は 2 割程度です 従業員数の割合を正規か非正規かでくくると 正社員は 59.3% 非正社員は 40.7% となります 最近 総務省の労働力調査をもとに非正規社員が 4 割に迫ったと言われます 同調査によると 非正規の職員 従業員 は 1970 万人に上り 役員を除く雇用者 5245 万人の 37.

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多様な働き方 時代の賃金設計 図表 1: ランク型賃金表を用いた勤務地限定社員の取り扱い ( 例 ) 基本給表 役割責任 号数ランク月額 Ⅰ 等級 Ⅱ 等級 Ⅲ 等級 Ⅳ 等級 Ⅴ 等級 14 S=14 点 13 S=13 点 A=13 点 12 S=12 点 A=12 点 B=12 点 11 S=

日韓比較(10):非正規雇用-その4 なぜ雇用形態により人件費は異なるのか?―賃金水準や社会保険の適用率に差があるのが主な原因―

賃金データ集_本体_24入稿用.indd

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

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短時間 有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針 について ( 同一労働同一賃金ガイドライン ) 厚生労働省雇用環境 均等局有期 短時間労働課職業安定局需給調整事業課

労働法制の動向

Microsoft PowerPoint - 【資料3-2】高年齢者の雇用・就業の現状と課題Ⅱ .pptx

佐藤委員提出資料

厚生労働省発表

と思えばよい ) と短時間労働者 2) の区別に加えて, 職場での呼称別の設問を追加した いわゆる 正社員 ( 正式には事業所において正社員 正職員とする者 ) と 正社員 正職員以外 ( 正式には常用労働者のうち 正社員 正職員 以外の者 ) である 興味深いのは, それだけでなく雇用期間の定めの

スライド 1

Microsoft PowerPoint - 【セット版】140804保育キャンペーン資料

1 定年後再雇用者の取り扱いに必要なルール具体論に入る前に 検討 整備が必要な項目を整理しておきます ( ア ) 報酬の基準賃金や賞与を決める基準ですが 今回は最も重要な基本給に絞って考えます 正社員の基本給表が軸になりますが 定年後再雇用 という状況を踏まえた賃金表を設計していきます ( イ )

Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

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自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

Microsoft PowerPoint - ★291212訂正版【P.4~P.7】求人申込書記入例(更新)_ (更新)_

第三章:保育士の就業・就職行動と意識

PowerPoint プレゼンテーション

1 なぜ 同一労働同一賃金 が導入されるのか? 総務省統計局労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 30 年 (2018 年 )7~9 月期平均 ( 速報 ) によると 非正規労働者数は 2,118 万人 ( 前年同期比 68 万人増加 ) 正規労働者数は 3,500 万人となっています 役員を除く雇用

Microsoft Word - H29 結果概要

調査結果の概要 1 平均年齢及び平均勤続年数 ( 表 1) 集計表第 1 表 調査産業計の男女計の平均年齢は 40.3 歳 平均勤続年数は 17.1 年 製造業ではそ れぞれ 39.7 歳 17.0 年となっている 産業区分 年 表 1 平均年齢及び平均勤続年数 ( 歳 年 ) 男女計男女平均勤続平

1 調査の概要 1-1 調査の目的我が国は 人口減少社会を迎えており 働く意欲と能力のある高年齢者が その能力を発揮して 希望すればいくつになっても働くことができるような環境整備が課題となっている これまで 年金の支給開始年齢の引上げ等もあり 65 歳までの雇用確保 ( 継続 ) に力点が置かれがち

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今後 この政府のガイドライン案をもとに 法改正の立案作業を進め 本ガイドライン案については 関係者の意見や改正法案についての国会審議を踏まえて 最終的に確定する また 本ガイドライン案は 同一の企業 団体における 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正することを目的としているため

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第 1 子出産前後の女性の継続就業率 及び出産 育児と女性の就業状況について 平成 30 年 11 月 内閣府男女共同参画局

JILPT 高齢者の雇用 採用に関する調査結果 (2008) の概要 高齢者の雇用 採用に関する調査 (2008 年 8-9 月実施 ) 高年齢者雇用関連の法制度が整備される中で 企業の高齢者の雇用や採用に関する最近の取組等を把握 全国の常用雇用 50 人以上の民営企業 社を対象 有効回

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2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

第41回雇用WG 資料

Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書 記入例

農業法人等における雇用に関する調査結果

調査概要 1) 調査期間 2013 年 2 月 4 日 ~3 月 20 日 2) 調査方法 1 施設調査 2 個人調査とも 自記式調査票を郵送配布 回収 3) 調査対象 1 全国の 8,633 病院の看護管理代表者回収数 2,651 件 ( 回収率 30.7%) 2 本会会員 1 万人を無作為抽出有

