第 5 学年算数科指導案 中野区立新井小学校平成 28 年 9 月 7 日 ( 水 ) 第 5 校時第 5 学年 2 組 37 名授業者古矢岳史 平成 28 年 9 月 5 日 ( 月 ) 第 4 校時第 5 学年 1 組 38 名授業者梶田智美 研究主題 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 算数科 問題解決学習を通して ~ 1 単元名 合同な図形 2 単元の目標 図形の合同な意味や合同な性質などについて理解し 合同な図形を書くことを 通して 平面図形についての理解を深める 3 単元の評価規準関心 意欲 態度 数学的な考え方 技能 知識 理解 合同という観点で 図形の性質を見直したり 対角線に着目してできる図形をとらえたりして 学習に生かそうとする 合同という観点から 図形の形や大きさを決める要素について考え 図形の性質としてまとめたり統合的にとらえたりすることができる 必要な 対応する辺の長さや角の大きさを用いて 合同な図形を弁別したりかいたりすることができる 図形の合同の意味や合同な図形の性質について理解する 4 学年関連図 4 年 5 年 6 年 2) 角の大きさ 角度の単位 度 分度器を用いた角度の測り方 かき方 三角定規の角の大きさ 6) 合同な図形 合同の意味とその弁別 合同な三角形 四角形のかき方 1) 対称な図形 線対称な図形の概念と性質 点対称な図形の概念と図形 対称性に着目した基本図形の考察 4) 垂直 平行と四角形 垂直 平行の概念と弁別 垂直 平行な直線のひき方 台形と平行四辺形 ひし形の定義と性質 台形と平行四辺形 ひし形のかき方 9) 拡大図と縮図 拡大図の概念と性質 縮図の概念と性質 拡大図 縮図の作図 縮図の利用
5 単元について 児童は 平面図形について 3 年生では二等辺三角形と正三角形の定義 性質や作 図について学習してきた また 角については 2 本の半直線がつくる平面図形として の角を定義し 2 つの辺の開き具合によって形が違うなど 基本的な図形の観察に関 連して 形としての角の概念について基本的なことを学習してきた 4 年生では形と しての角の見方から一歩進めて 回転による半直線の開きの量としての角を扱ってい る また 四角形については 台形 平行四辺形 ひし形などの定義 性質や作図に ついても学習してきた また 合同な図形については 明確に意識してではないが 折り紙を折ったり 切ったり 色板並べをする中で また 正方形や長方形 二等辺 三角形の学習の際には 対角線や線対称の軸で 2 つに折ると ぴったり重なる経験を してきている 本単元では これらのことを踏まえて 合同という視点で図形を考察する まず 図形を重ね合わせる活動を通して 2 つの図形がぴったり重なるとき 2 つの図形は 合同であると定義する また 裏返した形も合同であることをおさえる そして 対 応する辺の長さや角の大きさがそれぞれ等しいことを見出し ぴったり重なる こ とを数学的に捉えていく また 既習図形の台形 平行四辺形を対角線で分解してで きた三角形が合同か調べ 平面図形についての理解を深めていく さらに 合同な三角形や平行四辺形のかき方について学習する ここではすべての 辺や角の大きさを使わなくても三角形の形や大きさが決定されることを見出すこと が大切である 本単元の学習では 図形を実際に操作したり 分解したりするなどの活動を重視し たい このことにより 図形に対する感覚を一層豊かにすることが出来るからである 6 研究主題と単元との関わり 思考力 判断力 本単元は 合同な図形を見つけたり 正確にかいたりするために平面図形の様々な要素 に着目しながら 根拠をもって考えながら活動することが重要である 導入の場面では図形 の要素に着目して合同な平面図形を探す活動を取り入れる そして 合同な図形をかく活動 では 平面図形を決定する要素は何なのかをクラス全体で考える 必要最低限の要素があれ ば平面図形は決定されることを理解し 6 年生の拡大図 縮図や中学校の数学の証明問題の 解決に繋がるような判断力が身につくように指導していく また 既習図形を対角線で分割 してできた三角形が合同であるか調べる活動により 既習図形を合同な三角形の組み合わせ であるという新たな視点をもって今後の学習を進められる 表現力 本単元において考えを表現する際に重要なことは 図形の要素の言葉 ( 辺 AB 角 A 頂点 A など ) を図形と対応させて使うことである 特に対応する辺 角 頂点を取扱う授業の中 で意識的に使い 慣れさせることによって身に付けることができるように指導する そして 合同な図形をかく授業の中で ワークシートを使い 自分のかいた順番を分かりやすくまと められるようにする それを見ながら自分の意見を発表したり 友達の意見を聞いたりする ことにより 筋道を立てて自分の考えを表現できるようにしていく
