腎炎症例研究 27 巻 200 年 図 図 2 血液検査 < 血算 > WBC 3500 /μl Neu 62 % Eo 4 % Baso % Mono 7.5 % Lym 25 % RBC 296 /μl Hb 0. g/dl MCV 03.4 Fl MCHC 33 % Plt 5000 / μl

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1 第 54 回神奈川腎炎研究会 TS- 投与後に難治性腹水とネフローゼ症候群を伴い急速進行性に末期腎不全に至った TMA の一例 今福星野純一澤直樹永澤元規諏訪部達也大橋健一 礼 2 長谷川詠子 平松里佳子 竹本文美 服部吉成 乳原善文 住田圭一 山内真之 串田夏樹 早見典子 高市憲明 背景微小血栓性血管障害症 (TMA; thrombotic microangiopathy) は血管内皮細胞障害により微小血管において血小板血栓が形成され, 微小循環不全から多臓器障害を起こす予後不良な病態である TMA の原因は様々であるが, 薬剤による TMA としてこれまでに抗癌剤, 抗血小板剤, 免疫抑制剤などが報告されている 今回我々は TS- によるTMA 様病変を来たし, 急速進行性の腎不全, 肝萎縮, 漏出性難治性腹水を呈した一例を経験したので報告する TS- とは 配合剤 テガフール (5FU の前駆体 ) ギメラシル (5FUの血中濃度上昇効果) オテラシルカリウム ( 下痢の副作用を軽減 ) 近年消化器癌をはじめとする悪性腫瘍に頻用されている 腎不全では腎排泄性のギメラシルが蓄積するため, 休薬 減量の必要性がある 2009 年 : 早期胃癌 (ESD), 前立腺肥大症家族歴 : 父 : 脳出血, 兄 : 胃癌生活歴 : 飲酒 : 機会飲酒, 喫煙 : なし職業歴 : 造船所の現場作業現病歴 :2009 年 4 月, 進行大腸癌に対して腹腔鏡下右半結腸切除術施行 2009 年 5 月,TS- 80mg 内服開始 その後, 尿蛋白 +, 尿潜血 3+, 腎機能障害 (scre.2mg/dl) を認めた 2009 年 月,TS- 内服終了時より体重増加, 下腿浮腫, 腹部膨満感が出現 200 年 月, 腎機能障害, ネフローゼ症候群, 腹水貯留を認め前医入院 利尿剤への反応不良であり,PSL 30mg 開始 その後も腎不全は進行し ヶ月間でsCre2. 7.2mg/dl に上昇 PSLは2 週間で内服中止 200 年 2 月, セカンドオピニオン目的に当院へ転院 入院時現症 : 身長 :58cm, 体重 :6kg( 元来 64kg, 前医入院時 7kg), 体温 :36.2, 血圧 :6/76mmHg, 脈拍 :82/ 分 整, 眼 : 眼瞼結膜貧血あり, 眼球結膜黄染なし, 表在リンパ節 : 触知せず, 心音 :Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ(-),Ⅳ(-), 心雑音なし, 呼吸音 : ラ音なし, 腹部 : 腹水貯留, 圧痛なし, 四肢 : 両下腿浮腫 症例症例 :79 歳男性主訴 : 下腿浮腫, 腹部膨満感, 食欲低下既往歴 :994 年 :2 型糖尿病 ( 網膜症なし ), ( 虎の門病院腎センター (2 同病理部 Key Word: 微小血栓性血管障害症, 血管内皮細胞障害, 薬剤性, 腹水 8

2 腎炎症例研究 27 巻 200 年 図 図 2 血液検査 < 血算 > WBC 3500 /μl Neu 62 % Eo 4 % Baso % Mono 7.5 % Lym 25 % RBC 296 /μl Hb 0. g/dl MCV 03.4 Fl MCHC 33 % Plt 5000 / μl Ret / μl FRC 0.43 % < 代謝 > HbAc 5. % GA 7.4 % FBS 86 mg/dl Tchol 99 mg/dl TG 206 mg/dl < 生化 > TP 4.8 g/dl Alb. g/dl AST 9 IU/L ALT 9 IU/L LDH 324 IU/L (isozymetype) ALP 558 IU/L (isozymetype2) ChE 09 mg/dl TBil 0.7 mg/dl UN 69 mg/dl Cre 7.2 mg/dl UA 8.6 mg/dl Na 34 mmol/l K 4 mmol/l Cl 02 mmol/l Ca 6. mg/dl IP 5.3 mg/dl CRP 3.6 mg/dl ESR >0 mm < 腫瘍マーカー > CEA 2.6 μ g/l CA U/mL sil2-r 2750 U/mL < 免疫 > ANA(ELISA) <5.0 Index RF U/mL PR-3 ANCA <0 EU MPO-ANCA <0 EU 抗 GBM 抗体 <0 EU IgG 240 mg/dl IgA 399. mg/dl IgM 56.7 mg/dl CH50 52 U/mL C3 89 mg/dl C4 28 mg/dl 血清 尿蛋白免疫電気永動 M 蛋白なし,BJPなし < 凝固 > APTT 32.3 秒 PT 84.2 % PT INR. ADAMTS3 活性 27 % ADAMTS3 inhibitor negative vwf 活性 435 % < 静脈血ガス> ph 7.36 PaCO2 4 Torr HCO3-22 mmol/l BE -2.2 mmol/l <その他 > ハプトグロビン VEGF 55 mg/dl 4.2 pg/ml < 内分泌 > TSH.83 μ IU/mL ft3 224 pg/dl ft4 0.7 ng/dl BNP 55.4 pg/ml < 随時尿 > 比重.0 蛋白 3+ 潜血 2+ 沈査 蛋白定量 4.2 g/gcre RBC 多数個 /HPF < 蓄尿 > CCr 5.2 ml/min 蛋白定量 2.26 g/day α MG 94.2 mg/l NAG 6 IU/L 82

