課税売上割合 消費税の課税売上割合の計算は 次の算式により計算します 課税売上割合が 95% 以上と未満では 仕入税額 控除の計算方法が変わってくるため算定する必要があります 課税売上割合 = 課税売上 ( 税抜 )/( 非課税売上 + 課税売上 )( 税抜 ) 消費税の課税売上割合が 95% 以上

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step.2 課税売上高の合計を計算する します step.21 欄の内容を転記します 表ロ 1~3 欄にそれぞれ記入します step.22 を転記します 表ロ 4~6 欄にそれぞれ記入します step.23 容を転記します 表ロ 7~9 欄にそれぞれ記入します step.24 その他の所得に係る収

2 その他 H26 中間申告義務のない事業者が 届出 012 書を提出した場合には 自主的に中間申告 納付することができる旨を 検討したか ( 平成 26 年 4 月 1 日以 後開始課税期間より適用 ) 本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H26 課税期間の基準期間

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完全子会社同士の無対価合併 1. 会社法の規制 100% 子会社同士が合併する場合は 兄弟合併とも言われます 実務上は新設合併はマイナーで 法律上の許認可の関係で一方が存続する吸収合併が一般的です また 同一企業グループ内での組織再編成の場合は 無対価合併が一般的です 簡易合併に該当する場合は 存続

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原則課税申告書本表 ( 原則計算方式 ) 税率が 3% 5% の取引がある場合 項目 金額 課税標準額 1 付表 1 の1[ 課税標準額 (D)] 消費税額 2 付表 1 の2[ 消費税額 (D)] 控除過大調整税額 3 付表 1 の3[ 控除過大調整税額 (D)] 控除税額控除対象仕入税額 4 付

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消費税申告書の計算方法 税率 8% 対応 平成 26 年 4 月 1 日以後終了する課税期間分の消費税申告書の計算方法です 原則課税で申告する方 税率が 3% 5% の取引がある場合 原則計算方式原則課税本表... P.2 原則課税付表 1... P.4 原則課税付表 P

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1. 改正内容 事業者が 以下 (1) 又は (2) の期間中に調整対象固定資産 1 の課税仕入れを行い かつ その仕入れた日の属する課税期間 ( 以下 取得課税期間 といいます ) の消費税の確定申告を一般課税で行った場合には 取得課税期間の初日から原則として 3 年間は免税事業者になることができ

法人による完全支配関係下の寄附金 1.100% グループ内の法人間の寄附 ( 法法 372) 現行税制上では 寄附金は支出法人では損金計上限度額を超える部分が損金不算入 受領法人では益金算入です 平成 22 年度税制改正により 100% グループ内での支出法人では寄附金全額を損金不算入とし 受領法人

税務調査      業種別・狙われるポイント

付表の計算式

step.2 課税標準額を計算する ( 申告書 1) step.2-1 課税売上高の合計 ( 表イ 16 欄 ) に 100/108 を掛けます 課税売上高 ( 税込み ) = 1 課税標準額 表イ 17 欄を使用します step.2-2 step.2-1 の計算結果 ( 表イ 17

自己株式とみなし配当 1. 自己株式取得の法務自己株式は 会計上は資本取引として認識し 純資産の部から取得価額を控除する形式で表示します ( 自己株式会計基準 7) 一方税務上では 発行法人の貸借対照表と自社株式の取引価額次第で みなし配当課税と所得税の源泉徴収が必要な場合があります 自己株式の取得

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

1 消費税申告書 大臣シリーズが出力できる帳票は以下の通りです このマニュアルでは本則課税について説明しています 8% の消費税のみ ( 本則課税 ) 消費税申告書本表( 一般用 ) 付表 2 課税売上割合 控除対象仕入税額等の計算表 ( 一般用 ) 内訳計算書あり 5% 8% の消費税が混在してい

はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

消費税申告書の計算式

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

消費税申告書の計算式

2. 個別対応方式 一括比例配分方式 のどちらを採用するか検討する際のポイントを押さえましょう 課税売上高が 5 億円を超える事業者は 1 納税額 2 実務への影響度合 ( 作業負担 ) を考慮して どちらを採用するか検討します 個別対応方式 1 納税額 : 2 実務への影響度合 : 一括比例配分方

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2. 実務への影響度合 ( 作業負担 ) を確認する 個別対応方式 を採用する場合だけ ご確認ください 個別対応方式 を採用する場合は 固定資産奉行 において 資産ごとの 仕入対象区分 の設定が適切に設定されているかがポイントになります 資産ごとに適切な 仕入対象区分 を設定して登録することで 仕訳

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

改正による 固定資産奉行 での実務影響 ( 勘定奉行 と連動して 仕訳伝票を作成している場合 ) 1. 改正による実務への影響範囲を確認する 平成 23 年度の消費税法改正のうち 消費税申告書 と 付表 2 の様式の変更 還付申告に関する明細書の添付の義務化に関しては 保守契約にご加入のお客様に対し

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Ⅰ 電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し 電子書籍 音楽 広告の配信などの電気通信回線 ( インターネット等 ) を介して行われる役務の提供を 電気通信利用役務の提供 と位置付け その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準 ( 内外判定基準 ) が 役務の

消費税法における個別対応方式と一括比例配分方式 河野惟隆 1 はじめに本稿の課題は 個別対応方式と一括比例配分方式とで 課税仕入れ等の税額の合計額が如何よう になるか つまり その大小関係は如何ようになるか ということを 明らかにすることである これを 次のように 条件を追加しながら 次のような順序

ことも認められています 施行日前 ( 平成 26 年 3 月 31 日以前 ) にリース契約を締結し リース資産の引渡しを行ったリース取引についてこの特例により賃貸借処理を行っている場合には 旧税率の 5% が適用されます 3. 資産の貸付け に関する経過措置指定日の前日 ( 平成 25 年 9 月

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1 章 事業者免税点制度の適用要件の見直し の改正内容 前々期の課税売上高が 1,000 万円以下であっても 前期の事業年度開始の日から 6 ヵ月間の課税売上高 ( 2) が 1,000 万円を超えた場合は 当期から 課税事業者となります 適用時期 : 平成 25 年 1 月 1 日以降に開始する事

目次 1. 概要 2. 報告手続について 3.Q&A 参考資料 補助事業に係る仕入税額控除について 報告判定フローチャート 1

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

第一問 -50 点 - 問 1 (25 点 ) (1) について (15 点 ) 概要 次の規定の適用を受ける場合には 納税義務が課されることとなる 1. 課税事業者の選択 2. 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例 3. 新設法人の納税義務の免除の特例 4. 特定新規設立法人の納税

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ 特定資産の部 1. 流動負債 366,211,036 1 年内返済予定 1. 流動資産 580,621,275 特定社債 302,000,000 信託預金 580,621,275 事業未払金 2,363, 固定資産 6,029,788,716 未払

システムのご利用と注意事項について システムのご利用について このシステムは データ入力用のユーザーフォームと表示と印刷用のエクセルのワークシートにより構成されています このシステムの利用には Microsoft 社の Excel 2016/2013/2010 が必要になります このシステムは Ex

なぜ法人化するのか? 所得税 住民税 事業税 社会保険 医療費が高い! それは 所得 (= 収入 - 経費 ) が高いからです すべてにかかわります 特に所得税は超過累進税率です 住民税 :10% 事業税 ( 不動産 ):5% どういう場合に法人化するのか? 相続税対策が終わった場合 相続税が発生し

金庫株を活用した事業承継対策 1. 概要 非上場株式を相続して相続税が発生する場合は 相続で取得した自社株を相続税の申告期限後 3 年以内に金 庫株すればみなし配当課税しない (= 譲渡所得とする ) 特例があります ( 措置法 9 条の 7) 所得税の特例の内容 ( 自己株式をみなし配当課税しない

