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東邦大学理学部情報科学科 2014 年度 卒業研究論文 コラッツ予想の変形について 提出日 2015 年 1 月 30 日 ( 金 ) 指導教員白柳潔 提出者 山中陽子

2014 年度東邦大学理学部情報科学科卒業研究 コラッツ予想の変形について 学籍番号 5511104 氏名山中陽子 要旨 コラッツ予想というのは 任意の 0 でない自然数 n をとり n が偶数の場合 n を 2 で割り n が奇数の場合 n を 3 倍して 1 を加えるという操作を繰り返していくと 必ず有限回で 1 に到達するであろうという予想である この予想は 1937 年にローター コラッツが提示したことから コラッツ予想と呼ばれている 未だこの主張が真かどうかは証明されていない よって 数学の未解決問題とされている 本研究では 前述のコラッツ予想の定義式を一般化し 3 以上の自然数 m に対して n が m の倍数の場合 n を m で割り そうでない場合 n を (m+1) 倍して m-(n mod m) を加えるという操作を考える Maple による計算機実験を行った結果 従来のコラッツ予想と似たような法則が確認された 2

目次 第 1 章 序論 1-1 序論 1-2 これまでの研究 1-3 研究目的 第 2 章 従来のコラッツ予想 2-1 Maple によるプログラム 2-2 実行結果 第 3 章 コラッツ予想の式変形 3-1 コラッツ予想の式変形 3-2 変形したコラッツ予想のプログラム 3-3 実行結果 第 4 章 1 に到達する回数を調べる 4-1 1~1000の範囲 4-2 1~10000の範囲第 5 章考察と今後の課題 5-1 考察 5-2 今後の課題謝辞 参考文献 3

第 1 章 序論 1-1 序論 コラッツ予想というのは 任意の 0 でない自然数 n をとり n が偶数の場合 n を 2 で割り n が奇数の場合 n を 3 倍して 1 を 1 加えるという操作を繰り返していくと 必ず有限回で 1 に到達するであろうという予想である これを式で表すと以下のようになる ( 奇数の場合 )3 1 2 1 ( 偶数の場合 ) 2 0 この予想は 1937 年にローター コラッツが提示したことから コラッツ予想と呼ばれている 未だにこの主張が真かどうかは証明されていない よって 数学の未解決問題とされている コンピュータを用いた計算より 3 2 53 まで反例がないことが確かめられている 計算例 n = 10 ( 偶数 ) n = 11 ( 奇数 ) 10 2 = 5 11 3 + 1 = 34 5 3 + 1 = 16 28 2 = 17 16 2 = 8 17 3 + 1 = 52 8 2 = 4 52 2 = 26 4 2 = 2 26 2 = 13 2 2 = 1 13 3 + 1 = 40 40 2 = 20 20 2 = 10 10 2 = 5 5 3 + 1 = 16 16 2 = 8 8 2 = 4 4 2 = 2 2 2 = 1 4

1-2 これまでの研究 コラッツ問題を解決する糸口を見つけるために 本研究室は過去 2 年以上に渡って先輩方が研究を行った 飯塚先輩の研究は 奇数の場合 3 倍して 1 を引く操作を 3x-1 問題 また 3x-r 問題として r に様々な数を代入していき法則を見つけ出した (2013 年度卒業論文 ) 峰岸先輩の研究は 1 やある値に収束するような組み合わせのデータをできる限り集めて統計し そこから (p,q,r) に関する法則性を見つけ出した (2013 年度卒業論文 ) 1-3 研究目的 コラッツ予想の式を変形して 以下のような式を作った n が m の倍数の時 n を m で割る n が m の倍数でない時 n を (m+1) 倍より大きな最小の m の倍数にする この式を用いて 計算機ソフト Maple 使用してコラッツ予想の解決の糸口を探る また 結果だけではなく法則や特徴にも注目し研究を進める 5

第 2 章 従来のコラッツ予想 2-1 Maple によるプログラム 従来のコラッツ予想を計算処理システム Maple で計算をすると以下のようになる コラッツ予想の Maple プログラム 6

2-2 実行結果 任意の 0 でない自然数 n が 30( 偶数 ) の場合 > 7

任意の 0 でない自然数 n が 11( 奇数 ) の場合 > このように計算を繰り返すと有限回で 1 に到達するであろうという予想がコラッツ予想である 8

第 3 章コラッツ予想の式変形 3-1 コラッツ予想の式変形 従来のコラッツ予想は n が偶数か奇数 つまり n mod 2 の値によって次に行う操作を変えていた n が奇数の際に行う操作の式を 2 を用いて表すと 以下のようになると気づいた 3 n + 1 = ( 2 + 1 ) n + { 2 1 } また 3 倍した後 1 を加える操作は 3 倍した後その数以上の最小の偶数にする操作である よって以下の式に書き換えることができる ( 2 + 1 ) n + { 2 1 } = ( 2 + 1 ) n + { 2 ( n mod 2 ) } つまり 2 以外の自然数 m を法とした変形コラッツ予想は以下の式で表すことができる この変形したコラッツ予想のプログラムを実装して 新たな法則や従来のコラッツ予想の解決の糸口を探していく 9

