第 79 回 日本血液学会学術集会コーポレートセミナー 会期 : 2017 年 10 月 20 日 ( 金 )~10 月 22 日 ( 日 ) 会場 : 東京国際フォーラム 報告集 ランチョンセミナー LS2-10 腫瘍崩壊症候群のリスクマネジメント 座長 横浜市立大学附属市民総合医療センター血液内科部長藤澤信 腫瘍崩壊症候群マネジメント 演者 1 日本赤十字社医療センター血液内科副部長塚田信弘 薬剤師の視点をプラス! 腫瘍崩壊症候群マネジメント 演者 2 がん研究会有明病院薬剤部臨床薬剤室室長根本真記 ランチョンセミナー LS3-15 自家末梢血幹細胞移植におけるモビライゼーションの最適化 座長 演者 慶應義塾大学医学部内科学教室血液内科教授岡本真一郎 Department of Hematology, Hematology and cellular therapy Department, Hospital Saint-Antoine, and University Pierre & Marie Curie, Paris, France Mohamad Mohty, MD, phd 2018 年 3 月作成
ランチョンセミナー LS2-10 腫瘍崩壊症候群マネジメント 座長 演者 1 横浜市立大学附属市民総合医療センター血液内科部長藤澤信 日本赤十字社医療センター血液内科副部長塚田信弘 腫瘍崩壊症候群とは Oncologic Emergencyとは がんに起因する緊急処置が必要な病態のことで 上大静脈症候群などの構造的なものや 腫瘍崩壊症候群 (TLS) 抗利尿ホルモン不適切分泌症候群 (SIADH) による低ナトリウム血症など代謝的なものがある 特にTLSは 抗がん剤等により腫瘍組織が急激に崩壊し 腫瘍細胞内にある核酸 リン カリウムなどの成分が血液中に大量に放出され 高尿酸血症 高カリウム血症 高リン 低カルシウム血症を来たす病態で ときに腎不全 不整脈 心停止など生命にかかわる危険な状態を引き起こす このように TLSでは様々な病態が生じるが いずれの病態も発症してからの対応は緊急を要し かつ致死的になる可能性があるため 発症リスクがある患者には予防的に対応することが重要である TLSの発症リスクについては 腫瘍の種類 ( バーキットリンパ腫 リンパ芽球性リンパ腫 びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫など ) や 腫瘍量 ( 腫瘤 >10cm)/ 疾患の程度 (LDH 増加 白血球数増加 ) 腎機能 治療前の尿酸値( 血漿尿酸値 > 7.5mg/dL) などが挙げられている ( 表 1) 1) 造血器腫瘍では TLS リスク評価が重要 TLSにはLaboratory TLS(LTLS) とClinical TLS(CTLS) があり 高尿酸血症 高カリウム血症 高リン 低カルシウム血 症のうち 2つ以上が化学療法開始の3 日前から7 日後までに発症した状況がLTLS LTLSに加えて腎機能低下や不整脈 痙攣などの合併症を1つ以上認めた状態がCTLSである 2) 本邦の TLS 診療ガイダンス では TLSのリスク評価は 1 LTLSの有無 2 疾患によるTLSリスク分類 3 腎機能による TLSリスクの調整の3 ステップで行われる CTLSを発症している場合にはTLSの治療を行い LTLSがありCTLSを発症していない場合には 高リスク例として予防処置を行う また LTLS を認めず リスクはそれほど高くないと考えられる場合には 慎重に経過観察し 必要に応じて予防処置が行われる ( 図 1) 造血器腫瘍では TLSの発症リスクが高いことが知られている Wilsonらの報告ではバーキットリンパ腫では約 15% B 細胞性急性リンパ性白血病では約 26% 急性骨髄性白血病(AML) のなかでも白血球数が75,000/μL 超の患者では約 18% 白血球数が25,000~75,000/μL では6% であり 白血球数 25,000/μL 未満のAML 慢性リンパ性白血病(CLL) 慢性骨髄性白血病 (CML) 固形癌では1% 以下である 3) また 基本的にTLS 低リスク疾患 (1% 未満 ) に分類されている多発性骨髄腫でも 近年プロテアソーム阻害剤治療によりTLSの発症リスクが高まる (5.8%) との報告がある 4) このほかCTLSを発症したAML 患者の約 60% が腎不全 不整脈などCTLSに関連した疾患により死亡したとの報告もされている 5) 造血器腫瘍の治療において 一旦 CTLSを発症するとその治療や病態のコントロールは容易ではなく TLSのリスクを 表 1 TLS 発症のリスク因子 図 1 TLS リスク評価の手順 特性 腫瘍の種類 腫瘍量 / 疾患の程度 腎機能 治療前の尿酸値 有効かつ迅速な抗腫瘍療法 ULN: 施設基準値上限 リスク因子 バーキットリンパ腫リンパ芽球性リンパ腫びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫急性リンパ性白血病増殖が速く 