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1 カナグル 錠 100mg 製造販売承認申請書添付資料第 2 部 ( モジュール 2) 2.6 非臨床試験の概要文及び概要表 毒性試験の概要文 田辺三菱製薬株式会社 1

2 2.6.6 毒性試験の概要文 目次 略語 略号一覧 毒性試験の概要文 まとめ 単回投与毒性試験 マウスを用いた単回経口投与及び単回腹腔内投与毒性試験 ラットを用いた単回経口投与及び単回腹腔内投与毒性試験 非げっ歯類を用いた急性毒性評価 反復投与毒性試験 マウスを用いた反復経口投与毒性試験 ラットを用いた反復経口投与毒性試験 イヌを用いた反復経口投与毒性試験 遺伝毒性試験 In vitro 遺伝毒性試験 In vivo 遺伝毒性試験 がん原性試験 長期がん原性試験 生殖発生毒性試験 受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 胚 胎児発生に関する試験 出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験 新生児を用いた試験 局所刺激性試験 その他の毒性試験 免疫毒性試験 毒性発現の機序に関する試験 依存性試験 代謝物の毒性試験 不純物の毒性試験 その他の試験 考察及び結論 図表 参考文献

3 2.6.6 毒性試験の概要文 略語 略号一覧 略語 略号略していない表現 ( 英語 ) 略していない表現 ( 日本語 ) 1,25(OH)2D 1,25-Dihydroxyvitamin D 1,25- ジヒドロキシビタミン D 25(OH)D 25-hydroxyvitamin D 25-ヒドロキシビタミン D 3-OMG 3-O-Methyl-D-Glucose 3-O-メチル-D-グルコース ALP alkaline phosphatase アルカリホスファターゼ ALT alanine aminotransferase アラニンアミノトランスフェラーゼ APTT activated partial thromboplastin time 活性化部分トロンボプラスチン時間 AST aspartate aminotransferase アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ AUC area under the plasma concentration curve 血漿中濃度 - 時間曲線下面積 AUC 0- AUC 0-24h area under the plasma concentration vs. time from zero to infinity area under the concentration-time curve from time zero to 24 h 0 時間から無限大時間まで外挿した血漿中濃度 - 時間曲線下面積 0 時間から 24 時間までの血漿中濃度 - 時間曲線下面積 BAP bone-type alkaline phosphatase 骨型アルカリホスファターゼ b.i.d. bis die, twice a day 1 日 2 回 BrdU bromodeoxyuridine ブロムデオキシウリジン CK creatine kinase クレアチンキナーゼ C max maximum plasma concentration 最高血漿中薬物濃度 Cre creatinine クレアチニン CPN chronic progressive nephropathy 慢性進行性腎症 CTX C-terminal cross-linked telopeptide of I 型コラーゲン架橋 C-テロペプチド type 1 collagen DNA deoxyribo Nucleic Acid デオキシリボ核酸 DPD deoxypyridinoline デオキシピリジノリン DXA dual energy X-ray absorptiometry 二重エネルギー X 線吸収測定法 FDA Food and Drug Administration 米国食品医薬品局 GLP Good Laboratory Practice 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準 GLUT facilitative glucose transporter 促進拡散型糖輸送担体 GGT γ-glutamyltransferase γ グルタミルトランスフェラーゼ h hour 時間 HP-β-CD hydroxypropyl-β-cyclodextrin ヒドロキシプロピル-β-シクロデキ ストリン HPMC hydroxypropyl methylcellulose ヒドロキシプロピルメチルセルロ ース 3

4 2.6.6 毒性試験の概要文 略語 略号一覧 ( 続き ) 略語 略号 略していない表現 ( 英語 ) 略していない表現 ( 日本語 ) ICH International Conference on 日米 EU 医薬品規制調和国際会議 Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use KIM-1 kidney injury molecule-1 LH luteinizing hormone 黄体形成ホルモン MCH mean corpuscular hemoglobin 平均赤血球色素量 MCV mean corpuscular volume 平均赤血球容量 MPE mean photo effect NAG β-n acetyl D glucosaminidase N-アセチルグルコサミニダーゼ PIF photo irradiation factor PINP procollagen type I N-terminal I 型プロコラーゲン N-プロペプチド propeptide PTH parathyroid hormone 副甲状腺ホルモン q.d. quaque die, once a day 1 日 1 回 SGLT sodium glucose co-transporter ナトリウム-グルコース共輸送体 TK toxicokinetics トキシコキネティクス t max time to reach C max 最高濃度到達時間 TRAP5b tartrate-resistant acid phosphatase from 酒石酸耐性酸性ホスファターゼ b5 5b UV ultraviolet radiation 紫外線 4

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6 2.6.6 毒性試験の概要文 表 カナグリフロジン水和物の毒性試験一覧 ( 続き ) 試験の種類及び期間 投与経路 動物種 GLP 適用 ( 処理 ) 生殖発生毒性試験受胎能及び着床までの初期胚発生 経口 ラット 適用 胚 胎児発生 ( 用量設定試験 ) 経口 ラット 非適用 胚 胎児発生 経口 ラット 適用 5 日間 ( 用量設定試験 ) 経口 ウサギ 非適用 胚 胎児発生 ( 用量設定試験 ) 経口 ウサギ 非適用 胚 胎児発生 経口 ウサギ 適用 出生前後の発生並びに母体機能 ( 用量設定試験 ) 経口 ラット 非適用 出生前後の発生並びに母体機能 経口 ラット 適用 新生児を用いた試験 経口 ラット ( 幼若 ) 適用 その他の毒性試験毒性発現の機序に関する試験胃のびらんの機序検討 経口 ラット 非適用 骨関連マーカー経時変動に関する検討 経口 ラット 非適用 過骨症のラットの週齢差に関する検討 経口 ラット 非適用 45 Ca 吸収と排泄に関する試験 経口 ラット 非適用 発がん機序検討,4 週間 ( フルクトース予備検討 ) 経口 ラット 非適用 発がん機序検討,4 週間 ( フルクトース予備検討 2) 経口 ラット 非適用 発がん機序検討,4 週間 ( 低カルシウム予備検討 ) 経口, 又は ラット 非適用 皮下 発がん機序検討,4 週間 ( 摂餌条件予備検討 ) 経口 ラット 非適用 発がん機序検討,6 ヶ月間 ( フルクトース ) 経口 ラット 適用 発がん機序検討,6 ヶ月間 ( 低カルシウム ) 経口 ラット 適用 発がん機序検討,2 週間 ( 消化管内グルコース量 ) 経口 ラット 非適用 発がん機序検討,2 週間 ( 消化管内 ph) 経口 ラット 非適用 発がん機序検討,7 ヶ月間 ( ホルモン濃度測定 ) 経口 ラット 適用 不純物の毒性試験細菌を用いた復帰突然変異試験 in vitro ネズミチフス菌 非適用 その他の試験眼刺激性試験 in vitro ウシ角膜 非適用 局所リンパ節試験 経皮 マウス 非適用 光細胞毒性試験 in vitro Balb/c 3T3 細胞 非適用 光毒性試験 経口 有色ラット 適用 光遺伝毒性試験 in vitro ネズミチフス菌, 大腸菌 適用 単回投与 TK 試験 経口 ラット 適用 単回投与 TK 試験 経口 イヌ 適用 反復投与 TK 試験 経口 ラット ( 妊娠 ) 適用 単回投与毒性 ICR マウス,SD ラット及びビーグル犬を用いて急性毒性を評価した. 単回経口投与試験において, マウスでは 2000 mg/kg の投与量まで死亡例は認められず, ラットでは 2000 mg/kg の雌で死亡例が認められた. したがって, カナグリフロジン水和物の単回経口投与による概略の致死量はマウスでは 2000 mg/kg 超, ラットでは 2000 mg/kg であった. 単回腹腔内投与試験において, マウスでは 500 mg/kg まで死亡例が認められず, ラットでは 250 及び 500 mg/kg 群の雄で死亡例が認められた. したがって, カナグリフロジン水和物の腹腔内投与による概略の致死量は, マウスでは 500 mg/kg 超, ラットでは 250 mg/kg であった. 単回投与による主な毒性変化は, 経口投与及び腹腔内投与ともに軟便, 水様便などの消化器症状であった. 6

7 2.6.6 毒性試験の概要文 ビーグル犬を用いた 5 日間反復経口投与試験において, 初回投与時には死亡 / 瀕死例はみられなかったことから, 単回投与における概略の致死量は 800 mg/kg 超と推定された. 初回投与時にはすべての投薬群で嘔吐及び便の異常がみられ, 単回投与による主な毒性変化は消化器症状であると判断された. 反復投与毒性 ICR マウスを用いた反復経口投与毒性試験として,2 週間及び 13 週間の反復投与試験を実施した.2 週間投与用量設定試験 (50,250,500 及び 1000 mg/kg/ 日 ) では,500 mg/kg/ 日以上の群において投薬に起因する死亡がみられた.250 mg/kg/ 日以上の群では軟便などの消化器症状, 貧血傾向, 並びにアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ ( 以下,AST), アラニンアミノトランスフェラーゼ ( 以下,ALT) 及び尿素窒素の高値などの所見がみられた.250 mg/kg/ 日群でみられた変化は軽度であったため,13 週間投与試験は 30,100 及び 300 mg/kg/ 日の投与量で実施した. その結果,300 mg/kg/ 日群の雄 1 例で瀕死となり剖検したほか, 軟便などの消化器症状, 並びに貧血傾向などの所見が認められた.100 mg/kg/ 日群でみられた変化は変動の程度が軽微であり毒性学的な意義が低いと判断し, 無毒性量は 100 mg/kg/ 日と結論した. SD ラットを用いた反復経口投与毒性試験として,2 週間,13 週間及び 6 ヶ月間の反復投与試験を実施した.2 週間投与試験 (3,20 及び 150 mg/kg/ 日 ) では, 薬理作用に基づく変化として, 尿中グルコース排泄量, 尿量及び尿比重の高値, 並びに血清中グルコースの低値も認められた. そのほか, 血清中の AST,ALT 及び尿素窒素の高値, 尿中カルシウム排泄量の高値などが認められた. なお, 剖検及び病理組織学的検査において胃のびらん ( 変色 赤色巣 / 領域 ) が認められたが, 投薬による血糖値の低下と剖検前の絶食が組み合わさることによって誘発されたもので, 本薬の胃への直接作用に起因するものでないと判断した.150 mg/kg/ 日群では過骨症が認められ, 無毒性量は 20 mg/kg/ 日と結論した.13 週間投与試験 (4, 20 及び 100 mg/kg/ 日 ) では,2 週間投与試験と同様の所見に加え, 尿検査では,γ グルタミルトランスフェラーゼ ( 以下,GGT),N-アセチルグルコサミニダーゼ( 以下,NAG) 及びたん白排泄量の高値, 並びにカルシウムを含む電解質排泄量の高値などの変化がみられたが, これらのパラメータのうち GGT 及びカルシウムを除き, 尿中濃度は対照群と同等か若しくは低い濃度であったことから, これらの変化は尿量の増加に伴った二次的変化であると判断した. また,2 週間投与試験において過骨症がみられたことから, 骨代謝に関連するバイオマーカーを測定した. 測定したすべてのパラメータが低値であったことから, ラットでみられた過骨症は, 骨代謝回転が低下した中で骨吸収が骨形成よりも相対的に低下したことにより, 発現した可能性が示唆された. 無毒性量は明らかな過骨症が認められなかった雄の 4 mg/kg/ 日及び雌の 20 mg/kg/ 日と結論した. なお, 本試験で認められた変化はおおむね 8 週間の休薬により回復した.6 ヶ月間投与試験 (4,20 及び 100 mg/kg/ 日 ) では,2 週間及び 13 週間投与試験と同様の所見がみられた. 過骨症に関連して Dual energy x-ray absorptiometry( 以下,DXA) による骨密度の測定及び骨強度測定を行った. その結果,100 mg/kg/ 日群におい 7

8 2.6.6 毒性試験の概要文 て大腿骨及び腰椎の骨塩量の低下が認められたものの骨密度に変化はなく, 本変化は体重増加抑制に伴う骨の成長抑制を示唆する変化であると考えられた. なお,20 mg/kg/ 日以上の群で明らかな過骨症が認められたこと,4 mg/kg/ 日群でみられた変化はいずれも毒性学的意義が乏しいと判断し, 無毒性量は雌雄とも 4 mg/kg/ 日と結論した. ビーグル犬を用いた反復経口投与毒性試験として,5 日間,2 週間,13 週間及び 12 ヶ月間の毒性試験を実施した. なお, 用量設定試験として実施した 5 日間投与用量設定試験 (25, 100,400 及び 800 mg/kg/ 日 ) では,800 mg/kg/ 日投与の雌 1 例で状態悪化 ( ケトーシス及び脱水を伴う低血糖 ) が認められたため瀕死期解剖を行った. そのほか, 薬理作用に起因した尿中グルコース排泄量の高値などの変化がみられたが,400 mg/kg/ 日まで忍容性に問題がなかったことから,2 週間投与試験は 4,40 及び 400 mg/kg/ 日の投与量で実施した. その結果, 薬理作用に基づく尿中グルコース排泄量, 尿量及び尿中カルシウム排泄量の高値, 並びに血清中グルコースの低値などの変化が認められた. これらは薬理作用に起因した変化, 又は組織学的所見を伴わない軽微な変化であり, 無毒性量は雌雄とも 400 mg/kg/ 日と結論した.13 週間投与試験は,4,30 及び 200 mg/kg/ 日の投与量で開始したが,200 mg/kg/ 日群において一般状態が著しく悪化したため, 途中で 100 mg/kg/ 日に投与量を減じた.200 mg/kg/ 日投与時には活動性低下, 脱水, 血便及び紅斑などの症状が認められたが, 投与量を 100 mg/kg/ 日に減じて以降, これらの症状は消失した.30 mg/kg/ 日群で認められた変化は,2 週間投与試験と同様の薬理作用に起因した変化, 又は組織学的所見を伴わない軽微な変化であり, 無毒性量は雌雄とも 30 mg/kg/ 日と結論した. なお, 本試験で認められた変化はいずれも 4 週間の休薬期間中に回復した.12 ヶ月間投与試験 (4,30 及び 100 mg/kg/ 日 ) で認められた変化は 13 週間投与試験とおおむね同様であった. ラットに過骨症がみられたことから, イヌでの骨への影響を評価するために骨代謝に関連するバイオマーカーを測定した. 測定したパラメータにわずかな変動がみられたが, 骨密度, 骨強度及び骨形態計測において明らかな所見は認められなかったことから, これらの変化に毒性学的意義はないと判断し, 無毒性量は 100 mg/kg/ 日と結論した. 遺伝毒性細菌を用いた復帰突然変異試験, マウスリンフォーマアッセイ, ラット骨髄小核試験及びラット肝コメットアッセイにて評価した. マウスリンフォーマアッセイの代謝活性化法において突然変異頻度の増加が認められたが, 被験物質の析出がみられる用量のみでの変化であったことから, 本結果の毒性学的意義は低いと考えられた. 他の試験では陰性であったことから, カナグリフロジン水和物は遺伝毒性を有しないと結論した. がん原性 ICR マウスを用いた 2 年間反復経口投与がん原性試験 (10,30 及び 100 mg/kg/ 日 ) では, 投薬に起因した腫瘍所見は認められなかった. 8

9 2.6.6 毒性試験の概要文 SD ラットを用いた 2 年間反復経口投与がん原性試験 (10,30 及び 100 mg/kg/ 日 ) では, 投薬に起因して, 副腎褐色細胞腫, 腎尿細管腫瘍及び精巣間細胞腫の発現頻度が増加したが, いずれの腫瘍も以下の理由でラット特有の現象であると考えている.1カナグリフロジン水和物は遺伝毒性試験バッテリーにおいて非遺伝毒性物質と判断されており, ラットにおける腫瘍発生増加は非遺伝毒性メカニズムによるものであると考えられる.2マウスがん原性試験では, 薬物曝露レベルはラットがん原性試験と同等であったが, 投薬に起因する腫瘍は認められなかった.3いずれの腫瘍もラット特異的に腫瘍を発生させるメカニズムが存在すると考えられる. したがって, カナグリフロジン水和物は非遺伝毒性的な機序によりラットにがん原性を示すものの, いずれの腫瘍についてもヒトへの外挿性は低いと考えられる. ラットにみられた腫瘍発生メカニズムを検証するために機序検討試験を実施した結果, ラットがん原性試験でみられた 3 種の腫瘍発生には, 投薬に起因した糖質吸収不全に続発するカルシウムインバランスが関与しており, 精巣間細胞腫については, 更にホルモンインバランスが関与していることが示唆された. 生殖発生毒性雌雄ラットを用いた受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 (4,20 及び 100 mg/kg/ 日 ) では,100 mg/kg/ 日まで雌雄親動物の生殖機能及び初期胚発生に影響は認められなかった. ラット (10,30 及び 100 mg/kg/ 日 ) 及びウサギ (10,40 及び 160 mg/kg/ 日 ) を用いた胚 胎児発生に関する試験では, いずれも高用量まで胚 胎児毒性や催奇形性を示す所見はみられなかった. ラットを用いた出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験 (10, 30 及び 100 mg/kg/ 日 ) では,30 及び 100 mg/kg/ 日群で妊娠期間中に母動物の体重増加抑制, 又は体重減少が, 哺育期間中に出生児の体重増加抑制がみられた. 出生児に対する無毒性量は 10 mg/kg/ 日と結論した. 幼若ラットを用いた 10 週間反復投与毒性試験では, ラットを用いた反復投与毒性試験と同様の変化が認められ, 幼若動物に特異的な毒性の発現は認められなかった. また, 尺骨長の発育, 性成熟の指標は遅延したものの, 体重増加の抑制に伴うものと判断され, 器官 機能の発達に対する直接的な影響ではないと判断した. 幼若ラットにおける無毒性量は 4 mg/kg/ 日と結論した. その他の毒性試験カナグリフロジン水和物の取扱者の安全性に配慮する目的で, ウシ摘出角膜を用いた眼刺激性試験を実施し, 局所刺激性を評価した. カナグリフロジン水和物の眼刺激性は, 非眼刺激性又は軽度の眼刺激性に分類された. 同様に CBA/J マウスを用いて耳介リンパ節のリンパ球増殖反応を指標にした局所リンパ節試験を実施し, 皮膚感作性を評価した. カナグリフロジン水和物は皮膚感作物質ではないと結論した. 光安全性評価として,Balb/c 3T3 細胞を用いた光細胞毒性試験を実施した結果,Mean photo effect( 以下,MPE) が 0.28 であったことから, カナグリフロジン水和物は光毒性のポテンシャルを有するものと結論した.Long-Evans ラットを用いた in vivo 光毒性試験 (5,50 及び 9

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11 2.6.6 毒性試験の概要文 単回投与毒性試験 マウスを用いた単回経口投与及び単回腹腔内投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX7636] ICR マウスの雌雄各群 5 例にカナグリフロジン水和物の 250,500,1000 及び 2000 mg/kg ( 無水物として 245,490,979 及び 1959 mg/kg) を単回経口投与, 又は 62.5,125,250 及び 500 mg/kg( 無水物として 61.2,122,245 及び 490 mg/kg) を単回腹腔内投与し, その影響を 14 日間観察した後に剖検を行った. いずれの投与経路についても対照群には 0.5% ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液 ( 以下,0.5% HPMC) を投与した [ A]. いずれの投薬群にも死亡はなかった. 経口投与では, 一般状態変化としてすべての投薬群で軟便及び被毛の粗剛化が,500 mg/kg 以上の群で水様便及び水様便ないし軟便による被毛の汚染が,2000 mg/kg 群では粘液便, 便の減少, 腹部膨満, 眼瞼下垂, 被毛の尿による汚染などの所見が認められた. すべての投薬群で体重に変化はみられなかった. 腹腔内投与では, 一般状態変化として 500 mg/kg 群で眼瞼下垂, 活動性低下, 軟便, 被毛の便汚染, 被毛の粗剛化などの所見がみられた. すべての投薬群で体重に変化はみられなかった. また, 剖検時にみられた肝臓と横隔膜の癒着は, 本薬の直接的な刺激作用によるものと考えられた. 以上の結果より, 概略の致死量は, 経口投与では 2000 mg/kg 超, 腹腔内投与では 500 mg/kg 超と結論した ラットを用いた単回経口投与及び単回腹腔内投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX7635] SD ラットの雌雄各群 5 例にカナグリフロジン水和物の 250,500,1000 及び 2000 mg/kg( 無水物として 245,490,979 及び 1959 mg/kg) を単回経口投与, 又は 62.5,125,250 及び 500 mg/kg( 無水物として 61.2,122,245 及び 490 mg/kg) を単回腹腔内投与し, その影響を 14 日間観察した後に剖検を行った. いずれの投与経路についても対照群には 0.5% HPMC を投与した [ B]. 経口投与では,2000 mg/kg 群の雌 1 例が Day 6 に死亡した. 死亡前には眼瞼下垂などの所見が観察され, 同群の生存例では鼻周囲汚染, 腹部膨満, 円背位, 立毛, 活動性低下などの所見が認められた. すべての投薬群で, 便の異常 ( 便減少 / 無便, 粘液便, 軟便及び水様便など ), 脱毛, 被毛粗剛, 被毛の汚染などの所見が認められた.1000 mg/kg 以上の群では体重が低値であった. 腹腔内投与では,250 mg/kg 群の雄 1 例が Day 11 に,500 mg/kg 群の雄 3 例が Day 3~5 に死亡した. 死亡例では, 皮温低下, 腹部膨満, 削痩, 円背位, 眼瞼及び鼻周囲の汚染, 眼瞼下垂, 呼吸促迫又は減少, 蒼白, 立毛などの所見が認められた. そのほか,125 mg/kg 以上 11

