あらまし 本研究では, 後楽園キャンパス 5 号館の消費電力量の分析および予測を行う. まず消費電力量を重回帰モデルで表し, 消費電力量の要因とその影響の大きさを調べる. 次に, 予測精度を上げるために重回帰モデルによる残差を時系列モデルで表す. これにより得られた消費電力モデルを用いて前後の年度に

Size: px
Start display at page:

Download "あらまし 本研究では, 後楽園キャンパス 5 号館の消費電力量の分析および予測を行う. まず消費電力量を重回帰モデルで表し, 消費電力量の要因とその影響の大きさを調べる. 次に, 予測精度を上げるために重回帰モデルによる残差を時系列モデルで表す. これにより得られた消費電力モデルを用いて前後の年度に"

Transcription

1 卒業研究論文 中央大学後楽園キャンパスにおける 消費電力量の分析と予測モデル 学籍番号 8D81124E 齋藤宏 中央大学理工学部情報工学科田口研究室 212 年 3 月

2 あらまし 本研究では, 後楽園キャンパス 5 号館の消費電力量の分析および予測を行う. まず消費電力量を重回帰モデルで表し, 消費電力量の要因とその影響の大きさを調べる. 次に, 予測精度を上げるために重回帰モデルによる残差を時系列モデルで表す. これにより得られた消費電力モデルを用いて前後の年度における消費電力量の予測シミュレーションを行う. さらに,1 日の授業時間が消費電力量に与える影響を分析し, 授業時間を変化させたときに消費電力量がどのように変化するのかシミュレーションを行う. キーワード : 消費電力量予測, 重回帰モデル, 時系列モデル i

3 目次 第 1 章はじめに... 1 第 2 章重回帰モデル 回帰モデルと最小二乗法 重回帰モデル 数量化理論 Ⅰ 類モデル 決定係数... 5 第 3 章時系列モデル 時系列データ 定常的な時系列に対するモデル 一変量自己回帰モデル 多変量自己回帰モデル 非定常的な時系列に対するモデル 自己回帰和分移動平均モデル 季節自己回帰和分移動平均モデル 赤池情報量基準 (AIC) 第 4 章モデリングと予測シミュレーション 中央大学後楽園キャンパス 5 号館 使用するデータ 号館の消費電力量モデル 要因に着目したモデリング 残差に着目したモデリング 予測シミュレーション 完全な予測 モデルの検証 ii

4 第 5 章授業時間の変更による節電対策 授業時間が消費電力量に与える影響 節電対策のシミュレーション 春季および夏季の授業 1 時間繰上げ策 春季および夏季の授業平均化策 春季および夏季の授業 3, 4 限カット策 授業動的割当て策 つの節電対策の比較 第 6 章おわりに まとめ 今後の課題 謝辞 参考文献 iii

5 第 1 章はじめに 211 年 3 月 11 日, 東北地方太平洋沖地震が日本に大きな被害をもたらした. 内閣府の発表によると, この震災による被害額の推計は約 16 兆 9 億円であり, 阪神 淡路大震災のときの被害額推計約 9 兆 6 億円 [12] と比較してもその規模の大きさがうかがえる. この震災によって, 関東の一部地域で数回にわたって計画停電が実施された. これは, 発電所や変電所等の電気供給力の低下により需要量が供給量を上回ることを未然に防ぐためである. 計画停電の実施に加え, 政府や東京電力, その他さまざまな方面からの呼びかけにより例年に増して節電への意識が高まった. 夏季の一般家庭においては 室温 28 を心がける, すだれ や よしず を利用して室内の温度を調節する, エアコンを無理のない範囲で消す をはじめとした節電に対する取り組み [1] がなされ, さらに企業の節電努力もあって, 東京電力の今夏の最大電力は昨夏の 5999 万 kw を大きく下回る 4922 万 kw にとどまった [11]. 節電を考える際には, まずその消費実態を把握することが大切である. 中央大学後楽園キャンパスにおいては, コスト削減のため, 消費電力量の計測機器の設置 使用が最小限に抑えられているので, 消費電力の詳細を知ることが困難である. しかし, 消費電力量の周期性に注目したり, 関連のある要因を調べたりすることで, 消費電力量を予測することができる. 本研究ではまず, 中央大学後楽園キャンパス 5 号館の電力使用量を気温や曜日, 空調の運転期間などが与える影響をふまえてモデル化し, 電力使用量の予測を行う. その後,1 日の授業時間と消費電力量の関係式を求め, 授業時間を変更した場合の節電効果のシミュレーションを行う. 1

6 第 2 章重回帰モデル 本章では重回帰モデルについて説明する. 2.1 回帰モデルと最小二乗法 回帰分析とは, 目的変数 ( 従属変数 ) である と説明変数 ( 独立変数 ) である との 関係を調べる手法である. 目的変数がひとつの説明変数で表されるとき, その関係式をと くに単回帰モデルと呼び, ふたつ以上の説明変数で表されるとき, 重回帰モデルと呼ぶ. 表 2.1 のような 個の系列からなるデータが与えられたとする. ここでは, と の 関係が (2.1) という 1 次式のモデルで表せると仮定し, このときの適切なパラメタ を求めたい. 図 2.1 のように, それぞれの系列は誤差項 を含み (2.2) で表される. この誤差項の平方和を とおくと, はパラメタ からなる 2 変数関 数 * + (2.3) であり, この関数値を最小化するための連立方程式 (2.4) を解くことでパラメタの推定値 {, ( )( ) ( ) (2.5) を得る. ここで はの推定値を表し, はの平均値を表す. このように, データ モデル間の誤差の平方和を最小にすることでモデルのパラメタを 推定する方法を, 最小二乗法という. 2

7 表 2.1 サンプルデータ 系列 目的変数 説明変数 1 2 図 2.1 プロットの例と 1 次式のモデル 2.2 重回帰モデル 目的変数と説明変数の関係が という重回帰モデルで表せると仮定する. このときの適切なパラメタ いても最小二乗法により推定することができる. それぞれの系列は (2.6) につ (2.7) で表される. ここで, この先の式展開を簡易化するために, 式 (2.7) を行列 ベクトルを 用いて表す. まず, (2.8) 3

8 (, を定義する. ここで, ベクトル の転置を と表す. このとき, 式 (2.7) は (2.9) となる. 誤差の平方和は (2.1) であり, この関数値を最小化するための方程式 (2.11) を解くことでパラメタの推定値 を得る. (2.12) 2.3 数量化理論 Ⅰ 類モデル データは量的データと質的データの 2 つに分類される. 表 2.2 に例を示す. 数量化理論 Ⅰ 類によると, 回帰モデルの説明変数として, 質的データと量的データの両方を同時に取り入れることができる. 例えば, 質的データである 性別 は 男である または 女である のふたつの値をとりうる. このような質的データの場合は, 表 2.3 のように ( 男でない ) または 1( 男である ) をとる 男 と, ( 女でない ) または 1( 女でない ) をとる 女 の新しい変数に分ければよい. ただし, 男でなければ女であることが明らかなように, 男 か 女 のどちらかひとつの変数で 性別 を過不足なく表すことができる. 一般に, 種類の値をとりうるデータは個の または 1 をとる変数で表現することができる. 表 2.2 量的データと質的データの例 量的データ 質的データ 気温, 湿度, 従業員数, 客動員数, 売上金額, 売場面積, 性別, 曜日, セールを行うかどうか, 満足度の 5 段階評価, 4

9 表 2.3 質的データの変換 性別 男 女 女 1 男 決定係数 回帰分析により得られたモデルについて, データとのあてはまりのよさを知る指標とし て決定係数 (R 二乗値 ) がある. 次の恒等式 ( ) ( ) ( ) (2.13) は, 平均からのデータのばらつきがモデルで説明できる部分の平方和と, 説明しきれない 部分 ( 誤差 ) の平方和に分けられることが示されている. ここで は, によるの 予測値である. 決定係数 できる部分の割合を表し, は, 平均からのデータのばらつきのうち, モデルにより説明 ( ) ( ) (2.14) ( ) ( ) で定義される. よって, この値が 1 に近いほどモデルのあてはまりがよいと解釈できる. 5

10 第 3 章時系列モデル 本章では時系列モデルについて説明する. 3.1 時系列データ 時刻の経過に則して観測されたデータを時系列 ( あるいは時系列データ ) という. 時系列について, 統計的な性質が時刻により変化しないものを定常的であるといい, 図 3.1 のように系列の平均値が変化するものや, 図 3.2 のように分散が変化するものを非定常的であるという. 表 3.1 のような時系列が与えられたとき, その定常性を仮定すると, 期待値 と分散 は時刻によらず一定である. すなわち, (3.1) と表せる. また, との自己共分散 および自己相関係数 ( ) は, ラグの大きさにのみ依存する. それぞれを (3.2) で表すとする. ここで, とのあいだには, 次の関係 (3.3) が成り立つ. 図 3.1 平均値が変化する例 図 3.2 分散が変化する例 6

11 表 3.1 サンプルデータ 時刻 1 2 観測データ 3.2 定常的な時系列に対するモデル 一変量自己回帰モデル 自己回帰モデル前節と同様に表 3.1 の定常的な時系列が与えられたとする. が, これまでに観測された期前までのデータを用いて (3.4) と表されるとき, これを次の自己回帰モデル (Autoregressive model) といい,AR と記す. ここで, は期待値がゼロ, 分散が一定であるホワイトノイズを表し, 次の性質をもつ. { (3.5) さらにここで, を仮定する. もし時系列について ならば, とする新しい時系列について考えることで, となる. したがって, 以降定常的な時系列については, とする. このとき, 式 (3.4) の適切なパラメタを求めたい. そのためにまず, 式 (3.4) の両辺にそれぞれをかけると (3.6) 7

12 となり, それぞれ期待値をとると (3.7) となる. ここで,,* +* +-, - の関係 を用いている. 式 (3.7) の第 1 式以外のものについて, 自己相関係数の関係式 (3.8) を連立方程式として解くことで, パラメタの推定値 を得る. また, となるようなラグをとるオペレータを導入すると, 式 (3.4) は (3.9) と表すことができる. 移動平均モデル AR(1) を考える.AR(1) は で表されるが, 以降についても次々と代入を行っていくことで, (3.1) (3.11) のように, 無限項からなるホワイトノイズの線形和で表すことができる. この式を期前までで打ち切ったもの (3.12) を次の移動平均モデル (Moving Average model) といい,MA で記す. 式 (3.9) と同様の形式で表すと (3.13) となる. このときの適切なパラメタについても, 式 (3.6) から式 (3.8) までのものと同様の手順を踏むことで, 方程式を立てることができる. まず, 式 (3.12) の両辺にそれぞれをかけると (3.14) 8

13 となり, それぞれ期待値をとると (3.15) となる. 式 (3.15) の第 1 式以外のものについて, 自己相関係数の関係式 (3.16) を連立方程式として解くことで, パラメタの推定値 を得る. 自己回帰移動平均モデル AR および MA をふまえると, 定常的な時系列は (3.17) と表すことができる. これを 次の自己回帰移動平均モデル (Autoregressive Moving Average model) といい,ARMA と記す. このときの適切なパラメタについても, 式 (3.6) から式 (3.8) までと同様の手順を踏むことで, 方程式を立てることができる. 一般に, ARMA の場合における式 (3.7) および式 (3.15) に対応する方程式は複雑な構造をしており, (3.18) で表される. 9

14 3.2.2 多変量自己回帰モデル 表 3.2 のような個の変量からなる定常的な時系列について, 自己回帰モデルを 考える. まず, 時系列と係数行列, ホワイトノイズを (3.19) と定義する. すると, この自己回帰モデルは一変量のときと同様に (3.2) と表される. これを多変量自己回帰モデル (Vector AR model,multivariate AR model) と いう. ホワイトノイズ について, 次の性質をもつ. ( + (3.21) ただし は対称行列である. 時系列 と の自己共分散行列 に関して, (, - [ ] ) [ ] [ ] (3.22) (, - [ ] ) [ ] [ ] である. このときの適切なパラメタを求めたい. 1

15 表 3.2 サンプルデータ 時刻 1 2 観測データ まず, 式 (3.2) より *( ) + (3.23), -, - であるから, 式 (3.21) より (3.24) となる. 式 (3.24) の について (3.25) となるので, これを連立方程式として解くことで, パラメタの推定値 を得る. 3.3 非定常的な時系列に対するモデル 自己回帰和分移動平均モデル 図 3.1 のように, 系列の平均値が時刻により変化するとき, 各系列の階差に注目すれば 定常的であると見なせることがある. 図 3.3 から図 3.5 までに, 非定常的な時系列が階差 11

16 図 3.3 非定常的な時系列図 階の階差図 階の階差 をとっていくごとに定常的なものに近づいていく例を示した. いま, ラグをとるオペレータを用いると, 時系列の 1 階の階差は で表されるので, 階差を回とったときに定常的であるような, 非定常的な時系列のモデルは (3.26) で表される. これを 次の自己回帰和分移動平均モデル (Autoregressive Integrated Moving Average model) といい,ARIMA と記す. とする新しい時系列を考えれば, 式 (3.26) は ARMA と一致する. したがって, 式 (3.18) と同様にしてパラメタを推定することができる 季節自己回帰和分移動平均モデル 例えば, あるチョコレート会社におけるチョコレートの月次売上のデータが, 今年 1 月分まで手元にあるとする. チョコレートは, 年間を通してバレンタインデーを含む 2 月にもっとも売上が伸びることはよく知られている. 手元にある売上データから今年 2 月の売上を予測するとき,1 月,12 月,11 月, の売上の推移を見るのが, これまでの時系列モデルであったが, 去年の 2 月, おととしの 2 月, の売上の推移をふまえることも妥当である. 時系列において, 時間単位に関する明らかな周期的変動 ( 例えば, 月次データであれば 12 ヶ月, 日次データであれば 7 日を 1 サイクルとする変動 ) が見られる場合, その差分や自己回帰, 移動平均を考慮したモデルは (3.27) で表される. ただし, は周期の長さ, はそれぞれ非周期部分の自己回帰の次数, 階差の次数, 移動平均の次数, はそれぞれ周期部分の自己回帰の次数, 階差の次数, 12

17 移動平均の次数を表す. 式 (3.27) を季節自己回帰和分移動平均モデル (Seasonal Autoregressive Integrated Moving Average model) といい,SARIMA と記す. このモデルは, 次の変換 (3.28) を行うと ARMA と一致するため, パラメタを推定することができる. 3.4 赤池情報量基準 (AIC) (3.31) 時系列モデルでは, 過去の何期前までデータを用いるかの判断が必要である. モデルの あてはまりのよさの指標である決定係数については前章で触れたが, 決定係数には, 説明 変数を単に増やすだけで, あてはまりが見かけ上よくなるという問題点を抱えている. こ こでは, モデルのあてはまりのよさに対する別の指標である赤池情報量基準 (AIC) につい て述べる. まず, 尤度について説明する. データ の背景にある確率分布について, 未知のパラメ タを, 確率密度関数を とするとき, データの尤度は (3.29) で表される. 統計学においては, 尤度を最大にするパラメタが, 真のモデルにもっとも近 いと考え, このときのパラメタ を最尤推定量という. 式を扱いやすくするために, その 対数をとったものが対数尤度であり, (3.3) で表される. ここで, データが正規分布にしたがうと仮定すれば, データ はある一定の 分散 で与えられる誤差を含み, 期待値が で観測されるから, この確率密度関数 は ( ( ) ) ( ) となる. いま, パラメタの推定値が得られたとき,AIC は ( ) ( 尤度のパラメタ数 ) (3.32) 13