税金の時効 税務では 時効のことを更正 決定処分の期間制限 = 除斥期間 といいます その概要は 以下の通りです 1. 国税側の除斥期間 ( 通則法 70) 1 期限内申告書を提出している場合の所得税 相続税 消費税 税額の増額更正 決定処分の可能期間 : 法定申告期限から 3 年 2 無申告の場合

第68回税理士試験 消費税法 模範解答(理論)

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

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IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

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JV 工事における取下金の分配についての消費税取扱いは JV 工事における出資金の請求での消費税取扱いは 立替金の請求は税込みでスポンサー会社に請求するが 消費税の対象外と して税抜きで請求する場合とは 各構成員が消費税を申告する際に 仕入税額控除を個別対応方式で計算する 場合に必要な計算要素は J

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平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

財剎諸表 (1).xlsx

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障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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申告書の作成手順 申告書の作成は 次の手順で行います 課税標準額及び消費税額の計算 控除対象仕入税額等の計算 付表 5 の作成 納付 ( 還付 ) 税額の計算 納税地 欄等及び 付記事項 欄等の記載 Ⅰ ( 注 ) 経過措置により旧税率 (3% 又は4%) が適用された取引がある場合は 付表 5では

科目印収納科目一覧

2 消費税軽減税率の対象となる新聞 軽減税率の対象は全ての新聞ではなく 一定の要件を満たす新聞のみです ( 図 2) 新聞販売所は定期購読契約の新聞のほか 即売 週 1 回以下の発行などさまざまな形態の新聞を扱っています このため 区分けには慎重な対応が必要です 図 2 軽減税率が適用される新聞の譲

課税売上割合に準ずる割合

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債務控除できるもの できないもの 1. 概要相続税の申告で 債務控除できるものや葬式費用には 被相続人名義の銀行借入金や未納の所得税等の公租公課 未払医療費等のいわゆる債務の金額 葬式費用が挙げられます ( 相法 13) 斎場へのタクシー代や式後の飲食代なども含みますが 通常必要とされる範囲内とされ

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1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

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N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

A. 受贈者に一定の債務を負担させることを条件に 財産を贈与することを 負担付贈与 といいます 本ケースでは 夫は1 妻の住宅ローン債務を引き受ける代わりに 2 妻の自宅の所有権持分を取得する ( 持分の贈与を受ける 以下持分と記載 ) ことになります したがって 夫は1と2を合わせ 妻から負担付贈

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課税売上割合 消費税の課税売上割合の計算は 次の算式により計算します 課税売上割合が 95% 以上と未満では 仕入税額 控除の計算方法が変わってくるため算定する必要があります 課税売上割合 = 課税売上 ( 税抜 )/( 非課税売上 + 課税売上 )( 税抜 ) 消費税の課税売上割合が 95% 以上の場合は 仮払消費税額の全額を仮受消費税額から控除できます しかし 税抜経理方式を採用していて 95% 未満の場合は 仮払消費税額の全額を仮受消費税額から差し引くことはできません 控除対象外の消費税額等は 一定の計算により繰延消費税額等として 5 年で損金計上します なお この算式による計算に当たっては 以下の点に注意が必要です 1 分母の非課税売上には 具体的には預金利息 土地売却額 居住用不動産賃貸料 地代があります 分子の課税売上は 国内における課税資産の譲渡等の対価の額 例えば事業用不動産賃貸料の合計額をいいます 2 分母分子の双方の課税売上には 輸出取引等の免税売上高及び貸倒れになった売上高を含みます また 売上げについて返品を受け 又は値引 割戻し等を行った場合は それらに係る金額を控除します 3 分母には非課税売上を含みます しかし 人件費のような不課税売上 小切手や支払手形等の支払手段の譲渡 特定の金銭債権の譲渡及び国債等の現先取引債券 ( 売現先 ) 等の売上は含みません 4 分母には非課税取引の有価証券 国債 地方債 社債の譲渡対価の 5% を含みます ( 消法 30 消令 48) なお 保険事故の発生に伴い加入者が保険会社から収受する受取保険金は 対価性がないため不課税取引 ( 課税対象外 ) となります 非課税売上高ではないので 上記課税売上割合の算式の分母に計上する必要はありません ( 消基通 5-2-4) 経常的に課税売上割合が低い業態としては 金融機関 社会保険診療報酬が中心の病院 住宅の不動産賃貸業が挙げられます なお 課税売上が 0 円か又は課税資産の譲渡等が全て輸出免税取引となるケースで かつ納付すべき消費税額がない場合は 本来は確定申告義務が免除されるので確定申告書を提出する必要はありません しかし そのような場合でも仮受消費税 < 仮払消費税となり還付金が発生する場合には還付申告書を提出して 消費税の還付を受けることができます http://www.up-firm.com 2

