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1 011/0/17 第 5 回不確かさクラブ総会 概要 標準不確かさと拡張不確かさ ー信頼の水準約 95% についてー 1 最近の議論の背景 95% 問題において考慮すべきポイント 3 考え方の整理 産業技術総合研究所計測標準研究部門榎原研正 補足資料 (1 統計学における自由度 ( 不確かさ評価における自由度 (3 海外の関連規定について Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 1 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST GUM における不確かさの表現方法 1 最近の議論の背景 95% 問題において考慮すべきポイント 3 考え方の整理 記号 u c (y : 合成標準不確かさ U : 拡張不確かさ k : 包含係数 合成標準不確かさ もしくは拡張不確かさのどちらかを使う GUM では元来 合成標準不確かさでの表現が基本的とさ れている 使用例 : CODATA( 基礎物理定数のデータベース ( org/resources/databases 現実には多くの場合 拡張不確かさが用いられている Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 3 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 4

2 不確かさ表現の実際 - 合成標準不確かさ u c (y を用いる場合 [ 例 ] m s = g ここで合成標準不確かさは u c (m s =0.35 mg [ 例 ] m s = ( g ここで括弧内の数は表示された結果の単位で表した合成標準不確かさ u c (m s の数値である いずれも曖昧さのある要素は少ない Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 5 不確かさ表現の実際 - 拡張不確かさ U を用いる場合 測定結果 : m s = g, 拡張不確かさ : U = g と報告するときのU の説明として [ 例 a] U は包含係数をk= として求めた拡張不確かさ 付加情報 1 つ 広く使われている [ 例 b] U は包含係数を k= として求めた拡張不確かさで 約 95% の信頼の水準 ( 包含確率ともいう を持つと推定される区間を定める 付加情報 つ しばしば使われている [ 例 c] U は 自由度 ν= 9の t 分布にもとづく包含係数 k=.6 から求めた拡張不確かさで 約 95% の信頼の水準を持つと推定される区間を定める 付加情報 3 つ 使用例は多くない Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 6 不確かさの表現に関する最近の動向 ILAC Polcy for Uncertanty n Calbraton (ILAC-P14, 010/11 月発行 認定機関 校正機関 及び標準物質生産者が対象 CMC ( 校正及び測定能力 で表される不確かさは およそ 95% の包含確率を有する拡張不確かさで表現しなければならない (5.3 節 校正証明書には 包含係数及び包含確率を記載しなければならない (6. 節 注 1 ILAC = 国際試験所認定協力機構注 ILAC 文書は 混乱を避ける目的で 本来複数のオプションがあり得るものを一本化する立場で作成されていることに注意 技術的に妥当なオプションをすべて提示する GUM とは立場が異なる Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 7 不確かさの表現に関する最近の動向 ILAC Polcy 認定 認証制度 (ISO/IEC 1705, ISO Gude 34, ISO の枠組みの中での校正証明書の発行には 約 95% の包含確率 ( 信頼の水準 であることを明記した拡張不確かさの報告が要求される [ 例 a] は不可 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 8

3 ILAC-P14 に関わる最近の国内動向 国内認定機関において k の値と包含確率を対応づける根拠として 有効自由度の算定を必須とすべき有効自由度の算定を必須とすべきではないか? との検討が行われている [ 例 b] と [ 例 c] の折衷案 : 有効自由度を必ず算定したうえで 有効自由度がある一定値 ( 例えば 9 以上の場合に [ 例 b] 方式 そうでない場合に [ 例 c] 方式が検討されている 問題のありか 包含確率を表記することに対する異論は少ない k= は 正規分布における約 95% の包含確率に対応している との暗黙の前提があった 包含確率として 95% 以外の値 (99%, 90% など を使うべきとの異論も少ない 拡張不確かさでは 包含確率 95%( 及びk = がデフォルトのように広く用いられてきた Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 9 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 10 問題のありか 95% 表記の根拠として有効自由度の算定を義務づけるかどうかの部分について 賛否がある 有効自由度を用いない [ 例 b] 有効自由度を用いる [ 例 c] 不確かさクラブとして取り組みたいこと 様々な技術分野や立場 ( 不確かさの利用やトレーサビリティ階層の点で のメンバーが集結していることを活用し 1 どのような考え方や方針があり得るかについて 広く情報を交換し 共有する 共通の認識を持ち得る部分は何かを検討する [ 例 b] U は包含係数を k= として求めた拡張不確かさで 約 95% の信頼の水準を持つと推定される区間を定める [ 例 c] U は 自由度 ν= 9 の t 分布にもとづく包含係数 k= =.6 6 から求めた拡張不確かさで 約 95% の信頼の水準を持つと推定される区間を定める Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 11 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 1