3 第 54 回神奈川腎炎研究会 図 3 図 6 図 4 図 7 図 5 図 8 83

4 腎炎症例研究 27 巻 200 年 図 9 図 2 図 0 図 3 図 図 4 84

5 第 54 回神奈川腎炎研究会 脾臓 軽度脾腫 径 cm 多量の腹水貯留あ り その他 腹水 漏出性 細胞診 class Ⅰ 心臓超音波 EF72% normal LV contraction 拡張障害なし 下部消化管内視鏡 右 半 結 腸 切 除 後 吻 合 部 に腫瘍の遺残 再発なし 骨髄穿刺 Normocellular bone marrow 図 5 Problem List # 腎不全 血尿 蛋白尿 TS- 内服後の血尿 蛋白尿 腎不全 TTP/HUSの臨床所見は乏しいが ADAMTS3 活性低下 腎生検上内皮細胞の腫大と mesangiolysis が主 体だが血栓形成は明らかでない DM に関しては これまでに網膜病変や蛋白 尿の指摘なし #2 肝萎縮 腹水貯留 # と同時に出現した著明な肝萎縮 漏出性 難治性腹水 肝臓にも何らかの血管内皮細胞障害による病 態が推察される 図 6 TMA(HUS/TTP) 類似の病態?? TS- と血管内皮細胞障害 画像所見 図 3 5FU(+MMC) に よ る TMA の 報 告 は あ る が 胸腹部レントゲン 右下肺野に網状影あり TS- による TMA はこれまでに報告されて 心電図 Sinus HR84, ST-T change なし いない 胸腹部単純 CT 腹水貯留あり 肝萎縮あり 腎は左右とも径 0cm 大 5FU による肝萎縮の報告あり UFT テガフール + ウラシル で肝萎縮 漏出性腹水出現 腹部超音波 図 4 Tr 上昇を伴わない肝合成能低下 腹水が 肝臓 両葉とも著明に萎縮 dull edge 内部粗 特徴で 内服中止に伴い改善 和田郁雄 日本消化器学会雑誌 2007 SOL なし 門脈血流は順向性 HCC に対する 5FU の肝動注に伴い 腫瘍 腎臓 皮 質 エ コ ー レ ベ ル 上 昇 左 0cm 右 だけでなく正常肝も萎縮した Yamano cm 85

6 腎炎症例研究 27 巻 200 年 T, 日本医学放射線学会雑誌,2000> TS- による血管内皮細胞障害からTMA 様病変を惹起し腎病変だけでなく肝病変も来したことが推察されるまとめ大腸癌術後,TS- によるTMA 様病変によって腎不全, 肝萎縮, 漏出性難治性腹水を呈した一例を経験した ステロイド, 新鮮凍結血漿の投与, 血漿交換, 抗凝固療法を施行したが臨床所見の改善は得られなかった 血液透析を導入するとともに, 頻回な腹水ドレナージを要した DM についてはコントロール良好でこれまで臨床的に糖尿病性腎症を指摘されたことがなかったが, 腎生検では糖尿病性腎症を示唆する所見も得られた これらに加えて TS- により血管内皮細胞障害が惹起 加速され, 腎病変だけでなくさらには肝病変まで来したことが推察された 結語 TS- 投与後に難治性腹水とネフローゼ症候群を伴い, 急速進行性に末期腎不全に至った TMA 様病変の一例を経験した 討論今福よろしくお願いします TS- 投与後難治性腹水とネフローゼ症候群を伴い, 急速進行性に末期腎不全に至った TMA の一例を経験したので, 報告させていただきます 背景です 血栓性微小血管障害症 (TMA thrombotic microangiopathy) は, 血管内皮細胞障害により, 微小血管において血小板血栓が形成され, 微小循環不全から多臓器障害を起こす予後不良な病態です TMAの原因はさまざまですが, 薬剤によるTMA として, これまでに抗がん剤, 抗血小板剤, 免疫抑制剤などが報告されています 今回, われわれは TS-による TMA 様病変を来し, 急速進行性の腎不全, 肝萎縮, 漏出性難治性腹水を呈した一例を経験したので報告します まず,TS-とは,5-FUの前駆体であるテガフールにギメラシル, オテラシルカリウムという成分が配合された経口の抗がん剤です 副作用が少なく効果が高いということで, 近年, 消化器官をはじめとする悪性腫瘍に頻用されています 症例は79 歳の男性 主訴は下腿浮腫, 腹部膨満感, 食欲低下 既往歴として,994 年より2 型糖尿病がありましたが, こちらのほうは, おおむねコントロール良好でした そのほかの既往歴や家族歴はお示ししたとおりです 現病歴です 2009 年 4 月, 進行大腸がんに対して腹腔鏡下, 右半結腸切除術を施行 その後, TS-の内服を開始しました その後, 尿蛋白 ( +), 尿潜血 (3+), 腎機能障害が出現 TS- の半年間の内服期間を終了したころより体重増加, 下腿浮腫, 腹部膨満感出現しました 200 年 月腎機能障害, ネフローゼ症候群, 腹水貯留を認め, 前院入院 利尿剤の反応不良でプレドニゾロン 30mg が開始されました しかし, その後も腎不全が進行し, カ月間でクレアチニンが2. から7.2 まで上昇 200 年 2 月セカン 86

