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モーニングセミナー   がんの痛みの緩和        平成26年12月1日(月)

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SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

がんの痛みのコントロール

オピオイド

38 龍島靖明 西垣玲奈 赤木徹 他 1 オピオイド製剤処方量の年次推移.A: 注射製剤,B: 徐放性製剤.a: フェンタニル注射剤 : 術後疼痛 がん性疼痛への適応拡大 ( ),b: デュロテップパッチ 院内採用 ( ),c: オキシコンチン, 院内採用 ( )

あなたの痛みについてお話しましょう

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【目的】

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看護に役立つ知っておきたい オピオイドの知識

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痛み目次 1. 痛み治療の基本 3 2. 第 1 段階 (WHO 3 段階ラダー ) 4 3. 第 2 段階 (WHO 3 段階ラダー ) 5 4. 第 3 段階 (WHO 3 段階ラダー ) 6 5. 各オピオイドの特徴 9 6. 経口投与可能な場合のオピオイドの初回処方 副作用対策

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

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Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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抗精神病薬の併用数 単剤化率 主として統合失調症の治療薬である抗精神病薬について 1 処方中の併用数を見たものです 当院の定義 計算方法調査期間内の全ての入院患者さんが服用した抗精神病薬処方について 各処方中における抗精神病薬の併用数を調査しました 調査期間内にある患者さんの処方が複数あった場合 そ

AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

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70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法

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CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

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1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

目 次 WHO 方 式 がん 疼 痛 治 療 法 P.2~3 がん 疼 痛 フローチャート P.4 薬 剤 の 比 較 (NSAIDS オヒ オイト ) P.5 初 回 投 与 量 設 定 内 服 可 能 時 P.6~9 初 回 投 与 量 設 定 内 服 困 難 時 P.10~12 レスキュー P

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Transcription:

H28/12/12 モーニングセミナー がん疼痛コントロールについて がん患者サポートチーム 林章人

痛みのマネジメントの意義 がん患者の痛みは消失させることができる症状であり 消失させるべき症状である そのため すべての診療科の医師が効果的な痛みのマネジメントに取り組むべきである WHO( 世界保健機関 ) は 痛みに対応しない医師は倫理的に許されない と述べている

がん患者の痛みの発生頻度と特徴 終末期がん患者の 2/3 以上で痛みが主症状となり しばしば複数の部位に痛みが起こる もっと早い病期で がん病変の治療を受けている患者の 1/3 にも痛みが発生する 大部分が持続性の痛みである 50% は強い痛み 30% は耐え難いほど強く 不眠をもたらし 食欲を低下させ QOL のすべての側面を妨げるようになる

全人的苦痛 (total pain) がん患者の苦痛は多面的であり 全人的に捉えなければならない身体的苦痛 精神的苦痛 痛み他の身体症状日常生活動作の支障 社会的苦痛 不安いらだちうつ状態 全人的苦痛 (total pain) 経済的な問題仕事上の問題家庭内の問題 スピリチュアルな苦痛 生きる意味への問い死への恐怖自責の念 淀川キリスト教病院編, ターミナルケアマニュアル ( 第 2 版 ), 最新医学社, 1992. Saunders, C.M., ED. The management of terminal illness, 2nd ed. London, Edward Arnold, 1985.

スピリチュアルな苦痛 がんの診断や治療 進行に伴う身体の変化や機能の喪失などにより 日常性の維持が困難となり 他者への依存が増えていかざるを得ない状態に置かれたとき 患者はこれからの生き方や人生の意味や目的などへの問を抱くようになる 患者は自己の価値観の再吟味や 生のあり方を深めることを否応なく求められるようになり苦悩する 人間の心の奥深いところにある究極的 根源的な叫びであり スピリチュアルな苦悩 苦痛である

疼痛のパターン 疼痛のパターンには 大きく分けて 持続痛 (1 日を通してずっと痛い ) と 突出痛 ( 普段の痛みは落ち着いているが 1 日に数回強い痛みがある ) がある 定期投与とレスキュー投与を必ず併用処方しておく

