問 題

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PowerPoint プレゼンテーション

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中学 1 年生 e ライブラリ数学教材一覧 学校図書 ( 株 ) 中学 1 年 数学 文字式式の計算 項と係数 中学 1 年 数学 次式 中学 1 年 数学 項のまとめ方 中学 1 年 数学 次式の加法 中学 1 年 数学 77

平成 30 年度 前期選抜学力検査問題 数学 ( 2 時間目 45 分 ) 受検番号氏名 注 意 1 問題は, 表と裏にあります 2 答えは, すべて解答欄に記入しなさい 1 次の (1)~(7) の問いに答えなさい (1) -3 (-6+4) を計算しなさい 表合計 2 次の (1)~(6) の問

学習指導要領

(1) 具体的な場面を通して正の数と負の数について理解し, その四則計算 (1) 正の数と負の数について具体的な場面での活動を通して理解し, その ができるようにするとともに, 正の数と負の数を用いて表現し考察する 四則計算ができるようにする ことができるようにする ア 正の数と負の数の必要性と意味

Microsoft Word - スーパーナビ 第6回 数学.docx

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7 命題の仮定 三角形の合同条件 図形の性質を記号で表すこと 41

学習指導要領

学習指導要領

都道府県名

学習指導要領

学習指導要領

【】 1次関数の意味

20~22.prt

学習指導要領

 

学習指導要領

都道府県名

二等辺三角形の性質 (2) 次の図の の大きさを求めなさい () = P=Q P=R Q 68 R P (2) (3) 五角形 は正五角形 = F 50 F (4) = = (5) === = 80 2 二等辺三角形の頂角の外角を 底角を y で表すとき y を の式で表しなさい y 2-5-2

学力スタンダード(様式1)

教科に関する調査の各問題の分析結果と課題 (3) 中学校数学 B

学習指導要領

平成 31 年度 前期選抜学力検査問題 数学 ( 2 時間目 45 分 ) 受検番号氏名 注 意 1 問題は, 表と裏にあります 2 答えは, すべて解答欄に記入しなさい 1 次の (1)~(7) の問いに答えなさい (1) 3 (-2 2 ) を計算しなさい 表合計 2 次の (1)~(6) の問

学習指導要領

2019年度 千葉大・理系数学

重要例題113

埼玉県学力 学習状況調査 ( 中学校 ) 復習シート第 3 学年数学 組 番 号 名 前 ( 数と式 を問う問題 ) 1 次の計算をしなさい レベル 6~8 1 (27x-36y+18) (-9) 答え 2 15x 2 y 5xy 2 3 答え 2 次の各問いに答えなさい レベル 9 10 (1)

Math-quarium 練習問題 + 図形の性質 線分 は の二等分線であるから :=:=:=: よって = = = 線分 は の外角の二等分線であるから :=:=:=: よって :=: したがって == 以上から =+=+= 右の図において, 点 は の外心である α,βを求めよ α β 70

2015 年度新中学 3 年数学 春休みの課題 3 年組番氏名

2015年度 岡山大・理系数学

Ⅱ 平成 28 年度みえスタディ チェックの結果 分析 ( 中学校数学 ) 1 集計結果 (1) 平均正答率及び領域別平均正答率 平均正答率 領域別 数と計算 量と測定 図形 数量関係 第 1 学年第 1 回 61.2% 61.1% 52.7% 46.8% 66.8% 数と式 図形 関数 資料の活用

中2テスト06

2013年度 九州大・理系数学

Math-Aquarium 例題 図形と計量 図形と計量 1 直角三角形と三角比 P 木の先端を P, 根元を Q とする A 地点の目の位置 A' から 木の先端への仰角が 30,A から 7m 離れた AQB=90 と なる B 地点の目の位置 B' から木の先端への仰角が 45 であ るとき,

中学 1 年数学 ( 東京書籍 ) 単元別コンテンツ一覧 単元ドリル教材解説教材 確認問題ライブラリ (OP) プリント教材 教材数 :8 問題数 : 基本 40, 標準 40, 挑戦 40 正の数 負の数などの問題を収録 解説教材 :3 確認問題 :3 数直線 数の大小と絶対値などの解説 確認問題

