腎炎症例研究 28 巻 2012 年 急性腎不全 不明熱で入院, 血小板減少も併発し診断に苦慮した 1 例 池田信一郎星野太郎中村太一 症例症例 :78 歳男性主訴 : 発熱, 食思不振既往歴 :60 歳頃 ~: 高血圧で内服加療,71 歳 ~: 心房細動 右脚ブロック,75 歳 : 大腸ポリープ切

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1 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 急性腎不全 不明熱で入院, 血小板減少も併発し診断に苦慮した 1 例 池田信一郎星野太郎中村太一 症例症例 :78 歳男性主訴 : 発熱, 食思不振既往歴 :60 歳頃 ~: 高血圧で内服加療,71 歳 ~: 心房細動 右脚ブロック,75 歳 : 大腸ポリープ切除,78 歳 : 副鼻腔炎 肝機能障害内服薬 : ベニジピン, モサプリド, テプレノン, ランソプラゾール, ビフィズス菌生活歴 : 飲酒 : 日本酒 4 ~ 5 合 / 日 (20 ~ 75 歳 ), 喫煙 :20 本 / 日 (20 ~ 75 歳 ) 家族歴 : 父 : 多発性骨髄腫, 心不全, 腎疾患, 高血圧, 母 : 高血圧現病歴 : 高血圧, 心房細動のため他院で通院加療中であった 76 歳時点では血圧 144/92 mmhg,cr 0.81 mg/dl, 尿蛋白 / 尿潜血陰性であった 入院 9 ヶ月前より 37 台の間歇的な発熱を認めるようになった この頃副鼻腔炎と診断され, 抗生剤を内服している 入院 8 ヶ月前に受診した市の健康診断では, 脂質異常を指摘されたが, 尿所見を含めその他の異常はなかった 微熱は続いており, 入院 6 ヶ月前頃から食思不振, 全身倦怠感, 脱力感, 易疲労感が出現 体重は 8 ヶ月前時点と比し 5 ~ 6 kg 減少した 入院 5 ヶ月前には AST 127 IU/l,ALT 84 U/ l,γ -GTP 135 IU/l と肝機能障害が出現し,Cr 0.95 mg/dl,crp 1.36 mg/dlであった 感冒に伴 うウィルス性のものだろうといわれた 入院 4 ヶ月前になると夜間頻尿があり, 心窩部不快感を感じるようになった また, 寝汗もかくようになった 入院 3 ヶ月前には尿蛋白 +, 尿潜血 ± と初めて検尿異常が出現 入院 6 週間前にはBUN 35.9 mg/dl,cr 3.2 mg/ dl,crp 3.29 mg/dl と腎機能障害, 炎症反応上昇を認めた さらに入院 2 週間前にはBUN 67.9 mg/dl,cr 7.97 mg/dl となり他院に入院, 急性腎不全として血液透析が開始され, 家族の都合により当院転院となった 70 kg あった体重が転院時は57 kg となっていた 入院時身体所見 : 身長 cm, 体重 56.3 kg, 血圧 120/68 mmhg, 脈拍 76/ 分不整, 体温 37.5, 呼吸数 12/ 分,SpO 2 96%( 室内気 ), 意識 : 清明, 結膜 : 貧血 黄疸なし, 皮膚 : 皮疹はなく, 表在リンパ節は触知しない, 胸部 : 心音純, 呼吸音清, 腹部 : 平坦 軟で圧痛なし, 肝 脾を触知しない, 四肢 : 浮腫なし, 神経所見 : 異常なし 横浜市立みなと赤十字病院腎臓 高血圧内科 Key Word: サルコイドーシス, 急性腎不全, 血液透析 14

2 第 55 回神奈川腎炎研究会 < 血算 > WBC 3400 /μl Neut 85.0 % Lymp 7.0 % Hb 9.4 g/dl Plt 4.0 万 /μl < 生化学 > TP 6.5 g/dl Alb 3.2 g/dl T-bil 0.6 mg/dl AST 24 IU/l ALT 10 IU/l LDH 278 IU/l ALP 226 IU/l γ-gtp 13 IU/l CK 20 IU/l BUN 37.5 mg/dl Cr 7.39 mg/dl Na 133 meq/l K 3.5 meq/l Cl 100 meq/l Ca 8.8 mg/dl P 4.8 mg/dl 入院時検査所見 Mg 2.2 mg/dl CRP 1.9 mg/dl T-Cho 202 mg/dl BS mg/dl HbA1c(JDS 値 ) 6.0 % IgG mg/dl IgA mg/dl IgM mg/dl ipth 18.0 pg/ml 1,25(OH) 2 VitD 25 pg/m ASO 75.0 IU/ml ASK 倍 C mg/dl C mg/dl CH IU/ml RF 3.0 抗核抗体 <40.0 倍 抗 dsdna 抗体 2.9 IU/ml PR3-ANCA <10 EU MPO-ANCA <10 EU 抗 GBM 抗体 <10 抗血小板抗体 陰性 PAIgG 6.7 ng/10 7 < 尿検査 > ph 7.0 比重 1.0 蛋白 2+ 糖 1+ ケトン 潜血 ± 赤血球 <1 /HPF 白血球 1 ~ 4 /HPF 細菌 - selictivity index 0.46 尿中 β 2 MG μ g/l 尿中 NAG 6.7 U-Na 113 meq/l U-K 16 meq/l U-Ca 46 mg/dl U-Cr 148 mg/dl U-BUN 9.1 mg/dl < 蓄尿検査 > Cr 0.37 g/ 日 尿蛋白 0.48 g/ 日 Ccr 2.25 ml/min Ca 39 mg/ 日 図 1 図 2 15

3 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 図 3 図 6 図 4 図 7 図 5 図 8 16

