H30年度 シンポジウム宮城・基調講演(藤波先生)

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Staffing Industry Outlook 2009 Edited by SATO Hiroki, HOTTA Satoko Department of Research on the Staffing Industry RSI Occasional Paper Series No.6 De

Microsoft PowerPoint - 【資料3-2】高年齢者の雇用・就業の現状と課題Ⅱ .pptx

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

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高齢者雇用の現状と人事管理の展望 高齢者調査 と 経営者 管理職調査 から 独立行政法人高齢 障害 求職者雇用支援機構雇用推進 研究部研究開発課 ( 70 歳雇用時代における一貫した人事管理のあり方研究委員会 )

取材時における留意事項 1 撮影は 参加者の個人が特定されることのないよう撮影願います ( 参加者の顔については撮影不可 声についても収録後消去もしくは編集すること ) 2 参加者のプライバシーに配慮願います 3 その他 (1) 撮影時のカメラ位置等については 職員の指示に従ってください (2) 参

市報2016年3月号-10

JILPT 高齢者の雇用 採用に関する調査結果 (2008) の概要 高齢者の雇用 採用に関する調査 (2008 年 8-9 月実施 ) 高年齢者雇用関連の法制度が整備される中で 企業の高齢者の雇用や採用に関する最近の取組等を把握 全国の常用雇用 50 人以上の民営企業 社を対象 有効回

第 Ⅰ 部本調査研究の背景と目的 第 1 節雇用確保措置の義務化と定着 1. 雇用確保措置の義務化 1990 年代後半になると 少子高齢化などを背景として 希望者全員が その意欲 能力に応じて65 歳まで働くことができる制度を普及することが 政策目標として掲げられた 高年齢者雇用安定法もこの動きを受

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

Microsoft PowerPoint - 020_改正高齢法リーフレット<240914_雇用指導・

60 歳以降の人事管理と人材活用 年アンケート調査結果から -

①-1公表資料(本文 P1~9)

2018年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

機構ニュース223号

26公表用 栃木局版(グラフあり)(最終版)

第 1 章 65 歳雇用時代に求められる人事管理 解説 1 解説 2 解説 3 中高年齢者雇用を巡る現状と今後の課題 敬愛大学経済学部教授高木朋代 65 歳雇用時代のあるべき人事賃金制度 日本賃金研究センター主任アドバイザー藤田征夫 シニア社員活性化への処方箋株式会社ジェイフィールコンサルタント片岡

①公表資料本文【ワード軽量化版】11月8日手直し版【1025部長レク⑤後】平成30年61本文(元データあり・数値1004版)

スライド 1

論 文大企業の中高年齢者 (50 歳代正社員 ) の教育訓練政策と教育訓練行動の特質と課題 く 問題解決能力 等の能力が期待される さらに, 組織人として備えるべき基本的な能力 の重要性は組織上の立場によって大きく異なり, 59 歳以下の正社員 ( 現役正社員 ) と 60 歳以降の社員 ( 高齢社


自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

2. 繰上げ受給と繰下げ受給 65 歳から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金は 本人の選択により6~64 歳に受給を開始する 繰上げ受給 と 66 歳以降に受給を開始する 繰下げ受給 が可能である 繰上げ受給 を選択した場合には 繰上げ1カ月につき年金額が.5% 減額される 例えば 支給 開始年齢


報告書の要点 人事管理の進むべき方向 (3 頁参照 ) グローバル化の進展 社員の働くニーズと働き方の多様化等 経営環境の変化や多様性への対応が企業の競争力を左右 企業の進むべき方向は 社員の多様化をいかして 経営の高付加価値化 グローバル化に対応できる人材を確保し活用する 人事管理を構築すること

少子高齢化班後期総括

Microsoft Word - 調査結果速報_

調査結果 転職決定者に聞く入社の決め手 ( 男 別 ) 入社の決め手 を男 別でみた際 性は男性に比べると 勤務時間 休日休暇 育児環境 服装 オフィス環境 職場の上司 同僚 の項目で 10 ポイント以上 かった ( 図 1) 特に 勤務時間 休日休暇 の項目は 20 ポイント以上 かった ( 図