18 で表される. この値は, 尤度が高いほど小さくなるが, データを表現するパラメタが多く なると大きくなっていく. よって, なるべく尐ないパラメタで効率よくデータを表現する モデルがよいという考え方を反映している. 重回帰モデルに対する AIC まず重回帰モデル (2.9) に対する AIC について述べる. 与えられたデータについて正規分布を仮定しているので, 式 (3.3), 式 (3.31) より対数尤度は (3.33) となる. 最尤推定量を求めるには, 次の連立方程式 を解けばよい. これを解くと, { (3.34), ( ) ( ) (3.35) となり, このときの最大対数尤度は ( ) (3.36) となる. 尤度に対するパラメタはの 個であるので,AIC は ( * となる. 第 3 項はモデルによらない定数なので, 省略される. (3.37) 時系列モデルに対する AIC AR (3.4) に対する対数尤度は ( ) (3.38) であり, 最大対数尤度は となるので,AR に対する AIC は ( ) (3.39) 14

19 (3.4) と表される.AR 以外の定常的な時系列に対するモデル MA,ARMA( AR に対しては, それぞれ と表される. ( 変量 ) ), 変量 (3.41) 15

20 第 4 章モデリングと予測シミュレーション 本章では, 使用するデータについて述べ, その後モデリングを行う. さらに作成したモ デルをもとに, 将来および過去の消費電力量を予測するシミュレーションを行う. 4.1 中央大学後楽園キャンパス 5 号館 中央大学後楽園キャンパスにおける主な建物には,1 号館から 6 号館までの 6 棟と 8 号館 ( 附属高校校舎 ) の計 7 棟があり, なかでも 5 号館は授業や昼食で多くの学生が利用する建物である.5 号館地下 1 階には生協と食堂があり, 昼のピーク時には学生で溢れ返る.1 階から 3 階までには全部で 27 部屋計 23 平方メートルの実験室および準備室,41 部屋計 8 平方メートルの研究室,14 部屋計 28 平方メートルの教室があり, 履修人数の多い科目の授業の大半がこれらの教室で行われる. そして 4, 5 階は保健体育教員室と吹抜けのアリーナ,2 つの大教室からなっている.5 号館の消費電力量の内訳は, 各部屋の照明およびコンピュータ機器や, 生協の冷蔵庫, 食堂の冷蔵庫および調理器具のほか, まわりの建物を含む, 空調をはじめとした設備の動力である. それぞれについての計測データは存在しないので,( データから得られる ) 間接的な要因により電力使用量を分析する. 4.2 使用するデータ 今回使用するデータを表 4.1 にまとめた. 観測期間はいずれも 21 年 4 月 1 日から 211 年 3 月 31 日までの計 365 日間である. 表 4.2 に使用するデータの一部を記し, 図 4.1 から図 4.9 までにデータ全体をグラフで示す. ただし, 図 4.7 から図 4.9 までについては質的データのグラフであるので, 数値の種類にのみ意味があり, 数値の大きさには意味がない. 横軸はいずれも日付であり,21 年 4 月 1 日から 1 日刻みで 211 年 3 月 31 日まである. それぞれの縦軸の表すものと単位は表 4.1 のとおりである. なお, 変数 電力量 は後楽園キャンパスにおける 21 年度の 受変電日報 より抜粋しまとめたものである. この日報には 1 時間ごとの計測値が記録されており,24 時間の合計値をとり, データとして使用する.21 年 12 月 17 日の 7 時から 19 時までのあいだは, 全館停電日によりデータが欠損している. よって, この日のデータについては, 電力量 は停電時間外に観測された 12 時間のデータの合計値とした. 変数 気温 湿度 降水 風速 日照 は気象庁の統計データ [9] にもとづいている. 変数 空調 は 21 年度に管財課が発行した 後楽園キャンパス空調運転予定表 にもとづいている. ただし, と 16

21 くに行事のない日曜日 ( 行事 が, 1, 2, 3 かつ 曜日 が ) においては空調が使用できないため, その日は停止運転 ( 空調 は である ) とする. 変数 行事 は 21 年度講義要項における 授業実施確認表 にもとづいている. ただし, 夏休みおよび冬休み前後の休業日 (21 年 8 月 5 日,8 月 6 日,9 月 19 日,12 月 26 日, 211 年 1 月 6 日,1 月 7 日 ) は, 休業日 ( 行事 は である ) と表記されているが, それぞれ長期休業期間内である ( 行事 は 1 または 3 である ) と仮定した. 表 4.1 使用するデータの説明 変数 分類 説明 ( カッコ内は単位 ) 電力量 量 5 号館の 1 日の消費電力量 [kwh] 気温 量 1 日の平均気温 [ ] 湿度 量 1 日の平均湿度 [%] 降水 量 1 日の降水量 [mm] 風力 量 1 日の平均風速 [m/s] 日照 量 1 日の日照時間 [h] 曜日 質 その日の曜日を表す ; : 日曜日,1: 月曜日,2: 火曜日,3: 水曜日, 4: 木曜日,5: 金曜日,6: 土曜日 空調 質 その日の空調運転を表す ; : 停止運転,1: 換気運転,2: 暖房運転, 3: 冷房運転 行事 質 その日の授業の有無および行事などを表す ; : 休業日,1: 冬休み,2: 春休み, 3: 夏休み, 4: 試験期間,5: 授業日,6: 入試期間,7: 他 表 4.2 使用するデータの一部 日付 電力量 気温 湿度 降水 風速 日照 曜日 空調 行事 4/ / / / / /

22 16 8 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 年度の消費電力量 [kwh] のグラフ /1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 年度の 1 日の平均気温 [ ] のグラフ /1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 年度の 1 日の平均湿度 [%] のグラフ /1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 年度の 1 日の降水量 [mm] のグラフ /1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 年度の 1 日の平均風速 [m/s] のグラフ /1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 年度の 1 日の日照時間 [h] のグラフ 18

23 6 3 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/ 図 年度の曜日のグラフ 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 年度の空調運転方式のグラフ 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 年度の行事のグラフ 図 4.1 のグラフにおいて, ひと月あたりに 4,5 回現れる 谷 は, 日曜日の 電力量 の値であり, 前後の平日との差を見ると約 4 から約 8 キロワット時あり, 日曜日とそれ以外の曜日では消費電力量がかなり異なる.1 週間を周期としたこの 山 の高さは, 時期により尐しずつ変化し, 夏季においては高く, 冬季においては低い傾向がある. このことは, 学生の活動に関する電気設備にかかる負荷がとくに夏季において大きくなることを示していると考えられる 号館の消費電力量モデル ここでは,4.2 節で示したデータをもとに, 実際にモデリングを行う. まず 節では, 要因となりうる変数群から, 消費電力量と関連のある変数のみを残して重回帰モデルで表すことを考える. そのために, あらかじめ消費電力量と各変数の関連の強さを計算し, 要因としての優先度を与える. そして, 優先度の低いものから省いていき, そのつどモデリングを行ったときの AIC を求め, 最適なところで省くのをやめる. 続く 項では, 要因では説明しきれなかった残りの部分について, 時系列モデルで表すことを考え, モデリングを行う. 消費電力量を 2 つのモデルを用いて表すことについていえば, 重回帰モデルで表される部分は, 目的変数である消費電力量の要因が明らかであるため, 削減のための対策が立てやすくなる. 一方, 時系列モデルで表される部分については, この特性ははっきりとして 19

24 おり, 制御も可能であるが, この原因には別途解明が必要である. 現段階においてはデータが不足しているため, この内容を明らかにすることはできない. とはいえ, 要因を変化させるような節電対策の効果予測には, 時系列モデルは十分に役立っているといえる. なお, モデルのパラメタの推定には統計解析ソフト SPSS Statistics Version 19 [8] を用いた 要因に着目したモデリング まず, それぞれの変数間の関係を調べるために相関係数を計算した. この結果を表 4.3 に示す. ここで,5% 水準で有意に満たないもの ( 統計的に見て, その値の期待値が尐なくともゼロではない確率が 95% 以下のもの ) は青字で記してある. これによると, 電力量 に対して, 空調 行事 はそれぞれ相関があり, 気温 は弱い相関があり, 湿度 曜日 はそれぞれかなり弱い相関があることがわかった. しかし 降水 風速 日照 はいずれも直接的な相関関係はなかった. 気温 については, この変数は 電力量 以外にも, 湿度 と正の相関があり, 空調 とも相関があった. 湿度との相関関係については, 気温が上昇し飽和水蒸気量が上がることで湿度が下がるといった効果よりも, 平均気温の高い時期 ( 夏季 ) は平均湿度が高く ( 蒸し暑い ), 平均気温の低い時期 ( 冬季 ) は平均湿度が低い ( 乾燥している ) という効果のほうが大きいことを示している. 空調運転との相関関係についても同様に, 四季の変化によるものであると考えられる. 次に, 湿度 降水 日照 の 3 つの変数間の相関関係は 天気 にあることが考えられる.1 日のなかで悪天候が続くと日照時間が短く, 降水量が大きくなるために 1 日の平均湿度が大きくなる. 一方晴天が続くと日照時間が長く, 降水量が小さくなるために 1 日の平均湿度が小さくなる. 次に, 曜日 と 行事 の 2 つの変数の弱い相関関係については, 毎週日曜日が休業日であるという部分に相関関係が現れたものだと考えられる. 実際, データから日曜日の系列をすべて除いたものについて改めて相関係数を求めると,.35 から -.1 へ変化した. なお, 風速 については, どの要因とも相関が弱く, 間接的にも 電力量 に影響を与えていないと考えられる. 以上をふまえて, 表 4.4 に示す 6 つのモデルを考えた. このそれぞれのモデルに対する決定係数および AIC の計算結果を表 4.5 に示す. ただし 天気 は 湿度 降水 日照 の 3 つの変数について主成分分析を行い取り出した第 1 主成分であり, 事前に 天気 湿度 ( 湿度 ) ( 湿度 ) 降水 ( 降水 ) ( 降水 ) 日照 ( 日照 ) ( 日照 ) (4.1) という結果を得た. 2

25 表 4.3 相関係数 電力量 気温 湿度 降水 風速 日照 曜日 空調 行事 電力量 気温 湿度 降水 風速 日照 曜日 空調 行事 1. 表 つのモデル モデル 目的変数 説明変数 1 電力量 気温, 湿度, 降水, 風速, 日照, 曜日, 空調, 行事 2 電力量 気温, 天気, 曜日, 空調, 行事 3 電力量 気温, 湿度, 曜日, 空調, 行事 4 電力量 気温, 曜日, 空調, 行事 5 電力量 気温, 空調, 行事 6 電力量 空調, 行事 表 つのモデルに対する決定係数および AIC モデル パラメタ数 決定係数 AIC

26 表 4.5 の結果によると,6 つのモデルのなかでは, 決定係数の性質上パラメタ数の多いモデル 1 がもっともよくデータを表しているが, モデル 2, モデル 3, とパラメタを減らしていっても決定係数はほとんど変化しないため, その結果 AIC は改善していった. しかし, 変数 曜日 を省いたとき決定係数は大きく下がり出し, その結果, モデル 5, モデル 6 に関しては AIC が悪化した. したがって, 以下では, モデル 4 をさらに詳しく分析する. モデル 4 について, そのパラメタ推定値 ( 係数 ) および変数のスケールをそろえた場合のパラメタ推定値 ( 標準化 ) を表 4.6 に示し, このモデルにより得られた消費電力量の予測値と実測値の比較を図 4.1 および図 4.11 に示す. ここで, 表 4.6 において 5% 水準で有意に満たないものは青字で記してある. この表を見ると, 冷房および暖房の標準化相関係数が高かったことから, 要因としてもっとも影響のあるのは 空調 であるとわかる. また 曜日 について日曜の係数は. を仮定しており, 土曜のほうがやや小さい負の係数を示しているが, これは 電力量 のグラフに現れる 谷 が 曜日 の影響ではなく, 空調 が停止運転であることと 行事 が休業日であることに大きく影響されるためであると考えられる. さらに表 4.6 より予測値を占める要因の割合を求めることができる. この結果を図 4.12 および図 4.13 に示す. 表 4.6 モデル 4 の係数 変数 係数 標準化 変数 係数 標準化 定数 曜日 月曜 気温 火曜 行事 冬休 水曜 春休 木曜 夏休 金曜 試験 土曜 授業 空調 換気 入試 暖房 他 冷房

27 実測値予測値 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 図 4.1 電力量の実測値と予測値の比較 ( 前半 ) 実測値予測値 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 4.11 電力量の実測値と予測値の比較 ( 後半 ) 気温 曜日 行事 空調 定数 実測値 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 図 4.12 要因の占める割合 ( 前半 ) 気温 曜日 行事 空調 定数 実測値 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 4.13 要因の占める割合 ( 後半 ) 23

28 図 4.12 および図 4.13 を見ると, 電力量 の成分である 1 週間の周期をもつ波形を, 説明変数 気温 曜日 行事 がうまく追いかけており, 電力量 の年間にわたる緩やかな平均値の変化を, 説明変数 行事 空調 がおおよそ追いかけていることがわかる. またこれにより, 時期ごとの消費電力量に占める要因の割合が異なることもわかる. 例えば空調の冷房運転期間 (5 月第 3 週から 9 月末まで ) において, 電力量 の約 2% が 気温 によるものであり, これとは反対に, 暖房運転期間 ( 冬休みを除いた 11 月第 3 週から 3 月末まで ) においては, 気温 によるところが尐ない. よって, 夏季において高い気温に対する消費電力行動を我慢すると消費電力量を削減することができるが, 削減量が 2% を超えることはない. 一方, 冬季は寒いのを我慢しても省エネの効果は得にくいと考えられる. しかし, このモデルでは細かい部分でうまく表せていないところがある. まず, 図 4.1 を見ると 4 月の予測値は実測値のピークをとらえていない. これは 4 月が年度の切替え時期であり, 履修科目の確定していない学生がいたり, 教科書販売, サークルの勧誘活動等 4 月特有のイベントがあったりするように, キャンパス内の学生の行動がまだ習慣化していないことが原因であると考えられる. 次に,5 月の第 3 週から 8 月あたまの夏休みに入るまでの冷房運転期間を見てみると, 実測値における週のピークが時間をかけてだんだん高くなっていることがわかるが, 予測値ではその部分の感度が悪い. これは 気温 がパラメタ推定値よりもっと大きい値をとるべき可能性を示している. しかし, この期間以外の実測値を見てみると, ピークがあまり変化しないことから, 夏季ほど気温が大きな要因となっていないとわかる. よって夏季とそれ以外の季節とのバランスをとっているので, 夏季の週のピークをうまくとらえきれていないのだと考えられる. また, 図 4.11 において, 入試期間の終わる 2 月の第 4 週から春休みが始まる 3 月末までの期間についても, 目的変数 電力量 の平均値の変化をとらえられていない. これも上記の 5 月の第 3 週から 8 月 4 日までの冷房運転期間と同様のことが原因であるとも考えられるが, むしろ 3 月 11 日の震災発生を境に登校を控える学生が多くいたことが主な原因であると考えられる 残差に着目したモデリング 節における実測値とモデル 4 の違いを明確にするために, 実測値から予測値を引いた残りをグラフで表したものを図 4.14 および図 4.15 に示す. この図によると,5 月から 6 月までの期間と 9 月から 12 月までの期間においてモデルのあてはまりが比較的よく, それ以外の期間では, ばらつきが大きいことがわかる. このグラフは, 消費電力量のうち 気温 曜日 空調 行事 では説明することのできなかった残りを表し, 時期 ( 時刻 ) に依存したモデルの誤差の大きさ, あるいは要因として分解できない変量であるととらえることができる. よって, 消費電力量を, 気温 曜日 空調 行事 の 4 つの要 24