個別対応方式と一括比例配分方式の有利選択 課税売上割合が 95% 未満となった場合は 仕入税額控除の計算で 1 個別対応方式と 2 一括比例配分方式の選 択が出来ます ( 消法 302) 計算が簡便なのは後者ですが税額不利となるケースが多く 前者のほうが有利な場合が 多くあります 比較項目 1 個別対応方式 2 一括比例配分方式 要件 拘束期間 個々の課税仕入取引について 1 課税売上対応 2 非課税売上対応 3 共通対応の区分計算が必要 なし個別 一括への変更はいつでも可能 個々の課税仕入取引について 区分計算は不要 課税売上割合を算定するだけ あり一括 個別への変更は 2 年継続適用が必要 計算方式の特徴煩雑簡便 簡単な設例で解説します 特に 非課税売上に対応する課税仕入が尐額な以下のような場合は個別対応方式が 有利となります ( 金額単位 : 百万円 ) 個別対応方式 一括比例配分方式 差額 課税売上高 1,000 1,000 課税仕入高 500 課税売上高対応 400 400 非課税売上高対応 20 0 共通仕入 80 1 72 小計 仕入税額控除 472 2 450 差引 納付消費税 528 550 22 1 80 課税売上割合 90%=72 2 課税仕入 500 課税売上割合 90%=450 企業に構造改革が実施される場合 1 土地 2 有価証券 3 金銭債権等の譲渡が発生します リストラの場合は 課税売上割合が 95% 未満となるケースが多いので 上記のような有利選択を検討する場面が多くなります 非課税 売上に対応する課税仕入が多額の場合は 逆に一括比例配分方式が有利となります http://www.up-firm.com 3

なお 本来は居住専用のマンション アパート建築ではその建物の消費税還付は受けられません 非課税売上に対応する居住専用マンション等の建築費の仕入消費税は 本来 控除対象消費税とはなりません 居住専用のアパートやマンションのみを建築した場合は 家賃が消費税の非課税売上高となる代わりに マンション建築費に関する消費税の還付も受けることは出来ません 従来から駐車場経営をしていたケースならば既に課税売上が発生しているので 遊休地に居住用マンションを建設する際に非課税売上に対応する課税仕入も控除できる一括比例配分方式を選択することは 税法も予定しているため合法的な有利選択です しかし免税事業者が課税事業者選択届出書 (1 号様式 ) を提出した上で 以下のように課税売上割合を 100% となるように事前工夫し一括比例配分方式を選択すると 租税回避行為として否認されるリスクがあります サラリーマンがマンション投資する場合は 通常は課税売上割合が 0 のため 消費税還付はできません 1 1F 店舗や事務所用の部屋だけを作為的に建築費支払年度に賃貸して 課税売上を発生させる 2 駐車場だけを先行して建築費支払年度に賃貸して 課税売上を発生させる 3 工事現場にジュースやタバコ等の自動販売機を設置し 建築費支払年度に課税売上を発生させる 4 事務用パソコンや営業用自動車を中古屋に売却して 課税売上を発生させる 入居者が賃借契約を開始すれば 家賃 = 非課税売上 が発生してしまうため 入居前に上記のような 課税売上 を作り出し 一時的に課税売上が 95% 以上の状況とします そして その時点で費税課税期間特例選択 変更届出書 ( 第 13 号様式 ) を利用して課税期間を区切って消費税を申告します 課税売上割合は 95% 以上であるため 原則どおり消費税の還付を狙うというスキームです 平成 22 年度税制改正では これらを防止するために以下の 2 点の改正が行われています 1 課税事業者を選択することで事業者免税点制度の適用を受けない事業者のその選択の強制適用 (2 年間 ) 平成 22 年 4 月 1 日以後に課税事業者選択届出書を提出した事業者の同日以後開始する課税期間から適用 2 資本金 1,000 万円以上の新設法人につき 事業者免税点制度を適用しない設立当初の 2 年間 平成 22 年 4 月 1 日以後設立された法人から適用 http://www.up-firm.com 4