疼痛の性状と特徴 疼痛の性状について特に ぴりぴり電気が走る しびれる じんじんする 疼痛があるかを確認する オピオイドの効果が乏しい神経障害性疼痛である可能性があるため 難治性であり鎮痛補助薬を必要とすることが多い

WHO 方式がん性疼痛治療法の 5 原則 1 経口投与を基本とする 2 時間を決めて定期的に投与する 疼痛時 のみに使用しない ( 定期投与とレスキューを併用する ) 毎食後ではなく 8 時間ごと 12 時間ごとなど一定の間隔で投与する 3WHO ラダーに沿って痛みの強さに応じた薬剤を選択する ( 変更でなく 上乗せ ) 原則として非オピオイド鎮痛薬 (NSAIDs, またはアセトアミノフェン ) をまず投与し 効果が不十分な場合はオピオイドを追加する オピオイドは疼痛の強さによって投与し 予測される生命予後によって選択するものではない 4 患者に見合った個別的な量を投与する 適切な量は鎮痛効果と副作用のバランスが最も取れている量であり 常用量 や 投与量の上限 があるわけではない 5 患者に見合った細かい配慮をする オピオイドについての誤解を解く 定期投与の他にレスキューを指示し 説明する 副作用について説明し 適切な予防および対処を行う

WHO 三段階除痛ラダー

担癌患者が痛みを訴えている がん患者であるから癌性疼痛であろう! WHO ラダーにのっとってすぐに NSAIDs 投与 効果がなければオピオイド! ではなく その前に

それは本当に癌からくる痛みなのかどうか? 痛みの評価を先に行うことが大切

1 疼痛部位の確認 帯状疱疹や 蜂窩織炎 外傷など癌と関連しない疼痛が合併していないか 合併していればそちらの治療を行う 2 疼痛の病歴を確認 10 年前から腰痛持ちです 癌の骨転移ではなく 変形性脊椎症では? 5 年前に手術したあとからです 術後疼痛では? 昨日の夜から急に痛くなった 骨折や 消化管穿孔 感染 出血の有無は? 3 画像検査を確認 疼痛の原因となるがん病変の存在を確かめる 4NSAIDs の投与に備えて 胃潰瘍 腎機能障害 出血傾向の有無を確認 がん以外の痛みの原因があればそちらの原因治療も行う

痛みの評価を行い がん性疼痛と判断したら NSAIDs やアセトアミノフェンの定期投与を行う 鎮痛効果と副作用のバランスを考えて選択すること ジクロフェナクナトリウム ( ボルタレン R ) は鎮痛効果は大きいが 消化管障害が強い 胃潰瘍 腎機能障害があるときにはアセトアミノフェンを投与する 胃潰瘍の予防を行う PPI または H2 ブロッカーを使用する レスキューの指示を出す 疼痛の悪化に備えてレスキューの指示を出しておく 1NSAIDs の 1 日最大投与量を超えない範囲で NSAIDs 1 回分 2 すでに最大投与量に達している場合にはアセトアミノフェンかオピオイドを使用する レスキューが必要な場合は NSAIDs 単独での鎮痛が不十分であるのでオピオイドの導入を検討する

メロキシカム ( モービック ) ナプロキセン ( ナイキサン ) プロクロルペラジン ( ノバミン ) ブプレノルフィン ( レペタン ) フルルビプロフェンアキセチル ( ロピオン )

( ポンタール ) ( ロピオン ) ( ナイキサン ) ( ロキソプロフェン ) ( ボルタレン ) ( ボルタレン SR) ( ボルタレン座薬 )