29 誤差 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 図 4.14 重回帰モデルによる残差 ( 前半 ) 8 誤差 /1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 4.15 重回帰モデルによる残差 ( 後半 ) 因からなる重回帰モデルで表し, このモデルによる 残差 を時系列モデルで表すことを考えていく. 図 4.14 および図 4.15 を見ると 残差 がゼロのまわりで変化しているので, この時系列モデルは, 階差およびをゼロとおいた季節自己回帰和分移動平均モデル, すなわち SARIMA であると仮定する. したがって, 時刻における 電力量 の実測値を ( 電力量 ) で表し, 電力量 を占める要因の大きさを ( 要因 ) で表すとすると, 電力量 を表す新しいモデルとして ( 電力量 ) ( 定数 ) ( 気温 ) ( 曜日 ) ( 空調 ) ( 行事 ) ( 残差 ) (4.2) ( 残差 ) を考える. ここで,( 残差 ) は 残差 が SARIMA にしたがうことを表す. モデルの最適な自己回帰の次数および移動平均の次数を決めるために, モデル 4 で得られた 残差 について, その自己相関係数および偏自己相関係数を図 4.16 および図 4.17 に示す. これらの図は, 横軸にラグの大きさ, 縦軸にそれぞれ自己相関係数および偏自己相関係数をとったものである. なお, 偏自己相関係数は, 時系列との自己相関係数のうちによる影響をとりのぞいた相関係数であり, 式 (3.8) と同じ式で与えられる方程式の解そのものである. この図を見ると, 残差 は 1 時点前の値ととくに相関関係が強く, ラグが大きくなるにつれて相関関係は弱くなっていくことがわかる. これは, 残差 が最近の過去の実績により推 25

30 1. 1. 自己相関係数 r k 偏自己相関係数 r' k ラグ k 図 4.16 残差の自己相関係数 -1. ラグ k 図 4.17 残差の偏自己相関係数 定できることを示している. よって 残差 の次数は低いと見当をつけることができる. そこで, まずは表 4.7 に示すモデル間の決定係数を比較し, パラメタ数ごとにもっとも決定係数の高かったモデルを選択する. 図中の太字は, 選択したモデルを表す. さらに選択したモデル間の AIC を比較したものを表 4.8 に示す. このなかでもっとも AIC の小さいモデルを採用する. 採用されたモデルについて, そのパラメタ推定値 ( 係数 ) および変数のスケールをそろえた場合のパラメタ推定値 ( 標準化 ) を表 4.9 に示し, このモデルにより得られた消費電力量の予測値と実測値の比較を図 4.18 および図 4.19 に示す. ここで, 表 4.9 において 5% 水準で有意に満たないものは青字で記してある. 表 4.9 により得られた係数により, 重回帰残差の自己相関性を考慮した消費電力量モデルは ( 電力量 ) ( 気温 ) ( 曜日 ) ( 空調 ) ( 行事 ) ( 残差 ) ( 残差 ) ( 残差 ) ( ノイズ ) ( 気温 ) ( 日の平均気温 ) ( 日曜日のとき ) ( 月曜日のとき ) ( 火曜日のとき ) ( 曜日 ) ( 水曜日のとき ) ( 木曜日のとき ) (4.3) ( 金曜日のとき ) { ( 土曜日のとき ) } ( 停止運転のとき ) ( 空調 ) - ( 換気運転のとき ) ( 暖房運転のとき ) { ( 日曜運転のとき ) } 26

31 ( 休業日のとき ) - ( 冬休みのとき ) - ( 春休みのとき ) ( 夏休みのとき ) ( 行事 ) ( 試験期間のとき ) ( 授業日のとき ) ( 入試期間のとき ) { ( 他の行事のとき ) } と表すことができ, 消費電力量の推定値は ( 電力量推定値 ) ( 気温 ) ( 曜日 ) ( 空調 ) ( 行事 ) (4.4) ( 残差 ) ( ノイズ ) により求められる. さらに表 4.9 より予測値を占める要因の割合を求めることができる. この結果を図 4.2 および図 4.21 に示す. この図の凡例である 1 次 は 1 次の自己回帰成分と移動平均成分の和を表し, 2 次 は 2 次の自己回帰成分と移動平均成分の和を表している. 表 4.7 決定係数による最適なモデル候補を決めるための比較 AR,MA 次数パラメ 決定 AR,MA 次数パラメ 決定 AR,MA 次数パラメ 決定 p q P Q タ数 係数 p q P Q タ数 係数 p q P Q タ数 係数

32 表 4.8 AIC による最適なモデルを決めるための比較 AR,MA 次数 p q P Q パラメタ数 決定係数 AIC 表 4.9 採用したモデルの係数 変数 係数 標準化 変数 係数 標準化 AR ラグ 1.3 MA ラグ ラグ 2.8 ラグ 2.45 定数 曜日 月曜 気温 火曜 行事 冬休 水曜 春休 木曜 夏休 金曜 試験 土曜 授業 空調 換気 入試 暖房 他 冷房

33 実測値予測値 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 図 4.18 電力量の実測値と予測値の比較 ( 前半 ) 実測値予測値 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 4.19 電力量の実測値と予測値の比較 ( 後半 ) 気温 曜日 行事 空調 1 次 2 次 定数 実測値 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 図 4.2 要因の占める割合 ( 前半 ) 気温 曜日 行事 空調 1 次 2 次 定数 実測値 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 4.21 要因の占める割合 ( 後半 ) 29

34 表 4.8 で決定係数が向上したことからもわかるように, 図 4.1 および図 4.11, そして, 図 4.18 および図 4.19 を比較すると, モデルのあてはまりがさらによくなったことがわかる 節の重回帰モデル ( 図 4.1 および図 4.11 の赤実線 ) でうまく表せていなかった 4 月の年度切替えの期間,5 月の第 3 週から 8 月あたまの夏休みに入るまでの冷房運転期間,2 月の第 4 週から春休みが始まる 3 月末までの期間を見てみると, 改善した様子がよくわかる. 図 4.2 および図 4.21 を見ると,1 週間の周期をもつ 山 の部分を 気温 曜日 空調 行事 の和で表し, 山 が立つ土台となる部分を 定数 1 次 2 次 の和で表していることがわかる. また, 図 4.22 および図 4.23 に推定した ノイズ を示す. 図 4.14 および図 4.15 に示した重回帰モデルの残差と比較すると全体的に波形のふれが小さくなるため, 時系列モデルをとりいれた方が, うまく予測できていることがわかる. 図 4.24 および図 4.25 は ノイズ の自己相関係数と偏自己相関係数を表しているが, どのラグに対しても相関性が低くなっていることがわかるので, 電力量 の自己相関性をうまくモデルのなかに取り込むことができたと考えられる ノイズ 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 図 4.22 モデル (4.3) のノイズ ( 前半 ) 8 ノイズ /1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 4.23 モデル (4.3) のノイズ ( 後半 ) 3

35 自己相関係数 偏自己相関係数 ラグ 図 4.24 ノイズの自己相関係数 -1. ラグ 図 4.25 ノイズの偏自己相関係数 4.4 予測シミュレーション 4.3 節で得られたモデル (4.3) をもとに, 将来の消費電力量について完全な予測シミュレ ーションを行う. また, 過去の消費電力量について予測シミュレーションを行い, モデル (4.3) の検証を行う 完全な予測 21 年度のデータから推定したモデルの係数 ( 表 4.9) を用いて,211 年 4 月から 211 年 9 月までの半年間における 5 号館の消費電力量を予測する. 使用するデータは気象庁の統計データ (21 年 4 月 1 日から 21 年 9 月 3 日まで ) と 211 年度に発行 後楽園キャンパス空調運転予定表 にもとづいている.211 年 4 月以降のデータについては, 電力量 の時系列は推定値のみなので,21 年度とは 残差 および ノイズ を推定する方法が異なり, ( 残差推定値 ) ( 電力量 ) { ( 気温 ) ( 曜日 ) ( 空調 ) ( 行事 ) } ( ノイズ推定値 ) ( 電力量 ) ( 電力量推定値 ) 年月日から 年月 日まで および ( 残差推定値 ) ( 残差推定値 ) ( ノイズ推定値 ) ( ノイズ推定値 ) 年月日から 年月 日まで (4.5) (4.6) 31

36 年度 211 年度 8 4 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 図 4.26 モデル (4.3) による予測 で与えられる. これにより 211 年 4 月 1 日から 211 年 9 月 3 日まで逐次計算することができるが, 予測する期間において ノイズ をゼロとおいているので, 予測期間が長くなるにつれ, 残差 の効果もゼロに収束していく性質がある. この結果を図 4.26 に示す. 図中の赤実線は推定した 211 年度の消費電力量を表し, 赤点線は 95% の信頼区間, すなわち,95% の確率でこの上下区間内に実測値がおさまる幅を表す. 参考として,21 年度における消費電力量の実測値を黒実線で示す モデルの検証 ノイズをゼロとおいた場合モデル (4.3) の係数を用いて,29 年度における 5 号館の消費電力量を予測する. 使用するデータは気象庁の統計データ (29 年度 ) および 29 年度の 受変電日報 にもとづいている.21 年 3 月以前の 残差 についてはこれまでのように, 過去の値から推定することができないので, ここでは後ろ向きの予測, すなわち, 翌日,2 日後, の値から今日の値を予測することを考える. 式 (4.2) に対応する式は ( 電力量 ) ( 定数 ) ( 気温 ) ( 曜日 ) ( 空調 ) ( 行事 ) ( 残差 ) (4.7) ( 残差 ) である.21 年度のデータをもとに 残差 の最適な次数およびパラメタを推定した結果, 29 年度における 残差 と ノイズ の推定するためのモデルとして ( 残差推定値 ) ( 残差推定値 ) ( ノイズ推定値 ) (4.8) ( ノイズ推定値 ) 年月日から年月日まで 32

37 16 12 実測値予測値 8 4 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 図 4.27 モデル (4.3) による予測値と実測値の比較 ( 前半 ) 実測値予測値 8 4 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 4.28 モデル (4.3) による予測値と実測値の比較 ( 後半 ) を得た. これにより 21 年 3 月 31 日から 1 日ずつ戻っていき 29 年 4 月 1 日まで逐次計算することができる. この結果を図 4.27 および図 4.28 に示す. 図中の赤実線は推定した 29 年度の消費電力量を表し, 黒実線は 29 年の実測値である. この図を見ると, 予測開始して半年間の 3 月 31 日から 1 月 1 日までの予測値は, 冬休み期間である年末年始を除いて, 波形の山のピークをうまくとらえている様子がわかる. しかし,21 年度予測における要因の占める割合を調べた ( 図 4.2 および図 4.21) 際に, 自己回帰および移動平均成分の大きかった 6 月から 8 月までについては, 図 4.27 からわかるとおり, 山のピークが大きくずれている. これは,29 年度予測ではノイズをゼロとして計算を続けたことによって, 自己回帰成分および移動平均成分の影響がほとんど現れなくなったためである. 上記期間を除いては, おおむねあてはまっているように見える. 決定係数は.733 である. ノイズを逐次更新した場合 29 年度のデータについては 電力量 の実測データが得られているので, 電力量 の推定値を ( 電力量推定値 ) ( 気温 ) ( 曜日 ) ( 空調 ) ( 行事 ) (4.9) ( 残差 ) ( ノイズ ) 33

38 により求め, 式 (4.5) と同様に ( 残差推定値 ) ( 電力量 ) { ( 気温 ) ( 曜日 ) ( 空調 ) ( 行事 ) } (4.1) ( ノイズ推定値 ) ( 電力量 ) ( 電力量推定値 ) 年月日から年月日までとして 残差 の推定値および ノイズ の推定値を計算していくことで, より精度の高い予測値を得ることができる. この結果を図 4.29 および図 4.3 に示す. 図中の赤実線は残差およびノイズを逐次更新しながら推定した 29 年度の消費電力量を表し, 黒実線は 29 年の実測値である. この図を見ると, 図 4.27 および図 4.28 では実現できなかった夏場のピークをうまく表している様子がわかる. 予測開始から 11 か月後である 4 月においても, 不規則な波形をとらえられている. 決定係数は, ノイズをゼロとおいたモデル (4.8) と比べ,.733 から.797 まで向上している. 21 年度のデータより得たモデル (4.3) は, 消費電力量の変動が比較的大きい時期や, ピークの安定しない時期については, つねに新しいデータを入手しながら 残差 ノイズ を更新する必要がとくにあるものの,21 年度以外の年度においてもうまく予測することができると考えられる.211 年度の予測に関しても,4 月 1 日からの消費電力量のデータを入手できれば, さらなる予測値の向上が期待できる 実測値予測値 8 4 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 図 4.29 モデル (4.3) によるノイズを修正した予測値と実測値の比較 ( 前半 ) 実測値予測値 8 4 1/1 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 図 4.3 モデル (4.3) によるノイズを修正した予測値と実測値の比較 ( 後半 ) 34

39 第 5 章授業時間の変更による節電対策 本章では, 前章で推定したモデルを用いて, 授業時間が 5 号館の消費電力量に与える影 響を調べる. さらに,4 つの節電対策を提案し, それらを比較検討する. 5.1 授業時間が消費電力量に与える影響 図 5.1 は 21 年 7 月 15 日 ( 木 ) の 24 時間における 1 時間ごとの気温および 5 号館ののべ授業時間の推移を表したものである. 木曜日は 5 号館において 6 限の授業がないので, 授業時間は 9 時から 18 時までに収まっている. この日の 2 限 (1 時 4 分から 12 時 1 分まで ) は 5 階にある大教室のひとつを除き, すべての教室が講義に使用されており,11 時台のピークとして図中に現れている. また,12 時については,1 時間のうち 5 分は昼休みを含んでいるので, 授業が行われず, グラフの谷として表れている. このグラフからわかるとおり, 授業時間のピークは, 太陽が昇り気温の高い時間帯に近い. 実際,21 年度の授業時間割は 2,3,4 限に集中し,1 限や 6 限があまり使われていない. 冷房を使う前期において, 気温の高い時間帯にとくに集中して授業を行い, 学生を登校させている現状は, 消費電力量を無駄に増加させており, その改善をはかることにより消費電力量を減らす可能性があると考えられる. このとき,(1) 暑さ ( 寒さ ) に対する不快さを抱えた学生人数が多くなるのに比例して,5 号館の消費電力量が大きくなること,(2) のべ授業時間と 5 号館にいる学生人数には強い相関関係があることの 2 つを仮定し, クラス分け授業の合併などにより授業時間を縮小したり電気設備等の使用を控えたりすることなく, 時間割の構成のみで消費電力量を削減することを目的とする. まずは, 気温を考慮した授業時間の分布が, その日 1 日の消費電力量にどのように影響するかを考える. 日付における時刻 ( 単位は [h] である ) に観測された気温を, 時から 時までの 5 号館におけるのべ授業時間を とするとき, この日における気温を考慮した授業時間を代表する値として, 累積加重授業時間を ( 累積加重授業時間 ) (5.1) と定義する. ここで, は, 寒暖分岐点とされる摂氏 18.3 度 ( 華氏 65 度 ) を授業時間に対する重みゼロとして, この気温から何度離れているかを重みとしている. 暖房が必要な寒いときや冷房が必要な暑いときに授業が多いと, 累積加重授業時間の値は大きくなる. 35