160 パネリスト講演 1 労働市場における男女格差の現状と政策課題 川口章 同志社大学の川口です どうぞよろしくお願いします 日本の男女平等ランキング世界経済フォーラムの 世界ジェンダー ギャップレポート によると, 経済分野における日本の男女平等度は, 世界 142 か国のうち 102 位です

厚生労働省発表

(参考)女性の活躍推進企業データベース記入要領

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untitled

短時間労働者への厚生年金 国民年金の適用について 1 日又は 1 週間の所定労働時間 1 カ月の所定労働日数がそれぞれ当該事業所 において同種の業務に従事する通常の就労者のおおむね 4 分の 3 以上であるか 4 分の 3 以上である 4 分の 3 未満である 被用者年金制度の被保険者の 配偶者であ

第 Ⅰ 部本調査研究の背景と目的 第 1 節雇用確保措置の義務化と定着 1. 雇用確保措置の義務化 1990 年代後半になると 少子高齢化などを背景として 希望者全員が その意欲 能力に応じて65 歳まで働くことができる制度を普及することが 政策目標として掲げられた 高年齢者雇用安定法もこの動きを受

目次. 独立行政法人労働政策研究 研修機構による調査 速報値 ページ : 企業調査 ページ : 労働者調査 ページ. 総務省行政評価局による調査 ページ

若年者雇用実態調査

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男女間の賃金格差問題に関する研究会報告

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均衡待遇・正社員化推進奨励金 支給申請の手引き

2 民間給与関係資料 平成 26 年職種別民間給与実態調査の概要 今回の報告の基礎となった本委員会の職種別民間給与実態調査の概要は 次のとおりである (1) 調査の目的と時期 この調査は 職員給与を検討するため 平成 26 年 4 月現在における県内民間事業所の給 与の実態を調査したものである (2

事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 262, , ,075

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Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書記入例(全国版)

<本調査研究の要旨>

事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 278, , ,036

3. 無期労働契約への転換後の労働条件無期労働契約に転換した後の職務 勤務地 賃金 労働時間等の労働条件は 労働協約 就業規則または個々の労働契約等に別段の定めがない限り 直前の有期労働契約と同一になるとされており 無期転換に当たって職務の内容などが変更されないにもかかわらず 無期転換後の労働条件を

調査結果のポイント 従業員採用状況について 平成 28 年度 (H28.4 ~ H29.3) は 計画どおり もしくは計画より多く採用した と回答した企業が69% 採用計画について 29 年度 (H29.4 ~ H30.3) は 28 年度実績と比較し 増やす と回答した企業と 減らす と回答した企

(2) 労働者人口の減少 一方労働人口は減少しつつあり 推計値では 2025 年には 6300 万人まで減少見込みとなっております 問題点 以下のような状況の中で今後どのように労働者を確保して 企業を活性化させるか? 条件 1 労働者人口が減少する 2 フルタイム労働者が減る 3 未熟練従業員が増え

労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)結果の概要

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

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2019 年 3 月 経営 Q&A 回答者 Be Ambitious 社会保険労務士法人代表社員飯野正明 働き方改革のポイントと助成金の活用 ~ 働き方改革における助成金の活用 ~ Question 相談者: 製造業 A 社代表取締役 I 氏 当社における人事上の課題は 人手不足 です 最近は 予定

中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

本日の内容 1. 短時間正社員の定義とそのタイプ 短時間正社員は多様化する正社員のうちの 1 つ 2. 短時間正社員の必要性 社会的要因 労働者側の要因 企業側の要因 3. 短時間正社員制度を機能させるための仕組み : 制度構築 雇用管理 4. 総括

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 ( 事業所情報欄 ) 1 事業主名 ( - ) 2 事業所住所 3 電話番号 ( ) 5 雇用保険適用 - 事業所番号 4 事業所の 担当者 - 都道府県所掌管轄基幹番号枝番号 6 労働保険番号 - ( 代理人 社会保険労務士による提出代行者または事務代

大学卒女性の働き方別生涯所得の推計-標準労働者は育休・時短でも2億円超、出産退職は△2億円。

図表 29 非正規労働者の転職状況 前職が非正規労働者であった者のうち 現在約 4 分の 1 が正規の雇用者となっている 非正規労働者の転職希望理由としては 収入が少ない 一時的についた仕事だから が多くなっている 前職が非正規で過去 5 年以内に転職した者の現職の雇用形態別割合 (07 年 現職役

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問題の背景 高齢者を取り巻く状況の変化 少子高齢化の急速な進展 2015 年までの労働力人口の減少 厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げ 少なくとも 年金開始年齢までは働くことのできる 社会 制度づくり ( 企業への負担 ) 会社にとっての問題点 そしてベストな対策対策が必要に!! 2

