嚥下障害の問題点 食事の条件 1. 安全 : 窒息 誤嚥 食中毒の予防 2. 健康増進および疾病の予防 治療 回復に貢献 3.QOLの向上 : 食べる楽しみ 生きることへの喜びや意欲 嚥下困難の問題点 1. 安全が脅かされる : 窒息 誤嚥 再加工による食中毒のリスク 2. 低栄養 脱水を引き起こす

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保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

2698 ネオハイトロミールNEXT 分包 2699 ネオハイトロミールNEXT 1 包 あたり エネルギー (kcal) 9 カリウム (mg) 8 水分 (g).2 カルシウム (mg) 1 たんぱく質 (g).2 リン (mg) 1 脂質 (g).1 鉄 (mg).1 炭水化物 (g) 2.6

介護の食の課題 1 栄養 ある調査では 65 歳以上の在宅療養患者のうち 7 割以上が 低栄養 低栄養のおそれあり 低栄養低栄養のおそれあり栄養状態良好 37.4% 35.2% 72.7% 27.3% 資料 : 国立長寿医療研究センター 平成 24 年度老人保健健康増進等事業栄養状態の把握に関する調

【0513】12第3章第3節

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身体障害者診断書 意見書 ( 聴覚 平衡 音声 言語又はそしゃく機能障害用 ) 総括表 氏名 年月日生 ( ) 歳 男女 住所 1 障害名 ( 部位を明記 ) 2 原因となった 交通 労災 その他の事故 戦傷 戦災 疾病 外傷名 自然災害 疾病 先天性 その他 ( ) 3 4 疾病 外傷発生年月日年


摂食嚥下障害とは のどの構造 機能と摂食嚥下障害 摂食嚥下 ( えんげ ) とは 食べ物や飲み物を口に取り込んでから飲みこむことを指す言葉で 食べ物を認識し 口に取り込み 咀嚼 ( そしゃく ) して飲みやすい状態にして 飲み込む一連の過程です 摂食嚥下機能は 神経によって制御された筋肉の動きにより

シェイクイット! ダイエットプロテインシェイク ( シリアルフレーバー ) [ID 201-JP] 15,000 ( 税込 ) 植物性タンパク質を主原料に グルコマンナン 穀物 ビタミン ミネラル 乳酸菌などを含む 栄養の偏りがちな現代人におすすめの栄養補助食品です ダイエットのために 1 食分の置

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聴覚・平衡・音声・言語又はそしゃくの機能障害の状態及び所見

栄養情報提供書 医療機関 福祉施設 介護関連施設御中作成日 H. 年月日 主治医 看護師 ST ケアマネージャー 管理栄養士 < 治療食対象の疾患 > 氏名男 女 糖尿病 心臓疾患 M T S H 生年月日年月日 ( 歳 ) 高血圧症 貧血 入院日平成年月日 腎臓疾患 肝臓疾患 身体状況 身長 cm

別記様式第 8 号 ( 第 11 条関係 ) 身体障害者診断書 意見書 ( 聴覚 平衡 音声 言語又はそしゃく機能障害用 ) 総括表 氏 名 大正 昭和 年 月 日生 ( ) 歳 平成 男 女 住所 ( ) 1 障害名 ( 部位を明記 ) 2 原因となった疾病 外傷名 交通 労災 その他の事故 戦傷

(1) 高齢者の特徴加齢による身体機能の低下は人により異なりますが 高齢者の体にさまざまな変化をもたらすと同時に 食生活にも影響を及ぼします このため 高齢者への食生活支援には 身体状況や食事の摂取状況の把握に加え 環境や社会的 経済的要因の他 サービス利用者本人や家族の意向などを考慮した栄養改善計

はじめに 1. 食事調整シート作成の背景がん患者は多様な要因によって食欲低下が起こります そのためがん患者の栄養管理においては 病態や栄養状態はもとより 経口摂取を阻害するさまざまな治療の副作用症状を総合的に考慮して 食事の風味 物性 量 頻度等の調整を行い 食事をおいしく食べやすく調整することが必

食では この発達に合わせ 料理に用いる食材や調味料の種類を徐々に増やしていく また 味覚の発達と合わせて 口腔 歯の発育もみられ 食べ方にも変化が見られる 食べ物を舌で押しつぶしたり歯茎でかんだりできるようになると 食べ物の香りや食感もより感じられるようになる 味や食感 さらには見た目や香り 音など


