税は現在 勤労所得を得ていない退職世帯 ( 高齢世代 ) に対しても課税 世代間再分配効果 2 期間モデルの場合 : 家計は第 期 ( 若年期 ) に労働供給 第 2 期 ( 高齢期 ) には退職して 貯蓄 + 利子所得を取り崩して生計を立てる C = ( + r) S τrs = ( + r( )) S 所得税元本にも課税 2 τ 利子所得税 消費税 ( + t ) C2 = ( + r) S t C 2 = ( + r) S + t 20

21 通念 実際 納税 小売段階 ( 消費者 ) 各生産 流通段階 ( 事業者 ) 課税ベース 消費 付加価値 = 売上ー仕入 最終的に消費課税 公平性 逆進的 生涯所得ベースでみれば比例的 課税 消費課税 消費課税 ただし 課税地原則 若年世代 = 賃金所得税と税等価 老年世代 = 貯蓄課税に相当 仕向け地主義 2

22 22

23 消費税は不公平? 税の公平感は多面的 公平感 ( その ) 応益原則 = 受益に応じた負担 ( 例 : 利用料 均等割 ) 応能原則 = 担税力 ( 支払い能力 ) に応じた負担 ( 再分配 ) 公平感 ( その 2) 垂直的公平 = 所得 富の格差の是正 ( 所得再分配 ) 水平的公平 = 均等者均等待遇 水平的公平感 = 政府の政策以前に同等な厚生水準を得ていた 2 個人が政策 ( 例 : 課税 公共サービス ) の結果 厚生水準に格差が生じてはならない ( 例 : クロヨン ) 23

24 応能原則 応益原則 個人住民税均等割 (= 住民に一律課税 ) 低所得層にも同等の負担を課すので不公平 皆が等しく受益するサービスへの負担であれば公平 社会保障の世代間格差 ( 受益と負担の格差 ) 世代間再分配とみなせば受容できるかもしれない 負担 ( 社会保険料 ) に受益 ( 将来給付 ) が見合わないので不公平 24

25 クロヨン 出所 : 東京都税制調査会 公平な徴収を担保する仕組みに関する資料 ( 平成 24 年 7 月 30 日 ) 25

26 消費税は逆進的 課税の累進度の計り方は? 累進課税 : 税の負担が所得水準に応じて増加 (= 所得の高い納税者ほど多く税を負担 ) 所得水準の応じて増加 平均か限界か? - 平均税負担 = 税負担 / 所得 - 限界税負担 =Δ 税負担 / Δ 所得 所得水準 所得を測る期間は? 年間所得 生涯所得 26

27 納税額 B 逆進税 比例税 A D 累進税 C 限界税率 =Δ 納税額 / Δ 所得 0 所得 平均税率 = 納税額 / 所得 27

28 所得税 限界税率は一定でも平均税率は逓増 フラットタックスも累進的 B T ( Y ) = ty D 平均税率 A 限界税率 0 所得控除 0 Y Y 所得 28

29 稼得された所得はいつかは消費されるとの考えに立てば 消費は 一時点の所得 よりも生涯を通じた経済力をより正確に反映していると考えられる これに比例的に負担を求める消費税は むしろ負担の公平に資するとの見方も可能である ( 政府税制調査会 (2007 年 月 ) 担税力 年間所得 生涯所得 消費税 逆進的 比例的 応能原則からの評価 不公平 公平 29

30 消費税は逆進的ではない! 注 : 生涯所得階級の指標として消費階級 ( 消費額 ) を採用 出所 : 消費税は本当に逆進的か? ( 大竹 小原 ) 30

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32 再分配機能は従来 社会保障が多く担ってきた 税のよる再分配は限定的 - 消費税の比重の増加 - 所得税の最高税率の引き下げ (65% 50%) 真に必要なセイフティー ネットは社会保障によって担保されるべき としつつも 税制も それ自体として再分配機能を適切に発揮していくべきである ( 政府税制調査会 抜本的な税制改革に向けた基本的考え方 (2007 年 月 )) 個人所得課税雇用形態や就業構造の変化も踏まえながら 格差の是正や所得再分配機能等の回復のため 各種の所得控除の見直しや税率構造の改革を行う ( 社会保障 税一体改革成案について ( 平成 23 年 7 月 日 )) 32

33 出所 : 平成 20 年所得再分配調査報告書 ( 厚生労働省 ) 33

34 低所得者支援としての社会保障 現行制度では所得 税 と低所得者への所得 支援 ( 例 : 生活保護 ) は制度的に分離 制度の理念 目的が異なっても 経済効果は同じこと 生活保護には母子家庭 高齢者 障害者等 支援のニーズ 自立の可能性の異なるグループが混在 自立可能なグループを抽出し 特化した支援 事例 : 米国の EITC (Earned Income Tax Credit) 負の所得税 ( 給付付き税額控除制度 ) の導入 自立可能な 弱者 の自立を促進 34

35 問われるのは格差を是正する手段 既存の再分配 ( セイフティーネット ) は新しい格差に対応できない! 既存の再分配手段 新しい課題 公共事業基礎年金生活保護ワーキング プア非正規社員 地方圏の雇用確保 高齢者の所得保障 障害者 母子家庭 高齢者が主たる対象 地域を問わず働く若年世帯への支援 ( 医療保険を含む ) が欠如

36 可処分所得 通念 = 再分配機能を強化するために所得税の最高税率を引き上げるべき 負の所得税 課税 再分配機能は所得税単独で実現するものではない! A -t 給付 (= 生活保護 基礎年金 手当て等 ) との組み合わせ 給付 課税と移転の制度の整合性 一貫性の確保 0 課税前所得 課税最低限 36