40 授業時間 [h] 気温 [ ] 2 15 授業時間 気温 時刻 24 図 年 7 月 15 日の授業時間と気温の推移 累積加重授業時間と消費電力量の関係を推定するために,21 年 4 月から 211 年 3 月までの 365 日間のうち, 行事 が授業日である 168 日間のデータを使用する. さらに 空調 の運転方式をもとに 168 日間を 4 つの区間 春季 ( 換気運転 ):4 月 9 日から 5 月 15 日までの 28 日間 夏季 ( 冷房運転 ):5 月 16 日から 9 月 3 日までの 66 日間 秋季 ( 換気運転 ):1 月 1 日から 11 月 15 日までの 34 日間 冬季 ( 暖房運転 ):11 月 16 日から 1 月 18 日までの 4 日間に分ける.4 章で求めたとおり ( 図 4.2 および図 4.21), それぞれの区間ごとに 行事 空調 の与える影響の大きさは一定であり, 消費電力量の変動の主な要因は 気温 曜日 であると考えられる. 前日, 前々日から影響される 残差 の部分については, 回帰モデルで抽出することはできないので, 消費電力量から 4 章で求めた 残差 成分を取り除く. この 残差 を取り除いた値を目的変数とし, 累積加重授業時間を説明変数とする, 区間に応じた 4 つの単回帰モデルで表す. これにより, それぞれの区間 ( 暑い時期, 寒い時期, 寒暖切替わりの時期 ) における, 気温を考慮した授業時間の影響を, 単回帰モデルの 傾き として得ることができる. 36

41 消費電力量 [kwh] 12 y = 1.94 x R ² =.56 9 y = 1.18 x R ² =.22 y = 2.27 x R ² =.46 6 y = 2.1 x R ² =.24 3 春季 夏季 秋季 冬季 累積加重授業時間 [ h] 図 5.2 累積加重授業時間と残差成分を除いた消費電力量のプロット 図 5.2 に累積加重授業時間と残差を除いた消費電力量に関する散布図を示す. 図中に上記区間ごとに色分けした計 168 日間のデータをプロットし, それぞれの区間に対する単回帰モデルをプロットと同様に色分けした直線として示す. この図によると, それぞれの区間における単回帰モデルは ( 消費電力量 ) ( 残差 ) ( 累積加重授業時間 ) 春季 ( 消費電力量 ) ( 残差 ) ( 累積加重授業時間 ) 夏季 (5.2) ( 消費電力量 ) ( 残差 ) ( 累積加重授業時間 ) 秋季 ( 消費電力量 ) ( 残差 ) ( 累積加重授業時間 ) 冬季となる. これにより得られた消費電力量の推定値と実測値の決定係数は.868 となった. また, 夏季では消費電力量が最低でも約 9 キロワット時は必要であり, 授業時間や過ごしやすい気温の条件により,( 残差を除いた )1 日の消費電力量が 9 から 115 キロワット時変動することがわかる. 春季については授業時間や過ごしやすい気温の条件により 6 から 9 キロワット時で変動することがわかる. 冬季については, 夏季と比べると累積加重授業時間に対する負荷が小さいので, 気温に鈍感であることがわかる. これに関連して, 気温による重みを考慮しない場合について述べる. 単純に授業時間の累積をとったものと, 残差を除いた消費電力量の散布図を図 5.3 に示す. 縦軸は図 5.2 と同様に残差を除いた消費電力使用量を表すが, 横軸は単純な累積授業時間を表す. この累積授業時間は,1 日ののべ授業時間を表すため, 授業の行われる曜日ごとに決まった値をとる. 37

42 消費電力量 [kwh] 12 y = 2.31 x R ² = y = x R ² =.55 y = x R ² =.47 y = x R ² =.28 春季夏季秋季冬季 累積授業時間 [h] 図 5.3 累積授業時間と残差成分を除いた消費電力量のプロット 図 5.3 を見ると, 秋季および冬季におけるあてはまりは比較的よいものの, 夏季および春季のあてはまりは悪い. このことは, 図 4.12 および図 4.13 で見たように, 冬季では気温による影響の大きさが小さい結果と関連していると考えられる. これにより得られた推定値と実測値の決定係数は.781 となった. 図 5.2 得られた累積加重授業時間を用いたモデル (5.2) と, 図 5.3 で得られた累積授業時間を用いたモデルでは, 消費電力量の推定に関して, 決定係数を比較すると前者のほうがあてはまりはよいが, これらのモデルについて単純に優劣を与えることは難しい. とはいえ, 本章においては, 暑さ ( 寒さ ) に対する不快さを抱えた学生人数が多くなるのに比例して,5 号館の消費電力量が大きくなることを仮定しているので, 節電効果のシミュレーションにおいては, 累積加重時間を用いたモデル (5.2) のほうを用いる. 5.2 節電対策のシミュレーション 5.1 節で得られた区間ごとの消費電力モデル (5.2) を用いて, 授業時間の変更を行ったと きに消費電力量がどのように変化するか, シミュレーションを行う. 38

43 授業時間 [h] 気温 [ ] 春季および夏季の授業 1 時間繰上げ策 まずは, 夏の時期は気温のピークである 14 時から, 授業時間のピークをずらすために, 春季および夏季の授業時間割を全体的に 1 時間繰上げる節電対策を考える. 時間割は従来通りなので, 方法としては単純であり, ただ 1 時間早く 1 限が開始し,6 限が終わるだけである. 図 5.4 に授業日のひとつである 21 年 7 月 15 日の例を示した. この授業 1 時間繰上げ策を行った場合の累積加重授業時間を計算し, これと式 (4.3) で求めた残差を式 (5.2) に代入して消費電力量を計算した結果を図 5.5 に示す. 図 5.5 は従来と授業 1 時間繰上げ策を比較した,5 号館消費電力量の度数分布であり, 例えば, 消費電力量が 5 から 6 キロワット時の区間に含まれる度数は, 従来と授業 1 時間繰上げ策のいずれも 168 日間のうち 11 日であることを示す. この結果より, 授業 1 時間繰上げ策による明確な節電効果は見られない. このことは, 授業時間の重みである気温が前後 1 時間で急激に変化することがなく, 授業時間を 1 時間早めたところで, 過ごしやすい気温になるわけではないと考えられる.1 時間早く来なければならなくなる学生の負担を考えると, むしろデメリットのほうが目立つといえる 従来繰上げ策気温 時刻 24 図 5.4 授業 1 時間繰上げ策による授業時間の変化 (21 年 7 月 15 日の例 ) 39

44 4~ 5~ 6~ 7~ 8~ 9~ 1~ 11~ 12~ 13~ 度数 従来繰上げ策 消費電力量 [kwh] 図 5.5 授業 1 時間繰上げ策による消費電力量の変化 春季および夏季の授業平均化策 次に, 春季および夏季の授業を各時限へ均等に配分できたと仮定し, 授業平均化策による節電の効果を推定する. 各時限の開始および終了時刻は従来のままである. 図 5.6 に授業日のひとつである 21 年 7 月 15 日の例を示した.5 号館における授業は 1 週間計で 282 コマ (423 時間 ) あるので,1 日の各時限において, のべ平均で 時間分の授業が行われているものとしてシミュレーションを行った. 実際の時間割構成を考えるのであれば, 別途スケジューリング計画を立てる必要がある. この授業平均化策を行った場合の比較を図 5.7 に示す. 図 5.7 を見ると, 消費電力量の分布に変化が現れたことがわかる.1 日 1 から 11 キロワット時の区間における度数が減尐し, 代わりにひとつ下の 9 から 1 キロワット時の区間における度数が増加している. これにより, 春季および夏季において消費電力量のピークを一部カットすることができたことがわかる. しかし,12 キロワット時以上の区間の度数は変化しなかった. 授業平均化策により, 授業の行われる 168 日間の消費電力量の平均は 8362 キロワット時から 8329 キロワット時へ,1 日あたり約 3 キロワット時減尐し, 最大値は キロワット時から キロワット時へ, 約 3 キロワット時カットされる. 4

45 4~ 5~ 6~ 7~ 8~ 9~ 1~ 11~ 12~ 13~ 度数 授業時間 [h] 気温 [ ] 2 15 従来平均化策気温 時刻 24 図 5.6 平均化策による授業時間の変化 (21 年 7 月 15 日の例 ) 従来平均化策 3 消費電力量 [kwh] 図 5.7 平均化策による消費電力量の変化 41

46 授業時間 [h] 気温 [ ] 春季および夏季の授業 3, 4 限カット策 春季および夏季の授業 3, 4 限カット策では, 春季および夏季の授業を均等に配分するが, 気温の高い時間帯である 3 限および 4 限には授業を割当てない. このときの節電効果を推定する. 各時限の開始および終了時刻は従来のままである. 図 5.8 に授業日のひとつである 21 年 7 月 15 日の例を示した. 前の例において 1 時限あたり 時間分の授業の割当てが生じるので,3 限および 4 限ののべ授業時間である 23.5 時間分は,1,2,5,6 限で均等に割当て直す. この 3, 4 限カット策を行った場合の比較を図 5.9 に示す. 図 5.9 においても図 5.7 同様, 消費電力量の分布に変化が現れた. 授業の行われる 168 日間の消費電力量の平均は 8362 キロワット時から 8318 キロワット時へ,1 日あたり約 4 キロワット時減尐し, 最大値は キロワット時から キロワット時へ, 約 4 キロワット時カットされる 従来カット策気温 時刻 24 図 5.8 カット策による授業時間の変化 (21 年 7 月 15 日の例 ) 42

47 4~ 5~ 6~ 7~ 8~ 9~ 1~ 11~ 12~ 13~ 度数 従来カット策 消費電力量 [kwh] 図 5.9 カット策による消費電力量の変化 授業動的割当て策 最後に,1 日ののべ授業時間を 47 コマ (7.5 時間 ) に固定し, 授業日である 168 日間す べてに対して, その日の気温の分布から累積加重授業時間をもっとも小さくするような授 業時間の割当て策を考える. この授業動的割当て策は, 気温を考慮した授業時間の節電効 果を最大限に生かした場合における消費電力量の削減量を想定しており, 授業時間の変更 による平均消費電力量の減尐およびピークカットの効果の上限が得られる. 5 号館における大教室を含めた全教室数が 16 部屋であることから,1 時限あたり 16 コマ を超えないように重み のもっとも小さいものを選び, 優先的に割当てる. 実際には, 授業の単位は 9 分であり, 時刻 に対応する重みとのずれが生じるが, ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) として授業時間の比をとることで, 時限ごとの気温を考慮した重みを求め, 優先順位とし た. 例えば 21 年 7 月 15 日では 43

48 授業時間 [h] 気温 [ ] ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) ( 限授業の重み ) となるため, 優先順位は 6 限 >5 限 >1 限である. したがって, この順に 16 コマ,16 コマ, 15 コマの授業を割当てる. 日ごとに時限の優先順位を求め, 授業を割当てるため, 授業時間は日ごとに異なるが, おおまかな傾向としては, 暑い日には朝と夕方に集中して授業を行い, 寒い日には昼過ぎに集中して授業を行う. 図 5.1 に授業を割当てた様子を示す. この割当て方法に基づき,168 日間に対して授業動的割当て策を行った場合の比較を図 5.11 に示す. この結果から, 授業動的割当て策の効果として, 平均値が 13 キロワット時 ( 平均消費電力量の 1.6% にあたる ) 減尐し, ピークの 48 キロワット時 ( 平均消費電力量の 5.7% にあたる ) だけカットされることがわかる. これは, 最大の変動幅が夏季約 25 キロワット時 ( 図 5.2 による ) であることをふまえると, その 2% を制御できたことになる 従来割当て策気温 時刻 24 図 5.1 割当て策による授業時間の変化 (21 年 7 月 15 日の例 ) 44

49 4~ 5~ 6~ 7~ 8~ 9~ 1~ 11~ 12~ 13~ 度数 6 51 従来 割当て策 消費電力量 [kwh] 図 5.11 割当て策による消費電力量の変化 つの節電対策の比較 表 5.1 に, これまでの 4 つの節電対策による消費電力量の変化を比較したものをまとめた. 授業 1 時間繰上げ策は, 消費電力量の平均およびピークの変化はほとんど見られず, 節電効果がない様子がわかる. 授業平均化策は, 従来から平均の変化はほとんどないものの, ピークは約 3 キロワット時 ( 平均消費電力量の 3.8% にあたる ) カットする.3,4 限カット策では, 平均を 5 キロワット時 ( 平均消費電力量の.6%) 減らし, 約 4 キロワット時 ( 平均消費電力量の 5.%) だけピークをカットする. 授業動的割当て策では, 消費電力量の平均を 13 キロワット時 ( 平均消費電力量の 1.6%) 減らし, ピークを約 48 キロワット時 ( 平均消費電力量の 5.7%) カットする. よって, 授業平均化策だとピークカットの最大効果をもつ動的割当て策の 63% にあたる効果があり,3, 4 限カット策だと 8% 強の効果があるということができる. 表 5.1 節電対策による消費電力量の変化の比較 平均 分散 標準偏差 最小値 25% 点 中央値 75% 点 最大値 従来 繰上げ策 平均化策 カット策 割当て策

50 第 6 章おわりに 6.1 まとめ 本研究では, 後楽園キャンパス 5 号館の消費電力量データに対して, 重回帰モデルおよび時系列モデルを組み合わせたモデルを提案した. モデルへのあてはめの結果としては, 87.8% のあてはまりのよさを実現した. また, 消費電力量の要因とその影響の大きさを明らかにし, 時期ごとに消費電力量を占める要因の割合が異なることを示した. さらに, 得られたモデルを用いて前後 1 年間の消費電力量の予測を行い, 過去 1 年間の予測シミュレーションにおいては,79.7% のあてはまりのよさを実現した. また, 授業の時間帯が消費電力量に与える影響を求め, 以下の 4 つの授業時間変更案 春季および夏季の授業時間 1 時間繰上げ策春季および夏季の授業時間平均化策春季および夏季の授業 3, 4 限カット策授業時間動的割当て策 を提案した. 各案を実行した場合についてシミュレーションを行った結果,3,4 限授業をカットする案によるピークカットの効果が, 優れていることがわかった. 6.2 今後の課題 今後の課題として, 次のことが挙げられる. 29 年度および 211 年度の消費電力量データを用いてモデリングを行う.21 年度における要因の分析だけでなく, それぞれのモデルを比較することで, 近年の要因の大きさの変化に対する傾向を読み取ることができると考えられる. 効率よくあてはまりを向上させる別の要因を探る. 要因間の相関関係が弱くなるような要因の選び方により, 消費電力量を分析することで, 要因の変化による消費電力量の変化をより精度よく推定することができると考えられる. 消費電力量の 24 時間の合計値ではなく,1 日におけるピーク時間帯の消費電力量を分析する. 消費電力量削減に関するもっとも重要なことのひとつに,1 日のピークをずらすことがある. よって,1 日のピークの要因を探ることで, 消費電力量を制御できるようになる可能性がある. シミュレーションにおいて影響を推定するためのデータ数を増やす. 46

51 シミュレーションにおける授業時間の重みづけとして, 気温以外の要因, 例えば教室の広さや湿度, 体感温度などを用いる. 授業時間以外で消費電力量を制御する要因を探る. 例えばキャンパス内のその他の建物の消費電力量や建物間の学生の動きを考慮することで,5 号館の消費電力実態をより深く分析できることが考えられる. 謝辞 本研究を進めるにあたり, 多くのご指導ご助言をいただいた中央大学理工学部情報工学科の田口東教授に心から感謝いたします. また, 多くのご助言, ご協力をいただいた中央大学理工学部管財課の新井勉氏, ならびに, 高松瑞代助教, 長野光氏をはじめとする田口研究室の皆様に心から感謝いたします. 参考文献 [1] 足立修一, システム同定の基礎, 東京電機大学出版局, 東京,21. [2] 石村貞夫,SPSS による時系列分析の手順, 東京図書, 東京,26. [3] 大村平, 多変量解析のはなし 複雑さから本質を探る, 日科技連出版社, 東京,26. [4] 大村平, 予測のはなし 未来を読むテクニック, 日科技連出版社, 東京,21. [5] 北川源四郎, 時系列解析プログラミング, 岩波書店, 東京,23. [6] 廣松毅, 浪花貞夫, 経済時系列分析, 朝倉書店, 東京,199. [7] 間瀬茂, 神保雅一, 鎌倉稔成, 金藤浩司, 工学のためのデータサイエンス入門 フリーな統計環境 R を用いたデータ解析, 数理工学社, 東京,27. [8] IBM, IBM SPSS Statistics,( オンライン ), 入手先 < software/jp/analytics/spss/products/statistics/>,( 参照 212 年 1 月 23 日 ). [9] 気象庁, 気象統計情報,( オンライン ), 入手先 < etrn/index.php>,( 参照 211 年 11 月 23 日 ). [1] 経済産業省, 家庭の節電対策メニュー,( オンライン ), 入手先 < go.jp/setsuden/211513taisaku/3.pdf>,( 参照 211 年 11 月 28 日 ). [11] 東京電力, 今夏の電力需給状況について,( オンライン ), 入手先 < co.jp/cc/press/betu11_j/images/11926b.pdf>,( 参照 211 年 11 月 28 日 ). [12] 内閣府, 阪神 淡路大震災の概要と被害状況,( オンライン ), 入手先 < bousai.go.jp/4fukkyu_fukkou/hanshin_awaji/11.pdf>,( 参照 211 年 11 月 28 日 ). 47