4 第 55 回神奈川腎炎研究会 図 9 図 12 図 10 図 13 図 11 図 14 17

5 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 図 15 過形成性骨髄で造血系細胞の形態異常なし壊死を伴わない多核巨細胞を含む肉芽腫 上部消化管内視鏡胃体下部 ~ 中部小弯前壁に潰瘍生検で腫瘍性変化なしアミロイド沈着はみられず 67 Ga シンチグラム骨髄に軽度の集積その他悪性腫瘍を示唆する異常集積はなし 腎生検間質に多核巨細胞を含む類上皮細胞肉芽腫が多数認められる プロブレムリスト 急性腎不全 発熱, 食思不振, 体重減少 血小板減少 肉芽腫性間質性腎炎 薬剤性 感染症 : 結核, 真菌症など 血管炎 : ウェゲナー肉芽腫症など サルコイドーシス 鑑別診断 急性腎不全 腎性腎不全急速進行性糸球体腎炎間質性腎炎 etc 悪性腫瘍 感染症 膠原病入院中に行った検査 呼吸機能検査 FVC 2.4 L %FVC 88.5% FEV L FEV 1.0 % 77.8% 眼科診察軽度高血圧性変化 :Scheie 分類両眼 H1S2 ぶどう膜炎は認めず 抗ヘパリン-PF4 抗体陽性 骨髄生検 その他の検査結果 喀痰 血液 尿培養 : 細菌, 真菌, 結核菌陰性 QFT-3G : 陰性ツベルクリン反応 : 陰性 (3 2 mm, 硬結なし ) 血清 ACE:33.6 IU/l(8.3 ~ 21.4 U/l) 血清リゾチーム :29.8 μg/ml(5.0 ~ 10.2μg/ml) 診断 サルコイドーシス ACE 陽性の組織診断群 ( 特定疾病治療研究事業における認定基準 ) ヘパリン起因性血小板減少症 (HIT) HIT 抗体陽性であり, 回路内の残血が目立ち, カテーテルの閉塞を繰り返した カテーテルロック用のヘパリンも中止したところ血小板数は上昇した 18

6 第 55 回神奈川腎炎研究会 症例の小括 HIT による血小板減少のため腎生検施行までに時間を要し診断に苦慮した サルコイドーシスによる肉芽腫性間質性腎炎により急性腎不全を発症し維持透析導入となった ステロイド治療を行ったが血液透析を離脱できていない 考察 : サルコイドーシス サルコイドーシスは, 肺, 眼, 皮膚を主病変とし, 非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫を主徴とする原因不明の全身性疾患 である 肺病変を来たすことが多く, 腎病変のみを呈することは比較的稀である 眼症状や皮疹, 咳, 全身倦怠感などで発見される場合が多いが, 無症状で検診でBHLを指摘され発見に至ることもある サルコイドーシスにおける腎病変 他臓器の病変と併存することもあるが, 単独で出現する症例も報告されている 1) Matthieu らによると, 腎サルコイドーシス47 例のうち, 血液透析を要する高度の腎不全を認めたのは 3 例で,2 例は治療後も維持透析を要した 2) 本例は緊急透析を要する急性腎不全として発症し, 他臓器病変の所見に乏しかった 1)Nephrol Dial Transplant 2003;18: )Medicine 2009;88: サルコイドーシスにおける腎病変の病態 Am J Kidney Dis 2006;48: より カルシウム代謝異常に伴うもの 肉芽腫性間質性腎炎 (GIN) 糸球体腎炎 尿路閉塞, 腎血管病変などによるもの 本例ではカルシウム代謝異常はみられず, GIN により急性腎不全を起こしたと考えられた 肉芽腫性間質性腎炎 (GIN) GIN の頻度は, 腎生検標本中 % と報告されている 1) 病因として薬剤性, 感染症, 肉芽腫性血管炎, サルコイドーシスなどがある 1) GIN の病因としてサルコイドーシスの占める割合は % である 2) 1)Medicine 2007;86: )Int J Surgical Path 2006;14:57-63 サルコイドーシスにおける血小板減少症 サルコイドーシスにおける血小板減少症は稀であるが, 機序としては1 脾腫,2 骨髄浸潤, 3 自己免疫 (ITP) が考えられる * 本症例では脾腫があり, 骨髄では巨核球が増殖しており,1 及び3が関与していた可能性があるが,PA-IgG は陰性でHIT 抗体陽性であった サルコイドーシスにおいては,Th1 刺激による免疫状態の変化があり, 他の自己免疫疾患を合併しやすいことが知られる * 一方, HITにおいては自己抗体産生により血小板減少が引き起こされる * Sarcoidosis vasculitis and diffuse lung diseases 2006;23: 結語 サルコイドーシスのGIN があり急性腎不全を発症, 維持透析導入となり血小板減少症を併発したため診断に苦慮した1 例を経験した HITとサルコイドーシスが合併した症例の報 19

7 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 告は検索の限りなかった 急激に重篤な腎不全を発症したものの他臓器の所見に乏しく, 腎生検を行わなくては確定診断が困難であった 討論池田よろしくお願いいたします 急性腎不全, 不明熱で入院, 血小板減少も併発し診断に苦慮した1 例 を発表させていただきます スライド 症例は78 歳男性です 主訴は発熱, 食思不振です 既往歴として,60 歳ころから高血圧,71 歳から心房細動, 右脚ブロックを指摘されていました 75 歳で大腸ポリープ,78 歳で副鼻腔炎 肝機能障害を指摘されています 入院時の内服は以下のとおりです ( ベニジピン, モサプリド, テプレノン, ランソプラゾール, ビフィズス菌 ) 生活歴として,75 歳まで飲酒が日本酒 4 ~ 5 合 / 日 喫煙が20 本 / 日でした 家族歴として, 父が多発性骨髄腫, 心不全, 腎疾患を指摘されていますが, 詳細は不明です スライド 現病歴です 高血圧, 心房細動のため他院で通院加療中でした 2009 年 3 月時点では血圧 144/92mm/Hg,Cr( クレアチニン ) 0.81mg/dl, 尿蛋白, 尿潜血は陰性でした 入院 9 ヶ月前ごろより,37 台の間欠的な発熱を認めるようになりました このころ, 副鼻腔炎と診断され, 抗生剤を内服しております 入院 8 ヶ月前に受診した市の健康診断では, 脂質異常を指摘されましたが, 尿所見を含めその他の異常は見られませんでした スライド 微熱は続き, 入院 6 ヶ月前ごろから食思不振, 全身倦怠感, 脱力, 易疲労感が出現 体重は入院 8 ヶ月前時点と比較して,5,6kg 減少したとのことでした 入院 4 ヶ月前には,AST127,ALT84, γ- GTP135 と肝機能障害が出現 クレアチニンは 0.95,CRPは1.36 でありました 感冒に伴うウイルス性のものだろうといわれたとのことです 入院 4 ヶ月前になると, 夜間頻尿が出現 心窩部不快感を感じるようになりました また寝汗をかくようになったとのことです 20