治療に迅速に反応する固形腫瘍腫瘤 (>10cm) LDH 増加 (>2 ULN) 白血球数増加 (>25,000/μL) 既存の腎不全乏尿治療前の血清 / 血漿尿酸値 >450μmol/L(7.5mg/dL) 疾患特異的治療 腫瘍の種類によって異なる 1Laboratory TLS は存在するか? Clinical TLS (Cr 上昇 不整脈 痙攣など ) は存在するか? はい Clinical TLS TLS 治療 はい 定期的な再評価 Cr: クレアチニン 尿酸 カリウム リン カルシウム測定 いいえ Laboratory TLS 高リスクの予防処置に準ずる いいえ リスクに応じた予防処置 2 疾患によるリスク分類 3 腎機能によるリスクの調整 定期的な再評価 低リスク疾患 :TLS 発生率が 1% 未満中間リスク疾患 :TLS 発生率が 1~5% 高リスク疾患 :TLS 発生率が 5% 以上 Coiffier B, et al. J Clin Oncol 26(16):2767-2778, 2008 日本臨床腫瘍学会編. 腫瘍崩壊症候群 (TLS) 診療ガイダンス, 金原出版, 2013 1
藤澤信氏 塚田信弘氏 適切に評価し 予防に努めることが重要である ラスブリカーゼはLTLSにおける高尿酸血症を改善する TLSに伴う高尿酸血症の治療では これまで尿酸生成阻害剤が用いられてきた しかし 尿酸分解酵素であるラスブリカーゼ ( 商品名 : ラスリテック ) が登場したことで 高尿酸血症の管理が迅速かつ容易に行えるようになった ラスブリカーゼの第 Ⅱ 相試験では TLS 発症リスクが高い白血病または悪性リンパ腫患者 25 例にラスブリカーゼ 0.20mg/kg/ 日を投与し 血漿尿酸値の変化を検討した その結果 ラスブリカーゼ初回投与後 48 時間までに血漿尿酸値が7.5mg/dL 以下に低下し それが最終投与時まで維持された患者割合 ( 有効率 ) は96.0%(24/25 例 ) であり ( 図 2) 6) ラスブリカーゼのTLSに伴う高尿酸血症に対する高い有効性が示されている TLSの発症リスク別マネジメントにおいては尿酸コントロールが重要であり 低リスク例では 1 日 1 回程度のモニタリングおよび通常量の補液を基本とし 必要に応じて尿酸生成阻害剤を投与する 高リスク例では緊急事態を想定し 透析が可能で かつ ICUかそれに準じた環境で治療を行うことが望ましく 心電図を含めたモニタリングを 1 日に頻回行い 大量の補液とともにラスブリカーゼを投与することが推奨されている ( 表 2) 7) TLSは発症を予防することが重要であり そのためには適 切なリスク評価とラスブリカーゼの使用も含めリスクに応じ た早期からの適切な対策が大切である 分子標的薬などの 新規薬剤の臨床導入に伴い TLS 発症の報告が増加しており 今後は TLS は起きないと思っていた疾患でも発症に注意す ることが求められる 文献 1)Coiffier B, et al. J Clin Oncol 26(16):2767-2778, 2008 2)Cairo MS, et al. Br J Haematol 127(1):3-11, 2004 3)Wilson FP, et al. Adv Chronic Kidney Dis 21(1):18-26, 2014 4) ベルケイド特定使用成績調査安全性解析結果 http://www.jshem. or.jp/uploads/files/former/140423_syringe.pdf 5)Montesinos P, et al. Haematologica 93(1):67-74, 2008 6)Ishizawa K, et al. Cancer Sci 100(2):357-362, 2009 7) 日本臨床腫瘍学会編. 腫瘍崩壊症候群 (TLS) 診療ガイダンス, 金原出版, 2013 表 2 推奨される予防処置 (TLS リスク別 ) リスク予防法 ( 抜粋 ) 低リスク 中間リスク 高リスク モニタリング (1 日 1 回 ) 通常量の補液 必要に応じて尿酸生成阻害剤 モニタリング (8~12 時間毎 ) 大量補液 尿酸生成阻害剤 モニタリング ( 頻回 :4~6 時間毎 ) 大量補液 ラスブリカーゼ 日本臨床腫瘍学会編. 腫瘍崩壊症候群 (TLS) 診療ガイダンス, 金原出版, 2013 より作表 図 2 ラスブリカーゼによる尿酸低下効果 ( 国内第 Ⅱ 相試験 : 成人 ) 平均血漿中尿酸値の経時推移 ( 副次評価項目 ) 血漿中尿酸値7 6 5 4 3 2 (mg/dl) 1 0 ベースライン ラスブリカーゼ 4 8 24 48 72 96 104 120 168 336 追跡期間 ( 時間 ) 有効率 ( 主要評価項目 ) 0.20mg/kg 群 :96.0%(24/25 例 ) 用量 0.15mg/kg 0.20mg/kg 対象急性高尿酸血症を有する あるいは発症する可能性が高い初発あるいは再発の悪性リンパ腫又は急性白血病患者 50 例 (18 歳以上 75 歳未満 ) 