また 大量輸血時の適合血にも 交差試験につい スライド 9 赤血球輸血でどれくらいの血漿量が入るのか 具 スライド 11 て言及している部分があります 主試験を行って 体的に量で考えてみましょう Hct( ヘマトクリット ) ABO の血液型の間違いだけは起こさないように配 20% ヘモグロビン 7

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1 不適合輸血を防ぐための検査 ( 適合試験 ) には スライド 3 次に術式のところで いよいよ主試験 副試験と スライド 6 ABO 血液型検査 Rho(D) の抗原および受血者側 いう言葉が出てきます ここには 主試験は必ず の不規則抗体スクリーニングの各検査と輸血前に行 実施しなければいけない とあります われる交差適合試験 ( クロスマッチ ) があります ここで実施の方法に言及しています 1) には患 スライド 4 ここで 主試験が不適合である血液を輸血に用い スライド 7 者さんの血液型と不規則抗体の検査について 2) てはならない とあります 前席のお話と関係あり の (1) には 患者検体の採取 について書いてあり ますが 臨床的意義のある不規則抗体により主試 ます 下線はすべて私が引いたところです ABO 験が不適合 と書いてあります これは受血側の不 血液型検体とは別の時点で採血した検体を用いて交 規則抗体のことです 輸血する製剤の赤血球が直接 差適合試験を行うと書いてあります これは 採血 抗グロブリン試験が陽性だからといって 使えない 時の患者誤認などによる過誤を防ぐために必要なこ という理由はここには書いてありません 患者さん とで 患者さんの検体の二重検査ということになり 側の抗体が問題となるわけです ます 次に輸血用血液の選択についてです まず 患者 スライド 5 ここで交差適合試験の省略が出てきます 副試験 スライド 8 と ABO が同型の血液を用いるということ 次に内 の省略の対象は赤血球濃厚液だけではなく 全血も 川さんのお話にもありましたが 患者さんが臨床的 含まれています 赤血球濃厚液と全血の使用時に に意義のある抗体を持っている時は 対応する抗原 条件としてドナーさん側の血液型検査 間接抗グロ を持たない血液 ( 赤血球製剤 ) を用いるということ ブリン試験を含む不規則抗体検査が陰性である場 です 合 副試験は省略してもいい ただしその真ん中の 囲んでいるところが大切なことで かつ患者の血 液型検査が適正に行われていれば ということです 22 23

2 また 大量輸血時の適合血にも 交差試験につい スライド 9 赤血球輸血でどれくらいの血漿量が入るのか 具 スライド 11 て言及している部分があります 主試験を行って 体的に量で考えてみましょう Hct( ヘマトクリット ) ABO の血液型の間違いだけは起こさないように配 20% ヘモグロビン 7g/dL の患者さんが 赤血球 慮する これが最も大切なことです 濃厚液 (RCC LR) を 2u 輸血する場合 患者さん の体重が 50kg の例では 循環血漿量は約 2800mL となります 400mL 由来の RCC LR を 1 バッグ輸 血すると この中のドナー血漿量は計算上 2.4mL し かありません 体の中にドナーの抗体が入っても 1000 倍以上に希釈されます しかも これは受動 抗体で 徐々になくなります スライド 10 おさらいになりますが なぜ 副 試験と呼ぶのか わかっているお話を再度させていただきます 主試験は 患者さんの血清中の抗体に対する輸血製剤の赤血球抗原が反応しないかどうかを見る検査です その抗体で一番問題になるのは 抗 A 抗体と抗 B 抗体です 次に 先ほど臨床的に意義があるという説明のあった不規則性抗体です それらの抗体がある患者さんに 対応する抗原を持つドナーさんの赤血球が入ってしまうと 溶血が起きて重篤な副作用になる可能性があるわけです 主試験が不適合の場合 輸血された赤血球に対する充分な抗体が受血者側にあること また 血液型不適合な輸血赤血球の抗原刺激により 免疫抗体の産生が増し さらに溶血が進むことになります 一方 副試験のほうは Minor Test です 患者さん ( 受血者 ) 側の赤血球抗原に対するドナー血漿中の抗体が入った時に 抗体量が少ないということと その受動抗体はただちに血漿で希釈されてしまって 抗原抗体反応があっても 赤血球が著しく血管内で溶血するものではないということです ドナー血漿中の抗体は受動抗体ですから 入った抗体は受血者血漿中から消失していきます IgM の半減期は 5 日間 IgG でも 21 日間です 主 副 という日本語から想像する英語は多分 main と sub だと思うのですが 実はそうではなくて major と minor 主要なほうと重要でないほうというものです 副試験はマイナーなテストです こちらの表は当院で 実際に期限切れの RCC LR が出るたびに タンパク量として測った数です タンパ除去率でいうと もう平均して 94% という素晴らしい成績になっています 副試験を実施して反応したということで それを使用せずに血液センターにお返しすることではなくて 輸血の不適合の副作用を防ぐということでは 実は私はこの5 番あるいは6 番のほうがより重要ではないかと考えます これは採血時の患者さんの取り違えを見つけるということで ラベルを間違って貼ってしまったとか 別の患者さんのところに行って採ってしまったということを防ぐ 別採血によるダブルチェック あるいは用手法で人がやっている検査で どうしても人は誤りを犯します これを 100% 防ぐことは不可能 スライド 12 スライド 13 です ですから これを見つけるという手順を入れることによって 輸血の安全性を確保していくというのが われわれの仕事ではないかと思います 24 25