多変量解析 ~ 重回帰分析 ~ 2006 年 4 月 21 日 ( 金 ) 南慶典

多変量解析 ~ 重回帰分析 ~ 2006 年 4 月 21 日 ( 金 ) 南慶典 多変量解析 ~ 重回帰分析 ~ 2006 年 4 月 21 日 ( 金 ) 南慶典 重回帰分析とは? 重回帰分析とは複数の説明変数から目的変数との関係性を予測 評価説明変数 ( 数量データ ) は目的変数を説明するのに有効であるか得られた関係性より未知のデータの妥当性を判断する これを重回帰分析という つまり どんなことをするのか? 1 最小 2 乗法により重回帰モデルを想定 2 自由度調整済寄与率を求め

More information

スライド 1

スライド 1 データ解析特論重回帰分析編 2017 年 7 月 10 日 ( 月 )~ 情報エレクトロニクスコース横田孝義 1 ( 単 ) 回帰分析 単回帰分析では一つの従属変数 ( 目的変数 ) を 一つの独立変数 ( 説明変数 ) で予測する事を考える 具体的には y = a + bx という回帰直線 ( モデル ) でデータを代表させる このためにデータからこの回帰直線の切片 (a) と傾き (b) を最小

More information

1.民営化

1.民営化 参考資料 最小二乗法 数学的性質 経済統計分析 3 年度秋学期 回帰分析と最小二乗法 被説明変数 の動きを説明変数 の動きで説明 = 回帰分析 説明変数がつ 単回帰 説明変数がつ以上 重回帰 被説明変数 従属変数 係数 定数項傾き 説明変数 独立変数 残差... で説明できる部分 説明できない部分 説明できない部分が小さくなるように回帰式の係数 を推定する有力な方法 = 最小二乗法 最小二乗法による回帰の考え方

More information

Microsoft PowerPoint - e-stat(OLS).pptx

Microsoft PowerPoint - e-stat(OLS).pptx 経済統計学 ( 補足 ) 最小二乗法について 担当 : 小塚匡文 2015 年 11 月 19 日 ( 改訂版 ) 神戸大学経済学部 2015 年度後期開講授業 補足 : 最小二乗法 ( 単回帰分析 ) 1.( 単純 ) 回帰分析とは? 標本サイズTの2 変数 ( ここではXとY) のデータが存在 YをXで説明する回帰方程式を推定するための方法 Y: 被説明変数 ( または従属変数 ) X: 説明変数

More information

横浜市環境科学研究所

横浜市環境科学研究所 周期時系列の統計解析 単回帰分析 io 8 年 3 日 周期時系列に季節調整を行わないで単回帰分析を適用すると, 回帰係数には周期成分の影響が加わる. ここでは, 周期時系列をコサイン関数モデルで近似し単回帰分析によりモデルの回帰係数を求め, 周期成分の影響を検討した. また, その結果を気温時系列に当てはめ, 課題等について考察した. 気温時系列とコサイン関数モデル第 報の結果を利用するので, その一部を再掲する.

More information

スライド 1

スライド 1 データ解析特論第 10 回 ( 全 15 回 ) 2012 年 12 月 11 日 ( 火 ) 情報エレクトロニクス専攻横田孝義 1 終了 11/13 11/20 重回帰分析をしばらくやります 12/4 12/11 12/18 2 前回から回帰分析について学習しています 3 ( 単 ) 回帰分析 単回帰分析では一つの従属変数 ( 目的変数 ) を 一つの独立変数 ( 説明変数 ) で予測する事を考える

More information

13章 回帰分析

13章 回帰分析 単回帰分析 つ以上の変数についての関係を見る つの 目的 被説明 変数を その他の 説明 変数を使って 予測しようというものである 因果関係とは限らない ここで勉強すること 最小 乗法と回帰直線 決定係数とは何か? 最小 乗法と回帰直線 これまで 変数の間の関係の深さについて考えてきた 相関係数 ここでは 変数に役割を与え 一方の 説明 変数を用いて他方の 目的 被説明 変数を説明することを考える

More information

ファイナンスのための数学基礎 第1回 オリエンテーション、ベクトル

ファイナンスのための数学基礎 第1回 オリエンテーション、ベクトル 時系列分析 変量時系列モデルとその性質 担当 : 長倉大輔 ( ながくらだいすけ 時系列モデル 時系列モデルとは時系列データを生み出すメカニズムとなるものである これは実際には未知である 私たちにできるのは観測された時系列データからその背後にある時系列モデルを推測 推定するだけである 以下ではいくつかの代表的な時系列モデルを考察する 自己回帰モデル (Auoregressive Model もっとも頻繁に使われる時系列モデルは自己回帰モデル

More information

Microsoft Word - mstattext02.docx

Microsoft Word - mstattext02.docx 章重回帰分析 複数の変数で 1つの変数を予測するような手法を 重回帰分析 といいます 前の巻でところで述べた回帰分析は 1つの説明変数で目的変数を予測 ( 説明 ) する手法でしたが この説明変数が複数個になったと考えればよいでしょう 重回帰分析はこの予測式を与える分析手法です 以下の例を見て下さい 例 以下のデータ (Samples 重回帰分析 1.txt) をもとに体重を身長と胸囲の1 次関数で

More information

2. 時系列分析 プラットフォームの使用法 JMP の 時系列分析 プラットフォームでは 一変量の時系列に対する分析を行うことができます この章では JMP のサンプルデ ータを用いて このプラットフォームの使用法をご説明します JMP のメニューバーより [ ヘルプ ] > [ サンプルデータ ]

2. 時系列分析 プラットフォームの使用法 JMP の 時系列分析 プラットフォームでは 一変量の時系列に対する分析を行うことができます この章では JMP のサンプルデ ータを用いて このプラットフォームの使用法をご説明します JMP のメニューバーより [ ヘルプ ] > [ サンプルデータ ] JMP を用いた ARIMA モデルのあてはめ SAS Institute Japan 株式会社 JMP ジャパン事業部 2013 年 2 月作成 1. はじめに JMP の時系列分析では 一変量の時系列データに対する分析や予測を行うことができ 時系列データに対するグラフ表示 時系列モデルのあてはめ モデルの評価 予測まで 対話的に分析を実行することができます 時系列データにあてはめるモデルとしては

More information

データ解析

データ解析 データ解析 ( 前期 ) 最小二乗法 向井厚志 005 年度テキスト 0 データ解析 - 最小二乗法 - 目次 第 回 Σ の計算 第 回ヒストグラム 第 3 回平均と標準偏差 6 第 回誤差の伝播 8 第 5 回正規分布 0 第 6 回最尤性原理 第 7 回正規分布の 分布の幅 第 8 回最小二乗法 6 第 9 回最小二乗法の練習 8 第 0 回最小二乗法の推定誤差 0 第 回推定誤差の計算 第

More information

Microsoft Word - 補論3.2

Microsoft Word - 補論3.2 補論 3. 多変量 GARC モデル 07//6 新谷元嗣 藪友良 対数尤度関数 3 章 7 節では 変量の対数尤度を求めた ここでは多変量の場合 とくに 変量について対数尤度を求める 誤差項 は平均 0 で 次元の正規分布に従うとする 単純化のため 分散と共分散は時間を通じて一定としよう ( この仮定は後で変更される ) したがって ij から添え字 を除くことができる このとき と の尤度関数は

More information

Microsoft PowerPoint - 統計科学研究所_R_重回帰分析_変数選択_2.ppt

Microsoft PowerPoint - 統計科学研究所_R_重回帰分析_変数選択_2.ppt 重回帰分析 残差分析 変数選択 1 内容 重回帰分析 残差分析 歯の咬耗度データの分析 R で変数選択 ~ step 関数 ~ 2 重回帰分析と単回帰分析 体重を予測する問題 分析 1 身長 のみから体重を予測 分析 2 身長 と ウエスト の両方を用いて体重を予測 分析 1 と比べて大きな改善 体重 に関する推測では 身長 だけでは不十分 重回帰分析における問題 ~ モデルの構築 ~ 適切なモデルで分析しているか?

More information

. 分析内容及びデータ () 分析内容中長期の代表的金利である円金利スワップを題材に 年 -5 年物のイールドスプレッドの変動を自己回帰誤差モデル * により時系列分析を行った * ) 自己回帰誤差モデル一般に自己回帰モデルは線形回帰モデルと同様な考え方で 外生変数の無いT 期間だけ遅れのある従属変

. 分析内容及びデータ () 分析内容中長期の代表的金利である円金利スワップを題材に 年 -5 年物のイールドスプレッドの変動を自己回帰誤差モデル * により時系列分析を行った * ) 自己回帰誤差モデル一般に自己回帰モデルは線形回帰モデルと同様な考え方で 外生変数の無いT 期間だけ遅れのある従属変 () 現在データは最大 5 営業日前までの自己データが受けたショック ( 変動要因 ) の影響を受け 易い ( 情報の有効性 ) 現在の金利変動は 過去のどのタイミングでのショック ( 変動要因 ) を引きずり変動しているのかの推測 ( 偏自己相関 ) また 将来の変動を予測する上で 政策金利変更等の ショックの持続性 はどの程度 将来の変動に影響を与えるか等の判別に役に立つ可能性がある (2) その中でも

More information

EBNと疫学

EBNと疫学 推定と検定 57 ( 復習 ) 記述統計と推測統計 統計解析は大きく 2 つに分けられる 記述統計 推測統計 記述統計 観察集団の特性を示すもの 代表値 ( 平均値や中央値 ) や ばらつきの指標 ( 標準偏差など ) 図表を効果的に使う 推測統計 観察集団のデータから母集団の特性を 推定 する 平均 / 分散 / 係数値などの推定 ( 点推定 ) 点推定値のばらつきを調べる ( 区間推定 ) 検定統計量を用いた検定

More information

14 化学実験法 II( 吉村 ( 洋 mmol/l の半分だったから さんの測定値は くんの測定値の 4 倍の重みがあり 推定値 としては 0.68 mmol/l その標準偏差は mmol/l 程度ということになる 測定値を 特徴づけるパラメータ t を推定するこの手

14 化学実験法 II( 吉村 ( 洋 mmol/l の半分だったから さんの測定値は くんの測定値の 4 倍の重みがあり 推定値 としては 0.68 mmol/l その標準偏差は mmol/l 程度ということになる 測定値を 特徴づけるパラメータ t を推定するこの手 14 化学実験法 II( 吉村 ( 洋 014.6.1. 最小 乗法のはなし 014.6.1. 内容 最小 乗法のはなし...1 最小 乗法の考え方...1 最小 乗法によるパラメータの決定... パラメータの信頼区間...3 重みの異なるデータの取扱い...4 相関係数 決定係数 ( 最小 乗法を語るもう一つの立場...5 実験条件の誤差の影響...5 問題...6 最小 乗法の考え方 飲料水中のカルシウム濃度を

More information

0 部分的最小二乗回帰 Partial Least Squares Regression PLS 明治大学理 学部応用化学科 データ化学 学研究室 弘昌

0 部分的最小二乗回帰 Partial Least Squares Regression PLS 明治大学理 学部応用化学科 データ化学 学研究室 弘昌 0 部分的最小二乗回帰 Parial Leas Squares Regressio PLS 明治大学理 学部応用化学科 データ化学 学研究室 弘昌 部分的最小二乗回帰 (PLS) とは? 部分的最小二乗回帰 (Parial Leas Squares Regressio, PLS) 線形の回帰分析手法の つ 説明変数 ( 記述 ) の数がサンプルの数より多くても計算可能 回帰式を作るときにノイズの影響を受けにくい

More information

平均値 () 次のデータは, ある高校生 7 人が ヵ月にカレーライスを食べた回数 x を調べたものである 0,8,4,6,9,5,7 ( 回 ) このデータの平均値 x を求めよ () 右の表から, テレビをみた時間 x の平均値を求めよ 階級 ( 分 ) 階級値度数 x( 分 ) f( 人 )

平均値 () 次のデータは, ある高校生 7 人が ヵ月にカレーライスを食べた回数 x を調べたものである 0,8,4,6,9,5,7 ( 回 ) このデータの平均値 x を求めよ () 右の表から, テレビをみた時間 x の平均値を求めよ 階級 ( 分 ) 階級値度数 x( 分 ) f( 人 ) データの分析 データの整理右の度数分布表は,A 高校の 0 人について, 日にみたテレビの時間を記入したものである 次の問いに答えよ () テレビをみた時間が 85 分未満の生徒は何人いるか () テレビをみた時間が 95 分以上の生徒は全体の何 % であるか (3) 右の度数分布表をもとにして, ヒストグラムをかけ 階級 ( 分 ) 階級値度数相対 ( 分 ) ( 人 ) 度数 55 以上 ~65

More information

景気指標の新しい動向

景気指標の新しい動向 内閣府経済社会総合研究所 経済分析 22 年第 166 号 4 時系列因子分析モデル 4.1 時系列因子分析モデル (Stock-Watson モデル の理論的解説 4.1.1 景気循環の状態空間表現 Stock and Watson (1989,1991 は観測される景気指標を状態空間表現と呼ば れるモデルで表し, 景気の状態を示す指標を開発した. 状態空間表現とは, わ れわれの目に見える実際に観測される変数は,

More information

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI プロジェクト @ 宮崎県美郷町 熊本大学副島慶人川村諒 1 実験の目的 従来 信号の受信電波強度 (RSSI:RecevedSgnal StrengthIndcator) により 対象の位置を推定する手法として 無線 LAN の AP(AccessPont) から受信する信号の減衰量をもとに位置を推定する手法が多く検討されている

More information

画像類似度測定の初歩的な手法の検証

画像類似度測定の初歩的な手法の検証 画像類似度測定の初歩的な手法の検証 島根大学総合理工学部数理 情報システム学科 計算機科学講座田中研究室 S539 森瀧昌志 1 目次 第 1 章序論第 章画像間類似度測定の初歩的な手法について.1 A. 画素値の平均を用いる手法.. 画素値のヒストグラムを用いる手法.3 C. 相関係数を用いる手法.4 D. 解像度を合わせる手法.5 E. 振れ幅のヒストグラムを用いる手法.6 F. 周波数ごとの振れ幅を比較する手法第

More information

周期時系列の統計解析 (3) 移動平均とフーリエ変換 nino 2017 年 12 月 18 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ( ノイズ ) の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分の振幅

周期時系列の統計解析 (3) 移動平均とフーリエ変換 nino 2017 年 12 月 18 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ( ノイズ ) の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分の振幅 周期時系列の統計解析 3 移動平均とフーリエ変換 io 07 年 月 8 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ノイズ の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分のがどのように変化するのか等について検討する. また, 気温の実測値に移動平均を適用した結果についてフーリエ変換も併用して考察する. 単純移動平均の計算式移動平均には,