方法ラスブリカーゼ 0.15mg/kg/ 日又は0.20mg/kg/ 日を1 日 1 回 5 日間 30 分かけて点滴静注した 評価項目有効率 血漿中尿酸値の経時推移 薬物動態 安全性など 安全性 50 例中 23 例 (46.0%) に副作用が認められ その内訳は 0.15mg/kg 群が25 例中 10 例 (40.0%) 0.20mg/kg 群が25 例中 13 例 (52.0%) であった Ishizawa K, et al. Cancer Sci. 100(2):357-362, 2009( 承認時評価資料 ) 本試験はSanofiの資金提供により実施されたラスブリカーゼの 効能又は効果 がん化学療法に伴う高尿酸血症 用法及び用量 通常 ラスブリカーゼとして 0.2mg/kgを1 日 1 回 30 分以上かけて点滴静注する なお 投与期間は最大 7 日間とする 2
ランチョンセミナー LS2-10 薬剤師の視点をプラス! 腫瘍崩壊症候群マネ 座長 演者 2 横浜市立大学附属市民総合医療センター血液内科部長藤澤信 がん研究会有明病院薬剤部臨床薬剤室室長根本真記 医師と必要な情報を共有し 薬物治療の適切なタイミングを提案する 薬剤師の立場から 腫瘍崩壊症候群 (TLS) マネジメントを有 効に行うために必要な医師との情報共有 院内連携 薬物療 法の実際などについて 当院での取り組みを基に紹介する TLS マネジメントでは適切かつ迅速な対応が求められる そ れを実践するために私は 必要な情報を医師と共有し 尿酸 分解酵素製剤ラスブリカーゼ ( 商品名 : ラスリテック ) が適切な タイミングで投与されるように治療フローを提案している 例えば TLS 高リスク例で TLS の発現があらかじめ予想さ れるような患者では 入院前日までにカルテから前医での検 査結果 診断などを確認し 当院での抗癌剤治療もある程度 推測する 入院後は 当院医師が行う診断を確認し 今後の 治療方針 患者の TLS リスク評価などを医師と共有し TLS マ ネジメントの具体的な方法について医師と話し合う 入院後 の経過中に注目すべき項目は 乳酸脱水素酵素 (LDH) 値の 推移 腫瘍の範囲と量から予測される腫瘍崩壊速度 腎機 能の推移である これらを医師とともに確認し情報を共有し たうえで ラスブリカーゼの適切な開始時期を提案している TLS マネジメントでは TLS が発現しやすい抗癌剤治療開 始時にラスブリカーゼを投与することがポイントとなるため 医師と治療開始時期を共有することがとても重要となる ラスブリカーゼを適切に使用するための院内連携 一般にTLSマネジメントでは 尿酸 リン カリウムの 3つの血清値上昇をいかに抑制するかが課題であるが 抗癌剤治療開始直後に急上昇する尿酸値の管理はラスブリカーゼの登場により容易になった 尿酸値はラスブリカーゼ投与後 すみやかに低下する 当院で2009 年から2012 年にラスブリカーゼを投与した 12 例のデータをみると 血清尿酸値は1 回の投与で低下し 低下に要した日数は約 1 日と短かった 国内第 Ⅱ 相試験では ラスブリカーゼ投与約 4 時間後には尿酸値はゼロ近くまで低下することが示されている 1) TLSマネジメントにおける薬剤師の役割は こうしたエビデンスを基にラスブリカーゼの適切な投与量および投与期間を医師に提案し ラスブリカーゼが確実に使えるよう使用が予定される期間の在庫を確保することである TLSマネジメントが適切に実施されることを確認することも薬剤師の重要な役割である まず 輸液は細胞外液で24 時間持続投与を基本とし 患者ごとに液量 投与速度が適切か確認する ( 図 1) 次に 尿量管理の指示が適切か 主要項目を含む採血オーダーが適切なタイミングで予定されているか TLS 管理に必要な薬剤が処方されているかなどを確認している 薬剤投与や管理は看護師が実施する 担当看護 図 1 薬剤師視点から考える TLS マネジメントでの確認ポイント 図 2 尿酸値の測定と検体の取り扱い Hydration 細胞外液ベース 24 時間持続投与か? 心機能確認 液量 速度は適切か 採取した血液検体を室温に放置することによりラスブリカーゼが尿酸を分解し 見かけ上の尿酸値が低くなる 正確な測定を行うためには 血液検体をあらかじめ冷却した試験管に入れ 氷浴等で速やかに低温状態にした上で保存し 採血後 4 時間以内に測定すること 尿量管理の指示 試験溶液 保存形態 保存条件 保存期間 結果 採血オーダー主要な確認事項が網羅されているか 氷浴中 4 時間 ラスブリカーゼを添加した群の尿酸値は 対照群に比べてわずかな減少を認めた 採血検査のタイミング day2(or 3) 血液検体 * ヘパリン入り容器 処方の確認 室温 4 時間 尿酸値は測定限界値未満まで低下した 担当看護師へ処方意図を説明 患者へ処方意図説明 理解を得るため * 血液検体 : ヘパリン入り採血管に採血して前処置後 ラスブリカーゼまたは生食を添加し 各条件下で保存した後 尿酸値を測定 監修 : がん研究会有明病院薬剤部臨床薬剤室室長 根本真記 監修 : がん研究会有明病院薬剤部臨床薬剤室室長 根本真記 3
