デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

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はじめに カナグル ( 一般名 : カナグリフロジン水和物 ) は, 田辺三菱製薬株式会社で創製されたSGLT2 (sodium glucose co transporter 2) 阻害剤です. 2 型糖尿病においては, 高血糖状態が持続するとインスリン抵抗性やインスリン分泌不全が増悪し, さらに血

日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

カナグル 錠適正使用ガイド CONTENTS (1) カナグルの作用 1 (2) 投与対象患者の確認 2 (3) 特に注意が必要な副作用 臨床検査値異常 3 1 低血糖 4 2 多尿 頻尿 体液量減少 脱水 5 3 尿路感染症 性器感染症 6 4 腎機能への影響 7 5 ケトアシドーシス 尿中ケトン

デベルザ錠20mg 発売4ヶ月間の副作用発現状況

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食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

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医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読みください 効能 効果 用法 用量及び使用上の注意改訂のお知らせ 2018 年 12 月 アステラス製薬株式会社 ( 製造販売 ) 寿製薬株式会社 ( 販売提携 ) このたび 上記の弊社製品につきまして 添付文書の 効能 効果 用法 用量 及び 使用上の

フォシーガ錠5mg_患者向医薬品ガイド

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Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

糖尿病の薬について 糖尿病とうまく付き合うために薬を知ろう

p 13

リキスミア 添付文書改訂のお知らせ

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

スライド 1

第三問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( ) 内に記入してください 1( ) インスリン以外にも血糖値を下げるホルモンはいくつもある 2( ) ホルモンは ppm( 百万分の一 ) など微量で作用する 3( ) ホルモンによる作用を内分泌と呼ぶ

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

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1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

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最近の糖尿病治療の動向と 当院での取り組み

やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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市販直後調査の実施状況 デベルザ 錠 アプルウェイ 錠 一般的名称 イプラグリフロジン L- プロリン ダパグリフロジンプロピレン グリコール水和物 ルセオグリフロジン水和物 トホグリフロジン水和物 調査実施期間 製造承認 2014/04/30 製造承認 2014/08/22 製造承認 2014/0

減量・コース投与期間短縮の基準

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デベルザ錠20mg 発売10ヵ月間の副作用発現状況

糖尿病は 初めは無症状で経過しますが 血糖値の高い状態が長く続くと口渇 多飲 多尿 体重減少 倦怠感などの症状がみられます 糖尿病は自覚症状が乏しいので 血糖値がある程度改善すると 通院しなくなる人がいます 血液検査を行わなければ糖尿病の状態を知ることはできないので 自覚症状だけに頼ってはいけません

デベルザ錠20mg 発売12ヵ月間の副作用発現状況(速報)

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た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

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2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

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レクタブル 2 mg 注腸フォーム 14 回に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 レクタブル 2 mg 注腸フ 有効成分 ブデソニド ォーム14 回 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 29 年 10 月 1.1. 安全性検討事項 重要な特

腎薬ニュース第 5 号 (2007 年 6 月 ;2012 年 1 月加筆修正 ) 熊本大学薬学部臨床薬理学分野平田純生 添付文書どおり腎機能に基づいた投与量にしても起こるアシクロビル中毒の原因は? 1. アシクロビル中毒の症状は? 慢性腎臓病 (CKD) 患者に頻発するアシクロビル バラシクロビル

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

糖尿病がどんな病気なのか 病気を予防するためにどんな生活が望ましいかについて解説します また 検診が受けられるお近くの医療機関を検索できます 健康診断の結果などをご用意ください 検査結果をご入力いただくことで 指摘された異常をチェックしたり 理解を深めたりすることができます 病気と診断され これから

糖尿病治療 と 検査値

第三問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( ) 内に記入してください 1( ) インスリン以外にも血糖値を下げるホルモンはいくつもある インスリンが血糖値を下げる唯一のホルモンです 2( ) ホルモンは ppm( 百万分の一 ) など微量で作用する

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

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第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

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添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

ヒューマリン(インスリン ヒト)患者向医薬品ガイド(R注バイアル)

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2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

IF 利用の手引きの概要 - 日本病院薬剤師会 - 1. 医薬品インタビューフォーム作成の経緯 医療用医薬品の基本的な要約情報として医療用医薬品添付文書 ( 以下, 添付文書と略す ) がある. 医療現場で医師 薬剤師等の医療従事者が日常業務に必要な医薬品の適正使用情報を活用する際には, 添付文書に

