食品添加物一日摂取量調査 - トコフェロール, ニコチン酸及びニコチン酸アミドについて - 山嶋裕季子 , 田口信夫 , 前潔 , 中島和雄 , 小林千種 *, 伊藤弘一 ** *, 中里光男 Studies of Daily Intake of Food Additives -Tocoph

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ちえこしんまつ
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1 食品添加物一日摂取量調査 - トコフェロール, ニコチン酸及びニコチン酸アミドについて - 山嶋裕季子, 田口信夫, 前潔, 中島和雄, 小林千種, 伊藤弘一, 中里光男 Studies of Daily Intake of Food Additives -Tocopherols, Nicotinic Acid and Nicotinamide- Yukiko YAMAJIMA,Nobuo TAGUCHI,Kiyoshi MAE,Kazuo KAJIMA, Chigusa KOBAYASHI, Koichi ITO and Mitsuo KAZATO 東京都健康安全研究センター研究年報第 58 号別刷 2007

2 食品添加物一日摂取量調査 - トコフェロール, ニコチン酸及びニコチン酸アミドについて - 山嶋裕季子 *, 田口信夫 *, 前潔 *, 中島和雄 *, 小林千種 *, 伊藤弘一 ** *, 中里光男 Studies of Daily Intake of Food Additives -Tocopherols, Nicotinic Acid and Nicotinamide- Yukiko YAMAJIMA *,Nobuo TAGUCHI *,Kiyoshi MAE *,Kazuo KAJIMA * Chigusa KOBAYASHI *, Koichi ITO ** and Mitsuo KAZATO * Keywords: 食品添加物 food additives, 一日摂取量 daily intake, マーケットバスケット方式 market basket method, トコフェロール tocopherols, ニコチン酸 nicotinic acid, ニコチン酸アミド nicotinamide はじめに近年, 日本人の食生活は大きく様変わりし, 加工食品への依存度が増加している. 一方, 加工食品には種々の食品添加物が使用され, これにより衛生学的, 栄養学的な品質を保持し安定した食糧供給が実現されている. さらに食味食感の向上, 低カロリー化の実現など食品添加物に求められるニーズも絶えず変化している. しかし必要以上の使用をとどめるために, 食品添加物には用途と使用基準が設けられている. 使用基準は安全性担保のために ADI を超えないように設定されている. これらのことより, 食品添加物の使用実態を明らかにすることは, 食の安全性を確保する上で重要であり, また消費者が常に高い関心を示す事柄でもある. 食品添加物の使用の有無は食品の表示により判別可能だが, 一日にどれくらいの量を摂取しているかについて知ることは容易ではない. 厚生労働省では, 日本人の食品添加物の一日摂取量を調べるために, 昭和 57 年以来, 一時中断したものの, マーケットバスケット方式による摂取量調査を複数の機関の参加を募り大規模に実施している. 当センターはこの調査の開始以来研究班に加わり, 現在に至るまでこの調査に携わってきた. 当センターでは平成 16 年度は酸化防止剤のトコフェロール ( 以下 Toc と略す ) の 4 種の異性体である α-toc,β-toc, γ-toc 及び δ-toc を, 平成 17 年度は強化剤のニコチン酸 ( 以下と略す ) 及びニコチン酸アミド ( 以下 A と略す ) の分析を担当した. それらの結果について報告する. 調査方法 1. 試料の作製 1) 食品群別食品名, 喫食量及び採取量平成 14 年に改訂された内容 2) に従った. 購入した食品は 7 つの食品群に分別した. 群別の品目は前報 2) の通りである. 食品群別喫食量と採取量を表 1 に示した. 群番号表 1. 食品群別喫食量と採取量食品群製品数喫食量 (g/ 日 ) 採取量 (g) 1 群調味料嗜好飲料 , 日分 2 群穀類 , 日分 3 群いも類豆類種実類 ,34 15 日分 4 群魚介類肉類 , 日分 5 群油脂類乳類 , 日分 6 群砂糖類菓子類 , 日分 7 群果実類野菜類海草類 , 日分合計 , ) 試料調製加工食品 343 種を都内スーパー, コンビニエンスストア, 小売店等で平成 16 年度は 11 月上旬, 平成 2) 17 年度は 10 月下旬に購入し, 前報に従って調製した. 調製した試料は冷凍状態で保存し, 用時解凍して使用した. 3) 送付試料他機関 ( 札幌市衛生研究所, 仙台市衛生研究所, 香川県環境保健研究センター, 北九州市環境科学研究所及び沖縄県衛生環境研究所 ) において同様に調製され, 冷凍状態で送付された試料についても冷凍保存し, 用時解凍して使用した. 4) 個別試料平成 16 年度の Toc について, 各地で試料の作製用に購入した食品のうち原材料表示に Toc またはビタミン E と記載されていた食品について未開封の食品を別途分析した. 平成 17 年度については個別試料の調査は行われなかった. 2.Toc の分析方法食品衛生検査指針 3) ( 以下指針と略す ) に準じた. 試験 * 東京都健康安全研究センター食品化学部食品添加物研究科東京都新宿区百人町 * Tokyo Metropolitan Institute of Public Health , Hyakunin-cho, Shinjuku-ku, Tokyo Japan ** 東京都健康安全研究センター食品化学部食品成分研究科

