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付表の計算式

2 その他 H26 中間申告義務のない事業者が 届出 012 書を提出した場合には 自主的に中間申告 納付することができる旨を 検討したか ( 平成 26 年 4 月 1 日以 後開始課税期間より適用 ) 本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H26 課税期間の基準期間

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step.2 課税売上高の合計を計算する します step.21 欄の内容を転記します 表ロ 1~3 欄にそれぞれ記入します step.22 を転記します 表ロ 4~6 欄にそれぞれ記入します step.23 容を転記します 表ロ 7~9 欄にそれぞれ記入します step.24 その他の所得に係る収

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消費税申告書の計算方法 税率 8% 対応 平成 26 年 4 月 1 日以後終了する課税期間分の消費税申告書の計算方法です 原則課税で申告する方 税率が 3% 5% の取引がある場合 原則計算方式原則課税本表... P.2 原則課税付表 1... P.4 原則課税付表 P

原則課税申告書本表 ( 原則計算方式 ) 税率が 3% 5% の取引がある場合 項目 金額 課税標準額 1 付表 1 の1[ 課税標準額 (D)] 消費税額 2 付表 1 の2[ 消費税額 (D)] 控除過大調整税額 3 付表 1 の3[ 控除過大調整税額 (D)] 控除税額控除対象仕入税額 4 付

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課税売上割合 消費税の課税売上割合の計算は 次の算式により計算します 課税売上割合が 95% 以上と未満では 仕入税額 控除の計算方法が変わってくるため算定する必要があります 課税売上割合 = 課税売上 ( 税抜 )/( 非課税売上 + 課税売上 )( 税抜 ) 消費税の課税売上割合が 95% 以上

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Ⅰ 電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し 電子書籍 音楽 広告の配信などの電気通信回線 ( インターネット等 ) を介して行われる役務の提供を 電気通信利用役務の提供 と位置付け その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準 ( 内外判定基準 ) が 役務の

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第一問 -50 点 - 問 1 (25 点 ) (1) について (15 点 ) 概要 次の規定の適用を受ける場合には 納税義務が課されることとなる 1. 課税事業者の選択 2. 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例 3. 新設法人の納税義務の免除の特例 4. 特定新規設立法人の納税

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N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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( 注 ) 役務の提供を受ける者の本店又は主たる事務所が日本にあれば課税 ということですので 国内に本店がある法人の海外支店に対して インターネットを介してソフトウェア等を提供した場合は 提供者が国内 国外いずれの事業者であっても国内取引に該当し消費税が課税されます ( 国税庁作成の 国境を越えた役

2 消費税軽減税率の対象となる新聞 軽減税率の対象は全ての新聞ではなく 一定の要件を満たす新聞のみです ( 図 2) 新聞販売所は定期購読契約の新聞のほか 即売 週 1 回以下の発行などさまざまな形態の新聞を扱っています このため 区分けには慎重な対応が必要です 図 2 軽減税率が適用される新聞の譲

2. 個別対応方式 一括比例配分方式 のどちらを採用するか検討する際のポイントを押さえましょう 課税売上高が 5 億円を超える事業者は 1 納税額 2 実務への影響度合 ( 作業負担 ) を考慮して どちらを採用するか検討します 個別対応方式 1 納税額 : 2 実務への影響度合 : 一括比例配分方

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( 平成 35 年 (2023 年 )10 月 ~) 等の仕入税額控除可 税額計算( 注 ) 売上税額を 積上げ計算 する場合には 仕入税額も 積上げ計算 特例( みなし計算 簡易課税の事後選択 ) - その他適格等保存方式の導入 等保存方式 ( 現行制度 ) の記載事項 発行者の氏名又は名称 取引

1 検査の背景 (1) 簡易課税制度の概要課税売上げに係る消費税額から控除できる課税仕入れに係る消費税額は 原則として 課税売上げに対応する課税仕入れに係る消費税額とされている ( 以下 課税売上げに係る消費税額からこの課税売上げに対応する課税仕入れに係る消費税額を控除して納付消費税額を算出する計算

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

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目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

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税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

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内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

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JV 工事における取下金の分配についての消費税取扱いは JV 工事における出資金の請求での消費税取扱いは 立替金の請求は税込みでスポンサー会社に請求するが 消費税の対象外と して税抜きで請求する場合とは 各構成員が消費税を申告する際に 仕入税額控除を個別対応方式で計算する 場合に必要な計算要素は J

