尿酸と腎傷害とICU

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CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

1治療 かっていたか, 予想される基礎値よりも 1.5 倍以上の増加があった場合,3 尿量が 6 時間にわたって 0.5 ml/kg 体重 / 時未満に減少した場合のいずれかを満たすと,AKI と診断される. KDIGO 分類の重症度分類は,と類似し 3 ステージに分けられている ( 1). ステー

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

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第15回日本臨床腫瘍学会 記録集

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

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2 CKD 1. 不適当な食事 2. 感染症 : 尿路感染, 肺炎, 敗血症など 3. 急激な循環状態の変動 : 高血圧, 低血圧 4. 水 電解質異常 : 脱水, 溢水, アシドーシス 5. 尿路疾患 : 尿路結石 狭窄 感染 6. 腎毒性薬剤 : 造影剤, 抗生物質,NSAIDs 7. 手術およ

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

腫瘍崩壊症候群 (Tumor Lysis Syndromes; TLS) 中川直人 Pharm.D., Ph.D. はじめに 2007 年 4 月よりがん対策基本法が施行され, 放射線治療や外来化学療法が日本のがん治療に浸透してきた. それに伴い, 病院や薬局でがん治療を受けている患者さんに会う頻度

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ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

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10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

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られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

がん登録実務について

( 様式甲 5) 氏 名 渡辺綾子 ( ふりがな ) ( わたなべあやこ ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題名 Fibrates protect again

背景 急性大動脈解離は致死的な疾患である. 上行大動脈に解離を伴っている急性大動脈解離 Stanford A 型は発症後の致死率が高く, それ故診断後に緊急手術を施行することが一般的であり, 方針として確立されている. 一方上行大動脈に解離を伴わない急性大動脈解離 Stanford B 型の治療方法

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

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平成24年7月x日

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

パスを活用した臨床指標による慢性心不全診療イノベーション よしだ ひろゆき 福井赤十字病院クリニカルパス部会長循環器科吉田博之 緒言本邦における心不全患者数の正確なデータは存在しないが 100 万人以上と推定されている 心不全はあらゆる心疾患の終末像であり 治療の進步に伴い患者は高齢化し 高齢化社会

ICUにおける酸素療法

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日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

3 病床数 施設 ~19 床 床 床以上 284 (3 施設で未回答 ) 4 放射線専門医数 ( 診断 治療を含む ) 施設 ~5 人 226 6~10 人 人

機能分類や左室駆出率, 脳性ナトリウム利尿ペプチド (Brain Natriuretic peptide, BNP) などの心不全重症度とは独立した死亡や入院の予測因子であることが多くの研究で示されているものの, このような関連が示されなかったものもある. これらは, 抑うつと心不全重症度との密接な

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

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3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

第 90 回 MSGR トピック : 急性冠症候群 LDL-C Ezetimibe 発表者 : 山田亮太 ( 研修医 ) コメンテーター : 高橋宗一郎 ( 循環器内科 ) 文献 :Ezetimibe Added to Statin Theraphy after Acute Coronary Syn

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東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epst

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

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JAMA Apr 24;309(16): 年 6 月 25 日慈恵 ICU 勉強会レジデント 2 年宮崎雄介

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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

Ⅲ 章推奨 4 便秘 下剤は, がん患者の便秘を改善させるか? 関連する臨床疑問 9 1 浸透圧性下剤 ( 酸化マグネシウム, ラクツロース ) は, がん患者の便秘を改善させるか? 9 2 大腸刺激性下剤 ( センナ, ピコスルファート ) は, がん患者の便秘を改善させるか? 9 3 ルビプロス

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尿酸と腎傷害と ICU 2016.06.14 慈恵 ICU 勉強会 小林秀嗣

今日の内容 尿酸の基本事項と診療ガイドラインのおさらい 尿酸と CKD 尿酸と AKI 尿酸と AKI と ICU

尿酸の基本事項と診療ガイドラインのおさらい

プリン代謝 ( ホスホリボシルピロリン酸 ) ( イノシン酸 ) 代謝の過程でスーパーオキシド (O 2- ) 発生 月刊糖尿病 2012/2 Vol.4 No.2 より引用

