!ANSWERS!? HEK? 問題解説 10 THE GOAL OF THE DAY 溶解速定数に影響を及ぼす因子についてわかる 溶解速定数を計算で求められる 溶解速 固形薬物の溶解速を表す次式に関する記述の正誤について答えよ ks( ) 溶解速 ただし におけるを 固形薬品の表面積を S その溶媒に対する溶解を みかけの溶解速定数を k とする 1 この式は界面反応過程が律速であるとして導かれたものである 2 この式は Newon 式と呼ばれる 3 溶媒の量を増加しても 溶解速は変化しない 4 k は温 粘及び撹拌条件に依存するが 溶解液の容積には依存しない 5 固体薬物を粉砕して粒子径を小さくすれば Sが増大して 溶解速は大となる 6 加温すれば 一般に拡散定数と溶解が大となり 拡散層の厚さが小となるので 溶解速は大となる 7 拡散定数は粘に比例するため 溶媒の粘が増加すると 溶解速は大となる 8 撹拌速を大きくすると 拡散層が小さくなるので溶解速は大となる 9 同一薬物の種々の塩を比較するとき がより大きい塩は 他の条件が同一なら 溶解速がより大きい 10 と共にが増加すると 溶解速は小となる 溶解が次の溶解速式に従って起こるものとする 固体の表面積が一定の場合 次の記述の正誤に答えよ ks( ) ただし におけるを 固形薬品の表面積を S その溶媒に対する溶解を 見かけの溶解速定数を k とする 11 =0 のとき 差は となる 12 差 (-) は 1 次速に従って低下する 13 縦軸に - 横軸にをとると直線のグラフが得られ 傾きより k が求められる 14 縦軸に - の自然対数 横軸にをとると直線のグラフが得られ 傾きより k が求められる 15 縦軸にの自然対数 横軸にをとると直線のグラフが得られ 傾きより k が求められる
!ANSWERS! 解説 1 溶解速 溶解速ってなに? ここで物 ( 可溶性 ) が溶けるのをイメージして下さい 物 ( 可溶性 ) を水の中に入れる 溶けた! ( 溶解 )? 実は 溶解する過程には 2 段階あるんです それが界面反応過程と拡散過程です この拡散過程が律速段階のときに成り立つ溶解速式をノイエス ホイットニー式といいます 薬物の形が壊れる 界面反応過程 薬物が均一に拡がる 拡散過程 律速段階 均一になって初めて溶解したという 均一な溶液 溶解速式 ( ノイエス ホイットニ - 式 ) = k S S : 固体の表面積 : 固体の溶解 : 後における溶液の k : みかけの溶解速定数 溶けやすさのこと薬物固有溶解しやすいと k 大溶解しにくいと k 小 溶けやすさを表す溶解速定数 k は溶媒の容積 V 温 T 溶媒の粘 η 攪拌条件 δ に影響を受けるんです! それぞれ詳しくみていきましょう < 溶媒の容積 V> 容積が小さいと 均一なに すぐなる! V 小 V 拡がりやすい拡がりにくい 大 k 小 大 溶解速 小 V 大 容積が大きいと 均一なに なりにくい < 温 T> T 小 T 拡がりにくい拡がりやすい 小 k 大 小 溶解速 大 T 大 温 で 対流がおこる! ( かきまぜ効果 ) < 粘 η> サラサラしていて 拡がりやすい η 小 η 拡がりやすい拡がりにくい 大 k 小 大 溶解速 小 η 大 ドロドロしていて 拡がりづらい
