0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生

Similar documents
コンピュータグラフィックス第8回

Microsoft Word - NumericalComputation.docx

DVIOUT-SS_Ma

パソコンシミュレータの現状

航空機の運動方程式

Microsoft Word - thesis.doc

航空機の運動方程式

1 対 1 対応の演習例題を解いてみた 微分法とその応用 例題 1 極限 微分係数の定義 (2) 関数 f ( x) は任意の実数 x について微分可能なのは明らか f ( 1, f ( 1) ) と ( 1 + h, f ( 1 + h)

Microsoft PowerPoint - pr_12_template-bs.pptx

Microsoft PowerPoint - e-stat(OLS).pptx

FEM原理講座 (サンプルテキスト)

画像類似度測定の初歩的な手法の検証

Chap2.key

p tn tn したがって, 点 の 座標は p p tn tn tn また, 直線 l と直線 p の交点 の 座標は p p tn p tn よって, 点 の座標 (, ) は p p, tn tn と表され p 4p p 4p 4p tn tn tn より, 点 は放物線 4 p 上を動くこと

円筒面で利用可能なARマーカ

2015-2017年度 2次数学セレクション(複素数)解答解説

Microsoft Word - 1B2011.doc

学習指導要領

コンピュータグラフィックス第6回

Microsoft PowerPoint - 9.レンダリング2.pptx

05 年度センター試験数学 ⅡB () において,cos q 0 であるから,P ( cos q, sin q) より, 直線 OP を表す方程式は y sin q sin q x cos q cos q x すなわち, (sin q) x - (cos q) y 0 ( ) ク 点 O,P,Q が

Microsoft PowerPoint - 10.pptx

チェビシェフ多項式の2変数への拡張と公開鍵暗号(ElGamal暗号)への応用

< BD96CA E B816989A B A>

断面の諸量

受信機時計誤差項の が残ったままであるが これをも消去するのが 重位相差である. 重位相差ある時刻に 衛星 から送られてくる搬送波位相データを 台の受信機 でそれぞれ測定する このとき各受信機で測定された衛星 からの搬送波位相データを Φ Φ とし 同様に衛星 からの搬送波位相データを Φ Φ とす

vecrot

2011年度 大阪大・理系数学

Microsoft Word - 微分入門.doc

平成 年 月 7 日 ( 土 第 75 回数学教育実践研究会アスティ 45 ビル F セミナールーム A 札幌医科大学 年 P ab, を正の定数とする 平面上において ( a, を中心とする円 Q 4 C と (, b を中心とする円 C が 原点 O で外接している また P を円 C 上の点と

スライド 1

数学 Ⅲ 微分法の応用 大学入試問題 ( 教科書程度 ) 1 問 1 (1) 次の各問に答えよ (ⅰ) 極限 を求めよ 年会津大学 ( 前期 ) (ⅱ) 極限値 を求めよ 年愛媛大学 ( 前期 ) (ⅲ) 無限等比級数 が収束するような実数 の範囲と そのときの和を求めよ 年広島市立大学 ( 前期

OCW-iダランベールの原理

カメラレディ原稿

Microsoft Word - 付録1誘導機の2軸理論.doc

Microsoft PowerPoint - 10.pptx

2011年度 東京大・文系数学

重要例題113

2011年度 筑波大・理系数学

Probit , Mixed logit

PowerPoint プレゼンテーション

ディジタル信号処理

1.民営化

2017年度 長崎大・医系数学

Microsoft Word - 素粒子物理学I.doc

横浜市環境科学研究所

2018年度 東京大・理系数学

1/10 平成 29 年 3 月 24 日午後 1 時 37 分第 5 章ローレンツ変換と回転 第 5 章ローレンツ変換と回転 Ⅰ. 回転 第 3 章光速度不変の原理とローレンツ変換 では 時間の遅れをローレンツ変換 ct 移動 v相対 v相対 ct - x x - ct = c, x c 2 移動

3 数値解の特性 3.1 CFL 条件 を 前の章では 波動方程式 f x= x0 = f x= x0 t f c x f =0 [1] c f 0 x= x 0 x 0 f x= x0 x 2 x 2 t [2] のように差分化して数値解を求めた ここでは このようにして得られた数値解の性質を 考

Microsoft Word - CMS_Colorgraphy_Color_Space_Calc.doc

2018年度 神戸大・理系数学

DVIOUT

様々なミクロ計量モデル†

微分方程式による現象記述と解きかた

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

行列、ベクトル

1/12 平成 29 年 3 月 24 日午後 1 時 1 分第 3 章測地線 第 3 章測地線 Ⅰ. 変分法と運動方程式最小作用の原理に基づくラグランジュの方法により 重力場中の粒子の運動方程式が求められる これは 力が未知の時に有効な方法であり 今のような 一般相対性理論における力を求めるのに使