3 ) 溶液の調製法を図 1 に,HPLC 条件を表 2 に, 標準溶液と試験溶液のクロマトグラムを図 2 に示した. 3. 及び A の分析方法大石らの方法 4) に準じた. 図 3 に示した方法に従って調製した HPLC 試験溶液を, 角田ら 5) の報告した HPLC 条件 ( 表 3) で測定した. 標準溶液の保持時間付近にピークが認められた場合は表 4 に示す HPLC 条件 2 で測定して確認と定量を行った. 標準溶液と試験溶液のクロマトグラムを図 4 に示した. 試料 0.5 g 塩化ナトリウム溶液 (1 100)1 ml ピロガロールエタノール溶液 ( )1 ml 水酸化カリウム溶液 (6 100)1 ml 加温 (70 振とう恒温水槽中,30 分間 ) 冷却 ( 氷水中 ) 塩化ナトリウム溶液 (1 100)15 ml 酢酸エチル n-ヘキサン混液 (1:9) 15 ml 3 回抽出 (5 分間 ) 冷却後, 遠心分離 (3,000 rpm 10 分間 ) 有機層溶媒留去 ( 減圧 40 ) n-ヘキサンで5 mlに定容フィルターろ過 HPLC 用試験溶液水層図 1. トコフェロール分析法表 2. トコフェロール分析の HPLC 条件カラム : Inertsil NH 2 (5μm,2.1 mm i.d. 250 mm) カラム温度 : 40 移動相 : n-ヘキサン 2-プロパノール (99:1) 流速 : 0.3 ml/min ; 注入量 : 10μL 検出 : 蛍光励起波長 298 nm 蛍光波長 325 nm PDA 検出波長 200~650 nm 標準溶液 α:α-toc β:β-toc γ:γ-toc δ:δ-toc ( 各 2 μg/ml) 試料 5 g メタノール 30 ml リン酸 2 滴超音波洗浄器で 10 分間抽出遠心分離 (3,000 rpm 10 分間 ) 上澄上澄残渣ろ紙ろ過 50 mlに定容 10 ml 分取メタノール 15 ml 2 回超音波抽出, 遠心分離 Sep-Pac Vac Almina-N (2 g ) に負荷メタノール 20 ml 0.1 mol/l 炭酸水素溶出液ナトリウム溶液溶出液初めの1 mlを捨て次の 10 mlを分取フィルターろ過残渣減圧乾固水 5 ml に定容フィルターろ過ニコチン酸用ニコチン酸アミド用 HPLC 試験溶液 HPLC 試験溶液図 3. ニコチン酸及びニコチン酸アミド分析法表 3. ニコチン酸及びニコチン酸アミドの HPLC 条件 1 カラム :Inertsil ODS-2(5μm,6.0 mm i.d. 150 mm) 移動相 :1 mol/l ドデシル硫酸ナトリウム 20 mmol/l リン酸溶液 -メタノール(75:25) 流速 :1.0 ml/min; カラム温度 :40 ; 注入量 :10μL 検出 : UV 検出波長 261 nm 表 4. ニコチン酸及びニコチン酸アミドの HPLC 条件 2 カラム :Inertsil ODS-2(5μm,6.0 mm i.d. 250 mm) 移動相 :0.01 mol/l テトラブチルアンモニウム 0.1 mol/l 酢酸ナトリウム溶液 (ph5.0, 酢酸 )- メタノール (10:2) 流速 :0.6 ml/min; カラム温度 :30 ; 注入量 :10μL 検出 : UV 検出波長 261 nm 4. 分析法の検出下限値及び定量下限値の求め方試料の検出下限定量下限は,JIS の HPLC 通則法 6) に従って得られた分析機器の検出下限を基に算出した. 試験溶液 (5 群 ) 5. 添加回収実験平成 16 年度に当センターで調製した各群の試料に α-,β-, γ- 及び δ-toc を試料中に μg/g となるように添加した. 及び A については, 平成 17 年度に当センターで調製した各群の試料に試料中に 40 μg/g となるように添加した. いずれの年度の調査でも各食品群を 3 回繰り返して測定し, その平均値を回収率とした. 保持時間 ( 分 ) 図 2. トコフェロールの HPLC クロマトグラム 1. 分析法の検討結果及び考察 1) Toc 指針 3) に従って調製試料について標準溶液を