More information

様々なミクロ計量モデル†

様々なミクロ計量モデル† 担当 : 長倉大輔 ( ながくらだいすけ ) この資料は私の講義において使用するために作成した資料です WEB ページ上で公開しており 自由に参照して頂いて構いません ただし 内容について 一応検証してありますが もし間違いがあった場合でもそれによって生じるいかなる損害 不利益について責任を負いかねますのでご了承ください 間違いは発見次第 継続的に直していますが まだ存在する可能性があります 1 カウントデータモデル

More information

Microsoft PowerPoint - 資料04 重回帰分析.ppt

Microsoft PowerPoint - 資料04 重回帰分析.ppt 04. 重回帰分析 京都大学 加納学 Division of Process Control & Process Sstems Engineering Department of Chemical Engineering, Koto Universit manabu@cheme.koto-u.ac.jp http://www-pse.cheme.koto-u.ac.jp/~kano/ Outline

More information

学習指導要領

学習指導要領 (1) 数と式 ア数と集合 ( ア ) 実数数を実数まで拡張する意義を理解し 簡単な無理数の四則計算をすること 絶対値の意味を理解し適切な処理することができる 例題 1-3 の絶対値をはずせ 展開公式 ( a + b ) ( a - b ) = a 2 - b 2 を利用して根号を含む分数の分母を有理化することができる 例題 5 5 + 2 の分母を有理化せよ 実数の整数部分と小数部分の表し方を理解している

More information

切片 ( 定数項 ) ダミー 以下の単回帰モデルを考えよう これは賃金と就業年数の関係を分析している : ( 賃金関数 ) ここで Y i = α + β X i + u i, i =1,, n, u i ~ i.i.d. N(0, σ 2 ) Y i : 賃金の対数値, X i : 就業年数. (

切片 ( 定数項 ) ダミー 以下の単回帰モデルを考えよう これは賃金と就業年数の関係を分析している : ( 賃金関数 ) ここで Y i = α + β X i + u i, i =1,, n, u i ~ i.i.d. N(0, σ 2 ) Y i : 賃金の対数値, X i : 就業年数. ( 統計学ダミー変数による分析 担当 : 長倉大輔 ( ながくらだいすけ ) 1 切片 ( 定数項 ) ダミー 以下の単回帰モデルを考えよう これは賃金と就業年数の関係を分析している : ( 賃金関数 ) ここで Y i = α + β X i + u i, i =1,, n, u i ~ i.i.d. N(0, σ 2 ) Y i : 賃金の対数値, X i : 就業年数. ( 実際は賃金を就業年数だけで説明するのは現実的はない

More information

0 スペクトル 時系列データの前処理 法 平滑化 ( スムージング ) と微分 明治大学理 学部応用化学科 データ化学 学研究室 弘昌

0 スペクトル 時系列データの前処理 法 平滑化 ( スムージング ) と微分 明治大学理 学部応用化学科 データ化学 学研究室 弘昌 0 スペクトル 時系列データの前処理 法 平滑化 ( スムージング ) と微分 明治大学理 学部応用化学科 データ化学 学研究室 弘昌 スペクトルデータの特徴 1 波 ( 波数 ) が近いと 吸光度 ( 強度 ) の値も似ている ノイズが含まれる 吸光度 ( 強度 ) の極大値 ( ピーク ) 以外のデータも重要 時系列データの特徴 2 時刻が近いと プロセス変数の値も似ている ノイズが含まれる プロセス変数の極大値

More information

Microsoft Word - lec_student-chp3_1-representative

Microsoft Word - lec_student-chp3_1-representative 1. はじめに この節でのテーマ データ分布の中心位置を数値で表す 可視化でとらえた分布の中心位置を数量化する 平均値とメジアン, 幾何平均 この節での到達目標 1 平均値 メジアン 幾何平均の定義を書ける 2 平均値とメジアン, 幾何平均の特徴と使える状況を説明できる. 3 平均値 メジアン 幾何平均を計算できる 2. 特性値 集めたデータを度数分布表やヒストグラムに整理する ( 可視化する )

More information

Microsoft PowerPoint - データ解析基礎4.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - データ解析基礎4.ppt [互換モード] データ解析基礎. 正規分布と相関係数 keyword 正規分布 正規分布の性質 偏差値 変数間の関係を表す統計量 共分散 相関係数 散布図 正規分布 世の中の多くの現象は, 標本数を大きくしていくと, 正規分布に近づいていくことが知られている. 正規分布 データ解析の基礎となる重要な分布 平均と分散によって特徴づけることができる. 平均値 : 分布の中心を表す値 分散 : 分布のばらつきを表す値 正規分布

More information

DVIOUT

DVIOUT 第 章 離散フーリエ変換 離散フーリエ変換 これまで 私たちは連続関数に対するフーリエ変換およびフーリエ積分 ( 逆フーリエ変換 ) について学んできました この節では フーリエ変換を離散化した離散フーリエ変換について学びましょう 自然現象 ( 音声 ) などを観測して得られる波 ( 信号値 ; 観測値 ) は 通常 電気信号による連続的な波として観測機器から出力されます しかしながら コンピュータはこの様な連続的な波を直接扱うことができないため

More information

Microsoft PowerPoint - R-stat-intro_04.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - R-stat-intro_04.ppt [互換モード] R で統計解析入門 (4) 散布図と回帰直線と相関係数 準備 : データ DEP の読み込み 1. データ DEP を以下からダウンロードする http://www.cwk.zaq.ne.jp/fkhud708/files/dep.csv 2. ダウンロードした場所を把握する ここでは c:/temp とする 3. R を起動し,2. の場所に移動し, データを読み込む 4. データ DEP から薬剤

More information

Microsoft Word - NumericalComputation.docx

Microsoft Word - NumericalComputation.docx 数値計算入門 武尾英哉. 離散数学と数値計算 数学的解法の中には理論計算では求められないものもある. 例えば, 定積分は, まずは積分 ( 被積分関数の原始関数をみつけること できなければ値を得ることはできない. また, ある関数の所定の値における微分値を得るには, まずその関数の微分ができなければならない. さらに代数方程式の解を得るためには, 解析的に代数方程式を解く必要がある. ところが, これらは必ずしも解析的に導けるとは限らない.

More information

Probit , Mixed logit

Probit , Mixed logit Probit, Mixed logit 2016/5/16 スタートアップゼミ #5 B4 後藤祥孝 1 0. 目次 Probit モデルについて 1. モデル概要 2. 定式化と理解 3. 推定 Mixed logit モデルについて 4. モデル概要 5. 定式化と理解 6. 推定 2 1.Probit 概要 プロビットモデルとは. 効用関数の誤差項に多変量正規分布を仮定したもの. 誤差項には様々な要因が存在するため,

More information

アダストリア売り上げデータによる 現状把握と今後の方針 東海大学情報通信学部経営システム工学科佐藤健太

アダストリア売り上げデータによる 現状把握と今後の方針 東海大学情報通信学部経営システム工学科佐藤健太 アダストリア売り上げデータによる 現状把握と今後の方針 東海大学情報通信学部経営システム工学科佐藤健太 目次 1. 研究背景 2. 研究目的 3. データ概要 4. 分析手順 5. 分析結果 6. 戦略予想 7. まとめ 8. 今後の課題 参考文献 2016/10/27 2016 年 S-PLUS &Visual R Platform 学生研究奨励賞 1 1. 研究背景 Ⅰ アダストリア (¹) とは,

More information

memo

memo 数理情報工学特論第一 機械学習とデータマイニング 4 章 : 教師なし学習 3 かしまひさし 鹿島久嗣 ( 数理 6 研 ) kashima@mist.i.~ DEPARTMENT OF MATHEMATICAL INFORMATICS 1 グラフィカルモデルについて学びます グラフィカルモデル グラフィカルラッソ グラフィカルラッソの推定アルゴリズム 2 グラフィカルモデル 3 教師なし学習の主要タスクは

More information

Microsoft Word - å“Ÿåłžå¸°173.docx

Microsoft Word - å“Ÿåłžå¸°173.docx 回帰分析 ( その 3) 経済情報処理 価格弾力性の推定ある商品について その購入量を w 単価を p とし それぞれの変化量を w p で表 w w すことにする この時 この商品の価格弾力性 は により定義される これ p p は p が 1 パーセント変化した場合に w が何パーセント変化するかを示したものである ここで p を 0 に近づけていった極限を考えると d ln w 1 dw dw

More information

Microsoft PowerPoint - 統計科学研究所_R_主成分分析.ppt

Microsoft PowerPoint - 統計科学研究所_R_主成分分析.ppt 主成分分析 1 内容 主成分分析 主成分分析について 成績データの解析 R で主成分分析 相関行列による主成分分析 寄与率 累積寄与率 因子負荷量 主成分得点 2 主成分分析 3 次元の縮小と主成分分析 主成分分析 次元の縮小に関する手法 次元の縮小 国語 数学 理科 社会 英語の総合点 5 次元データから1 次元データへの縮約 体形評価 : BMI (Body Mass Index) 判定肥満度の判定方法の1つで

More information

簿記教育における習熟度別クラス編成 簿記教育における習熟度別クラス編成 濱田峰子 要旨 近年 学生の多様化に伴い きめ細やかな個別対応や対話型授業が可能な少人数の習熟度別クラス編成の重要性が増している そのため 本学では入学時にプレイスメントテストを実施し 国語 数学 英語の 3 教科については習熟

簿記教育における習熟度別クラス編成 簿記教育における習熟度別クラス編成 濱田峰子 要旨 近年 学生の多様化に伴い きめ細やかな個別対応や対話型授業が可能な少人数の習熟度別クラス編成の重要性が増している そのため 本学では入学時にプレイスメントテストを実施し 国語 数学 英語の 3 教科については習熟 濱田峰子 要旨 近年 学生の多様化に伴い きめ細やかな個別対応や対話型授業が可能な少人数の習熟度別クラス編成の重要性が増している そのため 本学では入学時にプレイスメントテストを実施し 国語 数学 英語の 3 教科については習熟度別クラス編成を実施している 本稿では さらにの導入へ向けて 既存のプレイスメントテストを活用したクラス編成の可能性について検討した 3 教科に関するプレイスメントテストの偏差値を説明変数

More information

講義「○○○○」

講義「○○○○」 講義 信頼度の推定と立証 内容. 点推定と区間推定. 指数分布の点推定 区間推定 3. 指数分布 正規分布の信頼度推定 担当 : 倉敷哲生 ( ビジネスエンジニアリング専攻 ) 統計的推測 標本から得られる情報を基に 母集団に関する結論の導出が目的 測定値 x x x 3 : x 母集団 (populaio) 母集団の特性値 統計的推測 標本 (sample) 標本の特性値 分布のパラメータ ( 母数

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 復習 ) 時系列のモデリング ~a. 離散時間モデル ~ y k + a 1 z 1 y k + + a na z n ay k = b 0 u k + b 1 z 1 u k + + b nb z n bu k y k = G z 1 u k = B(z 1 ) A(z 1 u k ) ARMA モデル A z 1 B z 1 = 1 + a 1 z 1 + + a na z n a = b 0

More information

Microsoft PowerPoint - Inoue-statistics [互換モード]

Microsoft PowerPoint - Inoue-statistics [互換モード] 誤差論 神戸大学大学院農学研究科 井上一哉 (Kazuya INOUE) 誤差論 2011 年度前期火曜クラス 1 講義内容 誤差と有効数字 (Slide No.2~8 Text p.76~78) 誤差の分布と標準偏差 (Slide No.9~18 Text p.78~80) 最確値とその誤差 (Slide No.19~25 Text p.80~81) 誤差の伝播 (Slide No.26~32 Text

More information

<4D F736F F D208EC08CB18C7689E68A E F AA957A82C682948C9F92E82E646F63>

<4D F736F F D208EC08CB18C7689E68A E F AA957A82C682948C9F92E82E646F63> 第 7 回 t 分布と t 検定 実験計画学 A.t 分布 ( 小標本に関する平均の推定と検定 ) 前々回と前回の授業では, 標本が十分に大きいあるいは母分散が既知であることを条件に正規分布を用いて推定 検定した. しかし, 母集団が正規分布し, 標本が小さい場合には, 標本分散から母分散を推定するときの不確実さを加味したt 分布を用いて推定 検定しなければならない. t 分布は標本分散の自由度 f(

More information

2011年度 大阪大・理系数学

2011年度 大阪大・理系数学 0 大阪大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ a a を自然数とする O を原点とする座標平面上で行列 A= a の表す 次変換 を f とする cosθ siθ () >0 および0θ

More information

Microsoft Word - Time Series Basic - Modeling.doc

Microsoft Word - Time Series Basic - Modeling.doc 時系列解析入門 モデリング. 確率分布と統計的モデル が確率変数 (radom varable のとき すべての実数 R に対して となる確 率 Prob( が定められる これを の関数とみなして G( Prob ( とあらわすとき G( を確率変数 の分布関数 (probablt dstrbuto ucto と呼 ぶ 時系列解析で用いられる確率変数は通常連続型と呼ばれるもので その分布関数は (

More information

Microsoft Word - Stattext12.doc

Microsoft Word - Stattext12.doc 章対応のない 群間の量的データの検定. 検定手順 この章ではデータ間に 対 の対応のないつの標本から推定される母集団間の平均値や中央値の比較を行ないます 検定手法は 図. のようにまず正規に従うかどうかを調べます 但し この場合はつの群が共に正規に従うことを調べる必要があります 次に 群とも正規ならば F 検定を用いて等分散であるかどうかを調べます 等分散の場合は t 検定 等分散でない場合はウェルチ

More information

散布度

散布度 散布度 統計基礎の補足資料 2018 年 6 月 18 日金沢学院大学経営情報学部藤本祥二 基本統計量 基本統計量 : 分布の特徴を表す数値 代表値 ( 分布の中心を表す数値 ) 平均値 (mean, average) 中央値 (median) 最頻値 (mode) 散布度 ( 分布のばらつき具合を表す数値 ) 分散 (variance) 標準偏差 (standard deviation) 範囲 (

More information

スライド 1

スライド 1 データ解析特論第 5 回 ( 全 15 回 ) 2012 年 10 月 30 日 ( 火 ) 情報エレクトロニクス専攻横田孝義 1 をもっとやります 2 第 2 回 3 データマイニングの分野ではマクロ ( 巨視的 ) な視点で全体を捉える能力が求められる 1. コンピュータは数値の集合として全体を把握していますので 意味ある情報として全体を見ることが不得意 2. 逆に人間には もともと空間的に全体像を捉える能力が得意

More information

Microsoft PowerPoint - H17-5時限(パターン認識).ppt

Microsoft PowerPoint - H17-5時限(パターン認識).ppt パターン認識早稲田大学講義 平成 7 年度 独 産業技術総合研究所栗田多喜夫 赤穂昭太郎 統計的特徴抽出 パターン認識過程 特徴抽出 認識対象から何らかの特徴量を計測 抽出 する必要がある 認識に有効な情報 特徴 を抽出し 次元を縮小した効率の良い空間を構成する過程 文字認識 : スキャナ等で取り込んだ画像から文字の識別に必要な本質的な特徴のみを抽出 例 文字線の傾き 曲率 面積など 識別 与えられた未知の対象を

More information

3 数値解の特性 3.1 CFL 条件 を 前の章では 波動方程式 f x= x0 = f x= x0 t f c x f =0 [1] c f 0 x= x 0 x 0 f x= x0 x 2 x 2 t [2] のように差分化して数値解を求めた ここでは このようにして得られた数値解の性質を 考