約 70% が腎排泄 腎臓における尿酸の排泄 月刊糖尿病 2012/2 Vol.4 No.2 より引用 1ろ過の減少 2 分泌の低下 3 分泌後再吸収の増加 高尿酸血症

近位尿細管の尿酸トランスポーター 月刊糖尿病 2012/2 Vol.4 No.2 より引用 URAT1 は血管平滑筋細胞 血管内皮細胞などにも発現しており 尿酸の細胞内取り込みに関与 高尿酸血症では血管内皮機能障害との関連が示唆されている

< 組織低酸素下でのプリン代謝 > キサンチン ヒポキサンチンの代謝が促進し O 2- ( スーパーオキシド ) 過酸化水素など活性酸素が発生 虚血後の再灌流 (=O 2 の供給 ) ではこの反応が顕著になり 細胞傷害の要因と考えられている

高尿酸血症の病態生理別分類 1 尿酸塩過剰産生 骨髄 リンパ増殖性疾患 溶血 横紋筋融解 運動 肥満 高プリン食 代謝酵素異常など 2 尿酸排泄の減少 体液喪失 腎障害 高血圧 アシドーシス ( 乳酸 ケトアシドーシス ) 尿崩症 利尿薬 抗結核薬など 3 複合的機序 代謝酵素異常 アルコールなど

高尿酸血症の合併症 これまでよく知られていたのは 痛風性関節炎 尿路結石 腎障害 : 痛風腎 ( 尿酸塩の間質沈着 ) Crystal mechanism 最近のトピックは 心血管疾患 メタボリックシンドロームとの関連? CKD の増悪因子? AKI と関連? Non-crystal mechanism

2010 年発表 2012 年追補版発表 = 無症候性高尿酸血症

Am J Kidney Dis. 2004; 44: 642-50. 48000 人を対象にした沖縄の疫学調査 UA 6.0mg/dL の女性で ESKD 進展へのリスク上昇 J Am Soc Nephrol. 2008; 19: 2407-13. 健康成人 2 万人を 7 年観察 新規に egfr < 60mL/min/1.73m 2 となるリスクは UA:7.1-8.9mg/dL で RR:1.74, UA:9.0mg/dL 以上で RR:3.12 (Ref: UA 7.0mg/dL) Am J Kidney Dis. 2006; 47: 51-9. 小規模 (N=54) だが数少ない RCT の 1 つ CKD 患者に対するアロプリノール 100-300mg/ 日の 1 年投与により Cr の上昇を抑制

米国リウマチ学会のガイドライン :management of Gout 原則として無症候性高尿酸血症は治療対象としない 痛風患者 での目標値 :6.0mg/dL 未満 CKD AKI に関する記載なし 高尿酸血症は 腎機能低下による 結果 という立ち位置

尿酸と CKD

高尿酸血症と CKD 進行の関連を示唆する観察研究の報告は特に近年増えてきている

早期 CKD 患者に対するアロプリノールは CKD 進行を抑制するか? 心血管イベントを減らすか? デザイン :RCT 2 年間の追跡 対象 :egfr < 60mL/min/1.73m 2 の外来 CKD 患者 113 人 直近 3 ヶ月に Cr に 50% 以上の上昇がみられておらず 入院や心血管イベントがない者 除外 : アロプリノール投与中 CKD の進行 アレルギー 肝障害既往 免疫抑制薬使用中 0.2mL/min/1.73m 2 /month と定義

アロプリノール 100mg/day により UA は有意に低下 (6.0mg/dL 程度 ) GFR はコントロール群に比べて悪化を有意に抑制できた GFR +1.3mL/min/1.73m 2 UA +0.3mg/dL -3.3mL/min/1.73m 2-1.6mg/dL