必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

留意事項 ( 1) 賃金アップの方法 欄には 賃金の算定方法を下記から選択し記載してください 賃金アップが 毎月決まって支払われる賃金 の場合は 1 賃金アップが 毎月決まって支払われる賃金 + 臨時に支払われる賃金 の場合は 2 賃金アップの方法 欄において 1の 毎月決まって支払われる賃金 を選

基本情報 () 非常勤職員の総数 調査対象に該当する非常勤職員の総数は 期間業務職員が 30,429 人 (54%) 期間業務職員以外の非常勤職員が 25,590 人 (46%) 合計で 56,09 人 ( うち女性 42,456 人 76%) だった (2) 非常勤職員が所属する機関 非常勤職員が

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2 賞与 3 手当 4 福利厚生 5 その他 第 4 派遣労働者 1 基本給 2 賞与 3 手当 4 福利厚生 5 その他 第 5 協定対象派遣労働者 1 賃金 2 福利厚生 3 その他 第 1 目的 この指針は 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 ( 平成 5 年法律 -

平成22年度産業経済研究委託事業,多様な雇用形態と産業界への影響に関する実態調査報告書

共通事項 1 キャリアアップ 管理者情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 奨励金対象労働者数 ( 全労働者数 ) 9 企業規模 ( 該当

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

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( イ ) 従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり 1 歳 6か月以降育児に当たる予定であった者が死亡 負傷 疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合 6 育児休業をすることを希望する従業員は 原則として 育児休業を開始しようとする日の1か月前 (4 及び5に基づく1 歳

申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

第41回雇用WG 資料

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今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用


採用者数の記載にあたっては 機械的に採用日の属する年度とするのではなく 一括 採用を行っている場合等において 次年度新規採用者を一定期間前倒しして雇い入れた 場合は 次年度の採用者数に含めることとしてください 5 新卒者等以外 (35 歳未満 ) の採用実績及び定着状況採用者数は認定申請日の直近の3

少子高齢化班後期総括

1 非正規雇用者用 働き方 に関するアンケート あなた自身についてお答えください F1. 性別 ( ひとつだけ ) 1. 男性 2. 女性 F2. 生年月日 ( 西暦 )19 年月 ( 生まれ ) F3. 最終学歴 ( ひとつだけ ) 在学中の場合は在学中の学校を 中途退学の場合はその前の学歴を選ん

ⅰ. キーワードや法令を知る 01 処遇検討の背景 少子高齢化が急速に進展する中 労働力人口の減少に対応し 経済と社会を発展させるため 高年齢者をはじめ働くことができる全ての人が社会を支える全員参加型社会の実現が求められております また 現在の年金制度に基づき平成 25 年度から特別支給の老齢厚生年

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

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平成 年 2 月 日総務省統計局 労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 24 年 10~12 月期平均 ( 速報 ) 結果の概要 1 Ⅰ 雇用者 ( 役員を除く ) 1 1 雇用形態 2 非正規の職員 従業員の内訳 Ⅱ 完全失業者 3 1 仕事につけない理由 2 失業期間 3 主な求職方法 4 前職の

平成22年1月26日

Ⅲ 働く女性に関する対策の概況(平成15年1月~12月)

あえて年収を抑える559万人

ニュースリリース 中小企業の雇用 賃金に関する調査結果 ( 全国中小企業動向調査 2013 年 月期特別調査 ) 年 4 月 8 日株式会社日本政策金融公庫総合研究所 3 割の企業で正社員は増加 3 社に 1 社で給与水準は上昇 従業員数 2013 年 12 月において

人材マネジメント調査2013

26公表用 栃木局版(グラフあり)(最終版)

Transcription:

新連載 多様な働き方 時代の 賃金設計 の 化が 社員の働き方 田中博志 1. はじめに 2. 多様な働き方の広がり 働き方が異なる社員の賃金の決め方は? みなさんの会社には 何種類の雇用形態の社員がいますか? 正社員を筆頭に 嘱託社員 パートタイム社員 契約社員 派遣社員など いろいろな種類があると思います また 同じ正社員でも 労働時間や仕事の内容 勤務地などが限られた 限定正社員 と呼ばれる人たちも増えてきました これはさまざまな働き方があるということで 近年 多様な働き方 と呼ばれるようになりました では 働き方が異なる社員の賃金はどのように決めればいいのでしょうか? 本連載では 多様な働き方 時代にきちんと対応できるよう 会社も社員も納得しやすい賃金の決め方を探っていきたいと思います まず 今回と次回にわたり 多様な働き方の実態を確認していきます 約 25% の企業が 限定正社員 を設ける図表 1 は 労働政策研究 研修機構が 2014 年に働き方の実態を調べた結果です 働き方を全部で 10 種類に区分し 各区分の採用割合と従業員数を集計したものです 図表 1 から 正社員の中に 限定正社員 を設ける企業が 4 社に 1 社 (25.4%) あることがわかります また フルタイム 無期契約社員 が 25.8% となっていることから 4 分の 1 の企業が 労働時間や契約期間が同じでも 正社員と非正社員を使い分けていることが読み取れます 有期契約については 定年再雇用社員 ( 嘱託社員 と呼ぶことが多い) と フルタイム 有期契約社員 パートタイム 有期契約社員 の採用が 7 割 6 割に達しています 次いで 派遣社員 が 5 割弱 出向受け入れ社員 が約 3 割で 臨時社員 36