られる 日本でも消費税に飲食料品に対する軽減税率を導入する方向で作業が進んでいることから 将来的に日本でもゼロ税率が導入される道が開かれつつあると言えるかもしれない 非課税措置については 日本の消費税では図表 1のように分類されている 一般に 非課税措置が導入されるケースは 技術的に消費税を課税でき

試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

日本基準基礎講座 収益

B 事例 1: 日本赤十字社と公益財団法人公益法人協会ともに 所得控除方式 を適用し ffff た場合に還付される税金について 前提 1 寄附先の名称等 ( 弊協会の他に 東日本大震災の義援金として日本赤十字社に寄附したものと仮定 ) 名称金額備考 日本赤十字社 ( 東日本大震災義援金 ) 30,0

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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1 仮想通貨の売却問保有する仮想通貨を売却 ( 日本円に換金 ) した際の所得の計算方法を教えてください ( 例 )3 月 9 日 2,000,000 円 ( 支払手数料を含む ) で4ビットコインを購入した 5 月 20 日 0.2 ビットコイン ( 支払手数料を含む ) を 110,000 円で

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iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

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土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

改正による 固定資産奉行 での実務影響 ( 勘定奉行 と連動して 仕訳伝票を作成している場合 ) 1. 改正による実務への影響範囲を確認する 平成 23 年度の消費税法改正のうち 消費税申告書 と 付表 2 の様式の変更 還付申告に関する明細書の添付の義務化に関しては 保守契約にご加入のお客様に対し

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2 財政健全化目標との関係や平成 30 年度の 経済 財政再生計画 の中間評価を踏まえつつ 消費税制度を含む税制の構造改革や社会保障制度改革等の歳入及び歳出の在り方について検討を加え 必要な措置を講ずる (3) 対象品目及び適用税率軽減税率の対象品目は 1 酒類及び外食を除く飲食料品 2 定期購読契

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2. 実務への影響度合 ( 作業負担 ) を確認する 個別対応方式 を採用する場合だけ ご確認ください 個別対応方式 を採用する場合は 固定資産奉行 において 資産ごとの 仕入対象区分 の設定が適切に設定されているかがポイントになります 資産ごとに適切な 仕入対象区分 を設定して登録することで 仕訳

国境を越えた役務の提供に係る消費税-電気通信利用役務の提供を受ける国内事業者の視点から-

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補助金に係る消費税及び地方消費税に関する 仕入控除税額 ( 補助金返還額 ) の報告事務について 流山市役所 健康福祉部介護支援課 平成 30 年 6 月

目次 1. 概要 2. 報告手続について 3.Q&A 参考資料 補助事業に係る仕入税額控除について 報告判定フローチャート 1

1. 概要補助事業に伴う補助金収入は 消費税法上不課税取引に該当しますが 一方で 補助事業に伴う事業経費は 控除対象仕入税額として仕入税額控除することも可能です したがって この補助事業に限ってみれば 課税売上はゼロであって 当事業にかかった経費を控除対象仕入税額に算入した場合に 課税事業者はその消費税及び地方消費税 ( 以下 消費税 という ) に相当する金額の還付を受けることができることになります 国の視点から考えると 補助金を交付して消費税を還付することになるため その分を重複して支給していることとなります ( 本市の補助金は国費を財源としています ) これを調整するために 控除対象仕入税額のうち補助金に係る部分 ( 消費税の確定申告において控除対象仕入税額に算入した金額に限る ) について 返還が必要となるものです 例 ) 本則課税 ( 一般課税 ) の法人 ( 株式会社 ) が 1,080 万円の補助金で備品を購入した場合 ( 課税売上割合 95% 以上 資本金 5 億円以下 全額控除 ) ケース 1: 補助金がない場合 収益 ( 収入 ) 売上高 ( 課税売上 ) 21,600 万円 ( うち預り消費 1,600 万円 ) 介護保険収入 ( 非課税売上 ) 1,000 万円 ( うち預り消費税 0 円 ) 商品購入 ( 課税仕入れ ) 5,400 万円費用 ( 支出 ) ( うち仮払い消費税 400 万円 ) 備品購入 ( 課税仕入れ ) 1080 万円 ( うち仮払い消費税 80 万円 ) 人件費 ( 不課税仕入れ ) 500 万円 ( うち仮払い消費税 0 円 ) 事業者は 課税売上げによって預かった消費税額 1,600 万円から 課税仕入れにより支払 った消費税 ( 仕入控除税額 )480 万円 (400 万 +80 万円 ) を控除した金額である 1,1 20 万円を税務署に納付します ケース 2: 補助金がある場合 売上高 ( 課税売上 ) 21,600 万円収益 ( 収入 ) ( うち預り消費 1,600 万円 ) 介護保険収入 ( 非課税売上 ) 1,000 万円 ( うち預り消費税 0 円 ) 補助金収入 ( 不課税売上 ) 1,080 万円 ( うち預り消費税 0 円 ) 商品購入 ( 課税仕入れ ) 5,400 万円費用 ( 支出 ) ( うち仮払い消費税 400 万円 ) 備品購入 ( 課税仕入れ ) 1080 万円 ( うち仮払い消費税 80 万円 ) 人件費 ( 不課税仕入れ ) 500 万円 ( うち仮払い消費税 0 円 ) 事業者は 課税売上げによって預かった消費税額 1,600 万円から 課税仕入れにより支払 った消費税 ( 仕入控除税額 )480 万円 (400 万 +80 万円 ) を控除した金額である 1,1 20 万円を税務署に納付します 消費税の納税額は同じように思えますが ケース2では1,080 万円の備品を補助金で購入し かつ 備品購入により支払った金額に含まれる消費税 (80 万円 ) を仕入控除税額として計算に含めています また 補助金は不課税売上であり 預り消費税が0 円であることから 実質 仕入控除税額に含まれている80 万円を補助金で負担している ( 事業者の負担が軽減されている ) ことになるため 補助金で負担した ( 事業者の負担が軽減された ) 消費税相当額である仕入控除税額 80 万円が返還の対象となります 補助金相当額の備品を購入した後 80 万円分の税控除 ( 還付 ) を受けていることになる 2