PowerPoint プレゼンテーション

図 5 一次微分 図 6 コントラスト変化に伴う微分プロファイルの変化 価し, 合否判定を行う. 3. エッジ検出の原理ここでは, 一般的なエッジ検出の処理内容と, それぞれの処理におけるパラメータについて述べる. 3.1 濃度投影検出線と直交する方向に各画素をスキャンし, その濃度平均値を検出線上

頻出問題の解法 4. 絶対値を含む関数 4.1 絶対値を含む関数 絶対値を含む関数の扱い方関数 X = { X ( X 0 のとき ) X ( X <0 のとき ) であるから, 絶対値の 中身 の符号の変わり目で変数の範囲を場合分けし, 絶対値記号をはずす 例 y= x 2 2 x = x ( x

1/30 平成 29 年 3 月 24 日 ( 金 ) 午前 11 時 25 分第三章フェルミ量子場 : スピノール場 ( 次元あり ) 第三章フェルミ量子場 : スピノール場 フェルミ型 ボーズ量子場のエネルギーは 第二章ボーズ量子場 : スカラー場 の (2.18) より ˆ dp 1 1 =

Microsoft PowerPoint - 三次元座標測定 ppt

曲線 = f () は を媒介変数とする自然な媒介変数表示 =,= f () をもつので, これを利用して説明する 以下,f () は定義域で連続であると仮定する 例えば, 直線 =c が曲線 = f () の漸近線になるとする 曲線 = f () 上の点 P(,f ()) が直線 =c に近づくこ

学習指導要領

数学 ⅡB < 公理 > 公理を論拠に定義を用いて定理を証明する 1 大小関係の公理 順序 (a > b, a = b, a > b 1 つ成立 a > b, b > c a > c 成立 ) 順序と演算 (a > b a + c > b + c (a > b, c > 0 ac > bc) 2 図

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

8. 自由曲線と曲面の概要 陽関数 陰関数 f x f x x y y y f f x y z g x y z パラメータ表現された 次元曲線 パラメータ表現は xyx 毎のパラメータによる陽関数表現 形状普遍性 座標独立性 曲線上の点を直接に計算可能 多価の曲線も表現可能 gx 低次の多項式は 計

Chap2

<4D F736F F D DC58F498D5A814091E6318FCD814089E6919C82C682CD89BD82A92E646F63>

画像解析論(2) 講義内容

補足 中学で学習したフレミング左手の法則 ( 電 磁 力 ) と関連付けると覚えやすい 電磁力は電流と磁界の外積で表される 力 F 磁 電磁力 F li 右ねじの回転の向き電 li ( l は導線の長さ ) 補足 有向線分とベクトル有向線分 : 矢印の位

モデリングとは

Microsoft PowerPoint - 9.pptx

2008 年度下期未踏 IT 人材発掘 育成事業採択案件評価書 1. 担当 PM 田中二郎 PM ( 筑波大学大学院システム情報工学研究科教授 ) 2. 採択者氏名チーフクリエータ : 矢口裕明 ( 東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻博士課程三年次学生 ) コクリエータ : なし 3.

Microsoft PowerPoint - CGによる画像生成.pptx

データ解析

構造力学Ⅰ第12回

Microsoft PowerPoint - 9.pptx

2018年度 2次数学セレクション(微分と積分)

PowerPoint Presentation

20~22.prt

学習指導要領

Microsoft PowerPoint slide2forWeb.ppt [互換モード]

Microsoft Word - 卒業論文.doc

Microsoft PowerPoint - 第3回2.ppt

2010年度 筑波大・理系数学

反射係数

Microsoft Word - 補論3.2

2013年度 九州大・理系数学

静的弾性問題の有限要素法解析アルゴリズム

<4D F736F F D2097CD8A7793FC96E582BD82ED82DD8A E6318FCD2E646F63>

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように

連続講座 断層映像法の基礎第 34 回 : 篠原 広行 他 放射状に 線を照射し 対面に検出器の列を置いておき 一度に 1 つの角度データを取得する 後は全体を 1 回転しながら次々と角度データを取得することで計測を終了する この計測で得られる投影はとなる ここで l はファンビームのファンに沿った

高ゼミサポSelectⅢ数学Ⅰ_解答.indd

( 慣性抵抗 ) 速度の 2 乗に比例流体中を進む物体は前面にある流体を押しのけて進む. 物 aaa 体の後面には流体が付き従う ( 渦を巻いて ). 前面にある速度 0 の流体が後面に移動して速度 vとなったと考えてよい. この流体の質量は単位時間内に物体が押しのける体積に比例するので,v に比例