は 2 割程度です 従業員数の割合を正規か非正規かでくくると 正社員は 59.3% 非正社員は 40.7% となります 最近 総務省の労働力調査をもとに非正規社員が 4 割に迫ったと言われます 同調査によると 非正規の職員 従業員 は 1970 万人に上り 役員を除く雇用者 5245 万人の 37.7% を占めています (2015 年 1 3 月平均 ) 図表 1 の結果とほ ぼ同じですね なお 非正規の職員 従業員 の定義は個々の企業の区分に基づいており 一律なものではありません 図表にはありませんが 3 5 種類の雇用区分をもつ企業が 56.5% あり 5 種類の場合で最も多い組み合わせは 無限定正社員 定年再雇用社員 パートタイム 有期契約社員 フルタイム 有期契約社員 派遣社員 となっています これは 一般 図表 1: 働き方の区分と企業の活用割合 従業員数の割合 期間の正規 / 定めの非正規有無 雇用区分 本調査での定義 雇用期間の定めがなく 転勤 出向 配置 無限定正社員 転換等を伴う 働き方に限定のない い わゆる正社員 正社員としての標準的な働き方より所定 限定正社員 労働時間が短い者や職種や勤務地等が限 定されている者 貴企業として正社員には位置づけていなフルタイム いが 雇用期間の定めがなく 所定労働無期契約社員時間の長さが正社員とほぼ同じ者 貴企業として正社員には位置づけていなパートタイいが 雇用期間の定めがなく 正社員よム 無期契約り1 日の所定労働時間が短いか 1 週間社員の所定労働日数が少ない者 定年再雇用社 貴企業の正社員を定年退職後 再雇用し 員 ている者 有期契約 ( 雇用期間が1カ月を超える ) フルタイム で 所定労働時間の長さが正社員とほぼ有期契約社員同じ者 パートタイ 有期契約 ( 同 ) で 正社員より1 日の所 ム 有期契約 定労働時間が短いか 1 週間の所定労働 社員 日数が少ない者 正社員25.4 2.2 非正社員無期契約33.3 2.6 有期契約臨時社員 出向受け入れ社員 派遣社員 臨時的に または日々 雇用している者で 今日期間が1カ月以内の者出向元との労働契約を維持 ( 出向元に在籍 ) したまま 出向契約に基づき貴企業が一時的に受け入れている者労働者派遣法に基づく派遣事業所から 貴企業の事業所に派遣されている者 資料出所 : 労働政策研究 研修機構 人材マネジメントのあり方に関する調査 (2015 年 2 月 ) ( 注 ) 1. 調査時点 :2014 年 2 月 1 日現在 2. 調査対象 : 全国の従業員 100 人以上規模の企業 10,000 社 有効回答数は 976 社 3. 表頭や雇用区分名の一部は 本調査の趣旨を踏まえ 筆者が加筆 調整した部分がある 雇用 / 活用し従業員ている企業の数の割割合 (%) 合 (%) 99.1 57.1 25.8 1.2 71.7 2.5 59.6 7.6 66.0 22.6 19.8 0.6 31.1 1.1 47.0 2.6 2015.7.25 先見労務管理 37