Taro-1803 平行線と線分の比

karisuutyuu25 指導カリキュラム(指導語い・表現)一覧表 数学 中学校用

Taro-@いわてスタンダード中数20

2016年度 九州大・理系数学

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学習指導要領

平成 24 年度岡山県学力 学習状況調査 数学解答類型分類表 解答類型分類にかかる留意事項 数学における学習到達度をみることが目的であるので, 誤字脱字などの文字表現の不備については, 広く許容する 基本的に意図が伝われば許容する 文章表現についても広く許容する てにをはの誤りや

2016年度 筑波大・理系数学

埼玉県学力 学習状況調査 ( 中学校 ) 復習シート第 3 学年数学 組 番 号 名 前 ( 図形 を問う問題 ) 1 レベル 6~8(H28 埼玉県学力 学習状況調査 ) 答え 度 2 レベル 9 10 (H28 埼玉県学力 学習状況調査 ) 答え

二次関数 1 二次関数とは ともなって変化する 2 つの数 ( 変数 ) x, y があります x y つの変数 x, y が, 表のように変化するとき y は x の二次関数 といいます また,2 つの変数を式に表すと, 2 y x となりま

テレビ講座追加資料1105

2017年度 長崎大・医系数学

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

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1 次の (1) から (4) までの各問いに答えなさい (1) ' を計算しなさい (2)2#(-5 2 ) を計算しなさい 中数 A 1

るかどうか, そして, その予想した事柄を ~は, になる という形で表現できるかどうかをみるものである 正答率は, 48.1% であり, 発展的に考え, 予想した事柄を ~は, になる という形で表現することに課題がある (3) 学習指導に当たって 事柄を予想することを大切にする数や図形について成

FdData中間期末数学2年

中学 3 年数学 ( 東京書籍 ) 単元別コンテンツ一覧 単元ドリル教材解説教材 確認問題ライブラリ (OP) プリント教材 教材数 :17 問題数 : 基本 145, 標準 145, 挑戦 145 多項式と単項式の乗法 除法 式の展開 乗法公式などの問題を収録 解説教材 :6 確認問題 :6 単項

2014年度 センター試験・数学ⅡB

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第 1 問 2 問題のねらい三角形の形状と三角比に関する命題について, その探究過程の会話文を読みながら, 命題の条件を変えるなどして論理的 発展的に考察する問題である 得られた結果を基に批判的に検討し, 概念を広げたり深めたりする力を問う オ焦点化した問題を目的に応じて数学における基本 72.4

平成25年度全国学力・学習状況調査:調査問題の内容/中学校/数学A|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

平成 0 年度高校 1 年 ( 中入 ) シラバス予定 授業計画月単元 項目内容時数 10 節三角形への応用数学 Ⅱ 1 章方程式 式と証明 1 節整式 分数式の計算 1 正弦定理 2 余弦定理 三角形の面積 4 空間図形の計量 参 内接円の半径と三角形の面積 発展 ヘロンの公式 1 整式の乗法と因

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

ひょうごつまずきポイント指導事例集について 次ページ 示 ポイント 過去 全国学力 学習状況調査 結果 うち 特 課題 あた問題をも 作成したひう 状況調査 等 結果 明 したも あ 各学年 領域 共通 内容 特 課題 見 単元 関 内容 構成しい た4ページ~5ページポイントをも 各領域 やそ 学

ひょうごつまずきポイント指導事例集について 次ページ 示 まポイント 過去 全国学力 学習状況調査 結果 うち 特 課題 あた問題をも 作成したひょうま 状況調査 等 結果明 したもあ 各学年 領域 共通 内容 特 課題 見 単元 関 内容 構成しいま また4ページ~5ページ まポイントをも 各領域

数学 Ⅲ 無限等比級数の問題解答 問 1 次の無限級数の和を求めよ (1) (5) (2) (6) (7) (3) ( 解 )(1) 初項 < 公比 < の無限等比級数より収束し (4) (2) (3) その和は ( 答 ) であるから 初項 < 公比 となっている よって 収束し その和は よって

指導上のポイント 場面を図に表して数量の関係を的確に捉える指導今回の調査結果において 問題文に出てきた数値を形式的に処理してしまう児童や 無解答だった児童が 全体の約 3 割いたことを踏まえると 以下の指導が必要となる 1 テープ図や線分図を活用して 加減の相互関係を視覚的に捉えることができるように

2015-2017年度 2次数学セレクション(複素数)解答解説

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2018年度 東京大・理系数学

( 表紙 )

< 図形と方程式 > 点間の距離 A x, y, B x, y のとき x y x y : に分ける点 æ ç è A x, y, B x, y のとき 線分 AB を : に分ける点は x x y y, ö ø 注 < のとき外分点 三角形の重心 点 A x, y, B x, y, C x, を頂