3-2 変形したコラッツ予想のプログラム 10

3-3 実行結果 m の値が 3 の時 (mod 3 コラッツ ) > 計算例 36 3 = 12 12 3 = 4 (3+1)4+{3-(4 mod 3)} = 18 18 3 = 6 6 3 = 2 (3+1)2+{3-(2 mod 3)} = 9 9 3 = 3 3 3 = 1 11

> 最小値が 7 の無限ループになった mod 3 コラッツの場合 全て 1 に到達するとは限らない 1 に到達する場合と 最小値が 7 になる場合の 2 通りになることが分かった 12

m の値が 4 の時 (mod 4 コラッツ ) > 13

> 最小値が 23 の無限ループになった mod4 コラッツの場合 全て 1 に到達するとは限らない 1 に到達する場合と 最小値が 23 になる場合の 2 通りになることが分かった 14

m の値が 5 の時 (mod 5 コラッツ ) > 15

> mod 5 コラッツの場合 全て 1 に到達することが確認できた 16

m の値が 6 の時 (mod 6 コラッツ ) > > 最小値が 23 の無限ループになった 17

> 18

19

最小値が 88 の無限ループになった mod6 コラッツの場合 全て 1 に到達するとは限らない 1 に到達する場合と 最小値が 23 88 になる場合の 3 通りになることが分かった 20

m の値が 7 の時 (mod 7 コラッツ ) > mod 7 コラッツの場合 全て 1 に到達することが確認できた 21

m の値が 8 の時 (mod 8 コラッツ ) > 22

mod 8 コラッツの場合 全て 1 に到達することが確認できた 23

m の値が 9 の時 (mod 9 コラッツ ) > 24

> 25

最小値が 35 の無限ループになった mod 9 コラッツの場合 全て 1 に到達するとは限らない 1 に到達する場合と 最小値が 35 になる場合の 2 通りになることが分かった 上記の結果のまとめ に到達 mod 3 コラッツ 最小値 mod 7 コラッツ 1 に到達 に到達 mod 4 コラッツ 最小値 mod 8 コラッツ 1 に到達 mod 5 コラッツ 1 に到達 に到達 mod 9コラッツ 最小値 に到達 mod 6 コラッツ 最小値 最小値 26

第 4 章 1 に到達する個数と割合を調べる 4-1 1~1000 の範囲 1~1000 までの数で 1 に到達する回数を調べるプログラム (mod 3 コラッツの場合 ) 上記の結果を mod 3 コラッツ ~mod 9 コラッツまでを円グラフにまとめた mod 3 コラッツ 79 個 921 個 1に到達最小値 7 mod 3 コラッツ 数の個数割合 1 に到達 79 7.9% 最小値 7 921 92.1% mod 3 コラッツは ほぼ最小値 7 のループになることがいえる 27

mod 4 コラッツ 311 個 689 個 1 に到達 最小値 23 mod 4 コラッツ数の個数割合 1 に到達 689 68.9% 最小値 23 311 31.1% mod 4 コラッツは 最小値 23 のループになる割合のほうが高いことがいえる mod 5 コラッツ 1000 個 1 に到達 mod 5 コラッツ 数の個数割合 1 に到達 1000 100% mod 5 コラッツは全て 1 に到達するといえる mod 6 コラッツ 334 個 354 個 312 個 1 に到達 最小値 23 最小値 88 mod 6 コラッツ 数の個数割合 1 に到達 312 31.2% 最小値 23 354 35.4% 最小値 88 334 33.4% mod 6 コラッツは 1 最小値 23 のループ 最小値のループ 88 のいずれかになるこ とがいえる 28

mod 7 コラッツ 1000 個 1 に到達 mod 7 コラッツは 全て 1 に到達するといえる mod 7 コラッツ回数割合 1 に到達 1000 100% mod 8 コラッツ 1000 個 1 に到達 mod 8 コラッツ 数の個数割合 1 に到達 1000 100% mod 8コラッツは 全て1に到達するといえる mod 9 コラッツ 70 個 930 個 1 に到達 最小値 35 mod 9 コラッツ 数の個数割合 1 に到達 930 93.0% 最小値 35 70 7.0% mod 9 コラッツは ほぼ 1 に到達するといえる 全ての円グラフより どの値も 1 に到達する場合もあるが無限ループになる可 能性も低くはないことが分かる 29