2. 報告手続について (1) 全般補助対象経費を経理処理した課税期間が報告対象となります そのため 2 課税期間以上で経理している場合には それぞれの課税期間に関して報告が必要となります 例 ) 補助対象経費 300 万 ( 1 年 100 万 2 年 200 万 ) 1 年 2 年それぞれの課税期間に関して報告が必要 (2) 補助金返還額がない場合以下のア~オのいずれかに該当する場合は 補助金に関する仕入控除税額は0 円であるため 補助金の返還は必要ありません ただし 返還が不要となる場合であっても 報告必要書類 の提出が必要です オ は消費税法別表 3に掲げる法人のみ対象 法別表第 3に掲げる法人一般財団法人 一般社団法人 学校法人 公益財団法人 社会福祉法人 NPO 法人 社会医療法人 宗教法人など ア消費税の免税事業者である (= 確定申告の義務がない ) イ簡易課税方式により消費税の申告をしている ウ補助対象経費に係る消費税を個別対応方式において 非課税売上のみに要するもの と して申告している (= 補助金に係る消費税の仕入控除税額がない ) エ補助対象経費が保険料等の非課税仕入れや人件費等の課税対象外 ( 不課税 ) 仕入れのみで ある (= 補助金に係る消費税の仕入控除税額がない ) オ補助金の交付決定を受けた課税期間において 補助金を収益として経理処理しており 当該課税期間において 補助対象経費の課税仕入れを行っている場合に 当該課税期間 の特定収入割合が 5% を超えている (= 補助金に係る消費税の仕入控除税額がない ) 報告必要書類 補助金に係る消費税及び地方消費税に関する仕入控除税額報告書 積算内訳報告書( 別紙 1) 記入例 1を参照 積算内訳報告書において指定する添付書類( 積算内訳書を参照 ) 3

(3) 補助金返還額がある場合上記のア~オのいずれかにも該当しない場合 補助金に関する仕入控除税額に相当する金額について 補助金の返還が必要となります 仕入税額控除は 課税売上割合 ( 課税期間の課税売上高 ( 税抜 ) 課税期間の総売上高 ( 税抜 ) の状況等により 下記ア~ウのように計算方法が異なります なお 返還額の算定で生じた1 円未満の端数については 切り捨てて下さい また 下記 報告必要書類 の提出が必要です ア 課税売上割合が 95% 以上かつ課税売上高が 5 億円以下の法人等の場合 補助金額 8/108 = 返還額 イ 課税売上割合が 95% 未満または課税売上高が 5 億円超の法人等であって 個別対応方 式により消費税の申告を行っている場合 (A) と (B) の合計が補助金返還額となる (A) 課税売上のみに要する補助対象経費に使用された補助金補助金額 補助対象経費のうち課税売上対応分 / 補助対象経費 8/108 = 返還額 (B) 課税売上と非課税売上に共通して要する補助対象経費に使用された補助金補助金額 補助対象経費のうち共通対応分 / 補助対象経費 課税売上割合 8/108 = 返還額 ウ課税売上割合が95% 未満または課税売上高が5 億円超の法人等であって 一括比例配分方式により消費税の申告を行っている場合補助金額 補助対象経費のうち課税仕入額 / 補助対象経費 課税売上割合 8/108 = 返還額 報告必要書類 補助金に係る消費税及び地方消費税に関する仕入控除税額報告書 積算内訳報告書別紙 2: 返還あり 全額控除方式 ( 前頁アの場合 ) 記入例 2を参照別紙 3: 返還あり 一括比例配分方式 ( 前頁イの場合 ) 記入例 3を参照別紙 4: 返還あり 個別対応方式 ( 前頁ウの場合 ) 記入例 4を参照 課税期間分の消費税及び地方消費税の確定申告書の写し 課税売上割合 控除対象仕入税額等の計算表( 付表 2)( 写 ) 4

