個人事業の法人化による節税メリットについて 内容についてのご質問あるいはご相談等は 06-6452-4133 までお気軽にお電話下さい
なぜ法人化するのか? 所得税 住民税 事業税 社会保険 医療費が高い! それは 所得 (= 収入 - 経費 ) が高いからです すべてにかかわります 特に所得税は超過累進税率です 住民税 :10% 事業税 ( 不動産 ):5% どういう場合に法人化するのか? 相続税対策が終わった場合 相続税が発生し 相続人の子が引き継いだ場合 減価償却費等の経費がなくなった場合 給与等を支払うことにより経費を増やします 1/17
法人化のメリット デメリット メリット 1 役員の給与 ( 役員報酬 ) を 経費にすることができます 個人 ( 個人事業含む ) の場合 売上 ( 収入 ) から経費を引いた金額に対して課されます 事業主の給与 という概念はありません 法人 ( 会社組織 ) では 個人 ( 個人事業含む ) で 事業主の給与 にあたる 役員の給与 ( 役員報酬 ) が経費として認められます ( 諸届をしない場合や違法な場合には認められない場合があります ) 役員給与 ( 役員報酬 ) には 一般のサラリーマンと同じように 給与所得控除が適用されますので 節税になることがあります 図にすると 次の通りとなります 法人と個人 ( 個人事業含む ) の課税の違い 個人 ( 個人事業含む ) 売上 経費ここに課税されます 法人 ( 会社組織 ) 経 費 売上 ( 収入 ) 役員の給与 (= 経費 ) 給与所得控除 * あくまでも課税の仕組です 分かりやすい図にするため 各種税額控除は計算されていません 2/17 ここに課税されます 所得税 法人税
2 資本金が 1000 万円未満の場合 会社設立後 2 事業年度は消費税が免税となります 法律で定められた売上金額以上になれば 消費税を納税する義務があります 法人は 基本的に会社設立後 2 事業年度まで 消費税が免税となります 節税になるケースがあります 3 赤字を7 年間繰り越せる!! 青色申告の個人事業の場合 赤字の繰越控除は 3 年間ですが法人にすると7 年間過去の損失と利益を相殺することができます 4 死亡退職金につき相続税の非課税枠がつかえる 非課税枠 = 法定相続人 500 万円 5 弔慰金につき相続税の非課税枠がつかえる 非課税枠 = 業務上の死亡 : 報酬の36か月分業務外の死亡 : 報酬の6か月分 3/17
6 一定の生命保険料が損金に出来る 定期保険は全額が損金となる 7 生前贈与が容易 一株単位で贈与が出来るため 8 減価償却を任意ですることができる 個人事業の場合は 減価償却は強制だが 法人の場合は任意でできる 4/17
デメリット 1 設立に費用が必要です 会社設立するために 登録免許税ほか 費用が必要です 手間もかかります 2 赤字でも 地方税が発生します 法人の場合 赤字であっても 地方税 ( 都道府県税 市民税 ) が発生します 3 会計記帳 確定申告が複雑になります 法人は個人事業と違い 法人税法 が適用されます 個人事業にはない 法人独特の決まりがあって 複雑です 確定申告書類も 個人事業に比べ 内容 枚数ともに増えることになります 法人化した後の経理処理 税務処理は 個人事業の場合に比べ複雑になりますので 多くの場合は税理士などの専門家に依頼をすることになり その支払う報酬がかかるようになります 個人事業者の場合で税理士など報酬を支払っている場合なども 法人化した場合には通常報酬が上がります 5/17
収入 20,000,000 経費 10,000,000 差引 10,000,000 特別控除 650,000 不動産控除 9,350,000 所得控除 380,000 課税所得 8,970,000 所得税額 1,427,100 税(8,970,000 23%-636,000) 住民税額 897,000 事業税額 合計税額 6/17 (8,970,000 10%) 355,000 {(10,000,000-2,900,000) 5%} 2,679,100 A 給与所得控除のメリット個人所得( 設例 ) 個人の不動産収入 2000 万 経費 1000 万 資本金 1000 万 アパート収入のみとする 法人税等の実効税率は40% とする