4-2 1~10000の範囲先ほどの結果数を増やして 1に到達する回数を調べる 1~10000までの数で 1に到達する個数と割合を調べるプログラム (mod 3コラッツの場合 ) 30

上記のプログラムの結果の割合を折れ線グラフにすると 以下のようになった 横軸の値は 1/1000 で記載する 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% mod 3 コラッツ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 に到達 7.9% 6.2% 5.5% 5.1% 4.7% 4.6% 4.4% 4.4% 4.3% 4.2% 最小値 7 92.1%93.9%94.5%95.0%95.3%95.4%95.6%95.7%95.7%95.8% 1 に到達する割合 約 4.2% 最小値 7 のループに到達する割合 約 95.8% 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% mod 4 コラッツ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 に到達 68.9%70.5%71.3%71.3%71.8%72.3%71.7%72.4%72.0%72.5% 最小値 23 31.1%29.6%28.7%28.7%28.2%27.7%28.3%27.7%28.0%27.5% 1 に到達する割合 約 72.5% 最小値 23 のループに到達する割合 約 27.5% 31

mod 5 コラッツ 120% 100% 80% 60% 40% 20% 0% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1に到達 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 1 に到達する割合 100% 50.0% 45.0% 40.0% 35.0% 30.0% 25.0% 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% mod 6 コラッツ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 に到達 31.2%27.8%26.5%26.2%26.1%25.7%25.5%25.4%25.4%25.5% 最小値 23 35.4%35.0%34.6%34.4%33.6%33.7%33.7%33.7%33.6%33.6% 最小値 88 33.4%37.3%39.0%39.4%40.3%40.6%40.8%40.9%41.0%40.9% 1 に到達する割合 約 25.4% 最小値 23 のループに到達する割合 約 33.7% 最小値 88 のループに到達する割合 約 40.8% 32

mod 7 コラッツ 120% 100% 80% 60% 40% 20% 0% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1に到達 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 1 に到達する割合 100% mod 8 コラッツ 120% 100% 80% 60% 40% 20% 0% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1に到達 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 1 に到達する割合 100% 33

mod 9 コラッツ 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1に到達 93.0%93.7%93.5%93.9%94.3%94.3%94.4%94.4%94.4%94.4% 最小値 35 7.0% 6.3% 6.5% 6.2% 5.7% 5.8% 5.6% 5.7% 5.6% 5.6% 1 に到達する割合 約 94.4% 最小値 35 のループに到達する割合 約 5.6% 34

第 5 章考察 5-1 考察本研究により コラッツ予想の式を一般化して自然数 mが1に到達するかどうかをmapleのプログラムを用いて実験した結果 1に到達する場合と 1に到達せず無限ループに入る場合を発見した mod 3 コラッツの場合 1に到達あるいは最小値 7の無限ループの2 通り 1に到達する割合 約 4.2% 最小値 7の割合 約 95.8% mod 4 コラッツの場合 1に到達あるいは最小値 23の無限ループの2 通り 1に到達する割合 約 72.5% 最小値 23の割合 約 27.5% mod 5 コラッツの場合 全ての数が1に到達 1に到達する割合 100% mod 6 コラッツの場合 1に到達あるいは最小値 23あるいは最小値 88の無限ループの3 通り 1に到達する割合 約 25.4% 最小値 23の割合 約 33.7% 最小値 88の割合 約 40.8% mod 7 コラッツの場合 全ての数が1に到達 1に到達する割合 100% mod 8 コラッツの場合 全ての数が1に到達 1に到達する割合 100% mod 9 コラッツの場合 1に到達あるいは最小値 35の無限ループの2 通り 1に到達する割合 約 94.4% 最小値 35の割合 約 5.6% 結果より コラッツ予想と同様に mod 5 mod 7 mod 8は全て1に到達しているといえる 35

5-2 今後の課題 出発点である n の値の範囲を広げたり (mod m) の自然数 m の桁数を増やしたり して 新たな計算をして 1 に到達するかどうかや最小値を調べる 謝辞 本研究を進めるにあたり ご指導いただいた研究室指導教員の白柳教授 研 究室の皆様に感謝致します 参考文献 数論 < 未解決問題 > の事典リチャード ガイ著 ( 発行朝倉出版 2011 年 ) 飯塚晃世情報科学科 2013 年度卒業論文 3x+1 問題の変形 ~3x-1 問題について ~ 峯岸広大情報科学科 2013 年度卒業論文 コラッツ予想の変形について 36