7 第 54 回神奈川腎炎研究会 ド オピニオン目的で当院へ転入となりました まず,TS- 投与中の経過です 大腸がんに対して手術を施行した後にTS-の内服を開始しましたところ, もともと尿潜血, 尿蛋白とも陰性だったのですが, いずれも出現し, それと共に血清クレアチニンが徐々に増加してきました また, 血清アルブミンが徐々に低下していき, それと共に多量の腹水貯留を認めるようになりました また, 貧血と血小板減少も認めましたが, これらはいずれも軽度な所見でした 前院での治療経過です 前院入院後, プレドニゾロン 30mgと利尿剤の投与が開始されました しかし, その後も蛋白尿や多量の腹水は改善を認めず, カ月間でクレアチニンが2 台から 7 台まで急激に増加しました この時点で, 当院に転入となっております 当院入院時の現象です 身長は58cm, 体重が 6kg, もともと体重は64kgの方で, 前院入院時は 7kg,カ月間で体重は0kg 引かれています そのほか, 眼瞼結膜に貧血, 腹部には多量の腹水貯留, 両足下腿浮腫を認めております 血液検査です 軽度の貧血と血小板減少を認めております また, 著明な低アルブミン血症, 血球由来の IgG の軽度の上昇を認めております トランスアミナーゼやビリルビンの上昇は認めておりません BUN が69, クレアチニンが 7.2でした また各種自己抗体はすべて陰性でした また, 凝固では ADAMTS3 活性が27% と低下していましたが, インヒビターは陰性でした また, そのほか VEGF が4.2pg/mlと軽度の上昇を認めております 尿所見では, 蛋白が4.2g/ gcr, 赤血球は多数, 蓄尿では, クレアチニンクリアランスが 5.2 でした 画像所見です 腹部単純 CTにて, 多量の腹水貯留と, 著名な肝萎縮を認めております 腎臓のサイズは左右とも,0cm ミドル台 (?) と保たれていました 腹部超音波でも CTと同様に, 著明な肝萎縮と, 多量の腹水貯留を認めております そのほか, 大腸がん術後ということですが, 腹水は漏出性で, 細胞診もクラス でした そのほかの検査所見はお示ししたとおりです 平和まず, 病理のほうに行く前に, 臨床的に経過がだいぶ早くプレゼンテーションしていただいたので, 若干質問とかもあるのではないかと思います 病理を見る前に質問等はございませんでしょうか 鎌田先生どうぞ 鎌田何点か確認をしたいのですけれども, まず, 大腸がんは完全に切除されていましたか 今福大腸がんのほうは完全に切除されていて, 今回, 当院でも大腸カメラを施行しているのですけれども, 病変の離散や再発などは認めておりません 鎌田次に,TS-は手術後にすぐに投与開始されているわけですね 今福はい 鎌田尿所見は,TS- 投与後のどのタイミングで出ているのでしょうか 今福潜血に関しては, 内服 カ月後ぐらいから (+) になっていて,3 カ月後ぐらいから尿潜血 (3 +), 蛋白尿 (+) という所見が出現してきています 鎌田 カ月から3 カ月ですね 今福はい, そうです カ月後ぐらいから (3 +) と ( +), その後,3 カ月ぐらいから,(3 +) という所見が出てきています 鎌田そして, 蛋白尿が多くなったのはだいぶ後ですよね 今福蛋白尿も3 カ月後ぐらいからです 半年たったぐらいから (2 +) ぐらいの所見が出てきます 鎌田はい ありがとうございました 平和ほかに, ご質問, コメントありませんか この方の抄録を見ると,994 年から糖尿病というふうに記載されていますが, 一応,6 年, 途中経過はよかったということなのですけれども, 糖尿病に関係することでは何も合併症はないと考えていいですか 87

8 腎炎症例研究 27 巻 200 年 今福はい 網膜症は指摘されておらず,TS- 内服後に蛋白尿を指摘されるより前には, 一度も蛋白尿を指摘されたことはありませんでした ごく一時的にのみ, 経口糖尿病薬を短期間使用していた時期もあったのですけれども, この大腸がんを指摘された時点では使用していませんでしたし, おおむね, ヘモグロビン Ac も 5% 台でコントロールは良好でした 鎌田肝萎縮があるとされていますが, 肝萎縮の原因はどのように考えたのでしょうか 今福後のスライドでお示ししているのですけれど 鎌田では, それを楽しみにします 平和海津先生どうぞ 海津社会保険横浜中央病院の海津です 尿の β 2m( ベータ 2 ミクログロブリン ) や,NAG を測っておられましたら教えていただけますでしょうか 今福検査所見のスライドを αm( アルファ マイクログロブリン ) と,NAG を測っております 学内の所見です 海津これは,6というと大変高いのですけれど, もうちょっと前のデータはありますか オペ後のTS- が始まってからの傾向です 今福そのころのデータはありませんでした 海津ないですか 今福はい 平和ほかにご質問はありますか それでは, 先生, 病理のほうをよろしくお願いします 今福腎生検の所見です 糸球体は全部で8 個 全節性硬化性糸球体が 2 個, 残存糸球体は虚脱していました 間質は中等度の線維化, 軽度の炎症細胞浸潤, 尿細管は高度萎縮をしていました PAS 染色では, メサンギウム基質の軽度から中等度の増加, 係蹄内に内皮細胞の腫大, 炎症細胞の浸潤を認めております mesangiolysis, 係蹄腔の拡張,ballooning, 基底膜二重化, 内皮下腔, 介在などの所見を認めております mesangiolysis と血管内皮細胞腫が主体で, 血栓 形成は明らかではありませんでした 尿細管は高度の萎縮変性を示していました 小葉間動脈, 細動脈の内膜肥厚は軽度でした 蛍光抗体法では,IgG が係蹄壁に線状に沈着をしていました サブクラスでは,IgG, IgG3 が有意でした C3が係蹄壁に (±) という所見でした 電顕では, このように内皮下腔種像と,mesangium 融解像が目立つ所見を呈していました 当院入院後の経過です この時点で当院に入院しまして, 腎生検を施行したところ, 先ほどお示ししたような内皮細胞障害を中心とするようなTMA 様の変化を認めたため,TMA 様の病態ではないかと考え,FFPの輸注と, 血漿交換を3 回施行しました しかし, その後も蛋白尿や, 腹水, 腎機能, いずれも改善を認めず, 最終的に血液透析, 維持透析に移行しております また, このころより抗凝固療法も開始をしました 本例での問題点についてまとめました まず, TS- 内服後の血尿, 蛋白尿, 腎不全で,TTP, HUSの臨床所見は乏しいですが,ADAMTS3 の活性の低下を認めました 腎生検では, 内皮細胞の腫大と,mesangiolysis が主体ですが, 血栓形成は明らかではありませんでした また, これらに加えて, 著明な肝萎縮, 漏出性難治性腹水が出現しました これらから, 肝臓にも何らかの血管内皮細胞障害による病態が推察されました 以上から,TMA,HUS,TTP 類似の病態ではないかと考えました HUS,TTPは共通の臨床像, 病理像を呈する疾患群ですけれども,HUSでは腎不全, 溶血性貧血, 血小板減少 TTPでは, これに加えて発熱, 中枢神経障害を呈します 病理学的には, いずれも血管内皮細胞障害, 血栓性微小血小板形成,TMAの相を呈することが知られています 本症例の病態です 本症例は,HUSに特徴 88