!ANSWERS! 解説 2 < 拡散層の厚さ δ> 拡散層はどこにあるの? 溶解の拡散過程において 固体のは徍々に広がって均一なになっていきます 拡散過程の途中の状態を断面でみてみると 右図のように 固体の周りには飽和層や拡散層 (δ) 均一層があります 均一層拡散層 (δ) 飽和層固体 この拡散層 (δ) の大小で溶解速が速いか 遅いかがわかります スクリューを回転させて 溶液をかき混ぜてみましょう! 速い速でかき混ぜたら 早くが均一になりますよね すると 均一層が大きくなり その下にある拡散層が小さくなっていきます 均一な溶液 すべて均一層 スクリューの回転遅い スクリューの回転速い 均一層 小 拡散層 (δ) 大 大 δ 小 小 k 大 小溶解速大 均一層 大 拡散層 (δ) 小 以上の結果から溶解速を速くしようと思ったら 1 溶媒量の減尐 V 小 2 温上昇 T 大 δ 小 大 3 溶媒の粘の低下 η 小 δ 小 4 撹拌速の増大 δ 小 5 薬物の粉砕 Sw( 比表面積 ) 大 6 溶け始め (-) 大 7 溶解の増加 大 d( 粒子径 ) 大 Sw( 比表面積 ) 小 d( 粒子径 ) 小 Sw( 比表面積 ) 大 6 は溶解との差が大きい溶け始めの方が 溶け終わりよりも溶解速が大きい! ということなんですが 拡散過程におけるとのグラフを使ってみていきましょう 溶け始め 溶け終わり 差 大 差 小 (-2) 2 (-1) がたつにつれてが上昇し 飽和 () まで上昇したら一定となる 1 0 2
!ANSWERS! 解説 3 溶け始め固体が一生懸命とけようとして溶解速 大 グラフより溶解と差 (-) が 大 溶け終わり固体はほとんど溶けてしまって溶解速 小 グラフより溶解と差 (-) が 小 7 も 6 と同じ考え方です 溶解 が大きいほど 差 (-) が大きいため 溶解速が大きい! これもグラフを使ってみていくと 差 大 大 (-1) 小 差 小 (-1) 1 1 溶解速は グラフの問題も出題されるので しっかり公式とペアでわかるようにしておきましょう 溶解しやすいと k 大ある固体があります 溶解しにくいと k 小この個体は すっごく溶けやすいのか ちょっとしか溶けないのか知りたい! そんな時 固体が溶けやすいか溶けにくいかの目安である溶解速定数 (k) を見ればすぐわかるんです だから 計算で kが求められると便利ですね! < 溶解速定数 (k) の求め方 > 回転円盤法 錠剤を用いた実験 ( 回転円盤法 ) や粉末を用いた実験から k を求めでいく方法です 圧縮形成した固体を 円盤に充填して回転させる方法ですが この円盤を使うのには理由があります それは溶解する固体の表面積 S を一定にするためです 溶解速は今日の最初でも学習した ノイエス ホイットニー式 を使います ノイエス ホイットニー式 = k S ( - ) 回転円盤法を使っているので 表面積 S 一定 k =k S 回転円盤法 水に接している面積 が常に一定 (S 一定 ) = k ( - ) あれ? この式って 物理化学の反応速論で勉強した 1 次反応式と似てない?? そうなんです! 実は S 一定という条件にすると 1 次反応っぽくなっちゃうんです
!ANSWERS! 解説 4 ノイエス ホイットニー式と 1 次反応式を比較しながら見てみましょう! 速式 = k ( - ) ノイエス ホイットニー式 (S 一定 ) 速式 = 1 次反応 との関係式 との関係式 (-)= e -k' (-) =o e -k 対数をとる 対数をとる ln(-)=ln-k k =ln-ln(-) k = ln ln(-) /2 ln -k =-k S ln=lno-k ln /2 lno -k ln = k ln k =k S 半減期 半減期 1/2 = k = k 1/2 = k グラフの縦軸 切片 傾きは大切なので しっかり答えられるようにしておきましょう! 1 拡散過程が律速 2 ノイエス ホイットニーの式 3 溶媒量 V にも依存 4 5 6 7 粘に反比例 8 9 10 11 12 13 14 15