4 標準溶液各 10 μg/ml A A 標準溶液各10 μg/ml 試験溶液 4群分画試験溶液 4群分画保持時間分保持時間分図４ニコチン酸及びニコチン酸アミドの HPLCクロマトグラム HPLC条件1 添加して分析を行ったところ油脂含有量の多い 4 5 及図５ニコチン酸及びニコチン酸アミドの HPLCクロマトグラム HPLC条件2 ２摂取量調査結果についてび 6 群の調製試料においては Toc の回収率がやや低かっ 1) Toc 各機関で調製された試料を分析した結果全てたこれは Toc の酸化防止のために添加したピロガローの試料から Toc を検出した表 6 食品群別では 5 群のルエタノール溶液中のピロガロールが油油脂類乳類の Toc 含有量が多かった一日摂取量の平均脂の過酸化物等に消費されて指針３に示された量では値は α-toc 7.03 mg β-toc 0.47 mg γ-toc 9.89 mg δ-toc 不足していたためと考えられたそこでピロガロールの 4.81 mg 4 種の合計値は mg Toc の生物化学的効力３の 2 を示す α-toc 当量７に換算した一日摂取量は 8.25 mg であ倍量である 12 溶液 1 ml の添加でほぼ 80 の回収率をったこれは年に実施された加工品中の添加物得ることができたためピロガロールの量を 2 倍に増や一日摂取量調査での Toc 摂取量１ α β γ- すこととした 8.92 及び δ mg 4 種合計 19.5 mg α-toc 当量量を増やして添加回収試験を行ったところ指針本法に従って回収実験を行った結果を表 5 に示した 7.87 mg と比較するとほぼ同程度であった 2) 及び A と A の分析については 2 つの Toc 添加の表示があった個別食品は 79 試料あり全てか HPLC 条件を用いたが HPLC 条件 1 ではの保持時間ら Toc を検出した表 7 その中でふりかけマーガリが約 13 分 A が約 23 分また HPLC 条件 2 では A ン及び動植物油脂等は含有量が多く煮干し類や清涼飲料が約 12 分が約 18 分とと A の出現時間が逆転水での含有量は少なかった調製試料中の Toc 含有量は多したクロマトグラムが得られた一方試料については条い順に油脂を含む 5 群種実類を含む 3 群原料に穀物件 1 ではの保持時間付近に条件 2 では A の保持や油脂を使用した 6 群次いで穀類を含む 2 群であった一時間付近に妨害ピークが出現して定量が困難な場合があっ方 Toc は本来的に植物油米小麦の胚芽種実穀物たしかし両条件を併用するといずれかの条件で妨害ピーに多く含まれ肉類魚類動物性脂肪一部の緑黄色野クと分離できるため両条件を併用することとしたまず菜を除くほとんどの野菜果物における含有量は少ない８条件 1 で測定してまたは A を検出した場合さら Toc 添加表示のある個別食品中の Toc 含有量から計算上求に条件 2 で測定し妨害を受けないほうの定量値を採用すめた摂取量は調製試料から求めた摂取量の 7.3 に過ぎなることとしたかったがこれは食事から摂取される Toc の多くがもとも本法に従って回収実験を行った結果を表 5 に示したと食品の原料に含有される天然物由来であることを示して表５トコフェロールニコチン酸及びニコチン酸アミドの添加回収検出下限定量下限回収率 n=3 添加量検出下限定量下限添加物名 1群 2群 3群 4群 5群 6群 7群 μg/g μg/g μg/g α-トコフェロール β-トコフェロール γ-トコフェロール δ-トコフェロールニコチン酸ニコチン酸アミド *1群の検出値及び定量下限値はこれらの値の1/2