3.Q&A Q.1 報告書等については どの様な単位で作成すればよいですか? A.1 報告書等については 事業所 施設単位ではなく 法人単位での消費税申告を ベースに作成をお願いします Q.2 補助対象経費が 2 課税期間以上に渡って経費処理されている場合にはどの様に 報告すればよいですか? A.2 補助対象経費を経費処理した課税期間ごとに報告書等を作成してください Q.3 補助金の収益の帰属時期は 交付決定日と実際に収入した日のどちらになりますか? A.3 基本的には交付決定日が収益帰属日となりますが 現金主義等で経理処理している場合など 収入した日において経理処理している場合もあるため 法人が実際に収益として経理処理した日を収益帰属日として下さい Q.4 補助金で設備工事等を行っており 工事費等の支出が2 課税期間に渡っているため建設仮勘定で処理している場合にはどの様に報告すればよいですか? A.4 建設仮勘定で処理している場合には 原則的には建設仮勘定で処理した課税期間において 当該建設仮勘定に関する消費税額を仕入税額控除の対象としますが 例外的に 建設仮勘定として経理処理した時は 仕入税額控除の対象とせず 工事竣工時において 工事費総額に係る消費税額を仕入税額控除の対象とする事が可能です そのため 以下のとおり報告をお願いします 1. 建設仮勘定として経理した課税期間において 仕入税額控除の対象としている 建設仮勘定として経理した課税期間 竣工時において残額を経理した課税期間ごとに報告書等を作成して下さい 2. 建設仮勘定として経理した課税期間においては 仕入税額控除の対象とせず工事竣工時において 全額を仕入税額控除の対象としている 全額を仕入税額控除の対象とした課税期間の報告書等を作成して下さい 5

補助事業に係る仕入税額控除について 流山市役所健康福祉部介護支援課 1

補助金に関する消費税の取扱い 国や地方公共団体からの補助金収入については 消費税法上 課税対象外収入 ( 不課税収入 )( 特定収入 ) として取り扱われます 一方 補助金を使って物品購入 建物建築 設備設置工事などを行った場合は 代金支払の際に負担した消費税が仕入税額控除の対象となるため 消費税の申告において 納付税額の減額や還付となる場合があります 補助金相当分だけ 国や地方公共団体 ( 補助事業者 ) が消費税を負担していることになるため 返還が必要となります 免税事業者 簡易課税を適用している事業者など 一定の事業者については返還不要です 2

税務署への申告 =1 売上により預かった消費税 -2 仕入により支払った消費税 1-2= マイナスとなる場合には還付となる 3

消費税の課税の対象 課税の対象 = 課税でないので注意 ( 例えば 非課税など ) 1. 国内取引であること 2. 事業者が事業として行う取引であること 3. 対価を得て行うものであること 4. 資産の譲渡 貸付又は役務の提供であること 特定仕入れ 輸入取引 5. 特定資産の譲渡等でないこと 次ページ以降は 特定仕入れと輸入取引を除いて説明します 国税庁 : 税大講本より 4

消費税法上の取引は課税取引 非課税取引 課税対象外 ( 不課税 ) 取引に区分されます 課税取引国内で事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等 ( 特定資産の譲渡等を除く ) のうち 非課税取引を除いたもの 非課税取引国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等のうち 税の性格から課税対象とすることになじまないもの 社会政策的な配慮に基づくものは消費税を課さない 課税対象外 ( 不課税 ) 取引 国外で行う取引 事業者が事業として行う取引ではない取引 対価性のない取引 資産の譲渡 貸付及び役務の提供のいずれにも該当しない取引 5