図表 2: フルタイム社員の賃金 年収水準 ( 産業計 企業規模計 男女計 ) 年齢階級 フルタイム 正社員フルタイム 非正社員アフルタイム 正社員 無期契約イフルタイム 正社員 有期契約ウフルタイム 非正社員 無期契約エフルタイム 非正社員 有期契約 20 24 歳 203 397 2,834 177 171 2,297 166 58 2,053 171 76 2,128 25 29 歳 237 691 3,537 217 265 2,874 175 80 2,174 191 115 2,403 30 34 歳 272 813 4,077 255 375 3,434 186 105 2,339 204 137 2,584 35 39 歳 308 936 4,632 302 489 4,113 189 114 2,378 206 152 2,628 40 44 歳 342 1,092 5,198 305 521 4,184 191 135 2,424 203 163 2,604 45 49 歳 381 1,261 5,827 303 583 4,218 195 165 2,500 200 170 2,568 50 54 歳 400 1,344 6,149 307 614 4,301 193 154 2,471 198 181 2,561 55 59 歳 392 1,266 5,970 314 573 4,336 190 197 2,479 202 201 2,621 60 64 歳 320 703 4,548 258 583 3,681 199 232 2,623 224 443 3,136 65 69 歳 310 505 4,230 247 420 3,387 192 133 2,441 211 188 2,715 年収中の賞与の割合 ( 年齢計 ) 20% 13% 6% 8% 平均年齢 41.2 歳 48.8 歳 47.2 歳 45.8 歳 )年齢計 319 974 4,806 266 480 3,667 188 144 2,405 203 207 2,648 25 29 歳 117 174 125 123 155 125 105 139 106 111 151 113 30 34 歳 134 205 144 144 220 149 112 182 114 119 180 121 35 39 歳 152 236 163 170 287 179 113 197 116 121 199 123 40 44 歳 168 275 183 172 305 182 115 235 118 119 214 122 45 49 歳 187 318 206 171 341 184 117 286 122 117 223 121 50 54 歳 197 339 217 173 360 187 116 267 120 116 238 120 55 59 歳 193 319 211 177 336 189 114 341 121 118 263 123 60 64 歳 158 177 160 146 341 160 120 402 128 131 581 147 )20 24 歳 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 20 24 歳 100 100 100 87 43 81 82 15 72 84 19 75 25 29 歳 100 100 100 92 38 81 74 12 61 80 17 68 30 34 歳 100 100 100 94 46 84 68 13 57 75 17 63 35 39 歳 100 100 100 98 52 89 61 12 51 67 16 57 40 44 歳 100 100 100 89 48 80 56 12 47 59 15 50 45 49 歳 100 100 100 80 46 72 51 13 43 53 14 44 50 54 歳 100 100 100 77 46 70 48 11 40 50 13 42 55 59 歳 100 100 100 80 45 73 49 16 42 51 16 44 60 64 歳 100 100 100 81 83 81 62 33 58 70 63 69 65 69 歳 100 100 100 80 83 80 62 26 58 68 37 64 資料出所 : 厚生労働省 平成 26 年賃金構造基本統計調査 ( 注 ) 1. 調査時期 対象 : 平成 26 年 (2014 年 )6 月分の賃金等 ( 賞与 期末手当等特別給与額については平成 25 年 1 年間 ) について 平成 26 年 7 月に調査 企業規模 10 人以上の集計 19 歳以下と 70 歳以上の集計結 果は省略した 2. フルタイム社員 とは 常用雇用者のうち 短時間労働者 以外の者 パートタイム社員 とは 短時間労働者 の者 なお 短時間労働者 とは 同一事業所の一般の労働者より 1 日の所定労働時間が短 い又は 1 日の所定労働時間が同じでも 1 週の所定労働日数が少ない労働者をいう 3. 正社員 は 事業所で 正社員 正職員 とする者 非正社員 は 常用労働者のうち 正社員 正職員 に該当しない者 4. 無期契約 は 雇用期間の定め無し 有期契約 は 雇用期間の定め有り 5. 賃金 とは 所定内給与額 きまって支給する現金給与額 から 超過労働給与額 ( 時間外 深夜 休日 宿日直 交替手当等 ) を差し引いた額 基本給 職務手当 精皆勤手当 家族手当のほか 通勤 手当も含まれる 6. 年収 年収中の賞与の割合 は 下記の要領で筆者が算出した 年収 = 賃金 12( カ月 )+ 賞与 年収中の賞与割合 = 賞与 年収 100 7. 年齢間格差 は 各雇用区分での 20 24 歳 の金額を 100 としたときの指数 8. 雇用区分間格差 は 正社員 無期契約 区分の金額を 100 としたときの指数 )年齢計 100 100 100 83 49 76 59 15 50 64 21 55 賃金賞与年収賃金賞与年収賃金賞与年収賃金賞与年収 1統計数値賃金 賞与 年収(千円(20 24 歳=100と勤続年数 13.0 年 11.2 年 7.9 年 7.4 年 2年齢間格差た指数し(正社員 無期契約=10065 69 歳 153 127 149 140 246 147 116 231 119 123 246 1283雇用区分間格差とした指数38