12 2.6.6 毒性試験の概要文 の群で, 眼瞼周囲の汚染, 脱毛, 腹膜の癒着が,250 mg/kg 以上の群で活動性低下, 便減少 / 無便, 軟便, 被毛の便又は尿による汚染, 被毛粗剛, 及び体重の低値が,500 mg/kg 群では粘液便及び水様便が認められた. なお, 腹腔内投与で認められた腹膜の癒着は, 本薬の直接的な刺激作用によるものと考えられた. 以上の結果より, 概略の致死量は, 経口投与では雄で 2000 mg/kg 超, 雌で 2000 mg/kg, 腹腔内投与では雄で 250 mg/kg, 雌で 500 mg/kg 超と結論した 非げっ歯類を用いた急性毒性評価カナグリフロジン水和物の非げっ歯類を用いた単回投与毒性試験は実施せず, イヌを用いた 5 日間反復経口投与試験 [ ] で急性毒性を評価した結果, 初回投与後にはすべての投薬群で嘔吐及び便の異常がみられた. また,800 mg/kg( 無水物として 784 mg/kg) まで死亡例 / 瀕死例はみられなかった. 以上の結果より, イヌに単回経口投与した場合の主な毒性変化は消化器症状であり, 概略の致死量は 800 mg/kg を超えるものと推定された 反復投与毒性試験カナグリフロジン水和物の反復投与毒性試験として, マウス, ラット及びイヌを用いて表 に示した試験を実施した. なお, 無毒性量を推定する上で, 薬理作用に起因する血清中グルコース値の低値及び尿中グルコース排泄量の高値, 並びに薬理作用の二次的変化と考えられる可逆的な変化は毒性とは判断しなかった [ ] マウスを用いた反復経口投与毒性試験 マウスを用いた 2 週間反復経口投与用量設定試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX7963] 本試験はカナグリフロジン水和物のマウスへの 2 週間反復経口投与により発現する毒性を明らかにし,13 週間反復経口投与毒性試験の投与量を設定することを目的として実施した. ICR マウスの雌雄各 10 例に, カナグリフロジン水和物の 50,250,500 及び 1000 mg/kg/ 日 ( 無水物として 49.0,245,490 及び 980 mg/kg/ 日 ) を 2 週間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. なお,1000 mg/kg/ 日群は Day 3 に死亡例が認められ, 生存例についても一般状態が顕著に悪化したため, 投与及び観察を終了した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 血液学的検査, 血液生化学的検査, 剖検及び病理組織学的検査とした. 更にトキシコキネティクス ( 以下,TK) 測定群を設けて, 初回投与日 (Day 0) 及び Day 13 に TK 測定を実施した [ A]. 12

13 2.6.6 毒性試験の概要文 500 mg/kg/ 日以上の群で死亡例がみられた.250 及び 500 mg/kg/ 日群の雌で体重及び体重増加量が高値であった. 一般状態観察では,500 mg/kg/ 日以上の群の雄で被毛の粗剛化が認められた.250 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 500 mg/kg/ 日以上の群の雄では軟便が生じ, 便の量が少なかった.500 mg/kg/ 日群では泌尿生殖器周囲の湿潤及び汚染, 腹部膨満及び紅斑が認められた. 泌尿生殖器の汚染は 1000 mg/kg/ 日群でも認められた. 血液学的検査では,50 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 500 mg/kg/ 日群の雌で赤血球数, ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値が低値であり,500 mg/kg/ 日群の雄では血小板数, 白血球数及び分葉核好中球数が高値であった. 血液生化学的検査では,250 mg/kg/ 日以上の群で AST,ALT 及び尿素窒素の高値が, 250 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 500 mg/kg/ 日群の雌でトリグリセリドが高値であった.500 mg/kg/ 日群ではグルコースが低値であり, また 500 mg/kg/ 日群の雌ではリンの低値及びコレステロールの高値もみられた. 剖検時には 500 mg/kg/ 日群において盲腸の拡張及び胸腺の小型化が観察され, 病理組織学的検査では雄の 1 例で胸腺のリンパ球減少が認められた. TK 測定の結果, 雌雄ともに 500 mg/kg/ 日までカナグリフロジンの全身曝露量 (C max 及び AUC) は用量に応じて増加した.1000 mg/kg/ 日群では 500 mg/kg/ 日群とほぼ同等の曝露量であった. また,Day 0 と Day 13 の曝露量比較では, 雌の 500 mg/kg/ 日群の C max を除きほぼ同等であり, 反復投与による明確な曝露量の変動はなかった. また, 雌雄間で曝露量の明らかな差は認められなかった. 以上の結果に基づき, マウスを用いた 13 週間反復経口投与毒性試験の投与量は 30,100, 及び 300 mg/kg/ 日に設定した マウスを用いた 13 週間反復経口投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8262] ICR マウスの雌雄各 10 例に, カナグリフロジン水和物の 30,100 及び 300 mg/kg/ 日 ( 無水物として 29.4,98.0 及び 294 mg/kg/ 日 ) を 13 週間反復経口投与した. 投与量はマウスを用いた 2 週間反復経口投与毒性試験 [ ] の結果を基に設定した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 眼科的検査, 血液学的検査, 血液生化学的検査, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査とした. 更に TK 測定群を設けて, 初回投与日 (Day 0) 及び Day 90 に TK 測定を実施した [ A]. 300 mg/kg/ 日群の雄 1 例で, 低体温, 活動性低下, 呼吸速度の不整, 鼠径生殖器周囲の化膿性皮膚炎, 泌尿生殖器周囲の湿潤, 軟便, 便の減少, 直腸脱及び腹部膨満などの所見が認められ,Day23 に瀕死期解剖を行った. なお, 対照群の雌 1 例,100 mg/kg/ 日群の雄 1 例及び 300 mg/kg/ 日群の雄 1 例が誤投与により死亡した. また, 対照群の雄 1 例については後肢の麻痺が生じたため安楽殺を行った.300 mg/kg/ 日群の死亡例以外の個体では, 軟便, 便の減少及び腹部膨満が認められたほか,300 mg/kg/ 日群の雄 1 例で泌尿生殖器領域の湿潤が認められた.30 mg/kg/ 日以上の群で摂餌量が高値であり, 雌では体重増加量が高値であった.300 mg/kg/ 日群の雌では投与期間終了時の体重も対照群と比較して高値であった. 眼科的検査で 13

14 2.6.6 毒性試験の概要文 は投薬に起因した変化はみられなかった. 血液学的検査では,100 mg/kg/ 日以上の群の雄で, 赤血球数, ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値が対照群よりも低値であった. 血液生化学的検査では,100 mg/kg/ 日以上の群の雄でトリグリセリドが高値であった.300 mg/kg/ 日群では尿素窒素が高値, 総たん白及びアルブミンが低値であった. 同群の雌では前述に加えて ALT が高値であった. これらのうち, 100 mg/kg/ 日群の雄でみられた赤血球数, ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の変動はいずれも軽微であり毒性学的に意義はないと判断した. 器官重量では,100 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 300 mg/kg/ 日群の雌で肝重量が,300 mg/kg/ 日群の雌で腎重量が高値であった. 剖検では瀕死例を含む 300 mg/kg/ 日群で盲腸の拡張が認められた. 病理組織学的検査では 300 mg/kg/ 日群で肝細胞のグリコーゲン増加が認められたが, 薬理作用に関連した変化と考えられることから毒性とは判断しなかった. 同変化は,100 mg/kg/ 日以上の群でみられた肝重量の高値や脂質パラメータの変動とも関連していると考えられる. TK 測定の結果, 雌雄ともに全身曝露量 (C max 及び AUC) は用量に応じて増加した.Day 0 と Day 90 の曝露量比較では,300 mg/kg/ 日群の AUC が軽度に低下した以外は, 反復投与による明確な曝露量の変動はなかった. また, 雌雄間で曝露量の明確な差は認められなかった. 以上の結果より, 本試験における無毒性量は 100 mg/kg/ 日と結論した ラットを用いた反復経口投与毒性試験 ラットを用いた 2 週間反復経口投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX7633] SD ラットの雌雄各 10 例に, カナグリフロジン水和物の 3,20 及び 150 mg/kg/ 日 ( 無水物として 2.94,19.6 及び 147 mg/kg/ 日 ) を 2 週間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 眼科的検査, 血液学的検査, 血液凝固検査, 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査とした [ B]. いずれの投薬群にも死亡例はなかった.150 mg/kg/ 日群では, 軟便がみられ被毛が便で汚染された個体があった. また,150 mg/kg/ 日群の雄 1 例で便の減少が, 雌 1 例では被毛の粗剛化, 並びに水様便が認められた.20 mg/kg/ 日以上の群では摂餌量が高値であった. 一方, 150 mg/kg/ 日群の雄では体重及び体重増加量が対照群と比較して低値であった. 眼科的検査では投薬に起因した変化は認められなかった. 血液学的検査では,150 mg/kg/ 日群で血小板数が低値,150 mg/kg/ 日群の雌で網状赤血球数が高値であった. 血液生化学的検査では,3 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雄で ALT が,20 mg/kg/ 日以上の群で AST が高値であった. また,20 mg/kg/ 日以上の群で尿素窒素が高値であり,150 mg/kg/ 日群で総たん白及びアルブミンが,150 mg/kg/ 日群の雌でグロブリンが低値であった.20 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 150 mg/kg/ 日群の雄でカルシウム 14

15 2.6.6 毒性試験の概要文 が,20 mg/kg/ 日以上の群でグルコースが低値であった.150 mg/kg/ 日群の雄でコレステロールが,150 mg/kg/ 日群でトリグリセリドが高値であった. 尿検査及び尿生化学的検査では, すべての投薬群でグルコース排泄量及び尿比重が高値であった.150 mg/kg/ 日群では尿量及びカルシウム排泄量が高値であり, ケトン体が検出され, 尿 ph も低値であった. 薬理作用に起因して尿中グルコース排泄が顕著に増加し, 血清中グルコースの低値や代償的な体脂肪の分解によってケトン体が生じたものと考えられた. 尿中カルシウム排泄量の高値や血清中カルシウムの低値に関しては後述の過骨症との関連性が考えられるが, それらについては機序検討試験の項 [ ] で総合的に考察する. 投薬群の多くの個体でみられた AST,ALT 及び尿素窒素の高値については, それらの変動の程度は軽度であり,ALP,GGT, 総ビリルビン, クレアチニンなどの肝臓及び腎機能に関連するパラメータの変動を伴わないこと, 関連する組織学的所見が認められないことから毒性学的意義のない変化と判断した. 器官重量では, すべての投薬群の雄及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雌で腎重量 ( 相対 ) が高値, 150 mg/kg/ 日群では胸腺重量 ( 相対 ) が低値であった. 腎重量の変化については, 変化の程度が軽微であること, 関連する組織学的所見が認められないことから毒性学的意義の低い変化と判断した. 剖検では,3 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雄で胃の変色 赤色巣 / 領域が,150 mg/kg/ 日群の雄で盲腸の拡張及び体脂肪の減少が認められた. 病理組織学的検査では,150 mg/kg/ 日群で骨 ( 膝関節 ) の過骨症が認められた. また,3 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雄で対照群と比較して胃のびらんの発現頻度が高かった.20 mg/kg/ 日以上の群では膵臓のチモーゲン顆粒の減少が認められた. 胃のびらんについては, 剖検前絶食との関連性を疑い機序検討試験を実施したところ, 投薬に起因した血糖値の低下と剖検前の絶食が組み合わさることによりびらんの発現頻度が増加することが明らかとなったため [ ], 毒性とは判断しなかった. 膵臓のチモーゲン顆粒の減少に関しては, 詳細は不明であるが摂餌量の変動と関連する可能性が考えられる. 以上の結果より, 本試験における無毒性量は 20 mg/kg/ 日と結論した ラットを用いた 13 週間反復経口投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8150] SD ラットの雌雄各 10 例に, カナグリフロジン水和物の 4,20 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物として 3.92,19.6 及び 98.0 mg/kg/ 日 ) を 13 週間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 対照群及び 100 mg/kg/ 日群については更に雌雄各 5 例を用いて 8 週間の回復性試験を実施した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 眼科的検査, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 骨代謝関連マーカー測定, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査 ( 骨形態計測含む ) とした [ C]. いずれの投薬群においても投薬に起因した死亡はなく, 一般状態の変化も認められなかっ 15

16 2.6.6 毒性試験の概要文 た.20 mg/kg/ 日以上の群の雌では体重及び体重増加量が低値であった. すべての投薬群で摂餌量が高値であった. 摂餌量の増加は薬理作用に基づく尿中へのグルコース排泄増加に依存した変化と考えられ, 毒性学的意義は低いと判断した. 眼科的検査では投薬に起因した変化は認められなかった. 血液学的検査では,100 mg/kg/ 日群で赤血球数が,100 mg/kg/ 日群の雌でヘマトクリット値及びヘモグロビン濃度が低値であった. また,100 mg/kg/ 日群の雄では網状赤血球数が高値であった. 血液生化学的検査では,4 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雌で ALT,AST 及び尿素窒素が高値であり, グルコースが低値であった. また,100 mg/kg/ 日群でトリグリセリド及びリンが高値であった.100 mg/kg/ 日群の雌ではカルシウムが低値であった. なお, 対照群の雄 1 例 ( 動物番号 1003) において ALT 及び AST が極端に高値であり ( それぞれ 664 IU/L 及び 938 IU/L), 投薬群での ALT 及び AST の変動の判断は本個体を除外して行ったものである. いずれの投薬群においても ALT 及び AST の高値の程度は軽度であり, 関連する組織学的所見を伴っていなかったことから, 毒性学的意義が低い変化と判断した. 尿素窒素の高値については, クレアチニンの高値を伴っていないことから, 腎機能低下を反映したものではなく, 尿中へのグルコース排泄が過多な状況において, 絶食されることによりたん白異化が亢進した結果と推察される. 関連する組織学的変化を伴っていないことも考え合わせて毒性学的意義の低い変化と判断した. 尿検査及び尿生化学的検査では, すべての投薬群で尿量, 尿比重, グルコース排泄量,GGT 排泄量及びカルシウム排泄量が高値であった ( 尿比重については 100 mg/kg/ 日群の雄を除く ). 20 mg/kg/ 日以上の群ではリン排泄量が高値であった.20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌では, マグネシウム及び NAG 排泄量が高値であった. また,20 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 100 mg/kg/ 日群の雄ではたん白排泄量が,100 mg/kg/ 日群の雄ではナトリウム排泄量が高値であった. すべての投薬群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌ではケトン体が検出され,20 mg/kg/ 日以上の群では ph が低値であった. 投薬群でみられた尿中グルコース排泄量, 尿比重及び尿量の高値は, 薬理作用である腎臓におけるグルコースの再吸収阻害に関連する変化であり, 毒性変化ではないと判断した. また, 多くのパラメータで尿中排泄量の高値が認められたが, これらのパラメータのうち GGT 及びカルシウムを除き, 尿中濃度は対照群よりも低値, 又は対照群と同等の値を示したことから, 尿中排泄量の高値は尿量の増加に伴う二次的な変化であると考えられる. 尿の ph の低値及びケトン体の検出については, 尿中へのグルコース排泄が過多な状況での絶食により脂肪の異化が生じたものと推察される. 骨代謝に関連するマーカー測定では,20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌で 1,25-ジヒドロキシビタミン D( 以下,1,25(OH)2D) が,100 mg/kg/ 日群で 25-ヒドロキシビタミン D( 以下,25(OH)D) 及び副甲状腺ホルモン ( 以下,PTH) が,20 mg/kg/ 日以上の群でオステオカルシンが低値であった. また,100 mg/kg/ 日群で尿中デオキシピリジノリンのクレアチニン比 ( 以下, 尿中 DPD/Cre) が低値であった. 器官重量では, すべての投薬群で腎重量が,20 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 100 mg/kg/ 日群の雄で副腎重量が,20 mg/kg/ 日以上の群の雌では肝重量が高値であった. 剖検では, すべて 16

17 2.6.6 毒性試験の概要文 の投薬群で腺胃の変色巣 / 領域が観察された. 病理組織学的検査では, すべての投薬群で腺胃のびらん及び腎臓の鉱質沈着が認められ, すべての投薬群の雌及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雄で膝関節,20 mg/kg/ 日以上の雄及び 100 mg/kg/ 日の雌で胸骨の過骨症が認められた. また, 大腿骨 脛骨骨髄では,20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌で極軽度から軽度の造血細胞の増加が認められた. 骨の形態計測では 100 mg/kg/ 日群で海綿骨量が高値であり, 100 mg/kg/ 日群の雄で類骨面が低値であった. 過骨症の発現頻度及び程度は用量に依存しており, 発現頻度及び程度の増加が明らかなのは 20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌であった. これらの変化のうち, 副腎及び肝重量の高値は, いずれもその程度は軽度であり, 組織学的変化を伴っていなかった. 腎重量の高値は, 薬理作用に起因する尿量の増加に関連した変化と考えられる. 胃のびらんについては, 機序検討試験を実施し, 投薬と剖検前絶食が組み合わさることによりびらんの発現頻度が増加することが明らかとなっており [ ], 毒性とは判断しなかった. なお, 本試験における胃のびらんは, 粘膜の局所的肥厚, 慢性炎症, 腺の消失, 線維化及びヘモジデリン貪食マクロファージの集簇などの所見を伴っていないことから, 投与期間中持続的に生じていたものではなく剖検直前に生じたと考えられる. 体重減少, 大腿骨 脛骨骨髄での造血細胞増加, 腎臓間質の鉱質沈着以外の変化は 8 週間の休薬により回復した. 以上の結果より, 無毒性量は雄で 4 mg/kg/ 日, 雌で 20 mg/kg/ 日と結論した ラットを用いた 6 ヶ月間反復経口投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8574] SD ラットの雌雄各 20 例に, カナグリフロジン水和物の 4,20 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を 6 ヶ月間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 眼科的検査, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 骨代謝関連マーカー測定, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査 ( 骨形態計測含む ), 並びに骨密度測定及び骨強度測定とした. 更に TK 測定群を設けて, 初回投与日 (Day 0),Day 90 及び Day 179 に TK 測定を実施した [ D]. いずれの投薬群においても死亡例はなかった. すべての投薬群で摂餌量が高値であり, 飲水行動も頻繁であった ( この行動を多飲とする ). すべての投薬群で体重及び体重増加量は低値であった. これらの変化は薬理作用に起因する尿中グルコース排泄の増加に関連した変化と考えられ, 毒性学的意義はないと判断した.100 mg/kg/ 日群では軟便が認められた. 眼科的検査では投薬に起因した変化は認められなかった. 血液学的検査では,20 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 100 mg/kg/ 日群の雄で赤血球数が,100 mg/kg/ 日群の雌でヘマトクリット値が低値であった. 赤血球恒数としては 100 mg/kg/ 日群で平均赤血球容積 (MCV) 及び平均赤血球色素量 (MCH) が高値であった.20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌では白血球数及びリンパ球数が低値であった.20 mg/kg/ 日 17

18 2.6.6 毒性試験の概要文 以上の群の雄では単球数が,20 mg/kg/ 日以上の群で好酸球数が低値であった. 血液凝固検査では,100 mg/kg/ 日群で APTT の短縮が認められたが, 軽度な変化であったことから毒性学的意義はないと判断した. 血液生化学的検査では, すべての投薬群でグルコースが低値であった. また,100 mg/kg/ 日群の雄ではナトリウムが,20 mg/kg/ 日以上の群の雄ではクロールが, すべての投薬群の雌及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雄ではカルシウムが低値であった. すべての投薬群の雌で総たん白及びアルブミンが低値であったが,100 mg/kg/ 日群の雄ではアルブミンが高値であった. 100 mg/kg/ 日群の雄ではコレステロールが,20 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 100 mg/kg/ 日群の雄ではトリグリセリドが高値であった. すべての投薬群で尿素窒素が高値であった. 一方, クレアチニンは 20 mg/kg/ 日以上の群の雌で対照群と比較して低値であった. すべての投薬群の雄で AST,ALT 及び ALP が高値であった. すべての投薬群の雌で ALP が高値であった. 一方, すべての投薬群の雄及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雌で総ビリルビンは低値であった.20 mg/kg/ 日以上の群の雌で GGT はわずかに高値であった. これらの変化のほとんどは,13 週間投与試験でもみられた変化であった. いずれも軽度であり関連する組織学的所見がないことから毒性学的意義が低い変化と判断した. 尿検査及び尿生化学的検査では, すべての投薬群で尿量, 尿比重, グルコース排泄量 ( クレアチニン補正, 以下同様 ), カルシウム排泄量及びリン排泄量が高値であった. なお, クレアチニン排泄量は 100 mg/kg/ 日群では対照群よりも低値であった. また,20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌ではケトン体が検出され, すべての投薬群の雄で ph が低かった. また, 尿沈渣では, すべての投薬群の雄で三重リン酸結晶が少なく,100 mg/kg/ 日群では不定形物が多かった. 投薬群でみられたグルコース排泄量, 尿比重及び尿量の増加については薬理作用に起因した変化, 各パラメータの排泄量の増加については尿量の増加に伴う変化であると考えられる. 尿の ph の低値及びケトン体の検出については, 尿グルコース排泄が過多な状況での絶食により脂肪の異化が生じた結果生じたものと推察される. 更に, 投与 24/25 週に ph 及び尿沈渣について対照群と 100 mg/kg/ 日群を用いて絶食と非絶食での比較を行った. その結果, 尿の ph, 三重リン酸結晶及び不定形物について 100 mg/kg/ 日群では非絶食群の方が高値であった. 器官重量ではすべての投薬群で腎重量が,100 mg/kg/ 日群で副腎重量が,100 mg/kg/ 日群の雌では肝重量が高値であった.100 mg/kg/ 日群では胸腺重量が低値であった. 剖検では,100 mg/kg/ 日群で副腎の腫大及び胸腺の小型化が観察された.100 mg/kg/ 日群の雄及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雌では腎の退色が,20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌では腎臓の腫大と腎盂拡張が,100 mg/kg/ 日群の雌では腎盂結石が観察された.20 mg/kg/ 日以上の群の雄では膀胱が,100 mg/kg/ 日群では尿管が拡張していた. 病理組織学的検査では, すべての投薬群で腺胃のびらんが認められた. 胃のびらんについては, 剖検前絶食との関連性が疑われ, 機序検討試験を実施したところ, 投薬と剖検前の絶食が組み合わさることによりびらんが生じることが明らかとなったため [ ], 毒性とは判断しなかった. すべての投薬群の腎臓では尿細管の拡張が,100 mg/kg/ 日群では移行上皮の過形成が認められた. 対照 18