課税取引国内で事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等 ( 特定資産の譲渡等を除く ) のうち 非課税取引を除いたもの 事業者個人事業主及び法人 ( 居住者 非居住者を問わない ) 国 地方公共団体及び人格のない社団等 事業として行う資産の譲渡 貸付及び役務の提供を反復 継続 かつ 独立して行うことをいい 事業に使用していた資産の売却など事業活動に付随して行われる取引を含む 対価を得て行う取引資産の譲渡 貸付及び役務の提供に対して反対給付を受けることをいう そのため 単なる贈与や無償取引 寄付金 補助金などは一般的には対価又は対価性がないので 対価を得て行う取引には含まれない 資産の譲渡等事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供をいう 6

非課税取引国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等のうち 税の性格から課税対象とすることになじまないもの 社会政策的な配慮に基づくものは消費税を課さない 非 課 税 取 引 税の性格から課税対象とすることになじまないもの 社会政策的な配慮に基づくもの 1 土地の譲渡 土地の貸付け 2 有価証券 支払手段の譲渡など 3 利子を対価とする金銭の貸付けなど 4 郵便切手 印紙などの譲渡 5 商品券 プリペイドカードなどの譲渡 6 住民票 戸籍抄本などの交付等の行政サービス手数料など 7 外国為替など 1 社会保険料など 2 介護保険法に基づく居宅サービスなど 3 社会福祉事業など 4 助産 5 埋葬料 火葬料 6 身体障害者用物品の譲渡など 7 授業料 入学検定料 入学金など 8 教科用図書の譲渡 9 住宅の貸付 国税庁 : 税大講本より 7

課税対象外 ( 不課税取引 ) 国外で行う取引 事業者が事業として行う取引ではない取引 対価性のない取引 資産の譲渡 貸付及び役務の提供のいずれにも該当しない取引 不課税取引の例 国税庁 : 税大講本より 8

課税取引となるかの判定図 ( 特定仕入れ及び輸入取引を除く ) 国税庁 : 税大講本より 9

税額控除について消費税は生産 流通 販売といった取引の各段階で課税され 消費者が負担することを予定している しかし 取引の都度その取引価額に対して消費税を課税すると税の累積をもたらすこととなり 最終的には消費者がその累積した税を負担することとなる そのため 消費税では税の累積を排除するため 課税標準額に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除する 前段階税額控除方式 を採用しており このことを仕入税額控除という また 課税売上げについて 値引きや貸倒れ等の一定の事実が生じた場合には 税額調整を行うこととしている さらに 中小事業者の納税事務負担に配慮して 課税仕入れに係る消費税額を課税標準額に対する消費税額のみから計算することができる簡便法 ( 簡易課税制度 ) も設けられている 税額控除の種類について 税額控除には次の4 種類がある 1 仕入税額控除 2 売上げに係る対価の返還等をした場合の税額控除 3 特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の x 税額控除 4 貸倒れに係る税額控除 国税庁 : 税大講本より 10

仕入税額控除とは? 消費税は 課税売上げにより預かった消費税額から 課税仕入れ等により支払った消費税額を差し引いて計算します これを仕入税額控除といいます 厳密には 仕入税額控除以外にも売上げに係る対価の返還等をした場合の税額控除 貸倒れに係る税額控除等の各種税額控除がありますが 補助金に関しては仕入税額控除のみが関係します 申告すべき消費税 = 預り消費税 - 税額控除 仕入税額控除 貸倒れに係る税額控除 売上げに係る対価の返還等をした場合の税額控除など 支払消費税 預り消費税 11

仕入税額控除はどの様に計算するか 課税仕入れ等に係る消費税額 ( 課税仕入れ等により支払った消費税額 ) から実際に控除できる税額 ( 仕入税額控除 ) を計算する方法は その課税期間中の課税売上高が 5 億円を超えるかどうか 又は 5 億円以下 平成 24 年 3 月 31 日以前に開始した課税期間については売上要件なし であっても課税売上高が 95% 以上であるか 95% 未満であるかによって異なります 国税庁 : 税大講本より 12

全額控除について 課税期間の課税売上高が 5 億円以下 平成 24 年 3 月 31 日以前に開始した課税期間については売上要件なし で課税売上割合が 95% 以上の事業者については 課税仕入れ等の税額 ( 課税仕入れ等により支払った税額 ) の全額が仕入税額控除の対象となります 事業者 ( 製造メーカー ) 事業者の消費税の申告において 仕入により支払った支払消費税額 8 円の全額を 売上により預った消費税から控除できる 108 円 ( うち消費税 8 円 ) 支払消費税 8 円 事業者 ( 小売業者 ) 216 円 ( うち消費税 16 円 ) 預り消費税 16 円 消費者 13