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

定していました 平成 25 年 4 月 1 日施行の 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律 では, 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止について規定されていますが, 平成 25 年 4 月 1 日の改正法施行の際, 既にこの基準に基づく制度を設けている会社の選定基準につい

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Microsoft Word - 4AFBAE70.doc

みずほインサイト 政策 2013 年 2 月 20 日 希望者全員を 65 歳まで雇用義務化高齢者が活躍できる職場の創設と人材育成が課題 政策調査部上席主任研究員堀江奈保子 年 4 月 1 日に高年齢者雇用安

の手支援策の紹介事例の紹介1 ページに記載した法改正の趣旨や内容を十分に理解した上で 以下の手順で制度導入を進めましょう STEP 1 STEP 1 STEP 2 STEP 3 STEP 4 有期社員の就労実態を調べる社内の仕事を整理し 社員区分ごとに任せる仕事を考える適用する労働条件を検討し 就業

農業法人等における雇用に関する調査結果

労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)結果の概要

事業活動の縮小に伴い雇用調整を行った事業主の方への給付金

処遇体系処遇体系の再構築再構築 は世代分断世代分断の賃金削減施策 処遇体系の再構築 施策は これまでに 雇用選択 を受けた 既選択世代 と 50 歳以下の 未選択世代 を意図的に分断し それぞれに厳しい賃下げを押し付け る不合理なものです 既選択世代に是正措置是正措置なし まず 重大なことは これま

働き方の現状と今後の課題

Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書 記入例

3. 無期労働契約への転換後の労働条件無期労働契約に転換した後の職務 勤務地 賃金 労働時間等の労働条件は 労働協約 就業規則または個々の労働契約等に別段の定めがない限り 直前の有期労働契約と同一になるとされており 無期転換に当たって職務の内容などが変更されないにもかかわらず 無期転換後の労働条件を

5. 退職一時金に係る就業規則のとりまとめ 退職一時金に係る就業規則の提供があった企業について 退職一時金制度の状況をとりまとめた なお 提供された就業規則を分析し 単純に集計したものであり 母集団に復元するなどの統計的な処理は行っていない 退職一時金の支給要件における勤続年数 退職一時金を支給する

第3節 重点的な取り組み

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( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働 者

スライド 1

Microsoft Word - コピー ~ (確定) 61発表資料(更新)_

均衡待遇・正社員化推進奨励金 支給申請の手引き

(1) 政府の方針 (2) 近年の法改正の動向 (3) 国の高齢者雇用施策の概要 2 神奈川県の取組 (1) シニア ジョブ スタイル かながわ (2) 神奈川生涯現役促進協議会の取組 (3) 第 10 次神奈川県職業能力開発計画 (4) 経済団体への要請 (5) シルバーベンチャーの創出促進 (6

日韓比較(10):非正規雇用-その4 なぜ雇用形態により人件費は異なるのか?―賃金水準や社会保険の適用率に差があるのが主な原因―

定年延長、本当のところ

平成18年度標準調査票

啓発事業推進 会員サービス関係事業 1. 高年齢者雇用優良事業所 障害者雇用優良事業所 永年勤続障害者の表彰を行う 10 月 2. 推進委員会を開催し 協会事業の企画運営に関する検討 協議を行うとともに 委員相互の交流研鑽を図り 協会の円滑な運営に努める 7 月 10 月 3. 会員企業の雇用の安定

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( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

第第第ライフスタイルに対する国民の意識と求められるすがた50 また 働いていないが 今後働きたい と回答した人の割合は 男性では 7.4% であるのに対し て 女性は19.1% である さらに 女性の中では 30 代の割合が高く ( 図表 2-1-2) その中でも 特に三大都市圏で高い割合となってい

特例子会社を設立しようとお考えの企業の皆様 特例子会社を運営している企業の皆様

Microsoft PowerPoint - 分野別事業概論(酒井)

