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平成 29 年 8 月 8 日 国道 33 号の渋滞緩和にご協力ください! ~ 経路変更によるお盆の渋滞回避 ~ 愛媛県渋滞対策協議会 ( 議長 : 松山河川国道事務所長 ) では GW 及びお盆期間中において国道 33 号が混雑する事から 昨年よりドライバーの皆様に渋滞の回避及び緩和の為 経路変更


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資料3-4

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と案 目的地を探したら ルートを設定します ルートが設定されると案内がはじまりますので ルート案内にしたがって走行してください 検索した地点を確認 設定する 52 現在の条件でルートを探索する 52 ルートの確認や設定をする 52 検索した地点の位置を修正する 53 検索した地点をルート上に追加する

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1) 庁舎位置の中心性建設候補地の評価 比較添付資料 1 人口重心との位置関係 候補地 1 現庁舎敷地 直線距離 250m 直線距離 1.4Km 候補地 2 都市広場 直線距離 1.3Km 候補地 3 鳥栖スタジアム第 4 駐車場 この地図は国 地理院の電 地形図を使 したものです 1

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3 整備費用設定ルートの通過区間の標高データ等を基に 整備が想定される高架橋やトンネルといった施設の構造種別と数量を推計し 近年開業した九州新幹線や北陸新幹線等の事例から推計した単価を乗じた整備費用の総額は 約 2.7 兆円となる ( 図表 3 参照 ) この整備費用は 現行の財源スキームでは 運行

2) 豊予海峡ルートの必要性 意義こうした国土形成の視点から豊予海峡ルートの必要性 意義としては 新たな地域拠点の形成や広域防災 広域観光 産業連携 定住促進等の面で大きな波及効果が期待される 特に 九州と四国とを結ぶ国際的な特色のある観光軸の形成によるインバウンド観光客の増加等は ゼロサムではない

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例えば お客様へのサービス提供の提案 検討として 1 予測通行量を生かした受発注システム (POS) 2 客層にあった商品の取扱 棚割検討 販促手法の検討 3 広告 宣伝の手法 位置の検討 4 出店立地の検討 5 配車サービスへの利用 6 自動運転車におけるエネルギー補給ポイントの案内として 都市計

サービス施設の立地する確率が 50% 及び 80% となる自治体の人口規模 小売 宿泊 飲食サービス 生活関連サービス 金融 学術研究 教育 学習支援 医療 福祉 対企業サービス 0~2,000 人 2,000~4,000 人 4,000~6,000 人 6,000~8,000 人 8,000~1

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1. 活力国土 地域ネットワークの構築 高速自動車と並行する自専道 (A' 路線 ) としての位置づけあり 地域高規格道路の位置づけあり 当該路線が新たに拠点都市間を高規格幹線道路で連絡するルートを構成する 当該路線が隣接した日常活動圏中心都市間を最短時間で連絡する路線を構成する 現道等における交通

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道路を賢く使う取組 IT を活用した 賢い物流管理 について ETC2.0 で物流効率化 WIM で過積載の取締強化 深刻なドライバー不足が進行 30~39 歳 22% 30 歳未満 9% 40~49 歳 32% 50 歳以上 37% 物流効率化 トラックドライバーの 約 4 割が 50 歳以上 一

発表内容 1. 背景 2. 測定方法 3. 測定結果 4. 考察 5. まとめ この発表は 国土交通省鉄道局より受託実施した デュアルモードシステム等の鉄道分野における環境負荷に関する調査 での調査資料の一部を整理したものである 2

Transcription:

NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路探索を行うことができます また 道路 + 船モード 鉄道 + 航空モード 道路 + 鉄道モード では 交通手段を組み合わせた経路探索を実行することができます さらに フルモード では全てのモードによる経路探索を一度に実行することができます ( 表 1-1) 表 1-1 NITAS の交通モード一覧 人流 ( 旅客移動 ) 物流 ( 貨物移動 ) 道路モード 鉄道モード 航空モード 道路 + 船モード 鉄道 + 航空モード 道路 + 鉄道モード フルモード 道路モード 鉄道モード 船モード 航空モード 道路 + 船モード 国際物流モード フルモード 1