その後 7 年追跡 平均 UA: 7.2mg/dL P =0.002 Renal eventの定義を改変 1 透析導入 2Crが2 倍 or egfrが半分以下 アロプリノールにより減少 HR:0.32 (95%CI, 0.15-0.69) P= 0.004 平均 UA: 6.5mg/dL 心血管イベントも減少 HR:0.43 (95% CI, 0.21-0.88) P= 0.02 0.7mg/dL の差による影響というより飽和限界濃度 6.8mg/dL を下回ったことが影響した可能性あり

Febuxostat は CKD の進行を抑制できるか? デザイン :single-center, double-blind, randomized, parallel-group, placebo-controlled study 対象 :18-65 歳の CKD stage 3 a or 4 b の患者 45 人 介入群 :40mg/ 日の Febuxostat 投与を 6 か月継続 Primary outcome: egfr のベースラインから 10% を超える低下 Secondary outcome: egfr の変化

6 か月の Febuxostat 投与により GFR の低下を抑制

FEATHER study が進行中 Febuxostatvs. placebo 日本 64 施設での prospective double-blind RCT CKD stage 3 かつ UA:7.1-10.0mg/dL の患者 400 人 Primary outcome: Febuxostat は 108 週後の egfr の低下の抑制

尿酸と AKI

PATHOGENESIS Vasoconstrictions and Impairs Autoregulation Proinflammatory Effects Mitochondrial Dysfunction

Vasoconstrictions and Impairs Autoregulation 高尿酸血症モデルのRatにおいて 50% 程度の腎血流低下とネフロン単位でGFRが40-50% 低下 J Physiol Renal Physiol. 2002; 283:F1105-10. 内皮細胞の増殖抑制と機能低下によるNO 産生の抑制 Am J Physiol Cell Physiol. 2008;295:C1183-90. Am J Nephrol. 2005;25:425-33. 糸球体手前の細動脈の平滑筋細胞の増殖による動脈硬化 自動調節能を低下 J Am Soc Nephrol. 2005;16:3553-62.

Proinflammatory Effects 高尿酸血症は RAS 系を賦活化させる J Hypertens. 2010;28: 1234-42. RAS 系の賦活化により nuclear factor-κb(nf-κb) の活性が促進され 炎症性サイトカインが誘導 Kidney Int. 2002; 62:1160-70. 尿酸結晶も炎症性物質の産生を惹起する Nature. 2006;440:237-41.

Mitochondrial Dysfunction アンギオテンシン II と NADPH oxidase の賦活により oxidants 産生が促進され ミトコンドリアが傷害される Am J Physiol Cell Physiol. 2007;293:C584-96. ミトコンドリア機能低下によりアポトーシスが惹起 J Clin Invest. 2009;119:1275-85. 尿酸そのものが直接のミトコンドリア傷害作用があるかどうかは不明

入院時の尿酸値と AKI 発症の関連を検証 対象 :2011 年から 4 年間に入院した 18 歳以上の全患者 デザイン : 単施設 (Mayo Clinic) 後ろ向き観察研究 入院時の尿酸値により 6 群に分類し 高頻度群 (5.8-7.6mg/dL) を reference として群間比較した Primary outcome: 入院 7 日以内の AKI 発症 Secondary outcome: 院内死亡 90 日死亡 入院期間 施設への転院

AKI の定義 :KDIGO guideline の Cr 変化のみを採用

Supplementary Figure 1: Study flow 98% 以上は除外

すでに egfr に差がある この研究の問題点か

RRT 導入例の総計 :23/1435 (1.6%) ICU 管理を要した症例については記載なし

ref

日本からの類似研究 18 歳以上の入院患者 82000 例 retrospective database analysis UA 値 ( 入院前 30 日以内 ) と AKI(KDIGO) の関連を調査 全体の AKI 発症率 :12.6% 平均 UA 値 :5.4±1.8 mg/dl (men) :4.3±1.6 mg/dl (women) Reference UA:3.5-4.0mg/dL UA: 7mg/dL< の場合 OR:2.13 (1.83-2.46) men OR:3.57 (2.96-4.31) women UA と AKI の関係は男女ともに J-shaped curve を呈した