【】三平方の定理

図形と証明 1 対頂角 a = b ( 証明 ) a+ c= 180 なので a = c b+ c= 180 なので b = c 1 2 1,2 から a = b a と b のように 交わる直線の向かい合う角を対頂角といいます 等しいことは 当然のように見えますが 証明とは

2014年度 千葉大・医系数学

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2018年度 岡山大・理系数学

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平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

2017年度 千葉大・理系数学


平成 3 0 年度前期選抜学力検査 数学 ( 1 0 時 ~ 1 0 時 4 5 分, 4 5 分間 ) 問題用紙 注 意 1. 開始 の合図があるまで開いてはいけません 2. 答えは, すべて解答用紙に書きなさい 3. 問題は, からまでで, 6 ページにわたって印刷してあります 4. 開始 の合

. 角の二等分線と調和平均 平面上に点 を端点とする線分 と を重ならないようにとる, とし とする の二等分線が線分 と交わる点を とし 点 から に垂直に引いた直線が線分 と交わる点 とする 線分 の長さを求めてみよう 点 から に垂直な直線と および との交点をそれぞれ, Dとする つの直角三

< BD96CA E B816989A B A>

中学校第 3 学年数学科学習指導案 日 時 平成 25 年 月 日 ( ) 第 校時 対 象 第 3 学年 学校名 立 中学校 1 単元名 式の計算第 1 章式の計算 2 単元の目標文字を用いた簡単な多項式について 式の展開や因数分解ができるようにするとともに 目的に応じて式を変形したりその意味を読

STEP 数学 Ⅰ を解いてみた から直線 に下ろした垂線の足を H とすると, H in( 80 ) in より, S H in H 同様にして, S in, S in も成り立つ よって, S in 三角形の面積 ヘロンの公式 in in 辺の長

2015年度 金沢大・理系数学

学習指導要領

2011年度 大阪大・理系数学

平成 24 年度全国学力 学習状況調査 解説資料 中学校数学 平成 24 年 4 月 国立教育政策研究所教育課程研究センター

【FdData中間期末過去問題】中学数学1年(比例と反比例の応用/点の移動/速さ)

2018年度 筑波大・理系数学

【FdData中間期末過去問題】中学数学1年(項と係数/加法と減法/乗法と除法)

49 川崎市立中学校 平成 30 年度 学習診断テスト 数学科 誤答分析と学習指導上の考察 川崎市教育委員会 川崎市立中学校長会 数学科調査委員会

Taro-H29結果概要(5月25日最終)

( ) 除法の意味や割合の意味を理解することに課題があります 例 )A3(1) 120 cmの赤いテープの長さが白いテープの長さの 0.6 倍に当たるとき 二つのテープの長さの関係を表している図を選ぶ 県 31.3%( 全国 34.0%) A8 犬を飼っている 8 人が学級全体の人数の 25% に当

Transcription:

数学 出題のねらい 数と式, 図形, 関数, 資料の活用 の 4 領域について, 基礎的な概念や原理 法則の理解と, それらに基づき, 数学的に考察したり, 表現したり, 処理したりする力をみることをねらいとした () 数と式 では, 数の概念についての理解の程度, 文字を用いた式を処理したり, 文字を用いて式に表現したりする力, 目的に応じて式を変形する力をみるものとした () 図形 では, 平面図形や空間図形についての理解の程度, 見通しをもって論理的に考察し表現する力をみるものとした () 関数 では, グラフの特徴についての理解の程度, 関数関係を見いだし表現する力, 関数と図形を関連付けて考察する力をみるものとした (4) 資料の活用 では, 目的に応じて収集した資料を整理し, その資料の傾向を読み取るために必要な力, 具体的な事柄について起こり得る場合を順序よく整理して正しく数え上げ, 不確定な事象の確率を求める力をみるものとした 結果の概要 () 平均点 (50 点満点 ) の推移 平均点.8 7.9 8.5. 0. () 問題数の推移 数と式 7 0 0 図形 9 6 6 5 5 関数 4 4 5 5 5 資料の活用 4 () 正答率の推移 数と式 67.5 4. 54.6 6. 47.4 図形 4.7 0.0. 7.4 0.6 関数 56.7 40.6 4. 4. 50.8 資料の活用 7.4 5. 4.7 48.9 9.5