19 2.6.6 毒性試験の概要文 群及び 100 mg/kg/ 日群の尿管を観察したところ,100 mg/kg/ 日群では尿管が拡張した個体が認められた. また,100 mg/kg/ 日群で胸腺の萎縮した個体が認められた.4 mg/kg/ 日群では膝関節の極軽度の過骨症が散見され,20 mg/kg/ 日以上の群では膝関節及び胸骨の過骨症が認められた. これらの発現頻度は, 膝関節では 20 mg/kg/ 日以上の群で, 胸骨については 100 mg/kg/ 日群で対照群よりも有意に多かった. 骨の形態計測では 100 mg/kg/ 日群の雄で骨梁量及び骨梁数が多く, 骨梁は薄く, 骨梁間距離は低値であった.100 mg/kg/ 日群の雌では総皮質骨面積が多く, 総皮質骨も厚かった. 骨代謝に関連するマーカーを測定したところ,1,25(OH)2D,25(OH)D, カルシトニン,PTH, オステオカルシン,Ⅰ 型コラーゲン架橋 C-テロペプチド ( 以下,CTX) 及び尿中 DPD/Cre がそれぞれ発現用量は異なるものの, 投薬群で低値であった. 骨密度測定では,100 mg/kg/ 日群を中心に大腿骨の骨面積及び骨塩量が低値であった. 一方, 骨密度に明らかな影響はなかったことから, これらの変化は, 体重の増加抑制に伴う骨の成長抑制を示唆する変化と考えられた. 腰椎では 4 mg/kg/ 日群及び 20 mg/kg/ 日群の雌では骨面積値が大きく,100 mg/kg/ 日群の雄では骨面積値が, 雌では腰椎の骨塩量が低値であった. 大腿骨の骨強度試験では, 100 mg/kg/ 日群で最大荷重及びエネルギーが対照群と比較して小さかった. 骨強度に関しても体重の増加抑制に伴う骨の成長抑制を示唆する変化と考えられた. 腰椎の圧縮試験ではエネルギーは投薬群で小さい傾向にあったが, 終局強度 ( 単位面積あたりの強度 ) は 20 mg/kg/ 日以上の群の雄で強い傾向にあった. TK 測定の結果, 雌雄ともに全身曝露量 (C max 及び AUC) は用量に応じて増加した. 初回投与 (Day 0) と Day 90 及び Day 179 の曝露量比較では, 雌の 4 mg/kg/ 日群の C max のみでわずかに高値であり,100 mg/kg/ 日の AUC が Day 90 及び D 179 では雌雄ともに低値であった. また, 反復投与後では, 雌の方が雄よりわずかに高い曝露が認められた. なお, 反復投与後の Day 179 時点のみ,2 種代謝物 (M5 及び M7) についても曝露量を確認した.M5 及び M7 ともにカナグリフロジン水和物の投与量の増加に伴った曝露量の増加がみられた. 以上の結果より, 無毒性量は雌雄とも 4 mg/kg/ 日と結論した イヌを用いた反復経口投与毒性試験 イヌを用いた 5 日間反復経口投与用量設定試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX7211] 本試験はカナグリフロジンのイヌへの 5 日間反復経口投与により発現する毒性を明らかにし,2 週間反復経口投与毒性試験の投与量を設定することを目的として実施した. ビーグル犬の雌雄各 1 例に, カナグリフロジン水和物の 25,100,400 及び 800 mg/kg/ 日 ( 無水物として 24.5,98.0,392 及び 784 mg/kg/ 日 ) を 5 日間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 血液学的検査, 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 剖検及び病理組織学的検査とした [ B]. 4 回投与の翌日 (Day 5) に 800 mg/kg/ 日投与の雌が状態悪化 ( ケトーシス及び脱水を伴う 19

20 2.6.6 毒性試験の概要文 低血糖 ) したため瀕死期解剖を行った. 投薬に起因した明らかな体重及び摂餌量の変化はみられなかった. 一般状態観察では, すべての投与例で嘔吐が,25 mg/kg/ 日の雌を除くすべての投与例で便の異常 ( 軟便, 水様便, 粘液便及び無便 ) が認められ,800 mg/kg/ 日投与の雌では, 活動性低下及び衰弱が認められた. 血液学的検査では,400 mg/kg/ 日投与の雌では白血球数及び分葉核好中球数が高値であり, 800 mg/kg/ 日投与の雌では赤血球系パラメータ, 白血球数及び分葉核好中球数が高値であった. 血液生化学的検査では,400 mg/kg/ 日以上の投与例ではグルコースが低値であり,400 mg/kg/ 日以上の雄及び 800 mg/kg/ 日投与の雌では, 尿素窒素及びリンが高値であった.800 mg/kg/ 日投与の雌では総たん白, アルブミン, グロブリンの高値とクロールの低値も認められた.800 mg/kg/ 日投与の雌でみられた赤血球系パラメータ, 総たん白, アルブミン及びグロブリンの高値は脱水状態によるものと推察された. 尿検査及び尿生化学的検査では, すべての投与例において薬理作用に起因したグルコース排泄量及び尿量の高値に関連すると考えられる電解質,NAG, 総たん白などの排泄量の高値及び ph の低値が認められた. また,400 mg/kg/ 日以上の投与例では潜血反応が認められ,800 mg/kg/ 日投与の雌ではケトン体が検出された. 剖検では, 投与例で肝臓の退色及び肥大が散見され, 病理組織学的検査では肝細胞の空胞化が認められる個体があった. また,400 mg/kg/ 日投与の雌では腎盂炎が認められた. 以上の結果に基づき, イヌを用いた 2 週間反復投与毒性試験の投与量は 4,40 及び 400 mg/kg/ 日に設定した イヌを用いた 2 週間反復経口投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX7634] ビーグル犬の雌雄各 3 例に, カナグリフロジン水和物の 4,40 及び 400 mg/kg/ 日 ( 無水物として 3.92,39.2 及び 392 mg/kg/ 日 ) を 2 週間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 眼科的検査, 心電図検査, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査とした [ E]. いずれの投薬群においても死亡例は認められなかった.4 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 400 mg/kg/ 日群の雄において, 反復投与後の体重が低値であった. 一般状態観察では,40 mg/kg/ 日以上の群において, 嘔吐及び便の異常 ( 軟便, 水様便, 粘液便, 無便及び変色した便 ) が認められた. 眼科的検査, 心電図検査及び血液学的検査では, 投薬に起因した変化は認められなかった. 血液生化学的検査ではすべての投薬群の雌でグルコースが低値であった. 尿生化学的検査では, すべての投薬群で尿量及びグルコース排泄量が高値であった.40 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 400 mg/kg/ 日群の雌ではカルシウム排泄量が高値であった. 剖検では,400 mg/kg/ 日群の雌 1 例で体脂肪の減少が認められた. 器官重量及び病理組織 20

21 2.6.6 毒性試験の概要文 学的検査では明らかな変化は認められなかった. 以上の結果より, 投薬群で認められた変化はいずれも薬理作用に起因した変化又は組織学 的所見を伴わない軽微な変化であり, 無毒性量は雌雄とも 400 mg/kg/ 日と結論した イヌを用いた 13 週間反復経口投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8214] ビーグル犬の雌雄各 3 例に, カナグリフロジン水和物の 4,30 及び 200/100 mg/kg/ 日 ( 無水物として 3.92,29.4 及び 196/98.0 mg/kg/ 日 ) を 13 週間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. なお, 高用量群については,200 mg/kg/ 日の投与量で投与を開始したが, 一般状態の悪化が認められたため, 雄については Day 9 に, 雌については Day 8 に投与量を 100 mg/kg/ 日に変更した, 対照群及び 200/100 mg/kg/ 日群については更に雌雄各 2 例を用いて, 4 週間の回復性試験を実施した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 眼科的検査, 心電図検査, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査とした [ F]. いずれの投薬群においても死亡例はなかった. 投与終了時の体重は対照群の雌では投与開始時よりも高値であったが,200/100 mg/kg/ 日の雌では低値であった.200/100 mg/kg/ 日群の雄では,200 mg/kg/ 日投与時には摂餌量が対照群よりも低値であったが, 投与量を 100 mg/kg/ 日に減じて以降は対照群と同等の摂餌量となった. 一般状態観察では,30 mg/kg/ 日以上の群において粘液便, 嘔吐, 流涎などの症状の頻度及び程度が増加した. また,200/100 mg/kg/ 日群では,200 mg/kg/ 日投与時にはこれらの症状に加えて活動性低下, 脱水, 血便, 紅斑などの症状が認められたが, 投与量を 100 mg/kg/ 日に減じて以降これらの症状はほぼ認められなくなった. 眼科的検査及び心電図検査では, 投薬に起因した変化は認められなかった. 血液学的検査では,30 mg/kg/ 日以上の群の雌で白血球数, 好中球数及びフィブリノゲンが高値であった. 血液生化学的検査では,200/100 mg/kg/ 日群の雌で AST 及び尿素窒素が高値を示し,30 mg/kg/ 日以上の群の雄及びすべての投薬群の雌でグルコースが低値であった. 尿検査及び尿生化学的検査では, すべての投薬群で尿量, 並びにグルコース, カルシウム及び GGT の排泄量 ( 総量及びクレアチニン補正値 ),NAG 排泄量 ( 総量 ) 及びナトリウム排泄量 ( 総量 ) が高値であった. これらに加えて,30 mg/kg/ 日以上の群ではクロール排泄量 ( 総量 ) 及びリン排泄量 ( 総量 ) の高値,200/100 mg/kg/ 日群ではたん白排泄量 ( 総量及びクレアチニン補正値 ), ナトリウム排泄量 ( クレアチニン補正値 ) 及びクロール排泄量 ( クレアチニン補正値 ) が高値であった. 200/100 mg/kg/ 日群については,200 mg/kg/ 日の最終投与翌日 ( 雄 :Day 9, 雌 :Day 8) に血液学的検査 ( 血液凝固検査含まず ) 及び血液生化学的検査を実施した. 投与前値と比較して雌で赤血球数, ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値が低値であり, 雌雄で網状赤血球数が低値, 白血球数及び好中球数が高値であった. 血液生化学的検査では, 雄で ALT,ALP, 21

22 2.6.6 毒性試験の概要文 総ビリルビン及び尿素窒素の高値, 並びにグルコースの低値が認められた. 雌雄でクレアチニンの高値及びカルシウムの低値がみられた. 器官重量では,200/100 mg/kg/ 日群で腎重量が高値であった. 剖検では, いずれの投薬群においても明らかな変化はなかった. 病理組織学的検査では, 腎尿細管の再生 / 変性像及び尿細管の拡張が散見されたが, これらの変化が明らかであったのは 200/100 mg/kg/ 日群であった. 4 週間の回復期間中に 200/100 mg/kg/ 日群の体重は回復を示し, また, 投薬終了時に認められたいずれの変化も回復期間終了時には認められなかった. 以上の結果より,30 mg/kg/ 日群で認められた変化はいずれも薬理作用に起因した変化又は組織学的所見を伴わない軽微な変化であり, 無毒性量は雌雄とも 30 mg/kg/ 日と結論した イヌを用いた 12 ヶ月間反復経口投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8446] ビーグル犬の雌雄各 4 例に, カナグリフロジン水和物の 4,30 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を 12 ヶ月反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 眼科的検査, 心電図検査, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査 ( 尿生化学的検査含む ), 骨代謝関連マーカー測定, 器官重量, 剖検, 病理組織学的検査 ( 骨形態計測含む ), 骨密度測定及び骨強度測定を行った. また, 初回投与日 (Day 0),Week 26 及び Week 52 に TK 測定を実施した [ G]. いずれの投薬群においても死亡例はなかった. なお,4 mg/kg/ 日群の雄 1 例 ( 動物番号 2112) について, 痙攣などの中枢神経症状を示したため, 人道的見地から安楽殺した. 本例は病理学的検査の結果, 肉芽腫性髄膜脳脊髄炎と診断され, 低用量の 1 例のみで認められたことから自然発生疾患と判断した. すべての投薬群の雄で体重が対照群と比較して低値であった. すべての投薬群で便の異常 ( 無形便, 水様便及び粘液便 ) が認められ, 嘔吐や削痩が認められる個体もあった. 眼科的検査, 心電図検査及び血液学的検査では, 投薬に起因した変化は認められなかった. 血液生化学的検査では, すべての投薬群の雌でグルコースが低値,100 mg/kg/ 日群でトリグリセリドが高値及びカリウムが低値,100 mg/kg/ 日群の雌で ALP が高値であった. 尿検査では, すべての投薬群で尿量及びグルコース総排泄量が高値であった. また,GGT, NAG, カルシウム, クロール, リン, カリウム及びナトリウム総排泄量の高値を示したが, 尿量の増加に伴う変化と考えられた. クレアチニン補正値では, 雌の 30 mg/kg/ 日以上の群でナトリウム,100 mg/kg/ 日群で GGT が高値であった. なお,Week 26 では雌の 30 mg/kg/ 日以上の群で GGT,NAG 及びカルシウムが高値であった. 骨代謝関連マーカーの測定では,30 mg/kg/ 日以上の群の雄及びすべての投薬群の雌において,Week 17 の血清 1,25(OH)2D が低値であり, すべての投薬群の尿中 DPD/Cre も低値であったが, これらの変動幅は当該試験実施施設の背景データ範囲内であること, また, 投与 52 22

23 2.6.6 毒性試験の概要文 週では, 当該項目に統計学的に有意な変動は認められなかったことから, これらの変動は一過性の変化であると判断した. また,Week 52 では,100 mg/kg/ 日群の雌で骨型アルカリホスファターゼ ( 以下,BAP) が高値であったが, 同じく骨形成マーカーであるオステオカルシンには変動はみられなかった. 大腿骨骨密度の測定では, すべての投薬群の雄で骨密度が低値であったが, 骨強度測定及び骨形態計測では差は認められず, 骨密度の変化は用量相関性に乏しい軽微な変動であることから毒性学的に意義が低い変化と判断した. なお, 雌では骨密度測定, 骨強度測定及び骨形態計測に差は認められなかった. 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査では, 投薬に起因する変化は認められなかった. TK 測定の結果, 雌雄ともに全身曝露量 (C max 及び AUC) は用量に応じて増加した. 初回投与 (Day 0) と Week 52 の曝露量比較では,C max では総じて反復投与後の値は初回投与時の値と同等かやや増加する傾向が認められた.AUC では, 雌雄の 30 mg/kg/ 日群と雌の 100 mg/kg/ 日群でのみ曝露量が低下する傾向が認められた. 反復投与後の曝露量に雌雄間で明確な差は認められなかった. なお, 最高用量の 100mg/kg/day 群でのみ,2 種代謝物 (M5 及び M7) についても曝露量を確認した.M5 及び M7 ともにカナグリフロジン水和物の投与量の増加に伴った曝露量の増加がみられた. 以上の結果より, 本試験で得られた所見はいずれも薬理作用に関連した変化, 若しくは毒性学的意義の低い変化と考えられたことから, 無毒性量は 100 mg/kg/ 日と結論した 遺伝毒性試験 In vitro 遺伝毒性試験 細菌を用いた復帰突然変異試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX7701] ネズミチフス菌 (TA1535,TA1537,TA98,TA100) 及び大腸菌 (WP2uvrA) を用い, ラット肝 S9 mix の存在下及び非存在下でカナグリフロジン水和物の遺伝子突然変異誘発性を評価した [ 試験 1 回目及び 2 回目 :10~2500 μg/plate( 無水物換算 )][ A]. その結果, カナグリフロジンはいずれの条件下においても復帰変異コロニー数を増加させなかった. したがって, カナグリフロジンは本試験条件下において細菌に対して遺伝子突然変異を誘発しないと結論した マウスリンフォーマアッセイ [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX7703] マウスリンフォーマ L5178Y/tk +/- 細胞にカナグリフロジン水和物をラット肝 S9 mix 存在下又は非存在下で 3 時間, 若しくはラット肝 S9 mix 非存在下で 24 時間処理し, 遺伝毒性 ( 遺伝子突然変異及び染色体異常誘発性 ) を評価した [ B]. 23

24 2.6.6 毒性試験の概要文 3 時間処理のラット肝 S9 mix 非存在下では 2.0~60 μg/ml( 無水物換算 ), ラット肝 S9 mix 存在下では 10~60 μg/ml(1 回目 ) 及び 10~50 μg/ml(2 回目 ),24 時間処理では 2.0~40 μg/ml (1 回目 ) 及び 1.0~20 μg/ml(2 回目 ) の濃度範囲で評価した. その結果, ラット肝 S9 mix 存在下の 3 時間処理において, 濃度依存的な変異コロニーの増加がみられたが, 被験物質が析出する濃度のみの変化であった. ラット肝 S9 mix 非存在下の 3 及び 24 時間処理では変異コロニーの増加はみられなかった. したがって, カナグリフロジン水和物は本試験において代謝活性化条件下の析出濃度において陽性反応を誘発した In vivo 遺伝毒性試験 ラット骨髄細胞を用いた in vivo 小核試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX7740] SD ラットの雌雄各 5 例に, カナグリフロジン水和物を 500,1000 及び 2000 mg/kg( 無水物として 490,979,1959 mg/kg) 単回経口投与し, 投与後 24 及び 48 時間後に骨髄塗抹標本を作製して幼若赤血球における小核の有無を評価した. 媒体対照群には 0.5% HPMC を投与した [ A]. その結果, いずれの投与量においても小核を有する幼若赤血球の数を増加させなかった. したがって, カナグリフロジン水和物は本試験条件下でラット骨髄において小核を誘発しないと結論した ラット肝細胞を用いた in vivo コメットアッセイ [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX7978] ラットの肝細胞を用いてカナグリフロジン水和物の in vivo における DNA 損傷誘発性を評価した [ B]. SD 系ラットの雌雄各 5 例に, カナグリフロジン水和物を 500,1000 及び 2000 mg/kg( 無水物として 490,979,1959 mg/kg) の投与量で単回経口投与し, 投与 3 及び 24 時間後に肝細胞を採取して,DNA 鎖切断 (% Tail intensity) を測定した. 媒体対照群には 0.5% HPMC を投与した [ B]. その結果, 雄ラットにおいては 2000 mg/kg 群の投与 3 時間後, 雌においては 500 mg/kg 群の投与 24 時間後において統計学的に有意な % Tail intensity の増加がみられたが, いずれも背景データの範囲内であった. したがって, カナグリフロジン水和物は本試験条件下でラット肝細胞において DNA 損傷を誘発しないと結論した. 24

25 2.6.6 毒性試験の概要文 がん原性試験 長期がん原性試験 マウスを用いた 2 年間反復経口投与がん原性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8799] ICR マウスの雌雄各 64~66 例に, カナグリフロジン水和物の 10,30 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を 2 年間反復経口投与した. 対照群には,0.5% HPMC を投与した. 投与量は, マウスを用いた 13 週間反復投与試験 [ ] において 300 mg/kg/ 日群で死亡例が認められたことから,100 mg/kg/ 日を高用量に設定した. 検査項目は, 生存率, 一般状態, 腫瘤所見, 体重, 摂餌量, 眼科的検査, 血液生化学的検査, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査とした. カナグリフロジンについて初回投与日 (Day 0) 及び Day 181 に, カナグリフロジンのグルクロン酸抱合体である M5 及び M7 については Day 181 にそれぞれ TK 測定を実施した [ A]. 生存率, 体重, 腫瘤所見, 眼科的検査, 血液生化学的検査及び器官重量については, いずれの投薬群においても変化は認められず, 一般状態観察では 100 mg/kg/ 日群の雄で腹部膨満が認められた.30 及び 100 mg/kg/ 日群の雄及びすべての投薬群の雌では摂餌量が高値であった. 剖検及び病理組織学的検査では, 投薬に起因すると考えられる腫瘍の発生及び統計学的に有意な腫瘍発現頻度の増加は認められなかった. 非腫瘍性変化として, 剖検ではすべての投薬群の雄で腎臓の腎盂拡張, 並びに尿による尿管及び膀胱の拡張が認められ, 尿道 ( 陰茎骨内 ) に閉塞が生じ, 尿による尿管拡張, 膀胱拡張が生じたことが示唆された. 閉塞性の尿路拡張は, マウス特有の自然発生性病変 [1][2] であり, 投薬により発現頻度が増加したものと考えられた. 病理組織学的検査では, 剖検でみられた尿路拡張に関連して水腎症, 尿管及び膀胱の拡張が認められたほか, 尿管の拡張がみられた多くの個体では, 陰茎及び周辺組織に細菌塊が認められた. TK 測定の結果, 雌雄ともにカナグリフロジンの全身曝露量 (C max 及び AUC) は用量に応じて増加した. また, 反復投与後の Day 181 時点のみで測定した 2 種代謝物 (M5 及び M7) については,100 mg/kg/ 日群の雌の M7 の C max を除き, カナグリフロジンの投与量増加に伴った曝露量の増加を確認した. カナグリフロジンの曝露量を Day 0 と Day 181 で比較した場合, 雌雄の 10 mg/kg/ 日群ではわずかに増加傾向, 雄の 100 mg/kg/ 日群ではわずかに低下傾向を認めたが, それ以外の群では反復投与による明確な曝露量の変化はなかった. 反復投与後の AUC を雌雄間で比較すると, カナグリフロジン及び 2 種の代謝物は雌の方が雄より高値であった. 以上の結果より, カナグリフロジン水和物はマウスにおいてがん原性を示さないと結論した. 25