8 第 55 回神奈川腎炎研究会 スライド 入院 3 ヶ月前には尿蛋白 +, 尿潜血 ± と初めて検尿異常が出現しました 入院 6 週間前 BUN35.9mg/dL, クレアチニン 3.2mg/dL,CRP3.29mg/dLと腎機能障害, 炎症反応上昇を認めました さらに入院 2 週間前には,BUN67.9mg/dL, クレアチニン 7.97mg/dLとなり, 他院に入院 急性腎不全として血液透析が開始されました 家族の都合により当院に転院となりました 以前は 70kgあった体重が転院時には57kgまで減少していました スライド 入院時の身体所見です 身長 170.3cm, 体重 56.3kg, 血圧は120/68で, 体温は 37.5 でした 意識は清明で, 結膜に貧血, 黄疸はありません 皮疹は見られず, 表在リンパ節も触知しませんでした 胸部に異常はなく, 腹部所見でも肝脾腫は見られませんでした また浮腫はなく, 神経学的にも異常は見られませんでした スライド 入院時の検査所見です 白血球 3400/μl, ヘモグロビン9.4g/dl, 血小板 4.0 万 / μ lと減少していました その他,LDH278IU/ lと軽度の上昇 BUN37.5mg/dl,Cr7.39mg/dl と腎不全を認めました CRPは1.9mg/dl でした 免疫学的には IgG の軽度の上昇が見られました また,ASO,ASK 等は陰性で, 抗体の著明な異常は見られません 抗核抗体は陰性で, ANCA も陰性でした スライド 尿所見では,pH が7.0 の比重が1.0, 蛋白が 2+で, 潜血は ± でした β2mg が著明に上昇しており,NAG は基準範囲内でした 尿蛋白は 0.48g/ 日で,Ccrは2.25ml/min でした スライド 入院時の胸部 X 線写真では, CTR48% で, 両下肺野に間質影が見られます 肺門リンパ節の腫大は見られませんでした スライド 胸部のCTでは両側下葉に間質影が軽度認められています 腹部の単純 CTでは, 腎臓は腫大しており, 水腎や結石, 石灰化は見られませんでした また, 脾臓が腫大していました スライド 心電図では, 心房細動と完全右脚ブロックを認めています スライド プロブレムリストを挙げると, 急性腎不全, それから, 発熱, 食思不振, 体重減少などの全身症状 血小板減少が主なものとして挙げられました スライド 鑑別を行いました 急性腎不全に関しましては, 画像上, 腎後性の要因はなく, 脱水や心不全など, 腎前性の要因も見られなかったため, 腎性腎不全と考えました 急速進行性糸球体腎炎や間質性腎炎などを中心に考えました また, 全身症状が見られたことから, 悪性腫瘍, 感染症, 膠原病などの存在も念頭に置いて, 診断治療を開始しました スライド 入院後の経過です 入院後も38 前後の発熱が続きました また, 血液透析を週 3 回で継続しましたが, クレアチニンは7mg/dl 前後を推移しております 入院後, 血液培養から, メチシリン耐性の表皮ブドウ球菌が検出されたため, カテーテル関連の血流感染症と考えて, バンコマイシンを投与しております 第 37 病日には血液培養でも陰性化しましたが, 発熱は続きました また血小板の数値は回復せず,4 万から6 万を推移しておりました 第 29 病日の時点でナファモスタットをアルガトロバンに変更しておりますが, 血小板は回復しておりません 診断のために骨髄生検, 上部消化管, 内視鏡, ガリウムシンチグラムなどを行いました 第 44 病日, ご家族に同意を取得のうえ, 腎生検を施行しました スライド 入院中に行った検査の結果をお示しします 呼吸機能検査では異常は見られませんでした 眼科診察では, 両目にScheie 分類で, H1S2 の軽度の高血圧性変化が認められるのみでした また, 抗ヘパリン-PF4 抗体が陽性でした スライド 骨髄生検では, 過形成骨髄で造血系細胞の形態異常は見られませんでした 壊死を伴わない多核巨細胞を含む肉芽腫が見られま 21

9 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 した 上部消化管内視鏡検査では, 胃体下部から中部小弯前壁に潰瘍が見られました 生検で腫瘍性変化などはなく, アミロイド沈着も見られませんでした スライド ガリウムシンチでは, 骨髄に軽度の集積がありましたが, その他, 悪性腫瘍を示唆するような異常集積は見られませんでした 腎生検では, 間質に多核巨細胞を含む類上皮細胞肉芽腫が多数認められました スライド 蛍光染色では,IgMのみ弱陽性で, 異常な沈着は見られていません スライド HE 染色ですが, 腎生検では36 個の糸球体が見られ,3 個は完全に硬化,3 個は分節状の硬化が見られました スライド mesangium 細胞の増多はありませんでしたが,mesangium 基質は瀰漫性に軽度増加していました 半月体は見られませんでした スライド mesangium 基質が, 瀰漫性に軽度に増加しています スライド PAM 染色では, 膜の二重化や, spike 形成などは見られませんでした スライド Masson trichrome 染色では, 基底膜への沈着は見られておりませんが, 間質には線維化が見られます スライド 一方, 間質にはリンパ球浸潤が目立ち, 尿細管炎の所見が見られました また類上皮細胞肉芽腫が認められました スライド 電子顕微鏡写真では, 糸球体は軽度に虚脱しており,dense depositは認められませんでした mesangium の基質は軽度に増加しています また mesangial interpositionはなく, 係蹄基底膜は所々で蛇行, 軽度に肥厚していました スライド ということで, 腎生検の組織学的な所見は肉芽腫性間質性腎炎です 原因としては, ここに挙げたようなものが考えられます 薬剤性としては, 入院時に内服していた薬剤は全て中止しておりましたが, 腎機能は改善しておらず否定的と考えられました また,Wegener 肉芽腫症などの血管炎を示唆するような所見はなく,ANCAも陰性であることから否定的と考えました スライド その他の検索を行いました 喀痰, 血液, 尿培養で, 細菌, 真菌, 結核を含む菌は検出されませんでした クォンティフェロンは陰性で, ツベルクリン反応も陰性でした 血清 ACEは,33.6IU/l, 血清リゾチームは29.8 μg/ mlと, いずれも上昇を認めておりました スライド 診断ですが, 骨髄, 腎の組織所見及びACE 陽性より, 組織診断群として, サルコイドーシスと診断しました また,HIT 抗体陽性であり, 透析中も回路内の残血が目立っておりました ヘパリン起因性血小板減少症と診断しました カテーテルロック用のヘパリンも中止したところ, 結小板数は4,5 万であったものが10 万程度まで上昇しております スライド 診断後の経過です 腎生検後, 一時的な菌血症を起こし, 状態が悪化したため, バンコマイシンとメロペネムで治療をしました と同時に, プレドニゾロン20mg で治療を開始したところ, 発熱などの全身症状は速やかに消失しました また, クレアチニンも3mg/dl 程度まで改善しておりますが, 現在のところ, 維持透析を継続しております スライド 症例のまとめです HITによる血小板減少のため腎生検施行までに時間を要し診断に苦慮しました サルコイドーシスによる肉芽腫性間質性腎炎により, 急性腎不全を発症し維持透析導入となりました ステロイド治療を行っていますが, 血液透析を離脱できておりません スライド 考察です サルコイドーシスは, 影響箇所的には, 肺, 眼, 皮膚を主病変とし, 非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫を主徴とする原因不明の全身性疾患とされます 肺病変を来すことが多く, 腎病変のみを呈することは比較的まれです 眼の症状や皮疹, 咳嗽, 全身倦怠感などで発 22

