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目 次 1. 検査の準備... 1 1.1 検査機器 試薬... 1 1.2 試薬... 1 2. 操作手順... 2 2.1 検体準備... 2 2.2 検査手順... 2 3. トラブルシューティング... 6 4. 注意事項... 8

1. 検査の準備 1.1 検査機器 試薬 1.1.1 機器 器具の準備 機器 器具 分光光度計 (260nm と 280nm) PCR 装置 :GeneAmp PCR System 9600 9700 または Veriti (Applied Biosystems 社 ) 1 5mL マイクロチューブ用遠心機 1 5mL マイクロチューブ用ミキサー ( ボルテックスミキサー ) 電子レンジ電気泳動装置 ( マイクロ SSP ゲルシステム ) パワーサプライ : 定電圧 150V UV トランスイルミネーター (312nm) ゲル写真撮影装置 One Lambda 社 HLASSP 判定用ソフトウェアまたは マイクロ SSPTM ワークシート可変式ピペットマンとピペットチップ (PCR 前と PCR 後専用に必ず分ける ) 8 連マルチチャンネルピペットマンシール及びパッド (#SSPPAD) PCR トレー用のチューブラックアイスバケット 1.2 試薬 1.2.1 キット名 マイクロ SSP HLA DNA タイピング各種キット 1.2.2 キット以外に必要な試薬 AmpliTaq DNA Polymerase, 5 units/μl (Applied Biosystems 社 : #N-808-0160) 核酸電気泳動用アガロース ( 例 FMC Seakem LE) 1 TBE バッファー :89 mm Tris-borate 2 mm EDTA-2Na (ph8.0) 0.5μg/mL のエチジウムブロマイドを含む 1/9

2 操作手順 2.1 検体準備 2.1.1 1 検体 DNA は 滅菌蒸留水または 10 mm Tris-HCl バッファー (ph8.0~9.0) を使用し 濃度を 100 ng/μl (25~200 ng/µl) に調整する 2260nm と 280nm での吸光度比 (OD260/OD280) が 1.7~1.80 である事を確認する 注意 : 検体 DNA の調整には 0.5 mm 以上の EDTA あるいは他のキレート剤を含んだバッファーの使用は避ける 2.2 検査手順 2.2.1 検体の調製 1. タイピングトレーを冷凍庫から取り出し 室温に戻す 2. D-Mix の解凍 検体 DNA をボルテックスで混和する 3. D-Mix-1 溶液の調製 AmpliTaq DNA polymerase を冷凍庫から取り出し 氷上に置く D-Mix 溶液に AmpliTaq DNA polymerase を加える ( 以下 D-Mix-1 とする ) AmpliTaq DNA polymerase の量は各 Kit 添付文書を参照 4. 5 秒間ボルテックスで混和後 10,000rpm で数秒遠心する 5. タイピングトレーのシールを外す 6. ネガティブコントロールウェル DNA の溶解に用いた滅菌精製水 1 µl と D-Mix-1 9 µl を陰性コントロールウェルに入れる ( 赤いマーカーで表示されている箇所 ) 左図は例としてマイクロ SSP AB/DR (#SSPABDR) の陰性コントロールのウェル位置を示している 陰性コントロールは PCR で増幅された DNA の汚染検出が目的ですであるので 通常の検体の調製に使用する水を用いる 他のウェルに入れないように注意 SSPJPN には 陰性コントロールウェルはないので この操作は不要 7. D-Mix-2 溶液の調製 D-Mix-1 に検体 DNA を加える ( 以下 D-Mix-2 と記す ) DNA の添加量は 各製品に添付の Reference Table を参照 A B C D E F G H 1 2 12 例 : マイクロ SSP AB/DR (#SSPABDR) (1H に陰性コントロール ) 2/9