3 過誤防止の例ですけれども 当院では このスライドのような手順で採血時の確認をしています 検体ラベルには このように採血者の名前を記入しています こちらは輸血管理用のシステムです このように システムを使って前回検査歴との違いを照合すること あるいは患者さんと輸血する製剤との血液型を照合するということができます ヒューマンエラーの防止には このようなシステムは不可欠です 次に 例えば物の管理として 検査試薬が果たして本当に正しく反応しているかという精度管理を行います あるいは血液製剤を正しい温度の保冷庫で保管ができているかということをチェックするなど 患者さんの輸血の安全を守るためにやるべきことは複数あります スライド 14 スライド 15 スライド 16 スライド 17 このスライドが 実際に慶應病院で検査した件数ですが 記録が残っている期間で主試験だけ行っている検体数はこれだけあります これは間接抗グロブリン法の主試験だけ実施している数です 生食法の室温での判定はしていません この9 年半で 主試験のみのクロスマッチ件数は 10 万件を超えました 毎年慶應におそらく 7,000 バッグから 8,000 バッグの赤血球製剤が供給されていますが すべて副試験を省略しています そのために起こった副作用はありません この 10 年間の実患者数で おそらく2 万 5000 人くらいの患者さんが当院で輸血を受けています それで 副試験を省略したことによる副作用は1 件もありません スライド 18 まとめとして 今回赤血球製剤について説明しましたけれども クロスマッチにおいて副試験を省略することは その判断に何ら影響のあるものではありません 副試験を実施するということは 実は検査を2 倍しているということです 人手も時間も試験管も試薬も2 倍かけているということです これを主試験だけにすることで コストも人手も半分になります その空いた時間で より有効な 自分たちの検査室でもっとどうしたら患者さんの輸血の安全に寄与できるかを検討するということのほうが有意義だと思います 以上です ***** 座長 ( 藤田 ): ちょうど 10 分お話ししていただいてありがとうございました フロアの方からご質問をどうぞ 藤田 : 明快で症例数も多く検討されていると思います 異型適合血は副試験は省略しないわけですか 上村 : 異型適合血も副試験は実施しません セグメントはそのままドナーさんの血漿は入ったままですけれども 先ほどお示ししたように バッグの中はもうそれが希釈されていて 10% 以下の残存量ですから 異型適合血でもしません 26 27