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スライド 1

人材マネジメント調査2013

厚生労働省発表

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

問題の背景 高齢者を取り巻く状況の変化 少子高齢化の急速な進展 2015 年までの労働力人口の減少 厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げ 少なくとも 年金開始年齢までは働くことのできる 社会 制度づくり ( 企業への負担 ) 会社にとっての問題点 そしてベストな対策対策が必要に!! 2

Microsoft PowerPoint

テレワーク制度等 とは〇 度テレワーク人口実態調査 において 勤務先にテレワーク制度等があると雇用者が回答した選択枝 1 社員全員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 2 一部の社員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 3 制度はないが会社や上司などがテレワーク等をす

平成18年度標準調査票

スライド 1

求職者と企業を繋ぐ支援ツールであるジョブ カードが 在職者 学生にも使いやすくなりました ジョブ カードは キャリア プランシート 職務経歴シート 職業能力証明シート で構成されており キャリアコンサルティング ( P23) 等の相談のもと生涯を通じた キャリア プランニング ( 職業生活設計 )

求職者と企業を繋ぐ支援ツールであるジョブ カードが 在職者 学生に も使いやすくなりました ジョブ カードは キャリア プランシート 職 務経歴シート 職業能力証明シート で構成されており キャリアコンサルティング ( P19) 等の相談の もと生涯を通じた キャリア プランニング ( 職業生活設計

資料4 270924【セット】高齢者現状

平成22年1月26日

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 調査概要.doc

中途採用実態調査(2018年上半期実績、2019年度見通し)

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

営業職の育成の現状と課題 ~営業の競争優位性に着目して

スライド 1

結果概要 Ⅰ 人手不足への対応について 1. 人員の過不足状況について 社 % 不足している 1, 過不足はない 1, 過剰である 合計 2, 全体では 半数以上の企業が 不足している と回答 n =2,

調査結果のポイント 従業員採用状況について 平成 28 年度 (H28.4 ~ H29.3) は 計画どおり もしくは計画より多く採用した と回答した企業が69% 採用計画について 29 年度 (H29.4 ~ H30.3) は 28 年度実績と比較し 増やす と回答した企業と 減らす と回答した企

2. 継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大上記の選別基準が廃止されることにより 企業が雇用する従業員が増加すると推察され 雇用事業主だけでの雇用確保は限界があると考えられるため 継続雇用の雇用確保先がグループ企業にまで拡大された 3. 厚生労働大臣による高年齢者雇用確保措置に関する勧告に従

ⅰ. キーワードや法令を知る 01 処遇検討の背景 少子高齢化が急速に進展する中 労働力人口の減少に対応し 経済と社会を発展させるため 高年齢者をはじめ働くことができる全ての人が社会を支える全員参加型社会の実現が求められております また 現在の年金制度に基づき平成 25 年度から特別支給の老齢厚生年

Presentation Title

Microsoft Word - ①(様式第1号)キャリアアップ計画書

高年齢者雇用就業対策の体系 1 年齢にかかわりなく意欲と能力に応じて働くことができる 生涯現役社会 の実現に向けた高年齢者の就労促進 年齢にかかわりなく働くことができる企業の普及に向けた支援を充実するとともに 高齢期にさしかかった段階で 高齢期の生き方を見つめ直すことを奨励するなど 生涯現役社会の実

転職後の活躍を実現するには まず 転職先企業に馴染む ことが重要です そこで 転職支援 のプロである転職コンサルタントに 転職先企業への馴染み について伺いました ミドルが転職先企業に馴染めない よくある失敗例としてもっとも多く挙げられたのは 前職の仕事のやり を持ち込む (66%) という回答でし

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中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

中央労働災害防止協会発表

条件画面報告対象期間報告年月日 (6 月 1 日現在 ) 得意先 NO 部門出勤区分ファンクションキーヘルプ (F1) プレビュー (F8) 印刷 (F9) 終了 (F12) 年度報告する期間の開始年月日と終了年月日を指定します システム日付の年とシステム固定で持つ決算年月日の日付により 初期値をセ

