Vol.42 No.10( 2010)



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日本呼吸器学会雑誌第47巻第6号

1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め

72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m

表 1 入院時検査所見 11,500L 471 L 17.0 gdl.3 L ph 7.49 PaCO 37.8 mmhg PaO 67.4 mmhg HCO 3.6 meql B E 1. meql 141 meql K 3.9 meql Cl 108 meql Ca 8.4 mgdl P 4.5

エントリーが発生 真腔と偽腔に解離 図 2 急性大動脈解離 ( 動脈の壁が急にはがれる ) Stanford Classification Type A Type B 図 3 スタンフォード分類 (A 型,B 型 ) (Kouchoukos et al:n Engl J Med 1997) 液が血管

2010 年 6 月 25 表 身体所見 134 cm 31 kg /60 mmhg 83/ ,

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CPC

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

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(1) ) ) (2) (3) (4) (5) (1) (2) b (3)..

胸痛の鑑別診断持続時間である程度の鑑別ができる 数秒から1 分期外収縮筋 骨格系の痛み 心因性 30 分以内 狭心症食道痙攣 逆流性食道炎 30 分以上 急性心筋梗塞 解離性大動脈瘤 肺塞栓症 急性心膜炎自然気胸 胸膜炎胃 十二指腸潰瘍 胆嚢炎 胆石症帯状疱疹 急性心筋梗塞の心電図変化 R P T

/12/28 UP 3+, TP 4.2g/dl, Alb 1.9g/dl PSL 50mg/day 1/17 PSL 45mg/day PSL 2006/4/4 PSL 30mg/day mpsl mpsl1000mg 3 2 5/ :90 / :114/64 mmhg

125 2 P 1st washout 2 PB P mg/dL nd washout 2 P 5.5mg/dL< mg/dL <2.5mg/dL P P 2 D D 3 Ca 10

2 章 +αの 情 報 に 着 目 する! 1 血 球 算 定 検 査 結 果 2 生 化 学 検 査 結 果 手 がかりに 乏 しいのも+α 1 症 例 をみてみよう! 1 60 吉 見 祐 輔 percutaneous coronary intervention PCI

学位論文の要旨 Evaluation and influence of brachiocephalic branch re-entry in patients with type A acute aortic dissection (A 型急性大動脈解離における頸部分枝解離の影響 ) Shota Y

パネルディスカッション 2 Q 専門領域について選択してください 1. 消化器内科 2. 消化器外科 3. 放射線科 1% 4% 3% 21% 4. その他の医師 5. その他 ( 医師以外 ) 71%

背景 急性大動脈解離は致死的な疾患である. 上行大動脈に解離を伴っている急性大動脈解離 Stanford A 型は発症後の致死率が高く, それ故診断後に緊急手術を施行することが一般的であり, 方針として確立されている. 一方上行大動脈に解離を伴わない急性大動脈解離 Stanford B 型の治療方法

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37, 9-14, 2017 : cefcapene piperacillin 3 CT Clostridium difficile CD vancomycin CD 7 Clostridium difficile CD CD associate

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第 447 回東京医科大学臨床懇話会 403 話 大 大 大 大 大 大 回 大 大 大 大 大 大 大 話 大 大 話 41 5 B 大 A B B A A 大 大 大 大 大 2 回 回 1 話 大 A B A 大 B 大 A B A CT 2009 大 A 大 大 大 1 大

387 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )

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頻度 頻度 播種性血管内凝固 (DIC) での使用 前期 後期 PLT 数 大半が Plt 2.5 万 /ml 以下で使用 使用指針 血小板数が急速に 5 万 /μl 未満へと低下 出血傾向を認


094.原発性硬化性胆管炎[診断基準]

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

2.7.6 MJR a MRI CT b 2 Beecham r-afs mg/ mg/ Gn-RH 742


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第 15 回学術部一泊合同研修会 症例検討 臨床化学 事例 1 28 歳 男性 項目 TP ALB CRE UN AST ALT ALP LDH CK 初検 ( 再測定前 ) 測定値 項目 測定値 7.6 CKMB TC Na K Cl 1

2章 部位別のアプローチ法は 最後はちょっと意地悪な質問であるが この一連の問答に 従来わが国で 腹部全般痛のアプローチ と呼ばれてきたものの本質がある わが国では腸閉塞のことを と表現すること もう 1 つ X 線 もしくは CT と腸閉塞を区別しよう でびまん性の腸管拡張を認めるものを と言うた

帝京大学 CVS セミナー スライドの説明 感染性心内膜炎は 心臓の弁膜の感染症である その結果 菌塊が血中を流れ敗血症を引き起こす危険性と 弁膜が破壊され急性の弁膜症による心不全を発症する危険性がある 治療には 内科治療として抗生物質の投与と薬物による心不全コントロールがあり 外科治療として 菌を