9 第 54 回神奈川腎炎研究会 的な溶血性貧血, 血小板減少はそれほど著明ではなく, 腎不全がメーンの臨床像でした また, 病理学的には,TMA に特徴的な血栓形成は認めず, 血管内皮細胞障害が中心の病態でした また, これらに加えて, 著明な腹水貯留を認めました これらのことから, これらが TS- によるアティピカルな TMA のような病態ではないのかと考えました 薬剤による TMAとして, これまでに抗血小板剤や抗がん剤, 免疫抑制剤などによるものが知られております 抗がん剤に関しては, MMC によるものが90% 以上を占めているとされております また, 今回, 問題となっている TS-の主成分である5-FU に関しても, これまでに薬剤による TMAの報告がありますが, そのほとんどは,MMC との併用例であるため, 5-FU は単独で TMA に寄与しているのかどうかは明らかではありません また, 近年, 新たな分子標的薬である抗 VEGF 抗体によるTMAの報告も散見されております 薬剤による TMAとして, その発症機序として, 免疫が関与するものや, 直接毒性が関与するもの,VEGF の不活化が関与するものなど, さまざまな説がありますが, 明らかな原因はまだ分かっていないとされております ここに薬剤による特徴をまとめました 今回問題となっている5-FU に関しては,TMAの発症様式は, 薬剤使用後半年から2カ月後と先行性があること, 用量非依存性であること, またマイトマイシン Cの併用例が多いことが知られております 病理学的には薬剤による特異的な傾向はないとされております 予後については,MMC 併用例が多いこともあり,5-FU 単独の予後については詳細不明でした 次に,TS- と血管内皮細胞障害ですが, 5-FUによるTMAの報告はありますが,TS-による TMA は, これまでに報告はされておりません また, 今回, 問題となった著明な肝萎縮, 腹水貯留に関してですが, これまでに5-FU 使 用例において, 腹水や肝萎縮が出現したというケースリポート, 学会報告レベルなのですが, 幾つかそういったものも認められました これらから,TS-による血管内皮細胞障害から, TMA 様病変を惹起し, 腎病変だけではなく, 肝病変も来したと推察しました 大腸がん術後,TS-によるTMA 様病変によって, 腎不全, 肝萎縮, 漏出性難治性腹水を呈した一例を経験しました ステロイド, 新鮮凍結血漿の投与, 血漿交換, 抗凝固療法などを施行しましたが, 臨床所見の改善は得られませんでした 血液透析を導入するとともに, 頻回な腹水ドレナージを要しました TS-により, 血管内皮細胞障害が惹起され, 腎病変だけでなく, 肝病変まで来したことが推察されました 以上です 平和ありがとうございました TS-を使って, 腎機能, そして肝臓のほうの萎縮も認めた症例で, 腎不全に至って, 維持透析が必要になったということでございました では, 質問どうぞ 遠藤東海大学内科の遠藤と言います まず, この症例をHUS,TTPというか, そちらのほうに持っていくのに, 臨床の経過と, 臨床データだけではそうは考えなかったのですか 腎生検所見を見て, 改めて, そういう病変だからということで, また検査を加えたわけですか 今福そうです 臨床経過からは, 当初 HUS, TTP 様の病変は考えていなかったのですけれども, 腎生検で血管内皮細胞障害主体の所見が得られたということから, そういったカテゴリーに入るのではないかと 遠藤腎生検の読みが気になったのです 今福はい 遠藤そうすると, 右下のと, 左下の銀染色ですけれども, これは糖尿病の結節性病変ではないですか IgGがリニアというと, 主な病変は糖尿性腎症だと思うのですが, 網膜症はなかったのですか 89