ジメント 藤澤信氏 根本真記氏 師や患者へ必要事項 それぞれの処方意図を説明することも欠かせない ラスブリカーゼの調製 投与後の血液検査の管理でも注意点がある ラスブリカーゼは泡立ってしまうと酵素が壊れる可能性があるので 溶解はゆっくりと行う必要がある また ラスブリカーゼを患者に投与する際は フィルターを用いずに単独ルートで行い 投与前後には生理食塩水で洗い流す 投与後に採血した検体にはラスブリカーゼが含まれるため 室温で放置すると尿酸分解が進み 数時間で尿酸値は検出限界以下まで低下する そのため 血清尿酸値を測定するためには 血液検体は冷却し 低温で保存し 採血後 4 時間以内に測定することが推奨されている ( 図 2) 通常の血液検査用と尿酸測定用に分けて検体を採取している そして 看護師には 尿酸測定用の検体を直ちに氷浴し 速やかに検査室に持っていくよう伝え 検査部には届いた検体を可能な限り速やかに測定するよう依頼し ラスブリカーゼを投与した際の血液検査が迅速かつ適切に行われるよう連携体制を整えた ( 図 3) ラスブリカーゼの使用が長期間なかった場合にはスタッフが手順を忘れている恐れがあるため 毎回この連携を確認し 休日などで検査ができないことを見越して 平日夕方などの時間帯に尿酸値を測定するような工夫も行っている ポイントは TLS 発現時期の予測 近年 固形がんでのTLSも報告が増えてきている 従来の血液がん治療関連でのTLSとは異なり治療開始直後に発現するとは限らず その発現時期は様々である 腎がんでは分子標的薬開始約 10 日後にTLSが発現したとの報告もある 2) 固形がんではTLSについては 発現頻度が低く 発現時期が様々であることから 予防策が講じられないことも多く死亡率が高い特徴がある ( 図 4) TLSマネジメントの基本は 発現予測 と考えている 予測される時期に必要な予防策を実施し 採血検査などで必要な検査を行い 経過予測をしながら対症療法を実施することで多くの場合マネジメントは可能である しかし 尿酸 カリウム リン値の確認がされなければ 発見や対応が遅れ 重篤な経過をたどり死亡につながることもある 時間単位での迅速な対応が必要となる TLS 管理において がん治療を行っている施設では尿酸上昇に迅速に対応するためにラスブリカーゼを常に1バイアル在庫しておくことも 適切なTLS 管理の一環となる 文献 1)Ishizawa K, et al. Cancer Sci 100(2):357-362, 2009 2) 日本臨床腫瘍学会編. 腫瘍崩壊症候群 (TLS) 診療ガイダンス, 金原出版, 2013 図 3 適切な尿酸値測定のための連携 図 4 固形がんでの TLS 発現 医師 看護師 検査部 ラスブリカーゼ投与中の尿酸測定目的の採血は 他の血清検査とは別に 尿酸値測定用 として別途オーダーする ( 氷冷するため ) 検体採取後は試験管を氷浴し 速やかに検査室へ採血検体を搬送する 検査部は 可能な限り速やかに測定する 頻度が少ない 発症時期が様々 死亡率が高い 低リスクである いつ発症するか わからない 発症時期に予防策がなされない 対応が遅れる 尿酸値測定可能時間帯の把握がん研有明病院の場合 : 平日 16 時まで ( 臨時採血項目に尿酸値は含まれていないため 測定不可能 ) 分子標的薬などの新治療の効果発現時間が不明 監修 : がん研究会有明病院薬剤部臨床薬剤室室長 根本真記 監修 : がん研究会有明病院薬剤部臨床薬剤室室長 根本真記 4
77.8 成功ランチョンセミナー LS3-15 自家末梢血幹細胞移植におけるモビライゼーシ 座長演者 慶應義塾大学医学部内科学教室血液内科教授岡本真一郎 Department of Hematology, Hematology and cellular therapy Department, Hospital Saint-Antoine, and University Pierre & Marie Curie, Paris, France Mohamad Mohty, MD, phd 自家末梢血造血幹細胞動員の課題 近年 高齢化に伴う血液腫瘍患者の増加 そして 65 歳以上の高齢者に対する幹細胞移植の実施件数の増加によって 自家造血幹細胞移植の実施件数は年々増加傾向にある また 最近では 幹細胞源として末梢血を用いる自家末梢血幹細胞移植がほとんどを占める 自家末梢血幹細胞移植の転帰改善には 移植片の量および質を最適化することが重要であり 特に移植する造血幹細胞数は大きな鍵を握っている 移植される造血幹細胞の数は 好中球生着 血小板数の回復などとの相関性が示されており 良好な転帰を得るには 末梢血 CD34+ 細胞数約 4~5 10 6 cells/kgが必要であるとされる 十分量の幹細胞数を移植することで 好中球数や血小板数が速やかに回復し 感染症や出血リスクなどを回避できることから 抗菌薬の投与や血小板の輸注が不要となる また さまざまな議論はあるものの CD34+ 細胞数が多いほど 