的な 正社員 嘱託社員 パートタイム社員 契約社員 派遣社員 に近い構成です また 何らかの非正社員がいる企業は 97.2% に上り ほぼ全ての会社に複数の働き方が広がっていることがわかります 3. 多様な働き方における賃金の実態厚労省の 賃金センサス で比較するでは 働き方によって賃金水準はどのように違うのでしょうか 具体的なイメージを持ちやすいように 架空の会社を想定し 人事部長の視点から確認したいと思います P 社は地方都市に本社 工場を構え 全国の主要都市に営業拠点をもつメーカーで 次の 4 種類の社員がいます 正社員: 無期契約 異動 転勤あり 契約社員:3 年間の有期契約 フルタイム 情報システム等の専任 異動 転勤なし パート社員:1 年間の有期契約 パートタイム 生産職や事務職等の専任 異動 転勤なし 嘱託社員: 定年再雇用社員 1 年間の有期契約 (65 歳まで雇用保障 ) 原則として異動 転勤なし人事部長の A さんは 自社の人事管理の現状と将来を考えるために 部下の B さんに雇用区分別の賃金実態を調べてもらいました ⑴ 賃金センサスによる分析 B さんは 厚生労働省の 賃金センサス ( 1) の雇用形態別統計 ( 産業計 企業規模計 男女計 2014 年調査 ) を使って比較することにしました 1: 正式名称は 賃金構造基本統計調査 2015.7.25 先見労務管理 で 毎年 7 月に全国の約 7 万 8 千の事業所 ( 事業所規模 5 人以上 ) を対象に実施される日本最大の賃金実態調査です 1) フルタイム社員の比較表図表 2 は一般労働者 ( ここでは フルタイム社員 と呼びます ) の調査結果を一覧にして比べたものです 雇用区分は 正社員 か 非正社員 か 雇用期間の定めが 有る か 無い かの組み合わせとなり ( ア ) フルタイム 正社員 無期契約 から ( エ ) フルタイム 非正社員 有期契約 の 4 つに分かれます なお 正社員 かどうかは各企業の分類に基づきます 図表中の1は 賃金 ( 超過勤務手当を除く月例賃金 ) 賞与( 年間合計 ) 年収 年収中の賞与割合の一覧です 2は 年齢間の格差を見るために 20 24 歳の数値を 100 として 他の年齢の水準を指数で表したものです 3は 雇用区分間の格差を見るために ( ア ) を 100 として ( イ ) から ( エ ) の水準を指数化したものです 調査対象や用語の意味等は図表の脚注を参照してください 2) パートタイム社員の傾向図表 3 は 図表 2 と同じ考え方で短時間労働者 ( ここでは パートタイム社員 と呼びます ) の統計を加工したものです 1 は 労働時間 時給 (1 時間当たり所定内給与額 ) 賃金 賞与( 年間合計 ) 年収 年収中の賞与割合の一覧です 2は年齢間格差 3は雇用区分間格差の指数です 資料を受け取った A 部長は 自社が関連する部分に注目して確認しました 3) 正社員について :( ア ) と比較 P 社の正社員は新卒採用が中心です 初任給は学歴ごとに一律ですが 入社後は勤務成績に応じて毎年賃金を改定します 賞 39