4 座長 ( 藤田 ): ほかにありますか ガイドラインでは副試験は省略してもよい 副試験はやってもよい と書き換えるためには 上村さんの主張を文章にするためにはどうしたらよろしいでしょうか 5 シンポジウムテーマ : 輸血副作用の対策 発生時の対応と再発防止について 上村 : 省略してもよい を しなくていい という表現にしたらよいと思います 座長 ( 藤田 ): こういう条件でしなくてもよいという 変な質問ですみませんでした 座長 東京大学医学部附属病院輸血部東京医科大学八王子医療センター臨床検査医学科 橋孝喜 田中朝志 上村 : 皆さんも ABO の不適合をシミュレーションして考えていただければよろしいかと思います 例えばO 型の受血者ですと 赤血球にはA 抗原もB 抗原もありませんから ここで反応するものは ABO 以外の抗体です 先ほど内川さんが説明されたように 血液センターでは臨床的に意義のある抗体は排除しているわけですから それ以外の抗体が出ていても問題はないわけで 守るべきは ABO の不適合を起こさないということではないでしょうか 座長 ( 藤田 ): どうもありがとうございました 時間が押しておりますので Q&Aはこれで終わりにしたいと思います 座長 ( 橋 ): 先ほどは輸血の基本である血液型の問題 抗体の問題あるいはクロスマッチの問題でしたが このシンポジウムでは輸血副作用に対してどういう対策を実施するかというテーマで行いたいと思います 私は東京大学の高橋です 東京医科大学八王子医療センターの田中先生と2 人で座長を務めさせていただきます 3 人の先生に詳しくお話をいただくのですが その前にイントロダクションとして東京都輸血療法研究会世話人代表の比留間潔先生にお話しいただきます それでは比留間先生 お願いいたします イントロダクション introduction 東京都輸血療法研究会世話人代表 比留間潔 本日はこの研究会にお集まりいただきまして ありがとうございます 皆さんとお会いできるのも1 年に1 回で非常に限られた時間ですが 日夜輸血の臨床現場で活躍されて いろいろ頑張っておられる皆さんにとって 実際すぐに役立つテーマを何とか選ぼうということで 今回は 輸血副作用の対策 発生時の対応と再発防止 というテーマを選びました スライド

5 その背景を見ますと 輸血の副作用というと 1980 年代の薬害エイズ さらに nona nonb のC 型肝炎という時代がありましたが その多くの暗い事例を克服して 今ではかなり感染症に関しては安全になりました これは日赤の遡及調査による推測値ですけれども B 型肝炎は年間 13 人から 17 人 C 型肝炎と HIV は年間 1 人未満であるというほど安全になってきたわけです ところが それ以外の非感染性の主に免疫性の副作用は これに比較して相対的に重要なものになってきています ABO の不適合輸血は日本輸血 細胞治療学会の調査で 年間 1.6 人の方が亡くなられているということであります さらにそれ以外の副作用でも 特に今回のテーマとなる T R A L I でも 年間 1 人が亡くなるということです これらは日本全国の病院ではないので 全部が把握されているわけではありませんから これ以上の患者さんが非感染性の副作用で亡くなられているという現状があるわけです 実際 それ以外の副作用 死に至らない副作用は日常よく遭遇することは皆さんご存じのとおりであります 駒込病院の過去 5 年間の各製剤の輸血本数ベースの輸血副作用の発生率ですけれども 赤血球においては約 0.6 から 0.7% の副作用が出ています 血小板に関してはすごく多くて3% から4% ぐらい 患者をベースにするとこの 10 倍くらいになるので 3 人に1 人は血小板輸血を受ける患者さんに副作用が起こっているという事態であります 凍結血漿も1% 前後の副作用が出ています スライド 2 スライド 3 スライド 4 この副作用の中身は特徴があります 赤血球製剤ではもっとも多いのが発熱で その次に多いのが皮膚反応です 2007 年は呼吸不全がありますが 普通は呼吸不全はあまりありません 血小板製剤で圧倒的に多いのが 蕁麻疹や発疹を主体とした皮膚反応です ただし 呼吸不全も常に発生している状況があります また 新鮮凍結血漿では皮膚反応がもっとも多いです このように多くは命に即関わることはありませんが 特に血小板製剤などで呼吸不全を伴う場合は T R A L I と同様 重篤になるケースもあるということです スライド 5 このように現在 輸血副作用を考える場合 感染性副作用よりも免疫性副作用のほうが問題になってきたと言えるでしょう そして 患者さんに安全な輸血を行うためには 免疫性の副作用を早く発見して それをよく知って適切な対処をすることが大事だというのが 去年のテーマでした 今年はそれに続いて では具体的にしょっちゅう起こっている輸血の非感染性副作用にどう対処すべきかということに関して 実際輸血管理現場で頑張っておられるエキスパートの先生にお願いして 対応策をお示しいただきたいと思います ぜひ皆さん 本日のシンポジウムで実際に役立つ情報を持って帰っていただけたら幸いです どうもありがとうございます 30 31