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他方 個々の家庭の現状を見ると 介護が必要な 高齢者が増加するだけでなく 介護をする立場の人 も高齢化しており 要介護者を支える人の数も 体 力も不足してきていることなどから こうした家庭 環境下では 日常生活の基本的な営みであり 健や かで心豊かな生活を送るために欠くことができない 食生活や食事内

24013 パインアップルすりおろし パインアップルすりおろし エネルギー (kcal) 68 ナトリウム (mg) 10 水分 (g) 83 カリウム (mg) 81 たんぱく質 (g) 0.4 ビタミンC(mg) 48 炭水化物 (g) 16.3 食塩相当量 (g) 0 エネルギー

Ⅵ ライフステージごとの取り組み 1 妊娠期 2 乳幼児期 (0~5 歳 ) 3 学童期 (6~12 歳 ) 4 思春期 (13~19 歳 ) 5 成年期 (20~39 歳 ) 6 壮年期 (40~64 歳 ) 7 高年期 (65 歳以上 ) ライフステージごとの取り組み ( 図 )

認定看護師教育基準カリキュラム

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アレンジ あんをかけると さらに飲み込みやすくなります 材料 (4 人分 ) B だし汁 120 cc 1 小鍋に B を入れ 煮立てる 醤油小さじ 1/3(1.7 cc ) 2 火から下し B を混ぜながら水溶き片栗粉を加える 小さじ 1/2 の場合は 1/2 3 混ぜながら 再度沸騰させ とろみ

Interview 02 vol. 15 vol

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様式第 1 号 (2)( 第 2 条関係 ) 総括表 身体障害者診断書 意見書 聴覚 平衡 音声 言語又はそしゃく機能障害用 氏名年月日生男 女 住所 1 障害名 ( 部位を明記 ) 2 原因となった交通 労災 その他の事故 戦傷 戦災 自然災害疾病 外傷名疾病 先天性 その他 ( ) 3 疾病 外

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せきがはら10月号.ec6

は 4 段階 赤 マークは 3 段階に分けられており これらを直接の利用者だけでなく スマイルケア食 の選択に関係する誰もが利用しやすいよう配慮され た制度が提案されている 図 2 スマイルケア食の選び方 スマイルケア食の選び方 ( 案 ) 平成 27 年 12 月時点 食事に関する悩みがある 最近

ラン君 10 歳 5 2. 口腔ケアの道具 6 原因不明の歯肉炎で食事が摂れなくなった 軟らかいタイプのキャットフードに変えて食べることができるようになり 体調も戻ってきました 粘膜ケアの道具 7 残存歯のブラッシングをするための道具 8 2

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

スライド 1

経管栄養食 アイソカル RTU アイソカルプラス EX ネスレヘルスサイエンス ネスレヘルスサイエンス 1.0kcal/ml の流動食さらにやさしく より確かな安全を 1.5kcal/ml の高濃度流動食 アルギニン配合 アイソカルプラス アイソカル 1K ネスレヘルスサイエンス ネスレヘルスサイエ

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対応策頭部を支持できる車椅子 ( ティルト リクライニング車椅子 ) の使用や介助方法の検討をしましょう 3. 食事を楽しみにしていない 考えられる原因またはこの状態により発生する問題について意識障害 ( 服薬の影響含む ) 認知症 高次脳機能障害 摂食障害 ( 拒食症 過食症 ) 抑うつ状態 薬剤

日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

1 全体の目的のパート 目的 介護予防において なぜ栄養に注意することが必要かを伝えます 中年期の生活習慣病予防のための食事の注意だけでなく 高齢期になってからは低栄養の予防も大切なことをご理解いただきます 重点 食事は単なる栄養補給ではなく 楽しく おいしく食べることが大切であることが伝わるように

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2214kcal 410g 9.7g 1 Point Advice

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1カップ 74gあたり 6311 エネルギー (kcal) ブイ クレスゼリーカップタイプりんご水分 (g) たんぱく質 (g) 脂質 (g) ナイアシン (mg) 1.5 炭水化物 (g) ナトリウム (mg) 22 ビタミンB12(μg)