5 表 6. トコフェロールの一日総摂取量 (mg/day) 調製試料分析結果から求められた一日総摂取量個別食品分析結果から計算上求められた一日総摂取量 α-トコフェロール α-トコフェロール機関名 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量札幌仙台東京香川北九州沖縄平均値 β-トコフェロール β-トコフェロール機関名 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量札幌仙台東京香川北九州沖縄平均値 γ-トコフェロール γ-トコフェロール機関名 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量札幌仙台東京香川北九州沖縄平均値 δ-トコフェロール δ-トコフェロール機関名 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量札幌仙台東京香川北九州沖縄平均値種合計調製試料の摂取量に占める個別試料から換算した摂取量 (%) 表 7. トコフェロールの個別食品定量結果食品名トコフェロール定量値 (μg/g) 食品名トコフェロール定量値 (μg/g) 食品名トコフェロール定量値 (μg/g) α- β- γ- δ- α- β- γ- δ- α- β- γ- δ- 1 群 2 群 5 群果汁入り即席めんマーガリン炭酸飲料植物油動物性油脂希釈飲料コーヒー飲料ふりかけアイスクリームラクトアイスコーンフ群レークせんべい類洋菓子類ビスケット類その他の菓子群チョコレート煮干類スナック菓子群 (-) 食パン群菓子パンサラダシチュー乾中華そば即席めん群 -:<0.1 μg/g マーガリン