(2) 起終点の設定 起終点の設定 とは どこから( 起点 ) どこまで ( 終点 ) の経路探索を行うかを設定するものです NITAS では 1 つの起点から複数の終点間 ( もしくは複数の起点から 1 つの終点間 ) の経路探索や 複数の起点から複数の終点間の経路探索を 1 度に実行することができます NITASには 様々な輸送拠点 公共施設の他 物流に関わる拠点やメッシュ ( メッシュ中心 ) を収蔵しており その中から起終点を設定することができます ( 表 1-2) また 地図上から任意の地点を起終点として設定し 経路探索を行うこともできます 表 1-2 NITAS で収蔵している起終点一覧 輸送拠点 公共施設物流拠点メッシュ 鉄道駅 空港 港湾 高速道路 IC 高速バス停留所 県庁 市区町村役所 学校 病院 消防署等 その他 任意の座標 トラックターミナル 卸売市場 貨物鉄道駅 海外国際空港 2 次メッシュ (2 次メッシュ中心 ) 3 次メッシュ (3 次メッシュ中心 ) 2

(3) 経路探索条件の設定 NITASでは 経路探索の条件として 所要時間最小 費用最小 距離最小 一般化費用最小 が設定できます 例えば 所要時間最小 の経路探索では 起点から終点間で所要時間が最小となるルートを探索し その結果を出力します 図 1-1は 国土交通省と都道府県庁間において 経路探索条件を 所要時間最小 費用最小 として 全ての交通モードでの経路探索計算を行い 各起終点間において所要時間もしくは費用が最小となる交通手段の時間圏域図を示しています 国土交通省 ~ 青森県庁間の探索結果をみると 所要時間最小 の場合 飛行機を利用した経路が所要時間最小となり 国土交通省から 3 時間以内で青森県庁まで到達できる結果になっています 一方 費用最小 では自動車を利用した経路が費用最小となり この場合は青森県庁までの到達時間は 15 時間以上という結果になります ( 図 1-1) なお 経路探索結果における利用交通手段は 探索結果として出力される経路探索結果ファイルで確認することができます 飛行機利用 自動車利用 経路探索条件 : 所要時間最小 経路探索条件 : 費用最小 図 1-1 経路探索条件による国土交通省 ~ 都道府県庁のアクセス時間圏域図の比較 (NITAS Ver.2.2 を用いて作成 ) 3

(4) ネットワークの設定 ネットワークの設定 とは 経路探索を行うためのネットワークを設定するものです NITAS では 現況ネットワークのほか 将来と過去の道路 鉄道ネットワークを対象とした経路探索を行うことができます さらに 任意の道路 鉄道区間を経路探索のネットワークを対象外 ( 不通過 ) とした経路探索を行うことも可能です 1) 将来ネットワークの設定 NITAS にはあらかじめ 将来の高規格幹線道路および地域高規格道路のネットワークを収蔵しており 現況道路ネットワークとの組合せにより将来道路ネットワークでの経路探索を行うことができます また ネットワーク編集機能 を用いて 地図上から任意の新規道路を追加することができるため 構想路線等 NITAS に収蔵していない道路を追加した道路ネットワークを作成し 経路探索を行うこともできます 鉄道ネットワークについても 中央新幹線や整備新幹線のネットワークを収蔵しており 現況鉄道ネットワークとの組合せによる将来鉄道ネットワークの経路探索を行うことができます 2) 過去ネットワークの設定道路ネットワークについては 過去の有料道路の開通状況を再現したネットワークを設定し 経路探索を行うことができます ( ただし 一般国道等の有料道路以外は現況ネットワークでの経路探索になります また 速度や料金は現況の値が適用されます ) また 鉄道ネットワークについても 過去の新幹線の開業状況を再現したネットワークを設定し 経路探索を行うことができます ( ただし 新幹線以外は現況ネットワークを対象とした経路探索になります また 運賃は現況の値が適用されます ) 3) 不通過区間の設定 不通過区間の設定 とは NITAS の経路探索用の鉄道 道路ネットワークのうち一部の道路区間や鉄道駅間を不通過とする ( 経路探索の対象外とする ) 設定を行うものです 不通過区間の設定を行うことで 例えば 災害時の道路区間の途絶等を考慮したネットワークでの経路路探を行うことができます 4

不通過区間の設定は 以下の 3 つの方法で行うことができます 表 1-3 NITAS における不通過区間の設定方法 設定方法対象ネットワーク内容 1 有料道路区間 鉄道駅間単位の設定 2 道路種別 幅員単位の不通過区間の設定 3 地図上から設定 (NITAS Ver.2.4 からの新規機能 ) 道路ネットワーク ( 有料道路 ) 鉄道ネットワーク道路ネットワーク道路ネットワーク リストから有料道路の IC 間単位または鉄道路線の駅間単位で不通過とする区間を設定します 道路種別または幅員単位 ( 緊急輸送道路モードのみ ) で不通過とする区間を設定します 地図上から不通過とする道路区間を設定します 有料道路以外の道路も設定することができます 以下は 首都高速道路を不通過にした場合とそうでない場合 ( 通常時 ) の国土交通省 から各市区町村 ( 市役所 町役場 ) までの所要時間の分布を示しています ( 図 1-2) 通常時 ( ゾーン : 市区町村 道路 所要時間最小 ) 都市高速道路を不通過にした場合 ( ゾーン : 市区町村 道路 所要時間最小 ) 図 1-2 国土交通省から市区町村への時間圏域図 (NITAS Ver.2.2 を用いて作成 ) 5