6 1. 非感染性輸血副作用の報告状況 東京都赤十字血液センター 宇都木和幸 はじめに 東京都内 2000 年 1 月から 2008 年 9 月までに報告のあった副作用報告件数を取りまとめました 次に 報告された副作用の中で血漿タンパク質抗体が陽性になった症例の追跡調査 3 番目として呼吸困難症例の分析 4 番目として輸血副作用の低減化のために導入した保存前白血球除去の導入前後の副作用報告件数について報告いたします スライド 3 東京都赤十字血液センターの宇都木です よろしくお願いいたします 今日は東京都内の各血液センターに報告されている非感染性の輸血副作用の報告状況をまとめてみましたので 報告させていただきます スライド 1 まず 東京都内の血液センターへの副作用の報告 件数です スライド 4 まず 副作用 感染症自発報告の流れです 医療機関で副作用が起こった場合 薬事法に基づいて厚生労働省へ報告する直接報告書 また主治医の先生が自発的に血液センターに報告し その調査依頼をするという自発報告があります 自発報告された副作用は 日赤で重篤と判断したものを国へ報告するという流れです スライド 2 年々副作用報告件数は増加しています その中で多いのが非溶血性副作用で 年々増加傾向にあります 輸血後感染症 ( 疑いを含む ) に関しては 年に 30 前後の報告があります ほかに GVHD の疑い 溶血性副作用 血漿分画製剤による副作用が年間数件の報告があります スライド

7 2000 年 1 月から 2008 年 9 月までに 2094 件の報 スライド 6 こちらのスライドは 倉田先生らが取りまとめた スライド 9 告がありました 内訳は 非溶血性副作用 1790 日本における非溶血性副作用の頻度です 2004 年 (85%) 輸血後感染症 ( 疑いを含む )258(12%) では約 5% 2005 年では約 7% の副作用頻度と報 溶血性副作用 32(2%) GVHD の疑い 11(1%) 告されています 分画製剤による副作用 3(0.1%) でした ここからは非感染性副作用の報告ということで スライド 7 副作用の発生頻度ではなく 私どもの血液セン スライド 10 溶血性副作用と非溶血性副作用について 詳しく報 ターに報告された頻度です 告させていただきます 東京都の輸血状況調査集計結果から算出された輸 溶血性副作用は 32 例の報告がありました その 血患者数に対する報告数の割合は 0.2% です また うちの大部分が原因が特定できないものでした 原 東京都センターの供給本数に対する報告数の割合は 因が特定されたものは ABO 異型輸血が 1 件 輸 0.04% ということで 実際院内で副作用が起こって 血後患者検体の不規則性抗体が陽性であったものが いる割合と血液センターに報告される割合では か 8 件 血液加温装置による過加熱が原因のものが 2 なりの開きがあるというのが現況です 件ありました 非溶血性副作用の報告件数です 輸血情報で全国の報告件数を皆様にお伝えしていますが 東京都内も同じような傾向です 一番多いのが蕁麻疹等で全体の 43% 続いて発熱 呼吸困難 アナフィラキシーショックとなっております また 呼吸困難症例の中で T R A L I と確診されたものは 14 件ありました スライド 8 スライド 11 血液センターでは 非溶血性副作用に対して スライドにあるような検査項目を無料で行い 検査結果を病院にフィードバックしています すべて副作用症例で 抗血漿タンパク質抗体 血漿タンパク質の欠損を調べています 発熱や T R A L I 呼吸困難の症例に関しては抗 H L A 抗体 T R A L I や呼吸困難の症例に関しては抗顆粒球抗体を調べています 患者検体が輸血前後 輸血後に関しては当日もしくは翌日採れた副作用症例に関しては トリプターゼの検査も行っています 白血球抗体の交差試験は T R A L I 症例で使用された製品から抗白血球抗体が検出された場合 患者検体と対象製品の白血球抗体の交差試験を実施しています 34 35