6 表 8. ニコチン酸及びニコチン酸アミドの一日総摂取量 (mg/day) ニコチン酸ニコチン酸アミド機関名 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量 1 群 2 群 3 群 4 群 5 群 6 群 7 群総摂取量札幌仙台東京香川北九州沖縄平均値いるものと思われる. FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議が定めた α-toc の ADI 0.15~2 mg/kg 体重 / 日 (α-トコロールとして) から計算した成人 ( 体重 50 kg とした場合 ) の一日許容摂取量は 100 mg であり, 本調査から得られた摂取量の合計値 (α-toc 当量換算 ) はその 8.3% であった. 2) 及び A 各機関で調製した試料を分析した結果, については 1 群及び 4 群の全試料から検出され, その他の群では定量下限未満であった.A については 1 群の東京の試料のみから微量検出されたが, その他は全て検出下限未満であった. 一日摂取量平均値はが 3.06 mg, A が 0.09 mg であった.1995 年の加工食品での調査結果 1) (:2.47,A:0.19 mg) と比較すると, 一日摂取量はで 1.2 倍,A では 1/2 程度であった. の一日摂取量は 4 群が約 7 割を占め, この割合は 1995 年とほぼ同じであった. 及び A の添加表示のある製品は 26 製品であった ( 表 9). たらこには色調安定の目的で, その他は栄養強化の目的で添加されたものと考えられる.4 群の摂取量において, 添加していないたらこを用いた北九州の調製試料と他の機関の調製試料を比較して大差ないことから,4 群の摂取量は主に天然物由来と考えられた. 添加物としては水に易溶で使用しやすい A が主に使用されているが, 今回及び前回の調査でも A 摂取量が少なかった. これは調理や保存中に食品中の A が酸化してに変化したためと考えられた. 及び A は植物性及び動物表 9. ニコチン酸及びニコチン酸アミドの添加表示製品機関名食品群食品名札幌 1 群果汁着色炭酸飲料 1, 希釈飲料 2 群コーンフレーク仙台 1 群スポーツドリンク 3 2 群コーンフレーク 4 群たらこ東京 1 群透明炭酸飲料, 果汁着色炭酸飲料 2, 果肉飲料, スポーツドリンク 3 2 群コーンフレーク 7 群チューインガム香川 2 群コーンフレーク 4 北九州 1 群果汁入り炭酸飲料 1 2, 果汁着色炭酸飲料沖縄 1 群果汁入り炭酸飲料 1 2, 果汁着色炭酸飲料 2 群コーンフレーク 4 下線のある製品はナイアシンアミドまたはニコチン酸アミド, その他はナイアシンの表示あり ; 1~4は各々同一製品 ; 製品数の記載がない場合は各々 1 製品性食品中に広く分布し,D や DP 中に A として存在しているが, 調理による加水分解等でや A が遊離する 8). 天然の含有量が多い食品にはたらこ, 赤身の肉魚, レバー等があげられる. 日本の栄養所要量- 食事摂取基準 - 策定検討会によりとりまとめられた日本人の食事摂取基準に示されているナイアシンの食事摂取基準 (18 歳以上 70 歳未満の男女の平均 ) の上限値はが 100 mg/ 日,A が 300 mg/ 日であり, 今回の調査結果 3.06mg/ 日及び A0.09 mg/ 日と比較するとは 3.1%,A は 0.03% であり推奨量である 13.2 mg/ 日 ( ナイアシン当量として ) にも満たない値であった. これはナイアシンの摂取源とされる生鮮品が分析対象となっていないことが原因の一つと考えられる. まとめ食品添加物の一日摂取量調査の一環として, マーケットバスケット方式による加工食品中の食品添加物の一日摂取量調査を行った. 平成 16 年度は酸化防止剤のトコフェロール (Toc), 平成 17 年度は強化剤のニコチン酸 () 及びニコチン酸アミド (A) の調査を実施した. 調査した添加物の一日摂取量平均値は,α-Toc 7.03 mg,β-toc 0.47 mg, γ-toc 9.89 mg,δ-toc 4.81 mg, 3.06 mg,a 0.09 mg であった.4 種の Toc 摂取量合計値は ADI に基づく一日許容摂取量 ( 体重 50kg に換算 ) を, 及び A は食品摂取基準の上限値 (18 歳以上 70 歳未満の男女の平均値 ) をいずれも大きく下回っていた. ( 本調査は平成 16 年度及び 17 年度厚生労働科学研究補助金, 食品添加物の安全性評価等の試験検査 ( 食品添加物一日摂取量調査 ) に関する研究の一環として行った.) 文献 1) 食品添加物研究会編 : あなたが食べている食品添加物 - 食品添加物一日摂取量の実態と傾向 -( 総合版, 本編資料編 ),2001, 日本添加物協会, 東京. 2) 小林千種, 田口信夫, 前潔, 他 : 東京健安研セ年報, 56, , ) 厚生労働省監修 : 食品衛生検査指針食品添加物編 2003, 71-78, 2003, 日本食品添加物協会, 東京. 4) 大石充男, 天川映子, 荻原勉, 他 : 食衛試,29, 32-37, ) 角田光淳, 井上典子, 岩崎弘子, 他 : 食衛試,29, , 1988.

7 6) 日本規格協会 : 高速液体クロマトグラフィー通則 JIS K0124, 1983 年制定 1994 年改訂. 7) 科学技術庁資源調査会編 : 五訂日本食品標準成分表, 2000, 大蔵省印刷局, 東京. 8) 木村修一, 小林修平監訳 : 最新栄養学, 第 7 版, , ,1997, 建帛社, 東京.

平成15年度マーケットバスケット方式による安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、

平成15年度マーケットバスケット方式による安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、平成 19 年度マーケットバスケット方式による保存料及び着色料の摂取量調査の結果について目的これまでマーケットバスケット方式によりの一日摂取量調査を実施し我が国におけるの摂取実態を明らかにする取り組みについて指定添加物を中心に網羅的に行ってきている平成 19 年度は 9 種類の保存料及び 14 種類の着色料について調査を行うこととし具体的に保存料は安息香酸 ( 安息香酸及び安息香酸ナトリウム