個別対応方式と一括比例配分方式について 課税期間の 課税売上高が 5 億円超 平成 24 年 4 月 1 日に開始する課税期間より 又は課税売上割合が 95% 未満の事業者については 課税仕入れ等の税額 ( 課税仕入れ等により支払った税額 ) の全額控除が認められず 課税資産の譲渡等に対応する課税仕入れ等の税額についてのみ控除の対象となります ( 仕入税額控除の対象となります ) この場合の計算方法には 個別対応方式と一括比例配分方式の二つの方法があります どちらかを選択します 個別対応方式 課税仕入れを課税 非課税 課税対象外に区分して経理することに加えそれぞれの仕入を課税 非課税 共通売上どの売上に対応するか経理することが必要 一括比例配分方式 課税仕入れを課税 非課税 課税対象外に区分経理するがどの売上に対応するかまでは区分する必要はない 14

個別対応方式について 個別対応方式とは その課税期間の課税仕入れ等の消費税額について支出目的に応じて ア. 課税資産の譲渡等 一般的には課税売上 にのみ要するものイ. その他の資産 ( 非課税資産 ) の譲渡等 一般的には非課税売上 にのみ要するものウ. 課税資産の譲渡等とその他の資産 ( 非課税資産 ) の譲渡等に共通して要するものに区分して 次の算式により計算した仕入控除税額を控除対象仕入税額とする方法です 仕入控除税額 = イ 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ等の税額 + ロ 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕 x 入れ等の税額 ハ課税売上割合 仕入控除税額 = イ +( ロ ハ ) 15

個別対応方式の計算例について 消費税の基本的な考え方 課税売上割合 95.0% 未満 課税売上高 3 億円の法人 ( 株式会社 ) のケース事業内容 : 商品販売 介護サービス ( 居宅介護支援事業所 ) 売上内容商品販売収入 :3 億円 ( 課税 ) 介護保険収入 2,450 万円 ( 非課税 ) 課税売上割合 :3 億円 / 3 億 2,450 万円 (3 億円 +2,450 万円 ) =92.44 % 支払 ( 仕入 ) 内容本社人件費 :1 億円 ( 不課税 ) 本社家賃 :4000 万円 ( 課税 ) 本社光熱費 :400 万円 ( 課税 ) 本社有価証券購入 :3000 万円 ( 非課税 ) 店舗商品仕入 :8000 万円 ( 課税 ) 店舗人件費 :2000 万円 ( 不課税 ) 店舗家賃 400 万円 ( 課税 ) 店舗光熱費 150 万円 ( 課税 ) 店舗切手購入 :10 万円 ( 非課税 ) 居宅事業所人件費 :500 万円 ( 不課税 ) 居宅事業所家賃 :240 万円 ( 課税 ) 居宅事業所光熱費 :100 万円 ( 課税 ) 16

個別対応方式の計算例について 1 支払 ( 仕入れ等 ) を分類 2 課税仕入れ等を分類 課のみ : 課税資産の譲渡等 ( 課税売上 ) にのみ要するもの共通 : 課税資産の譲渡等 ( 課税売上 ) とその他の資産の譲渡等 ( 非課税売上 ) に要するもの非のみ : その他の資産の譲渡等 ( 非課税売上 ) のみ要するもの 17

個別対応方式の計算例について 3 分類した課税仕入れ等の金額を集計し 仕入控除税額を計算 仕入控除入税額 :633 万円 +300 万円 = 933 万円 課のみ : 課税資産の譲渡等 ( 課税売上 ) にのみ要するもの共通 : 課税資産の譲渡等 ( 課税売上 ) とその他の資産の譲渡等 ( 非課税売上 ) に要するもの非のみ : その他の資産の譲渡等 ( 非課税売上 ) のみ要するもの 18

一括比例配分方式について 一括比例配分方式とは その課税期間の課税仕入れ等の消費税について 個別対応方式を適用する前提となる区分が明らかにされていない場合や明らかにしていてもこの方法を事業者が選択した場合において 次の算式により計算した仕入控除税額を控除対象仕入税額とする方法です 仕入控除税額 = その課税期間中の課税仕入れ等の税額 x 課税売上割合 19