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

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News Release 報道関係各位 2015 年 6 月 22 日 アストラゼネカ株式会社 40 代 ~70 代の経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんと 2 型糖尿病治療に従事する医師の意識調査結果 経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんは目標血糖値が達成できていなくても 6 割が治療

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④資料2ー2

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

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改訂後改訂前 << 効能 効果に関連する使用上の注意 >> 関節リウマチ 1. 過去の治療において 少なくとも1 剤の抗リウマチ薬 ( 生物製剤を除く ) 等による適切な治療を行っても 疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること 2. 本剤とアバタセプト ( 遺伝子組換え ) の併用は行わな

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改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

3 スライディングスケール法とアルゴリズム法 ( 皮下注射 ) 3-1. はじめに 入院患者の血糖コントロール手順 ( 図 3 1) 入院患者の血糖コントロール手順 DST ラウンドへの依頼 : 各病棟にある AsamaDST ラウンドマニュアルを参照 入院時に高血糖を示す患者に対して 従来はスライ

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T O P I C S 食後高血糖改善薬を用いた BOT の有効性 SMBG のデータを治療へのモチベーションとして活かす 東大介先生 関西労災病院糖尿病内分泌内科 < 略歴 > 2002 年香川医科大学医学部医学科卒業香川医科大学医学部附属病院研修医 2005 年香川県済生会病院内科 2007 年

ピオグリタゾン塩酸塩錠

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**2019 年 6 月改訂 ( 第 4 版 ) *2018 年 2 月改訂 日本標準商品分類番号 ビグアナイド系経口血糖降下剤日本薬局方メトホルミン塩酸塩錠 METFORMIN HYDROCHLORIDE 劇薬処方箋医薬品 : 注意 - 医師等の処方箋により使用する

『糖尿病(H27年度1-1グループ)』

1. 重篤な不正出血の発現状況 ( 患者背景 ) (1) 患者背景 ( 子宮腺筋症 子宮筋腫合併例の割合 ) 重篤な不正出血発現例の多くは子宮腺筋症を合併する症例でした 重篤な不正出血を発現した 54 例中 48 例 (88.9%) は 子宮腺筋症を合併する症例でした また 子宮腺筋症 子宮筋腫のい

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

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目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

3 病床数 施設 ~19 床 床 床以上 284 (3 施設で未回答 ) 4 放射線専門医数 ( 診断 治療を含む ) 施設 ~5 人 226 6~10 人 人

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2014 年 3 月作成薬価基準未収載 - 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 使用前に必ずお読みください - 適正使用のお願い 処方せん医薬品 : 注意 - 医師等の処方せんにより使用すること 製造販売元 販売元

適応となる患者さんとデベルザ錠の使い方 本剤を投与する前に 以下のことを確認してください 2 型糖尿病の患者さんですか 本剤の効能 効果は 2 型糖尿病 です 1 型糖尿病の患者さんは 適応外のため投与しないで ください 患者さんは中等度以上の腎機能障害がありますか トホグリフロジンは腎糸球体で濾過されるグルコースの再吸収を担うトランスポーターであるナトリウム グルコース共輸送体 -2(sodium-glucose cotransporter-2 SGLT2) を選択的に阻害し 尿中へのグルコース排泄を促進することにより血糖を低下させる SGLT2 阻害薬 です そのため 重度の腎機能障害のある患者さん及び透析中の末期腎不全患者さんでは 本剤の効果が期待できません また 中等度の腎機能障害のある患者さんでは 効果が十分に得られない可能性があります 重度の腎機能障害のある患者さん ( 目安 :egfr < 30mL/min/1.73m 2 ) 投与しないでください 透析中の末期腎不全患者さん中等度の腎機能障害のある患者さん 投与の必要性を慎重に判断してください ( 目安 :60mL/min/1.73m 2 > egfr 30 ml/min/1.73m 2 ) 効能 効果 2 型糖尿病 < 効能 効果に関連する使用上の注意 > (1) 本剤は2 型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し 1 型糖尿病の患者には投与をしないこと (2) 重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の効果が期待できないため 投与しないこと ( 重要な基本的注意(6) 薬物動態 及び 臨床成績 の項参照) (3) 中等度の腎機能障害のある患者では本剤の効果が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること ( 重要な基本的注意(6) 薬物動態 及び 臨床成績 の項参照) 用法 用量 通常 成人にはトホグリフロジンとして 20 mg を 1 日 1 回朝食前又は朝食後に経口投与する 1