法人化した場合 1( 役員報酬 1 人に 1,000 万円 ) 法人税個人 益金損金役員報酬課税所得住民税額合計税額 20,000,000 10,000,000 10,000,000 0 70,000 70,000 1 給与収入給与所得 所得控除課税所得所得税額住民税額事業税額合計税額 10,000,000 7,800,000 (10,000,000 90%-1,200,000) 380,000 7,420,000 1,070,600 742,000 0 1,812,600 2 1+2=1,882,600 B B-A = 796,500 7/17
法人化した場合 1( 役員報酬 1 人に法人化した場合 2 ( 役員報酬 2 人に各 500 万 ) 法人税 個人個人 益金損金役員報酬課税所得住民税額合計税額 20,000,000 10,000,000 10,000,000 0 70,000 70,000 3 給与収入給与所得所得控除課税所得所得税額住民税額事業税額 5,000,000 3,460,000 380,000 3,080,000 210,500 380,000 0 給与収入給与所得所得控除課税所得所得税額住民税額事業税額 5,000,000 3,460,000 380,000 3,080,000 210,500 380,000 0 合計税額 518,500 合計税額 518,500 4 5 3+4+5=1,107,000 C C-A= 1,572,100 8/17
不動産管理会社の方式 1 管理料徴収方式 不動産の所有者はあくまでも個人オーナーであり 不動産管理会社は個人所有部物件の管理を行います そのため 会社が得るのは 管理料収入 のみとなります 不動産管理会社 清掃 集金代行等の管理業務 管理料 個人オーナー所有の不動産 貸付け 家賃 賃借人 サブリース方式とも呼ばれる方式で 個人オーナーが所有物件を不動産管理 2 転貸方式会社に一括で貸し付けます 会社は個人オーナーに貸上げ家賃を支払い 一方で借り上げた物件について入居者を募集し 家賃収入 を得ます 会社が空室等の経営上のリスクを負うことになりますので 満室時の実質管理料 ( 賃借人からの家賃収入 - 個人オーナーへの支払家賃 ) は管理料徴収方式の場合よりも高く設定されるのが一般的です 個人オーナー所有の不動産 一括貸付け 不動産管理会社 貸付け 賃借人 家賃 家賃 9/17
3 不動産所有方式 不動産管理会社が物件を取得し 管理運営を行います 会社が建物そのものを所有しますので 家賃収入は100% 会社に入ります 個人の家賃収入がすべて会社に置き換えられ 個人としては地代収入が残るだけですので 収入の分散効果はこの不動産所有方式が最も大きいといえます 貸付け 不動産管理会社 家賃 賃借人 土地の貸付け 地代収入 個人オーナー 10/17
管理料徴収方式の場合の主な判決 裁決事例 方式 年分 当初申告における管理料割合 適正管理料割合 東京地裁 H 元.4.17 判決 管理料徴収方式 S58 50% 6.10%( 建物 ) 6.43%( 駐車場 ) 国税不服審判所 H 元.7.5 裁決 管理料徴収方式 S59 約 50% 6.64% S60 約 50% 6.62% 東京地裁 H6.1.28 判決 管理料徴収方式 S62 37.69% 4.98% S63 35.89% 4.89% H 元 34.35% 4.50% 11/17
転貸方式の場合の主な判決 裁決事例 方式 年分 当初申告における管理料割合 適正管理料割合 福岡地裁 H4.5.14 判決その後 福岡高裁 最高裁ともに棄却 転貸方式 S59 30.49% 5.11% S60 31.43% 5.76% S61 33.99% 5.19% 千葉地裁 H8.9.20 判決その後 東京高裁 最高裁ともに棄却 転貸方式 甲建物 乙建物 S62 52.02% 6.23% S63 61.23% 6.42% H 元 54.76% 7.15% S62 56.57% 5.90% S63 59.77% 6.07% H 元 54.56% 6.63% H6 46.77% 9.66% 国税不服審判所 H12.1.31 裁決 転貸方式 H7 47.56% 9.78% H8 44.91% 8.88% 12/17