結果の分析 () 平均点は.8 点で, 昨年度より.9 点上がった 数と式 の正答率は 67.5%, 関数 の正答率は 56.7% で, それぞれ昨年度より上がったが, 依然として課題がみられる また, 図形 の正答率は 4.7%, 資料の活用 の正答率は 7.4% であり, 課題が大きい () 分析の詳細 数と式 の () は, 次式と分数の除法の問題であったが, 正答率は 7.5% であり, 十分理解できているとは言えない 誤答の約 8% が 9x-4, 約 6% が x-4 としており, 除法を乗法に直すことはできているものの, 分配法則を使って正しく計算することができていない の () は, 文字を含む等式の変形の問題であったが, 正答率は 46.5% と低かった 誤答では, 60-4a が約 8% と最も多く, b を a の式で表せ という問いに対する答 え方と解法の手順が理解できていない また, b= の形まで変形できているものの, 最も簡単な形まで処理していない 60-4a が誤答の約 % あり, 分母と分子の共通 因数で約分できていない ( 指導事例 参照 ) の (4) は, 平方根について述べられた 4 つの文から, 内容が正しいものをすべて選ぶ問題であったが, 正答率は 5.% であった 選択肢別の選択率をみると, ア から順に 87.5%,.4%,7.%,.0% であり, 選択肢ごとの正誤を判断する力は一定みられるものの,4 つ全ての正誤を正しく判断することは不十分であり, 正答率は下がる傾向がみられた 図形 の (9) の作図の正答率は,5.9% であり, 昨年度 (0.7%) に比べて上がったが, 十分ではない 誤答の約 7% が, 線分 AD ではなく線分 AB の垂直二等分線を作図しており, 問題文から条件を正確に読み取り, 順序立てて考え, 作図することができていない の () は, 問題文から読み取った中心や半径, 中心角をもとに, おうぎ形の面積を求める問題で, 正答率は 7.% であった () は半径の異なる つのおうぎ形の弧の長さを求める過程を言葉と式で説明する問題で, 正答率は 9.8% と低かった 問題文で示された手順を読み取って, 描かれた曲線を半径の異なるおうぎ形の弧としてとらえることができていない 6 の () の証明問題の正答率は 7.% であり, 昨年度と同等の低い結果となった 部分点率は 6.5% であり, 合同を証明するための つの条件のうち, 問題文から等しいことが分かる 組の辺と, 同じ弧に対する円周角から等しいことが分かる 組の角については, 一定記述することはできている しかし, 円周角の性質や与えられた平行条件をもとに, 等しい角を考えることや, 等しい理由を正しく記述することに課題がみられる 関数 の (5) は, 関数 y=ax において, 与えられた x の変域に対応する y の変域を求める 9 問題であったが, 正答率は 5.% と低い結果となった 誤答の約 4% が a=8,b=, 9 約 6% が a=,b=8 であり,x の値に対応する y の値を求めることはできているも のの, 関数 y=ax のグラフの形をもとにして y の変域を考えることができていない グラフをもとに,y の変域を考える視点をもたせることが必要である 資料の活用 4 は, つのさいころを投げて出た目の数を,O を原点とする平面上に 点 P,Q の座標としてとり, 点 O,P,Q を頂点とする三角形の形状をもとに確率を求める問題であった () の正答率は 7.0%,() の正答率は 48.8%,() の正答率は.8% と, それぞれ低い結果となった それぞれのさいころの出た目の数によって, 点 P,Q の位置がどのように変わるのか, また, 三角形 OPQ の形状がどのように変わるのかを考えるとともに, 起こり得るすべての場合の組み合わせを, 順序よく整理して正しく数え上げることが大切である