消費税の中間申告 消費税の中間申告は 前年の消費税の規模により 以下の頻度で行います 消費税の滞納予防策として 平成 16 年から導入された制度です 前年の確定消費税 ( 国税部分 ) 中間申告の回数 48 万円以下 不要 (0 回 ) 48 万円超 ~400 万円以下 年 1 回 400 万円超 ~4,800 万円以下 年 3 回 4,800 万円超 ~ 年 11 回 中間申告には 以下の 1 予定申告方式と 2 仮決算方式があります 実際の納税には 国税 4% 部分だけではなく地 方税 1% 部分も必要となります 1 予定申告方式 税務署から送付されてくる中間申告書に予め前年消費税の 1/2 1/4 1/12 の金額が記載されているので 当 該金額を納付する方式です 計算の手間がかかりませんが 損得勘定は無視されます 2 仮決算方式 6 ヶ月 3 ヶ月 1 ヶ月で消費税の計算を行い実額計算する方式です 計算の手間がかかりますが 期中の資金繰り のために 1 と 2 の有利な方を選択できます 2 年継続のシバリや事前の届出は不要です 上記の 1 と 2 のいずれを選択しても 年間での納付消費税額は同じになります なお 上記の中間申告は 課税期 間短縮の特例を適用している事業者には必要がありません http://www.up-firm.com 5

消費税と棚卸資産調整 消費税の計算において 免税事業者と課税事業者の区分が変更された場合は棚卸資産に関する消費税を調整 計算する必要があります ケース 税務処理 ケース 1: 翌期 課税事業者 ( 当期は免税事業者 ) 翌期の期首在庫の消費税調整が必要 ( 消法 361) ケース 2: 翌期 免税事業者 ( 当期は課税事業者 ) 当期の期末在庫の消費税調整が必要 ( 消法 365) ケース 1 では 翌期の課税事業者の課税期間に在庫を販売すれば 課税売上となり仮受 消費税が発生して消費税納税となります よってバランスを取るために 免税事業者の頃に仕入れた課税売上高に対応する期首在庫の課税仕入についても 仮払 消費税 ( 仕入税額控除 5/105) の加算と処理します 翌期の消費税納税額は その分尐なくなります 逆にケース 2 では翌期から免税事業者となり当期末在庫は免税事業者となってから販売するものだから 当期に仕入税額控除は出来ないことになります ケース 1 の 翌期 の具体的な税務処理は 以下の通りです ( 金額単位 : 千円 ) 期首商品棚卸高 20,000 期首商品棚卸高 21,000 仮払消費税 1,000 免税事業者は 税込課税方式が強制されます ( 消費税法等の施行に伴う法人税の取り扱いについて 5) 資本金 10 百万円未満で株式会社を設立して 3 年目から課税事業者となる場合も 上記のケース 1 と同様です ケース 1 では消費税の調整処理を失念すると不利になるので 留意が必要です Reference Purpose Only 本レターに掲載している情報は 一般的なガイダンスに限定されています この文書は 個別具体的ケースに対する会計 税務のアドバイスをするものではありません 会計上の判断や税法の適用結果は 事実認定や個別事情によって大幅に異なることがありえます また 解説の前提となる会計規則や税制が変更されている可能性もあります 実際に企画 実行される場合は 当事務所の担当者にご確認ください http://www.up-firm.com 6