喨微勃挹稉弑

一方, 物体色 ( 色や光を反射して色刺激を起こすもの, つまり印刷物 ) の表現には, 減法混色 (CMY) が用いられる CMY の C はシアン (Cyn),M はマゼンタ (Mgent),Y はイエロー (Yellow) であり, これらは色の 3 原色と呼ばれるものである なお, 同じシア

経済数学演習問題 2018 年 5 月 29 日 I a, b, c R n に対して a + b + c 2 = a 2 + b 2 + c 2 + 2( a, b) + 2( b, c) + 2( a, c) が成立することを示しましょう.( 線型代数学 教科書 13 ページ 演習 1.17)

2016年度 筑波大・理系数学

Microsoft Word - 町田・全 H30学力スタ 別紙1 1年 数学Ⅰ.doc

Transcription:

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生まれ, コンピューテーショナルフォトグラフィ ( 計算フォトグラフィ ) と呼ばれている.3 次元画像認識技術の計算フォトグラフィへの応用として, ここでは NN を用いた画像生成手法である NN ベースレンダリングによる手法を紹介する. 2.4.1 仮想画像生成の原理 先に述べた NN ベース照度差ステレオは物体の拡散反射係数および表面法線ベクトルを推定する手法であるが, 物体の見えを生成する目的にも NN を使用することで, リアルな画像生成を行うことが可能となる. これを NN ベースレンダリングと呼ぶ. NN ベースレンダリングは Phong モデルや Torrance-Sparrow モデルのようなパラメトリック反射特性関数を使用することなく, 任意の光源方向および任意の視線方向における物体の仮想画像をリアルに生成する手法である. ある面素の明るさは光源方向ベクトル s, 表面法線ベクトル n および視線方向ベクトル v=(0,0,1) のなす角で決定される. 入射角 i, 反射角 e, 位相角 g はそれぞれ次式のように n, s, v の関数となる. i cos e cos 1 1 g cos ( n s) ( n v) 1 ( v s) (2.11) 反射特性 R は図 2.10 に示す i, e, g および拡散反射係数 る. の関数として表すことができ

36 x 軸および y 軸の周りにそれぞれ回転させて与えられるマーカ点の座標 (x, y) は方位角 a と天頂角 bにより以下のように与えられる. (x, y) = (r cos b sin a, r sin b) (3.13) 2 軸の周りにマーカの回転後の位置において, 対応する傾きからその明るさを計測することで仮想球の状態を生成することができる. 仮想球ができれば NN 学習を行うことができるため, 形状既知物体なしで形状復元が可能となる.NN の出力は仮想球上の座標を与えることができる. 前述の方法と同様に 4 光源 ( 各姿勢につき画像 4 枚ずつ ) で観測するものとしが, うち 1 光源はマーカ点のキャリブレーションのため, 視点と同じく真正面からの照明配置とする. 反射率の影響は除去してから NN 学習するものとする. e 1 (x, y) = e 2 (x, y) = e 3 (x, y) = { e 4 (x, y) = E 1 E 2 E 3 E 4 (3.14) マーカ点は真正面からの照明のもとで法線ベクトルが視線方向と一致する点で輝度最 大となる条件を用いる. すなわち, 局所的に真正面からの照明のもとで明るさ最大の点は, n=s(s=v でもあるため n = v) となる点となる. マーカの各位置において明るさを観測しながら,NN 学習の入力に用いるが, このとき, キャストシャドウなどの状態になるデータ ( 明るさと位置 (x, y) の情報 ) は除外する必要が ある. 観測した状態から仮想球を生成する際に, ノイズを除去することを目的として, 補間および滑らかな明るさ E j (x, y) の分布を得ることが望ましい. そのために NN 学習のマッピン グを (x, y) から E j (x, y) として学習を行う. このようにして仮想球は以下のように構成する ことができる. 図 3.12: 生成された 4 光源分の仮想球 ( 例 )

50 (a) 初期化 known {0}, far{ }, trial {} (b) 近傍 4 点の決定 known {0}, far{ }, trial {A, B, C, D} (b) ABCD の中で最小値を選択 known {0, A}, far{ }, trial {B, C, D } (b) 近傍 4 点の仮値を決定 known {0, A}, far{ }, trial {B, C, D, E, F, G} 図 3.31: FMM の処理手順 FMM のアルゴリズムは以下のようになる. まず, を以下の差分式に置き換える. p 2 + q 2 = 1 E 2 1 (3.40) ( ) 2 + ( ) 2 = (3.41) ただし = = 1 = 1 = 1 = 1