生命予後が良好との報告もある G-CSF 製剤を用いた末梢血への造血幹細胞の動員手法としては G-CSF 製剤単独または化学療法との併用のいずれかの方法が用いられてきた しかし いずれも患者背景 化 学療法レジメン アフェレーシスの機器および技術 院内プロトコール 患者の忍容性などの影響を大きく受けるため 十分量の採取困難例が存在する 動員の失敗は医学的見地からも問題であるが 患者やその家族に大きな精神的負担を与える また 患者 QOLの観点からは 移植前の入院を回避し 動員期間を短期間かつ最小限のステップで行うことも求められてきた プレリキサホルの有用性 骨髄腫に対する寛解導入の標準レジメンとして有用性の高いボルテゾミブ+ レナリドミド +デキサメタゾン (VRD) 療法に含まれるレナリドミドは 造血幹細胞のCXCケモカイン受容体 (CXCR4) と相互に作用し合うことで骨髄からの造血幹細胞動員を阻害する可能性が示唆されている 1) VRD 療法後に移植を実施することで無増悪生存期間は延長するが その一方でVRD 療法を実施すると造血幹細胞動員の失敗リスクが高まるというジレンマに陥る レナリドミドを 4サイクル以上投与した例では 造血幹細胞動員の失敗率が高くなるという報告もある また 最近ではヒト抗 CD38モノクローナル抗体であるダラツムマブが治療に使われるように 図 1 初回動員失敗例におけるプレリキサホルによる造血幹細胞動員成功率 プレリキサホル投与後に造血幹細胞の採取数が 2 10 6 CD34+cells/kg となった患者の割合 G-CSF 製剤単独による初回動員失敗例 G-CSF 製剤 / 化学療法による初回動員失敗例 プレリキサホルによる再動員の全成功率 61.0% プレリキサホルによる再動員の全成功率 70.5% (%) (%) 100 100 80 80 75.0 75.0 65.5 63.6 60 55.9 成60 功率率40 40 20 20 0 非ホジキンリンパ腫 (n=34) 多発性骨髄腫 (n=11) ホジキンリンパ腫 (n=9) 0 非ホジキンリンパ腫 (n=29) 多発性骨髄腫 (n=24) ホジキンリンパ腫 (n=8) Calandra G, et al.:bone Marrow Transplant. 41(4):331-338(2008) より作図 5
ョンの最適化 岡本真一郎氏 Mohamad Mohty 氏 なっているが ダラツムマブの標的であるCD38が造血幹細胞上にも発現していることから レナリドミドと同様に造血幹細胞動員に問題が生じる可能性が懸念される 以上は骨髄腫に関する知見であるが リンパ腫は骨髄腫に比べてheterogeneousな疾患であること また 移植は進行期や再発時に実施されることから 動員失敗率は骨髄腫よりも高い このような背景の中 プレリキサホルの登場によって 造血幹細胞動員の効率は大きく改善した プレリキサホルは成長因子製剤ではなく CXCR4 拮抗剤で 特異的リガンドである間質細胞由来因子 -1(SDF-1) のCXCR4への結合を阻害することで 骨髄から末梢血中への造血幹細胞の動員を促進させる 日本では 2016 年に承認されたばかりの新薬であるが 欧米ではすでに2008~2009 年に承認され 臨床使用されている プレリキサホルが注目されるのは その高い動員成功率から 初回動員に失敗した患者のサルベージとしても用いられている点である 初回動員失敗例における動員成功率は60 ~70% に上る ( 図 1) 2) また 初回動員でもプレリキサホルの有用性が確認されている 欧州で実施されたプレリキサホルの第 Ⅱ 相試験 (PREDICT EU 試験 ) では 多発性骨髄腫 (MM) 患者およ び非ホジキンリンパ腫 (NHL) 患者を対象に 造血幹細胞動員に対するプレリキサホル /G-CSF 製剤の安全性および有効性が検討された 3) 最低目標採取数( 2 10 6 cells/kg) のCD34+ 細胞の採取に到達した患者の割合は MM 患者 98% NHL 患者 80% と良好で ( 図 2) この結果は1 回 ( 中央値 ) のアフェレーシスで達成された また CD34+ 細胞 (MM 6 10 6 cells/kg NHL 5 10 6 cells/kg) を採取できた患者は MM 患者 89% NHL 患者 48% であった なお プレリキサホルは CXCR4を標的とすることから 腫瘍細胞のコンタミネーションを懸念する声がある これに関しては多くの検討が実施されてきたが プレリキサホル投与後の腫瘍細胞の動員は認められていない 4) 実臨床においてプレリキサホル投与が相応しい患者像 造血幹細胞の動員レジメンとして G-CSF 製剤単独 G-CSF 製剤 / 化学療法 プレリキサホル /G-CSF 製剤の3つを比較すると 少ない副作用で至適な造血幹細胞数を採取できるのはプレリキサホル /G-CSF 製剤であると思われる ( 表 ) プレリキサホルの主な有害事象は 胃腸障害 悪心 注射部位反応などであるが いずれも軽度から中等度で 図 2 