4 有効自由度の利用の意義 1 最近の議論の背景 95% 問題において考慮すべきポイント 3 考え方の整理 1. (t 分布の適用が妥当な場合 y ±U の中に 測定量の値 が含まれる長期的成功率 ( 独立な測定及び不確かさ評価を多数回繰り返したときの成功の割合 が 指定の値 (95% に近くなる t 分布に基づく包含係数 k 自由度 ( t 0.95 ( 自由度 ( t 0.95 ( 自由度が低い場合 ( 例えば1 桁 k = からのはずれは小さくない Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 13 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 14 有効自由度の利用の意義 統計学における自由度と 不確かさ評価における有効自由度の違い. 有効自由度が小さいことは 不確かさ評価の再現性が低い ( 不確かさが 暴れる ことに対する警告となる 統計学 自由度は明確 自由度 ( = 繰り返し数 (n-1 ( 一般に データ数 - あてはめパラメータの数 不確かさ評価 有効自由度を決めがたい B タイプ評価の自由度の算定が難しいことが多い 正規分布 (Welch-Satterthwate の式の前提 に従わない変数の存在 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 15 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 16

5 B タイプ不確かさの自由度を とする根拠は一般に無い B タイプ不確かさの自由度の 定義 1 u( x u( x 不確かさの不確かさ 自由度 は 不確かさの大きさが 100% 信用できることを意味する 通常 B タイプ不確かさ ( 元来 主観確率に基づく の大きさを 100% 信用はしていない 統計学における区間推定と 不確かさ評価の違い 区間推定では 推定対象推定対象 ( が ( 平均して 100 回に 95 回信頼区間の中に入ることを要請 を正確に求めたい ( 区間幅が評価の都度変化するのは差し支えない 不確かさ評価では U を 校正測定能力 の指標のように用いることが多い U 自体も正確に求めたい (U が評価の都度変化するのは避けたい ; U の再現性が重要 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 17 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 18 t 分布を使っても 正確 な U は求まらない 拡張不確かさ t 分布で正確に決められるのはこの部分 U = k u c (y 自由度が小さいときには 合成標準不確かさの再現性が低い 再現性の高い U を求めるには 自由度を大きくすることが必要 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 19 U の再現性の例 ( 有効自由度 = 9 の場合 次回の不確かさ評価で同様の値が得られるかどうか U U/U U = k u c (y に対する 100 回のシミュレーション計算 正確な ( 自由度 の 拡張不確かさ DF = 9 k= k= t 0.05 (9 = 不確かさの大きさが 評価のたびごとに安定しない Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 0

6 U 自体の大きさが重要となる局面 トレーサビリティの経路の途中では U と k からu c (y に戻して使うのが普通 ( むしろ u c (y が大切 適合性評価の局面で初めて U の大きさが重要となる ( リスク評価に必要 ( ただし 適合性関連文書草案 草案 (ISO/IEC Draft Gude 98-4 Role of measurement uncertanty n conformty assessment, 009/10 でも k = がデフォルト (4. 節 産業界へのメリット デメリット 有効自由度の計算の義務づけが 産業界等にもたらすメリットは何か? 理解や計算の複雑さと それで得られる U の妥当性が釣り合わない (? k の計算根拠の曖昧さ U の再現性は上がらない k = 包含確率 95% でよいとする簡明さが持つメリットも重要 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 1 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 海外動向への配慮 日本でだけ有効自由度の計算を義務づけるのは 国内産業界の負担を増やす ILAC による 95% 表記の義務づけの真意は 有効自由度計算の義務づけではない ILAC-P14 には 有効自由度への言及はない 1 最近の議論の背景 95% 問題において考慮すべきポイント 3 考え方の整理 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 3 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 4