高齢者の栄養管理

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111 レナケアーサトウの低たんぱくごはん1/25かるめに一膳 1パック 155gあたり エネルギー (kcal) 254 ナトリウム (mg) たんぱく質 (g).16 カリウム (mg) 脂質 (g).6 カルシウム (mg) 9 炭水化物 (g) 62.3 リン (mg) g 2P

つばめ通信 Vol.1 摂食 嚥下障害看護認定看護師活動日のお知ら はじめまして摂食 嚥下障害看護認定看護師の兼本です 今月より嚥下に関わる情報をつばめ通信としてお届けしま 8 月の認定活動日は 8 月 8 日 ( 月 ) 9 時 ~17 時 8 月 24 日 ( 水 ) 9 時 ~17 時となって

1 栄養成分表示を活用してみませんか? 媒体の内容 1 ページ 導入 ねらい : 栄養成分表示 とは 食品に含まれているエネルギー及びたんぱく質 脂質 炭水化物 食塩相当量などを表示したものであることを理解する 栄養成分表示を見たことがありますか? と問いかけ 普段から栄養成分表示を見ているか 見て

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次世代ヘルスケア産業協議会第 17 回健康投資 WG 資料 6 職場における食生活改善の質の向上に向けて 武見ゆかり第 6 期食育推進評価専門委員会委員 ( 女子栄養大学教授, 日本栄養改善学会理事長 )

ソフト食レシピ集

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今日, 超高齢化が伸展する日本社会において, 後期高齢者の 健康寿命 を考える時, 安全に水分補給ができる製品の開発が求められている そして今回, 高齢者及び嚥下障害者の水分補給を可能にする商品開発に常々取り組んでいる会社の製品を活用する機会が与えられた この製品を評価することによって, 今後高齢者

ハウス食品ケアフードニュース

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嚥下食  2

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

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1カップ 74gあたり エネルギー (kcal) 57 ビタミンE(mg) 14 ブイ クレスゼリーカップタイプりんご水分 (g) 59 ビタミンB1(mg) 2.1 たんぱく質 (g) 0.5 ビタミンB2(mg) 2.1 脂質 (g) 0 ナイアシン (mg) 10.5 炭水化物 (

サービス担当者会議で検討し 介護支援専門員が判断 決定するものとする 通所系サービス 栄養改善加算について問 31 対象となる 栄養ケア ステーション の範囲はどのようなものか 公益社団法人日本栄養士会又は都道府県栄養士会が設置 運営する 栄養士会栄養ケア ステーション に限るものとする 通所介護

72 豊橋創造大学紀要第 21 号 Ⅱ. 研究目的 Ⅲ. 研究方法 1. 対象 A B

新しい介護食品 の考え方 平成 26 年 3 月 介護食品のあり方に関する検討会議 定義に関するワーキングチーム 平成 25 年 2 月より 介護関係者や学識経験者等による これからの介護食品をめぐる論点整理の会 ( 以下 論点整理の会 という ) を立ち上げ 同年 7 月に論点が取りまとめられた

摂食・嚥下障害者のためのソフト食レシピ集

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< 嚥下運動とは > 嚥下運動は, 嚥下第 1 期 ( 口腔期 第 2 期 ( 咽頭期 第 3 期 ( 食道期 の 3 期に分けられます. しかし摂食行為を考えた場合, 嚥下運動に先立ち何をどのように食べるかを判断し口腔まで食物を運ぶ先行期 ( 認知期, 食物を捕食し咀嚼し飲み込みやすい食塊 (bo

1 研究の動機中華料理の酢豚にはパイナップルが入っている 以前から 不思議に思っていた その理由をいろいろな人に尋ねてみると ほとんどが 肉を柔らかくするため と答えた 調べてみると パイナップルには 肉の主成分のタンパク質を分解する タンパク質分解酵素 が含まれていることが分かった また 調べるう

第1分野 摂食嚥下リハビリテーションの全体像 1 総 論 2 摂食嚥下のリハビリテー 椿原彰夫 ション総論 Lecturer 川崎医療福祉大学学長 学 習目標 Learning Goals Chapter 1 摂食嚥下とその障害の概念が理解できる 摂食嚥下障害の治療目的がわかる 急性期 回復期 生活

小学校 第○学年 学級活動(給食)指導案

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腫瘍崩壊症候群をきたしたPh1陽性急性リンパ性白血病(ALL)