CD34+ 細胞が最低目標採取数 ( 2 10 6 cells/ kg) の採取に到達した患者の割合 (PREDICT EU 試験 ) 患者の割合0 (%) 100 89% 90 80 70 60 52% 50 40 30 20 10 96% 72% 98% 80% MM NHL 1 2 3 4( 日 ) アフェレーシス日数対象多発性骨髄腫 (MM) 非ホジキンリンパ腫 (NHL) ホジキンリンパ腫 (HL) と診断され 部分寛解 (PR) または完全寛解 (CR) 状態の自家造血幹細胞移植の適応患者 (18 歳以上 ECOG PS 0~1)118 例 MM 患者 :90 例 NHL 患者 :25 例 HL 患者 :3 例 方法多施設共同オープンラベル単群試験 G-CSF( プレリキサホル投与前の4 日間 ) 皮下注 +プレリキサホル 0.24mg/kg(4 日目の夜から : アフェレーシス開始の約 10~11 時間前 ) 皮下注 安全性副作用は20%(24/118 例 ) に認められ グレード 1または 2は下痢 8 例 注射部位紅斑 4 例 悪心 4 例 注射部位反応 3 例 腹痛 2 例 嘔吐 2 例 グレード 3は心筋梗塞 骨髄腫再発 低マグネシウム血症 注射部位反応 白血球増加症が各 1 例であった このうち重篤な副作用は心筋梗塞 骨髄腫再発 低マグネシウム血症の各 1 例であった 有害事象による投与中止または変更が2 例 死亡 4 例が報告された 表 各動員レジメンの特徴 至適な動員レジメンの要素 至適な細胞数を採取できる確率が高い 管理可能な毒性 耐性アフェレーシスのタイミングが予測しやすい より少ないアフェレーシスの日数 迅速で持続する生着 最低限の毒性 患者負担の軽減や QOL の改善 実質的 論理的であり 医療資源の最適化に役立つ G-CSF 製剤単独 G-CSF 製剤 / 化学療法併用 プレリキサホル / G-CSF 製剤併用 Russell N, et al.:haematologica. 98(2):172-178(2013) 監修 :Dr Mohty 6
重篤な事象は少なく G-CSF 製剤単独投与時と同程度である 5) 脱毛や感染症リスクの懸念がなく 患者 QOLも良好に保持される 加えて プレリキサホルを用いることで アフェレーシス実施のタイミングの予見が容易となり アフェレーシスが短時間で済むことから 医療スタッフなどのリソース面からも費用対効果は大きい プレリキサホルは 自家末梢血幹細胞移植が予定されているすべての患者に対して使用できるが 動員失敗リスクの高い患者を選択して投与する方法もある 欧州血液骨髄移植学会 (EBMT) は 造血幹細胞動員不良のリスク因子として 高齢 病期進行 前治療ライン数の多さ 放射線治療施行歴 アフェレーシス前のCD34+ 細胞数低値 動員前の血小板数低値などを挙げている ( 図 3) 6) なかでも アフェレーシス前の末梢血中 CD34+ 細胞数低値は動員失敗の強力なリスク因子である CD34+ 細胞数が20cells/μL 以上の場合は問題なくアフェレーシスを実施できるが 10cells/μL 未満の場合は動員失敗の可能性が高く プレリキサホル投与が推奨される ( 図 4) 10~20cells/μL の場合はリスク因子に応じた対応が望ましいが 当施設では20cells/μL 以下の場合はすべてプレリキサホルを投与している CD34+ 細胞数は最低目標採取数が採取できればよいと いう意見もあるが 実際には移植細胞数が多いほど 移植後の転帰はより良くなるので 採取は最低目標ではなく 至適目標を目指す方がよい プレリキサホルを用いることで 造血幹細胞の動員 患者 QOLの改善が期待できる 文献 1)Kumar S, et al.:blood. 114(9):1729-1735(2009) 2)Calandra G, et al.:bone Marrow Transplant. 41(4):331-338(2008) 3)Russell N, et al.:haematologica. 98(2):172-178(2013) 4)Fruehauf S, et al.:bone Marrow Transplant. 45:269-275(2010) 5)DiPersio JF, et al.:blood. 113(23):5720-5726(2009) 6)Mohty M, et al.:bone Marrow Transplant. 49(7):865-872(2014) 図 3 造血幹細胞動員失敗のリスク因子 図 4 造血幹細胞の動員失敗を予防するための指標 動員失敗例 アフェレーシス前の CD34+ 細胞数 動員不十分が予測される例動員に時間を要した例 >20cells/μL * 10~20cells/μL <10cells/μL G-CSF 製剤単独でのフロントライン治療による動員例 G-CSF 製剤 / 化学療法 または化学療法変更でのフロントライン治療による動員例 患者の疾患特性および治療歴に基づいた積極的なアプローチ プレリキサホルの先行投与 前治療 年齢 放射線療法 / メルファラン / ニトロソウレア系薬 / フルダラビン / 抗 CD20 抗体 (?)/ レナリドミド 骨髄浸潤 病期進行 多くの未知の因子 アフェレーシス ( 目標 CD34+ 細胞数 =2.0 10 6 cells/kg) CD34+ 細胞数を測定するためには 迅速かつ厳格な採取技術が必要である *: 先行投与の必要なし 監修 :Dr Mohty Mohty M, et al.:bone Marrow Transplant. 49(7):865-872(2014) 7
