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OMRON TECHNICS Vol.50 No.1 通巻 161 号 2018 v dc v pcc 図3 系統連系制御 システム構成 2.2 系統インピーダンスが引き起こす電流制御不安定 電流制御系の安定判別を Matlab/Simulink 上で実施する ために 制御系と制御対象をモデル化した 図4にモデル 化された電流制御系ブロック線図を示す 図5に電流制御 系一巡伝達関数ボード線図を示す 各条件のパラメータは 表1の通りである 図5 電流制御系の一巡伝達関数ボード線図 Lz=46uH, 460uH 表1 一巡伝達関数描画時のパラメータ 条件No. 1 2 系統電圧 202 Vrms 202 Vrms 系統電圧周波数 60 Hz 60 Hz 系統インピーダンス虚部:L z 46 µh 460 µh 系統インピーダンス実部:R z 38 mω 380 mω 分 より高い周波数に発生するため 安定性を損なうこと ACリアクトル 720 µh 720 µh はない この例ではゲイン余裕5.49 db 位相余裕42 deg ACキャパシタ 12 µh 12 µh となっており安定である また帯域幅は1 khz を超えてお PWMキャリア周波数 10 khz 10 khz り 商用周波数より十分高く応答性も十分であると考える PI制御器 Pゲイン 6.48 6.48 PI制御器 Iゲイン 454.4 454.4 図5に実線で示されているグラフはLz =46 µh Rz =38 m Ωにおける一巡伝達関数を示す 制御系の安定度はゲイン 余裕と位相余裕をもって評価される ゲイン余裕は位相が 180 deg 回った地点での位相値である Lz が十分に小さ いので共振ピークは制御帯域 PWM キャリア周波数の半 図 5 に 破 線 で 示 さ れ て い る グ ラ フ は Lz =460 µh Rz =380 m Ωの条件での一巡伝達関数を示す Lz が大き くなったことで共振点がキャリア周波数より低くなったた め 3 khz 付近で反共振が観測される 位相が -180 deg 以下の領域でゲイン増加が起こっており制御不安定となる ゲイン余裕は -7.98 db, 位相余裕は -21.5 deg であった これを PI 制御のみで改善を行うと 帯域幅を減らさなけ 3 制御補償器の設計 3.1 系統インピーダンス推定手法 制御対象の等価回 路を図6に示す 図6と後述する式では ACL のインダクタ ればならず 高周波応答性が悪化し 出力波形が歪み 高 ンス値をL ACC のキャパシタンス値をC と表記する 系 調波規制を満たすことができなくなる可能性がある 統インピーダンスにおいてはL z が支配的であると仮定し R z は省略する iz vlref vinv vl vz ic vg 図6に示す系統連系点電圧 式 1 において 図4 電流制御系のブロック線図 が極大値となるのは を満たすときであり そのとき Lz は である ただし した結果を示す 56 (56) は式 1 で表される 図7に式 3 をグラフ化

鎌谷 祐貴 ほか パワーコンディショナにおける系統インピーダンスの影響を打ち消す制御方式の開発 は設計者がL,C の値を決 スイープ範囲である 定したのち 推定したいL z の範囲を指定すれば式 3 を 用いることで決定できる 一連の動作をフローチャートにしたものを図10に示す 制御対象 図6 等価回路モデル vg vdc 図8 提案システム構成図 推定L z 値vs. 共振周波数 図7 式 3 に示された変数のうちL,C は設計者が設定する 値であるので既知である そのため 何らかの方法で共振 を推定し 式 3 の に代入すれば 未知のパ 周波数 ラメータL z を推定することが可能となる 電流制御系の 指令値に小信号外乱を注入すると に式 1 に示す形 で応答が現れる 小信号外乱の周波数をスイープさせて sin(2пfsweept ) f sweep が最大となる条件を探索することで は推定可能である また 今回はインバータの出力フィルタが LC フィルタ の例を示すが LCL フィルタの場合でも同様にL z を導出 図9 インピーダンス推定部 内部構成図 可能である 式 3 から得られる結果は LCL フィルタ系 統側の ACL インダクタンス値L 2 とL z の和となるため 既 知のL 2 を引くことで同様にL z を導出できる 3.2 提案システムの構成とアルゴリズム 提案するシ ステム全体構成を図8に示す これは図3に示した構成に f sweep f sweep_min インピーダンス推定部とインピーダンス抑制補償器部と構 成切り替えスイッチを追加したものとなる 追加されたイ ンピーダンス推定部の内部構成を図9に示す インピーダンス推定手順について述べる PCS の制御系 を動作させ 系統電圧と連系した電圧を出力する この時 _max f sweep _max f sweep f sweep f step fstep PCS が出力する電流は0で完全に系統と同期した電圧が出 力される 次に 図9の外乱周波数生成部に重畳される外 乱周波数 に初期値 を代入する これにより f sweep f sweep_max 正弦波外乱生成部より外乱信号が生成され 構成切り替え に外 部を ON にすることで指令値に外乱信号が重畳し 乱電圧が重畳する この時 外乱が重畳した 電圧 と現在出力している に記憶し 外乱周波数に 外乱周波数が最大値 の最大 を組として記憶部 を加えて更新する これを になるまで繰り返す f sweep fc _max 最後に構成切り替え部を OFF にし 外乱重畳を停止さ せる 記憶した だし その時の 波数 のうち最大電圧をとった組をとり を共振周波数 とする この共振周 を式 3 の に代入すれば系統インピーダンスを 得ることができる 図10 インピーダンス推定シーケンス (57) 57