BUN, CRP K mg/ cm, 49.6 kg, BMI /72 mmhg, 92/ Hb 6.7 g/dl PT-INR CT 1 MRI 2a, b T1 T2 T1 MRI

金沢大学放射線科 慶応大学放射線科 神戸大学第 2 外科 北里大学放射線科 厚生連高岡病院胸部外科 小倉記念病院循環器科 国立循環器病センター放射線診療部 桜橋渡辺病院血管外科聖マリアンナ医大放射線科帝京大学放射線科東京大学心臓外科東北大学放射線科奈良医大放射線科浜松医大放射線科広島市立安佐市民病院

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日本呼吸器学会雑誌第44巻第10号

Sample2 g/dl Target1 : 6.01 g/dl TP Target2 : 8.39 g/dl

1 2 2 ANCA pouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - ' UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, cm 61

レジデント初期研修用資料 内科診療ヒントブック 改訂2版

デスフルラン


非 心 臓 手 術 の 術 前 心 精 査 1) 非 心 臓 手 術 死 亡 の30-60%は 心 合 併 症 2) 高 齢 化 社 会 に 伴 い 心 疾 患 をもつ 患 者 の 非 心 臓 手 術 を 受 ける 機 会 が 増 加 術 前 心 精 査 を 担 当 する 循 環 器 内 科 の 役

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

血糖高いのは朝食後のため検査項目 下限値上限値 単位名称 9 月 3 日 9 月 6 日 9 月 15 日 9 月 18 日 9 月 21 日 9 月 24 日 9 月 28 日 10 月 1 日 10 月 3 日 10 月 5 日 10 月 9 日 10 月 12 日 10 月 15 日 10 月

59 20 : 50 : : : : : 2 / :20 / 25 GTP /28 5/3 5/4 5/8 6/1 1 7kg 6/9 :178.7cm :68.55kg BMI:21.47 :37.3 :78 / :156/78mmHg 1

医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会の進め方(案)

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研究協力施設における検討例 病理解剖症例 80 代男性 東京逓信病院症例 1 検討の概要ルギローシスとして矛盾しない ( 図 1) 臨床診断 慢性壊死性肺アスペルギルス症 臨床経過概要 30 年前より糖尿病で当院通院 12 年前に狭心症で CABG 施行 2 年前にも肺炎で入院したが 1 年前に慢性

2014 年 10 月 30 日放送 第 30 回日本臨床皮膚科医会② My favorite signs 9 ざらざらの皮膚 全身性溶血連鎖球菌感染症の皮膚症状 たじり皮膚科医院 院長 田尻 明彦 はじめに 全身性溶血連鎖球菌感染症は A 群β溶連菌が口蓋扁桃や皮膚に感染することにより 全 身にい

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当院における結石性腎盂腎炎 について


抗血栓薬内服の必要な ITP 患者の管理 杉本健 1) 大幡真也 1) 髙橋利匡 2) 阿部智喜 3) 古賀明日香 3) 竹内健人 2) 髙吉倫史 2) 西山勝人 3) 原賢太 2) 安友佳朗 3) 北播磨総合医療センター 1) 血液腫瘍内科 2) 糖尿病 内分泌内科 3) 内科 老年内科 内容の一

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遡及調査にて77日前の献血時のHBVウイルス血症が確認できた急性B型肝炎の一例


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1. 重篤な不正出血の発現状況 ( 患者背景 ) (1) 患者背景 ( 子宮腺筋症 子宮筋腫合併例の割合 ) 重篤な不正出血発現例の多くは子宮腺筋症を合併する症例でした 重篤な不正出血を発現した 54 例中 48 例 (88.9%) は 子宮腺筋症を合併する症例でした また 子宮腺筋症 子宮筋腫のい

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topics vol.15 光と ICG 修飾リポソームを用いた次世代がん治療 岡本芳晴鳥取大学農学部共同獣医学科獣医外科学教室教授 要約 今回新たに開発したICG 修飾リポソーム (ICG-lipo) と光源装置を用いたがん治療の原理を紹介します 本治療は ICG-lipoを血管内に投与し EPR

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第71巻5・6号(12月号)/投稿規定・目次・表2・奥付・背

1)表紙14年v0

医学教育用基準範囲 JCCLS 共用基準範囲に基づく 医学部学生用基準範囲設定についてのパブリックコメント公募 JCCLS 基準範囲共用化委員会 JCCLS 共用基準範囲は一般的な臨床検査 40 項目の基準範囲であり 日本臨床検査医学会 日本臨床化学会 日本臨床衛生検査技師会 日本検査血液学会の共同

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マネージャー

は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性

スライド 1

死亡率(人口10 万対1950 '55 '60 '65 '70 '75 '80 '85 '90 ' 心血管系疾患 ( 動脈硬化による ) とがんが死亡の大 部分を占める 脳血管疾患 悪性新生物 結核 心疾患 )肺炎 50 不慮の事故自殺 0 肝疾患昭和