販売名 承認番号 日本標準商品分類番号 873399 和名モゾビル皮下注 24mg 洋名 MOZOBIL 22800AMX00724 承認年月薬価基準収載年月販売開始年月 2016 年 12 月 2017 年 2 月 2017 年 2 月 薬価基準収載 一般名 プレリキサホル 国際誕生年月 2008 年 12 月 貯法 : 室温保存 使用期限 : 外箱に表示 禁忌 ( 次の患者には投与しないこと ) 1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 2. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 [ 5. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 の項参照 ] 販売名 有効成分添加物性状 剤形 ph 浸透圧比 組成 性状 モゾビル皮下注 24mg 成 分 1バイアル (1.2mL) 中の分量 プレリキサホル 24mg 等張化剤 ph 調節剤 2 成分 無色 ~ 淡黄色澄明の液 注射剤 6.0~7.5 約 1( 生理食塩液に対する比 ) 効能又は効果 自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員促進 効能又は効果に関連する使用上の注意 臨床成績 の項の内容を熟知し 本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で 適応患者の選択を行うこと 用法及び用量 G-CSF 製剤との併用において 通常 成人にはプレリキサホルとして 0.24mg/kg を 1 日 1 回 末梢血幹細胞採取終了時まで連日皮下投与する 用法及び用量に関連する使用上の注意 (1) 本剤の投与は G-CSF 製剤を 4 日間連日投与した後 各末梢血幹細胞採取実施 9~12 時間前に行う なお 併用薬剤の添付文書を熟読すること (2) 本剤の投与期間は 4 日間までを目安とすること (3) 中等度以上の腎機能障害 ( クレアチニンクリアランス (CLcr)50mL/ 分以下 ) のある患者では 本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため 減量を考慮するとともに 患者の状態をより慎重に観察し 有害事象の発現に十分注意すること [ 薬物動態 の項参照 ] 使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 中等度以上の腎機能障害のある患者 [ 血中濃度が上昇するおそれがある 用法及び用量に関連する使用上の注意 の項参照 ] 2. 重要な基本的注意 (1) 本剤は 造血幹細胞移植について十分な知識 経験を持つ医師のもとで 本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ使用すること (2) 本剤投与中は定期的に白血球数をモニタリングし 白血球数が 50,000/mm 3 を超えた場合には本剤投与の可否を慎重に判断するとともに 適切な処置を行うこと (3) 血小板減少症があらわれることがあるので 本剤投与中は定期的に血小板数をモニタリングし 異常が認められた場合には適切な処置を行うこと (4) ショック アナフィラキシーを含むアレルギー反応及び過敏症があらわれることがあり 特に本剤の初回投与時に多く認められている 本剤投与中は患者の状態を十分に観察し 異常が認められた場合には 適切な処置を行うとともに 症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること 3. 副作用 多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植 (1) 国内臨床試験多発性骨髄腫患者を対象とした国内第 Ⅱ 相臨床試験で 本剤と G-CSF 製剤を併用投与した 7 例中 6 例 (85.7%) に副作用が認められた 副作用は 背部痛 5 例 (71.4%) 頭痛及び下痢各 2 例 (28.6%) 動悸 腹部不快感 腹痛 関節痛 筋骨格痛及び四肢痛各 1 例 (14.3%) であった ( 承認時 ) (2) 海外臨床試験多発性骨髄腫患者を対象とした海外第 Ⅲ 相臨床試験で 本剤と G-CSF 製剤を併用投与した 147 例中 95 例 (64.6%) に副作用が認められた 主な副作用は 