図表 3: パートタイム社員の時給 賃金 年収水準 ( 産業計 企業規模計 男女計 ) パートタイム 正社員パートタイム 非正社員年齢階級オパートタイム 正社員 無期契約カパートタイム 正社員 有期契約キパートタイム 非正社員 無期契約クパートタイム 非正社員 有期契約 年齢計 111 1,398 155 243 2,105 106 1,377 146 137 1,889 85 1,019 86 23 1,058 90 1,032 93 31 1,147 20 24 歳 107 1,190 127 167 1,693 99 1,003 99 27 1,214 66 938 62 3 746 68 973 66 4 794 25 29 歳 114 1,418 161 321 2,252 110 1,050 115 76 1,458 88 1,004 88 14 1,074 97 1,042 102 20 1,239 30 34 歳 115 1,483 170 292 2,332 112 1,146 128 86 1,621 88 1,050 92 21 1,130 96 1,082 104 28 1,278 35 39 歳 115 1,560 180 390 2,548 107 1,460 156 53 1,920 89 1,042 93 26 1,138 95 1,045 99 31 1,224 40 44 歳 115 1,543 178 405 2,539 104 1,248 130 94 1,657 92 1,028 94 29 1,158 94 1,030 97 28 1,189 45 49 歳 112 1,276 142 208 1,917 107 1,175 125 86 1,591 89 1,049 94 27 1,150 97 1,033 101 32 1,239 50 54 歳 109 1,357 148 148 1,926 106 1,186 126 126 1,637 94 1,032 97 32 1,191 99 1,028 102 36 1,258 55 59 歳 111 1,408 156 168 2,043 103 1,197 123 106 1,583 90 1,020 91 30 1,128 99 1,023 101 42 1,255 60 64 歳 112 1,270 142 141 1,847 109 1,552 170 271 2,310 92 1,035 95 32 1,169 101 1,091 110 64 1,384 65 69 歳 103 1,212 124 107 1,600 104 1,635 170 112 2,158 87 1,085 95 26 1,162 93 1,108 104 38 1,280 年収中の賞与の割合 ( 年齢計 ) 12% 7% 2% 3% 平均年齢 47.0 歳 54.5 歳 45.4 歳 44.6 20 24 歳 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 25 29 歳 106 119 127 192 133 111 105 116 284 120 133 107 143 460 144 144 107 154 474 156 30 34 歳 107 125 134 175 138 113 114 129 320 134 133 112 149 713 151 143 111 158 642 161 35 39 歳 108 131 141 233 151 108 146 157 196 158 135 111 150 863 152 141 107 151 709 154 40 44 歳 108 130 140 242 150 106 124 132 349 137 139 110 152 953 155 139 106 147 653 150 45 49 歳 104 107 112 124 113 108 117 127 321 131 135 112 151 890 154 144 106 153 753 156 50 54 歳 102 114 117 89 114 108 118 127 468 135 142 110 156 1,060 160 146 106 155 847 158 55 59 歳 104 118 123 101 121 104 119 124 394 130 136 109 148 1,010 151 146 105 154 970 158 60 64 歳 105 107 112 84 109 111 155 172 1,006 190 139 110 153 1,080 157 149 112 167 1,493 174 )65 69 歳 100 100 100 100 100 102 135 137 105 135 85 90 76 25 73 91 91 83 36 80 年齢計 100 100 100 100 100 96 98 94 56 90 76 73 56 9 50 81 74 60 13 55 20 24 歳 100 100 100 100 100 92 84 78 16 72 62 79 49 2 44 63 82 52 3 47 25 29 歳 100 100 100 100 100 97 74 72 24 65 78 71 55 4 48 86 73 63 6 55 30 34 歳 100 100 100 100 100 97 77 75 29 70 77 71 54 7 48 84 73 61 9 55 35 39 歳 100 100 100 100 100 92 94 87 14 75 77 67 52 7 45 83 67 55 8 48 40 44 歳 100 100 100 100 100 91 81 73 23 65 79 67 53 7 46 81 67 54 7 47 45 49 歳 100 100 100 100 100 96 92 88 42 83 80 82 66 13 60 87 81 71 16 65 50 54 歳 100 100 100 100 100 97 87 85 85 85 86 76 65 21 62 91 76 69 25 65 55 59 歳 100 100 100 100 100 93 85 79 63 77 81 72 59 18 55 89 73 65 25 61 60 64 歳 100 100 100 100 100 98 122 119 193 125 82 81 67 23 63 90 86 77 46 75 資料出所 : 厚生労働省 平成 26 年賃金構造基本統計調査 ( 注 ) 1. 時給 は 1 時間当たり所定内給与額 2. 労働時間 賃金 年収 年収中の賞与の割合 は 下記の要領で筆者が算出した 労働時間 =1 日当たり所定内実労働時間数 実労働日数 賃金 = 時給 労働時間 年収 = 賃金 12( カ月 )+ 賞与 年収中の賞与割合 = 賞与 年収 100 3. その他 図表 2 の脚注を参照 労働時間時給賃金賞与年収労働時間時給賃金賞与年収労働時間時給賃金賞与年収労働時間時給賃金賞与年収労1働統時計間数(値時間)賃金 賞与 年収(千円時給(円)(勤続年数 10.1 年 10.5 年 5.6 年 5.4220 年齢 24 歳間=格差100とした指数(65 69 歳 96 102 98 64 94 106 163 172 416 178 132 116 153 880 156 138 114 157 884 1613正雇社員用 区無分期間契格約差=100とした指数40