尿酸と AKI と ICU

重症患者 を対象とした尿酸と AKI の研究 MEDLINE (uric acid[ti] OR hyperuricemia[ti]) AND acute kidney injury[ti] Limit: English 26 件 (2016 年 6 月現在 ) 周術期 :8 件 ( 心臓血管外科 :7 膀胱全摘後 :1) 腫瘍崩壊症候群 :3 件造影剤腎症 :4 件 ( 心カテ関連 ) 一般入院患者 :2 件 ICU 患者が対象の研究はない 日常的に診るのは心臓外科術後 ( と重症な腫瘍崩壊症候群 ) くらい?

心臓手術前の高尿酸血症は術後 AKI 発症のリスクとなるか? デザイン : 後ろ向きコホート研究 対象 :TAA CABG Valveの手術が行われ 術前 24-48hrに尿酸値が測定された患者 4949 242 人除外基準 : 維持透析 臓器移植既往 術前 IABP 挿入 off-pump 手術 同時に非心臓手術をおこなった症例 242 190 人 AKI 診断 :AKIN criteria 48 時間以内にCr:0.3mg/dL 以上の上昇

実際の値により 10 個の群に分類 黒 : 性別 ベースの腎機能 心機能 CPB 時間などで調整 4 倍 6 倍 8 倍 35 倍 低値 (< 2.5) でも AKI リスク上がった (J-shaped curve) UA 値は低すぎても抗酸化作用を期待できない? 入院中の AKI:45.1%( うち 87% は stage 1) RRT 導入例はなし 院内死亡 :8.4%

心臓外科周術期の尿酸低下治療 ( ラスブリカーゼ ) により術後 AKI は防げるか? prospective, double-blind, placebo-controlled, randomized trial Primary endpoint: ラスブリカーゼ投与と Cr AKI の関連の調査 AKI 診断 :AKIN criteria N=484 26

< 患者背景 > 60 代前半 7 割が男性 Cr: 1.4~1.5mg/dL UA: 8.5mg/dL 前後 術式 既往など 両群で有意差なし

尿酸値の推移 Cr の変化率 Cr の変化に両群で差なし AKI の発症を抑制できない MAP の変化率 POD1 は低血圧傾向があり ラスブリカーゼ群で高頻度である傾向はあり 統計学的な有意差はなし

尿中 NGAL 値は ラスブリカーゼ群で低い傾向 UA 値が高くなると NGAL 値の差が開く傾向が強くなる 潜在的に保護的な作用が期待できる?? 最大の問題 差を検出できるほどの規模の研究ではない

その他 心臓外科周術期の尿酸 AKI の関連を検討した研究 デザイン N AKI の診断主な結果 Joung KW et al 2014 Gaipov A et al 2015 Retrospective OS 予定心臓手術患者 術前の UA cut off :6.5mg/dL Prospective OS 予定心臓手術 ( 開心術 ) 術後 2 時間 24 時間の sua, sngal, ungal 測定 AKI 診断精度の比較 1019 AKIN criteria AKI:44% AKI Stage 2 : 16% OR(AKI):1.46 UA 6.5mg/dL (95%CI: 1.04-2.06, p=0.03) RRT: 72 (7%) Mortality: 27% (No AKI: 7%) 60 KDIGO criteria AKI 40 例 (67%) No-progress: 20 例 stageⅠ(95%),Ⅱ(5%) Progress: 20 例 stageⅡ(30%), Ⅲ(70%) ROC(2h) ROC(24h) sua:0.73 sua:0.86 sngal:0.63 sngal:0.75 ungal:0.65 ungal:0.77 RRT: 7 (12%)