平成22年1月15日作成 

介護の知識50

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例えば行為の際に使用する ツール について 行為との関連性をわかりやすくするために イベントの p/o である行為の p/o として記述した 咀嚼する 時に使用するツールである 義歯 は 咀嚼する の p/o でありツールロールを担う として記述する オントロジーに記述する概念は 極力看護プロファイ

私の食生活アセスメント

食べることは生きる喜び 食べることは 生きるために欠かせない本能的な欲求ですが 単に空腹を満たすためだけの行為ではなく その意義や重要性と効果が存在します そのため歯科医師は食の支援を日々行っております おいしい と感じる気持ちは喜びにつながる為 精神的に安定し 幸福感を生む事ができます 1. 体は

はじめに Myotonic dystrophy type DM myotonia DM... DM 対象と方法 対象 DM.. ADL 方法 EHD ml g 図 嚥下造影検査評価用紙

1,交付申請と交付事務の流れ

相模女子大学 2017( 平成 29) 年度第 3 年次編入学試験 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 栄養科学部健康栄養学科 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の

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老化と 摂食嚥下障害 口から食べる を多職種で支えるための視点 編著藤本篤士糸田昌隆葛谷雅文若林秀隆 Dysphagia Oral sarcopenia Presbyphagia

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38 第 2 章給食管理の相談 5 保育所での食物アレルギーへの対応のあり方は 相談内容 近年 食物アレルギー児が増加傾向にあります 食物アレルギーは 発育の盛んな乳幼児期に発症する場合が多く 乳幼児に食事を提供する保育所の食物アレルギー対応は 給食管理 献立調製上の重要課題です どのように対応すべ

第3類危険物の物質別詳細 練習問題

嚥下食 Ⅳ 指導用パンフレット 嚥下食 Ⅳ の作り方 歯ぐきでかめる軟らかい食事 水分にとろみを付ける ことがポイントです 調理のコツ 1 硬いもの 煮込む 蒸す つぶす する 2 サラサラした液体 とろみをつける ( とろみ剤の利用 ) 3 バラバラなもの マヨネーズやドレッシングなどの油脂食材や

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(3) 栄養強調表示 ( 一般用加工食品の場合 基準第 7 条第 1 項 一般用生鮮食品の場合 任意表示 ( 第 21 条第 1 項 ) 別表第 12 13) 別表第 に掲げている栄養成分及び熱量を強調する場合は 当該栄養成分の量及び熱量は 別表第 9 の第 3 欄 ( 測定及び算出の方

プリント

c 外傷 腫瘍切除等による顎 ( 顎関節を含む ) 口腔 ( 舌 口唇 口蓋 頬 そしゃく筋 等 ) 咽頭 喉頭の欠損等によるもの d 口唇 口蓋裂等の先天異常の後遺症による咬合異常によるもの ( 注 1) そしゃく機能の喪失 と判断する状態についてそしゃく 嚥下機能の低下に起因して 経口的に食物等

1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

体調がよくない時の食事はどのようなものがいいの? 体調がよくない時でも 食欲があれば普段通りに食べてよいでしょう 食欲がない時には 食べられるものを選びます 比較的食べやすいものとしては 消化がよく 口 あたりの良い 飲み込みやすいものが適しています また 一回の食事で食べられない場合は 数回 に分

摂食・嚥下障害 まず最初に何を見ますか?

Transcription:

加齢に伴う能力低下について とろみ名人の紹介 味覚が衰える 濃い味付けを好む 視力 聴覚 嗅覚 触覚 温覚が衰える 食欲減退 やけど 噛む力が衰える 偏食 栄養バランスの偏り 喉の渇きに鈍くなる 脱水症状 飲み込む力が弱くなる むせる つかえる 唾液の分泌量が減少する 胃に負担 食欲低下 消化液の分泌が減少し 胃腸の働きが低下する 消化不良 下痢 便秘 嚥下障害について 嚥下障害とは口に入ってきた食べ物が食道を通り 胃に送り込まれるまでの一連の動作が なんらかの原因によりうまくいかなくなる 先行期 食べ物が口に入る前の段階 口腔準備期 ( 咀嚼期 ) 口腔期 咽頭期 食道期 食物を口腔内で処理して, 必要なら咀嚼して飲み込みやすい物性に変える時期 舌を使って食物を後方に送り込む時期 ( 食塊を形成 ) 嚥下反射が誘発されてから食塊が咽頭を通過するまで 食道の蠕動運動によって食塊を胃に送りこむまで 声帯 咀嚼 ( そしゃく ) 口に入ってきたものを噛む事によって粉砕する動作のこと 誤嚥 正常 構造的障害 嚥下障害の原因 腫瘍外傷炎症歯槽膿漏食物経路狭窄など 機能的障害 脳血管障害 老衰性機能減退 運動減退性疾患 脳神経炎 糖尿病などによる末梢神経障害 脳性麻痺 重症筋無力症など 心理的障害 うつ病心身症神経性食欲不振認知症など 診察 参考 嚥下障害の評価 1 全身状態 食事場面 2 理学的評価 水のみテスト (WST-R) ゴックンテスト (RSST) フードテスト (FT) 検査 1 嚥下造影 (VF) 2 喉頭鏡 ( ファイハ ースコープ ) 3 血液検査 4 脳断層写真 (X 線 CT MRI CT) 5 圧検査 シンチグラムなど 1

嚥下障害の問題点 食事の条件 1. 安全 : 窒息 誤嚥 食中毒の予防 2. 健康増進および疾病の予防 治療 回復に貢献 3.QOLの向上 : 食べる楽しみ 生きることへの喜びや意欲 嚥下困難の問題点 1. 安全が脅かされる : 窒息 誤嚥 再加工による食中毒のリスク 2. 低栄養 脱水を引き起こす 3.QOLの低下 : 食べる楽しみ 生きる喜び意欲の阻害 嚥下障害食について おいしく 品質管理された 嚥下障害食が必要 高齢者にとって口から食べるということは 生理的楽しみ生きがい 食事の意義 口から食べるための条件整備は重要な課題 1) 栄養摂取 ( 生命 生活活動の維持 ) 2) 食欲 空腹を満たす 3) 生活のリズム 4) 食の楽しみ ( 五感 季節感 文化 地域性 個別性 ) 5) コミュニケーション 食べやすさの 食べにくいもの食べやすいもの 硬い 軟らかい パサパサしている まとまりやすい 咀嚼しにくい 咀嚼しやすい ねばりが強い 粘らない 粘膜に付着しやすい 性状が均質 つるっと勢いよく滑りやすい 異なる性状が混在する 嚥下しやすい食品の条件 1. 口腔内に食品が入った時 付着性がなく 離水がない 付着性 2. 口腔内で 食品表面が滑らかで滑りやすい 3. 食品組織が均一で口腔内でバラけない 凝集性 4. 上顎と下顎の小さな圧力 ( 応力 ) で大きな変形をする 可変性 5. 咽頭通過時 (0.5 秒 ) のゲルーゾル転移が近い 嚥下障害食のあり方 嗜好に合い おいしく感じられるもの 障害に適した物性であること ( 均質性 硬さ 粘度 凝縮性 付着性 可変性など ) 料理として味 香り 色彩 盛り付け 器 温度などが考慮されている 献立として栄養量 組み合わせなどが考慮されている 2

軽度障害 障害レベルと食物の状態 口腔期 咽頭期ともに障害が軽度でほとんど誤嚥の心配がない場合 食べにくい食品や料理を出さないことが基本 ( 食材と調理方法を選ぶ ) 中等度口腔障害 咀嚼しやすく 食塊形成が容易であり 送り込みがしやすいもの 軟らかい半固形物 ゼリー プリンなど少しとろみのついた液体 障害レベルと食物の状態 中等度咽頭障害 咽頭反射が遅いので 咽頭通過のスピードの速すぎるものは危険 ゼリー ピューレなどの半固形体 やや高粘度の液体 重度障害 訓練開始食であり 口に入れた時点で既に嚥下に適した食塊を形成していて 咽頭通過時に可変性のあるもの 軟らかいゼラチンゼリー とろみのある液体 参考 嚥下障害食固めるための食品 1 参考 嚥下障害食固めるための食品 2 寒天 室温で凝固する 温度管理が容易 温度による形状の変化が少ない 比較的短時間で凝固が可能 食塊形成しにくい 変形しない ばらけやすい ゼラチン 適度の軟らかさと弾性がある 変形しやすい 食塊が形成しやすい 体温で溶解する 滑らか 安定するまでに時間がかかる 常温では凝固しない (10 以下で凝固 ) 温度管理が難しい ( 室温で溶解する ) 参考 嚥下障害食とろみをつける食品 片栗粉 葛粉 コーンスターチ 小麦粉 ジャガイモの澱粉が多く使われる 必ず煮たてることが必要 時間の経過や温度変化により離水する また 唾液により分解される 片栗粉と比較するとやや割高であるが 安定したトロミがつく 片栗粉と同様に加熱が必要 唾液により分解される とうもろこし澱粉 片栗粉と同じような 小麦を製粉したもの シチューやグラタンのとろみ とろみ調整用食品について 3