不動産所有方式の留意点 収入の分散効果が最も高いのが不動産所有方式であると述べました しかし 会社が資産を所有した方が有利だといっても 土地も建物も会社に移そうと思うと 移転時には不動産取得税や登録免許税等のコストがかかり 税負担も考えなければなりません もちろん 会社が買い取る際の資金についても工面しなけらばなりません そのため 資金負担を最小限に抑えながら所得の分散効果を最大限にするため 収益性の高い建物のみを会社に移すと良いでしょう 古くから所有している土地であれば含み益部分が実現し 個人オーナーに多額の譲渡税が課されることから 会社で所有すべき優先順位は低い資産であると言えます 13/17
どのような建物が良いのか? ( 例 ) 建築価格 1 億円のマンションを建築した場合の建物相続税評価額 固定資産税評価額相続税評価額 評価額 1 億円 50%( 目安 )=5,000 万円 5,000 万円 (1-0.3 100%)=3,500 万円 * 貸家権割合が30% * 賃貸割合は100% とする 6,500 万円 相続税評価額 建物 3,500 万円 評価差額 6,500 万円 借入金 1 億円 実際には 1 億円投資して 1 億円の建物を購入しているが 相続税の評価上は 3,500 万円で評価される つまり その差額 6,500 万円が評価の引下げになっている 14/17
a. 築浅物件の場合 建物の築年数が浅い場合には 上記にもありますように相続税評価額の圧縮効果が大きいため 相続税評価額 < 時価 であるケースが大半です したがって 相続対策を主目的として建築する場合には 一般的には個人所有が有利であると言えるでしょう b. 築年数が相当期間経過している場合築年数が相当期間経過していると建物の相続税評価額と時価の関係は 相続税評価額 > 時価 となるケースが多いと思われます したがって 相続税評価額よりも低い価額で会社に移転させることができ 相続税の計算上 有利になります また 収入の面でも 借入の返済も終了しているような物件については 修繕日等の維持費の負担は増加してくるものの 相対的に手残りは増加してくるでしょうから その意味でも会社への移転が望ましいと言えます * 不動産の所有権を移転する場合には 登記費用と不動産取得税の負担を考慮しておく必要があります 15/17
所得税と住民税の合計速算表 ( 平成 19 年分以降 h) 課税総所得金額 所得税都道府県民税市町村民税合計 税率控除額税率税率税率控除額 万円超 0 ~ 万円以下 195 5 ー 4 6 15 ー 195 ~ 330 10 9.75 4 6 20 9.75 330 ~ 695 20 42.75 4 6 30 42.75 695 ~ 900 23 63.6 4 6 33 63.6 900 ~ 1,800 33 153.6 4 6 43 153.6 1,800 ~ 40 279.6 4 6 50 279.6 16/17
平成 22 年度の大阪市国民健康保険の保険料は次のとおりです 医療分保険料 国民健康保険料 後期高齢者支援金分保険料 介護分保険料 *1 平等割 ( 世帯ごとに負担 ) 1 世帯あたり 35,690 円 1 世帯あたり 9,174 円 1 世帯あたり 7,773 円 均等割 ( 被保険者数に応じて負担 ) 被保険者数 20,582 円 被保険者数 5,290 円 介護保険第 2 号被保険者数 6,240 円 所得割 *2 ( 所得に応じて負担 ) 被保険者ごとに平成年中総所得金額等ー 33 万円 8.3% 被保険者ごとに平成年中総所得金額等 -33 万円 2.2% 介護保険第 2 号被保険者ごとに平成年中総所得金額等 - 33 万円 2.1% 最高限度額 50 万円 13 万円 10 万円 *1 介護分保険料は40 歳から64 歳の方 ( 介護保険第 2 号被保険者 ) がおられる世帯にのみご負担頂きます *2 世帯の所得割は 被保険者それぞれの所得割の合計額となります 17/17
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