本剤を服用するにあたり注意すべき副作用 1 低血糖 本剤投与中は 低血糖に注意してください また 患者さんに低血糖がおこるおそれがあること 低血糖の症状及び低血糖が起きた際の対処法を説明してください 他の糖尿病薬 ( 特にスルホニルウレア剤又はインスリン製剤 ) と併用した場合は 低血糖の発現リスクが増加するおそれがありますので 患者さんに対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明してください スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合は 低血糖のリスクを軽減するため スルホニルウレア剤又はインスリン製剤の減量を考慮してください 承認時までの臨床試験において 1,060 例中 38 例 (3.6%) で低血糖症の副作用が認められました なお すべて非重篤の症例で 重篤な低血糖は認められませんでした 高所作業 自動車の運転等に従事している患者さんに投与するときは 注意してください 発現状況国内の臨床試験において認められた低血糖症の副作用発現例数 ( 率 ) 1 単独療法併合プラセボ 1) トホグリフロジン 10mg 1) トホグリフロジン 20mg 2) トホグリフロジン 40mg 2) を 1 日 1 回経口投与した プラセボ 10mg 20mg 40mg 対象例数 n=56 n=58 n=122 n=185 低血糖症発現例数 ( 率 ) 0(0.0) 1(1.7) 4(3.3) 5(2.7) 1) 24 週間投与 2) 24 週間投与及び 52 週間投与 ( 併合データ ) 注 ) 本剤の承認された 1 回用量は 20mg である ( 用法 用量 の項参照 ) 2 併用療法トホグリフロジン 20mg と以下の経口血糖降下薬のいずれか 1 剤を 52 週間 1 日 1 回経口投与した SU グリニド BG TZD α-gi DPP-4I 全例併用併用併用併用併用併用対象例数 n=175 n=34 n=8 n=33 n=33 n=32 n=35 低血糖症発現例数 ( 率 ) 7 (4.0) 5 (14.7) 0 (0.0) 0 (0.0) 1 (3.0) 0 (0.0) 1 (2.9) 併用した経口血糖降下薬 : スルホニルウレア剤 (SU) 速効型インスリン分泌促進薬 ( グリニド ) ビグアナイド系薬剤 (BG) チアゾリジン系薬剤 (TZD) α - グルコシダーゼ阻害剤 (α-gi) DPP-4 阻害薬 (DPP-4I) 対処法脱力感 高度の空腹感 発汗等の低血糖症状があらわれた場合には 糖質を含む食品を摂取させ回復を図ってください ただし α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合には ショ糖ではなく必ずブドウ糖を摂取させるようにしてください 2

2 体液量減少に関連する副作用 ( 多尿 頻尿 脱水 血圧低下等 ) 本剤の作用により尿量が増加し 多尿 頻尿がみられることがあります 体液量減少による脱水を防止するため 水分補給を適切に行うよう 患者さんに指導してください 本剤は 尿中へのグルコースの排泄を促進することにより効果を発現するため 尿中グルコース排泄に伴って尿量が増加し 多尿 頻尿がみられることがあります 適切に水分補給されない場合 脱水症状や血圧低下を起こすおそれがあります 体液バランスを維持するために水分補給を適切に行うよう 患者さんにご指導ください 特に高齢者では脱水症状 ( 口渇等 ) の認知が遅れ重症化するおそれがあるので 十分注意してください 年間を通じた注意が必要ですが 夏場は 発汗等により脱水が起こりやすくなるので 特に注意してください 利尿剤併用患者さんでは 利尿作用が増強されるおそれがあるため 必要に応じて利尿剤の用量を調節してください 体液量減少を起こしやすい患者 ( 高齢者や利尿剤併用患者等 ) さんにおいては 脱水や糖尿病性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 脳梗塞を含む血栓 塞栓症等の発現に注意してください 発現状況 承認までの臨床試験 (1,060 例 ) において 体液量減少に関連する副作用が認められました すべて 非重篤の症例で 重篤な副作用は認められませんでした 副作用 (PT) 発現例数 ( 発現率 ) 頻尿 80 例 (7.5%) 口渇 80 例 (7.5%) 尿量増加 16 例 (1.5%) 夜間頻尿 5 例 (0.5%) 起立性低血圧 3 例 (0.3%) 脱水 2 例 (0.2%) 多飲症 1 例 (0.1%) ICH 国際医薬用語集日本語版 (MedDRA/J Ver.13.1) 対処法脱水 血圧低下等の異常が認められた場合は 休薬や補液等の適切な処置を行ってください 3