10 第 55 回神奈川腎炎研究会 見される場合が多いですが, 無症状で検診で両側肺門リンパ節腫脹を指摘され, 発見に至ることもあります スライド サルコイドーシスにおける腎病変ですが, 他臓器の病変と併存することもありますが, 単独で出現する症例も報告されております Matthieu らによると, 腎サルコイドーシス47 例のうち, 血液透析を要する高度の腎不全を認めたのは 3 例で,2 例は治療後も維持透析を要したとのことです 本例は, 緊急透析を要する急性腎不全として発症し, 他臓器の病変の所見に乏しかった症例でした スライド サルコイドーシスにおける腎病変の病態ですが, 原因として, カルシウム代謝異常に伴うもの 肉芽腫性間質性腎炎, 糸球体腎炎, それから, その他, 尿路閉塞や腎血管病変などによるものが挙げられます 本例では, 高カルシウム血症や高カルシウム尿症などの, カルシウム代謝異常はみられず, 肉芽腫性間質性腎炎により急性腎不全を起こしたと考えられました スライド 肉芽腫性間質性腎炎ですが, 頻度は腎生検標本中 0.5 から0.9% と報告されております 病因としては, 薬剤性, 感染症, 肉芽腫性血管炎, サルコイドーシスなどが挙げられます また, 病因としてサルコイドーシスの占める割合は 9.3から 28.9% と報告されています スライド また, サルコイドーシスにおける血小板減少症ですが, サルコイドーシスにおける血小板減少症はまれであるが, 機序としては脾腫, 骨髄浸潤, 自己免疫が考えられます 本症例では脾腫があり, 骨髄では巨核球が増殖しており, 脾腫または自己免疫が関与していた可能性がありますが,PA-IgG は陰性で,HIT 抗体が陽性の症例でした サルコイドーシスにおいては,Th1 刺激による免疫状態の変化があり, 他の自己免疫疾患 を合併しやすいことが知られています 一方, HITにおいては, 自己抗体産生により血小板減少が引き起こされています スライド 結語です サルコイドーシスの肉芽腫性間質性腎炎があり, 急性腎不全を発症, 維持透析導入となり, 血小板減少症を併発したため, 診断に苦慮した1 例を経験しました HITとサルコイドーシスが合併した症例の報告は検索のかぎりありませんでした 急激に重篤な腎不全を発症したものの, 他臓器の所見に乏しく, 腎生検を行わなくては, 確定診断が困難な1 例でした 以上です ありがとうございます 酒井先生, ありがとうございました 非常に激烈なサルコイドで, われわれのイメージからいうサルコイドーシスとはだいぶかけ離れて, 非常に重篤な, かつ病歴も複雑ですよね まず, じゃあクリニカルな面で, フロアの方々からご質問, ご意見等 先生どうぞ 乳原虎の門病院腎センターの乳原です 貴重な症例をありがとうございました 先ほど, 最後のほうにカルシウム代謝異常を伴わないと断言されましたけど, 最後に出てきたデータでは, クレアチンがいくらぐらいでしたか 池田治療後のですか? 乳原治療後ではなくて, 入院時の検査所見です 池田入院時が7 程度です 乳原 7で, 私が記憶しているには, カルシウムが8.8 であると やはり, 急性腎不全であっても慢性腎不全であっても, クレアチンが7 ぐらいいくと低カルシウム血症になってくるんです それで, 今 8.8 ということと, アルブミンが3.2 ということを考えると, カルシウムはかなり高くなっています 本来は, 腎不全が進行すると, カルシウムは下がりますので, これは, やはり高カルシウム血症だということなんです もう一つは,VitD1.25 をよく測っておられた 23