8. 5 秒間ボルテックスで混和後 10,000 rpm で数秒遠心 9. 10 µl の D-Mix-2 を 陰性コントロールを除くウェルに添加 SSPJPN には陰性コントロールウェルが無いため D-Mix-2 をすべてのウェルに添加 10. タイピングトレーにシールを貼ります必要に応じて シールを適切な大きさに切って貼る A B C D E F G H 1 2 12 例 : マイクロ SSP Class II Geniric Typing Kit (DR/DQ) (#SSP2L) (1H, 5H, 9H に陰性コントロール ) 2. 2.2 PCR 増幅 PCR 装置にタイピングトレーをセットする 反応溶液量を 10 µl にセット 増幅時間 : 約 1 時間 20 分マイクロ SSP 用パットをトレーの上にのせて PCR 装置の蓋を閉める PCR 反応後電気泳動をすぐ行わない場合は -20 で保存する PCR 条件 (Applied Biosystems 社の GeneAmp System 9600 又 9700 Veriti を用いた場合 ) ステップ数温度 ( ) 時間 ( 秒 ) サイクル数 1 96 130 2 63 60 1 96 10 2 63 60 1 96 10 2 59 50 3 72 30 1 cycle 9 cycles 20 cycles 1 4 Forever END GeneAmp PCR System 9700 および Veriti では Ramp Speed を 9600 に設定する 2.2.2 アガロースゲル (Micro SSP Gel System) の作製 1. ゲルボックスをベースにはめ込み ( 赤 :+ 極 黒 :- 極 ) ロッキングピンを締めゲルボックスを固定する 2. 付属の水準器でベースを必ず水平に調整する 水準器 3/9

3. コームホルダーにセットする 電極用コーム : 両サイド2 本サンプル用コーム : 12 本 4. 0.75 g のアガロースに対し 35 ml の 1 TBE とエチジウムブロマイドを加える (2.5% アガロース /1 TBE/ エチジウムブロマイド ) 4 1 電子レンジで ゲルを粒子が完全に見えなくなるまで溶解する 突然の沸騰に注意 4.2 アガロース溶解液を充分に熱した状態で 0.5 µg/ml になるようにエチジウムブロマイド添加する 5. ゲルボックスに静かに流し込みます ゲル表面に気泡が出来ないよう注意 6. コームホルダーを静かにはめ込み 室温で 15 分間静置 室内空調の風が当たらないよう注意 7. コームホルダーを静かに外します 8. 10 ml のエチジウムブロマイド入りの 1 TBE を泳動槽に満たす 2.2.3 検体の泳動 1. PCR 産物 10 µl 全量をアガロースゲル上の各ウェルに 8 連ピペットを使用し分注する 2. 泳動前にサイズマーカーを左図のウェルに 10 µl ずつ分注 One Lambda 社マイクロ SSP サイズマーカー (#SSP-SM) 50 150 300 500 750 (1000) bp A B C D E F G H サイズマーカー 3. カバーをゲルボックスにのせ コードをパワーサプライに接続し 定電圧 150V にセットする 赤色マーカーが 5 mm 泳動したらスイッチを切る ( 約 3~5 分で泳動は完了 ) 4. カバーを外した後 ゲルボックスをベースから外す 4/9

5. ゲルボックスをトランスイルミネーターに置く ( ゲルをゲルボックスから取り出す必要はない ) QCWS 参考プロトコル HLA 抗原検査 PCR-SSP 6. コントロールバンド 特異バンドを確認し 写真撮影する 紫外線を直視しないように注意 2.2.4 判定 1. インターナルコントロールバンドは 増幅反応の対照として陰性コントロール反応と一部の陽性ティブ反応を除き必ず出現する インターナルコントロールバンドが出現しない反応 ( 無反応 ) が検出された場合 その検体のタイピング結果は無効となる ただし 陽性バンドが増幅された PCR 反応には インターナルコントロールバンドが出現しない あるいは弱く出現する場合がある ウェルインターナルコントロール 陽性バンド プライマーバンド 1 2 3 泳動 方向 2. 陽性反応の場合はインターナルコントロールバンドより速く泳動するバンドが出現する 判定方法 : 陽性陰性無反応 3 陽性反応が検出されたウェルの位置を One Lambda 社 HLASSP 判定用ソフトウェアのインストールされたパソコンに入力し 判定されたアリル サイズマーカーとの対比による泳動距離に矛盾がない事を確認し 判定する マイクロ SSP ワークシート情報はタイピングトレーのロット番号により変わる場合があるので キットとワークシート情報のロット番号が同じである事を必ず確認する 5/9