7 児童の実態本学年の児童は 概ね学習に対して意欲的かつ前向きに取り組むことができるが 基礎的な計算や図形への理解が苦手で 個別に支援を要する児童もおり 学力の差が大きく表れているのが現状である 課題に対しては積極的に取り組み 自分の考えを発表しようとする児童は多い しかし 筋道を立てて理由や根拠を表現できる児童は少数であり 自分の感覚で発言する姿が多く見られる また 文章問題を苦手にする児童が多く 問題の意図を把握しないまま 解決してしまうことがある 問題解決の授業の中で友達の解決の過程を共有することにより 筋道を立てて話す方法や自分との考えの違いなどについて自ら考えることができるように指導を続けている 8 研究主題に迫るための手立て (1) 発問の工夫 ( 児童が自ら考える課題設定 ) 児童に課題意識をもたせるために 児童のつぶやきを拾いながらめあてにつなげる 本時では 形を見て 同じ 似ている などのつぶやきから 同じなのか 全く違う部分があるのか を検証する活動を通して 合同 の意味を理解させたい (2) 比較検討の工夫 ( 話型 話し合いなどの工夫 ) 工夫 2 様々な考えを引き出すための条件の設定本時では合同な図形を探す活動において コンパスや分度器 定規などの算数用具を与えることによって 平面図形を切って重ねる方法だけでなく 平面図形の辺の長さや角の大きさにも着目できるようにする 発表ボードに合同だと思った図形を貼り 合同でない 合同であると思った根拠を書くことにより 集団検討の場面でお互いの考えの共通点や相違点を全体で共有できるようにする また 合同な図形の作図を集団検討する場面では 作図した順番を書き込めるようにワークシートを工夫し 筋道を立てて自分の考えを表現できるようにする
9 学習指導計画と評価規準 ( 全 9 時間扱い本時 1/9) 時目標学習活動主な評価規準小単元名 合同な図形 1 本時 合同 の意味について理解する 与えられた三角形 四角形と形も大きさも同じ形を見つける 合同 の意味を知る 図形を裏返して重ねあわせることが出来るかどうかを調べる 2 頂点 辺 角につい 合同な図形について 重なて 対応する の意りあう頂点 辺 角を調べ味を知り 合同な図る 形の性質について 対応する の意味を知る 理解する 合同な図形の性質をまとめ それを用いて合同かどうかを判別する 3 合同な三角形をか 三角形の構成要素に着目しくのに すべての構て 合同な三角形のかき方成要素を調べる必を考える 要がないことを理 頂点 A の位置の決め方につ 解し 合同な三角形をかくことができる いて考える 4 3つの方法で合同な三角形をかく それぞれのかき方でどの辺や角を使っているかを整理し すべての構成要素を使わなくても合同な三角形をかけることをおさえる 5 適用問題に取り組む 6 三角形との形と大きさが決まる要素の違いをおさえ 合 合同な三角形のかき方を基に 合同な平行四辺形のかき方を考える 同な平行四辺形の 三角形の場合と異なり 4 かき方を理解する つの辺の長さだけでは形が決まらず かけないことを知る 関 形や大きさが同じ図形に関心をもち 合同な図形の調べ方を工夫して考えようとしている 知 裏返してぴったり重なる場合も含めて 合同の意味を理解している 工夫 2 様々な考えを引き出すための条件の設定 考 対応する辺の長さや角の大きさに着目して 合同な図 形の性質について考え 説明している 知 合同な図形は対応する辺の長さ 角の大きさが等しいことを理解している 考 合同な三角形のかき方を考え どの辺の長さや角の大きさを使ってかいたかを説明している 技 合同な三角形をかくことができる 知 すべての構成要素を使わなくても合同な三角形をかけることを理解している 考 合同な三角形のかき方を基に 合同な平行四辺形のかき方を考え 説明している 技 対角線で 2 つの三角形に分けて考えて 合同な平行四辺形をかくことができる