注射部位紅斑 30 例 (20.4%) 下痢 27 例 (18.4%) 悪心 24 例 (16.3%) 骨痛 14 例 (9.5%) 疲労 12 例 (8.2%) 錯感覚 11 例 (7.5%) 等であった ( 承認時 ) 非ホジキンリンパ腫に対する自家末梢血幹細胞移植 (1) 国内臨床試験非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国内第 Ⅱ 相臨床試験で 本剤と G-CSF 製剤を併用投与した 16 例中 12 例 (75.0%) に副作用が認められた 副作用は 背部痛 9 例 (56.3%) 下痢及び悪心各 3 例 (18.8%) 頭痛及び関節痛各 2 例 (12.5%) 高尿酸血症 潮紅 ほてり 口の感覚鈍麻 門脈ガス血症 注射部位そう痒感 疲労 発熱 血中乳酸脱水素酵素増加及び血小板数減少各 1 例 (6.3%) であった ( 承認時 ) (2) 海外臨床試験非ホジキンリンパ腫患者を対象とした海外第 Ⅲ 相臨床試験で 本剤とG-CSF 製剤を併用投与した 150 例中 98 例 (65.3%) に副作用が認められた 主な副作用は 下痢 56 例 (37.3%) 注射部位紅斑 44 例 (29.3%) 悪心 26 例 (17.3%) 頭痛 16 例 (10.7%) 骨痛 14 例 (9.3%) 注射部位そう痒感 12 例 (8.0%) 錯感覚 10 例 (6.7%) 等であった ( 承認時 ) 重大な副作用 及び その他の副作用 の発現頻度は多発性骨髄腫及び非ホジキンリンパ腫を対象とした海外第 Ⅲ 相臨床試験における副作用 ( 全 Grade) の集計に基づく なお これら以外の試験あるいは海外市販後に認められた副作用は 頻度不明 とした (1) 重大な副作用 1) ショック アナフィラキシー ( 頻度不明 ) ショック アナフィラキシーがあらわれることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 2) 脾腫 ( 頻度不明 ) 脾破裂( 頻度不明 ) 脾腫 脾破裂があらわれることがあるので 血液学的検査値の推移に留意するとともに 腹部超音波検査等により観察を十分に行い 脾臓の急激な腫大が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと (2) その他の副作用 5% 以上 1~5% 未満 1% 未満頻度不明 精神神経系 消化器 皮膚血液その他 4. 高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下しているので 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること 5. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 (1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと また 妊娠する可能性のある婦人には 本剤の投与中及び本剤投与後一定期間 適切な避妊法を用いるよう指導すること [ 動物実験 ( ラット及びウサギ ) において 催奇形性が認められている ] (2) 授乳中の婦人には 授乳を中止させること [ 本剤の乳汁中への移行は検討されていない ] 6. 小児等への投与低出生体重児 新生児 乳児 幼児又は小児に対する安全性は確立していない [ 使用経験がない ] 7. 過量投与本剤の過量投与に関する情報はない 過量投与が疑われた場合には 患者の状態を十分に観察し 必要な対症療法を実施すること 8. 適用上の注意 (1) 調製前バイアル内に微粒子や変色がないか目視で確認し 異常が認められた場合はそのバイアルは使用しないこと (2) 調製時本剤のバイアルは 1 回使い切りである バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること ( 本剤は保存剤を含有していない ) (3) 投与経路皮下注射にのみ使用すること 9. その他の注意海外の製造販売後において 本剤と G-CSF 製剤を投与した急性骨髄性白血病患者及び多発性骨髄腫患者で 循環血中の腫瘍細胞の増加が認められたとの報告がある 1 バイアル 錯感覚 頭痛 下痢 悪心 不眠症 浮動性めまい 鼓腸 腹痛 嘔吐 腹部膨満 腹部不快感 便秘 消化不良 口内乾燥 口の感覚鈍麻多汗症 紅斑 注射部位反応 関節痛 筋骨格痛 疲労倦怠感 包装 承認条件 悪夢 異常な夢 血管迷走神経性反応 ( 起立性低血圧 失神 ) 白血球増加症 1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し 本剤の適正使用に必要な措置を講じること 2017 年 2 月作成 ( 第 1 版 ) 詳細は添付文書をご参照ください 添付文書の改訂にご留意ください 資料は当社医薬担当者にご請求ください SAJP.PLE.17.02.0000
SAJP.RAS.17.12.3157