質の高い大学教育推進プログラム 実施状況報告書(案)

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1 質の高い大学教育推進プログラム実施状況報告書 大学等名新見公立短期大学 取 組 名 称生活文化を視点にした介護福祉士養成教育 ~ 地域住民と学生による相互支援活動を通して ~ 申 請 区 分教育課程の工夫改善を主とする取り組み 取 組 期 間 平成 20 年度 ~ 平成 22 年度 (3 年間 ) 取組学部等地域福祉学科 取組担当者吉村淳子 Webサイト 本取組は 地域文化演習発表会 伝統文化行事への参加 相互ボランティア 学生自主 企画講演会 の4つの地域活性化を通して 学生と地域の間に発生する相互作用全体を相互支 取組の概要援活動と位置づける この地域教育力を活用した相互作用関係を介護福祉の価値とし その関 係における高齢者等の対象者の喜びを自らの喜びにできる 利用者と共に喜びを分かち合える 介護福祉士 を養成する取り組みである 1. 取組の実施状況等 1 取組の実施状況 (1) 取組の実施体制 地域文化演習発表会 は カリキュラムの中で 地域文化演習 という科目を授業で行っている 講師には その道のプロである職人の方を非常勤講師として招き指導をしてもらい さらに教科担当の教員がサポートと指導を行った 毎年 2 月下旬にその成果として 木工芸 陶芸 草木染め の作品の展示と 神楽 の上演を行う 地域文化演習発表会 を学科学生約 100 名と学科教員 9 名が参加して学科行事として行った 伝統文化行事への参加 では 毎年 10 月 15 日に行われる新見市無形民俗文化財である 土下座まつり に学科学生約 100 名と学科教員 9 名で学科行事として参加した また 新見市神郷高瀬地区で行われる盆踊りに踊る 地踊り には 教員 2 名と希望者の学生約 14 名が練習から参加した これらの行事へは 大学でバスを借り上げ学生の送迎を行った 相互ボランティア活動 では 学生ができるボランティアを提示し希望者を募ると同時に 地域から学生の教育を支援するボランティアを募った この双方のボランティアの調整は教員が行い それぞれのボランティア活動には担当教員が引率した また 学生が遠くに行く場合 地域のボランティの方が大学に来られる場合は大学がバスやタクシーを借り上げ送迎を行った 学生自主企画講演会 では 講演内容の選定から実施に至るまで学生実行委員会が企画運営を行い 実行委員会の要請を受けて学科教員全員および大学が支援した (2) 取組の実施計画に掲げた内容 1 取組の全体スケジュール 2 取組に参加する教員と学生数学生自主企画講演会 伝統文化行事 地域文化演習発表会は 学科学生全員 100 名および学科教員全員 9 名が参加した 相互ボランティア活動は 随時募集を行ったため 各取組で学生の参加数は毎回約 15 名程度 教員は 2 名程度の参加であった (3) 社会への情報提供活動取組事業の実施時には 本学の情報連絡票を利用し 岡山県内および新見市の新聞社 テレビ局への周知を図った その都度各新聞社およびテレビ局の取材があり 地域への情報発信を行った

2 2. 取組の成果本取組みで行った相互支援活動は 3 年間で延べ 70 回 参加学生数は延べ約 1700 名であった 活動後に行った学生のアンケート結果では とても良かったが 60.9% 良かったが 33.3% まあまあ良かったが 5.8% であり よくなかったと回答したものはおらず 全員が参加してよかったと回答した 介護実習などで役に立ったことについては 利用者との話題つくり (26.5%) 利用者との人間関係つくり (19.6%) 利用者とかかわる方法 (14.1%) 利用者の理解 (14.1%) であり コミュニケーションや利用者理解に役立っているという結果となった 地域住民へのアンケートからは 若い学生さんとの交流は地域にとって有意義 とか 地域に活気がでてくる 生活文化の継承につながった など 地域の活性化に役立ったという結果であった また 学生に教えるために集まって相談したり 協力して準備するなど地域の団結力の効果もあった また ボランティアで教えに来て下さった高齢者からは 次は何を教えてあげようかと楽しみだ また 学生さんと過ごす時間が楽しい などという声も聞かれ 地域の活性化 伝統文化の継承 地域の教育力の醸成 高齢者などの役割意識や生きがいの創出へとつながっていたと考えられる また 本取組みの最終報告会 (2010 年 12 月開催 ) における学生からの活動報告では アンケートに書いてもらった地域の人たちの喜びや励ましの声 活動中にみた地域住民の喜ぶ姿が 嬉しかった 学生に教えることで喜んでおられることがわかった 喜びや楽しみを共有できた と述べている また 卒業生からは 施設ケアだけでなく地域全体を見る力がついた 地域の人が喜んでくれたという経験が 介護現場で頑張っていく力や自信につながっている などの報告があった 外部評価委員からは 介護福祉教育に重要な実践であった 守る 作る 食べる という具体的な生活文化を共有しながら対象者理解を深めていくしかけが良かった 地域に出ることで 公 への参加が学生の人間的成長につながっている 学生がボランティア報告会を行い 個人の体験を公の経験にした意義は大きい 学生の活動は地域の生活文化の一部となっており それが自己肯定感となったなどの評価であった また 介護福祉現場の評価委員からは 介護実習での学生や就職している卒業生が 多くの活動体験を通して得た自信が積極性につながっているという評価であった 地域からの委員からは 若者が自分たちの将来の職業も意識しながら地域のことを勉強しようと思ってくれることが 伝える地域住民にとってやりがいにつながっているという評価であった 以上のことから 本取組みの地域に対する効果 学生への教育効果は上がったのではないかと考えられる これらを通して 利用者と共に喜びを分かち合える介護福祉士養成につながっているのではないかと評価している

