開発の経緯 ゲムシタビン点滴静注用 200mg 1g サンド は 後発医薬品として開発を企画し 規格及び試験方法を設定 加速試験を行い 平成 22 年 1 月に製造販売承認を取得した ( 薬食発第 号 ( 平成 17 年 3 月 31 日 ) に基づき承認申請 ) 製品の特徴及び有用

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Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

1 デクスメデトミジン塩酸塩注射液 (DEX) または 溶液 1mL と薬液 ( 輸液は ICU 用に調 製 )1mL を混合後 各項目を調べた a) デクスメデトミジン塩酸塩分解物のピークの有無 (HPLC) b) ( 承認申請時資料 ) DEX 直後 30 分後 60 分後 2 時間後 4 時間

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

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すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :

の状態により適宜減量する 成人 A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において ブスルファンとして 1 回 0.8 mg/kg を生理食塩液又は 5% ブドウ糖液に混和 調製して 2 時間かけて点滴静注する 本剤は 6 時間毎に 1 日 4 回 4 日間投与する なお 年齢 患者の状態により適宜減量す

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

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オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

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第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

DRAFT#9 2011

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

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この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にアレディア点滴静注用に含まれる成分や他のビスホスホン酸塩で過敏な反応を経験したことがある人 次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師に告げてください 腎臓に重篤な障害がある人 全身状態が

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5 がん化学療法に附随する消化器症状への対応 下痢, 便秘および 重篤な消化管症状への対応 後藤歩, 小栗千里, 光永幸代, 市川靖史 小林規俊, 前田愼, 遠藤格

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この薬の効果は? この薬は 遺伝子組換え血液凝固第 Ⅷ 因子製剤と呼ばれるグループに属する注射薬です この薬は 血液中に欠乏している血液を固める役割のあるタンパク質( 血液凝固第 Ⅷ 因子 ) を補うことにより 血が止まりにくくなっている状態を改善します 次の目的で処方されます 血液凝固第 Ⅷ 因子

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Epilepsy2015

目次 1. 総合評価 1 2. 湿度に対する安定性 2 3. 温度に対する安定性 4 4. 光に対する安定性 6 5. 分割時の安定性 ( 湿度 ) 8 6. 分割時の安定性 ( 光 ) 粉砕時の安定性 12 総合評価分類 分類 分類基準全ての試験項目で変化を認めないいずれかの試験項目で

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

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a Novartis company

開発の経緯 ゲムシタビン点滴静注用 200mg 1g サンド は 後発医薬品として開発を企画し 規格及び試験方法を設定 加速試験を行い 平成 22 年 1 月に製造販売承認を取得した ( 薬食発第 0331015 号 ( 平成 17 年 3 月 31 日 ) に基づき承認申請 ) 製品の特徴及び有用性 ゲムシタビンは代謝拮抗剤である ヌクレオシド能動輸送体を介して細胞内に入り 細胞内でデオキシシチジンキナーゼによってリン酸化され ジフルオロデオキシシチジン一リン酸になる その後ジフルオロシチジン二リン酸と三リン酸とに変換され DNA に取り込まれ DNA 合成を阻害する 1) 非小細胞肺癌 胆道癌 尿路上皮癌に対して有用性が認められている 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない 主な副作用は骨髄抑制 間質性肺炎 アナフィラキシー様症状 心筋梗塞 うっ血性心不全 肺水腫 気管支痙攣 成人呼吸促迫症候群 (ARDS) 腎不全 溶血性尿毒症症候群 皮膚障害 肝機能障害 黄疸が報告されている 重要な基本的注意 (1) 腫瘍の明らかな増大 新病変の出現等 病態の進行が認められた場合には投与を中止し 他の適切な治療法に切り替えること (2) 骨髄抑制 間質性肺炎等の重篤な副作用が起こることがあり ときに致命的な経過をたどることがあるので 投与に際しては臨床症状を十分に観察し 頻回に臨床検査 ( 血液学的検査 肝機能検査 腎機能検査等 ) を また 定期的に胸部 X 線検査を行い 異常が認められた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと 1) グッドマン ギルマン薬理書 [ 下 ] 第 11 版 ( 廣川書店 ) 1717(2007) 1