26 2.6.6 毒性試験の概要文 ラットを用いた 2 年間反復経口投与がん原性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8986] SD ラットの雌雄各 65 例に, カナグリフロジン水和物を 10,30 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を 2 年間反復経口投与した. 対照群には,0.5% HPMC を投与した. 投与量は, ラットを用いた 6 ヶ月間反復投与毒性試験 [ ] において 100 mg/kg/ 日群で明らかな体重の低値が認められていることから,100 mg/kg/ 日を高用量に設定した. 検査項目は, 生存率, 一般状態, 体重, 摂餌量, 眼科的検査, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査, 内分泌機能検査, 剖検及び病理組織学的検査とした. 更に TK 測定群を設けて, 初回投与日 (Day 0),Day 90 及び Day 180 に TK 測定を実施した [ B]. いずれの投与量においても死亡率の増加は認められず,30 mg/kg/ 日群の雄では, 対照群に比べて生存率が高かった. いずれの投薬群でも体重及び体重増加量が低値であったが, 摂餌量は投薬期間を通して対照群を上回る傾向がみられた. 一般状態観察では, 投与開始後から 10 mg/kg/ 日群以上の群で床敷の湿潤がみられ, 雌では食べこぼしの頻度が増加した. 眼科的検査では投薬に起因した変化は認められなかった. 血液学的検査では,Week 52 で,30 mg/kg/ 日以上の群の雌で赤血球数及びヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値が低値であり,10 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌で白血球数 ( リンパ球及び好酸球 ) が低値であった.Week 105~106 では,10 mg/kg/ 日以上の群で白血球数 ( リンパ球及び好酸球 ) が低値であった. 血液生化学的検査では,Week 52 で, すべての投薬群でグルコース及びカルシウムの低値, 並びにトリグリセリド及び尿素窒素の高値が,30 mg/kg/ 日以上の群では総ビリルビンが低値であった.10 mg/kg/ 日以上の群の雄で ALP 及び ALT が高値,100 mg/kg/ 日群の雄でリンが高値であった. また,30 mg/kg/ 日以上の群の雌でアルブミンが低値であった. 投与 105~106 週では, すべての投薬群でグルコース及びカルシウムが低値, トリグリセリド及び尿素窒素が高値であった. すべての投薬群の雄で ALP 及び ALT が高値,100 mg/kg/ 日群の雄でリンが高値であった.30 mg/kg/ 日以上の群の雌でアルブミンの低値,100 mg/kg/ 日群の雌で総ビリルビンの低値及びクロールの高値がみられた. 尿検査では,Week 52 ですべての投薬群において尿量及び尿比重の高値, 並びに尿 ph 及び尿の色調の低値がみられ, グルコースが検出された. また, すべての投薬群の雄及び 30 mg/kg/ 日以上の群の雌ではケトン体が, すべての投薬群の雌では潜血が検出された.Week 105~106 では, すべての投薬群で尿量及び尿比重の増加, 並びに尿 ph 及び尿の色調の低値がみられ, グルコースが検出された.30 mg/kg/ 日以上の群の雌雄では, ケトン体が検出された.Week 52 でみられた潜血は Week 105~106 の検査では対照群と同程度であった. 本試験で認められた精巣間細胞腫の発現機序を考察する目的として, 最終剖検時の血清サンプル ( 約 -18 C 保管 ) を用いてテストステロン及び黄体形成ホルモン ( 以下,LH) の測定を行った.30 及び 100 mg/kg/ 日以上の群の雄において, 対照群と比較してテストステロンが低値であった.10 mg/kg/ 日群では, 統計学的に有意な変動はみられなかった.LH については, 測定したすべての個体で検出限界未満の数値を示し, 評価できなかった (LH の定量限 26

27 2.6.6 毒性試験の概要文 界 =0.78 ng/ml). そこで, より感度が高い測定方法 (LH の定量限界 =0.25 ng/ml) を使用し再測定を行った. しかしながら, 対照群を含むほとんどの個体で検出限界未満の数値であった.LH が検出できなかった原因としては, げっ歯類の雄では, 加齢に伴い減少すると報告されていることから [3][4], 測定対象としたラットの年齢に起因する可能性が示唆された. 剖検では,100 mg/kg/ 日群で脱水及び削痩が観察された.10 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 100 mg/kg/ 日群の雄で副腎が腫大していた. すべての投薬群で腎臓の退色, 並びに腎盂の拡張及び結石, 若しくは尿砂が認められた. また,10 及び 30 mg/kg/ 日群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌で腎臓の陥凹巣 / 領域が認められた. これらに加えて,100 mg/kg/ 日の群で腎臓の腫大, 腫瘤及び表面不整が, 雄では退色巣 / 領域及び表面の顆粒状が, 雌では腎の不整形が認められた.10 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 30 mg/kg/ 日以上の群の雄で膀胱の肥厚が認められ, すべての投薬群で尿管の拡張が認められた. すべての投薬群の雄で精巣の退色巣 / 領域及び腫大が認められ,30 mg/kg/ 日以上の群では腫瘤がみられた. 更に,30 mg/kg/ 日以上の群では, 凝固腺, 前立腺及び精嚢腺の小型化が認められた. 病理組織学的検査では, 投薬に起因して副腎, 腎臓及び精巣に腫瘍, 若しくは増殖性変化の発現頻度が増加した. 副腎では,30 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌で副腎髄質過形成が,100 mg/kg/ 日群で褐色細胞腫の発現頻度が増加した. 褐色細胞腫は,30 mg/kg/ 日群の雄でも, 良性が 7/64 例 (11%), 悪性が 1/64 例 (1.6%) の頻度で認められたが, 試験実施施設における背景データ 良性褐色細胞腫 :10%(54/540 例 ), 悪性褐色細胞腫 :1.1%(6/540 例 ) と同程度であったことから, 本用量における変化は投薬に起因しない自然発生性の変化と判断した [ 表 ]. なお, 過形成及び褐色細胞腫に関しては, 生存率を加味した追加統計解析を実施した. 過形成については, 雄のみについて実施し,100 mg/kg/ 日群の雄において統計学的な有意差が認められたが, 他の群では有意差は認められなかった [ ]. 褐色細胞腫については雌雄について実施し,100 mg/kg/ 日群の雄において統計学的な有意差が認められたが, 他の群では有意差は認められなかった [ ]. なお,100 mg/kg/ 日群の雌については, 統計学的な有意差は認められなかったものの, 発生頻度が施設における背景データを超えていたことから, 投薬に起因して発現したものと判断した. 以上の結果から, 褐色細胞腫についての非発がん量は 30 mg/kg/ 日であった. 27

28 2.6.6 毒性試験の概要文 表 ラットがん原性試験における副腎髄質の腫瘍及び過形成 性別雄雌用量 (mg/kg/ 日 ) HCD HCD 動物数 髄質過形成 * 29* ** 褐色細胞腫良性 ** 発現頻度,% 平均 :10% 平均 :2.59% 悪性 発現頻度,% 平均 :1.11% 平均 :1.11% HCD: Historical control data ( 試験実施施設 ) *: p<0.05, **: p<0.01 by Fisher exact test 太字は投薬起因性変化を示す. 腎臓では,100 mg/kg/ 日群の雄で腎尿細管の過形成 ( 単純 ) が,100 mg/kg/ 日群で腫瘍 ( 腺腫及びがん ) の発現頻度が増加した [ 表 ]. このうち,100 mg/kg/ 日群の雄におけるがん (1 例 ) 及び 30 mg/kg/ 日群の雄でみられた腺腫 (1 例 ) とがん (1 例 ) は両染性の空胞を伴った腫瘍細胞から構成されていたことから,Amphophilic-vacuolar タイプの自然発生性の腫瘍であり [ ][5][35], 投薬起因の腫瘍ではないと判断した. 一方,100 mg/kg/ 日群で認められた上述以外の腎腫瘍は, 好塩基性細胞からなる高分化型の組織像であり, 投薬と関連する変化と判断された. 以上の結果から, 腎腫瘍についての非発がん量は 30 mg/kg/ 日であった. 表 ラットがん原性試験における腎尿細管腫瘍及び過形成 性別 雄 雌 用量 (mg/kg/ 日 ) HCD HCD 動物数 過形成 ( 単純 ) 過形成 ( 異型 ) 尿細管腫瘍 < 好塩基性 > 尿細管腺腫 ** * 1 発現頻度,% 平均 :0.2% 尿細管がん 発現頻度,% <AV タイプ > 尿細管腺腫 発現頻度,% 1.6 平均 :0.2% 尿細管がん 発現頻度,% HCD: Historical control data ( 試験実施施設 ) AV: Amphophilic-vacuolar *: p<0.05, **: p<0.01 by Fisher exact test 太字は投薬起因性変化を示す. 28

29 2.6.6 毒性試験の概要文 精巣では, すべての投薬群で精巣間細胞の過形成及び精巣間細胞腫の発現頻度が増加した [ 表 ]. 本試験では精巣間細胞腫についての非発がん量は 10 mg/kg/ 日未満であった. 表 ラットがん原性試験における精巣間細胞腫及び過形成 用量 (mg/kg/ 日 ) HCD 動物数 間細胞過形成 12 24* 35** 32** 精巣間細胞腫 ( 良性 ) 1 8* 20** 24** 4 発現頻度,% 平均 :0.7% HCD: Historical control data ( 試験実施施設 ) *: p<0.05; **: p<0.01 by Fisher exact test 太字は投薬起因性変化を示す. 非腫瘍性変化としては, 腎臓においてすべての投薬群で慢性進行性腎症 ( 以下,CPN) 及び尿細管の拡張が,30 mg/kg/ 日以上の群で腎盂の拡張がみられた. また, 鉱質沈着が 30 mg/kg/ 日以上の群で髄質に,30 mg/kg/ 日の雄及び 100 mg/kg/ 日群で乳頭部に,100 mg/kg/ 日群で皮質に,100 mg/kg/ 日の雄で腎盂にみられた.100 mg/kg/ 日群で移行上皮の過形成が,100 mg/kg/ 日の雄で尿細管の肥大が, 雌では嚢胞がみられた. また, 統計学的に有意ではなかったが, 尿細管過形成 ( 単純 ) が観察された. 膀胱において 100 mg/kg/ 日群の雄で炎症 ( 急性, あるいは慢性 ), 並びに扁平上皮化生を伴う, 又は伴わない移行上皮の過形成がみられた. なお, 尿管では, 統計学的に有意ではないものの, 炎症 ( 急性, あるいは慢性 ), 管腔内の鉱質 / 結石及び移行上皮の過形成がみられた. 前立腺, 精嚢及び凝固腺において 30 mg/kg/ 日以上の群で萎縮性変化が観察された. 胸骨及び膝関節において 30 mg/kg/ 日以上の群で過骨症がみられ, 大動脈, 肺, 胃などの器官 組織, 並びに心臓及び腸間膜リンパ節などの血管で鉱質沈着が観察された. また, 直腸では 100 mg/kg/ 日の雌で拡張がみられた. TK 測定の結果, 雌雄ともに全身曝露量 (C max 及び AUC) は投与量の増加に伴い増加した. Day 0 と Day 180 の曝露量比較では, 主として雌で反復投与による曝露量増加が認められたが, 雄では明確な曝露量の変化を認めなかった. 反復投与後の曝露量を雌雄間で比較した場合, 雌の方が雄よりやや高値であった. 以上の結果より, カナグリフロジン水和物をラットに 2 年間投与すると 100 mg/kg/ 日の投薬量で副腎の褐色細胞腫及び腎臓の尿細管腫瘍の発現頻度が増加した. また, すべての投薬群で精巣間細胞腫の発現頻度の増加がみられた. 29

30 2.6.6 毒性試験の概要文 生殖発生毒性試験 受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 ラットを用いた受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8562] 雌雄ラットの受胎能及び着床までの初期胚発生に対する影響を評価するために,SD ラットの雌雄各 24 例に, カナグリフロジン水和物の 4,20 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を雄は交配前 4 週から雌の受胎確認まで, 雌は交配前 2 週から妊娠 7 日 ( 妊娠 0 日 = 交尾成立日 ) まで反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 性周期検査, 器官重量, 剖検及び精子検査とし, 雌は妊娠 14 日に帝王切開し, 雄は雌の受胎が確定した時点で剖検した [ A]. いずれの投薬群においても死亡例はなく,100 mg/kg/ 日群では軟便が認められた. 雄では 4 及び 20 mg/kg/ 日群でも軽度に体重増加量が低値であったが,100 mg/kg/ 日群では投与期間を通じて体重及び体重増加量の低値が持続して認められたことから毒性と判断した. 雌では 100 mg/kg/ 日群で妊娠 0~7 日の体重増加量が低値であったが, 妊娠 8~13 日の体重増加量には差がなく, 妊娠子宮重量を除いた補正体重増加量にも差が認められなかったため, 投薬による影響ではないと判断した. また, すべての投薬群で薬理作用に基づく変化として摂餌量の増加が投与期間を通じて認められた. 剖検では, 投薬に起因した変化として, すべての投薬群の雄で用量増加に応じた盲腸 結腸の膨満及び膀胱拡張の増加がみられたが, 雌ではみられなかった. これらの所見については SGLT1 の阻害に基づく消化管内でのグルコースの異常発酵に起因した変化と考えられるが,20 mg/kg/ 日以下の用量では軟便, 下痢に至っていないことから, 毒性学的意義は低いと判断した. 100 mg/kg/ 日群の雌では妊娠黄体数, 着床数及び生存胚数に統計学的に有意な低値が認められた. 妊娠黄体数については背景データの範囲内の軽度な変化であり, 性周期への影響を伴っていないことから, 着床数及び生存胚数の変化も含め投薬に起因するものではなく, 偶発的な変化と判断した. また, 妊娠子宮重量の有意な低値も認められたが, 上記理由による偶発的な生存胚数の低値に起因するものであり, 毒性学的意義はないと判断した. 性周期, 交尾所要日数, 交尾率, 受胎率, 吸収胚数及び着床前 着床後死亡率に投薬の影響は認められなかった. 100 mg/kg/ 日群の雄では精子運動性の低下及び異常精子率の高値が軽度に認められ投薬の影響が疑われたが, 交尾率 受胎率に影響はみられなかったことから, 毒性学的意義はないと判断した.4 及び 20 mg/kg/ 日群では精子の運動性, 濃度及び形態に異常はなかった. 以上の結果より, 本試験における無毒性量は, 雄親動物の一般毒性に対して 100 mg/kg/ 日群で明らかな体重増加抑制が継続して認められたことから 20 mg/kg/ 日, 雌親動物の一般毒性及び雌雄の授胎能及び着床までの初期胚発生を含む生殖機能に対して得られた所見は, いずれも薬理作用に関連した変化, 若しくは毒性学的意義の低い変化と考えられたことから, 無 30

31 2.6.6 毒性試験の概要文 毒性量は 100 mg/kg/ 日と結論した 胚 胎児発生に関する試験 ラットを用いた胚 胎児発生に関する試験の用量設定試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX8035] 本試験はラットを用いた胚 胎児発生に関する試験の用量設定試験として実施した.SD ラットの雌各 8 例に, カナグリフロジン水和物の 10,50 及び 250 mg/kg/ 日 ( 無水物として 9.80,49.0 及び 245 mg/kg/ 日 ) を妊娠 6 日から妊娠 17 日 ( 妊娠 0 日 = 交尾確認日 ) まで反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. このほか,250 mg/kg/ 日を妊娠 16 日から妊娠 20 日まで経口投与する群を設定した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量及び器官重量とし, 妊娠 21 日に母動物を帝王切開して胚 胎児発生への影響について検討した [ ]. 10 及び 50 mg/kg/ 日群では, 投薬初期に軽度な体重増加量及び摂餌量が低値であった.250 mg/kg/ 日群では脱水, 泌尿器部周囲の湿潤, 軟便及び排便減少が認められ,2 例が死亡,2 例が瀕死期解剖となった. 同群では顕著な体重及び摂餌量の低値が認められ, 着床後死亡率が非常に高く, 生存胎児が極少数しか得られなかった.250 mg/kg/ 日を妊娠 16~20 日に投与した群では母動物の体重及び摂餌量が低値となり,1 例が死亡,1 例が瀕死期解剖となった. 胎児には体重の低値と骨化不全が認められた. 以上の結果に基づき, ラットを用いた胚 胎児発生への影響に関する試験の用量は,10, 30 及び 100 mg/kg/ 日とした ラットを用いた胚 胎児発生に関する試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8327] SD ラットの雌各 23~24 例に, カナグリフロジン水和物の 10,30 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物として 9.80,29.4 及び 98.0 mg/kg/ 日 ) を妊娠 6 日から妊娠 17 日 ( 妊娠 0 日 = 交尾成立日 ) まで反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量及び剖検とし, 妊娠 21 日に母動物を帝王切開して胚 胎児発生への影響について検討した [ A]. いずれの投薬群においても投薬に起因した死亡, 一般状態の変化はみられなかった.100 mg/kg/ 日群では, 投薬期間を通じて体重増加量が低値であり, 妊娠 6~9 日で顕著であった. 10 及び 30 mg/kg/ 日群でも, 妊娠 6~9 日及び 10~13 日の体重増加量が低値となり, 妊娠 10 ~13 日には統計学的に有意であった. 母体の妊娠子宮重量を除外した補正体重増加量は 30 及び 100 mg/kg/ 日群で統計学的に有意な低値であった. また, 摂餌量は, 投薬期間を通じて 10 及び30 mg/kg/ 日群では高値,100 mg/kg/ 日群では低値であった. 投与期間終了後,100 mg/kg/ 日群の体重増加量及び摂餌量は高値であった. 31

32 2.6.6 毒性試験の概要文 いずれの投薬群においても, 妊娠黄体数, 着床数, 早期 後期吸収胚数, 生存胎児数, 着床前 着床後死亡率, 胎児体重及び性比に投薬に起因する変化は認められなかった. 胎児の外表及び内臓検査では, 投薬に起因する変化は認められなかった. 胎児の骨格検査では,100 mg/kg/ 日群で中足骨の未骨化及び痕跡状過剰肋骨の発現頻度が有意に増加し, 妊娠中の母体の体重増加抑制と関連した変化である可能性が考えられた. また, 後述するラットを用いた出生前及び出生後の発生, 並びに母体の機能に関する試験において 100 mg/kg/ 日群の F1 出生児の機能発達にはカナグリフロジンの直接的な影響は認められていない. これらのことから, 本試験で認められた中足骨の未骨化及び痕跡状過剰肋骨は母体毒性に関連して胎児に一過性に発現する二次的な変化であり, 毒性学的意義は低いと判断した. 以上の結果より, 母動物に対する無毒性量は,30 mg/kg/ 日以上の群で補正体重増加量が低値を示したことから 10 mg/kg/ 日, 胚 胎児発生に対する無毒性量は投薬に起因すると考えられる直接的な影響を認めなかったことから 100 mg/kg/ 日と結論した ウサギを用いた 5 日間反復投与用量設定試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX8036] 本試験はウサギを用いた胚 胎児発生に関する試験の用量設定試験の予備試験として実施した.New Zealand White ウサギの雌各 3 例 ( 非妊娠 ) に, カナグリフロジン水和物の 10, 50 及び 500 mg/kg/ 日 ( 無水物として 9.80,49.0 及び 490 mg/kg/ 日 ) を 5 日間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. また, 初回投与日 (Day 0) 及び Day 4 に TK 測定を実施した [ ]. いずれの投薬群にも死亡例はなかった.500 mg/kg/ 日群では, 体重及び摂餌量が低値であり, 便の減少 ( 無便含む ) が認められた. 血液学的検査では好酸球数及びリンパ球数の低値が, 血液生化学的検査ではナトリウム, カリウム, クロール及びカルシウムの低値, 並びにリン, トリグリセリド, 尿素窒素, クレアチニン及び総ビリルビンの高値が, 剖検では消化管内のガス及び水様内容物の増加が認められた. TK 測定の結果, 全身曝露量 (C max 及び AUC) はおおむね用量に応じて増加した.Day 0 と Day 4の曝露量比較では,10 及び 50 mg/kg/ 日群では反復による曝露量の変動はなかったが, 500 mg/kg/ 日群では Day 4 の方が Day 0 と比較して高い曝露が認められた. 以上の結果に基づき, ウサギを用いた胚 胎児発生への影響に関する試験の用量設定試験の用量は,25,100,200 及び 300 mg/kg/ 日とした ウサギを用いた胚 胎児発生に関する試験の用量設定試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX8147] 本試験はウサギを用いた胚 胎児発生に関する試験の用量設定試験として実施した.New Zealand White ウサギの雌各 4~5 例に, カナグリフロジン水和物の 25,100,200 及び 300 mg/kg/ 32