オピオイドの投与 NSAIDs の投与で疼痛が取りきれなかった場合にオピオイドを投与する 痛みが非常に強い場合には 最初からオピオイドを投与しても良い 経口投与が可能か 腎機能障害があるかを確認 オピオイドは定期投与する 毎食後 や 疼痛時 ではなく 時間を決めて定期的に投与する NSAIDs は中止しないで併用する 腎機能障害のある患者はモルヒネの投与はできるだけ避ける ( 蓄積した代謝産物が有害事象を引き起こすことがあるため ) 嘔気 便秘の予防 ( 症状がなくても最初から投与しておく ) 悪心事の屯用として制吐剤をいつでも使用できる状況にしておく ほとんどの患者に便秘が生じるため オピオイド導入時にあらかじめ下剤を併用する

院内採用麻薬性オピオイド トラマドール 院内採用 トラマール OD 錠 25 mg レスキュー 可能 投与間隔 4~6 時間 最高血中濃度 30 分 ~1.5 時間 その他 ワントラム 100 mg (1 回 / 日内服 ) トラムセット配合錠 ( トラマドール :37.5 mg アセトアミノフェン 325 mg )

モルヒネの副作用と対策

モルヒネの副作用と対策続き

各種オピオイドの副作用について モルヒネフェンタニルオキシコドンブプレノルフィン 投与可能な製剤 経口 貼付剤 経口 坐剤 坐剤 注射 注射 注射 副作用の頻度 嘔気 嘔吐 ++ ± + ++ 便秘 ++ ± ++ ++ 眠気 ++ ± + ++ せん妄 ++ ± + ± 腎障害による影響 +++ - ± ± 堀夏樹 小澤桂子編集 ナーシングケア Q&A11 一般病棟でできる緩和ケア Q&A P77 総合医学社 2006 より抜粋

レスキューの指示 疼痛の悪化に備えて 必ずレスキューの指示を出す 徐放性製剤と同じ種類の速放性オピオイドを用いる 徐放性製剤定期処方 1 日量の 1/6 の速放性オピオイドを 1 回分として処方する 1 日最大投与回数を超えた場合は定期投与の増量を検討する 痛みがあれば内服なら 1 時間 注射なら 30 分あければ何回でも OK と言っています

レスキュードーズの基本 レスキュー経口 1 回量は 基本投与されているオピオイドの 1 日量の 1/6 が基本 1 時間あければ追加投与可 注射なら 1 日量の 1/24(1 時間量 ) が基本 15 分 ~30 分あけて追加投与可 患者の状態によって 調整は必要!! レスキューの効果は Tmax( 最高血中濃度到達時間 : 薬剤の血中濃度が最高に達するまでの時間 ) で評価する!! 体動時は Tmax を利用して食事や入浴 放射線治療などで動く 30~60 分前に使用する

オピオイドのレスキュー計算表

残存 増強した痛みの治療 残存した痛みの治療 1 非オピオイド鎮痛薬 (NSAIDs またはアセトアミノフェン ) を最大投与量まで増量する 2 嘔気や眠気が生じない範囲で 1 日中続く痛みが軽くなるまでオピオイドを増量する オピオイドの投与量に絶対的な上限はない 増量幅は経口モルヒネ換算 120mg/ 日以下の場合は 50% 120mg/ 日以上の場合や 体格の小さい者 高齢者 全身状態が不良の場合は 30% を原則とする 強い痛みの場合は 前日に追加投与したレスキュー使用量の合計量を上乗せしてもよい 増量間隔は 1~3 日 ( フェンタニルパッチは 3 日 ) とする 定期オピオイドを増量したら レスキューも計算して処方しなおすこと 機械的でない場合もあるので レスキュー薬の投与量は鎮痛効果と副作用を評価し 患者の状態に応じて調節することが必要

それでも痛みが続く場合は オピオイドスイッチングを行う オピオイドスイッチングの適応となる状態は鎮痛が十分でない または副作用のためにオピオイドの種類を変更するときである フェンタニル オキシコドン モルヒネ

オピオイド力価表 トラマール 300mg アンペック坐薬 30mg(40mg) 1/5 1/2 オキシコンチン 40mg 2/3 経口モルヒネ 60mg フェントステープ 2mg 1/3 オキファスト注 30mg/d 塩酸モルヒネ注 30mg/d フェンタニル注 0.6mg/d