一括比例配分方式の計算例について 消費税の基本的な考え方 課税売上割合 95.0% 未満 課税売上高 3 億円の法人 ( 株式会社 ) のケース事業内容 : 商品販売 介護サービス ( 居宅介護支援事業所 ) 売上内容商品販売収入 :3 億円 ( 課税 ) 介護保険収入 2,450 万円 ( 非課税 ) 課税売上割合 :3 億円 /3 億 2,450 万円 (3 億円 +2,450 万円 )=92.44 % 支払 ( 仕入 ) 内容本社人件費 :1 億円 ( 不課税 ) 本社家賃 :4000 万円 ( 課税 ) 本社光熱費 :400 万円 ( 課税 ) 本社有価証券購入 :3000 万円 ( 非課税 ) 店舗商品仕入 :8000 万円 ( 課税 ) 店舗人件費 :2000 万円 ( 不課税 ) 店舗家賃 400 万円 ( 課税 ) 店舗光熱費 150 万円 ( 課税 ) 店舗切手購入 :10 万円 ( 非課税 ) 居宅事業所人件費 :500 万円 ( 不課税 ) 居宅事業所家賃 :240 万円 ( 課税 ) 居宅事業所光熱費 :100 万円 ( 課税 ) 20

一括比例配分方式の計算例について 1 支払 ( 仕入れ等 ) を分類 消費税の基本的な考え方 2 課税仕入れ等の金額の合計額を課税売上割合で按分して仕入控除税額を計算します 仕入控除税額 1 億 3,290 万円 8/108=984 万円 ( 千円未満切り捨て ) 984 万円 課税売上割合 (3 億 /3 億 2,450 万円 ) =909 万円 ( 千円未満切り捨て ) 21

簡易課税制度について 消費税の基本的な考え方 簡易課税制度は 中小企業者の事務負担に配慮して設けれている制度です 簡易課税制度を用いて仕入控除税額を計算するためには 基準期間における課税売上高が 5 千万円以下である事業が 簡易課税を選択する ( 消費税簡易課税制度選択届出書を提出する ) 必要があります 個別対応方式や一括比例配分方式と異なり 次の算式により計算した金額を仕入控除税額とみなして その課税期間の課税標準額に対する消費税額 ( 売上により預かった消費税額 ) から控除することができ 本則課税による課税仕入れ等の税額を基礎として仕入控除税額の計算を行う必要がありません 特例仕入の説明は省略します 仕入控除税額 = その課税期間中の課税資産の譲渡等に係る課税標準額に対する消費税額 x みなし仕入れ率 その課税期間中の課税資産の譲渡等に係る課税標準額に対する消費税額 課税売上高 ( 税抜金額 ) = その課税期間中の課税資産の譲渡等に係る課税標準額に対する消費税額 x 課税売上高( 税込金額 ) 100/108 22

みなし仕入れ率について 消費税の基本的な考え方 簡易課税制度において仕入控除税額を算定する際には 課税標準額に対する消費税額 ( 売上により預かった消費税 ) にみなし仕入れ率を乗じることで算出しますが みなし仕入れ率は 各事業区分ごとに定められており 該当する事業区分に応じたみなし仕入れを適用します 国税庁 : 税大講本より 23

税額控除 ( 仕入税額控除 ) がなかった場合はどうなるのか? 消費税では税の累積を排除するため 課税標準額に対する消費税額 ( 売上により預かった消費税額 ) から課税仕入れに係る消費税額を控除する 前段階税額控除方式 を採用しています 仮にこの制度がない場合 累積した税について最終消費者が負担することになります 次のページで例を示して解説します 24

税額控除 ( 仕入税額控除 ) がない場合 消費税は取引の各段階で課税され 支払った消費税は申告時においても控除されないため各段階で税が累積され 累積された税を最終消費者が負担することになる 小売業者は製造メーカーに支払った消費税 8 円を消費税の申告において控除できないため 回収のため価格に上乗せする 108 円 ( うち消費税 8 円 ) 支払消費税 8 円 小売業者は製造メーカーに支った消費税 8 円を申告で控除できないため 価格に上乗せして回収する必要があり 消費者は価格に対する消費税に加えて 事業者が価格に上乗せした消費税を負担することになる 224 円 税抜価格 208 円 8 円は事業者の支払った消費税 ( うち消費税 16 円 ) 預り消費税 16 円 事業者 ( 製造メーカー ) 事業者 ( 小売業者 ) 消費者 25

税額控除 ( 仕入税額控除 ) がある場合 消費税は取引の各段階で課税されるが 支払った消費税は申告時において控除されるため税が累積されることがなく 最終消費者は累積した税を負担する必要はない 小売業者は製造メーカーに支払った消費税 8 円を消費税の申告において控除できるため 価格に上乗せする必要がない 108 円 ( うち消費税 8 円 ) 支払消費税 8 円 小売業者は製造メーカーに支った消費税 8 円を申告で控除できるため 価格に上乗せする必要がなく 消費者は価格に対する消費税を負担するのみでよい 216 円 税抜価格 200 円 ( うち消費税 16 円 ) 預り消費税 16 円 事業者 ( 製造メーカー ) 事業者 ( 小売業者 ) 消費者 26