3. トラブルシューティング : トラブル頻度が高い マイクロ SSP ゲルシステムを使用した電気泳動方法に関する問題を記載した 電気泳動を使用した実験結果は検体の量や純度 また撮影方法などに大きく影響される トラブル原因解決法 電気泳動が起こらない バンドが検出されない パワーサプライの電源が切れてい電源を入れていることを確認 る パワーサプライが正しく設定され定電圧 150Vに設定する ていない 接続プラグがパワーサプライにし赤色と黒色の両コードそれぞれ色を合わせて しっっかり接続されていない かり接続 カバー両側の安全スイッチが切れ ゲルボックスをカバーで覆う際 安全スイッチのている 音が聞こえるまでカバーをベースにしっかり押し付ける 安全スイッチが正しく作動している事を確認する ベースの陰極側 ( 赤サイド ) にある金属製のネジが折れていたり 低くなっていない事を確認する バッファーの量が足りない 10 mlの1 TBEバッファーを使用し ゲル内の全てのウェルを満たす 電極に汚れが付着している カバー内のプラチナ線が付着物 ( バッファーの塩分など ) や他の汚れで覆われていないことを確認する ( 電極を取り扱う際は 必ずパワーサプライの電源を切り 接続プラグを外して行う ) 接触不良あるいは 配線が破損してメーカに連絡して対応を相談する いる アガロースの濃度または品質が正 2.5% の核酸電気泳動用アガロースを使用します しくない ( マイクロSSPタイピングキット使用の場合のみ ) バッファーの処方が正しくない エチジウムブロマイド (EtBr) を含む1 TBEバッファーをゲルの作製と電気泳動用のバッファーとして使用する エチジウムブロマイドの濃度が正 1X TBEバッファーのエチジウムブロマイドの濃度しくない を0.5 µg/mlに調製する エチジウムブロマイドを含んだ試薬は遮光管理をして保存する 試薬の使用期限が過ぎている 電気泳動用バッファーとアガロース溶解液はエチジウムブロマイドを含んでいるため 遮光管理をして保存する 特にアガロース溶解液は1 日以内に使い切れる量を作製する 6/9

バンドが弱く検出された ( バンドが検出されない のセクションも参照 ) 第 12 列目のシグナルが弱く検出されたバンドの形が異常 泳動時間が長すぎる マイクロSSPタイピングキット使用の場合は2.5% アガロース溶液を使用し 赤色色素が5 mm 泳動したところで電圧を切る (2.5% 以外のアガロース溶解液を使用した場合 泳動距離の調整が必要です ) アガロースの質と量により泳動時間が変わる事がありますので 必ず色素の泳動距離を基準に泳動を止める 紫外線イルミナーターの設定が正 312 nmの紫外線を使用します 紫外線ランプが切しくない れていないか確認する カメラの設定が正しくない 紫外線撮影用のフィルターを使用しする 絞り シャッタースピードなどカメラの露出設定が正しいか確認する エチジウムブロマイドの濃度が足エチジウムブロマイドの濃度を0.5 µg/mlにし 新りない しい試薬を作製する ゲルが薄く作製されたため サン 30 mlのアガロース溶解液を使用する プルが泳動中に漏れてしまう ゲルの厚さが均等でないために ゲルボックスをしっかりベースにはめ込む ゲルサンプルが泳動中に漏れてしまの作製直前にアガロース溶解液を充分に熱してかう ら注入する アガロースを注入後 ゲルの厚さが均等になるようベースを傾ける コームホルダーを付けた後 再度ベースが水平であるか 確認する バッファーの量が足りない 10 mlのバッファーを使用し 電極用ウェルを含む全てのウェルをバッファーで満たす バンドが弱く検出された のセクションを参照 ウェルが変形している ゲルは最低 15 分間凝固させる 15 分以上放置した場合 ゲルが乾燥し バンドの形が異常になる場合がある コームホルダーを付けた後 全てのコームがしっかり差し込まれていることを確認する バッファーが蒸発している ゲルにバッファーを加えた後 速やかに使用する 放置時間が長いと バッファーが蒸発し 泳動が正常に行われない ベースが水平でない状態で泳動がベースを水平にする 行われています 電流が均等でない 電極に汚れが付着しているか確認する 汚れが付着している場合はペットチップの先端 ( 非金属物質 ) で取り除く ゲル内に気泡がある アガロース溶解液を注入直後 気泡を取り除く ゲル内に異物がある ゲルボックスの汚れ ( 埃り 乾燥したアガロースなど ) を取り除く コームが破損している コームを取り替える アガロースが完全に溶解されていアガロース溶解液を充分に熱してから使用する ない 7/9

4 注意事項 : PCR 後専用のピペットを PCR 前の操作には絶対に使わない D-Mix には ph 指示薬が含まれており 細菌のコンタミ等により ph が低下しますと溶液が黄色く変色する 黄色く変色した D-Mix は使用しない D-Mix に沈殿が生じたときは 室温に戻し ボルテックスで混和し沈殿物を溶かしてから使用する エチジウムブロマイド (EtBr) は発癌性物質 エチジウムブロマイドを含んだ試薬 ゲルの処理には必ず手袋を着用 紫外線トランスイルミネーターを使用するときは必ずゴーグルを着用 8/9