060 先の 3.2.5 の方法では, 反射率が一様な物体を対象とした方法であるが, 以下では,3.2.5 の方法との相違として, 複数のカラー反射率をもつ物体を対象に, その相違を考慮した処理 [45][46] を紹介する. まず図 3.39(a) の入力画像に対して,RBG 空間での色の相違をもとにした RGB 軸で各点の値をプロットし, その結果からクラスタリング処理によりカラークラスタリングを行う. クラスタリングの結果から, 図 3.39(b) のように色の領域分割 ( セグメンテーション ) を行う. (a) カラー物体画像 (b) カラークラスタリング 図 3.39: カラー物体画像とカラークラスタリング ここでカラークラスタリングを行う際には,RGB の範囲を [0,1] の範囲で正規化し, 正規化 RGB 空間でクラスタリングし, 領域に分割する方法を採用する. 図 3.39 の対象物体に対して RGB 空間でのプロットは図 3.40(a) のようになり, 正規化 RGB 空間でのプロットは図 3.40(b) のようになる. 領域分割したそれぞれの領域について, 反射率の相対的な比率とともに,RGB の組み合わせからモノクログレイスケールの輝度 Y を得るために変換式 (3.49) を用いた.

84 式 (3.101) において絶対値記号を用いているが, 変動幅 わる境界においても微分可能であるゆえ いて新たな は投影される物体の はが正から負に変 における面の連続性は保たれる. この式を用 を求めるときに, 係数 a は固定し係数 b のみを変化させる. なお, 画像に の値から f=0 を満たす解 に対応して明るさ E が構成されているが, ある反復段階での が必ず存在するように反復を行う必要がある. つまり図 3.52 のように必ず f の最小値となるように, 次の段階で得られるの取り得る 範囲を反復係数 b を変化させることによって制約する. これは以下の理由による. ある面素の傾きが光源方向に対して大きくなっていくと, となり, ある点で となり f=0 の解が存在しなくなる. 対象物体が単一凸物体という仮定を用いると 画素の位置が不動点よりも遠くなるほど の値は小さくなるので, 輪郭線上で であればその内側でも同様に成り立つていると考えられる. 式 (3.101) において b の値が小さいときには変動幅 が大きくなり, 面素の傾きも急激に変化するため輪郭線 上で 線上の全ての面素で となる点が出てくることがある. そこで b の値を徐々に大きくしていき輪郭 ることにする. この b の値は反復ごとに設定し直す. となった時点でそのときの b の値を反復の係数として採用す の値はが 2 次方程式となっており, 必ず 2 つの実根をもつため,2 次方程式を解 いて解 Z を定めてそれを f に代入することにより求められる. ( の実根が 2 つ存在する理由 ) を固定した場合には独立変数は Z のみになり, は (υ は面素からレンズ中心方向への単位ベクトル ) (3.102) とすればと等価になり, は式 (3.103) のの 2 次方程式として表される. { ( ) ( ) {( ) ( ) } { ( ) ( ) } } { {( ) ( ) } {( ) ( ) } {( ) ( ) } {( ) ( ) } } (3.103) 式 (3.103) での値を変化させるとき, は画素の傾きであるから不変,υ も各面素固有の値であるため不変となり s のみが変化することになる. レンズ中心と光源の位置は異なることから s は式 (3.104) を満たす範囲で連続的に変化する. (3.104) この範囲の境界では s ± υ となるがこのとき式 (3.102) は (3.105)

115 (a) 球物体 (b) テスト物体 図 3.91: 復元結果例 同様な目的の研究に Tankus が提案した方法 [64] がある.Tankus は天頂角 α, 方位角 β の 光源方向における Lambert 反射特性においては = p sin α cos β q sin α sin β+cos α p 2 +q 2 +1 (3.152) であるため, これをもとに p 2 + q 2 = ( p sin α cos β q sin α sin β+cos α E ) 2 1 (3.153) の形に展開できるため, 式 (3.153) の右辺の値を反復ごとに更新することで修正する方法を提案している. すなわち, 初期状態では真正面からの平行光線照明を仮定して復元するが, 復元した Z 分布をもとに数値差分により得られる傾き (p, q) 分布をもとに, 反復時に現在の各点の (p, q) の値を用いて右辺の値を与えることで右辺をより正しいものに更新して解く方法である.Tankus の方法 [64] による実行例を図 3.92 に示す. (a) 1 回目 (b) 3 回目 (c) 8 回目 図 3.92: Tankus の方法による復元結果例