ONCOLOGY 組成 性状 販売名ゲムシタビン点滴静注用 200mg サンド ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド 有効成分ゲムシタビン塩酸塩 含量 (1バイアル中) 228mg( ゲムシタビンとして 200mg) 1140mg( ゲムシタビンとして 1000mg) 添加物 D-マンニトール 200mg 酢酸ナトリウム水和物 20.7mg ph 調整剤 適量 D-マンニトール 1000mg 酢酸ナトリウム水和物 103.5mg ph 調整剤 適量 色 剤形 ( 又は性状 ) 白色の軽質の塊又は粉末 ph 2.9~3.3 ( ゲムシタビン 0.2g 相当量 / 5mL 日局 ) 2.9~3.3 ( ゲムシタビン 1g 相当量 / 25mL 日局 ) 浸透圧比 ( 日局に対する比 ) 約 2 ( ゲムシタビン 16mg 相当量 /ml 日局 ) 約 3 ( ゲムシタビン 40mg 相当量 /ml 日局 ) 有効成分に関する理化学的知見 構造式 : 一般名 : ゲムシタビン塩酸塩 (Gemcitabine Hydrochloride) 略号 : GEM 化学名 : (+)-2'-Deoxy-2', 2'-difluorocytidine monohydrochloride 分子式 :C 9H 11F 2N 3O 4 HCl 分子量 : 299.66 性状 : 白色の粉末である 水にやや溶けやすく メタノールに溶けにくく アセトニトリル アセトン及びエタノール (95) にほとんど溶けない 融点 : 約 255 ( 分解 ) 2

効能又は効果 非小細胞肺癌 胆道癌 尿路上皮癌 効能又は効果に関連する使用上の注意 胆道癌の場合本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない 尿路上皮癌の場合本剤の術前 術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない 用法及び用量 通常 成人にはゲムシタビンとして 1 回 1000mg/m 2 を 30 分かけて点滴静注し 週 1 回投与を 3 週連続し 4 週目は休薬する これを 1 コースとして投与を繰り返す なお 患者の状態により適宜減量する 用法及び用量に関連する使用上の注意 尿路上皮癌に本剤を使用する場合には 臨床成績 の項の内容を十分に理解した上で投与方法を選択すること ( 注射液の調製法 ) 本剤の 200mg バイアルは 5mL 以上 1g バイアルは 25mL 以上のに溶解して用いること 相互作用 (1) 併用禁忌 ( 併用しないこと ) 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 胸部放射線照射外国の臨床試験でゲムシタビン (1000mg/m 2 / 日を週 1 回放射線照射前に投与 ) と胸部への根治的放射線療法 (2Gy/ 日を週 5 回 ) を 6 週連続して併用した場合に 重篤な食道炎 肺臓炎が発現し 死亡に至った例が報告されている 放射線照射を併用した場合の本剤の至適用量は確立されていないので 放射線増感作用を期待する胸部への放射線療法との同時併用は避けること 基礎試験で本剤は濃度依存的に放射線照射の効果を増強し 本剤による放射線感受性増加が認められている 3

ONCOLOGY (2) 併用注意 ( 併用に注意すること ) 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 腹部放射線照射 他の抗悪性腫瘍剤アルキル化剤代謝拮抗剤抗生物質アルカロイド等 腹部放射線療法 ( 体外照射 ) と同時併用する場合 重篤となる局所の合併症が発現することがある なお 術中放射線照射と併用した際の本剤の安全性は確認されていない 骨髄抑制が増強されることがある 基礎試験で本剤は濃度依存的に放射線照射の効果を増強し 本剤による放射線感受性増加が認められている 両剤とも骨髄抑制を有している 安定性試験 保存条件保存期間保存形態結果 温度 40±1 湿度 75±5%RH 6 ヵ月最終包装形態変化なし 最終包装製品を用いた加速試験 (40±1 相対湿度 75±5% 6 ヵ月 ) の結果 ゲムシタビン点滴静注用 200mg サンド 及びゲムシタビン点滴静注用 1g サンド は 通常の市場流通下において 3 年間安定であることが推測された ( サンド株式会社社内資料 ) 配合変化試験 ph 変動試験 ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド 1 バイアルを 16mg 相当量 /ml 及び 40mg 相当量 /ml の濃度になるよう生理食塩水に溶解した 溶解した液 2 種類各々に 0.1mol/L HCl 又は 0.1 mol/l NaOH をビュレットにより上限 10mL として滴下し 持続的な外観変化が認められる ph( 変化点 ph) を測定した なお 外観変化が認められない場合は 10mL 滴下時の ph( 最終 ph) を測定した また 移動指数は変化点 ph と試料 ph との差とした 試験薬剤 : ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド (Lot No.5028206093) 試料規格 ph 域試料 ph (A)0.1mol/L HCl (B)0.1mol/L NaOH 最終 ph 又は変化点 ph 移動指数 外観 ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド 16mg 相当量 /ml ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド 40mg 相当量 /ml 2.9~3.3 3.16 (A)10mL 1.30 1.86 変化なし 3.19 (B)10mL 12.51 9.32 変化なし 3.09 (A)10mL 1.34 1.75 変化なし 3.06 (B)10mL 11.40 8.34 変化なし 4

ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド 溶解後の安定性試験 ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド を下記のとおりと混合した後 室温及び 4~8 暗所における配合直後 24 48 72 時間後の外観 ph 及び残存率を測定した 試験薬剤 : ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド (Lot No.5028206093) 含量測定 : 液体クロマトグラフ法 配合薬剤配合剤の本剤の時間 (hr) 保管条件測定項目商品名 ( メーカー名 ) 使用量使用量 0 24 48 72 大塚生食注 大塚生食注 50mL 2g 室温 暗所 50mL 2g 冷蔵 暗所 外観 無色澄明無色澄明無色澄明無色澄明 ph 3.07 3.09 3.09 3.08 残存率 (%) 100.0 100.0 99.3 99.4 外観 無色澄明無色澄明無色澄明結晶析出 ph 3.07 3.05 3.06 残存率 (%) 100.0 100.0 100.0 ( ) 結晶析出のため測定不可計算上残存率が100% をこえるものは 100% と表記 ( サンド株式会社社内資料 ) 商品名 会社名については 各社製品添付文書 (2010 年 4 月現在 ) を参考に掲載しています ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド と各輸液 注射剤との配合変化試験 ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド を下記のとおり 各輸液 注射液と混合した後 室温における配合直後 3 6 24 30 時間後の外観 ph 及び残存率を測定した 試験薬剤 : ゲムシタビン点滴静注用 1g サンド (Lot No.135) 含量測定 : 液体クロマトグラフ法 配合薬剤配合剤の本剤の時間 (hr) 測定項目商品名 [ 成分名 ] 使用量使用量 0 3 6 24 30 大塚生食注 ph 3.40 3.38 3.39 3.37 3.38 残存率 (%) 100.0 99.8 99.8 99.7 100.0 大塚糖液 5% ph 3.33 3.35 3.35 3.34 3.34 残存率 (%) 100.0 99.7 100.0 100.0 100.0 大塚糖液 10% ph 3.33 3.34 3.33 3.30 3.31 残存率 (%) 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 大塚糖液 50% ph 3.09 3.09 3.08 3.06 3.07 残存率 (%) 100.0 100.0 99.5 99.4 100.0 キリット注 5% ph 3.35 3.34 3.36 3.36 3.33 残存率 (%) 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 5

ONCOLOGY 配合薬剤配合剤の本剤の時間 (hr) 測定項目商品名 [ 成分名 ] 使用量使用量 0 3 6 24 30 ラクテック注 ph 4.41 4.40 4.40 4.40 4.36 残存率 (%) 100.0 98.7 99.5 99.9 99.4 ソリタ -T3 号輸液 ( 味の素製薬 ) ph 4.22 4.24 4.23 4.22 4.20 残存率 (%) 100.0 99.7 100.0 100.0 99.5 ジェムザール 2g/ 注射用 1g 50mL [ ゲムシタビン塩酸塩 ] ( 日本イーライリリー ) イリノテカン塩酸塩点滴静注液 40mg サンド [ イリノテカン塩酸塩水和物 ] ( サンド ) エトポシド点滴静注液 100mg サンド [ エトポシド ] ( サンド ) カルボプラチン点滴静注液 150mg サンド [ カルボプラチン ] ( サンド ) 120mg/ 170mg/ 600mg/ グラニセトロン静注液 3mg/ 3mg アイロム [ 塩酸グラニセトロン ] ( アイロム ) オンダンセトロン 8mg/ 注射液 4mg サンド [ オンダンセトロン塩酸塩 ] ( サンド ) 2g/50mL ph 3.13 3.13 3.12 3.11 3.11 残存率 (%) 100.0 99.3 99.8 100.0 100.0 外観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 ph 3.39 3.38 3.38 3.38 3.38 残存率 (%) 100.0 99.9 99.7 99.6 99.5 外観 無色澄明無色澄明無色澄明無色澄明白色結晶析出 ph 3.37 3.34 3.37 3.39 残存率 (%) 100.0 99.8 99.7 99.7 ph 3.40 3.40 3.41 3.44 3.47 残存率 (%) 100.0 99.8 100.0 100.0 100.0 ph 3.39 3.38 3.41 3.41 3.40 残存率 (%) 100.0 99.7 100.0 100.0 99.9 ph 3.39 3.38 3.36 3.41 3.38 残存率 (%) 100.0 100.0 99.8 100.0 100.0 ( ) 結晶析出のため測定不可計算上残存率が100% をこえるものは 100% と表記 ( サンド株式会社社内資料 ) 商品名 会社名については 各社製品添付文書 (2010 年 4 月現在 ) を参考に掲載しています 包装 ゲムシタビン点滴静注用 200mg サンド : 1バイアルゲムシタビン点滴静注用 1g サンド : 1バイアル 6

in vitro