3 数値解の特性 3.1 CFL 条件 を 前の章では 波動方程式 f x= x0 = f x= x0 t f c x f =0 [1] c f 0 x= x 0 x 0 f x= x0 x 2 x 2 t [2] のように差分化して数値解を求めた ここでは このようにして得られた数値解の性質を 考 3 数値解の特性 3.1 CFL 条件 を 前の章では 波動方程式 f x= x = f x= x t f c x f = [1] c f x= x f x= x 2 2 t [2] のように差分化して数値解を求めた ここでは このようにして得られた数値解の性質を 考える まず 初期時刻 t=t に f =R f exp [ik x ] [3] のような波動を与えたとき どのように時間変化するか調べる

More information

1. 多変量解析の基本的な概念 1. 多変量解析の基本的な概念 1.1 多変量解析の目的 人間のデータは多変量データが多いので多変量解析が有用 特性概括評価特性概括評価 症 例 主 治 医 の 主 観 症 例 主 治 医 の 主 観 単変量解析 客観的規準のある要約多変量解析 要約値 客観的規準のな

1. 多変量解析の基本的な概念 1. 多変量解析の基本的な概念 1.1 多変量解析の目的 人間のデータは多変量データが多いので多変量解析が有用 特性概括評価特性概括評価 症 例 主 治 医 の 主 観 症 例 主 治 医 の 主 観 単変量解析 客観的規準のある要約多変量解析 要約値 客観的規準のな 1.1 多変量解析の目的 人間のデータは多変量データが多いので多変量解析が有用 特性概括評価特性概括評価 症 例 治 医 の 観 症 例 治 医 の 観 単変量解析 客観的規準のある要約多変量解析 要約値 客観的規準のない要約知識 直感 知識 直感 総合的評価 考察 総合的評価 考察 単変量解析の場合 多変量解析の場合 < 表 1.1 脂質異常症患者の TC と TG と重症度 > 症例 No. TC

More information

ビジネス統計 統計基礎とエクセル分析 正誤表

ビジネス統計 統計基礎とエクセル分析 正誤表 ビジネス統計統計基礎とエクセル分析 ビジネス統計スペシャリスト エクセル分析スペシャリスト 公式テキスト正誤表と学習用データ更新履歴 平成 30 年 5 月 14 日現在 公式テキスト正誤表 頁場所誤正修正 6 知識編第 章 -3-3 最頻値の解説内容 たとえば, 表.1 のデータであれば, 最頻値は 167.5cm というたとえば, 表.1 のデータであれば, 最頻値は 165.0cm ということになります

More information

カイ二乗フィット検定、パラメータの誤差

カイ二乗フィット検定、パラメータの誤差 統計的データ解析 008 008.. 林田清 ( 大阪大学大学院理学研究科 ) 問題 C (, ) ( x xˆ) ( y yˆ) σ x πσ σ y y Pabx (, ;,,, ) ˆ y σx σ y = dx exp exp πσx ただし xy ˆ ˆ はyˆ = axˆ+ bであらわされる直線モデル上の点 ( ˆ) ( ˆ ) ( ) x x y ax b y ax b Pabx (,

More information

1. 気温と産業の関係 2. 気温と販売数の関係の分析 過去の気温データをダウンロードする 時系列グラフを描く 気温と販売の関係を調べる 散布図を描く 定量的な関係を求める 気温から販売数を推定する 2 週間先の気温予測を取得し 活用する 気温以外の要素の影響 3. 予報精度 過去の 1 か月予報

1. 気温と産業の関係 2. 気温と販売数の関係の分析 過去の気温データをダウンロードする 時系列グラフを描く 気温と販売の関係を調べる 散布図を描く 定量的な関係を求める 気温から販売数を推定する 2 週間先の気温予測を取得し 活用する 気温以外の要素の影響 3. 予報精度 過去の 1 か月予報 資料 4 2017 年 9 月 26 日 ( 火 ) 第 3 回 WXBC セミナー 観測データと POS データを使用した 気象と産業の関係分析と実習 気象庁地球環境 海洋部気候情報課萬納寺信崇 ( まんのうじのぶたか ) 1. 気温と産業の関係 2. 気温と販売数の関係の分析 過去の気温データをダウンロードする 時系列グラフを描く 気温と販売の関係を調べる 散布図を描く 定量的な関係を求める 気温から販売数を推定する

More information

因子分析

因子分析 因子分析 心理データ解析演習 M1 枡田恵 2013.6.5. 1 因子分析とは 因子分析とは ある観測された変数 ( 質問項目への回答など ) が どのような潜在的な変数 ( 観測されない 仮定された変数 ) から影響を受けているかを探る手法 多変量解析の手法の一つ 複数の変数の関係性をもとにした構造を探る際によく用いられる 2 因子分析とは 探索的因子分析 - 多くの観測変数間に見られる複雑な相関関係が

More information

今回用いる例データ lh( 小文字のエル ) ある女性の血液中の黄体ホルモンを 10 分間隔で測定した時系列データ UKgas 1960 年 ~1986 年のイギリスのガス消費量を四半期ごとに観測した時系列データ ldeaths 1974 年 ~1979 年のイギリスで喘息 気管支炎 肺気腫による死

今回用いる例データ lh( 小文字のエル ) ある女性の血液中の黄体ホルモンを 10 分間隔で測定した時系列データ UKgas 1960 年 ~1986 年のイギリスのガス消費量を四半期ごとに観測した時系列データ ldeaths 1974 年 ~1979 年のイギリスで喘息 気管支炎 肺気腫による死 12 章 - 時系列分析 1296603c 埴岡瞬 今回用いる例データ lh( 小文字のエル ) ある女性の血液中の黄体ホルモンを 10 分間隔で測定した時系列データ UKgas 1960 年 ~1986 年のイギリスのガス消費量を四半期ごとに観測した時系列データ ldeaths 1974 年 ~1979 年のイギリスで喘息 気管支炎 肺気腫による死亡数を月ごとに記録した時系列データ mdeaths

More information

発表の流れ 1. 回帰分析とは? 2. 単回帰分析単回帰分析とは? / 単回帰式の算出 / 単回帰式の予測精度 <R による演習 1> 3. 重回帰分析重回帰分析とは? / 重回帰式の算出 / 重回帰式の予測精度 質的変数を含む場合の回帰分析 / 多重共線性の問題 変数選択の基準と方法 <R による

発表の流れ 1. 回帰分析とは? 2. 単回帰分析単回帰分析とは? / 単回帰式の算出 / 単回帰式の予測精度 <R による演習 1> 3. 重回帰分析重回帰分析とは? / 重回帰式の算出 / 重回帰式の予測精度 質的変数を含む場合の回帰分析 / 多重共線性の問題 変数選択の基準と方法 <R による R で学ぶ 単回帰分析と重回帰分析 M2 新屋裕太 2013/05/29 発表の流れ 1. 回帰分析とは? 2. 単回帰分析単回帰分析とは? / 単回帰式の算出 / 単回帰式の予測精度 3. 重回帰分析重回帰分析とは? / 重回帰式の算出 / 重回帰式の予測精度 質的変数を含む場合の回帰分析 / 多重共線性の問題 変数選択の基準と方法 回帰分析とは?

More information

Microsoft PowerPoint - 基礎・経済統計6.ppt

Microsoft PowerPoint - 基礎・経済統計6.ppt . 確率変数 基礎 経済統計 6 確率分布 事象を数値化したもの ( 事象ー > 数値 の関数 自然に数値されている場合 さいころの目 量的尺度 数値化が必要な場合 質的尺度, 順序的尺度 それらの尺度に数値を割り当てる 例えば, コインの表が出たら, 裏なら 0. 離散確率変数と連続確率変数 確率変数の値 連続値をとるもの 身長, 体重, 実質 GDP など とびとびの値 離散値をとるもの 新生児の性別

More information

測量試補 重要事項

測量試補 重要事項 重量平均による標高の最確値 < 試験合格へのポイント > 標高の最確値を重量平均によって求める問題である 士補試験では 定番 問題であり 水準測量の計算問題としては この形式か 往復観測の較差と許容範囲 の どちらか または両方がほぼ毎年出題されている 定番の計算問題であるがその難易度は低く 基本的な解き方をマスターしてしまえば 容易に解くことができる ( : 最重要事項 : 重要事項 : 知っておくと良い

More information

航空機の運動方程式

航空機の運動方程式 可制御性 可観測性. 可制御性システムの状態を, 適切な操作によって, 有限時間内に, 任意の状態から別の任意の状態に移動させることができるか否かという特性を可制御性という. 可制御性を有するシステムに対し, システムは可制御である, 可制御なシステム という言い方をする. 状態方程式, 出力方程式が以下で表されるn 次元 m 入力 r 出力線形時不変システム x Ax u y x Du () に対し,

More information

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生 0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生まれ, コンピューテーショナルフォトグラフィ ( 計算フォトグラフィ ) と呼ばれている.3 次元画像認識技術の計算フォトグラフィへの応用として,

More information

<4D F736F F D208D A778D5A8A778F4B8E7793B CC A7795D2816A2E646F6378>

<4D F736F F D208D A778D5A8A778F4B8E7793B CC A7795D2816A2E646F6378> 高等学校学習指導要領解説数学統計関係部分抜粋 第 部数学第 2 章各科目第 節数学 Ⅰ 3 内容と内容の取扱い (4) データの分析 (4) データの分析統計の基本的な考えを理解するとともに, それを用いてデータを整理 分析し傾向を把握できるようにする アデータの散らばり四分位偏差, 分散及び標準偏差などの意味について理解し, それらを用いてデータの傾向を把握し, 説明すること イデータの相関散布図や相関係数の意味を理解し,

More information

統計的データ解析

統計的データ解析 統計的データ解析 011 011.11.9 林田清 ( 大阪大学大学院理学研究科 ) 連続確率分布の平均値 分散 比較のため P(c ) c 分布 自由度 の ( カイ c 平均値 0, 標準偏差 1の正規分布 に従う変数 xの自乗和 c x =1 が従う分布を自由度 の分布と呼ぶ 一般に自由度の分布は f /1 c / / ( c ) {( c ) e }/ ( / ) 期待値 二乗 ) 分布 c

More information

Microsoft PowerPoint - Econometrics pptx

Microsoft PowerPoint - Econometrics pptx 計量経済学講義 第 4 回回帰モデルの診断と選択 Part 07 年 ( ) 限 担当教員 : 唐渡 広志 研究室 : 経済学研究棟 4 階 43 号室 emal: kkarato@eco.u-toyama.ac.p webste: http://www3.u-toyama.ac.p/kkarato/ 講義の目的 誤差項の分散が不均 である場合や, 系列相関を持つ場合についての検定 法と修正 法を学びます

More information

DVIOUT

DVIOUT 最適レギュレータ 松尾研究室資料 第 最適レギュレータ 節時不変型無限時間最適レギュレータ 状態フィードバックの可能な場合の無限時間問題における最適レギュレータについて確定系について説明する. ここで, レギュレータとは状態量をゼロにするようなコントローラのことである. なぜ, 無限時間問題のみを述べるかという理由は以下のとおりである. 有限時間の最適レギュレータ問題の場合の最適フィードバックゲインは微分方程式の解から構成される時間関数として表現される.

More information

RSS Higher Certificate in Statistics, Specimen A Module 3: Basic Statistical Methods Solutions Question 1 (i) 帰無仮説 : 200C と 250C において鉄鋼の破壊応力の母平均には違いはな

RSS Higher Certificate in Statistics, Specimen A Module 3: Basic Statistical Methods Solutions Question 1 (i) 帰無仮説 : 200C と 250C において鉄鋼の破壊応力の母平均には違いはな RSS Higher Certiicate in Statistics, Specimen A Module 3: Basic Statistical Methods Solutions Question (i) 帰無仮説 : 00C と 50C において鉄鋼の破壊応力の母平均には違いはない. 対立仮説 : 破壊応力の母平均には違いがあり, 50C の方ときの方が大きい. n 8, n 7, x 59.6,

More information

Microsoft PowerPoint - R-stat-intro_12.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - R-stat-intro_12.ppt [互換モード] R で統計解析入門 (12) 生存時間解析 中篇 準備 : データ DEP の読み込み 1. データ DEP を以下からダウンロードする http://www.cwk.zaq.ne.jp/fkhud708/files/dep.csv /fkh /d 2. ダウンロードした場所を把握する ここでは c:/temp とする 3. R を起動し,2. 2 の場所に移動し, データを読み込む 4. データ

More information

untitled

untitled に, 月次モデルの場合でも四半期モデルの場合でも, シミュレーション期間とは無関係に一様に RMSPE を最小にするバンドの設定法は存在しないということである 第 2 は, 表で与えた 2 つの期間及びすべての内生変数を見渡して, 全般的にパフォーマンスのよいバンドの設定法は, 最適固定バンドと最適可変バンドのうちの M 2, Q2 である いずれにしても, 以上述べた 3 つのバンド設定法は若干便宜的なものと言わざるを得ない

More information

C5 統計的時系列モデリング

C5 統計的時系列モデリング < 第 5 回 > 統計的時系列モデリング 統計数理研究所 川崎能典 kawasaki@ism.ac.jp 統計的時系列モデリング 概要 データサイエンティスト育成クラッシュコース データサイエンティストとして時系列解析を学ぶ際に知っておくべき体系について 定常 非定常 データの変換 平滑化事前分布 状態空間モデルをキーワードに学ぶ 1. 定常時系列 2. 定常から非定常へ : 変換の利用 3. 定常から非定常へ

More information

JUSE-StatWorks/V5 活用ガイドブック

JUSE-StatWorks/V5 活用ガイドブック 4.6 薄膜金属材料の表面加工 ( 直積法 ) 直積法では, 内側に直交配列表または要因配置計画の M 個の実験, 外側に直交配列表または要因配置計画の N 個の実験をわりつけ, その組み合わせの M N のデータを解析します. 直積法を用いることにより, 内側計画の各列と全ての外側因子との交互作用を求めることができます. よって, 環境条件や使用条件のように制御が難しい ( 水準を指定できない )

More information

Microsoft Word - reg.doc

Microsoft Word - reg.doc 回帰分析 単回帰 麻生良文. 回帰分析の前提 次のようなモデルを考える 単回帰モデル : mple regreo moel : 被説明変数 eple vrble 従属変数 epeet vrble regre : 説明変数 epltor vrble 独立変数 epeet vrble regreor : 誤差項 error term 撹乱項 trbe term emple Kee 型消費関数 C YD

More information

Microsoft Word - Stattext13.doc

Microsoft Word - Stattext13.doc 3 章対応のある 群間の量的データの検定 3. 検定手順 この章では対応がある場合の量的データの検定方法について学びます この場合も図 3. のように最初に正規に従うかどうかを調べます 正規性が認められた場合は対応がある場合の t 検定 正規性が認められない場合はウィルコクソン (Wlcoxo) の符号付き順位和検定を行ないます 章で述べた検定方法と似ていますが ここでは対応のあるデータ同士を引き算した値を用いて判断します

More information

学力スタンダード(様式1)

学力スタンダード(様式1) (1) 数と式 学習指導要領ア数と集合 ( ア ) 実数数を実数まで拡張する意義を理解し 簡単な無理数の四則計算をすること 稔ヶ丘高校学力スタンダード 有理数 無理数の定義や実数の分類について理解し ている 絶対値の意味と記号表示を理解している 実数と直線上の点が一対一対応であることを理解 し 実数を数直線上に示すことができる 例 実数 (1) -.5 () π (3) 数直線上の点はどれか答えよ