8 東京都内で抗タンパク質抗体が陽性になった件数 スライド 12 スライドは 副作用が再発した症例の一覧です スライド 15 です 193 症例の中で 207 件の抗タンパク質抗体が 17 症例で 21 回の副作用が再発しました その中で 検出されました その後に患者様の検体をいただいて 抗体価を調査 した結果 上昇が見られたのは 1 件のみです 抗血漿タンパク質抗体が陽性になった場合 追跡 スライド 13 呼吸困難症例の分析ということで 2004 年に スライド 16 調査を行っています 担当の MR が先生方にその後 T R A L I の診断基準に基づき 本社血液事業本部で の輸血に関して追跡調査の用紙をお渡ししていると T R A L I か もしくは possible T R A L I かを評価 思います その調査結果を報告いたします しています 193 例中 120 例 約 62% の追跡調査ができました スライド 14 東京都内では 14 件が T R A L I の確診として評価されました その中で 抗 HLA 抗体もしくは抗 スライド 症例で 730 回の輸血がその後行われ 副作用が 顆粒球抗体が製剤から検出された症例は 2 番と 6 番 再発した数は 21 件 約 2.9% 程度となっています です 患者検体から検出れたものは 9 番と 13 番で す 残りのものは 抗 HLA 抗体も抗顆粒球抗体も 検出されなかった症例です 36 37

9 この2 番と6 番についてクロスマッチをした結果が こちらです 2 番の症例では患者のBリンパ球と輸血製剤由来血清をクロスマッチしたところ 陽性でした 6 番の症例は まだ生まれて間もない患者さんなのでクロスマッチ用検体の採取が困難だったこともあり クロスマッチはできなかったのですが DNA タイピングを行った結果 患者の HLA 抗原と反応する HLA 抗体が輸血血液から検出されました スライド 18 最後に 輸血副作用低減化のために導入された保存前白血球除去ですけれども その導入前後の副作用の報告件数について調べた結果が次のスライドです スライド 21 スライド 19 スライド 22 東京都血液センターでは 呼吸困難症例の中で心 原性の肺水腫を鑑別するという目的で 試行的に BNP を測定しました スライド 20 データは 血小板製剤と赤血球製剤に分けて集計しました まず血小板製剤では 全体の報告数に対して 白除導入前後で報告数の割合はあまり変わっていません 次に白除をすることによって 発熱反応が低減化できるのであろうということで導入されましたので 発熱反応をピックアップして集計を行いました 白除導入前後で発熱反応の報告数の割合はあまり変わりはありませんでした また 赤血球製剤に関しても 同様な集計結果でした 45 例しか測定できませんでしたが その中の 18 症例で輸血後の値が輸血前の 1.5 倍以上 または 100pg/mL 以上に上昇していたことが確認されました 呼吸困難として報告された症例ですけれども 心原性の肺水腫が発症しているのではないかと示唆されたデータです スライド 23 まとめです 1. 医療機関からの副作用報告件数は年々増加しています 2. 血漿タンパク質抗体が検出された症例を追跡調査した結果 予防投与等の要因も考えられますが 副作用の再発は少ないことが今回確認されました 3. BNP を測定した結果 呼吸困難症例の中に循環負荷の可能性がある症例も示唆されました 4. 白血球除去導入前後での副作用の報告件数に変化はあまりなかった これは 今まで医療機関において ベッドサイドで白血球除去フィルターの使用が多かったことも一因ではないかと考えられます 以上 非感染性輸血副作用の報告状況をとりまとめて報告させていただきました 38 39