11 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 んですけども, この時期に急性腎不全であっても, 慢性腎不全であっても, ビタミンD を測定すると, 感度以下になるということなんですね ということを考えると, これはちゃんとしたビタミン D 異常を伴った, 高カルシウム血症を伴ったもので, サルコイドーシスを強く疑うということになってくると思います 池田分かりました ありがとうございます 乳原もう一つは, コメントですけども, サルコイドーシスが全て腎病変を呈するわけではなくて, サルコイドーシスの典型例は, やはり肺病変を伴ったり, ぶどう膜炎を伴ったり, そういうものがあると思うんです そういうもので腎病変を伴ってくるというのがどのぐらいあるかというのは分かりませんけども, サルコイドの腎病変を呈した症例の立場からミますと, 必ずしも典型的な肺病変とか, ぶどう膜炎を伴うわけではない むしろ, はっきりしないものがどうもありそうです でも, そのような症例を見てみると, やはりビタミン D が高くて, カルシウムが高く, 急激に腎不全が進行する症例が多いように思います 池田はい ありがとうございます 酒井ほかにいかがでしょうか 先生, どうぞ 青山行徳総合病院の腎臓内科の青山といいます 実は, 前医で, 私が最初に診せていただいた症例なんですが, 治療の点で, 質問をさせていただきます プレドニンの内服で治療を開始されているんですが, パルスをやらなかった理由, ステロイドで内服のみでいった理由というのは, 菌血症の経過があったからという判断でよろしいのでしょうか 池田そうですね 一応, こういった腎サルコイドーシスなどの症例で, パーキロ0.8mg ~ 1mg のステロイドとかというのが, よくされている治療になるかとは思うんですけれども, 本症例では 78 歳と高齢であったことや, 感染症を併発していたこと, それから腎障害が激烈で, 維持透析は逃れられないかなという想定の 下で, 少なめの内服のプレドニゾロン20mg という用量で治療させていただきました 酒井重松先生, どうぞ 重松この方は発熱して, 肺所見があったわけですね アクネ菌というのが病理の領域ではかなり問題になっているんですけども, この症例では, アクネ菌の検索はなさったでしょうか 池田すみません この症例ではしておりません 山口すみません この心臓はサルコイドーシスと関係ないですか 時々, 突然死とか, 不整脈で, 心サルコイドーシスで, われわれは絶句することもあるわけです あと,CTで腎臓の映像なんですが, 一部, tubular-like lesion のように見えているんですが, あれは腎盂のところなんですか 池田こちらは, 一応, 腎盂嚢胞という 山口嚢胞でいいんですね 池田はい 山口そうですか 池田はい 山口心臓はどうなんですか サルコイドーシスの可能性はない? 池田心臓のほうは,4 年前から, 心房細動と右脚ブロックを認めておりまして, 所見としてはサルコイドーシスでもあり得るんですけれども, 他の症状の出現が全て4 年以上たってからというところを見ると, 関係ないのかなというふうに考えました それから, 入院中の心エコーでは, 心臓の動きに異常はなく, 心室中隔などもサルコイドーシスの所見はありませんでした 酒井腎サルコイドーシスのときは, ガリウムシンチは光ることが多いと思うんですけど, この症例は全く 池田この症例では全く集積はありませんでした 酒井これは, 先生そういうものですか 乳原一般的には, サルコイドーシスが腎病変を伴ってくるときは,Ga シンチにて腎臓にhot 24

12 第 55 回神奈川腎炎研究会 spotとしてみられます この場合にどの程度のものを陽性所見として取るかどうかということもあると思うんです 臨床的には典型的サルコイドに相当する腎臓病変を呈しても,Gaシンチでは軽度の変化しかみられないこともあります 1つの参考所見としてGa シンチを利用すればよいと思います 酒井ありがとうございます ほかにいかがでしょうか では, 病理のほうに移らせていただきたいと思います では, 重松先生のほうからよろしくお願いします 重松 スライド01 この症例はまさしく monocyte-macrophage dependent nephropathy ないし sarcoidosis ということであるのですが, この症例で私が驚いたのは, 腎病変です サルコイドの腎病変 演者が出された間質病変のほかに血管病変ですね それから, 糸球体病変もかぶっている 血管炎にしてもいいと思うんだけども, 糸球体の病変もあったということです その三つを重点に置いて, ちょっと見ていただきたいと思います スライド 02 これは, きっかけになった骨髄生検です そして, 過形成性骨髄と書いてあったけれど, 示されたのは,normocellularの, あるいは軽度低形成の骨髄像で, その中にこういう肉芽腫様の病変があります スライド 03 大きくしますと, こういうふうな Langhans 型の巨細胞を入れて, そして, 類上皮細胞はあまりはっきりしませんけれども, ここら辺にちょっとそういうところがありますかね 真ん中に necrosis がないということで, これは結核菌の染色なんかももちろんやった結果, 恐らくサルコイド結節が一番近いものだろうと思われます スライド 04 それで, 腎生検のほうを見ますと, ここに 35のglomerulus があって, 三つは global sclerosis, あとの二つが何かへんちくりんな glomerulus だったのです, だから abnormal と書いてあります 実は, これがサルコイドーシスによる糸球体炎だというふうに, 私は最終 的に診断しました スライド05 まず, 間質病変ですが interstitial nodular lesions が目立つ Masson 染色をやりますと, 線維性のものに少し囲まれて, 肉芽腫があちこちあります 糸球体の周りにあるところもあります スライド06 ここには, リンパ球が恐らく浸潤していて, そしてそこにmacrophage が結節性の病変をつくっています 単独で巨細胞化したところもあります すごく多核の巨細胞が目立つ結節もあります スライド07 そして,PAMで見ますと, これはどうやってできたのだろうかというのを考えたわけです そうすると, 尿細管炎があるところが見えるその内側に, こういう華々しく肉芽腫様の病変になってきているものですから, 恐らくサルコイドーシスの抗原がいろいろ考えられていますけれども, 抗原は恐らく尿細管腔由来で来て, そして, この尿細管炎を起こしているのではないかというふうに, まずは考えました スライド08 それからもう一つは血管炎です vascular lesions のところへ行きました HE 染色だと非常に見にくいのですけれども これは葉間動脈ぐらい太い動脈です その枝のところに血管があって, ここにfibrinoid 様の浸出物があって, その周りにかなり強い肉芽腫ができています スライド09 それと同じところのPAS 染色です PAS 染色で見ますと, 平滑筋の周りが全部 PAS で染まりますから, この血管壁, 中膜が そうすると, ここでは, 肉芽腫はその外側にあるのですけれども, 内皮側に細胞の腫大があって, 閉塞性の変化がある ちょっとこれはどこから始まったか 血管内腔から始まって外に展開したかどうか, ちょっとこれでは分かりません スライド10 同じところのMasson 染色です 端っこで, ここは静脈になっちゃっていますけれども, 先程の同じ血管の枝を見ると, ここで 25