3 3. 評価及び改善 充実への取組取組の評価は 参加学生へのアンケート 課題レポート 地域住民へのアンケートや聞き取り調査による評価と 学内設置の教育評価委員会 本取組みのために設立したG P 評価委員会からの評価が受けられる体制とした また 毎年行っている卒業時満足度調査の結果も参考にした 参加者アンケートは活動ごとに実施し 参加者の満足度等を調査した また 2 年間通して活動に参加できた 2009 年度生に対しては 卒業前に 教育効果や実施体制等に関する調査を行った 教育評価委員会の評価は毎年度末に実施し GP 評価委員会の評価は 中間評価と最終評価の 2 回実施した また 学生ひとりひとりの参加状況も把握できるようにした 参加者アンケート結果は 実施毎にまとめ この結果を次の活動の実践に役立てるようにした 2009 年度生に対する卒業前の調査結果からは 活動が教育で役立っているか 実施体制の不備はないかを把握するために行ったものであり 参加状況とリンクさせることにより 自主参加活動へ参加しない学生とその理由が明らかとなり 参加を促す方法の改善 実施日の設定に役立った 反面 2 年間の短い在学期間の間に 実習や授業の合間に 多くの活動が入ることにより 忙しいと感じる者や 参加したくてもアルバイト等で時間が合わなかった者もおり 課題が残った 卒業時に行っている学生満足度調査の 2009 年度生の結果では 本学への入学 地域との交流などいずれも高い評価であった 地域住民のアンケート結果からは マイナス評価はほとんどなく 満足度が高い結果であったが 学生自主企画講演会の運営等に対する意見などは 次の講演会の企画や運営に役立っていた また 満足度の高さや学生への感謝 励ましの意見は 最も直接的に 学生の実践の喜びや達成感につながった 教育評価委員会では 年度ごとの活動報告と自己評価をもとに 実施方法や評価方法等への改善策や 活動以外の日々の授業の中に取組みのねらいを意識させることによって より教育効果が高まるなど具体的な提案がなされ 翌年度以降の実施体制の整備や評価方法 日々の教育とGP 活動との統合などに役立った GP 評価委員会の中間評価では 参加していない学生をいかに参加させるかに努力が必要 参加学生の学びを他の学生に共有させるシステムの有効性と必要性 日常の生活を支えるという現実の介護福祉の仕事へつなげていく工夫など 具体的な改善点が指摘され また改善方法への提案もあった これを受けて 中間報告会以降の取り組みにおいて 学生からの企画によるボランティア報告会や成果報告会の実施 田植えや手芸を正課授業の中で実施する 草取りや雪かきなど同じ独居高齢者宅で継続して活動させてもらう 田植え 収穫 餅つきなど 1 年間を通した活動を行う 授業で参加学生の体験等取り上げ具体的事例として授業内容とリンクさせるなど改善に努めた 最終評価では 取組みのねらいが十分達成できている それ以上に 学生の活動が新見の地域における介護という生活文化となっている 学生が 個 から 公 を経験することで人間的成長を遂げた 就職や実習でくる人たちが 積極的に活動してい

4 る 地域や地域住民が学生とかかわることにやりがいを感じているなど よい評価を受けた 4. 財政支援期間終了後の取組活動全体を 一部変更しながら 継続していく 学生自主企画講演会については 会場の変更等で収容人数の縮小は余儀なくされるが費用を抑えていく 相互ボランティア活動については 学年ごとの活動を縮小し バス使用料などの費用を抑える ( また 開催方法を県の事業とリンクさせる形で実施し 外部資金からも補充できるように改善していく ) これらの方法で 費用を抑えつつ 学科予算として計上し コンパクトではあるが 4 つの活動を継続していく

5 2. 取組の全体像 * 取組みの全体像 * 今後の展望 GP 外部評価委員会の最終評価 成果報告会での学生や卒業生の報告 地域の声から 学生 地域双方に対する本取組みの成果は上がっているものと考える 質の高い介護福祉士養成のために 基本的に 4 つの活動すべてを継続する 学科行事とした祭り参加や餅つき等は学科として 徐々に進めてきた正課授業への取り込みは各授業内で継続していく 地域に出向いての活動の交通費等は 活動地の変更や一部規模を縮小し 学科予算として計上した範囲内で収まるよう工夫する 田植え 稲刈りについては バスの借り上げ等が困難なため今後の検討課題とする

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