デザイン N AKI の診断主な結果 Lee EH et al 2015 Ejazz AA et al 2012 Retrospective OS CABG 術前 UA 値により 4 群に分類男 -4.7, 4.8-5.5, 5.6-6.4, 6.5- 女 -4.1, 4.2-4.9, 5.0-5.8, 5.9- Prospective OS 心臓外科手術後に sua, sngal, ungal, uil-18, smcp-1, s-tnfα 測定 AKI 診断精度を比較 UA: 値により 3 群に分類 -4.5, 4.6-5.8, 5.9- mg/dl 2185 AKIN criteria Mean UA:5.6±1.5mg/dL AKI:36% AKI Stage 2 : 5% OR:1.18 (1.10-1.26,p<0.001) ( 男 5.6 mg/dl, 女 5.0 mg/dl) RRT: 61 (3%) 100 AKIN criteria Mean UA:5.3±0.1mg/dL (AKI: 6.4mg/dL Non-AKI: 4.9mg/dL P<.001) AKI: 27% 30day-mortality: 4% RRT 施行 : 記載なし UA5.9 群のOR for AKI: 8 (ref: 4.5 群 ) POD2のAKI 診断 AUC:sUA 0.77 scr 0.73 stnfα 0.76

デザイン N AKI の診断主な結果 Ejaz AA et al 2009 Retrospective OS 予定心臓手術患者 術前の UA cut off :6 mg/dl 58 AKIN criteria AKI:18/58 (31%) UA >6mg/dL: 46% UA 6mg/dL: 21% OR(AKI):3.98 (UA >6mg/dL) (95%CI: 1.10-14.33, p=0.035) RRT: 72 (7%) おおまかに分類すると 術前後値と術後 AKI の関連 : 危険因子としての検討 術後 AKI 進展予測 : バイオマーカーとしての検討 いずれにしろ CKD 対象の研究以上にエビデンスの蓄積は十分でない

33カ国 97ICUで行われたAKIの国際観察研究 18 歳以上のICU 入室患者 1802 例 維持透析 24 時間以内の生存退室 再入室は除外 AKI 診断 :KDIGO criteria

AKI:57.3% RRT 施行 :13.5%(AKI 例では 23.5%) 院内死亡 :18.4% AKI 例の院内死亡 :26.9%(stage が上がるほど高い ) 重症患者が対象であるが故か 前述の研究以上に AKI の頻度や重症度が高いことがうかがえる

Cairo らの TLS 診断基準 (2004 年 ) 2 項目以上 :Laboratory TLS 高尿酸血症 高 K 血症 高 P 血症 低 Ca 血症 Laboratory TLS 項目 1 つ + 下記項目 1 つ Cr 不整脈 けいれん

沈着による尿細管の閉塞結晶による好中球 リンパ球の活性化各種ケモカインの誘導 血管収縮 腎血流減少と組織低酸素続発性の虚血再灌流障害炎症反応の賦活化

Nephrology (Carlton). 2016 Apr 27. doi: 10.1111/nep.12806. [Epub ahead of print] TLS による AKI を発症し RRT を要した患者の疫学研究 [ 方法 ]Nationwide Inpatient Sample database (USA) から ICD-9 での TLS かつ AKI 患者を抽出 RRT の施行を調査 [ 主な結果 ] N=22,875 RRT を要した AKI: 2919 (12.8%) Model 1: 調整なし 2: patient factor 調整後 3: patient factor, hospital factor 調整後

血液悪性腫瘍患者の AKI 調査 Retrospective cohort study フランス ベルギーの大学病院 or 関連病院 17 施設の ICU AKI 診断 :AKIN criteria

UA 値については記載なし

腫瘍崩壊症候群 :94/1009 (9.3%) RRT: 271/1009 (26.9%)

まとめ CKD の発症や進行に対しての関連の報告は増えてきたが 介入研究は近年ようやく始まったところである CKD 患者対象の研究において 本邦では痛風だけでなく無症候性高尿酸血症の患者を含むため 症状の有無を問わず治療対象とする根拠につながることが期待されている 尿酸と AKI については CKD よりもさらに研究は少ない ICU 患者を対象にした尿酸と AKI の関連を検討した研究はない まずは重症患者での尿酸測定の意義を検討する段階の研究が求められる