13 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 は内皮細胞が腫大をして, ここに浸み込み病変がある ちょっと pinkish に染まっていて, あるいは,fibrinoidかもしれませんが, 真っ赤に染まっているものもある そして, その外に肉芽腫が展開していますから, これはサルコイド血管炎といってもいい所見だろうと思います スライド 11 これは同じところのPAM 染色です この血管は, 内弾性板がPAM で染まる場合もあるのですけれども, ちょうどこのエラスティカが陽性の血管から陰性の血管へ移るようなところに, どうも病変があって, 太い動脈の内弾性板が破綻して, サルコイド血管炎というのも起こるのだというふうな説明が病理のほうでなされていますけれども, 腎臓の場合は, エラスティカのないような血管に, このサルコイドの病変が出ているというふうに見えます スライド 12 もっと小さな血管を見ていきます これもそうなのですけれども, 血管の内皮が肥大して, その周りに平滑筋の変性, ないし, あるいは monocyte 的なものがずっと浸潤してきているのかもしれません そして, 外側に肉芽腫ができています スライド 13 これも結節の中心に血管があって, 周りが結節で取り囲まれているということです スライド 14 これも細動脈の一部が, 恐らくここで破綻しているのでしょうか, かなり強い肉芽腫の反応が見られます スライド 15 これもそうです これもかなり中膜の異常が出ております スライド 16 これは同じところのMassonの染色です あまり線維は著明には増えていない スライド 17 PAM 染色でやると, 血管を取り巻いてこういう病変ができているということです これがだんだん大きくなってくると, 間質の病変と区別がつかなくなってくると思います スライド 18 それから glomerular lesion です abnormal glomerulusが二つあったと書いたその一つです HE 染色で見ると何か細胞がわんわ ん増えていて, ここだけが管内増殖性腎炎になって, 一部にextracapillary のlesion もあるのです スライド19 これと同じところをPAS 染色で見ると, 一部係蹄の改築があります この中に foamcell というか,macrophage 様の腫大した細胞が入っています スライド20 PAM 染色でやると, 恐らくこれは多核の細胞が入っていますから, 血管炎の一種だろうと見てもいいと思うのですけれども, サルコイドーシスによって起こった血管病変の一つ 糸球体病変がここにあるということです スライド21 この部分はちょっと問題があると思います 糸球体の病変も, ずっと行き着くところはこういう肉芽腫が全部を占めちゃいますので, ここが糸球体であったかどうかという証拠がありません ということで, この症例はかなりフレッシュな症例だと思います そして, 腎不全なんかが強いというのは, 間質病変もさることながら, 血管が相当たくさんサルコイドの病変を受けているために, そのような虚血性の変化というのが, かなり尾を引いているのではないかと考えました 以上です 山口私もあまり付け加えることはないのですが, 一応出してください スライド 01 ちょっとサルコイドーシスがあまりにも派手なので, サルコイドーシスだけでいいのかなというのがあります それから急性腎不全の経過を取ったのがどうしたのかという問題だろうと思います スライド02 ちょっとgranuloma が, 意外と多核の巨細胞腫大で, 類上皮があまり出てこないのです それから, 血管周囲, あるいは間質, それからシングルで巨細胞が散在性に出てきて, だいぶここは線維化が強くなっています 尿細管炎もだいぶあります サルコイドの場合は, 肉芽腫が必ずしも随伴しない場合もあるらしいです この辺は上皮細胞のinjury がある 26

14 第 55 回神奈川腎炎研究会 ように思います スライド 03 それからgranulomaの一部なのですが, これはちょっと強拡大のものを持ってくればよかったですけれども, 今考えると, この fibrin 様のものが少しgranulomaの中にちょっと析出しているかなという印象です 血管も後で出てきますが, 糸球体周囲, 間質, いわゆる非常に強い尿細管炎も随伴してみられます スライド 04 ここが先ほど重松先生が肉芽腫性の動脈炎と言った場所であります 静脈があって, その周囲の間質にgranulomaができてくるわけで, 髄質側に近いところにも, やはり granuloma ができてきています スライド 05 よくわれわれがサルコイドーシスと診断する場合, 有名なのはasteroid bodyです いろいろな inclusion bodyを持ってくるわけで, こういうmicro calcificationも一つその可能性を示唆します もちろんこれがあるからといってサルコイドーシスとは言えませんけれども, 血管周囲に肉芽腫が, 細動脈周囲に見られています あまりエオジノはそんなに目立たなかったように思います スライド 06 それでちょっと気になったのは, こういうように fibrinas な material が, この granulomaの中心部に一致して,necrosisはないのですが, 何か fibrinas なものが, ちょっと沈着があるので, 恐らく毛細血管のオーダーの障害を反映しているのかなというように思います スライド 07 それで, 先ほどの重松先生が出された動脈の内膜の増殖と, 内腔が非常に狭小化して, 炎症細胞があって, 周りを肉芽腫が取り囲んでいるということで, 肉芽腫性の動脈炎ということがいえると思います スライド 08 そこのところがもうちょっと, PAS で見ますとこういうように壁構造が壊れてきていますので, やはり動脈炎と言っていいと思います 糸球体は虚脱しています それから tubules,tubular capillaritisもあります スライド 09 先ほどの重松先生が出されたと ころの, これはIgM であります 壁内にこういう染み込みがあって, ちょっと壁構造がなくなって変性, 壊死しているような状態で, これは山ができていますので, 明らかに動脈炎であることは間違いないのだろうと思います スライド10 糸球体は, 一つはこういう動脈炎の末梢の虚血を示唆するような, ボーマン嚢が残るようなglobal, あるいはcollapse が見られています スライド11 先ほどのちょっと奇妙な, 重松先生は名前を付けなかったのですが, 僕はもうしょうがない,granulomatus glomerulitis というふうに名前は付けちゃいました こういう granuloma が周りから来たともちょっと言えませんので, 糸球体内で起こっていますので, 表現としてはしょうがないなと思います スライド12 それをPAM で見ますと, 明らかに多核の細胞が係蹄内に入り込んで, 糸球体のタフトを壊していますので, 肉芽腫性の glomerulitis としか言いようがない もちろん周囲にもある程度は反応があります スライド13 これは髄質に見られた非常に強い尿細管炎です 尿細管炎が比較的深いところまであって, 一部にgranuloma ができています 髄質部にも炎症が広がっているということだろうと思います スライド 14 これは bone marrow の granuloma です スライド15 そういうようなことで, granulomatus tubulointerstitial nephritis で, ちょっとepithelioid granuloma と一般的にはいわれているのですが, どちらかというと非常にgiant cell が主体で,micro calcification があって, tubulitis, それからgranulomatus asteritis, それからglomerulitis ということになると思います 一応, 腎サルコイドーシス, ウエゲナーを否定しないといけないとは思います スライド16 サルコイドーシスですと, 先ほどhypercalcemia による結石,obstructive なuropathy です それからgranulomatus, あ 27