3 尿路感染症及び性器感染症 本剤は尿路感染症 性器感染症の副作用が報告されています これらの副作用の発症に注意してください また 患者さんにこれらの副作用の症状及び対処法を説明してください 本剤は過剰な血中グルコースを尿中に排泄させるため 尿路感染症及び性器感染症を起こすおそれがあります また 腎盂腎炎等の重篤な感染症を起こすおそれがありますので 十分な観察を行う等尿路感染症及び性器感染症の発症に注意し 発症した場合には適切な処置を行うとともに 状態に応じて休薬等を考慮してください 尿路感染症及び性器感染症のある患者さんは 症状を悪化させる可能性があるため 慎重に投与してください 投与に際しては 患者さんに尿路感染症 性器感染症の症状及び症状が認められた場合には 受診をさせる等の対処法について説明してください 発現状況承認までの臨床試験 (1,060 例 ) において 尿路感染症及び性器感染症の副作用が認められました 前立腺炎 の 1 例が重篤 その他は非重篤な副作用でした 副作用 (PT) 発現例数 ( 発現率 ) 膀胱炎 19 例 (1.8%) 尿路感染 6 例 (0.6%) 外陰部腟カンジダ症 6 例 (0.6%) 前立腺炎 3 例 (0.3%) 外陰部炎 2 例 (0.2%) 亀頭包皮炎 2 例 (0.2%) 尿道炎 1 例 (0.1%) バルトリン腺膿瘍 1 例 (0.1%) 外陰腟真菌感染 1 例 (0.1%) ICH 国際医薬用語集日本語版 (MedDRA/J Ver.13.1) 対処法尿路感染症及び性器感染症の治療をするとともに 症状に応じて休薬を考慮する等適切な処置をしてください 4

4 ケトン体増加 本剤投与中は 血糖コントロールが良好であっても尿中ケトン体陽性又は血中ケトン体増加が起こることがあります 本剤の作用機序により 血糖コントロールが良好であっても尿中ケトン体陽性又は血中ケトン体増加がみられることがあります これらは インスリン作用不足による糖尿病性ケトアシドーシスと共通の臨床症状ですが 糖尿病性ケトアシドーシスの場合は速やかな治療が必要なため 適切に鑑別する必要があります 患者さんの症状 血糖値等の臨床検査を確認し インスリンの作用不足によるケトン体増加と区別して 糖尿病の状態を総合的に判断してください 相対的にインスリン分泌能が低下している患者さんでは 糖尿病性ケトアシドーシスの発現に注意してください 発現状況承認までの臨床試験 (1,060 例 ) において ケトン体増加の副作用が認められました すべて非重篤の症例で 重篤な副作用は認められませんでした 副作用 (PT) 発現例数 ( 発現率 ) 血中ケトン体増加 117 例 (11.0%) 尿中ケトン体陽性 17 例 (1.6%) ICH 国際医薬用語集日本語版 (MedDRA/J Ver.13.1) 対処法尿中ケトン体陽性や血中ケトン体増加が認められた場合は 患者さんの症状 血糖値等の臨床検査を確認し インスリンの作用不足によるケトン体増加と鑑別してください 糖尿病性ケトアシドーシスの場合は 症状に応じて 適切な処置をしてください 5

5 体重減少 本剤投与により 体重減少が報告されています 過度の体重減少に注意してください 臨床試験において体重減少に伴う臨床症状は認められませんでしたが 本剤投与中は過度の体重減少の発現に注意してください 発現状況承認までの臨床試験 (1,060 例 ) において 体重減少の副作用が認められました すべて非重篤の症例で 重篤な副作用は認められませんでした 副作用 (PT) 発現例数 ( 発現率 ) 体重減少 6 例 (0.6%) ICH 国際医薬用語集日本語版 (MedDRA/J Ver.13.1) 対処法過度の体重減少が認められた場合には 症状に応じて 適切に対処してください 6 臨床検査結果に及ぼす影響 本剤の作用機序により 本剤服用中は尿糖陽性 血清 1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール ) 低値を示します 本剤の作用機序により 本剤服用中は尿糖陽性 血清 1,5-AG( アンヒドログルシトール ) が低値を示すことがあります そのため 尿糖 血清 1,5-AG の検査結果は 血糖コントロールの参考とはならないので注意してください < 参考 > 1,5-AG (1,5-アンヒドログルシトール) 血清 1,5-AG の減少は尿糖排泄に伴う腎での 1,5-AG 再吸収阻害に起因する 尿糖が減少すると 再吸収が増大して回復する このため 1,5-AG の変化は血糖指標の中では最も逐次性が強く 血糖変化の先行指標となる ( 出典 : 臨床検査ガイド 2011~2012( 文光堂 ),455(2011)) 6