33 2.6.6 毒性試験の概要文 日 ( 無水物として 24.5,97.9,196 及び 294 mg/kg/ 日 ) を妊娠 6 日から妊娠 19 日 ( 妊娠 0 日 = 交尾成立日 ) まで経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 器官重量及び剖検とし, 妊娠 28 日に帝王切開して胚 胎児発生への影響について検討した [ ]. 200 mg/kg/ 日までの投薬群では, 死亡はなく, 排便減少を示した 200 mg/kg/ 日群の 1 例を除いて, 投与に起因する一般状態変化も認められなかった.300 mg/kg/ 日群では, 便減少, 若しくは無便を経て, 妊娠 16 日に 1 例が死亡し, 他の 4 例は一般状態の悪化により瀕死期解剖を実施した. すべての投薬群で, 投与初期 ( 妊娠 6~8 日 ) に体重減少がみられた.200 mg/kg/ 日群では, 摂餌量は軽度に低値であった. 着床前及び着床後の死亡率の高値とそれに伴う生存胎児数が低値であったが, 胎児体重への影響はみられなかった. 以上の結果に基づき, ウサギを用いた胚 胎児発生に関する試験の用量は 10,40 及び 160 mg/kg/ 日とした ウサギを用いた胚 胎児発生に関する試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX8326] New Zealand White ウサギの雌各 14~19 例に, カナグリフロジン水和物の 10,40 及び 160 mg/kg/ 日 ( 無水物として 9.80,39.2 及び 157 mg/kg/ 日 ) を妊娠 6 日から妊娠 19 日 ( 妊娠 0 日 = 交尾確認日 ) まで経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 一般状態, 体重及び摂餌量とし, 妊娠 28 日に母動物を帝王切開して胚 胎児発生への影響について検討した. また, 妊娠 6 日及び 19 日に TK 測定を実施した [ B]. 160 mg/kg/ 日群の 1 例で著しい体重減少がみられたため妊娠 25 日に安楽殺した. また, 同群の 1 例が妊娠 28 日に早産した.10 及び 40 mg/kg/ 日群では, 投薬に関連する死亡及び瀕死はなかった.160 mg/kg/ 日群では, 排便減少 無便が投与期間中及び投与期間終了後に高頻度で観察され, 同群の 3 例に赤色の腟分泌物がみられた. 160 mg/kg/ 日群では, 投薬初期に体重及び摂餌量が著しく低値であり, 体重増加量については投薬期間中も継続して低値で推移した.10 及び 40 mg/kg/ 日では, 妊娠 6 から 8 日に体重減少がみられたが, その後の投薬期間の体重には影響はなかった. 投薬期間終了後,40 及び 160 mg/kg/ 日群の体重増加量は高値であった. いずれの投薬群においても, 妊娠黄体数, 着床数, 早期及び後期吸収胚数, 生存胎児数, 着床前及び着床後死亡率, 胎児体重, 並びに性比に投薬に起因した変化は認められなかった. また, 胎児の外表, 内臓及び骨格検査でも投薬に起因した変化はなかった. TK 測定の結果, 妊娠ウサギの全身曝露量 (C max 及び AUC 0-24h ) は投与量の増加に伴い増加した. 曝露量の増加比は投与量の増加比より高い傾向を示した. 妊娠 6 日 ( 初回投与時 ) と妊娠 19 日 ( 反復投与後 ) の曝露量を比較した場合,10 及び 40 mg/kg/ 日群の AUC 0-24h で反復投与によりやや増加した以外は, 明確な曝露量の変動はなかった. 以上の結果より, 母動物に対する無毒性量は,160 mg/kg/ 日群で投与初期に著しい体重及 33

34 2.6.6 毒性試験の概要文 び摂餌量の低値がみられ, 途中屠殺及び早産動物が各 1 例認められたことから 40 mg/kg/ 日, 胚 胎児発生に対する無毒性量は, 投薬の影響が認められなかったことから 160 mg/kg/ 日と 結論した 出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験 ラットを用いた出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験の用量設定試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX9298] 本試験はラットを用いた出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験の用量設 定試験として実施した.SD ラットの雌各 6 例に, カナグリフロジン水和物の 10,30 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を妊娠 6 日から哺育 6 日まで経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 母動物の一般状態, 体重, 摂餌量, 摂水量, 妊娠及び分娩状態観察,F1 出生児の一般状態, 生存性, 性比及び体重とし, いずれも哺育 7 日に剖検を実施した [ ]. 母動物において,100 mg/kg/ 日群で顎をケージに擦る動作及び糞の異常 ( 淡色便 ) が認められたほか, 妊娠期間中の体重増加量及び摂餌量が低値であった. 哺育期間中はすべての投薬群において摂水量が増加した. 妊娠, 分娩状態, 出生児数, 生存性及び性比などに投薬の影響は認められず, 剖検でも影響は認められなかった.100 mg/kg/ 日群では F1 出生児の生後 1 から 7 日の体重増加量が低値であった. 以上の結果に基づき, ラットを用いた出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験の用量は 10,30 及び 100 mg/kg/ 日とした ラットを用いた出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX9382] SD ラットの雌各 24 例に, カナグリフロジン水和物 10,30 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を妊娠 6 日から哺育 20 日まで経口投与し, 出生前及び出生後の発生並びに母体の機能について検討した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 検査項目は, 母動物の一般状態, 体重, 摂餌量, 妊娠及び分娩状態観察とし, 哺育 21 日に剖検を実施した.F1 出生児については, 一般状態, 生存性, 性比, 体重, 生後発育, 性成熟, 交配及び受胎能検査とし, 妊娠 14 日に帝王切開を実施した [ A]. 母動物において,30 及び 100 mg/kg/ 日群で便の異常 ( 淡色便及び軟便 ) が認められ, 尿量が多かった.100 mg/kg/ 日群で摂餌量の低値が投与初期 ( 妊娠 6~9 日 ) にみられた. 摂餌量低下の時期と一致して,30 mg/kg/ 日以上の群では体重増加量の低値が,100 mg/kg/ 日群では体重の低値が認められた. また,100 mg/kg/ 日群で哺育 1 から 4 日にみられた体重増加量の高値はこの時期の摂餌量増加と一致していた. 哺育期間の後期には腹部の膨満が認められ, 34

35 2.6.6 毒性試験の概要文 剖検で消化管拡張に起因していることが示され, 腸内容物は異常であった. また,100 mg/kg/ 日群で腹部脂肪組織の減少が認められた. 母動物の妊娠期間や繁殖性, 離乳までの哺育能に投薬に起因したと考えられる毒性変化は認められなかった. F1 出生児において,30 及び 100 mg/kg/ 日群で哺育期間中の体重増加量が低値であった. 離乳後には 100 mg/kg/ 日群で体重増加量の有意な低値が認められたものの, 体重増加の程度は離乳前と比較して改善した.100 mg/kg/ 日群では空中正向反射の獲得時期の遅延, 性成熟の遅延, 黄体数及び着床数の低値, 並びに着床前死亡率が高値であったが, これらは F1 出生児の低体重に起因した二次的な変化と判断した. 以上の結果より, 母動物に対する無毒性量は,30 及び 100 mg/kg/ 日群で母動物の体重減少, 若しくは体重増加抑制及び消化管の拡張がみられたことから 10 mg/kg/ 日,F1 出生児の生後発育に対する無毒性量は,30 及び 100 mg/kg/ 日群で哺育期間中の出生児の体重増加抑制がみられたことから 10 mg/kg/ 日と結論した. また,F1 出生児の機能発達及び生殖機能に対する無毒性量は, 投薬に起因すると考えられる直接的な影響を認めなかったことから 100 mg/kg/ 日と結論した 新生児を用いた試験 幼若ラットを用いた反復経口投与毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX10286] SD ラットの雌雄各 12 例に, カナグリフロジン水和物の 4,20,65 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を生後 21 日齢から 10 週間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 同様にすべての群について雌雄各 8 例を用いて 10 週間反復経口投与後,4 週間の回復性試験を実施した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 尺骨長測定, 性成熟, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査とした. 更に, 初回投与日 ( 生後 21 日齢 ) 及び Week 10( 生後 90 日齢 ) に TK 測定を実施した [ A]. いずれの投薬群においても投薬に起因した死亡はみられなかった. 一般状態観察では,65 mg/kg/ 日以上の群で腹部膨満の頻度が増加した. 体重増加量は, 雄では 4 及び 20 mg/kg/ 日群で Week 4 から,65 mg/kg/ 日以上の群で投与開始後から投与期間終了まで低値であった. 回復期間中の体重増加量はすべての投薬群で対照群よりわずかに高値で推移した. 雌では 65 mg/kg/ 日以上の群で投与開始から Week 2 まで低値であった. その後は回復期間も含めてすべての投薬群で対照群とほぼ同等に推移した. 体重増加抑制に伴い,Week 4 までの尺骨長の発育は,20 mg/kg/ 日以上の群で低値であり, 性成熟の指標は,65 mg/kg/ 日以上の群で遅延した. 摂餌量は,65 mg/kg/ 日以上の群で投与開始から 3 日間は低値であったが,Week 4 からすべての投薬群で高値となった. 摂餌量の高値は投薬終了後,65 mg/kg/ 日以上の群の雄及びすべての投薬群の雌で回復期間の第 1 週まで継続したが, 第 2 週以降は対照群とほぼ同等になった. 血液学的検査において,Week 4 では 100 mg/kg/ 日群の雌で MCHC が低値,MCV 及び網状 35

36 2.6.6 毒性試験の概要文 赤血球数が高値であった.Week 10 の 65 mg/kg/ 日以上の群の雄で MCH 及び MCHC の高値を伴う赤血球数の低値が認められた. また,Week 10 では 100 mg/kg/ 日群の雄で血小板数が低値であった.Week 4 の 65 mg/kg/ 日以上の群の雌,Week 10 のすべての投薬群の雌でヘマトクリット値及びヘモグロビン濃度の軽度低下を伴う赤血球数の低値が認められた. 血液凝固検査において,Week 10 では 100 mg/kg/ 日群で APTT が低値であった.4 週間の回復期間終了時には明らかな変化は認められなかった. 血液生化学的検査では,Week 4 のすべての投薬群で尿素窒素が高値,20 mg/kg/ 日以上の群の雄及びすべての投薬群の雌で ALT が,65 mg/kg/ 日以上の群の雄及びすべての投薬群の雌で AST が軽度な高値,65 mg/kg/ 日以上の群で CK が,20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 65 mg/kg/ 日以上の群の雌でクロールが軽度な高値であった.100 mg/kg/ 日群の雄でグルコースが,65 mg/kg/ 日以上の群の雄及びすべての投薬群の雌でトリグリセリドが低値,65 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 100 mg/kg/ 日群の雌でグロブリンが低値であった.100 mg/kg/ 日群の雌で総たん白及びアルブミンが低値であった. 更に Week 10 では, すべての投薬群で尿素窒素及び ALT が高値, クレアチニン及び総たん白が低値であった.100 mg/kg/ 日群の雄で AST が高値,20 mg/kg/ 日以上の群の雌及び 65 mg/kg/ 日以上の群の雄で CK が高値であった.65 mg/kg/ 日群の雄と 100 mg/kg/ 日群で GGT が高値であった.65 mg/kg/ 日以上の群の雄と 100 mg/kg/ 日群の雌でトリグリセリドが低値であった.100 mg/kg/ 日群の雄と 65 mg/kg/ 日以上の群の雌でグルコースがわずかに低値であった.20 mg/kg/ 日以上の群の雄と 100 mg/kg/ 日群の雌でナトリウムがわずかに高値であった.20 mg/kg/ 日群の雌と 65 mg/kg/ 日以上の群でリンが高値であった. これらの所見はいずれも 4 週間の回復期間終了時には認められなかった. 尿検査及び尿生化学的検査では,Week 4 のすべての投薬群の雄及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雌で著しい尿量の高値が認められた.20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 4 mg/kg/ 日以上の群の雌で尿 ph の軽度低下が認められた.Week 10 では, すべての投薬群の雄及び 65 mg/kg/ 日以上の群の雌で尿量の高値, すべての投薬群で尿 ph の軽度低下が認められた.Week 4 と Week 10 の両時点において, グルコース, たん白, 電解質 ( ナトリウム, カリウム, クロール, カルシウム, リン, マグネシウム ) の変動が認められた. また,Week 10 では, すべての投薬群の雄で GGT の排泄量が高値であった.Week 4 及び Week 10 の両方において, すべての投薬群で NAG 排泄量が高値であった. これらの変化はいずれも 4 週間の回復期間終了時には完全に回復した. 器官重量では, すべての投薬群で腎臓重量が高値であった. すべての投薬群の雄及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雌で肝臓重量が高値であった.20 mg/kg/ 日以上の群の雄及び 65 mg/kg/ 日以上の群の雌で副腎重量がわずかに高値であった.100 mg/kg/ 日群の雄及び 65 mg/kg/ 日以上の群の雌で脾臓重量がわずかな高値であった.100 mg/kg/ 日群の雄で前立腺重量がわずかな低値であった.4 週間の回復期間終了後, 腎臓重量の高値はおおむね回復し, 他に認められた器官重量の変化は, 完全な回復性を示した. 剖検では, 十二指腸, 空腸, 回腸及び膀胱の肥厚, 盲腸の拡張, 腎臓の退色巣及び腎盂拡張が用量反応的に認められた.4 週間の回復期間終了時には,20 mg/kg/ 日以上の雄で低頻度 36

37 2.6.6 毒性試験の概要文 に腎臓の腎盂拡張が認められたことを除いて, その他の変化は完全な回復性を示した. 病理組織学的検査では, すべての投薬群の雄及び 20 mg/kg/ 日以上の群の雌で胸骨及び膝関節の過骨症がみられた. すべての投薬群で腎盂の拡張,20 mg/kg/ 日以上の群の雄及びすべての投薬群の雌で尿細管の拡張がみられた.20 mg/kg/ 日以上の群で十二指腸の粘膜肥大 / 絨毛伸長がみられた.65 mg/kg/ 日以上の群の雌で脾臓の髄外造血の増加がみられた.4 週間の回復期間終了時には,20 mg/kg/ 日以上の群の雄の腎盂の拡張は回復傾向を示したものの完全には回復しなかった. その他の変化は完全な回復性を示した. なお, 胸骨及び膝関節で認められた過骨症は, 成熟ラットで認められた変化と同様にラット特異的なカルシウムインバランスに基づくもの [ ] と考えられ, 回復期間終了後に完全な回復性を示したことを考え合わせ, 毒性学的意義は低いものと判断された. TK 測定の結果, 雌雄ともに全身曝露量 (C max 及び AUC) は,4 から 100 mg/kg/ 日の範囲で用量に応じて増加し, すべての投与量で雌の方が雄よりわずかに高値であった. 初回投与時 (21 日齢 ) と Week 10(90 日齢 ) の曝露量比較では, 反復投与による変動は一部の例外を除き認められなかった. 本試験で得られた曝露量は成熟ラットを用いた 6 ヶ月間反復経口投与毒性試験 ( 投与量 :4,20,100 mg/kg/ 日 ) における曝露量とほぼ同等であった. 以上の結果より, 無毒性量は 4 mg/kg/ 日と結論した 局所刺激性試験 予定している臨床適用経路が経口投与であるため, 実施しなかった その他の毒性試験 免疫毒性試験 ICH S8 ガイドラインに従って, 反復投与毒性試験及びがん原性試験について評価したところ, カナグリフロジンによる明らかな免疫毒性を示唆する所見は認められなかった. 更に, 薬学的性質, 類似構造物質の免疫毒性, 薬物の分布, 臨床試験における所見などに照らし, 免疫毒性試験は不要と判断し実施しなかった 毒性発現の機序に関する試験カナグリフロジン水和物のラットを用いた反復投与毒性試験においてみられた胃のびらん及び過骨症, 並びにラットを用いたがん原性試験において発現頻度の増加がみられた 3 種の腫瘍について発現機序を検討する目的で表 に示した試験を実施した. 実施した試験は, フルクトース含有飼料給餌ラットを用いた 6 ヶ月間反復投与試験 [ ], 低カ 37

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39 2.6.6 毒性試験の概要文 謝関連マーカー測定, 剖検及び病理組織学的検査とした [ C.2]. その結果, 血液生化学検査では投薬群で血清カルシウムは Day 3 から低値となり, リンは Day 0 及び Day 1 では高値,Day 3 及び Day 7 では低値であった. グルコースは Day 1 から低値であった. また, 投与期間を通じて尿量は高値傾向であった. 尿中カルシウム排泄量 ( クレアチニン補正値, 以下同様 ) は Day 3 から高値となり, その程度は経時的に増大した. リン及びグルコース排泄量は,Day 1 から高値であった. そのほかの所見は, 反復経口投与毒性試験と同様であった. 骨代謝関連マーカーについては, 骨形成マーカーである血清中オステオカルシンは Day 1 から,BAP は Day 7 から低値であり, 骨吸収マーカーである血清中酒石酸耐性酸性ホスファターゼ ( 以下,TRAP5b) は Day 1 から, 尿中 DPD は Day 1 及び Day 14 に低値であった. また, 血清中 25(OH)D は Day 1 では高値であり,Day 3 から 1,25(OH)2D とともに低値であった. 病理組織学的検査では,Day 3 から膝関節における軽微な骨梁の増加が観察された.Day 14 まで観察したところ, 同変化は, 胸骨, 腰椎ではみられなかった. また, 骨の代謝にかかわる細胞のうち, 破骨細胞について, 酵素染色を実施して観察したところ, 海綿骨に局在する破骨細胞のサイズの減少傾向が認められた. 以上のことから, ラットにカナグリフロジン水和物を投与することによって誘発される過骨症は, 骨における形態学的変化に先立ち, 若しくは並行して骨代謝関連マーカーが変動していることが明らかとなった ラットの週齢に関する検討 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX8707] ラットの反復投与毒性試験においてみられた過骨症の発現が週齢によって異なるかを確認するため,SD ラットの 8 週齢 ( 骨代謝が活発な成長期 ), 又は 6 ヶ月齢 ( 成長がほぼ終了している時期 ) の雌各 10 例に, カナグリフロジン水和物の 150/100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を 4 週間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. なお,150/100 mg/kg/ 日群については,150 mg/kg/ 日の投与量で投与を開始したが,6 ヶ月齢のラットが Day 5 に 1 例死亡したことから,Day 6 に投与量を 100 mg/kg/ 日に変更した. 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 骨代謝関連マーカー測定, 剖検及び病理組織学的検査 ( 骨形態計測含む ) とした. 更に TK 測定群を設けて, 初回投与日 (Day 0) 及び Day 27 に TK 測定を実施した [ C.3]. その結果, 血液生化学的検査では, 血清カルシウム及びグルコースは投薬した 8 週齢及び 6 ヶ月齢ラットともに低値, 若しくは低値傾向を示し, リンは 8 週齢ラットのみ低値傾向であった. 尿検査では尿量及びグルコース排泄量 ( クレアチニン補正値, 以下同様 ) は 8 週齢及び 6 ヶ月齢ラットともに高値であった. カルシウム及びリン排泄量は,8 週齢ラットで高値であり,6 ヶ月齢ラットでも高値傾向であったが有意な差ではなかった. そのほかの所見及びパラメータの変動は, 反復経口投与毒性試験とほぼ同様の結果であった. 39

40 2.6.6 毒性試験の概要文 骨代謝関連マーカーでは,8 週齢ラットの投薬群で 1,25(OH)2D,25(OH)D,PTH, インスリン, オステオカルシン及び I 型プロコラーゲン N-プロペプチド ( 以下,PINP), 並びに尿中 DPD/Cre が低値であった.6 ヶ月齢ラットの投薬群では,25(OH)D, カルシトニン,PTH, インスリン, オステオカルシン及び PINP が低値であった. 病理組織学的検査では,8 週齢ラットで大腿骨及び胸骨において過骨症が観察されたが,6 ヶ月齢ラットでは過骨症はみられなかった. 骨形態計測では,8 週齢のラットの投薬群で骨梁の骨質量, 骨梁の厚さ, 及び骨梁数が高値であり, それらの数値の変動に応じて骨表面積 / 骨質量及び骨梁の間隔が低値となった. 類骨に関連したパラメータに明らかな変化はみられなかった. また, 骨梁及び石灰化した骨梁の骨質量の増加率がほぼ同等であることから, 石灰化に影響はないことが示唆された.6 ヶ月齢ラットの投薬群では骨表面積 / 骨質量の高値, 並びに骨梁の厚さが低値であったが, そのほかのパラメータに変動はみられなかった. TK 測定の結果,Day 0 のカナグリフロジンの曝露量 (AUC 0- ) は,6 ヶ月齢群が 8 週齢群よりも約 4 倍高い値を示した. また,Day 0 の血中からの消失 (t 1/2 ) は,6 ヶ月齢群が 8 週齢群よりもやや遅い傾向であった.Day 27 では, 採血時点不足により血中からの消失を適切に評価することができなかった. 反復投与後の曝露量 (C max 及び AUC 0-24h ) は,8 週齢群と 6 ヶ月齢群とでほぼ同等の値を示した. 以上のことから, カナグリフロジン水和物を 8 週齢ラット ( 骨代謝が活発な成長期 ) に投薬すると,6 ヶ月齢ラット ( 成長がほぼ終了している時期 ) に投薬した場合と比較して骨代謝関連マーカーの変動が顕著であり, 大腿骨の組織学的検査では 8 週齢ラットでは過骨症が認められたが,6 ヶ月齢では認められなかった. また, 骨形態計測結果から,8 週齢ラットでみられた過骨症の石灰化過程には異常はみられないことが明らかとなった ラットを用いた 45 Ca の吸収と排泄に関する試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :FK7547] カナグリフロジン水和物投与によるラットの体内カルシウム動態を検討するため,SD ラットの雄 10 例に, カナグリフロジン水和物 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を 2 週間反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. その間, 投与初日 (Day 1) 及び Day 14 に放射性カルシウム ( 45 Ca) で標識した塩化カルシウム ( 45 CaCl 2 ) をカナグリフロジン水和物と同時に投与してその尿中及び糞中への排泄量を測定した. また, 同様に SD ラットの雄 6 例に, カナグリフロジン水和物の 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) 又は 0.5% HPMC を 2 週間反復経口投与し, 絶食及び非絶食条件下での血清中の総カルシウム濃度及び 45 Ca の濃度 ( 総カルシウム濃度との比 ) について測定した [ C.4]. その結果,Day 1 及び Day 14 のいずれにおいても投与した 45 Ca の多くは糞中に排泄されたが, カナグリフロジン水和物投与により対照群と比較して尿中の排泄量は Day 1 で約 3 倍, Day 14 では約 21 倍となった. また, 血清中 45 Ca の AUC は, 絶食 非絶食のいずれにおいても Day 1 及び Day 14 ともに対照群と比較して高値を示し,t max はやや遅かった. 40