(5) 道路走行速度の設定道路に関する経路探索では 道路種別に道路走行速度を設定し 経路探索を行うことができます 道路走行速度の設定値を変更して経路探索を行うことで 夕方ラッシュ時や災害時など渋滞時の分析を行うことができます 以下は 国土交通省 ~ 各地域 (3 次メッシュ中心 ) の道路ネットワークによる平均旅行速度と混雑時の旅行速度 ( ここでは平均旅行速度の 80% として設定 ) による経路探索結果を示しています ( 図 1-3) 平均旅行速度 ( ゾーン :3 次メッシュ フルモード 所要時間最小 ) 混雑時 ( 平均旅行速度の 80% とした時 ) ( ゾーン :3 次メッシュ フルモード 所要時間最小 ) 図 1-3 道路走行速度の低下による国土交通省へのアクセス時間圏域図の縮小 (NITAS Ver.2.2 を用いて作成 ) さらに NITAS Ver.2.4 では 地図上から任意の道路区間の速度を設定できるように 機能改善を行いました この改善により NITAS に収蔵している道路ネットワークに対 して より詳細な道路走行状況の再現や想定を考慮して経路探索を行うことができます 6

2. 経路探索結果の出力経路探索の実行後 経路探索ルートにおける所要時間や費用等の経路探索結果のファイルが出力されます この経路探索結果ファイルには 以下のような情報を収録しています 経路探索結果ファイルの収録項目 起終点座標 総距離 総一般化費用 各経路別所要時間 アクセス イグレス時間 総所要時間 総費用 乗換え経路 各経路別距離 乗換え時間 また 道路を利用したモードの場合には 経路地図ファイルを出力し 地図上に移動ル ートを表示することもできます ( 図 2-1) 移動ルート 図 2-1 移動ルートの表示 7

3. 経路探索結果の可視化経路探索結果をもとに 時間や距離等の一定の条件 ( 例えば起点から 10 分圏内 ) に基づいた地図 ( 圏域図 ) を表示することができます これにより 中心都市への所要時間や距離の分布状況が視覚的に把握でき 地域間での交通サービスレベルの分析等に活用することができます 圏域図の表示区分は 都道府県 市区町村 2 次メッシュ 3 次メッシュ から選択できます 以下は 各地域から国土交通省にどれくらいの時間で到達できるかを表示区分別にしています ( 図 3-1) 都道府県 市区町村 2 次メッシュ ( 約 10km 四方 ) 3 次メッシュ ( 約 1km 四方 ) 図 3-1 ゾーン区分による国土交通省へのアクセス時間圏域図の比較 ( フルモード 所要時間最小による経路探索 )(NITAS Ver.2.2 を用いて作成 ) 8

4. 統計データとの組合せによる分析 NITASは 人口等の統計データを収蔵しています この統計データと経路探索結果を用いて ある一定条件内 ( 例えば 起点から 30 分圏域内等 ) の人口や事業者数を算出することが可能です 以下は 各地域 (3 次メッシュ中心 ) から国土交通省へのアクセス時間圏域図と各圏域内の人口と事業所数の算出例を示しています ( 図 4-1) 圏域ごとの人口分布 圏域 10 分圏 20 分圏 30 分圏 人口 ( 人 ) 678,300 4,635,576 10,104,08 圏域ごとの事業所数 ( 従業者 100 人以上 ) 圏域 10 分圏 20 分圏 30 分圏 事業所数 4,595 7,824 9,755 ( ゾーン :3 次メッシュ フルモード 所要時間最小 ) 図 4-1 国土交通省へのアクセス時間圏域図と統計データとの組合せによる分析例 (NITAS Ver.2.2 を用いて作成 ) なお 旧バージョン (NITAS Ver.2.3) では NITAS 収蔵データ以外の統計データをシ ステムで利用することはできませんでしたが NITAS Ver.2.4 では他の統計データを NITAS に取り込めるように機能改善を行いました 9