10 2. 不適合輸血および非溶血性免疫性輸血副作用について もし われわれの医療機関で輸血副作用が発生し たら どのように対応すればいいでしょうか 溶血 症状が見られた場合は言うまでもなく 不適合輸血 による急性溶血性の副作用を念頭におきます ま た 日常よく見られる発熱や蕁麻疹などの症状以外 にも 非溶血性副作用として呼吸困難や血圧低下な どの重篤な副作用が知られています その場合 まずは輸血を中止して全身状態を確認 し 全身管理と原因調査後 原因治療を開始し さ らに輸血部へ連絡して対応策について相談するとい うステップが必要になります さらに 全身管理を行いながら鑑別疾患を進め それから薬物治療を開始することになります 一方 輸血由来の原因検索も必要になります 輸 血副作用の原因検索を行うために バッグの回収や 検査用輸血サンプルの採取も重要になります スライド 1 スライド 2 立川病院血液内科石田明 これら一連の対応はベッドサイドだけで解決できる範囲を超えており 必ず輸血管理部門と相談しながら進めていくことが重要です そして 血液センターに副作用を報告して原因検索を依頼し その原因検索の結果に基づいて輸血管理部門に再度相談をしていきます このベッドサイド 輸血管理部門 血液センターの3 者の連携が成り立ってこそ はじめて輸血副作用の発生時の対応と言うことができます 言うまでもなく 日常的にも輸血副作用情報の交換を行いながら 輸血療法適正化委員会で その方法について議論することが必要です 輸血副作用の具体的な話に移ります 輸血副作用は急性 遅延性 慢性と その発症時期によって分類されます 急性輸血副作用は 不適合輸血で生じる急性溶血反応 アレルギー反応 重症アレルギー反応 T R A L I のような免疫性の副作用と非免疫性の副作用があります 本日は 不適合輸血に伴う急性溶血反応の予防策とアレルギー反応について その治療とその予防策のお話をしていきたいと思います スライド 3 スライド 4 ちなみに 急性輸血副作用については 高本班の検討により 症状項目とカテゴリー分類による副作用区分が導入されています スライドに示したような症状をベッドサイドから報告してもらい それをカテゴリー別に分けて原因を検索していくというものです 本日はこれらの中でアレルギー反応 例えば掻痒感 かゆみ 発赤 顔面紅潮 発疹 蕁麻疹 呼吸困難が見られた場合のアレルギー反応 さらに血圧の低下や意識障害が見られる重症アレルギー反応について話を進めていきます スライド

11 スライド 6 不適合輸血の話に移りますが 不適合輸血のわが国における発生状況については 2000 年に柴田先生が初めて全国レベルでアンケート調査を行われ 実状が明らかになりました 最近では 先ほど比留間先生がお示しになりましたように 輸血学会のアンケート調査によって 2000 年から 2004 年までの不適合輸血の発生件数が明らかにされています 2007 年に藤井先生が日本輸血学会雑誌に出された報告によると 5 年間での発生件数は 60 件 そのうち赤血球メジャー不適合によるものが 22 件 マイナー不適合が 9 件 凍結血漿 19 件 血小板製剤 8 件 不明 2 件という内訳になっています 8 件で死亡例が認められていますが この死亡例はすべて赤血球メジャー不適合輸血となっています これらをまとめると 不適合輸血の推定発生頻度は 20 万件に1 回 推定死亡頻度は 300 万件に1 回ということになります スライド 8 予防に向けての課題は ガイドラインにも示されているので改めて読み上げませんが まず第 1 段階として 各医療施設で医療スタッフがその輸血後の安全についての認識が足りない場合は 個々のスタッフがしっかり認識してもらうように啓蒙していくことが重要になります その次の段階として 各医療施設でシステムを改善していくことになります オーダリングシステムの検討やクロスマッチ検査の同時採血禁止等の解決策を考える必要があります リストバンドを使用していない施設では リストバンドを用いる あるいは輸血照合システムとしてバーコードシステムを導入するといった方法も有効と考えられます しかしながら これらで解決できない部分は 輸血学会あるいは国や東京都で システムのグローバルな見直しを考えていく必要があるかもしれません 不適合輸血の発生要因は 病棟やベッドサイドの問題が最も多く 次いで患者 製剤の照合間違いが 27 件 そのほか血液型検体採血時における間違いが2 件あります 輸血依頼伝票への血液型記入間違いが8 件ありました また 輸血検査業務に問題があったものとして 時間外医師による検査間違いが 10 件 時間外の輸血業務の間違いが6 件 日勤時間帯の輸血業務の間違いが4 件となっています このように病棟やベッドサイドに問題があるものは 昨年 一昨年の調査でも減少傾向にありません スライド 7 スライド 9 輸血後アレルギー反応の話に移ります 先ほどのカテゴリー分類にも示しました アレルギー反応は皮膚症状に限られるアレルギー症状と より重症な皮膚症状に加えて全身症状を呈し 血圧低下や意識障害を来す重症アレルギー反応に分けることができます 主に血小板輸血の副作用であり 発生頻度は3% から6% 頻回輸血患者や大量輸血患者では 20% から 50% の頻度で発現すると言われます このように 非常に頻度の高い副作用であり 無視できない副作用と考えられます 予防策として 軽症例では抗ヒスタミン剤やステロイドの前投与によってある程度予防できますが 中等度以上の症例では洗浄血小板による予防が有効とされています 42 43