10 腎炎症例研究 27 巻 200 年 今福網膜症はありませんでした 遠藤右のように結節の周りにこういうふうに輪を描くような病変は, 糖尿病でも見られるし, これは糖尿病でいいのではないかなと思うのです 糖尿病という言葉は全然出なかったのですか そういうディスカッションは, なかったのですか 今福糖尿病の結節病変は, 結構長い糖尿病の既往もあることからそういったことも考えたのですけれども, この腎不全の経過と同時に, 腹水と肝萎縮という病態も出てきていることから, 糖尿病のみでは説明できないというふうに考えると, 血管内皮細胞障害を主体とした病変と一元的に考えることができないのかと考えて, こういうふうに推察いたしました 遠藤逆に, 今の HUS,TTPで, 肝萎縮とか, 難治性腹水なんていうのが出るのですか 今福 HUS,TTP として, これまで知られている概念で, 肝萎縮, 腹水貯留を来すというわけではないのですけれども, これまでに, こういった抗がん剤使用例において, そういった報告もあるので, 一元的にそういうふうに推察できるのではないかと考えました 遠藤分かりました どうもありがとうございます 平和ありがとうございました 糖尿病性の変化に組織上は近いということですね ぱっと見ると, そういうふうに見えますね ほかにコメント, 質問はございませんか 乳原共演者の虎の門病院腎センターの乳原です IgG がリニアに染まるのは糖尿病でみられ, 糖尿病の要素は少しはあるかもしれないけれども, 全体像を見るとさらに, 臨床経過から見ると, 短期間に進行しているとか, いろいろなことをよく判断すると, 糖尿病が主体ではないと考えております 平和ありがとうございました ほかにコメント, あるいはご意見, ございませんか 肝臓が萎縮するのと腎臓の障害は, やはり並列で考えたほうがいいのでしょうか 抗がん剤で細胞毒性がありますから, 肝臓がやられてくるのかなと それと同様に, 確かに尿細管は, 抗がん剤で, 特に近位尿細管は障害が起きやすいと思うのですが その辺りは, いかがでしょうか 今福肝臓の急な萎縮や腹水貯留ということに関しては, 調べた範囲では, 学会の報告レベルで幾つかの抗がん剤で, そういったことが起こったということが報告されているのみで, その病態もメカニズムも明らかになっているわけではないので それと, 今回の腎不全がパラレルに起こったのかというのは, ちょっと分からないのですけれども, 臨床結果から見ると, 前医の大腸がん術前の腹部 CTなどもあったのですけれども, そのときは明らかな肝萎縮はありませんでした やはり, 臨床結果から考えても, 一元的に何かしらの内皮細胞障害が起こっているというふうに考えられないかなと思っております 平和これは, 糸球体が原発で, 腎機能が悪くなったと考えていいですか やはり, 抗がん剤を使っていての尿細管障害間質性腎炎を起こして, それで腎機能が悪くなっているというストーリーは, お考えになってませんか 今福腎機能に関してのATNの変化? 平和ええ 尿細管間質性腎炎というかたちで悪くなってしまった 抗がん剤のアレルギー性のものが結構ありますよね ですので, そういうことに関するディスカッションはいかがですか かなり派手にやられていて, 今でも壊れているということですから, 相当尿細管障害が強いなというふうに思ったのです ほかにコメントやご意見はございませんか 北沢市民病院腎臓内科の北沢です 電顕を見れば, 内皮細胞障害もありますし,TMAでいいかなと思うのですけれども,TMAの内皮細胞障害というのは, 普通なら治っていく場合が 90

11 第 54 回神奈川腎炎研究会 多いのです ところが, この人は不可逆的な腎不全になってしまいましたよね その辺は, やはり糖尿病の変化が非常に影響しているのだとお考えですか いわゆる血管の状態, 細動脈の状態はいかがでしたか 今福臨床的には, まず非可逆的であったことに関しては, 糖尿病の要素と, あとは, この方は TS-を半年間投与されているのですけれども, その期間中に既に, 腎機能が Ccrよりも低下していて, 本来であれば減量の必要性があるような腎機能に少し低下していたのですけれども, そのまま同量のままに投薬は継続されていたということだったので, そのようなことが, 非可逆的になってしまったことに関して寄与しているかもしれないと考えます 血管病変については, ちょっと 北沢どうも, ありがとうございました 今福はい すみません 平和 TS- は三つの薬剤の合剤だと思うのですけれども, これは, 血中濃度とかは途中で測られたりはしたのですか 今福血中濃度は, この方は前医で治療をされていたということもあって, 測定していません 当院に来てから測定を試みたのですけれども, 測定ができないということでした 平和あと, 先生のところへ来る前の経過で, 悪くなっていますので, 悪くなる原因はたぶん来る前にあったと思うのですが,TS- 以外に, 例えば抗がん剤に伴う, あるいは何か痛みがあって, ほかの薬を使って尿細管障害を起こすような, あるいは糸球体障害を起こすようなお薬というのは, 何も使っていなかったでしょうか 今福そのほかに使用していたお薬は, 前立腺肥大に対するお薬や胃薬ぐらいで, 腎障害を来す薬は使用はしていませんでした 平和よろしいですか 時間もだいぶたちましたので, では病理の先生のご発表をいただきたいと思うのですが, 最初は山口先生ですか では, 山口先生, よろしくお願いいたします 山口この症例は, 皆さんからいろいろな質問が出て, 確かに僕もそのとおりではないかなと まず, やはり基本的には糖尿病性腎症というのがベースにあって, そのうえでいろいろな現象が起きているというふうに考えないと, 組織像はなかなかきちんと読み解けないことになると思います スライド0 肝萎縮に関しては, 私は, 劇症肝炎ではないですけれども, 恐らく細胞性の障害が非常にドラスチックに起きて, 普通肝萎縮はTMA だけでは来ないですから, やはり細胞性に何かドラスチックなことが起きて, それで強烈な腹水が なかなか治らない難治性の腹水というのは, 恐らく肝側に問題があるのだろうと思います 糖尿病のときも, 内皮細胞障害がベースにあるわけで, 両方でオーバーラップしてきたということが, その後, ある程度, うまく治療できなかったということにも絡んでいるのかもしれないです スライド02 確かに,TMAで, 僕も最初に組織を見たときに, まず糖尿病しか考えられないなという印象だったのです 少し分葉状で, mesangial matrix がだいぶ拡大して, リモデリングの血管様の構造が doughnut region ができてきているというの一つです まだまだ, そんなに派手な糖尿病とは言えないと思うのですが それから, もう一つはやはり, 先ほどから, 尿細管上皮障害ですね こういうように非常に上皮が薄くなって扁平化しているようなところもだいぶあります それから, 何か赤血球円柱で, ちょっと上皮が扁平化している それから, 間質には, ややcapillary なのですが,peritubular capillary に沿って少し浸潤細胞があるということです 上皮の剥離像も見られている スライド03 主にこれはどちらかというと, 拡張した capillary のところに少し炎症細胞の訴えが, ぱらぱらと見られているところですね ちょっと飛んでしまって, 分かりづらいと思いますが, 糸球体は少し外来性の細胞が部分的に 9