OMRON TECHNICS 3.3 補償器の設計 Vol.50 No.1 通巻 161 号 2018 推定された系統インピーダンスから 補償器を設計する 図6の等価回路モデルを元に電流の共 振周波数 を求めると式 4 のようになる 補償器 を追加した条件 赤の破線が補償器なし 図5 破線グラフと同一 条件である 補償器を追加することで 安定な制御系を達成していることが把握できる ゲイン余 裕は9.0 db 位相余裕は46.3 deg 帯域幅は769 Hz であっ た 図5のL z =46 µh 条件より帯域幅は狭くなっているも のの 商用周波数において20 db 以上のゲインが確保され ており 波形歪みへの影響は少ないと考える この式より得た に不安定要素を引き起こす共振 ゲイン増加が発生することがわかる よって その帯域の ゲインを抑制する補償器 iz を追加実装する 補償器 の伝達関数を式 5 に示す これは特定の周波数帯のゲ インを低下させるノッチフィルタである vlref vinv vl vz ic vg 4 シミュレーション結果 系統インピーダンスを推定するアルゴリズムを Matlab/ 図12 補償器を追加した制御ブロック図 Simulink 上 で 実 装 し そ の 精 度 を 測 定 す る た め に Simscape で実装した回路シミュレータと組み合わせてイ ンピーダンス推定を行った 系統インピーダンス値L z お よびR z は表1の条件2の値をベースに 1倍 4倍 8倍に した3条件で推定を行った シミュレーションの結果を図11 に示す 各条件で真値に近い推定値が得られている 図13 ノッチフィルタを適用した一巡伝達関数 Lz =460 µh 5 まとめ 本論文では PCS インバータの出力フィルタ LC および 図11 イシミュレーション上でのLz 推定結果 LCL タイプに対して 周波数スイープ法を用いて系統イン 次に 推定されたインピーダンスを元に補償器の設計を ピーダンスを推定する手法とインピーダンスを元に補償器 行い制御不安定が改善するかどうかを確かめた L および を設計した例を示した PCS 設置後の系統インピーダンス C は 表1条 件1の も の を 用 い た 式 5 に L z =460 µh に合わせて補償器を設計することで安定性を損なうことな R z =380 mωでのlz 推定結果を代入すると く ACL を小型化することができる この手法はインピーダンス推定部とインピーダンス抑制 補償器部と構成切り替えスイッチ そして2次系の補償器 1つを従来構成に追加するだけで制御系の安定性を向上さ せることができるため CPU 演算負荷を大きく増やすこ となる となく ACL 小型化に対するデメリットに対応することが 電流制御系安定判別を実施するために 図12に示すブ できる ロック線図を Simulink で構築し ブロックに式 6 の結果を代入した 図13に電流制御系の一巡伝達関数を示す 青の実線が 58 (58) 今後は 演算負荷が少ない設計でありながらインピーダ ンスの推定速度と精度を向上させることを検討していく予 定である

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