12 症例を見ていただきます この症例は急性骨髄性性白血病 すなわち血液疾患で過去に何回も血小板輸血をくり返している例です 前処置として抗ヒスタミン剤やステロイド剤を投与しましたが 輸血を開始して1 時間後に蕁麻疹が出現し その後血圧が低下し アナフィラキシーショックになりました すぐに対応し ショック体位と即効性ステロイド投与によって 1 時間後には改善いたしました 繰り返し輸血を行い 前投薬を行っている症例 つまり これまでに蕁麻疹などの副作用情報が出ているような症例では アナフィラキシーショックが起こる可能性があると考えられます スライド 10 スライド 13 予防策ですが このスライドは慶應大学病院で 2002 年から 2005 年までの間に血液センターに報告した症例を示しています アレルギー症状が 20 例中 18 あります 症状に対して われわれはどのように対応したかを示しましたが ご覧のように予防薬だけで消失している症例もあります また 血漿減量 血小板 血漿の一部除去をして投与するといった処置によって副作用の頻度が減り あるいは直接消失した症例も経験しました 血漿減量でも効果がない症例については 洗浄血小板を使用することによって 完全に予防することができました 興味があることに 一部 HLA の適合血を投与し 輸血不応に対して投与した症例ですが それによって副作用が消失という例もありました スライドは 慶應大学病院で 2007 年に血液センターへ報告をした中等度以上の急性輸血副作用例で スライド 11 そこで われわれが現在試みております血漿減量 スライド 14 す 15 例中 13 例がアレルギー性副作用です アレ 製剤と洗浄血小板について説明いたします 血漿減 ルギー性副作用は頻度が高いというだけでなく 中 量製剤とわれわれが呼んでいるのは 血小板製剤に 等度以上の重症例も多いため 無視できない副作用 ACD A 液を添加して 上清を 100cc 残して 残り と考えることができます の血漿を除去したもので この製剤には約 50% の 血漿が残っています 一方 洗浄血小板は過去に報告された手順を用い 2 回遠心分離を行った後に洗浄浮遊液を加えて水平 振盪をしたもので この製剤中の血漿量は 5% 以下 になります アレルギー反応の治療について簡単にまとめてみました まずは一度輸血を中止して その副作用の スライド 12 血漿減量製剤によって どのくらい予防できたか スライド 15 程度を確認します 軽症の場合はゆっくり輸血を継 を症例ごとに見ていきます 未処理の段階で副作用 続しながら見ていくことも可能ですが 中等度以上 が発生した症例ですが 副作用が強く出た症例に対 になりますと 副作用の改善を見るまでは輸血の再 して血漿減量を行うと 副作用の頻度が少なくなる 開は基本的に行いません 重症例では ICU での集 ことがわかります 中管理などが必要となります 副作用の発症頻度を比較してみますと 未処理の 段階で 60% みられたものが 血漿を減量すること によって 8% に減りました 特に 2 番目の症例 あ るいは 3 番目の症例では 血漿減量によって副作用 が消失しました 44 45