12 腎炎症例研究 27 巻 200 年 は入り込んでいるというような感じで, 全体にちょっと虚脱した傾向はあります スライド04 ちょっと Massonは厚いのですが, やはりこういう nodular regionを形成して, 一部はepithelial な少し反応があるのですが, どこか二次的な capsular な反応だろうというふうに思います ここも, 同じように尿細管上皮が扁平化して, 内腔がやや拡張している傾向があります 細動脈は, ちょっとこれは見えないですね 間質は瀰漫性にやや線維化が見られる スライド 05 こういうように, 糖尿病ですとよく見るmesangial nodular で, 尿細管極のところが癒着を起こして, ここから insulative な変化が広がっていく あちこちにボーマン嚢との癒着が見られるということになると思います ここは, ちょっと赤血球円柱が詰まっているところです それから, 上皮の剥離, 扁平化, 尿細管系の障害も強いです ここに左外動脈が出ていますが, 硝子化は, そんなにここでは際立っていないです スライド 06 ここは, どちらかというと, 尿細管間質を撮っているのですが, ぱっと見ただけでは 少し尿細管上皮の再生性の変化が出ているように思ったので, その辺が撮ってあるのだろうと思います ちょっと全体に暗いので分かりづらいかもしれないですね 裸核状の核が所々, こういうように内腔に飛び出していますので, 抗がん剤がダイレクトなのか, 二次的なのか, それは分かりません 何らかの尿細管上皮障害があるのだろうと思います スライド 07 似たような, これは赤血球円柱がちょっと詰まっているところを撮っているのだろうと思うので, 尿細管上皮障害のところを medullaly ray に沿って, ちょっと際立っているところを撮ったのだろうと思います スライド 08 銀で見ますと, やはり, こういうのはもう糖尿病で, もちろん新たなリモデリングで, 血管腔ができて, 外側に内皮下腔の拡大が広がっている ですから, これだけ見ると, いわゆる TMA の所見とオーバーラップし てきた場合には, 光学顕微鏡的には, 私自身は, TMA があるようには もちろん細動脈側に何らかの血栓性の病変があればいいのですが, ちょっと糸球体のタイプですと, ほとんど区別がつかないです 糖尿病がベースにあった場合には, 二重化も起こりますので, なかなか光学顕微鏡的には判断は難しいように思います スライド 09 細動脈は, 確かにそんなに強い硝子化はないです 少し, ここは内核腔が相当幅広く広がっているところがあります 糖尿病でも, 場所によってはこのぐらいの変化が来ますので, これはやはり電子顕微鏡を見ないと, 内皮下腔の拡大が顕著な理由は何なのかという問題はあると思います スライド0 CD34 が染まっています 確かに糸球体は末梢のCD34 の内皮が減ってしまっている それから,peritubular capillary は, 大体は染まっていますけれども, 部分的にはちょっと不明瞭になる TMAでもperitubular capillary の内皮細胞障害というのは, われわれも電子顕微鏡で見ていますが, そういう障害が来てもおかしくないというふうには思います スライド あと, ちょっと気になったのは髄質にこういうような PAS 陽性で, 萎縮した尿細管系が, こういうように見られていますので, ある程度,nephron mass が, この萎縮した尿細管が何に相当するのかって, ちょっと突き止められなかったのですが,nephron mass がある程度, もう79 歳ですから当然と言えば当然なのですが, こういう一つの髄質のまとまり, nephron のまとまり, 集合管があって,Henle と近位尿細管系のまとまりがあると思うのですが,nephron のmass の減少があることは間違いないようです スライド 2 これは,peritubular capillary の内皮が少し腫大して, 基底膜がやや厚くなっているかなと われわれが移植を見ていると, つい気になって, 基底膜がやや厚いかなと 電子顕微鏡で, もちろん確認しないといけない スライド 3 IgG はリニアパターンで, 当然 92