オピオイド変換表 経口 オプソ (mg/ 日 ) MS コンチン (mg/ 日 ) オキシコンチン (mg/ 日 ) オキノーム (mg/ 日 ) 30 60 120 180 240 20 40 80 120 160 貼付 デュロテップ MT パッチ (mg/ 日 ) 2.1 4.2 8.4 12.6 16.8 フェントステープ (mg/ 日 ) 1 2 4 6 8 坐薬アンペック (mg/ 日 ) 15 30 60 90 塩酸モルヒネ注 (mg/ 日 ) 10 20 40 60 80 注射 フェンタニル注 (mg/ 日 ) 0.3 0.6 1.2 1.8 2.4 オキファスト注 (mg/ 日 ) 15 30 60 90 120 緩和ケアマニュアル 疼痛緩和マニュアルにあります

フェンタニル貼付剤 ( フェントステープ ) への変更のときの注意 フェンタニルパッチの血中濃度が上昇するのに時間がかかるため 変更後 12~24 時間は鎮痛効果が安定しないことが多い 以下のようにする また レスキューの指示を出し 疼痛が悪化したら血中濃度が安定するまでレスキューを使用するように指導する

製剤ごとのオピオイドスイッチのタイミング 前 ( 先行 ) オピオイド製剤 1 日 2 回のオピオイド製剤 1 日 1 回のオピオイド製剤 オピオイド持続注入 フェンタニル貼付剤 変更後 ( 新規 ) オピオイド製剤 フェンタニル貼付剤 オピオイド持続注入 フェンタニル貼付剤 オピオイド持続注入 オピオイド徐放製剤 オピオイド持続注入 フェンタニル貼付剤 オピオイド徐放製剤 オピオイド持続注入 タイミング 先行オピオイドの最終投与と同時に貼付 先行薬の投与時刻に新規オピオイドを開始 ( または半分の流速で開始 6~12 時間後に換算量とする ) 最終の前オピオイド投与 12 時間後に貼付 先行薬の投与時刻に新規オピオイドを開始 先行薬中止と同時に新規オピオイドを開始 貼付後 6~12 時間後まで持続投与を併用 先行オピオイド中止 ( 剥離 ) の6~12 時間後に新規オピオイドを開始先行オピオイド中止 ( 剥離 ) の6~12 時間後に新規オピオイドを開始 ( または 6 時間後に半分の流速で開始 8~12 時間後に換算量とする ) 緩和ケアマニュアル 疼痛緩和マニュアルにあります

それでも痛みがなかなか取れないときは 神経叢浸潤や 脊髄浸潤などの痛み ( ぴりぴり電気が走るような痛み しびれやじんじんする痛みなど ) は NSAIDs やモルヒネの効果が薄い 鎮痛補助薬を使ってみる

有効率は 40~60% 副作用 ( 主に眠気 ) があるので 鎮痛効果と副作用のバランスをとりながら処方すること 保険適応のないものが多いので注意が必要 少量から開始し 効果を見ながら 3~4 日で増量し 眠気が出ない範囲で十分量まで増量する 1~2 週間で効果を判定し 効果がなければ他剤に変更する

最後に 今日の話を要約すると大体こうなります 癌性疼痛であれば NSAIDs アセトアミノフェン開始 ( 痛みが強ければオピオイドから投与することもあります ) そのうえで疼痛コントロール不十分なら NSAIDs アセトアミノフェン増量し NSAIDs アセトアミノフェンのレスキュー投与を行ったり モルヒネなどを併用 ( 切り替えではなく必ず併用してください ) モルヒネ処方の場合は副作用対策とレスキューも忘れずに 内服の場合 レスキューの量はオピオイド 1 日量の 1/6 である 鎮痛効果が弱ければオピオイドスイッチング 鎮痛補助薬追加

ご清聴ありがとうございました