37 可処分所得 租税関数 T ( y) = ty b >< 給付 ( ベーシックインカム ) 0 課税前予算制約式 ネットの税額がマイナスになることも許容 = 給付付き 所得税 給付 課税後予算制約式 給付額 給付と課税で一貫したルール ( 課税単位 税率 控除等 ) を適用 0 稼得所得

38 負の所得税 還付付き税額控除 ( 例 :EITC) 税制の中で給付機能も担う = 税と社会保障の一体化 給付と課税の一体化を ( ある程度 ) 制度的に担保 例 機能 消費税税額控除 GST 税額控除 ( カナダ ) 低所得者支援 ( 逆進 性対策 ) 児童税額控除 勤労税額控除 Child tax credit Work tax credit ( 英国 ) Earned income tax credit ( 米国 ) 就業 育児支援 38

39 可処分所得 給付付き税額控除後予算制約式 給付額 課税前予算制約式 給付額は不連続に減額されない 給付への所得制限 0 逓増 定額 逓減部分 代替効果 + 0 所得効果 稼得所得

40 東京財団 税と社会保障の一体化の研究 (2008 年 4 月 ) 扶養控除/ 配偶者控除を20 万円縮減 課税所得 200 万円 ( 妻子 2 人給与所得 600 万円強 ) 以下で23 歳未満の扶養親族をもつ納税者に 扶養親族一人あたり5 万円の税額控除 日本版 EITC の暫定試算 ( 2009 年 6 月 2 日 ) アメリカのEITCを日本に適用 対象 :25 歳から65 歳までの個人 所得 : 税法上の所得 ( 給与収入 事業所得ほか ) 子供 : 税法上の扶養家族 (9 歳以下 ) 40

41 4

42 経済財政諮問会議民間議員 ( 平成 2 年 5 月 29 日 ) 42

43 給付に当たって適正な支給の方策 とりわけ正確な所得の捕捉方法をどう担保するか ( 政府税調 (2007 年 月 )) 内国歳入庁では EITC の過誤支給 不正受給は支給額の 23-28% と推計している また 勤労所得税額控除の受給資格のある者のうち 4 人に 人が申請しておらず 未受給者対策も課題となっている ( 政府税制調査会 ( 海外調査報告 ( アメリカ カナダ ) (2009 年 8 月 )) ただし 所得の捕捉ではなく 資格要件の複雑さに関わる問題

44 44

45 税だけが税ではない 社会保険料 : 支払いは強制 + 自身の受益と負担の対応関係は不明瞭 実態として税 政府からの給付 補助が所得とともに削減 - 年金 生活保護 配偶者控除等 家計の手取りを減らす = 課税と同じ効果 税と給付の理念 ( 目的 ) は違うが 税と給付の間で家計の行動 ( 誘因効果 ) が異なるわけではない = お金に色はない 税としての社会保険料 給付削減 45

46 社会保険料 55.4 兆円 (23%) 税 39.2 兆円 (23%) 被保険者拠出 29.3 兆円 (3%) 民間事業主拠出 2.6 兆円 (23%) 国 29.3 兆円 (3%) 地方 9.9 兆円 (0%) 公的事業主拠出 4.5 兆円 (5%) 健康 介護保険 6.8 兆円 厚生年金 2. 兆円 雇用 労災保険 2.0 兆円 ( 医療 4.9 兆円 ) ( 介護.9 兆円 ) 出所 : 平成 2 年度社会保障給付費 国立社会保障 人口問題研究所 医療 介護の内訳に関しては試算値 46 児童手当 0.2 兆円 その他 0.6 兆円

47 家計の社会保険料負担の推移 (2006~20 年度の家計負担の変化額 : 万円 ) 万円 万円 合計 家計の税 保険料負担 3.2 万円 公的年金保険料 2.5 万円 健康保険料 0.4 万円 介護保険料 3.4 万円 % 分 出所 : 経済産業省資料 直接税 社会保険料 ( 参考 ) 消費税 ( 出所 ) 総務省 家計調査 ( 注 ) 二人以上勤労者世帯の数値 消費税は 消費支出から家賃地代 医薬品 保健医療サービスを除いたものの% 分として簡便計算したもの 消費税は20 年度時点における単年度の負担額 47

48 出所 : 経済産業省資料 48

49 減額後所得 ( 月額 ) 在職老齢年金 = 年金受給者が働いて所得を得る場合 所得 ( 賃金 ) に応じて年金額が減額 B 年金減額 65 歳 ~70 歳の場合 ( 月額ベース ) A 0.5 Y( 月額 )= 賃金 減額 ( 月額 ) + 年金基本額 48 万円以下 なし 48 万円超 (Y-48 万円 ) 年金額 48 万円 Y( 月額 ) 49

50 可処分所得 貧困の罠 万円多く稼ぐと同額生活保護給付が減額 =00% 課税 生活保護給付額 A B - 所得税率 0 生活保護受給 課税最低限 勤労所得 50

51 家計の可処分所得 配偶者控除の減額 妻に社会保険料の支払い義務 夫の所得 0 03 万円 30 万円 妻の収入 5

52 給付付き税額控除と他の所得保障 ( 福祉 ) 制度との整合性の確保が不可欠 関連する制度 : 生活保護 失業手当 ( 給付 ) 住宅補助など 給付付き税額控除の給付が他の所得保障の資格要件 給付水準に影響 ( 貧困 失業の罠 ) 受給者の実効税率アップ 例 : 英国の給付付き税額控除と住宅支援 米国の EITC よりも手厚いにも関わらず 英国の勤労 児童税額控除が就労促進に繋がっていない (Blundell and Shephard(2007) 52

53 Source :Tax-Credit Policies for Low Income Families: Impact and Optimality July 2007 Richard Blundell and Andrew Shephard 53

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