13 第 54 回神奈川腎炎研究会 TBM なんかにも出てくると 糖尿病を示唆する所見です C3 はどういうわけだか, ボーマン嚢にやや強く, 血管局部にも出てくる それから,polar vasculosis とか, そういうところにも, ちょっと出るようには思います これは癒着か何かかもしれないです スライド 4 電子顕微鏡を見ますと, 一つはやはり mesangial matrix が異常に増えています それから,GBM もやはりある程度瀰漫性に, homogeneousに肥厚があります ただ, もちろん糖尿病でも, 内皮下腔の拡大というのはよく見られるのですが, これは非常に顕著なように思います ですから, 糖尿病だけで説明できる, mesangiumがちょっとinterposition 様になっていますけれども, あるいはマクロファージ系の細胞がちょっと入り込んでいますので, 糖尿病性の糸球体硬化症だけでは十分説明できない内皮下腔の拡大は, やはり顕著なように思います スライド 5 先ほど出されたところです ちょっと内腔がはっきりしなくなるぐらいに, 毛細血管腔が内皮下腔の拡大で, すぐmesan- gial cell がこうやって出てきてしまっていますので, ここが管腔なのかもしれないのですが, GBM と内皮下の拡大が非常に幅が広くなって, 内腔が不明瞭になっています ここも恐らくそうだろうと思います それから, 少し, 外来性のマクロファージ系の細胞が寄ってきているということです スライド 6 そういうようなことで, ベースは糖尿病性腎症があって, それだけでは十分説明できない endtail のinjury がある それから, tubular injuryは少し ( 00:46:57 / 一語不明 ) な変化がある それからperitubular capillaritis があって, 腎,nephromas の萎縮を思わせる古い tubular atrophy があるということで, 両方が恐らくオーバーラップして, 障害が進展したんだろうと思います 以上です 平和ありがとうございました 重松先生, よろしいですか 先生お願いします 重松わたしも, 大体の点では見解は似てい ます diabetes による腎障害に抗がん剤による, 内皮細胞障害が付加的に起こっているわけです diabetes というふうな先行病変が, 腎病変を複雑化したというふうなことになるのかと思います スライド0 七つぐらいのglomerulus があって, 一つは,global sclerosis になっています 一見して,mesangium matrix が増えています matrix がこんなに増えているということを急性の病変では説明できませんので, これは何か重なり病変があるに違いないということが, まず言えると思います スライド 02 そして tubular atrophy です これは急性の病変で起こり得るかもしれないけども, やはりこの慢性の糸球体病変と連動した tubular atrophy というふうなものを, 頭に入れておかなければいけないと思います スライド03 それで糸球体を見ていくわけですけれども,hyalinosisがあったり,mesangial matrix がやや増えていたりということで, 慢性の変化がかぶさっています 間質には強い浮腫がありますから, これは急性の病変が重なっているということが言えると思います スライド 04 PAM 染色で見ると, ちょっと血管腔が狭小化しているところもありますけれども, 目立つのは,matrixが増えているということです スライド05 そして, 増えたmatrix の周りに, 何やら血管の変化があるということです mesangiolytic-like な変化が周りにある 動脈のほうも, 平滑筋が障害を受けているような, そういう病変も見られます スライド 06 こういうかたちになってきますと, これは糖尿病性の変化で, この周りの変化も糖尿病に合併するリモデリング, あるいは血管再構築の進行を示唆するような変化になるわけです ですので, なかなか解析が難しくなってきます スライド 07 ここは, 糖尿病にある滲み込み病変です これも, まだ臨床的にはあまり問題 93

14 腎炎症例研究 27 巻 200 年 がないが, やはり組織学的病変としては, 糖尿病の滲み込み病変というものを引っ提げて, そして,foam cell が出てきたり, 脂質の代謝異常を示唆するような変化が随伴しているということであります スライド 08 ここなんかは典型的なnodular lesion ここもです こういうところが, 糖尿病的なものを色濃く出している スライド09 ここは,mesangiolysis だけが起こっている所です こういうところは, 薬剤による内皮細胞障害というもので説明できる可能性はあると思います スライド 0 これはちょっとわかりにくいので次をお願いします スライド PAM 染色でかなり滲み込み病変が強いところです mesangiolysisになったと言ってもいいです こういう変化が, 臨床上は全然進行性を思わせるような糖尿病の所見がないのに, こういうふうなことが起こっているということは, 糖尿病のほかにプラスアルファの病変が加わっていると考える必要があるのではないかと思います スライド 2 それから, 血管の変化ですけれども, 血管の内皮下にも浮腫があります これは標本の切れ方によるかもしれませんけれども, 同じような滲み込み病変が, 血管腔を覆っているような所見もある 狭小化もある 血管病変も結構あるということです スライド 3 こういう基底膜が厚くなっているというのは, 糖尿病によるものだろうと思います そのほかに, 細動脈の壁に何か内皮下の異常が起こっているということがあります スライド 4 PTAH 染色はfibrinを主に染める染色ですので, 急性の病変があると, 血管内に内皮障害があると, こういう fibrin 血栓と言ってもいいかもしれませんが, そういうものが出てくるわけです 糸球体に全部ではないけれども, こういうふうな fibrin thrombus, 凝固異常が起こっている 血管の病変も, これは内皮下よりも, むしろ血管の外膜よりにかなりの滲み 込みが起こっているというふうなことが示唆されます こういう fibrin 様のものを,proximal tubule の上皮は再吸収していますから, この凝固異常というふうなものが,diabetesで彩られた糸球体に, 新しい変化として加わっているという可能性はあると思います スライド5 内皮細胞のマーカーで染めてみると, 糸球体を見ますと, 染まっているところもあるし, ぶち状に, きれいに染まっていないところ, あるいはほとんど染まっていないところ, つまりかなり内皮細胞障害が進行しているというのが, 一見 diabetic でないものに起こっています ということで, これが, 演者がおっしゃる抗がん剤による内皮細胞障害というものを表しているのではないかと思います スライド6 この方には, 特にIgG と,C3 が, 主に滲み込み病変の形で, またボーマン嚢の下, あるいは係蹄壁に滲み込み病変が依然としてあるということは, 内皮細胞障害が緩やかではあるけれどもある それにさらに, 抗がん剤の強い内皮障害が加わったというふうに考えることができるのではないかと思いました スライド7 電顕は, 皆さんがお出しになったのと同じようなところが出てきていますけれども, 糸球体の内皮下 ~メサンギウムに強い浮腫があります かなり強い蛋白尿が出ているようでしたけれども, 上皮の障害もかなり強いです こういうふうに細胞がちぎれるような上皮細胞障害も起こっております スライド8 これも似たようなものです mesangium 細胞は, これは幼若化というふうなものではなく, 腫大変性所見です スライド9 ここでも, 内皮の強い障害があって, はがれている それに劣らず上皮も強い変化が起こっている 腎機能の低下というのがそれによっておこっているということが言えると思います スライド20 これもmesangium 細胞の空胞化をした変性所見です スライド2 山口先生もおっしゃったように, 94