41 2.6.6 毒性試験の概要文 以上の結果より, カナグリフロジン水和物はラットにおいて消化管からのカルシウム吸収を投与初日から増大させ, 反復投与後もその影響は持続することが明らかとなった. また, 尿中へのカルシウム排泄を増加させ, 反復投与によってその程度が増大することが明らかとなった ラットがん原性試験にみられた腫瘍発生の機序検討試験ラットを用いたがん原性試験において投薬に起因して発現頻度が増加した副腎髄質腫瘍, 腎尿細管腫瘍及び精巣間細胞腫について, それらの腫瘍発生メカニズムを検証するために機序検討試験を実施した. 腫瘍発生に関与すると考えられるカルシウムインバランスについての検証と, 精巣間細胞腫の発生に関与すると考えられるホルモンインバランスを確認することを目的として試験を実施した ラットにおけるカルシウムインバランスに関する予備試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX10043] [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX10086] [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX10085] [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX10087] カナグリフロジン水和物でラットに惹起されると想定しているナトリウム-グルコース共輸送体 1( 以下,SGLT1) の阻害による糖質吸収不全と続発するカルシウムインバランスについて検証する目的で, 以下の予備試験 (GLP 非適用 ) を実施した [ C.5]. 検討内容は,1 消化管の SGLT1 阻害による糖質吸収不全が生じない条件として, 飼料中の糖質をグルコース / ガラクトースからフルクトースに替え ( フルクトースは促通拡散型糖輸送担体 5( 以下,GLUT5) を介して体内に吸収される [6][7]), カナグリフロジン水和物を投与する方法 [ 及び ],2 飼料中のカルシウム濃度を下げることによってカルシウムの摂取量を減じ, 消化管からのカルシウム吸収を抑制する方法 [ ], 3カナグリフロジン水和物の皮下投与により消化管における曝露量を少なくして消化管の SGLT1 阻害が生じにくい条件とする方法 [ ] 及び4カナグリフロジン水和物の投薬時間と摂餌時間を十分に分離し,SGLT1 阻害による消化管からの糖質吸収不全が生じないようにする方法 [ ] とし, いずれも投与期間は 4 週間とした. これらの予備試験の結果,1フルクトース飼料,2 低カルシウム飼料及び3 反復皮下投与については, 生体内のカルシウムインバランスを改善する傾向がみられたことから, 長期反復投与による影響を確認する目的でフルクトース含有飼料を給餌したラットを用いた 6 ヶ月間反復経口投与試験 [ ] 及び低カルシウム飼料を給餌したラットを用いた 6 ヶ月間反復経口, 又は皮下投与試験 [ ] を実施することとした. 一方,4 投薬と摂餌の時間分離では, 経口投与されたカナグリフロジン水和物と摂食された飼料が消化管内に存在する時間帯をずらすことにより, 消化管の SGLT1 阻害に基づくグル 41

42 2.6.6 毒性試験の概要文 コースの吸収不全を起点とする一連の変化を抑制することを意図したが, 消化管への影響の改善がみられなかったことから以降の試験は実施しなかった [ 表 ]. 表 ラットにおけるカルシウムインバランスに関する予備試験 投与方法, 期間 試験条件 特記すべき所見 経口,4 週間 1 標準飼料と 40% フルクトース含有飼料給餌の比較 40% フルクトース含有飼料 : 尿カルシウム排泄増加の抑制過骨症の発現抑制 PTH 低下の抑制 経口,4 週間 経口, 又は皮下, 4 週間 1 標準飼料と 20,30 及び 40% フルクトース含有飼料給餌の比較 2 経口投与での標準飼料と 0.1,0.2,0.3% カルシウム含有飼料給餌の比較 3 標準飼料での経口投与と皮下投与の比較 20%,30% フルクトース含有飼料 : 尿カルシウム排泄増加の抑制 1,25(OH)2D 低下の抑制 40% フルクトース含有飼料 : 尿カルシウム排泄増加の抑制 1,25(OH)2D 低下低カルシウム飼料 : 過骨症の発現抑制 ( 不十分 ) 皮下投与 : 過骨症の発現抑制 経口,4 週間 4 不断給餌と制限給餌の比較給餌条件による影響なし フルクトース含有飼料給餌ラットを用いた 6 ヶ月間反復経口投与試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX10093] 上述の予備試験 [ 及び ] より, カナグリフロジン水和物によってラットに惹起されるカルシウムインバランスは, 飼料中のグルコース / ガラクトースをフルクトースに置換することにより抑制されるものと考え, 本仮説を確かめる目的で以下の試験を実施した. SD ラットの雄各群 30 例を用いた. 対照群として, 標準飼料, 又は 40% フルクトース含有飼料 ( フルクトース飼料 ) を給餌し, それぞれ 0.5% HPMC を投与した ( 標準飼料 :A 群, フルクトース飼料 :B 群 ). 投薬群として, 標準飼料を給餌しカナグリフロジン水和物の 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を投与した群 (E 群 ), フルクトース飼料を給餌しカナグリフロジン水和物の 65, あるいは 100 mg/kg/ 日を投与した群 (65 mg/kg/ 日 :D 群,100 mg/kg/ 日 :F 群 ) を設けた. 投与期間は 6 ヶ月間とし, 投与後 1 ヶ月及び 3 ヶ月の時点にも検査を行った ( 各時点 10 例 ). 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 骨代謝関連マーカー測定, 内分泌機能検査, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査 ( 免疫組織化学的検査含む ) とした. 更に TK 測定群を設けて, 最終投与後 (Day 190) に TK 測定を実施した [ C.6]. いずれの群にも投薬に起因する死亡例はなかった. 一般状態では, すべての投薬群 (D 群, E 群,F 群 ) で床敷の湿潤が観察され, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) では投与開始から投与後 3 ヶ月において軟便がみられた. 投与期間を通じて, すべての投薬群 (D 群,E 群,F 42

43 2.6.6 毒性試験の概要文 群 ) で体重及び体重増加量が低値, 摂餌量は高値であり, その程度は標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) で顕著であった. 血液学的検査では, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) の投与後 1,3 及び 6 ヶ月において網状赤血球数の低値がみられ,6 ヶ月時点では, 赤血球数, ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値も低値であった. フルクトース飼料条件下の対照群 (B 群 ) と比較して, 投薬群 (D 群,F 群 ) では明らかな変動は認められなかった. 血液生化学的検査では, それぞれの条件下の対照群 (A 群,B 群 ) と比較してすべての投薬群 (D 群,E 群,F 群 ) で尿素窒素,ALP 及び ALT が高値であった. すべての時点において, 標準飼料条件下では対照群 (A 群 ) と比較して, 投薬群 (E 群 ) ではカルシウム及びリンが軽微に高値であった. 一方, フルクトース飼料条件下では対照群 (B 群 ) と比較して, 投薬群 (D 群,F 群 ) でカルシウム及びリンに差がなかった. 尿検査では, すべての投薬群 (D 群,E 群,F 群 ) において, 尿量及び尿比重の高値, 又は ph の低値がみられ, グルコース及びケトン体が検出された. 尿生化学的検査では, それぞれの条件下の対照群 (A 群,B 群 ) と比較してすべての投薬群 (D 群,E 群,F 群 ) で, 尿中グルコース排泄量 ( クレアチニン補正, 以下同様 ), カルシウム, 電解質,NAG, たん白及び GGT の排泄量 (6-24 時間のみ ) が高値であったが, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) での変化の程度と比較して, フルクトース飼料条件下 (D 群,F 群 ) では, 尿中カルシウム排泄量の変化は軽度であった. 通常の尿検査以外に, 尿 ph と尿中結晶の有無を確認する目的で, 新鮮尿を用いた尿検査を実施した. 尿 ph は標準飼料条件下の対照群 (A 群 ) と比較して投薬群 (E 群 ) では軽度に低値であった. フルクトース飼料条件下では対照群 (B 群 ) を含めて ph が低値であった. 投与後 6 ヶ月では, 標準飼料条件下での投薬群 (E 群 ) において, 尿の不定形物が観察されたが, フルクトース飼料条件下ではほとんど観察されなかった. また, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) 及びフルクトース飼料条件下の 100 mg/kg/ 日 (F 群 ) では, 酵母が高頻度にみられ, フルクトース飼料条件下の 65 mg/kg/ 日 (D 群 ) 及び標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) において, 統計学的に有意ではなかったが顆粒円柱が観察された. そのほか, いずれの群においても, 尿中の結晶成分に差はなかった. 骨代謝関連マーカー測定の結果, 投与後 1 ヶ月ではそれぞれの条件下の対照群 (A 群,B 群 ) と比較してすべての投薬群 (D 群,E 群,F 群 ) で,1,25(OH)2D が低値であり, その程度は標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) で顕著であった. 投与後 6 ヶ月では,1,25(OH)2D は対照群で低値であり, 投薬群の値は対照群と同程度であった. また, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) では, いずれの時点においても PTH が低値であった. フルクトース飼料条件下の投薬群 (D 群,F 群 ) では,PTH の明らかな変動はみられなかった. ラットがん原性試験でみられた精巣間細胞腫の発生機序を検討する目的で, 投与後 1 ヶ月に血清中の LH とテストステロンを測定したが, いずれの群においても明らかな変動はみられなかった. 器官重量では, すべての時点でフルクトース飼料条件下 (B 群,D 群,F 群 ) 及び標準飼 43

44 2.6.6 毒性試験の概要文 料条件下の投薬群 (E 群 ) では, 副腎重量が絶対及び相対重量ともに高値, 又は高値傾向であった. また, すべての時点でそれぞれの条件下の対照群 (A 群,B 群 ) と比較して投薬群 (D 群,E 群,F 群 ) では, 腎重量の絶対及び相対重量がともに高値であった. そのほか, すべての時点で標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) の副生殖腺重量が絶対重量で低値であり, 相対重量でも投与後 1 及び 6 ヶ月では低値, 又は低値傾向であった. 剖検では, 投与後 1 ヶ月からすべての投薬群 (D 群,E 群,F 群 ) で副腎の退色がみられた. フルクトース飼料条件下の投薬群 (D 群,F 群 ) 及び標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) において, 腎臓の腫大, 並びに退色, 又は腎盂の拡張がみられた. また, 投与後 6 ヶ月ではすべての投薬群 (D 群,E 群,F 群 ) で膀胱の拡張がみられた. すべての時点でフルクトース飼料条件下 (B 群,D 群,F 群 ) では, 盲腸 / 結腸の異常内容物 ( 硬調含む ) がみられ, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) では, 盲腸 / 結腸の軟調内容物, 並びに拡張がみられた. すべての時点のフルクトース飼料条件下 (B 群,D 群,F 群 ) で肝臓の退色及び腫大がみられた. 病理組織学的検査では, 投与後 1 ヶ月から標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) では, 胸骨及び膝関節の過骨症がみられたが, フルクトース飼料条件下の投薬群 (D 群,F 群 ) ではみられなかった. また, すべての時点のフルクトース飼料条件下 (B 群,D 群,F 群 ) の肝臓では, 肝細胞のグリコーゲンの増加, 並びに空胞化がみられた. 副腎では, 投与後 1 ヶ月からそれぞれの条件下の対照群 (A 群,B 群 ) と比較して投薬群 (D 群,E 群,F 群 ) では, 球状帯細胞の肥大 / 空胞化がみられ, 投与後 6 ヶ月では, 束状帯細胞の腫大 / 淡明化がみられた. また, 細胞増殖活性を検討するために実施したブロムデオキシウリジン ( 以下,BrdU) 免疫染色では, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) において対照群 (A 群 ) と比較して, 投与後 1 ヶ月から髄質の BrdU 陽性細胞数が高値であった. フルクトース飼料条件下の投薬群 (D 群,F 群 ) では対照群 (B 群 ) と比較して BrdU 陽性細胞数の明らかな変動はみられなかった. 腎臓では, 投与後 3 及び 6 ヶ月では, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) において, 髄質外層外帯 / 内側皮質の尿細管上皮細胞の脱落が認められたが, フルクトース飼料条件下の投薬群 (D 群,F 群 ) ではみられなかった. また, すべての時点において, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) の髄質外層外帯 / 内側皮質の尿細管上皮細胞で腫大 / 空胞化がみられたが, フルクトース飼料条件下の投薬群 (F 群 ) では投与後 3 ヶ月でのみみられ, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) と比較して発現頻度は低かった. 腎臓の尿細管傷害のバイオマーカーとして知られる Kidney Injury Molecule-1( 以下,KIM-1)[8] の免疫染色では, それぞれの条件下の対照群 (A 群,B 群 ) と比較して投薬群 (D 群,E 群,F 群 ) では, 投与後 1 ヶ月で皮質及び / 又は髄質外層外帯の尿細管に KIM-1 陽性領域が多巣性にみられ, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) ではその程度はやや強かった. 投与後 3 ヶ月では, 標準飼料条件下の対照群 (A 群 ) を除くすべての群で皮質及び髄質外層外帯の尿細管に KIM-1 陽性領域が多巣性にみられたが, その程度は, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) ではより顕著であり, うち 2 例ではび漫性に観察された. また, 細胞増殖活性を検討するために実施した BrdU 免疫染色では KIM-1 44

45 2.6.6 毒性試験の概要文 陽性領域が顕著であった例で細胞増殖活性も高値であることが示された. 投与後 6 ヶ月の検査においても, 標準飼料条件下の投薬群 (E 群 ) で KIM-1 陽性領域の増加がみられた. 一方, フルクトース飼料条件下の投薬群 (D 群,F 群 ) では対照群 (B 群 ) と比較して,KIM-1 免疫染色及び BrdU 免疫染色のいずれにおいても明らかな差はなかった [ 表 ]. 表 副腎及び腎臓における BrdU 及び KIM-1 を用いた免疫組織学的検査結果 群 A B D E F 飼料 St Fru Fru St Fru 用量 (mg/kg/ 日 ) 免疫組織学的検査 BrdU: 副腎 a) 髄質 1 ヶ月 x 1.04x 1.79x 0.90x 3 ヶ月 x 1.19x 2.24x 1.51x 6 ヶ月 x 1.47x 2.26x 1.45x KIM-1: 腎臓 b) 皮質 6 ヶ月 x 3.32x 13.93x 6.04x b) 髄質外層外帯 6 ヶ月 x 2.78x 10.67x 4.18x 合計 6 ヶ月 x 3.04x 12.24x 5.07x BrdU: 腎臓 c) 皮質 1 ヶ月 x 0.98x 1.08x 0.94x 3 ヶ月 x 1.24x 2.02x 1.26x 6 ヶ月 x 1.64x 2.76x 1.76x c) 髄質外層外帯 1 ヶ月 x 1.23x 1.39x 1.15x 3 ヶ月 x 1.33x 2.21x 1.56x 6 ヶ月 x 1.63x 2.52x 1.83x 合計 1 ヶ月 x 1.13x 1.26x 1.06x 3 ヶ月 x 1.30x 2.14x 1.44x 6 ヶ月 x 1.63x 2.59x 1.81x St: 標準飼料,Fru: フルクトース含有飼料 ( グルコース / ガラクトースフリー ) x: 標準飼料条件下の対照群 (A 群 ) は群平均, その他の群は A 群の数値に対する倍率太字は, 標準飼料条件下の対照群と統計学的な有意差 (p<0.05) があったものを示す. a) 髄質での陽性細胞数 /mm 2 の平均値 b) スライドあたりの陽性面積 (mm 2 ) c) 陽性細胞数 /1000 細胞の平均値 TK 測定の結果, 標準飼料条件下のカナグリフロジン水和物の 100 mg/kg/ 日群とフルクトー ス飼料条件下での 65 mg/kg/ 日群を比較すると, カナグリフロジンの曝露量はほぼ同等であっ た. また, 曝露量をカナグリフロジン水和物の 100 mg/kg/ 日で比較した場合, フルクトース 飼料条件下が標準飼料条件下よりも高い傾向を示した. 以上の結果より, 標準飼料条件下の投薬群では, 以前に実施した反復投与毒性試験時に類似した所見が得られた. 一方, フルクトース飼料条件下では, 投薬に起因する尿中カルシウム排泄量の増加, 血清 PTH の減少, 過骨症発現頻度の増加などの変化が抑制された. また, 標準飼料条件下の投薬群では, 免疫組織学的に副腎髄質の細胞増殖活性の亢進がみられたが, 45

46 2.6.6 毒性試験の概要文 フルクトース飼料条件下ではみられなかった. また, 腎臓においても標準飼料条件下の投薬群では, 尿細管上皮細胞の空胞化及び管腔内への脱落や, 免疫組織学的検査における KIM-1 陽性像に示される腎尿細管の傷害が観察され, 尿細管上皮細胞の増殖活性の亢進がみられたが, フルクトース飼料条件下ではこれらの変化が抑制されることが明らかとなった 低カルシウム飼料給餌ラットを用いた 6 ヶ月間反復投与試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX10168] 上述の予備試験 [ ] より, カナグリフロジン水和物によってラットに惹起されるカルシウムインバランスは, 飼料中のカルシウム濃度を減じることで消化管からのカルシウム吸収を減少させることにより抑制されるものと考え, 本仮説を確かめる目的で以下の試験を実施した. また, 同様に消化管局所での SGLT1 阻害のカルシウムインバランスへの影響を調べる目的で皮下投与試験を実施した. SD ラットの雄各群 30 例を用いた. 対照群として, 標準飼料, 又は 0.1% カルシウム濃度飼料 ( 低カルシウム飼料 ) を給餌し, それぞれ 0.5% HPMC を投与した ( 標準飼料 :A 群, 低カルシウム飼料 :B 群 ). 投薬群として, 標準飼料, 又は低カルシウム飼料を給餌しカナグリフロジン水和物の 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を 6 ヶ月間反復経口投与した ( 標準飼料 :D 群, 低カルシウム飼料 :E 群 ). 検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 血液学的検査 ( 血液凝固検査含む ), 血液生化学的検査, 尿検査, 尿生化学的検査, 骨代謝関連マーカー測定, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査 ( 免疫組織化学的検査含む ) とし, 投与後 1,3 及び 6 ヶ月 ( 各時点各群 10 例 ) に行った. 更に TK 測定群を設けて, 最終投与後 (Day 190) に TK 測定を実施した [ C.7]. また, 皮下投与の対照群として, 標準飼料を給餌し 10% ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン ( 以下,HP-β-CD) を投与した (F 群 ). 投薬群として, 標準飼料, 又は低カルシウム飼料を給餌しラットにカナグリフロジン水和物の 100 mg/kg/ 日を反復皮下投与した ( 標準飼料 :G 群, 低カルシウム飼料 :H 群 ). 反復皮下投与に関しては, 対照群を含むすべての群で投与部位の硬化及び腫大などの皮膚病変がみられ忍容性が悪かったことから,6 ヶ月解剖予定動物については投与後約 3 ヶ月で試験を終了した. 標準飼料条件下の経口投薬群に認められた所見は, 以前に実施した反復経口投与毒性試験時の所見に類似しており, 血清中カルシウム及びリンの高値, 尿中カルシウム排泄量の高値, 過骨症発現頻度の増加などのカルシウムインバランスが認められるとともに, 腎尿細管上皮細胞の脱落や免疫組織化学的検査における KIM-1 陽性像の増加などの腎傷害や副腎での BrdU 陽性細胞数の増加などの変化が認められた. 一方で, 低カルシウム飼料条件下では, これらの変化は部分的に抑制された. すなわち, 投与後 1 ヶ月においては投薬に起因した尿中カルシウム排泄の増加が抑制されたが, 投与後 3 及び 6 ヶ月においては抑制の程度は減弱した. また, 過骨症についてはいずれの時点においても標準飼料条件下 (D 群 ) と比較して, 低カルシウム飼料条件下 (E 群 ) では病変の発現頻度並びに程度が低かった. しかし, 低カ 46