15 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 るいは granuloma のない intestitial nephritis glomeruluにはいろいろな病変を伴ってきて, ここに一番最後に granulomatous angiitisというのがあるのですけれども, 非常に珍しいように思います スライド 17 先ほど乳原先生が腎サルコイドーシスの 50 例か 47 例だったと思います そうすると, 腎で見つかった時点で既にサルコイドが診断できているのが2 割ぐらいしかないのです この文献ですと そうすると, 最初から腎不全で出てくる場合もeGFRが62% も出ていますので, やはり腎機能障害 それからweight loss, あるいは fever で出てくるというのが多いということだそうです それから,granuloma が8 割ぐらいで, granuloma のないのが 2 割ぐらいあります この症例は, 結局 bone marrow にgranulomaがありますけれども, 比較的頻度が少ないように思いますので, 非常に腎病変が先行する腎サルコイドーシスの場合は, そういうタイプがどうも多いようであります 以上です 酒井先生, ありがとうございました では, 病理所見も含めまして, 総合的な討論をよろしくお願いいたします 長田筑波大の病理の長田です 山口先生と重松先生に教えていただきたいのですけれども 標本を拝見していないのでこういうことを言うのはいいかどうか分かりませんが, サルコイドにしては, バックグラウンドの急性炎症が目立つのかなと思ったのです そういうのを含めてサルコイドと考えて, あまり疑問を挟む必要はないと考えていいですか 山口 granuloma 主体で出てくる場合と, tubulointerstitial tubulitisが非常に強く出てくる場合と, 両方あって, この症例は両方とも派手な症例というふうに考えれば, 特に問題はないように思います 長田派手な二つというのは, 違ったメカニズムがあるのではないですか 山口いわゆるtubulointerstitial nephritis で, tubulitis 主体だけでgranuloma が出てこない症例もあるのです ですから, この場合は granuloma とtubulitisと両方, 尿細管間質性の非常に強いかたちということでいいように思います もちろん,granuloma 主体であまり炎症がない症例もあるし, いろいろなタイプが腎サルコイドーシスの場合には, 症例はあるみたいです 酒井ほかにいかがでしょうか 先生, どうぞ 青山行徳総合病院腎臓内科の青山です 病理の先生方にお聞きしたいのですが, 入院する4 カ月ぐらい前からクレアチニンも, ちょっと高めな0.95 という数値がありました このころから腎病変としては始まっていたのかどうかというところ もしくは, 発熱を間欠的に認めていたので, このころからの発症でいいのかどうかというところです 今現在, こちらに転院されてきたのですが, 比較的尿量が保たれていて, 利尿剤で1 日 1000 から1500 ぐらい尿量が認められています 透析の離脱も, 今後は考えているのですが, 組織学的には透析の離脱は難しいものなのかどうかをお聞きしたいのですが 山口私はもう, 数カ月の病変と考えていいように思いますから, 何カ月とはっきり言えませんけれども, やはり間欠的な発熱があった時点で, もう始まっているようには思います ただ, 非常に腎全体に進展しちゃっていることは間違いないので, やはりそのぐらいかかるのではないでしょうか 重松私も比較的新しい病変だと考えます それで, やはり問題なのは, サルコイド, あるいは肉芽腫性の血管炎です あの周りにかなりすごい結節ができてきますが, この結節がやはり macrophage 系のものがtranceformation してできていますから, これは, 治るときはすっと治るわけです だからあれがそのままがちがちの結節になるということではないと思うので, 透析から離脱する可能性も十分にあると思います 28

16 第 55 回神奈川腎炎研究会 その治療については専門ではないので分かりませんけれども, 要するに, 肉芽腫性の病変というのは macrophage でできてくるので, その macrophageを何とか活動を抑えてやるということで, 病変の回復は目指せると思います 乳原虎の門病院の乳原です サルコイドーシスの症例報告というのは腎臓学会の東部会, または他の研究会でも多く報告されていますけれども, その多くは, 類上皮細胞肉芽腫が尿細管にありましたよといったもので, むしろ尿細管間質の障害が中心だよという症例がほとんどを占めていたと思います その中で私たちが経験してきた中で, 急激に腎不全が進行してしまうタイプがあり, それは, 血管を巻き込んでいる症例だったということです それともう一つは, サルコイドの類上皮細胞というのは, どうも尿細管間質がほとんどですけれども, 私たちは,1 例, 糸球体の中にそれらしいものがありました よく血管に入ってくるような類上皮細胞様の細胞が,macrophageかもしれませんけれども, そういうものがあると手術はいつも入り込んでいるということでしょうか 酒井そういうことを含めて, 今, 治療としていはまだステロイド 20 でいっていらっしゃるのですか 池田 20で 1カ月投与しまして,17.5に減量というかたちにしています 酒井今もテーパリングして 池田そうです 15 まで減量したところです 小林あけぼの病院の小林と申します 1 例目と, 今の 2 例目を合わせて, 重松先生に少し教えていただきたいのですが, かなり示唆的なお話をされたように思うのです 1 例目のときのいわゆる炎症細胞の反応がmonocyte が主体であるということをお話になりました 本来, monocyte は炎症の場にあってその修復に関与すると考えられていると思います このことは炎症が今後, ある程度改善するという意味も含 まれているのだろうと思いました monocytic な炎症, それが糸球体, あるいは間質, どちらでもいいと思いますけれども, 今回の2 例目のときにも同じようなご発言をなさいました 組織を確認するという臨床医の立場というのは, もちろん疾患の診断も大切ですけれども, 今後病勢がどうなるかということを判断するということにおいて, 組織の観察というのは非常に大きいと思うのです 今の, 重松先生の2 例に関するご発言を伺っていますと, こういう炎症が非常に激しいときに, その炎症を構成する病変がmonocyte 主体であるというふうにもし捉えることができるような場合には, 今後, 臨床的に改善の余地があり得るというふうに読み込むことができるかどうかということを, 今の先生のご発言で感じたのですが, その辺に関してはいかがでしょうか 重松非常に難しい質問で, 実際に1 例目ははっきりした肉芽腫にはなっていないのですけれども,monocyte がTH1 細胞によって起こる, transformation growth factor みたいなサイトカインによっていろいろ形質転換をするわけです それで, ああいう病変ができてくる サルコイドーシスのほうも, 由来について説を出しました 間質の病変, あれはtubulitisが monocytic, あるいは macrophage, それがリンパ球の共同作用によって起こった炎症がそのうちに granulomatous なものになるということです もう一つの見方としては, ああいうtubules が壊れると, 上皮と間質のtransformation が問題になっていて, 尿細管の上皮がmacrophage に形質転換するというふうな説も出てきています いずれにせよ,macrophage 的に間葉系の細胞に近く上皮がなってしまうということです それから, 血管炎のほうもmacrophage のかたちで, 単球のかたちで血管をすり抜けて, そして外膜近くでああいう結節をつくるわけです だから, 治療として考えた場合, こういう 29