補助金に関する消費税の取扱い 補助金 1000 万円で設備投資及び人件費を支払うケースと課税売上 1000 万円で設備投資及び人件費を支払うケースの比較 ケース 1: 補助金 1000 万円で設備投資及び人件費を支払うケース一般課税 : 課税売上割合 95% 以上 資本金 5 億円未満 全額控除の場合 課税対象外 ( 不課税 ) 取引 1000 万円預り消費税 (0 円 ) 実績報告 (1000 万円 ) 課税取引 ( スプリンクラー設置工事 ) 648 万円支払い消費税 (48 万円 ) 申告 課税対象外 ( 不課税 ) 取引 ( 職員給与 ) 352 万円支払い消費税 (0 円 ) 預り消費税 (0 円 ) 支払い消費税 (48 万円 ) = 48 万円 ( 還付 ) 27

補助金に関する消費税の取扱い 補助金 1000 万円で設備投資及び人件費を支払うケースと課税売上 1000 万円で設備投資及び人件費を支払うケースの比較 ケース 2: 課税売上 1000 万円で設備投資及び人件費を支払うケース一般課税 : 課税売上割合 95% 以上 資本金 5 億円未満 全額控除の場合 課税取引 ( 一般サービス ) 1000 万円預り消費税 (75 万円 ) 実績報告 (1000 万円 ) 課税取引 ( スプリンクラー設置工事 ) 648 万円支払い消費税 (48 万円 ) 申告 課税対象外 ( 不課税 ) 取引 ( 職員給与 ) 352 万円支払い消費税 (0 円 ) 預り消費税 (75 万円 ) 支払い消費税 (48 万円 ) =27 万円 ( 納付 ) 28

補助金に関する消費税の取扱い ケース 1 補助金収入 1000 万円で経費 ( 設備投資及び人件費 ) を支払った場合 1: 預り消費税 :0 円 2: 支払消費税 :48 万円 3 消費税額 =2-1: 48 万円 ( 還付 ) ケース 2 売上収入 1000 万円で経費 ( 設備投資及び人件費 ) を支払った場合 1: 預り消費税 :75 万円 2: 支払消費税 :48 万円 3 消費税額 =2-1:27 万円 ( 納付 ) 設備投資及び人件費の支払いに使用した金額は 同じ 1000 万円であるにもかからわず その元手が補助金であるケースでは 預かり消費税が 0 円であるのにもかからわず 支払消費税として支払った 48 万円が仕入税額控除の対象となっており 還付となっている そのため その金額相当分だけ事業者が負担を軽減されている ( 得をしている ) 補助金を使って設備投資等を行い 仕入税額控除を行った場合 補助事業者が仕入税額控除の対象となった消費税額を負担していることになる 今回のケースにおいては 実績報告では 1000 万円となっているが 実質負担は 952 万円 (1000 万円 -48 万円 ) となる 仕入税額控除の対象となった補助金相当額 (48 万円 ) の返還が必要となる 29

補助金に関する消費税の取扱い 補助金の返還が不要なケース 返還の有無については 別紙判定フローについても参照して下さい または 課税売上割合 95% 以上かつ課税売上高 5 億円超 かつ課税売上高 5 億円以下 資本金の判定は平成 24 年 3 月 31 日以前に開始する課税期間より適用 30

補助金に係る仕入税額控除の返還に関する判定フロー 特定収入割合については 補助金を収益として経理処理した課税期間で判定する 補助対象経費が 2 課税期間以上で経理されている場合には それぞれの課税期間で判定する 免税事業者である はい いいえ 仕入税額控除の計算において簡易課税を選択している いいえ はい 返 補助金の使途が課税対象外取引 ( 職員給与等 ) 非課税取引のみである はい いいえ 法人の種類が消費税法別表第 3に掲げる法人である ( 個別法令により別表第 3に掲げる法人とみなす場合を含む ) 例 )NPO: 特定非営利活動法人法 はい 特定収入割合が 5% を超えている いいえ はい 還 いいえ 課税売上割合が 95% 以上である 課税売上割合が 95% 未満である 課税売上高が5 億円を超えている 平成 24 年 3 月 31 日以前に開始する課税期間については 売上高の判定は行わないいいえ はい仕入税額控除の計算において一括比例配分方式を選択している 仕入税額控除の計算において個別対応方式を選択している補助金の使途を非課税資産の譲渡等のみに要するものとして経理処理しているいいえ 返還必要 はい 不 要