47 2.6.6 毒性試験の概要文 ルシウム飼料条件下においても, 腎尿細管上皮細胞の脱落や KIM-1 陽性像の増加などの腎傷害には明らかな差はみられなかった. また,TK 測定の結果, 曝露量をカナグリフロジン水和物の 100 mg/kg/ 日の経口投与で比較した場合, 低カルシウム飼料条件下では標準飼料条件下よりもわずかに高い傾向を示した ラットを用いた消化管変化を評価する 2 週間反復経口投与試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX10089] [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX10231] ラットに lactitole や lactosucrose を投与すると腸内の ph が低下し, カルシウム塩の溶解性が上昇することでカルシウムの消化管吸収が増加することが知られている [36][37]. このことから, カナグリフロジンのラット毒性試験時に認められたカルシウムインバランスについても同様に, グルコースの吸収不全に基づき消化管内で異常発酵が生じ, 腸内 ph の低下に引き続きカルシウムの溶解性が増し, 消化管からのカルシウム吸収が亢進した可能性が考えられる. そこで, ラットにカナグリフロジン水和物を 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) の用量で 2 週間反復経口投与して, 腸管内のグルコース値, 消化管内 ph について評価するとともに, グルコースの吸収について 3-O-メチル-D-グルコース ( 以下,3-OMG) を用いて検討した [ C.8][ C.9]. その結果, 投薬群の盲腸において, 対照群と比較してグルコース量が高値であった (TOX10089). また, 投薬群の最終投与後 5 時間の空回腸の消化管内 ph は対照群と比較して統計学的に有意に低下していた (TOX10231). 一方で,3-OMG の血漿中濃度は低く, 消化管からのグルコース吸収は著しく抑制されると判断された (TOX10089 及び TOX10231). 以上の結果より, カナグリフロジンはラットの下部消化管のグルコース量を増大させること, 並びに消化管内の ph を低下させることが明らかとなった ホルモン評価のためのラットを用いた 7 ヶ月間反復経口投与試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX10108] ラットの精巣間細胞腫は, 視床下部 - 下垂体 - 精巣系にかかわるホルモンのインバランスが精巣間細胞の増殖刺激となり腫瘍発生の促進要因となることは良く知られている [9][10]. カナグリフロジン水和物のラットがん原性試験において血清中テストステロン及び LH を測定したところ, 投薬群でテストステロンが低値を示したが,LH は対照群を含めて検出限界以下であった [ ]. ラットがん原性試験では,LH を測定するための安定性を考慮した血清サンプルの採取をしていないこと, 長期間保管された血清サンプルを使用していることから, サンプル中の LH の安定性に問題があった可能性があると考えられた. そこで, カナグリフロジンのホルモンへの影響を検討する目的で以下の試験を実施した. SD ラットの雄各 30 例にカナグリフロジン水和物の 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) を 7 ヶ月 47

48 2.6.6 毒性試験の概要文 間反復経口投与し, 投与後 1,2,3,4,5 及び 7 ヶ月に血清中のテストステロン及び LH 値の測定を行った. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. そのほかの検査項目は, 一般状態, 体重, 摂餌量, 器官重量, 剖検及び病理組織学的検査とした. また,Day 182 及び Day 202 に TK 測定を実施した [ C.10]. その結果, 投薬に起因した死亡はなかった. 投与期間を通じて, 一般状態では床敷の湿潤が観察され, 体重及び体重増加量が低値, 並びに摂餌量が高値であった. 経時的なホルモン測定では, 対照群と比較して投薬群では投与後 1 から 5 ヶ月まで LH の高値がみられた [ 表 ]. また, テストステロンの明らかな変動はなかった. 表 ラット7 ヶ月間反復経口投与試験におけるテストステロン及び LH 濃度 用量 (mg/kg/ 日 ) テストステロン (ng/ml) 1 ヶ月 x 2 ヶ月 x 3 ヶ月 x 4 ヶ月 x 5 ヶ月 x 7 ヶ月 x LH(ng/mL) 1 ヶ月 x*** 2 ヶ月 x* 3 ヶ月 x** 4 ヶ月 x* 5 ヶ月 x*** 7 ヶ月 x x: 対照群は群平均, 対照群の数値に対する倍率 *: p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.001 器官重量では, 副腎及び腎臓重量が高値, 並びに副生殖腺重量が低値 [ 表 ] であった. 剖検では, 副腎の退色, 盲腸の拡張 / 内容物軟化, 並びに腎臓の退色及び腫大がみられた. 病理組織学的検査では, 副腎の球状帯の肥大 / 空胞化, 大腿骨及び胸骨の過骨症, 精巣の間細胞過形成, 腎臓の尿細管及び腎盂の拡張, 髄質外層外帯及び皮質内帯のわずかな腎尿細管上皮細胞の剥離を伴った腫大 / 空胞化, 腎盂の上皮過形成を伴った鉱質沈着, 皮質及び髄質の鉱質沈着がみられた. 48

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50

51 2.6.6 毒性試験の概要文 測定した. 媒体対照群に対する投薬群の放射活性比である刺激指数が 3 未満であったことか ら, カナグリフロジンは皮膚感作物質ではないと判断した 哺乳類培養細胞を用いた in vitro 光毒性試験 [ 資料番号 : ( 参考資料 ), 試験番号 :TOX7748] カナグリフロジン水和物の光安全性評価の一環として, 哺乳類培養細胞 (Balb/c 3T3 細胞 ) を用いた in vitro 光毒性試験を実施した [ G.3.1]. 細胞に光照射 [ 紫外線 ( 以下,UV)A 量として 5 J/cm 2 ] 又は非照射の条件下で, カナグリフロジン水和物の 1.71~96.80 μg/ml( 無水物として 1.68~94.9 μg/ml) を 50 分間曝露した後, 細胞へのニュートラルレッドの取り込み量を測定して 50% 阻害濃度 (IC 50 値 ) を算出した. 陰性対照には, 溶媒として用いた 1% ジメチルスルホキシドを, 陽性対照には,0.316 ~178 μg/ml のクロルプロマジンを用いた. 試験は 3 回実施した. その結果, 光照射時及び非照射時の IC 50 値 (3 試験の平均値 ) は, それぞれ μg/ml 及び μg/ml であった. カナグリフロジンの Photo irradiation factor( 以下,PIF) の平均値は 4.42,MPE の平均値は 0.28 であった. 後者が 0.15 を超えたことから, カナグリフロジンは光毒性のポテンシャルを有するものと結論した 有色ラットを用いた in vivo 光毒性試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX7981] カナグリフロジン水和物は in vitro 光毒性試験 [ ] において光毒性のポテンシャルを示したため,in vivo 光毒性試験を実施した.Long-Evans ラットの雌雄各 5 例に, カナグリフロジン水和物の 5,50 及び 500 mg/kg( 無水物換算 ) を単回経口投与した. 媒体対照群には 0.5% HPMC を投与した. 陽性対照として, 雌雄各 3 例に 8-メトキシソラレンの 50 mg/kg を投与した. 投与 4 時間後に約 30 分間光照射 ( 紅斑を惹起するのに必要な最少 UV 量の 1/2) を行い, 光毒性を評価した. 照射の光源には, 水冷式 6.5kW キセノンロングアークランプを用い, フィルターとして Schott WG 320 ガラスフィルター ( 厚さ 1 mm) を使用した. 検査項目は, 体重測定, 皮膚反応, 眼科的検査及び眼球の病理組織学的検査とした [ G.3.2]. その結果, いずれの投薬群においても死亡はなく, 眼球への影響は認められなかった.500 mg/kg 群では, 光照射の翌日から体重が低値であった. 皮膚反応として雄 5 例中 1 例 ( 白色皮膚 ) に軽度の紅斑 浮腫, 雌 5 例中 3 例 ( 白色及び有色皮膚 ) に軽度の紅斑及び軽度から中等度の浮腫がみられた.50 mg/kg 群では光照射の翌日から雌 5 例中 1 例 ( 白色皮膚 ) に軽度の紅斑が認められた.5 mg/kg 群では皮膚反応はみられなかった. 以上の結果より, カナグリフロジンは本試験条件下では 50 mg/kg 以上の投与量で光毒性を示し, 無毒性量は 5 mg/kg と結論した. 51

52 2.6.6 毒性試験の概要文 光遺伝毒性試験 ( 細菌を用いた光復帰突然変異試験 ) [ 資料番号 : , 試験番号 :TOX9032] カナグリフロジン水和物の光安全性評価の一環として, ネズミチフス菌 (TA98,TA100, TA1535,TA1537) 並びに大腸菌 (WP2uvrA, WP2) を用いて,UV 照射下で復帰突然変異試験を実施した. TA98,TA100,TA1535 では 2.8~25 μg/ml( 無水物換算 ),TA1537 では 2.8~25 μg/ml(1 回目 ) 及び 0.56~5 μg/ml(2 回目 ),WP2uvrA では 28~250 μg/ml(1 回目 ) 及び 11~100 μg/ml (2 回目 ),WP2 では 28~250 μg/ml の濃度範囲で評価した [ G.3.3]. その結果,UV 照射下において, いずれの菌株に対しても復帰変異コロニー数を増加させなかった. したがって, カナグリフロジンは本試験条件下において光遺伝毒性を示さないと結論した ラットを用いた単回経口投与 TK 試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :FK7261] ラット骨髄細胞を用いた in vivo 小核試験 [ ] 及びラット肝細胞を用いた in vivo コメットアッセイ [ ] で設定した用量域における血漿中曝露を評価する目的で,SD ラットの雌雄各 3 例に, カナグリフロジン水和物の 0,500,1000 及び 2000 mg/kg( 無水物換算 ) を単回経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 投与後 2 及び 6 時間におけるカナグリフロジンの血漿中濃度を測定した [ G.4]. カナグリフロジンの血漿中濃度は, 雌雄いずれの投薬群においても, 投与後 2 時間に比べて投与後 6 時間の方が高値であった. 雄では, 投与量に伴い血漿中濃度が増加したが, その増加の程度は用量比より小さかった. 雌では, 投与量に伴う血漿中濃度の増加はみられなかった イヌを用いた単回経口投与 TK 試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :FK7262] イヌテレメトリー試験 [ ] で設定した用量域における血漿中曝露を評価する目的で, ビーグル犬の雄 4 例に, カナグリフロジン水和物の 4,40, 及び 400 mg/kg( 無水物換算 ) を単回経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 投与前 (0 時間 ), 並びに投与後 1,3 及び 24 時間におけるカナグリフロジンの血漿中濃度を測定した [ G.5]. カナグリフロジンの血漿中濃度は,4 及び 40 mg/kg 投与では, 投与後 1 時間と 3 時間の血漿中濃度は同程度であったが,400 mg/kg 投与では投与後 1 時間よりも 3 時間でわずかに高値であった. カナグリフロジンの血漿中濃度は投与量の増加に伴い増加したが, その増加の程度は用量増加比よりも小さかった. 52

53 2.6.6 毒性試験の概要文 妊娠ラットを用いた反復経口投与 TK 試験 [ 資料番号 : , 試験番号 :FK7269] ラットを用いた胚 胎児発生への影響に関する試験 [ ] で設定した用量域における血漿中曝露を評価する目的で, 雌ラットの妊娠 6 日から 16 日にカナグリフロジン水和物を 0,10,30 及び 100 mg/kg/ 日 ( 無水物換算 ) で反復経口投与した. 対照群には 0.5% HPMC を投与した. 妊娠 6 日及び 16 日の投与後 1,2,4,7,24 時間 ( 媒体投与群は,1,7 及び 24 時間 ) の血漿中濃度を測定した [ G.6]. カナグリフロジンの血漿中濃度は,C max,auc ともにおおむね用量に応じた増加がみられた. 初回及び最終投与後の血漿中濃度に差はみられず, 反復投与による蓄積はみられなかった. 53

54 2.6.6 毒性試験の概要文 考察及び結論カナグリフロジン水和物の安全性評価として, 単回経口投与及び腹腔内投与毒性試験, 反復経口投与毒性試験, 遺伝毒性試験, がん原性試験, 生殖発生毒性試験及び光毒性試験を実施した. そのほか, 反復投与毒性試験及びがん原性試験で認められた所見の発現機序を検討することを目的として各種の機序検討試験を実施した. 日本人の 2 型糖尿病患者に対する 1 日投与量は 100 mg/ 日である.2 型糖尿病患者にカナグリフロジン 100 mg/ 日を 14 日間反復投与した際の C max は 1,136 ng/ml,auc 0-24 は 6,635 ng h/ml であった [ ]. 以下の考察において安全域を議論する場合には, この数値に基づいた [ 表 ]. 表 各種毒性試験の無毒性量における安全域 試験種 無毒性量 AUC 0-24 (ng h/ml) a) 安全域 (mg/kg/ 日 ) [ 雄 : 雌 ] マウス一般毒性,13 週間 100 mg/kg/ 日 235,000:354, :53.4 ラット一般毒性,6 ヶ月 4 mg/kg/ 日 14,100:21, :3.3 イヌ一般毒性,12 ヶ月 100 mg/kg/ 日 529,000:503, :75.8 マウスがん原性 100 mg/kg/ 日 194,000:353, :53.2 ラットがん原性, 精巣間細胞腫 10 mg/kg/ 日未満 38,348 未満 5.8 未満 副腎髄質腫瘍, 腎尿管腫瘍 30 mg/kg/ 日 117,724:188, :28.4 ラット受胎能 初期胚発生 100 mg/kg/ 日 307,000:441,000 b) 46.3:66.5 ラット胚 胎児発生 100 mg/kg/ 日 507,898 c) 76.5 ウサギ胚 胎児発生 160 mg/kg/ 日 486, ラット出生前後発生 母体機能 10 mg/kg/ 日 42,585 c) 6.4 幼若ラット毒性 4 mg/kg/ 日 11,900:16, :2.5 in vivo 光毒性 5 mg/kg/ 日 16,125:17,125 d) 2.4:2.6 a) 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン 100 mg/ 日を 14 日間反復投与した際の AUC 0-24 (6,635 ng h/ml) に対 する比率を示した. b) ラット 6 ヶ月試験の曝露量 (Day 90) を使用した. c) 妊娠ラットを用いた反復経口投与 TK 試験の曝露量 ( 妊娠 16 日 ) を使用した. d) ラット 6 ヶ月試験における 4 mg/kg/ 日群の曝露量 (Day 0) の AUC i0- の 5/4 倍を使用した. 単回投与毒性概略の致死量は, 単回経口投与がマウスでは 2000 mg/kg 超, ラットでは 2000 mg/kg, 単回腹腔内投与がマウスでは 500 mg/kg 超, ラットでは 250 mg/kg であった. 大動物については, イヌに 5 日間反復経口投与して評価した試験の初回投与の成績を基に単回投与における概略の致死量は 800 mg/kg 超と推定された. 反復投与毒性マウス, ラット及びイヌを用いて実施した.TK 測定の結果, 日本人の 1 日投与量 (100 mg) の血漿中薬物濃度を考慮すると, いずれの種においても十分な曝露条件下での評価が行われたと考えられた. マウスの無毒性量は,13 週間反復投与試験において 300 mg/kg/ 日で一般状態の悪化から瀕死期解剖された個体があったことから 100 mg/kg/ 日, ラットの無毒性量は,6 54

55 2.6.6 毒性試験の概要文 ヶ月間反復投与試験において 20 mg/kg/ 日以上の群で過骨症が認められたことから 4 mg/kg/ 日, イヌの無毒性量は,12 ヶ月間反復投与試験において各種パラメータに種々の変化がみられたものの, 得られた所見はいずれも薬理作用に関連した変化, 若しくは毒性学的意義の乏しい変化と判断し,100 mg/kg/ 日と結論した. 日本人の 1 日投与量 (100 mg) との安全域は, それぞれマウス 35.4 倍, ラット 2.1 倍, イヌ 75.8 倍であった. ラット及びイヌを用いた反復投与試験において, カナグリフロジン水和物の薬理作用に起因した尿中グルコース排泄量の高値とそれに伴う尿量の高値がみられた. これに加えて, 尿検査では尿中電解質, たん白,NAG 及び GGT 排泄量の高値が認められた. また, 病理組織学的には, ラットでは 13 週間反復投与試験において間質及び腎盂の鉱質沈着が,6 ヶ月間反復投与試験において尿細管の拡張及び移行上皮の過形成が認められた. 一方, イヌでは 13 週間反復投与試験において尿細管の変性 / 再生及び拡張がみられたが,12 ヶ月間反復投与試験では腎臓に組織学的所見は認められなかった. 尿中パラメータの変動については,GGT 及びカルシウムを除き, 尿中濃度は対照群と同等, 若しくは低濃度であったことから, 尿量の増加に伴う二次的変化と判断した. また病理組織学的変化についても, 尿量の増加, 若しくは尿中へのカルシウムを含む電解質排泄の増加に関連した変化であると判断した. 尿中の NAG 排泄量は, 一般的には腎尿細管の傷害時に変動がみられるパラメータであるが, エリスリトールの亜急性 [38] 及び慢性毒性試験 [39] では,NAG 排泄量の高値が認められた. 腎臓に組織学的所見は認められなかったこと, 経時的に増悪しなかったことから, NAG 排泄量の増加は近位尿細管の傷害によるものではなく, 尿量増加に伴う二次的な変化であると考察されている. また, 尿量の増加そのものが, 尿中への NAG の排出を増加させるという報告がある [40]. これらのことからも, 投薬後にみられた尿中 NAG 排泄量の高値は腎尿細管の傷害を反映したものではなく, 尿量の増加に伴う二次的な変化である可能性が高く毒性学的意義は低いと判断した. 一方, 尿中 GGT 排泄量は, ラット及びイヌを用いた 13 週間反復投与試験において投薬群で高値であったが, フルクトース含有飼料給餌ラットを用いた6ヶ月間反復投与試験及びイヌを用いた12 ヶ月間反復投与試験では顕著な変動は認められず, 必ずしも試験間で整合のとれた結果となっていない. 尿中 GGT 活性は凍結融解に対して不安定であるとの報告 [41] もあり, 尿中 GGT 活性の測定が適切に行われていない可能性が否定できず, 本変化の毒性学的意義の考察は困難である. ただし, 測定までに凍結融解の行われなかったフルクトース含有飼料給餌 6 ヶ月間反復投与試験では, 本薬による尿中 GGT 排泄の程度は対照群と比較して 倍 (1 ヶ月時 ) あるいは 倍 (3 ヶ月時 ) であり, エリスリトール投与による浸透圧利尿時の尿中 GGT 排泄の増加 ( 対照群の 1.38~2.71 倍 )[38][39] と同程度であった. イヌでは 12 ヶ月間反復投与試験のデータを解析すると, 投薬群において投与前値に対する明確な増加は確認されなかった. 以上の結果を総合的に考えると, ラットにおける尿中 GGT 排泄量の増加は, 尿量の増加に伴って認められた毒性学的意義の低い変化であり, イヌにおいては尿中 GGT 排泄量に投薬による明確な影響は認められなかったと考えられる. 55

56 2.6.6 毒性試験の概要文 なお, イヌでは,13 週間反復投与毒性試験の 200/100 mg/kg/ 日群の雌においてのみ腎臓の組織学的所見がみられ, 血中尿素窒素及び尿中たん白排泄量の高値を伴っていたことから, 軽度ながら腎傷害が発現していた可能性が考えられる. 同群では 200 mg/kg/ 日投与期間中に一般状態の悪化が著しく, 雌では Day 8, 雄では Day 9 に投薬量を 100 mg/kg/ 日に減じていること, また,12 ヶ月間反復投与試験では 100 mg/kg/ 日群において腎臓に所見は認められなかったことから, イヌでは最大耐量又はそれに近い用量で本薬が軽度な腎障害を惹起した可能性が考えられる. 尿パラメータや腎における組織学的所見の他に, カナグリフロジン水和物の薬理作用に起因すると考えられる変化として, ラット及びイヌでは血中グルコースの低値が認められた. 更に, ラットでは尿中にケトン体が認められ ph も低かったが, 尿中グルコース排泄が過多な状況での絶食により, 体脂肪の異化が生じた結果であると推察される. また, ラットを用いた反復経口投与試験の剖検及び病理組織学的検査において胃のびらんがみられた. この所見は 2 週間以上の投薬で認められ, 投薬期間が延長しても, 腺胃粘膜の線維化やヘモジデリン貪食マクロファージの集積などの所見を伴わない急性の変化であり, 同様の所見はマウス及びイヌでは認められなかった. ラットを用いた胃のびらんの機序検討試験 [ ] では, カナグリフロジン水和物を投与しても剖検前の絶食をしない場合は剖検時の血清中グルコースに変動はなく, 胃のびらんも認められなかった. 以上のことから, カナグリフロジン水和物をラットに投与することによって誘発される胃のびらんは, 投薬による血糖値の低下と剖検前の絶食が組み合わさることによって誘発されたもので, 本薬の胃への直接作用に起因するものでないと判断した. 消化器症状として, 主にラットにおいて, 軟便及び水様便が認められた.SGLT1 欠損者では, 下痢, 脱水を伴う重篤な腸管からの糖吸収障害 ( グルコース ガラクトース吸収不全症 ) が生じることが知られている [11]. カナグリフロジンは, SGLT2 に対する選択的阻害作用を示す薬剤であるが, 毒性試験で用いる用量域では消化管局所で高濃度となり,SGLT1 に対して阻害作用を示した可能性が考えられる. 投薬に起因したラットに特徴的な変化として, 膝関節及び胸骨の過骨症が挙げられる. これは 2 週間以上の投薬で認められ, 投薬期間が延長しても顕著に増悪する傾向はなく,13 週間反復経口投与後に 8 週間休薬すると回復した. ラットを用いた過骨症の機序検討試験 [ ] の結果から, 投薬初期から骨形成及び骨吸収マーカーのいずれも低値を示したこと, 病理組織学的に骨芽細胞には変化がなく, 破骨細胞のサイズの減少がみられたことから, 過骨症は骨代謝が低下した中で骨吸収が骨形成よりも相対的に低下したために発現したものと考えられる. また, 血清中の活性型ビタミン D[1,25(OH)2D 及び 25(OH)D] が低値であったが, 尿中カルシウム排泄は顕著に高値であり, 血清中カルシウムの変動は軽度であったことから消化管からのカルシウム吸収の増加が示唆された. ラットの体内カルシウム動態に関する機序検討試験 [ ] を実施したところ, 消化管からのカルシウム吸収量が増大していることが明らかとなった. 以上のことから, ラットの生体内ではカルシウムイ 56