高年齢者雇用促進への政府の取組 ~改正高年齢者雇用安定法の施行~

2018 年度の採用 就職と特徴に関する調査 1 採用 就職の際に重視した企業情報 (1) 重視した企業情報 2018 年度の採用や就職活動支援にあたり 企業またはキャリアセンターが重視して示した企業情報 ( 複数回答 ) は 仕事内容 80% 企業のミッション( 目的 事業領域 )56% 求める人

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 【セット版】140804保育キャンペーン資料

2017年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

Transcription:

2018 年 11 月 9 日人生 100 年時代継続雇用 定年延長を考える ~ 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム ~ Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 高齢社員の人事管理 ~ 現状と今後の展望 ~ 千葉経済大学経済学部 藤波美帆 1

1. 日本企業のおかれている環境 ~ 労働力の高齢化 エイジレスに働ける社会へ~ 2. 高齢社員の戦力化の進め方 1 ~ 人事制度の整備 ~ 3. 高齢社員の戦力化の進め方 2 ~ 運用プロセスの整備 ~ 4. まとめ ~ 高齢社員の人事管理の今後 ~ Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 2

日本の人口 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 3

高齢者の就業率 60~64 歳 65~69 歳 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 4 出所 )JILPT(2016) データブック国際労働比較

高齢社員の人事管理を考える際のポイント 高齢社員に企業業績の貢献してもらう仕組みづくり 高齢社員自身に企業業績に貢献してもらう意識を持ってもらう Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 5

1. 日本企業のおかれている環境 ~ 労働力の高齢化 エイジレスに働ける社会へ~ 2. 高齢社員の戦力化の進め方 1 ~ 人事制度の整備 ~ 3. 高齢社員の戦力化の進め方 2 ~ 運用プロセスの整備 ~ 4. まとめ ~ 高齢社員の人事管理の今後 ~ Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 6

用語の定義 高齢社員 定年 (60 歳 ) 前に正社員として雇用された企業で 60 歳以降も引き続き働く 65 歳以下の者 現役正社員 高齢社員が働く企業で正社員として雇用された定年 (60 歳 ) 前の者 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 7

人事管理の整備の方向性 高齢社員の雇用率が上昇 高齢社員の戦力化が進む 高齢社員の人事管理が整備される 第 1 段階 : 雇用管理分野 ( 働き方や労働時間など ) 第 2 段階 : 報酬管理分野 ( 等級制度や報酬など ) Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 8

アンケート調査回答企業の属性 1 配布件数 15,000 社 有効回答数 3,580 社 ( 回収率 23.9%) 雇用確保措置企業 (N=2434) 定年年齢 64 歳以下 かつ継続雇用制度で雇用上限年齢が 65 歳以下の企業 継続雇用 66 歳以上企業 (N=533) 定年年齢 64 歳以下 かつ継続雇用制度で上限年齢が 66 歳以上の企業 定年 65 歳以上企業 (N=316) 定年制度なし または定年年齢が 65 歳以上 の企業 出所 ) 高齢 障害 求職者雇用支援機構 (2018) 継続雇用制度の現状と制度進化 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 9

アンケート調査回答企業の属性 2 企業規模別 出所 ) 高齢 障害 求職者雇用支援機構 (2018) 継続雇用制度の現状と制度進化 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 10

アンケート調査回答企業の属性 3 産業別 出所 ) 高齢 障害 求職者雇用支援機構 (2018) 継続雇用制度の現状と制度進化 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 11

高齢社員の等級制度と評価制度 出所 ) 高齢 障害 求職者雇用支援機構 (2018) 継続雇用制度の現状と制度進化 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 12

* 役職就任割合は 過去 3 年間の状況についての回答 高齢社員の役職就任割合 ( 上段 ) と仕事内容の変化 ( 下段 ) 出所 ) 高齢 障害 求職者雇用支援機構 (2018) 継続雇用制度の現状と制度進化 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 13