15 第 54 回神奈川腎炎研究会 炎症性の変化が少し加わっているところがあります はい ということで, やはり diabetes がベースにあって, 抗がん剤の腎障害がより一層強く出た そういうふうな解釈ができるんじゃないかと思います 以上です 平和ありがとうございました ということで, 糖尿病性の変化はあるけども, 抗がん剤に伴う内皮障害も乗っかっている, あるいは上皮障害もあって, 腎機能に影響しているだろうということだと思います 全体を通して, 病理の所見を含めてご質問, あるいはコメントはございますでしょうか 木村先生お願いします 木村聖マリアンナ医科大学の木村です 病理の先生方にお伺いしたいんですが, ネフローゼ症候群は, 糖尿病性腎症から来ているというふうに考えてよろしいでしょうか 山口わたしは上皮細胞障害なんです かなり, バリアーを壊しているというふうに見て 必ずしも, 糖尿病はひどくないですよね, 糖尿病自体はね 木村ええ 山口僕は上皮細胞障害だと 木村それで, 急性に来たというふうに考えられるわけですか 山口あまり経験的でよく分からないのですが,HUS だけでも,nephrotic range のネフローゼになるという症例に以前出合ったことがあるので, もし, 僕もあまり詳細には見なかったのですが, 内皮細胞障害が, 糖尿病による内皮細胞障害と, それに TAMが加わって, さらに内皮細胞障害が非常に際立って出たわけで, そういった上皮細胞だけではなくて, 内皮細胞の障害がちょっと nephrotic rangeの蛋白を起こしてきたというふうにも考えられないことはないかなと思います 木村ありがとうございます 平和海津先生, どうぞ 海津社会保険横浜中央病院の海津です 以前, 私どもは, マイトマイシンCで激しい腎不全を 起こし,plasma exchange や透析まで入って, 結局, 透析から離脱できなくて, 症例報告した例を経験していますが, その場合の腎生検は, 内皮細胞障害が結構強くて, しかも核が形態的に変化していたんですけれども 病理の先生にお伺いしたいんですが, 電顕的にこの症例の内皮細胞障害は, 核まで変化するほどひどかったかどうかをお聞きしたいんですが, いかがでしょうか 重松先生, その内皮細胞って, すぐ再生するんですよね だから, 恐らく先生が, そして, 僕らも剖検例で, マイトマイシンによる幾つかの腎不全を見ていますが, 結局, どちらかというと, やられて困るのは,mesangial cellなのです 内皮というのは, いくらでも再生できますので mesangial cell がいなくなって, 非常に糸球体がシンプル化しちゃうんです そうするとろ過できなくなるんです ですから, 血管腔は残っているんだけど, 腎不全に陥るんです 海津そうですか 私ども, この症例も透析離脱できていなかったので 重松この症例も, どちらかというとmesan- gial cellがみんなダークになって, 萎縮変性してしまっていることは事実です だから, 内皮下から,mesangial cell 領域に障害が広がって, それで腎不全になっちゃった可能性も だから, 糖尿病性の変化と, 内皮細胞障害によるmesan- gium の障害をきちんと見れば, もうちょっとくわしい解析ができるかも知れません だから, 内皮細胞障害だけで完全にstructure が壊れてしまえば, その糸球体はfunction できません それは一つの極限ですけれども, 恐らくそういう像を先生は見ていらっしゃったんだろうと思います 海津そうですね そうすると, 内皮細胞はリカバーして, 再生して, この症例では, そういう再生している 重松ですから, 恐らく, 臨床的に考えると, やはり, 構造的に糖尿病性の変化もあるけれども, さらに破壊が進展したと考えれば, 腎不全 95

16 腎炎症例研究 27 巻 200 年 になった理由が少しは説明できるかなと思います 海津はい 分かりました どうも 平和ありがとうございました 時間が過ぎてしまいましたので, この辺でこの症例を終わりたいと思います 今福先生, 何かございますか よろしいですか ありがとうございました 96

17 第 54 回神奈川腎炎研究会 山口先生 _0 山口先生 _06 山口先生 _ 山口先生 _02 山口先生 _07 山口先生 _2 山口先生 _03 山口先生 _08 山口先生 _3 山口先生 _04 山口先生 _09 山口先生 _4 山口先生 _05 山口先生 _0 重松先生 _0 97

18 腎炎症例研究 27 巻 200 年 重松先生 _02 重松先生 _07 重松先生 _2 重松先生 _03 重松先生 _08 重松先生 _3 重松先生 _04 重松先生 _09 重松先生 _4 重松先生 _05 重松先生 _0 重松先生 _5 重松先生 _06 重松先生 _ 重松先生 _6 98

19 第 54 回神奈川腎炎研究会 重松先生 _7 重松先生 _8 重松先生 _9 重松先生 _20 重松先生 _2 99

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