57 2.6.6 毒性試験の概要文 ンバランスが生じ, 骨においてもカルシウムの恒常性を維持すべく代謝回転の低下を引き起こしていることが示唆された. 更に, 破骨細胞は, 正常な機能を維持するためにグルコースを必要とするため [12], 薬理作用による血糖値の低下も骨代謝を低下させる一因であると推察される. また,DXA スキャンでの骨密度には影響がないことなどから, カナグリフロジン水和物の薬理作用に起因する尿中へのグルコース排泄増加によって生じた体重減少に伴う骨の成長抑制も生じていることが推察される. 骨の成長がほぼ終わった 6 ヶ月齢のラットを用いた試験 [ ] で過骨症が認められなかったことから, 投薬による過骨症はラットの骨の成長が活発な時期に投薬された場合にのみ惹起されることが示唆された. 一方, マウス 13 週間反復投与毒性試験ではいずれの投薬群においても過骨症は認められず,300 mg/kg/ 日投与時の AUC 0-24 はラット 6 ヶ月間反復投与毒性試験時に過骨症が認められた 20 mg/kg/ 日群の AUC 0-24 と比較して約 8~9 倍の曝露であった. イヌ 12 ヶ月間反復投与毒性試験でも同様に 100 mg/kg/ 日群まで骨代謝関連マーカー, 骨密度, 骨形態計測及び病理組織学的検査において, 毒性学的に意義のある変化はみられなかった. また, ヒトにおいてはラットで認められた過骨症や骨折発現のリスクは低いと考えられた [ ]. ラットの反復投与試験及びがん原性試験では AST 及び ALT が軽度に高値であったが, 本変化は投薬量及び投薬期間にかかわらず一定の変動 ( おおむね対照群の 2 倍以内 ) であり, いずれの試験においても肝傷害を示す組織学的所見は認められなかった.ALT 及び AST はアラニン, 若しくはアスパラギン酸をそれぞれピルビン酸及びオキサロ酢酸に変換する酵素であり, この反応により生じたピルビン酸及びオキサロ酢酸は糖新生に利用されている. 投薬により尿中へのグルコース排泄が亢進した結果, 正常動物の体内ではエネルギー源としての糖が低下し, 生体内では代替のエネルギー産生経路として脂質の利用とケトン体産生及び糖新生が亢進した可能性が示唆される. 実験的には制限給餌や糖質コルチコイドを投与した際に糖新生が亢進し, それに伴い肝臓における ALT 及び AST の産生が高まった結果, 血中の ALT 及び AST が高値を示すことが報告されている [42][43]. このことから,ALT 及び AST の上昇については肝傷害に基づくものではなく, 毒性用量域における尿中へのグルコース排泄及び血糖値の低下による二次的変化であり毒性学的意義は低いと判断している. なお, 回復期間後にはこれらの肝機能に関連するパラメータに変動はなかった. そのほか, マウス及びラットでは肝重量の増加が認められたが, ラットでは肝の組織学的所見はみられず, マウスを用いた 13 週間反復投与試験で肝細胞のグリコーゲン増加のみ観察された. イヌでは 13 週間反復投与試験の 200/100 mg/kg/ 日群において 200 mg/kg/ 日の最終投与日に実施した血液生化学的検査では ALT,ALP 及びビリルビンが高値であったが,12 ヶ月間反復投与試験では 100 mg/kg/ 日群の雌で ALP のみ高値であり, いずれの試験においても肝傷害を示す組織学的所見はみられず, 毒性学的意義の低い変化であると判断した. 更に, マウス, ラット, イヌのいずれの種においても赤血球系パラメータ ( 赤血球数, ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値 ) が軽度に低値であった. 赤血球系パラメータの変動の原因は不明であるものの, 変動の程度が軽微であること, 反復投与の比較的初期から低用 57

58 2.6.6 毒性試験の概要文 量より認められるにもかかわらず長期間の反復投与によっても関連する組織学的所見がみられないこと, 回復期間後には変動が認められないことを考慮すると毒性学的意義は低いと判断した. 遺伝毒性遺伝毒性について,in vitro では細菌を用いた復帰突然変異試験及びマウスリンフォーマアッセイで評価した. 復帰突然変異試験の結果は陰性であった. マウスリンフォーマアッセイの代謝活性化法において突然変異頻度の増加が認められたが, 被験物質の析出がみられる濃度のみでの変化であったことから, 本結果の毒性学的意義は低いと判断した.In vivo ではラット骨髄を用いた小核試験及びラット肝細胞を用いたコメットアッセイで評価した. 両試験ともに ICH S2 ガイドラインで規定された最高用量である 2000 mg/kg まで評価したが, 陰性であった. 以上の結果からカナグリフロジン水和物は遺伝毒性を有しないと結論した. がん原性マウス 2 年間反復経口投与がん原性試験では, 投薬に起因した腫瘍所見は認められなかった. 非腫瘍性病変としては, 雄において腎臓の水腎症, 尿管の拡張及び膀胱の拡張を含む閉塞性の尿路拡張が対照群と比較して多く認められた. 本変化はマウス特有の自然発生性疾患として知られているマウス泌尿器症候群に相当する変化であると考えられた. マウス泌尿器症候群は, 様々な系統において雄マウスの遺伝的尿路疾患であることが知られており, 長期の毒性試験における雄マウスの死因となることが報告されている [2]. この疾患の病理発生は多岐にわたることが明らかとなっており, カナグリフロジン水和物は本疾患を増悪させる可能性が考えられるものの, マウス特有の疾患であることが文献的に知られていること, 実際にラットやイヌの毒性試験においては同様の作用は認められていないことからヒトへの外挿性はないと判断した. ラット 2 年間反復投与がん原性試験では, カナグリフロジン水和物の投与に起因して, 副腎褐色細胞腫, 腎尿細管腫瘍及び精巣間細胞腫の発現頻度増加が認められた. 副腎褐色細胞腫 : 副腎では,30 mg/kg/ 日群の雄及び 100 mg/kg/ 日群で副腎髄質過形成が,100 mg/kg/ 日群で褐色細胞腫の発現頻度が増加した. 副腎の褐色細胞腫は,SD ラットでは 0.5~ 20% の発現頻度の一般的な腫瘍であるのに対し, ヒトでは約 10 万人に 1 人に生じる稀な腫瘍であり [13], 様々な医薬品がラットに副腎褐色細胞腫を発生させることが知られている. 例えば, ラットでは, カルシウム代謝の変動 ( 高カルシウム血症 ) に伴って副腎髄質の過形成及び褐色細胞腫の発現頻度が増加することが知られており [14], 活性型ビタミン D3 製剤 ( ファレカルシトリオール, マキサカルシトール, エルデカルシトール ) のがん原性試験において副腎褐色細胞腫の発生が報告されている [15][16][17]. また, ソルビトール, マンニトール, キシリトール, 及びラクチトールなどのポリオールやラクトースなどの難消化性糖質 58

59 2.6.6 毒性試験の概要文 の大量投与がラットに副腎褐色細胞腫を惹起することも知られており, 消化管からのカルシウム吸収増大との関連性が示されているが, ヒトでは同様の現象は生じないとされている [18] [19][20]. カナグリフロジン水和物のラットを用いた反復投与試験では, 消化管からのカルシウム吸収の増大や尿中へのカルシウム排泄量の高値が認められるとともに, 血清中のカルシウム代謝を調節するホルモンの変動, 更には過骨症や鉱質沈着等が認められており, 生体のカルシウムインバランスが生じていると判断される. 一方, 機序検討試験 [ ] において, カナグリフロジン水和物の 100 mg/kg/ 日を投与したラットで, 副腎髄質の細胞増殖活性の亢進が観察された. 更に, 飼料をグルコース / ガラクトースからフルクトースに替え, 糖質吸収不全及びそれに起因するカルシウムインバランスを是正することにより, 投薬起因の副腎髄質の細胞増殖活性の亢進が抑制された. カルシウムインバランスの発生メカニズムを検証するために実施した機序検討試験で, カナグリフロジン投与によってラットの下部消化管のグルコース量を増大させること, 並びに消化管内の ph の低下 [ ], また消化管からのカルシウム吸収が増大すること [ ] が示された. これらのことから, ラットがん原性試験では, 投薬によるカルシウムインバランスが副腎髄質細胞の細胞増殖活性の亢進を招き, この状況が長期間継続したことによって副腎髄質腫瘍の発現に至ったものと考えられる. 一方, マウスのがん原性試験では, 軟組織への鉱質沈着や過骨症等のカルシウムインバランスの徴候はみられず, 投薬に起因する副腎髄質腫瘍の発生もみられなかった. また, 臨床試験では, 消化管におけるグルコース吸収不良は生じず, カルシウムの吸収増加や尿中排泄増加等のカルシウムインバランスを示すパラメータの変動は認められていない [ ]. 以上のことから, ヒトではラットで推察されるメカニズムによる副腎褐色細胞腫が生じる可能性は低いと考える. 腎尿細管腫瘍 : 腎臓では,30 mg/kg/ 日群の雄及び 100 mg/kg/ 日群において腎尿細管腫瘍が認められた. これらのうち,100 mg/kg/ 日群の雄のがん 1 例及び 30 mg/kg/ 日群の雄の腺腫 1 例とがん 1 例は自然発生性の腫瘍に特徴的な組織像 (Amphophilic-vacuolar タイプ ) であったことから自然発生性の腫瘍と判断され,100 mg/kg/ 日群の雌雄で認められたこれら以外の腫瘍は投薬と関連する変化と結論された [ ][ ]. なお, 試験実施施設の腎尿細管腫瘍の背景データを考慮すると,30 mg/kg/ 日群の雄における 2 例の腎尿細管腫瘍は背景データと同等の発現頻度と判断している. 一般的に, ラットの腎尿細管腫瘍の発現メカニズムとして,1DNA への直接傷害作用 ( 例, ニトロソ化合物 ),2 酸化的ストレスを介した間接的な DNA 傷害作用 ( 例, 臭化カリウム ), 3 非 DNA 傷害性メカニズムで細胞傷害作用と代償性の組織修復の持続 ( 例, クロロホルム ), 4α2μ-グロブリン腎症に伴う間接的な細胞傷害作用と代償性の組織修復の持続 ( 例,d-リモネイン ),5 自然発生性の CPN の増悪に伴うもの ( 例, ハイドロキノン ) に分類されている [21][22]. しかし, カナグリフロジンに遺伝子傷害作用はなく, ラットを用いた反復投与 59

60 2.6.6 毒性試験の概要文 毒性試験及びがん原性試験の腎臓の病理組織学的検査において, 本薬による強い細胞傷害, CPN の増悪及び増殖性変化はみられていない. すなわち, ラットがん原性試験にみられた腎尿細管腫瘍の発生は, 既知の発生メカニズムとは別の特異的な条件が重なって生じたものと考えられる. 機序検討試験 [ ] において, カナグリフロジン水和物 100 mg/kg/ 日を投与したラットでは, 腎尿細管上皮細胞の空胞化及び管腔内への脱落や腎傷害マーカーである KIM-1 の発現増加に示される腎尿細管の傷害が観察された. また, 腎尿細管における細胞増殖活性の亢進も認められ, 増殖活性と腎傷害が同じ局在を示していたことから両者の関連が示された. 更に, 副腎の項で述べたように, カナグリフロジン水和物のラットを用いた反復投与試験では, 生体のカルシウムインバランスが生じていることが示唆されており, 飼料をグルコース / ガラクトースからフルクトースに替え, 糖質吸収不全に続発するカルシウムインバランスを是正することにより, 投薬起因の腎尿細管の傷害及び細胞増殖が抑制された. また, 活性型ビタミン D 3 製剤エルデカルシトールのがん原性試験において腎尿細管腫瘍の発生が報告されており, 高カルシウム血症状態が持続したことが誘発の原因と考察されている [17]. また, 病理組織学的に鉱質沈着が腎尿細管に加え, 軟組織 ( 動脈壁, 角膜, 心筋, 気管軟骨, 胃粘膜 ) にみられている. 本薬のラットを用いたがん原性試験を含む反復投与試験において, 最終投与後 24 時間の検査ではカルシウムの高値はみられないものの, ラット反復毒性試験では腎臓に鉱質沈着がみられ, がん原性試験では動脈, 胃, 心臓, 肺, 神経, リンパ節及び舌などの臓器において, 鉱質沈着が認められた. これらのことから, ラットがん原性試験では, 投薬によるカルシウムインバランスが腎尿細管の傷害と再生を惹起し, この状況が長期間継続したことが発がんに至る機序の一つと考えられた [ 図 ]. 上述した既知のメカニズム以外に腎尿細管腫瘍の報告されている例として, 長期間の持続的な尿量増加によって腎尿細管腫瘍が発現したと考察されたループ利尿薬の一つであるトラセミドのがん原性試験 [25] が挙げられ, 同じくループ利尿薬のフロセミドやチアジド系利尿薬のヒドロクロロチアジドでも腎尿細管腫瘍の発現が報告されている [26][27][28]. 多尿は, カナグリフロジン水和物のがん原性試験において,10 及び 30 mg/kg/ 日群で認められているが, その程度は 100 mg/kg/ 日群に比べると軽度であり, その差が腎尿細管腫瘍の発生の有無に関係している可能性が考えられる. また,α グルコシダーゼ阻害薬であるアカルボースでは低栄養が腎尿細管腫瘍の発生要因となったと考察され [23],SD 系ラットを用いた 24~30 ヶ月間混餌投与によるがん原性試験で 1,500 ppm 以上の投与群に腎腫瘍の増加が認められた. 当該試験では, 対照群に比べ 500 ppm 群で約 10~20%,1,500 ppm 群で約 20%,4,500 ppm 群で約 20~30% の体重増加抑制がみられ, アカルボースの薬理作用による食餌効率の低下及び摂取カロリーの低下が認められた. そこで栄養条件を改善する等の工夫を加えた追加がん原性試験を実施した結果, 腎腫瘍の増加は認められなかったと報告されている [24]. これらのことから, ラットでは投薬によるカルシウムインバランスに加え, 長期間の持続的な尿量増加や体重増加抑制など多様な要因が複合して腎尿細管上皮細胞で細胞増殖活性が亢進し, 腎尿細管腫瘍の発生に至ったものと考えられる. 60

61 2.6.6 毒性試験の概要文 既述のように, マウスのがん原性試験では, 軟組織への鉱質沈着や過骨症等の徴候はみられず明らかなカルシウムインバランスは生じていないものと判断され, 投薬に起因する腎尿細管腫瘍の発生もみられなかった. また, 臨床試験では, 消化管におけるグルコース吸収不良は生じず, カルシウムの吸収増加や尿中排泄増加等のカルシウムインバランスを示すパラメータの変動は認められていない [ ]. ラットがん原性試験において腎尿細管腫瘍がみられた 100 mg/kg/ 日群の曝露量 (AUC) は日本人の 1 日投与時 (100 mg) における曝露の 48~84 倍, 同腫瘍がみられなかった 30 mg/kg/day 群の曝露比は 18~28 倍であったことから, 本薬の臨床使用において腎尿細管腫瘍の発生するリスクは低いと考えられる. 精巣間細胞腫 : 精巣ではすべての投薬群の雄に精巣間細胞腫が認められた. 精巣間細胞腫は, SD ラットでは比較的高い頻度 ( 約 5%) で自然発生する腫瘍であるが, ヒトでは有病率が百万人あたり 0.4 人の非常に稀な腫瘍である. また, 多くの医薬品及び化学物質がラットに対して精巣間細胞腫を惹起することが知られているが, ラット特異的であることが多く, 間細胞腫はヒトへの外挿性が乏しいとされている [9][29][30]. ラットで非遺伝毒性メカニズムにより精巣間細胞腫を惹起する医薬品や化合物は数多く知られており, ラメルテオン, デュタステリド等は視床下部 - 下垂体 - 精巣系を介して LH 濃度の上昇に伴ってラットに間細胞腫を惹起するとされている. また,α グルコシダーゼ阻害剤や難消化性糖質などでは, カルシウム恒常性の変動により間細胞腫が生じるとされている [31][32]. これらの背景には, ラットでは間細胞表面に存在する LH レセプターの量がヒトと比較して 14 倍以上であること, 分裂促進刺激に対する間細胞の感受性がラットで高いことなどから視床下部 - 下垂体 - 精巣系を介するラットの間細胞腫はヒトへの外挿性が低いことが示唆されている [9][29]. カナグリフロジンのラットを用いたがん原性試験では, 投薬群で副生殖腺の萎縮が高頻度に認められており, 間細胞の増殖に際してカナグリフロジンが間細胞の機能にかかわる LH やテストステロンに影響を及ぼした可能性が考えられる. ラットがん原性試験の残余血清サンプルを用いてテストステロン及び LH を測定したところ,30 及び 100 mg/kg/ 日群におけるテストステロン濃度は対照群に比べ低値であった. また, 機序検討試験 [ ] として, ラットにカナグリフロジンの 100 mg/kg/ 日を 7 ヶ月間投与し, 経時的にテストステロン及び LH を測定した [ ] ところ, 投薬群では投与後 1 ヶ月から 5 ヶ月まで LH 濃度が統計学的に有意に高値であった. これらのことから, カナグリフロジンはラットの精巣間細胞に直接作用するものではなく,LH 濃度の上昇を介した二次的影響 ( ホルモンインバランス ) によることが示唆された. 一方, アカルボースなどの α グルコシダーゼ阻害薬や難消化性糖質 ( ラクトースなど ) 又は糖アルコール ( ラクチトールなど ) では, ラットにカルシウムインバランスを惹起するが, このような生理的条件自体が精巣間細胞腫の要因になると考えられている [32]. しかし, これら薬剤でも同様の現象はマウスでは生じず, ヒトにおいて難消化糖質等は長年摂取されているが, 精巣間細胞腫との関連を示唆する報告はない [32]. カナグリフロジンでもマウスのがん原性試験ではカルシウムインバランスが生じていないと考えられ, 投薬に起因する精巣間細胞種の発生もみられなかった. 61

62 2.6.6 毒性試験の概要文 カナグリフロジンの臨床試験では, 血中及び尿中カルシウムの上昇は認められず, カルシウムの恒常性に大きく影響を与えていないこと [ ], また, 男性被験者のベースライン及び投与後 12 週の両方が測定可能な血漿サンプルを用いてテストステロン及び LH を測定したところ, カナグリフロジンの 100 mg 及び 300 mg の 12 週間投与によって, プラセボと比較して臨床的に意義のある変化はみられなかったことから [ ], 本薬のラットがん原性試験でみられた精巣間細胞腫のヒトへの外挿性は, 上述の他剤と同様に低いと考えられる. カナグリフロジン水和物は選択的な SGLT2 阻害薬であるが, 弱いながら SGLT1 阻害作用も有する [ ].SGLT2 は腎臓の近位尿細管上皮に発現しており, 腎以外の組織ではほとんど発現していない. 一方,SGLT1 は消化管上皮に主に発現しており, 消化管におけるグルコースの吸収に関与していることから [33][34], カナグリフロジンをラットに毒性用量投与した際にはカナグリフロジンが長時間消化管内に存在し, 消化管上皮の SGLT1 を阻害していると想定される.SGLT1 阻害によるグルコースの吸収不良のため下部消化管に到達した未吸収のグルコースが異常発酵して消化管内 ph が低下し, 消化管内でのカルシウム溶解性の増加, 更にはカルシウム吸収亢進が生じることで副腎髄質や腎臓の細胞増殖活性が亢進し, これらがラットの腫瘍発現につながったと推察している [ 図 ]. マウスを用いたがん原性試験では, ラットで見られた腫瘍は発生しなかった. カナグリフロジン水和物によるがん原性の種差については, 以下のように考察している. カナグリフロジン水和物は, マウスではラットとほぼ同等の SGLT1 阻害作用を有しているが [ ], ラットと比較してマウスでは t max が早いことから [ ][ ], 経口投与されたカナグリフロジン水和物が消化管から速やかに吸収されるものと考えられる. したがって, 消化管上皮の SGLT1 が一時的に阻害されるものの, その阻害時間はラットより短いと推測される. マウスを用いた反復経口投与試験でも, 軟便や盲腸の拡張などの消化器症状が認められているが, ラットと比較して軽度であったことからもこのことが推察される. 更に, マウスを用いたがん原性試験を含む反復投与試験では, 過骨症や諸臓器への鉱質沈着がみられなかったことから, マウスではラットでみられたグルコース吸収不良及びそれによるカルシウムインバランスが生じなかったか, ラットでのそれと比較して著しく軽度であったものと判断される. これらのことが, マウスを用いたがん原性試験においてラットにみられたいずれの腫瘍の発現頻度の増加も認められなかった原因であると考えられる [ ]. なお, 精巣間細胞腫は, カルシウムインバランスが生じていないことに加え, マウスがん原性試験で副生殖腺の萎縮はみられず, ホルモンインバランスも生じていないと推察されること, また, 元々マウスでは自然発生腫瘍として稀であることなどがマウスで投薬に起因する精巣間細胞腫の発生がみられなかった要因として考えられる. 62

63 2.6.6 毒性試験の概要文 図 カナグリフロジン水和物を投与したラットの腫瘍発生メカニズム SGLT2 阻害薬の高用量の経口投与 SGLT1 阻害を介した消化管でのグルコース吸収阻害 グルコース吸収 (3-OMG) 消化管内のグルコース移動遅滞 腸内細菌の異常発酵 揮発性ガス 消化管管腔内 ph 短鎖有機酸 副腎髄質の持続的刺激 副腎髄質の細胞増殖活性 [BrdU 陽性細胞率 ] カルシウム溶解性, カルシウム吸収 尿中カルシウム排泄 腎傷害 [KIM-1 陽性細胞 ] 過骨症 ビタミンD PTH 副腎褐色細胞腫 過形成 腎尿細管上皮細胞の脱落 腎尿細管の細胞増殖活性 [BrdU 陽性細胞率 ] 過形成 腎尿細管腫瘍 63

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