とろみ調整用食品の進化 とろみ調整用食品の成分 0 世代 増粘成分 片栗粉 ( でんぷん ) 使用量 デンプン系 多い 増粘多糖類 グァーガム系 キサンタンガム系 少ない 少ない 第 1 世代 でんぷん 溶けやすさ 第 2 世代 第 3 世代 でんぷん + 増粘多糖類 増粘多糖類 とろみが付く時間安定性透明性 長い 白濁 長い 白濁 短い 透明 とろみ調整食品の役割 目的 : 誤嚥 と 窒息 を防ぐ 機能 : 1 粘度をつけて 凝集性 を高める 2 食塊に適切な 付着性 を与える 3 変形性 の食塊を作り 喉を通過 4 均一な食塊を作る 5 離水のない食塊を作る 6 美味しい食塊を作る とろみ調整食品に求められるサブ機能 1 溶解性 2 美味しい 3 温度依存 4 時間依存 5 速攻性 6 安定性 ダマにならない もとの 水分 や お料理の味 を損なわない 透明 無味 無臭 高い温度でも低い温度でも同じとろみ 一度ついたとろみは時間経過で変化しない 速くとろみがつく 唾液の影響を受けない とろみ名人 品名 とろみ調整食品 原材料名 デキストリン 増粘多糖類 熱量 栄養成分表 (100g あたり ) 316Kcal たんぱく質 0.6g 脂質 0g 糖質 66.1g 食物繊維 24.5g ナトリウム 348mg リン 57.1mg カリウム 1220mg とろみ名人 混ぜるだけでとろみをつけることができます 溶けやすく すばやくとろみがつきます べたつかず キレの良い食感 少量でとろみをつけることができます 温度 時間によるとろみの変化がほとんどありません 食品の味や見た目が変わりません 4

技術資料他社商品との比較データ 少量で特別に高い粘度はつかないが 粘度の調整がしやすく より個人に適した状態が提供できる 粘度のたちあがりは特別早くないが 安定性と安定する早さで 多少品より優れている 特にお茶ではとろみも早くつき 安定も非常に早い のどごし べたつき比較で優れている ダマになりにくさ比較で優れている お茶をおいしく飲める 技術資料他社商品との比較データ 蒸留水では同じ量を入れたとき 他社より粘度が低いという唯一の欠点 お茶をおいしく飲むというコンセプトのため特にお茶がより良い状態になるように調整している 酸性のオレンジジュースやたんぱく質の多い牛乳では他社に劣らない 酸性のものにとろみをつけ 加熱すると データをとった全ての商品で粘度が低下する 酸性の料理などにとろみをつけるときは加熱してからとろみをつけることが重要 参考 とろみがつくのにかかる時間 仕上がり 使用量の目安 水 お茶 (5 ) とろみがつく時間 1~2 分 とろみが安定する時間 対象物 (100ml) 水 お茶 ( 冷 ) ポタージュ状 ヨーグルト状 2.5g ジャム状 3.5g オレンジジュース (5 ) 野菜ジュース (5 ) 1 野菜 果物ジュース 1.5g 3g 牛乳 (5 ) 13 分 20 分 牛乳 1.5g 3g みそ汁 (50 ) みそ汁 2.5g 3.5g 使用上の注意 一度に多量に加えると 溶けにくい場合があります また 一度とろみがついてから さらに加えるとダマになる場合があります 開封後はなるべく早くご使用ください 牛乳や濃厚流動食 酸味の強い果汁飲料には溶けにくいため とろみがつくのに時間がかかります 粉末をそのまま食べないで下さい とろみの状態を確認してからお召し上がりください 本品を使用することで確実に誤嚥が防げるものではありません 5