7 平行四辺形やひし 既習の図形を一本の対角線形 長方形 正方形は合同であることを理解する まとめ 8 学習内容を適用して問題を解決する 9 学習内容の理解を確実にする で分割すると どんな三角形ができるか考える 分割してできた三角形について 合同であるかどうか調べる 2 本の対角線で分割したときの三角形について合同であるかどうか調べる たこ形も対角線で分割すると合同な図形ができることを理解する 知 平行四辺形やひし形 長方形 正方形は 対角線のひき方に関係なく 分割してできた三角形は合同であることを理解している 力をつけるもんだい に 技 学習内容を適用して問題を取り組む 解決することができる しあげ に取り組む 知 基本的な学習内容を身につけている 10 本時の指導 (1/9) 9 月 7 日 ( 水 ) 5 校時 5 年 2 組 (1) 目標 形も大きさも同じ図形を見つける活動を通して 合同 の意味について理解する (2) 評価 形や大きさが同じ図形を見つける活動を通して ぴったり重なる 2 つの図形は 合同 であると理解している ( 知識 理解 ) 具体的な児童の姿 操作活動においてはさみやコンパス 定規などを使って 自分なりの方法で合同な図形を探す姿 適用問題においてぴったり重なる四角形を見つけている姿 合同な図形の調べ方を工夫して考え 根拠をもって友達に分かりやすく説明している ( 数学的な考え方 ) 具体的な児童の姿 集団解決の場面で友達と合同であるかどうか話し合っている姿 グループで書いた発表ボードをもとに根拠を明確にしながら分かりやすく説明している姿
(3) 展開 主な学習内容 教師からの支援 ( ) と評価 ( ) 問題把握 1 問題を把握する T: 後ろに置いてある三角形を持って 1 人 1 枚持って来よう C1: 隣の人の三角形 僕のものと似てる C2: 同じ三角形だよ C1: いや 少し違うよ T: 今 形が 似ている とか 同じ と言っていましたが 今日は 同じ 形を探そう 何を使ったら探せるかな C3: はさみで C4: 定規 配慮を要する児童への手立て ( ) 二等辺三角形 直角三角形 三角形をそれぞれ 2 種類ずつ計 6 種類の合同な三角形を様々な種類の用紙やプラスチック板にかいたものを用意しておく 工夫 1 児童自ら問題解決に向か う発問の工夫 工夫 2 様々な考えを引き出すための条件の設定 形も大きさも同じ三角形を見つけよう 集団解決 2 見た目で似ている三角形のグループに分かれる T: まず 見た目でだいたい同じだと思う三角形のグループに分かれよう T: それでは調べてみよう 似てる ではだめですよ 正確に 形も大きさも同じ三角形を見つけよう T: 形も大きさも同じ三角形を見つけたら どうして違ったのか または同じだと思ったのか 調べたこと やったことをグループボードに全部書きましょう C2:3 つの辺の長さが同じだから 同じだと思うよ C3:3 つの角度も辺の長さも同じだから 同じだと思うよ 調べ方を全体で共有することにより 見通しをもって集団解決に取り組めるようにする 二等辺三角形 直角三角形 三角形の3つのグループに分かれる 教師の方から大体似ている形の 3 グループに分ける 定規 コンパス 分度器 はさみを使い 辺や角にも着目して調べられるように助言する グループごとに 三角形をまとめて貼り 調べた方法や合同だと思った理由を発表シートにまとめさせる 自分の図形は自分で算数用具などを使って確かめるように声かけをする 集団検討 3 グループごとに合同だと思った理由を発表する T: 発表シートを使って なぜ同じ形だと思ったのか発表しましょう C4:3 つの辺の長さが全て同じなので同じ形です C5:3 つの辺と角度が全て同じなので 同じ形です 4 切り取った三角形を重ねて 確かめてみる 合同な図形の調べ方を工夫して考え 根拠をもって友達に分かりやすく説明している ( 関心 意欲 態度 ) 切り取った三角形を用意しておき 合同か確かめる
まとめ 5 今日のまとめをする T: 今日分かったことは何ですか 児童の発言を取り上げて 本時のまとめにつなげる 合同な三角形をさがすには 色々な方法がある 適用問題 6 合同の意味を確認する T: それでは今度は切り取った四角形を配るので 合同な四角形を探しましょう 図形をぴったりと重ねあわせることによって 合同の意味の理解を深められるようにする 形や大きさが同じ図形を見つける活動を通して ぴったり重なる 2 つの図形は 合同 であると理解している ( 知識 理解 ) 11 板書計画 9/7 〇みんなの意見 問題 形も大きさも同じ三角形を見つけよう 〇使える道具 コンパス 定規 分度器 ぴったり重なり合う図形 合同な三角形をさがすには 色々な方法がある 12 教室配置計画 ( 家庭科室 ) 分度器 見学者 様々な形や大きさの 三角形を散らばせて 置いておく コンパス定規はさみ 黒板