7 有効自由度の計算の考え方 ( 案 1 有効自由度の計算の根拠に曖昧さがある場合は多い 有効自由度の意味の理解や計算は必ずしも簡単でない t 分布で k を決めても U の再現性は改善されない 海外で有効自由度の計算を義務化する動きはない などを考慮すると 現段階でこの計算の義務化は適当でない 有効自由度が小さいと 不確かさの再現性が悪くなることから 支配的な不確かさ成分の自由度支配的な不確かさ成分の自由度が小さいときには 注意を喚起し 可能な範囲で自由度を増やす努力を促すことは有用 支配的成分に着目した自由度大小の判定指針 ( 案 出発点 自由度 = 9 に対する 95% 包含係数 (k =.6 6 を k = で置き換える近似を許容範囲と考える 支配的成分最大の不確かさ成分 もしくは大きい順に複数成分を合成したものを u d (d: domnant とし u d が合成標準不確かさの全体 u c のおよそ 0.8 倍以上になるようにする u d に含まれる成分を 支配的 とみなす 自由度の大小の判定支配的成分の内の最小の自由度が= 9 以上ならば 妥当な不確かさ評価とする = 9 未満ならばu c の再現性が低い可能性があることに注意喚起する Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 5 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 6 支配的成分の自由度 ー説明 支配的成分の判定例 合成標準不確かさ u c = u d + u t 支配的成分 微小な成分 100 nm 単分散粒子の個数平均径 (D pa 測定における不確かさバジェット 出発点 : (=9 に対する k =.6 を k = と近似することを許容 u d /u c /.6 ならば u c を u d で近似することを許容 u d 0.78 u c ( 0.8 u c ならば u t を無視することを許容 この条件を満たすとき u d の自由度に ( のみ 着目すればよい u d の中に複数成分がある場合 u d の有効自由度 は 成分中の最小の自由度より小さくなることはない 最小自由度が 9 より大きければ は 9 より大 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 7 入力量 標準不確かさ 相対標準不確かさへの寄与相対分散寄与率 u (D pa/d pa [u ] (D pa/d pa] [u (D pa/u c(d pa] p u( p = u( p g/cm 3 3 p V 0 u(v ( u ( V V V 0 H u ( H. 9 m u( H H g 5 u(g = m/s u( g g.5 S ( = 1,,..., 11 4 u(s = 相対合成標準不確かさ u ( S m ma ma j S j uc ( Dpa D pa 支配的 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 8

8 不確かさ表記の考え方 ( 案 [1] 許容され かつ混乱を生じない場合には u c (y を用いる [] U で表記する場合 通常 k = を採用し 次の表現 ( 例 b を用いる : U は包含係数を k = として求めた拡張不確かさで 約 95% の信頼の水準を持つと推定される区間を定める [3] ただし 支配的な不確かさ成分の自由度が小さいときには 不確かさ自体のばらつきが大きいことに注意する 必要に応じて対策をとる k = 以外の包含係数の利用 ( t 分布の利用 あるいは一様分布の想定等 [B タイプ不確かさが支配的の場合など ] は妨げない Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 9 補足資料 (1 統計学における自由度 ( 不確かさ評価における自由度 (3 海外の関連規定について Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 30 母平均 の区間推定 - どんな問題か? 母集団 母平均 : 母標準偏差 : ランダムサンプリング あるいは測定の問題としては 測定 標本 { x 1, x,..., x n } を手掛かりに がこれこれの区間の中にあると推定 測定量の ( 真 値 : 測定データ { x 1, x,..., x n } を手掛かりに ( 不可知 がこれこれの区間の中にあると推定 ( 例えば 被校正ブロックゲージ ( ただし 測定にはかたよりはなく ばらつきだけがあるとして Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 31 母平均 の区間推定の手順 ( 母標準偏差 が既知既知のとき (1 標本平均 ( u m n x m n を計算 は標準正規分布 N(0, 1 に従う m の母標準偏差 (3 95% の u が の区間に含まれる 約 ± 標準正規分布 N(0, 1 p(u 95% (4 は m の区間にある ( 信頼水準 95% n 1.96 ( 正規母集団 もしくは中心極限定理の成立を仮定 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 3

9 区間推定と拡張不確かさの対応 ( 母標準偏差 が既知既知のとき 包含係数 k = がしばしば使われる理由はこれ n 拡張不確かさ U に対応 m の標準不確かさ u(m に対応 母平均 の区間推定の手順 ( 母標準偏差 が未知未知のとき (1 標本平均 m n x と実験標準偏差 s m ( t = は t 分布 ( 自由度 n-1 に従う s n ( x x n 1 を計算 ( の代わりに s を使う (3 95% の t が t t 0.05 (n-1 の区間に含まれる ( 次ページ ( 両側 5% 点 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 33 (4 は m t n ( s n の区間にある ( 信頼水準 95% Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 34 t 分布 区間推定と拡張不確かさの対応 0.4 標準正規分布 = t 分布 ( 自由度 t 分布 ( 自由度 5 ( 母標準偏差 が未知未知のとき は 95% 信頼区間 ±t (n -1 を示す p(x t 分布 ( 自由度 自由度が小さくなるほど分布の幅が拡がる 従って 95% 信頼区間も広くなる x 信頼の水準 自由度 包含係数 k t n ( s n 拡張不確かさ U に対応 m の標準不確かさ u(m に対応 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 35 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 36