13 一方 洗浄血小板は 血漿減量で無効であった症 スライド 16 慶應大学での輸血アレルギー反応予防策ですが スライド 19 例に使用しています 血漿減量で全然副作用が軽減 軽度の場合は予防薬投与による効果が望める症例も しない症例に洗浄血小板を用いますと 副作用はほ 多いと思いますが 必要に応じて血漿減量を行いま ぼ完全に消失します す 頻度を見てみると 血漿減量血小板では軽減でき 中等度以上の場合は血漿減量を行い 効果がみら なかった副作用が 洗浄をすることによって 100% れない場合は洗浄血小板を使用します 重症例はす 予防できました みやかに洗浄血小板に変更するというフローチャー トになっています これらを数値化して評価するために 血漿減量を スライド 17 まとめです 不適合輸血の絶滅には 個別医療機 スライド 20 行う前後の 10 回の輸血を取り出して 副作用の発 関の努力はもとより 安全な輸血システムの確立に 生頻度を確かめました ピンクで示したところが副 向けてグローバルな介入が必要です また 輸血の 作用ありになります 赤枠で囲んだところは輸血中 アレルギー反応の激減に向けて 血漿減量血小板製 止例です 剤の普遍化ならびに重症例への洗浄血小板の標準化 血漿減量によって 少なくとも輸血を中止する必 に期待したいと思います 要はなくなりました 副作用頻度も半分程度になり ました パーセントで示しますと 血漿減量前は 42% だっ たものが減量後に 18% と 25% 程度減少しました 半分程度の副作用が消失したと考えられます 洗浄血小板について同じように検討しましたとこ スライド 18 最後のスライドになりますが 全血輸血が行われていた昔と比べて 成分輸血あるいは成分の精製が スライド 21 ろ 副作用は洗浄後まったく見られなかったという 行われることによって 輸血が効率的かつ安全的に 結果でした 洗浄血小板を用いること すなわち血 行えるようになってきました 漿を 5% 以下にすることによって ほぼ 100% のア このように輸血が標準化された現在 輸血がさら レルギー反応の予防が可能であるという結果が得ら にさまざまな分野での治療法として使われる可能性 れました が出てきています これらの新しい輸血治療につい このことから 50% 程度の血漿減量によって半分 ても 輸血管理の立場にあるわれわれは積極的に関 程度に副作用が減り 血漿量を 5% 以下にすると わっていくべきと考えます ほとんどの副作用を予防できると考えられます 以上です どうもありがとうございます 46 47

参考 9 大量出血や急速出血に対する対処 2) 投与方法 (1) 使用血液 3) 使用上の注意 (1) 溶血の防止 参考 9 大量出血や急速出血に対する対処 参考 11 慢性貧血患者における代償反応 2) 投与方法 (1) 使用血液 3) 使用上の注意 (1) 溶血の防止 赤血球液 RBC 赤血球液

参考 9 大量出血や急速出血に対する対処 2) 投与方法 (1) 使用血液 3) 使用上の注意 (1) 溶血の防止 参考 9 大量出血や急速出血に対する対処 参考 11 慢性貧血患者における代償反応 2) 投与方法 (1) 使用血液 3) 使用上の注意 (1) 溶血の防止 赤血球液 RBC 赤血球液 参考 血液製剤の使用指針 ( 新旧対照表 ) 平成 28 年 6 月一部改正 目次 項目新旧赤血球液赤血球濃厚液 [ 要約 ] 赤血球液の適正使用 使用指針 3) 周術期の輸血 (2) 術中投与 投与量 使用上の注意点 はじめに Ⅰ 血液製剤の使用の在り方 3. 製剤ごとの使用指針の考え方 1) 赤血球液と全血の投与について 3) 新鮮凍結血漿の投与について 4) アルブミン製剤の投与について 5)

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