17 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 macrophage で起こってくる障害は, なるべくならそういう肉芽腫みたいな完成したものになる前に, 浸潤を抑えることに目を向けることができれば, もうちょっと早く処置ができる そういうふうな希望を持っています とにかく,monocyte/macrophage dependent の tissue injuryというのは, 実験でかなり示唆を受けたところがありまして, それを人の例に当てはめるとかなりうまく当てはまる点があるということです だから, 実験で見たことを人で実際に見てみるということで進んでいますので, 臨床の皆さんの治療法がいろいろ工夫されて, どうなったという結果を聞かせていただくことによって, また私たち腎病理医の見方が妥当なものかどうかという評価にもつながってくると考えています 海津社会保険横浜病院の海津です 貴重な症例をありがとうございました 臨床的な点をお聞きしたいのですが, 尿量と蛋白尿, 血尿の推移はいかがでしょうか この患者さんは, 先ほどのフロアからのお話でも, 乏尿になっていないようですが, 乏尿の期間はないかどうか それから尿量, 血尿の推移はどうかというのをお聞きしたいのですが, いかがでしょうか 池田入院時の尿量は,1000から15000ml に保たれておりまして, 入院後透析を導入して週 3 回やっている間も,700 から800ml 程度は保たれていました 血尿に関しては,+から ± 程度の推移で, 尿蛋白に関しましては,0.5gいくかいかないかぐらいで推移していました 海津そうすると, 血尿は一度も高度の血尿を呈したことはないのですね 池田病歴上は 1 度もないです 海津ありがとうございました 池田ありがとうございます 酒井かなり激烈なサルコイドーシスでいただいた症例で, 病理のほうからは, サルコイドの血管炎のポイントが高いのではないかというこ とと, ちょっと基礎的な話では,EMTが, 治療に効果があるかないか, 見極めるポイントになるかもしれないというお話でした そろそろ時間も過ぎていますので, 先生, どうもありがとうございました 池田ありがとうございました 30

18 第 55 回神奈川腎炎研究会 重松先生 _01 重松先生 _06 重松先生 _11 重松先生 _02 重松先生 _07 重松先生 _12 重松先生 _03 重松先生 _08 重松先生 _13 重松先生 _04 重松先生 _09 重松先生 _14 重松先生 _05 重松先生 _10 重松先生 _15 31

19 腎炎症例研究 28 巻 2012 年 重松先生 _16 重松先生 _21 山口先生 _05 重松先生 _17 山口先生 _01 山口先生 _06 重松先生 _18 山口先生 _02 山口先生 _07 重松先生 _19 山口先生 _03 山口先生 _08 重松先生 _20 山口先生 _04 山口先生 _09 32

20 第 55 回神奈川腎炎研究会 山口先生 _10 山口先生 _11 山口先生 _12 山口先生 _13 33

72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m

72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m 72 20Ope 68 69 2006 4 50 20 / 52 2006 4 1 2006 4 4 24 class 699.4 5 2 5 23 6 6 15 6 19 6 16 Alb2.03+ 7.5g/ 6 21 153.5cm 47.9kg : 36.7 89/min112/60mmHg (-) (-)S1 S2 S3(-) S4(-) - - 6 15 (+) TP4.9g/dl Alb2.0g/

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1 2 2 ANCA pouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - ' UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, cm 61

1 2 2 ANCA pouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - ' UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, cm 61 1 2 2 ANCApouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - '03 2 3 31 UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, 3+ 4 14 156.0 cm 61.5 kg 36.9 158/92 mmhg 90 1. ANCA 2. 3. IgG4 deposit

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59 20 : 50 : : : : : 2 / :20 / 25 GTP /28 5/3 5/4 5/8 6/1 1 7kg 6/9 :178.7cm :68.55kg BMI:21.47 :37.3 :78 / :156/78mmHg 1

59 20 : 50 : : : : : 2 / :20 / 25 GTP /28 5/3 5/4 5/8 6/1 1 7kg 6/9 :178.7cm :68.55kg BMI:21.47 :37.3 :78 / :156/78mmHg 1 59 20 : 50 : 2005 9 : 2006 1 : 2006 4 : :2 / :20 / 25 GTP 2006 1 4/28 5/35/4 5/8 6/1 1 7kg 6/9 :178.7cm :68.55kg BMI:21.47 :37.3:78 / :156/78mmHg 1 0.3g 1 30-49 Hb9.5g/dL 7 /mm 3 - Cr1.6mg/dL CRP1.84 mg/dl

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/12/28 UP 3+, TP 4.2g/dl, Alb 1.9g/dl PSL 50mg/day 1/17 PSL 45mg/day PSL 2006/4/4 PSL 30mg/day mpsl mpsl1000mg 3 2 5/ :90 / :114/64 mmhg

/12/28 UP 3+, TP 4.2g/dl, Alb 1.9g/dl PSL 50mg/day 1/17 PSL 45mg/day PSL 2006/4/4 PSL 30mg/day mpsl mpsl1000mg 3 2 5/ :90 / :114/64 mmhg 17 2005/12/28 UP 3+, TP 4.2g/dl, Alb 1.9g/dl PSL 50mg/day 1/17 PSL 45mg/day PSL 2006/4/4 PSL 30mg/day mpsl mpsl1000mg 32 5/8 36.1 :90 /:114/64 mmhg 166.2 cm64.3 kg 3.9 g/dl 1.6 g/dl 382 mg/dl 408 mg/dl

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したことによると考えられています 4. ピロリ菌の検査法ピロリ菌の検査法にはいくつかの種類があり 内視鏡を使うものとそうでないものに大きく分けられます 前者は 内視鏡を使って胃の組織を採取し それを材料にしてピロリ菌の有無を調べます 胃粘膜組織を顕微鏡で見てピロリ菌を探す方法 ( 鏡検法 ) 先に述 ピロリ菌のはなし ( 上 ) 大阪掖済会病院部長 消化器内科佐藤博之 1. はじめにピロリ菌という言葉を聞いたことがある方も多いと思います ピロリ菌はヒトの胃の中に住む細菌で 胃潰瘍や十二指腸潰瘍に深く関わっていることが明らかにされています 22 年前に発見されてから研究が精力的に進められ 以後 胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療法が大きく様変わりすることになりました 我が国では 2000 年 11 月に胃潰瘍

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