10 t 分布の両側 5% 点 t ( ( = 包含係数 k 統計学における自由度 ( = n -1 自由度 t ( 自由度 t ( 自由度 t ( 正規分布の包含係数 n 個の繰り返しデータの実験標準偏差 s の自由度は n-1 自由度は実験標準偏差 s の 暴れ具合 の目安 自由度が小さいと s が 暴れる 正規母集団の場合 s の標準偏差 1 自由度 自由度 で s Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 37 母標準偏差 ( 暴れはゼロ Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 38 実験標準偏差 s の 暴れ 具合 実験標準偏差 s の 暴れ 具合 [s の標準偏差 ]/ 数, p(s/ 度関数 pdf 確率密 自由度 自由度 (s の標準偏差 / 自由度 (s の標準偏差 / 自由度 (s の標準偏差 / s/sgma s/ Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 39 * s の標準偏差の厳密式に基づく ( 近似式 (1/ 1/ でなく s の期待値 ゆえ [s の標準偏差 ]/[s の期待値 ] と異なる Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 40

11 不確かさ評価における自由度の計算手順 - 全体の流れ 補足資料 (1 統計学における自由度 ( 不確かさ評価における自由度 (3 海外の関連規定について u 不確かさの伝播則 c u( x c u( x c u( x c ( y 1 1 N N 1. 各入力量の不確かさ u(x の自由度 を決める. Welch-Satterthwate の式を用いて合成標準不確かさ u c (y の有効自由度 eff を求める Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 41 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 4 A タイプ不確かさ u(x の自由度 B タイプ不確かさ u(x の自由度 統計学における自由度に他ならない もともとは u(x の 暴れ具合 と次の関係がある u( x の標準偏差 u ( x x s の標準偏差 1 自由度 1 であるが は通常不明な ので を s で置き換え さらに s を u(x でおきかえたもの 従来の統計学には無い概念 (GUM で導入された A タイプ不確かさを参考に 自由度を次で 定義 する u( x 1 1 u( x もしくは逆に解いて u ( x u ( x ただし u(x はu(x の 怪しさ ( 見積もりについての確信度の低さ を標準偏差相当の大きさとして表したもの Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 43 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 44

12 B タイプ不確かさの自由度の求め方の例 B タイプ不確かさの自由度の求め方の例 例 1 不確かさ u(x( は約 5% 程度 信頼できると判断できる場合 u(x / u(x = (GUM に記載の例 例 デジタル計器の表示分解能に伴う不確かさ 例 3 校正証明書に 拡張不確かさの包含係数が k = ( でこれが 95% 区間に対応 との記載がある場合 k = は正規分布 (= 自由度 の t 分布 の 95% 区間に対応と想定 例 : 表示値 x = 5.7 [ 5.65, 5.75 ] の範囲の一様分布 = (100 % 信用することになる u( x には 怪しさ がない ( いつ誰が評価しても同じ u(x / u(x = 0 = ( 無限大 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 45 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 46 B タイプ不確かさの自由度の見積もりの実際 例 や例 3 のように B タイプ不確かさの自由度を一定の根拠を持って決められるケースはむしろ稀 不確かさの不確かさ u(x を定量的に見積もる根拠が見つからないことが多い 例 1 は むしろこのケースと考えられる B タイプ不確かさの自由度の見積もりの実際 やむを得ず 不確かさ u(x を大きめ ( 安全側 に見積もったうえで 自由度を と仮定 (k は小さめになる することが少なくない ただし これが妥当であるとの科学的根拠は無い 妥当な値より大きめに見積もっているならば u(x の信頼度は低いのだから u(x は大きくすべき ( 自由度は小さくすべき との考え方もあり得る 不確かさは過大評価すべきでないとの GUM の考え方にも反する B タイプ不確かさの自由度を曖昧さ無く決定する方法は未確立 これは t 分布に基づく包含係数の決定の最大の問題点の一つ Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 47 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 48