高齢社員の職責の変化 ( 上段 ) と仕事レベル ( 下段 ) * 現役正社員と同等の仕事をしている高齢社員がいると回答した企業のみ集計 出所 ) 高齢 障害 求職者雇用支援機構 (2018) 継続雇用制度の現状と制度進化 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 14

高齢社員の基本給の決め方 * 現役正社員の基本給の決め方との比較 * 現役正社員の基本給の決め方と異なる場合の決め方 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 15 出所 ) 高齢 障害 求職者雇用支援機構 (2018) 継続雇用制度の現状と制度進化

1. 日本企業のおかれている環境 ~ 労働力の高齢化 エイジレスに働ける社会へ~ 2. 高齢社員の戦力化の進め方 1 ~ 人事制度の整備 ~ 3. 高齢社員の戦力化の進め方 2 ~ 運用プロセスの整備 ~ 4. まとめ ~ 高齢社員の人事管理の今後 ~ Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 16

人事部門に求められる役割 人事戦略 ( 高齢社員の活用の方針 ) の明確化と浸透 経営層と現場をつなぐ 社内公平性の担保 人事管理の整備 社員のモチベーション対策 いかに 仕掛け をつくるか Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 17

高齢社員に期待する役割を 知らせる 仕組みと高齢社員の能力や意欲を 知る 仕組み 企業 ( 上司 ) が高齢社員に対して 期待する役割を伝える 本人 / 周囲 人事部門による支援 高齢社員の能力 意欲 適性を把握する 本人 / 上司 これまでの仕事経験 / 本人の希望 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 18

1. 日本企業のおかれている環境 ~ 労働力の高齢化 エイジレスに働ける社会へ~ 2. 高齢社員の戦力化の進め方 1 ~ 人事制度の整備 ~ 3. 高齢社員の戦力化の進め方 2 ~ 運用プロセスの整備 ~ 4. まとめ ~ 高齢社員の人事管理の今後 ~ Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 19

高齢社員の人事管理の今後 1 知る 仕組み 知らせる 仕組みだけではNG 人事部門の負担大 高齢社員 / 現場の 遠慮 報酬制度を現役正社員に近づける 仕事 働きぶりに合わせ賃金に幅を持たせる Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 20

高齢社員の人事管理の今後 2 短期視点での高齢社員活用は NG 通常のマネジメントのなかに組み込む 高齢社員は 社員 = 重要な戦力 継続雇用 / 定年引上げ ( 廃止 ) Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 21

参考文献 高齢 障害 求職者雇用支援機構 (2014) 高齢者の人事管理と人材活用の現状と課題 -70 歳雇用時代における一貫した人事管理のあり方研究委員会報告書 (2018) 65 歳定年時代における組織と個人のキャリアの調整と社会的支援 - 高齢社員の人事管理と現役社員の人材育成の調査研究委員会報告書 (2018) 継続雇用制度の現状と制度進化ー 60 歳以降の社員に関する人事管理に関するアンケート調査 結果より - 今野浩一郎 (2014) 高齢社員の人事管理 中央経済社 今野浩一郎 佐藤博樹 (2009) 人事管理入門第 2 版 日本経済新聞出版社 鹿生治行 大木栄一 藤波美帆 (2016) 60 歳以降の社員 ( 高齢社員 ) の人事管理の整備状況と現役社員の人事管理への影響 - 平成 24 年改正高年齢者雇用安定法以降の状況 日本労働研究雑誌 第 674 号, 労働政策研究 研修機構 藤波美帆 (2014) 中高年齢者に対する教育訓練政策の現状と課題 - 高齢社員活用の視点から - 労働調査 529 号, 労働調査会 (2017) 高齢社員の活用タイプからみた人事管理 人事実務 1173 号, 産労総合研究所 (2018) 高齢者雇用の現状と今後の展望 エルダー 465 号,( 独 ) 高齢 障害 求職者雇用支援機構 Miho Fujinami@CHIBA KEIZAI UNIVERSITY 22