More information

Microsoft PowerPoint - statistics pptx

Microsoft PowerPoint - statistics pptx 統計学 第 16 回 講義 母平均の区間推定 Part-1 016 年 6 10 ( ) 1 限 担当教員 : 唐渡 広志 ( からと こうじ ) 研究室 : 経済学研究棟 4 階 43 号室 email: kkarato@eco.u-toyama.ac.jp website: http://www3.u-toyama.ac.jp/kkarato/ 1 講義の目的 標本平均は正規分布に従うという性質を

More information

Microsoft PowerPoint - 10.pptx

Microsoft PowerPoint - 10.pptx m u. 固有値とその応用 8/7/( 水 ). 固有値とその応用 固有値と固有ベクトル 行列による写像から固有ベクトルへ m m 行列 によって線形写像 f : R R が表せることを見てきた ここでは 次元平面の行列による写像を調べる とし 写像 f : を考える R R まず 単位ベクトルの像 u y y f : R R u u, u この事から 線形写像の性質を用いると 次の格子上の点全ての写像先が求まる

More information

Microsoft PowerPoint - 測量学.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 測量学.ppt [互換モード] 8/5/ 誤差理論 測定の分類 性格による分類 独立 ( な ) 測定 : 測定値がある条件を満たさなければならないなどの拘束や制約を持たないで独立して行う測定 条件 ( 付き ) 測定 : 三角形の 3 つの内角の和のように, 個々の測定値間に満たすべき条件式が存在する場合の測定 方法による分類 直接測定 : 距離や角度などを機器を用いて直接行う測定 間接測定 : 求めるべき量を直接測定するのではなく,

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション - = 4 = 4 = - y = x y = x y = x + 4 y = x 比例は y = ax の形であらわすことができる 4 - 秒後 y = 5 y = 0 (m) 5 秒後 y = 5 5 y = 5 (m) 5 0 = 05 (m) 05 5 = 5 (m/ 秒 ) 4 4 秒後 y = 5 4 y = 80 (m) 5-80 5 4 = 45 (m/ 秒 ) 5 v = 0 5

More information

数値計算法

数値計算法 数値計算法 008 4/3 林田清 ( 大阪大学大学院理学研究科 ) 実験データの統計処理その 誤差について 母集団と標本 平均値と標準偏差 誤差伝播 最尤法 平均値につく誤差 誤差 (Error): 真の値からのずれ 測定誤差 物差しが曲がっていた 測定する対象が室温が低いため縮んでいた g の単位までしかデジタル表示されない計りで g 以下 計りの目盛りを読み取る角度によって値が異なる 統計誤差

More information

DVIOUT-SS_Ma

DVIOUT-SS_Ma 第 章 微分方程式 ニュートンはリンゴが落ちるのを見て万有引力を発見した という有名な逸話があります 無重力の宇宙船の中ではリンゴは落ちないで静止していることを考えると 重力が働くと始め静止しているものが動き出して そのスピードはどんどん大きくなる つまり速度の変化が現れることがわかります 速度は一般に時間と共に変化します 速度の瞬間的変化の割合を加速度といい で定義しましょう 速度が変化する, つまり加速度がでなくなるためにはその原因があり

More information

第 3 回講義の項目と概要 統計的手法入門 : 品質のばらつきを解析する 平均と標準偏差 (P30) a) データは平均を見ただけではわからない 平均が同じだからといって 同一視してはいけない b) データのばらつきを示す 標準偏差 にも注目しよう c) 平均

第 3 回講義の項目と概要 統計的手法入門 : 品質のばらつきを解析する 平均と標準偏差 (P30) a) データは平均を見ただけではわからない 平均が同じだからといって 同一視してはいけない b) データのばらつきを示す 標準偏差 にも注目しよう c) 平均 第 3 回講義の項目と概要 016.8.9 1.3 統計的手法入門 : 品質のばらつきを解析する 1.3.1 平均と標準偏差 (P30) a) データは平均を見ただけではわからない 平均が同じだからといって 同一視してはいけない b) データのばらつきを示す 標準偏差 にも注目しよう c) 平均 :AVERAGE 関数, 標準偏差 :STDEVP 関数とSTDEVという関数 1 取得したデータそのものの標準偏差

More information

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ 数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュレーションによって計算してみる 4.1 放物運動一様な重力場における放物運動を考える 一般に質量の物体に作用する力をとすると運動方程式は

More information

<4D F736F F D208FAC8A778D5A8A778F4B8E7793B CC81698E5A909495D2816A2E646F6378>

<4D F736F F D208FAC8A778D5A8A778F4B8E7793B CC81698E5A909495D2816A2E646F6378> 小学校学習指導要領解説算数統計関係部分抜粋 第 3 章各学年の内容 2 第 2 学年の内容 D 数量関係 D(3) 簡単な表やグラフ (3) 身の回りにある数量を分類整理し, 簡単な表やグラフを用いて表したり読み取ったりすることができるようにする 身の回りにある数量を分類整理して, それを簡単な表やグラフを用いて表すことができるようにする ここで, 簡単な表とは, 次のような, 観点が一つの表のことである

More information

日心TWS

日心TWS 2017.09.22 (15:40~17:10) 日本心理学会第 81 回大会 TWS ベイジアンデータ解析入門 回帰分析を例に ベイジアンデータ解析 を体験してみる 広島大学大学院教育学研究科平川真 ベイジアン分析のステップ (p.24) 1) データの特定 2) モデルの定義 ( 解釈可能な ) モデルの作成 3) パラメタの事前分布の設定 4) ベイズ推論を用いて パラメタの値に確信度を再配分ベイズ推定

More information

学習指導要領

学習指導要領 (1 ) 数と式 ア数と集合 ( ア ) 実数数を実数まで拡張する意義を理解し 簡単な無理数の四則計算をすること 自然数 整数 有理数 無理数の包含関係など 実 数の構成を理解する ( 例 ) 次の空欄に適当な言葉をいれて, 数の集合を表しなさい 実数の絶対値が実数と対応する点と原点との距離で あることを理解する ( 例 ) 次の値を求めよ (1) () 6 置き換えなどを利用して 三項の無理数の乗法の計

More information

と 測定を繰り返した時のばらつき の和が 全体のばらつき () に対して どれくらいの割合となるかがわかり 測定システムを評価することができる MSA 第 4 版スタディガイド ジャパン プレクサス (010)p.104 では % GRR の値が10% 未満であれば 一般に受容れられる測定システムと

と 測定を繰り返した時のばらつき の和が 全体のばらつき () に対して どれくらいの割合となるかがわかり 測定システムを評価することができる MSA 第 4 版スタディガイド ジャパン プレクサス (010)p.104 では % GRR の値が10% 未満であれば 一般に受容れられる測定システムと .5 Gage R&R による解析.5.1 Gage R&Rとは Gage R&R(Gage Repeatability and Reproducibility ) とは 測定システム分析 (MSA: Measurement System Analysis) ともいわれ 測定プロセスを管理または審査するための手法である MSAでは ばらつきの大きさを 変動 という尺度で表し 測定システムのどこに原因があるのか

More information

特殊なケースでの定式化技法

特殊なケースでの定式化技法 特殊なケースでの定式化技法 株式会社数理システム. はじめに 本稿は, 特殊な数理計画問題を線形計画問題 (Lear Programmg:LP) ないしは混合整数計画問題 (Med Ieger Programmg:MIP) に置き換える為の, 幾つかの代表的な手法についてまとめたものである. 具体的には以下の話題を扱った. LP による定式化 絶対値最小化問題 最大値最小化問題 ノルム最小化問題 MIP

More information

「節電対策パンフレット」(家庭向け)

「節電対策パンフレット」(家庭向け) 12 電力需要は季節や気温等によって波があり 1年の中で夏の次に大きくなる冬でも 需要が大きい時間は限られます たとえば 震災前の年度の冬でも 東京電力管内の電力需要が5,000万kWを超えたのは7日で それぞれ数時間の間 でした このため ご家庭では無駄なく無理なく 長続きできる省エネ対策 を定着化させながら 必 要 なとき を 見 き わ め て しっかり節 電 を 行 い ましょう 東京電力管内の最大電力需要

More information

目次 1 章 SPSS の基礎 基本 はじめに 基本操作方法 章データの編集 はじめに 値ラベルの利用 計算結果に基づく新変数の作成 値のグループ化 値の昇順

目次 1 章 SPSS の基礎 基本 はじめに 基本操作方法 章データの編集 はじめに 値ラベルの利用 計算結果に基づく新変数の作成 値のグループ化 値の昇順 SPSS 講習会テキスト 明治大学教育の情報化推進本部 IZM20140527 目次 1 章 SPSS の基礎 基本... 3 1.1 はじめに... 3 1.2 基本操作方法... 3 2 章データの編集... 6 2.1 はじめに... 6 2.2 値ラベルの利用... 6 2.3 計算結果に基づく新変数の作成... 7 2.4 値のグループ化... 8 2.5 値の昇順 降順... 10 3

More information

パソコンシミュレータの現状

パソコンシミュレータの現状 第 2 章微分 偏微分, 写像 豊橋技術科学大学森謙一郎 2. 連続関数と微分 工学において物理現象を支配する方程式は微分方程式で表されていることが多く, 有限要素法も微分方程式を解く数値解析法であり, 定式化においては微分 積分が一般的に用いられており. 数学の基礎知識が必要になる. 図 2. に示すように, 微分は連続な関数 f() の傾きを求めることであり, 微小な に対して傾きを表し, を無限に

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション データ解析 第 7 回 : 時系列分析 渡辺澄夫 過去から未来を予測する 観測データ 回帰 判別分析 解析方法 主成分 因子 クラスタ分析 時系列予測 時系列を予測する 無限個の確率変数 ( 確率変数が作る無限数列 ){X(t) ; t は整数 } を生成する情報源を考える {X(t)} を確率過程という 確率過程に ついて過去の値から未来を予測するにはどうしたらよいだろうか X(t-K),X(t-K+1),,X(t-1)

More information

ムーアの法則に関するレポート

ムーアの法則に関するレポート 情報理工学実験レポート 実験テーマ名 : ムーアの法則に関する調査 職員番号 4570 氏名蚊野浩 提出日 2019 年 4 月 9 日 要約 大規模集積回路のトランジスタ数が 18 ヶ月で2 倍になる というムーアの法則を検証した その結果 Intel 社のマイクロプロセッサに関して 1971 年から 2016 年の平均で 26.4 ヶ月に2 倍 というペースであった このことからムーアの法則のペースが遅くなっていることがわかった

More information

学習指導要領

学習指導要領 (1) 数と式 学習指導要領 数と式 (1) 式の計算二次の乗法公式及び因数分解の公式の理解を深め 式を多面的にみたり目的に応じて式を適切に変形したりすること 東京都立町田高等学校学力スタンダード 整式の加法 減法 乗法展開の公式を利用できる 式を1 つの文字におき換えることによって, 式の計算を簡略化することができる 式の形の特徴に着目して変形し, 展開の公式が適用できるようにすることができる 因数分解因数分解の公式を利用できる

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 回帰分析 怪奇な現象を回帰分析で数学的に説明しよう! 回帰分析編 24 相関図 データ X に対応してデータ Y が決まるような (Xi,Yi) のデータの組を考えます これを X-Y 座標にプロットすると 次のような相関図ができます 正の相関相関がない負の相関 相関係数 :X と Y の関係の強さを示す (-1 相関係数 1) プロットの傾きではなく 線上への密集の度合いで強さが決まる 回帰分析

More information

基礎統計

基礎統計 基礎統計 第 11 回講義資料 6.4.2 標本平均の差の標本分布 母平均の差 標本平均の差をみれば良い ただし, 母分散に依存するため場合分けをする 1 2 3 分散が既知分散が未知であるが等しい分散が未知であり等しいとは限らない 1 母分散が既知のとき が既知 標準化変量 2 母分散が未知であり, 等しいとき 分散が未知であるが, 等しいということは分かっているとき 標準化変量 自由度 の t

More information

SAP11_03

SAP11_03 第 3 回 音声音響信号処理 ( 線形予測分析と自己回帰モデル ) 亀岡弘和 東京大学大学院情報理工学系研究科日本電信電話株式会社 NTT コミュニケーション科学基礎研究所 講義内容 ( キーワード ) 信号処理 符号化 標準化の実用システム例の紹介情報通信の基本 ( 誤り検出 訂正符号 変調 IP) 符号化技術の基本 ( 量子化 予測 変換 圧縮 ) 音声分析 合成 認識 強調 音楽信号処理統計的信号処理の基礎

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 1/X Chapter 9: Linear correlation Cohen, B. H. (2007). In B. H. Cohen (Ed.), Explaining Psychological Statistics (3rd ed.) (pp. 255-285). NJ: Wiley. 概要 2/X 相関係数とは何か 相関係数の数式 検定 注意点 フィッシャーのZ 変換 信頼区間 相関係数の差の検定

More information

経営統計学

経営統計学 5 章基本統計量 3.5 節で量的データの集計方法について簡単に触れ 前章でデータの分布について学びましたが データの特徴をつの数値で示すこともよく行なわれます これは統計量と呼ばれ 主に分布の中心や拡がりなどを表わします この章ではよく利用される分布の統計量を特徴で分類して説明します 数式表示を統一的に行なうために データの個数を 個とし それらを,,, と表わすことにします ここで学ぶ統計量は統計分析の基礎となっており

More information

2017年度 京都大・文系数学

2017年度 京都大・文系数学 07 京都大学 ( 文系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ 曲線 y= x - 4x+ を C とする 直線 l は C の接線であり, 点 P(, 0) を通るもの とする また, l の傾きは負であるとする このとき, C と l で囲まれた部分の面積 S を求めよ -- 07 京都大学 ( 文系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ 次の問いに答えよ ただし, 0.00 < log0

More information

Microsoft PowerPoint - stat-2014-[9] pptx

Microsoft PowerPoint - stat-2014-[9] pptx 統計学 第 17 回 講義 母平均の区間推定 Part-1 014 年 6 17 ( )6-7 限 担当教員 : 唐渡 広志 ( からと こうじ ) 研究室 : 経済学研究棟 4 階 43 号室 email: kkarato@eco.u-toyama.ac.j website: htt://www3.u-toyama.ac.j/kkarato/ 1 講義の目的 標本平均は正規分布に従うという性質を

More information

3. みせかけの相関単位根系列が注目されるのは これを持つ変数同士の回帰には意味がないためだ 単位根系列で代表的なドリフト付きランダムウォークを発生させてそれを確かめてみよう yと xという変数名の系列をを作成する yt=0.5+yt-1+et xt=0.1+xt-1+et 初期値を y は 10

3. みせかけの相関単位根系列が注目されるのは これを持つ変数同士の回帰には意味がないためだ 単位根系列で代表的なドリフト付きランダムウォークを発生させてそれを確かめてみよう yと xという変数名の系列をを作成する yt=0.5+yt-1+et xt=0.1+xt-1+et 初期値を y は 10 第 10 章 くさりのない犬 はじめにこの章では 単位根検定や 共和分検定を説明する データが単位根を持つ系列の場合 見せかけの相関をする場合があり 推計結果が信用できなくなる 経済分析の手順として 系列が定常系列か単位根を持つ非定常系列かを見極め 定常系列であればそのまま推計し 非定常系列であれば階差をとって推計するのが一般的である 1. ランダムウオーク 最も簡単な単位根を持つ系列としてランダムウオークがある

More information

Microsoft PowerPoint - データ解析基礎2.ppt

Microsoft PowerPoint - データ解析基礎2.ppt データ解析基礎. 度数分布と特性値 keyword データの要約 度数分布表, ヒストグラム 分布の中心を表す基本統計量 平均, 最頻値, 中央値 分布のばらつきを表す統計量 分散, 標準偏差 統計データの構造 - データ解析の目的 具体的な対象 ( 母集団 ) についての調査結果 ( 標本をどう加工 処理し, 有益な情報を引き出すかである. 加工 処理するための調査結果として, データ ( 観測データ

More information