与は会社業績と勤務成績から決めており 平均すると賃金の約 3 カ月分を支給しています ( 年間合計 ) P 社の正社員は 図表 2 の ( ア ) に該当します 1の統計数値を見ると 年齢計 ( 全体平均 ) の賃金は 31 万 9 千円 賞与は 97 万 4 千円 年収は 480 万 6 千円となっています 年収中の賞与割合は 20% で 賞与が年収の 5 分の 1 を占めます 2を見ると 給与は年齢とともに上昇し ピークは 50 54 歳です 20 24 歳と比べた 50 54 歳の水準は 賃金は 2 倍 賞与は 3.4 倍 年収は 2.2 倍となっています P 社の実態と比べると 金額は別として 賞与の割合や年齢間格差の傾向は似ていました 年齢による格差は 仕事の違いと生活給への配慮が関係していると考えられます 前者については 多くの会社が仕事の経験 熟練の度合いに応じて昇給を行います また 30 歳代半ばから主任 係長 課長等の役職者が出てきますが 大半は正社員から選ばれるため 平均給与は年齢とともに上昇します ( 統計値は役職者 非役職者を合わせた平均です ) 後者の生活給は 社員が生計費の上昇に対応できるよう 年齢を考慮して賃金を払っているものです 55 歳以降の年収低下は 役職定年等で役職から離れる人が多いことと 生計費のピークが過ぎて生活給の必要性が下がるためでしょう 4) 契約社員について :( エ ) と比較 P 社の契約社員は中途採用が中心です 初任給は仕事中心で決まり 年齢はあまり考慮されません 2 年目以降も基本的に同じ仕事を続けてもらうので昇給はなく 契約更新時に働きぶりを総合評価してわずかに増額する程度です 賞与は 非正社員ということで対象外とし 状況に応じて寸志 2015.7.25 先見労務管理 を支給しています 契約社員は図表 2 の ( エ ) に該当します 1の年齢計の金額は P 社の実在者より低めですが 年収中の賞与割合が 1 割に満たない点はそっくりです また 2の年齢間格差が小さいこともよく似ています 3を見ると 年齢計の年収は ( ア ) の 55% です 年齢別では 20 歳代は 7 割前後ですが 50 歳前後では 4 割強まで下がっています P 社ではこれほどの差はつきませんが 年齢とともに格差が広がる点は全く同じです A 部長は 同じフルタイムでも大きな違いがあることを再認識しました 5) パート社員について :( ク ) と比較パート社員は全員が中途採用です 時給は仕事ごとに決まり 年齢は一切関係ありません 労働時間は本人希望も踏まえて 1 日 4 7 時間の範囲で決めます 仕事が同じなら更新時の時給変更はなく ほとんどの人が採用時の時給で働いています 賞与は非正社員なので対象外です P 社のパート社員は図表 3 の ( ク ) に該当します 1を見ると 年齢計の時給は 1032 円 年収は 114 万 7 千円です 賞与は 3 万 1 千円と金額的にも割合的にも非常に小さいので 支給しない会社が多いと考えて良いでしょう また 60 歳未満の年収額が 130 万円以下に集中しています これは所得税法の配偶者控除の限度額を意識して働く人が多いためでしょう さらに 2を見ると 年齢間格差があまりないことがわかります ( 2) A 部長は 時給水準 賞与の割合 年齢間格差ともに自社とよく似ていると感じました 2:2の年収指数は 25 歳以降が 160 前後と高くなっています これは 25 歳以降の労働時間が 20 24 歳より 3 割以上長いためです 25 歳以降の年収 41

は 60 64 歳を除いては 150 161 の間ですので年齢間格差は少ないと判断しました 6) 嘱託社員について :( エ ) の 60 64 歳と比較 P 社の定年は 60 歳です 定年後は 本人が希望すれば 1 年契約の嘱託社員として受け入れ 最長で満 65 歳まで雇用します 定年前と同じ仕事の人が約 3 分の 2 残りは負担の軽い仕事に変わり 全員がフルタイムで働いています 賃金は 高年齢雇用継続給付金を考慮しながら 仕事に応じて定年時の 6 割 8 割の範囲で決めています 更新時は 仕事や時間が変わらなければ同じ条件を原則としています 非正社員なので賞与は対象外ですが 定年前とのバランスに配慮して契約社員よりも多めの寸志を支給しています P 社の嘱託社員は 図表 2 の ( エ ) の年齢階級 60 64 歳に該当します 60 64 歳の数値が 55 59 歳より高いことから 世間の定年再雇用者 ( フルタイム ) もここに入っていると考えられます 定年再雇用では 定年前の処遇とのバラ ンスが問題になります 世間相場をつかむために ( ア ) の 55 59 歳と比較すると次のようになります 賃金:( エ )224 千円 ( ア )392 千円 57% 賞与:( エ )443 千円 ( ア )1266 千円 35% 年収:( エ )3136 千円 ( ア )5970 千円 53% 図表 2 の統計数値は定年前後の正社員を抽出したものではありませんが 結果は 労務行政研究所による定年前後の年収比較の調査結果 (54.2%) に近い値になりました ( 中 高年齢層の処遇に関する実態調査 2013 年 6 7 月 ) A 部長は 自社の水準はもう少し高いと感じつつも 自分が定年になった時は納得できるだろうかと 少し不安になりました ここまで見てきた A 部長は 今度はフルタイムとパートタイムを一緒に比べたいと思い B さんに相談しました この続きは次回ご紹介します たなか ひろし 1966 年生まれ 広島大学理学部卒業後 東ソー にて研究開発 技術営業に従事 英語教育業を経て 2006 年 プライムコンサルタントに入社 幅広い業種で会社と社員の良い絆づくりを目指したコンサルティングを展開する 中小企業診断士 日本人材マネジメント協会会員 ゴールドラット スクール認定トレーナー (TOC Management Tools Basic) TOC-ICO 認定 Jonah 42