数学指導事例 実際の問題 () 本 a 円の鉛筆 4 本と 本 b 円のボールペン 本を買ったときの代金の合計は,60 円で 結果分析 あった このとき,b を a の式で表せ 正答例は b=80-a であったが, 正答率は 46.5%, 誤答率 49.0%, 無答率 4.5% であった 誤答では, 文字 b 以外の 4 a と 60 のみで立式したと考えられる 60-4a が約 8% と 最も多く, b を a の式で表せ という問いに対する答え方とその答えに至るまでの解法の手順が 理解できていないと考えられる また, b= の形まで変形できているものの, 最も簡単な形ま 60-4a で処理していない が誤答の約 % あり, 分母と分子の共通因数で約分できていない 指導方法 ( 指導の改善 ) 問題の特徴 この問題は, 数量及び数量の関係を問題文から読み取り, 文字を用いて式に表現したうえで, 目的に応じてきまりに従って変形することを求めた問題であった 文字を用いた式については, 数量やその関係を簡潔 明瞭かつ一般的に表現でき, それを目的 に合うように形式的に処理できることが求められる その際, 文字は数を表していることと, 数 についての計算法則がそのまま適用され, 数と同じように計算できることを十分理解させておく ことが必要である 具体的な指導事例 () 事柄や数量の関係を捉え, その関係を文字を用いた式で表すことの理解 問題文を読んで, どのような数量を, どのような文字を用いてどのように表せばよいのか を考え, それらの数量の関係を読み取り, その関係を文字を用いた式で表現させる そのた めには, 関係を図に表したり, 具体的な数や言葉を使った式を利用したりして関係を捉え, 文字を用いた式で表す活動を取り入れることが考えられる () 文字を用いた式を, 目的に応じて変形することと, 変形する意味の理解 ある文字について解くことの意味を理解させ, 等式を変形できるように指導する そのた めに, つ以上の文字を含む等式の変形では, 式を変形する目的を明確にした上で, 等式の性 質などの根拠に基づいて正しく変形する場面を設定する 具体的には, 本 b 円のボールペン 本の代金は, どう表せるか などの場面を設定し, b=60-4a などの同値の式を考えることを通して, 等式の性質が成り立つことを確認す る そして, ボールペン 本の代金 b 円を求めることは, 式では b= の形で表すことを 理解できるようにする このような理解を踏まえ, 目的をもって b=80-a などと変形 できるようにすることが大切である () 多項式を共通因数で処理することの理解 多項式を含む分数の形で表された式は, 多項式を共通因数でまとめることによって, より 簡単に表せる場合があることに気付かせる 具体的には, 分母と分子が同じもので割れるか どうかを判断できることが必要である その際には, 分母と分子に同じ因数が含まれている ことを確認させるとともに, 分母と分子が約分できる根拠となっていることを理解させる 授業においても, 数学における 最も簡単な形 とはどのようなことかを, 常に意識させる ことが大切である

数学抽出答案による正答率等 問題 正 答 正答率 誤答率 無答率 () - 9.9 7. 0 () 6x-4 7.5 6.7.8 () -ab 86.. 0.7 (4) 9 8.9.8. () b=80-a 46.5 49.0 4.5 () (-,) 4.4 7.9 0.7 () y=- x 60.6.0 6.4 (4) ア, ウ 5. 48.6 0. (5) a=0,b=8 5. 6.8 0.0 (6) 56 度 5.7 4.9.4 (7) cm 4.0 5.4 5.6 (8) 0 % 6.7. 6. ( 例 ) A 5.9 46.5 (9) P 6.5 B D C 部分点. 4 64 () πcm 7. 54. 8.7 () ( 例 ) 曲線 DE は, 半径 a, 中心角 0 の 0 π a 60 =πa(cm) 曲線 EFは, 半径 a, 中心角 0 の 0 4 π a 60 = πa(cm) 曲線 FCは, 半径 a, 中心角 0 の 0 π a 60 = πa(cm),,より 4 πa+ πa+ πa=4πa(cm) したがって, 曲線 DEFCの長さは 4πacm である 9.8 8. 部分点 0.7 6. () b=,6 7.0 44. 8.7 () 4 通り 48.8 4. 8.9 7 ().8 66.8.4 ( 次のページに続く )

問題正答正答率誤答率無答率 5 6 () (-, ) 8. 4.7 4. () y= x+6. 4.9 6.0 ( 例 ) () から, 直線 ACの傾きは であり, 直線 ACの傾きと直線 BDの傾きは等し 7.6.7 () いので,AC BDである ABDと CBDにおいて, 辺 BD を底辺とすると,AC BDから, A BDの高さと CBDの高さは等しいことが言える 5. よって, 底辺が同じで高さが等しい三 部分点 8.5 角形の面積は等しいので, ABDの面積と CBDの面積は等しい 証明 ( 例 ) ABGと ACDにおいて 仮定から AB=AC ADに対する円周角は等しいから 7. 40. ABG= ACD BFに対する円周角は等しいから BAG= BCF () CDに対する円周角は等しいから CAD= CBD 4 6. BD FCより, 錯角は等しいから BCF= CBD 5,4,5より BAG= CAD 6 部分点 6.5,,6より 組の辺とその両端の角がそれぞれ 等しい したがって ABG ACD () 8 5 cm.9 56.6 40.5