13 合成標準不確かさの有効自由度 伝播則 自由度 u c u( x c u( x c u( x c ( y 1 1 N N 1 N 合成標準不確かさ u c (y の自由度 eff を次で求める 4 uc ( y c u ( x eff 4 4 Welch-Satterthwate の式 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 49 ( 参考 Welch-Satterthwate の式の導出 自由度 のカイ二乗分布 は 期待値が E[ ] =, 分散が V[ ] = であることを利用する s ( = 1 ~ n が正規母集団 ( 母分散 からの標本にもとづく 互いに独立な実験分散 ( 自由度 ならば s ~ 仮定 (1 ( ただし は自由度 のカイ二乗分布 いま s a1s1 as ansn ( a は定数 ( と定義される s について その期待値 E[s ] と分散 V[s ] はそれぞれ 4 E[ s ] a a (3 V[ s ] (4 もし s 自体も正規母集団からの標本の実験分散 ( 自由度 のようにふるまうものと ( むりやり 仮定すると (1 と同様に E[ s ] 近似 s ~ (5 V[ ]= を使ってこの分散を求めると ( [ ] [ E s V s ] (6,(4,(3 から が次のように求まる a a 4 (7 (6 近似 で を s でおきかえて を推定 W-S 式 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 50 Welch-Satterthwate の式の妥当性について 近似式である ( 妥当でない値を与える場合もある 各項の自由度の不均一性が高いときは近似が悪い 成立のための必要条件 u(x が互いに独立 u (x が 正規分布からの標本の実験分散と見なせる 妥当な近似であるための必要条件 合成された分散 u c (y が 正規分布からの標本の実験分散と同様の確率分布に従う を s でおきかえるのが妥当な近似になっている 有効自由度の利用と前提条件 t 分布要件 が成立するならば B タイプ不確かさの自由度の評価が技術的に妥当 W-S の近似が妥当 測定結果 y が近似的に正規分布からの標本とみなせる t = (y-/u c (y が近似的に t 分布に従うと考えて良い このとき U は包含係数 k =.31 から求めた拡張不確かさで U は信頼の水準 95% に対応する区間を表す ( 有効自由度 = 8 の場合の例 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 51 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 5

14 有効自由度の折衷的利用 有効自由度の値が一定 ( 例えば 9 以上であれば k = 信頼の水準 95% の表現を用いることとし 有効自由度 eff の値が小さいときにのみ k = t 0.05 とする考え方 ([ 例 b] と [ 例 c] の折衷案 もある ただし 0.05 eff eff を用いる 有効自由度が妥当に評価されているならば 常に k = t 0.05 eff を用いるのが自然 有効自由度がそもそも妥当な計算かどうか 実証可能でない 有効自由度の値のしきい値 ( 例えば9 の根拠が曖昧 などの反論もある 補足資料 (1 統計学における自由度 ( 不確かさ評価における自由度 (3 海外の関連規定について Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 53 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 54 各国の考え方ー米国 NIST Techncal Note 197 Gudelnes for Evaluatng and Expressng the Uncertanty of NIST Measurement Results, B. N. Taylor & C. E. Kuyatt (1994 [6.5] To be consstent wth current nternatonal practce, the value of k to be used at NIST for calculatng U s, by conventon, k =. Values of k other than are only to be used for specfc applcatons dctated by establshed and documented requrements. [6.5] 現在の国際的慣行に合わせ NIST で用いる k の値としては 慣習により k = を用いる 以外のk の値は 確立され文書化された要請にもとづく特別な利用でのみ用いるべきである 慣習により k = 通常は有効自由度は用いない (t 分布の利用については Appendx B に記載 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 55 各国の考え方ー欧州 EA-4/0 Expresson of the Uncertanty of Measurement n Calbraton, EA (European co-operaton operaton for Accredtaton, In calbraton certfcates the complete result of the measurement... shall be gven n the form ( (y ± U. To ths an explanatory note must be added whch n the general case should have the followng content: The reported expanded uncertanty of measurement s stated as the standard uncertanty of measurement multpled by the coverage factor k =, whch for a normal dstrbuton b corresponds to a coverage probablty bl of approxmately 95%. 6.1 校正証明書では (... 中略 測定の完全な結果は (y ± U の形で記載する 一般的場合にはこれに次の内容の説明書きを付記しなければならない : 拡張不確かさの報告値は 測定の標準不確かさに包含係数 k = を乗じたものとして表わされており この包含係数は正規分布については近似的に 95% の包含確率に対応する 一般には k = を用いる 正規分布ならば 95% の包含確率に相当 との言い方で 95% に言及 (t 分布の利用についてはAppendx Eに記載 Natonal Insttute of Advanced Industral Scence and Technology (AIST 56

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