鎖骨下動脈起始部閉塞に合併した急性上肢動脈血栓症の1例

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

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Transcription:

Three cases of elderly patients with infected aortic aneurysms or with suspicion of infected aortic dissection

Vol.42 No.10( 2010)

A B 大動脈瘤 仮性瘤 主気管支 弓部大動脈 右気管支 200 左気管支 肺動脈幹 図 2 症例 1 病理解剖所見 左房 左室前壁 400 A 大動脈弓部の左鎖骨下動脈 分岐部から遠位側に仮性瘤 を認める 太線囲み 感染 性心内膜炎の所見なし B 大動脈壁の破綻 瘤の内腔 には炎症性細胞の浸潤と感 染性血栓を認める を継続した 第 7 病日よりテイコプラニン400mg/日 潰瘍術後 労作性狭心症 閉塞性動脈硬化症 とリファンピシン300mg/日に抗生物質を変更 いっ 家族歴 特記事項なし たんは解熱したものの 炎症反応が遷延した さら 生活歴 喫煙 60本/日 35年 飲酒 機会飲酒 に第63病日よりリネゾリド600mg/日を追加したが 現病歴 2008年 4 月初旬朝 右肩から左側部にか 肝機能障害が出現し 2 日間の投与後中止となる けて刺し込むような胸痛が出現し近医を受診 ニト 経過中透析および濃厚赤血球輸血を適宜施行した ログリセリン舌下錠にて改善せず 当院救急外来を 第86病日 透析中に突然鮮血を嘔吐し出血性ショッ 受診した 急性冠症候群を疑う明らかな所見は認め クを呈し 治療に反応せず第88病日に永眠した なかったが 炎症反応が上昇していたため入院と 病理所見 図 2 肉眼所見 大動脈弓部の左鎖骨 なった 下動脈分岐部付近から遠位にかけて仮性大動脈瘤を 入 院 時 現 症 血 圧149/84mmHg 脈 拍102/分 認め 血管壁の破綻と左肺胞への出血あり 鏡検所 整 体温37.0 心雑音なし 肺雑音なし 見 動脈瘤壁の破綻および瘤の内腔で好中球浸潤を 入院時検査所見 血算 WBC 10,490/μL RBC 伴った感染性血栓を認め 感染性弓部大動脈瘤破裂 310万/μL Hb 10.1g/dL Ht 30.5 PLT 22.1万/ と診断された 菌体の検出は認められなかった 感 μl 凝固 PT-INR 0.92 APTT 28.0秒 Fib 1,035 染性心内膜炎を示唆する所見なし mg/dl D-dimer 3.3μg/mL 生化学 TP 7.3g/dL Alb 3.2g/dL BUN 19.0mg/dL Cr 1.3mg/dL T-Bil 2 症例 2 0.6mg/dL AST 76 IU/L ALT 110 IU/L ALP 253 患者 83歳 男性 IU/L LDH 223 IU/L CK 65 U/L CRP 8.59mg/ 主訴 左側胸部痛 dl Na 137mEq/L K 3.9mEq/L Cl 106mEq/L 既往歴 前立腺癌にてホルモン療法中 十二指腸 BNP 159.4pg/mL 感染性大動脈瘤と感染性大動脈解離が疑われた 3 例 1309

Vol.42 No.10( 2010)

A C B 第13病日 D 第63病日 入院日 第20病日 図 4 症例 2 感染性大動脈瘤CT経過 A 下行大動脈に真性瘤を認める B 瘤径拡大および胸水出現 C 抗生物質投与後 7 日目 瘤径はほぼ不変 D 胸水は少量認めるのみ dl Na 139mEq/L K 4.2mEq/L Cl 103mEq/L 偽腔へ感染が起こり 感染性大動脈解離となったこ 入院時胸部X線所見 CTR 63 縦隔拡大あり とを示唆した しかし 複数回施行した血液培養は 左肺胸水貯留あり 陰性でありGaシンチグラフィを施行するも異常集積 胸部CT所見 図 5 A D 第 1 病日 下行大動脈 は認めなかった 炎症反応が持続し動脈拡大を認め 解離と左胸水貯留を認める 第53病日 B型解離と たためメロペネム1.0g/日の投与を開始したが改善せ しての経過は良好 第67病日 偽腔拡大 および壁 ず バンコマイシン0.5g/日に変更 14日間の投与後 の不整な肥厚あり 第78病日 不整な壁肥厚が改善 臨床症状の改善を得 第78病日での造影CTにて壁不 した 整像の消退傾向を確認した Gaシンチグラフィ所見 Gaの異常集積を認めず 入院後経過 CT上解離腔内の低吸収域の拡大と当 考察 該部位にのみ隣接肺組織の毛羽立ち像を認めた ま 感染性大動脈瘤は 感染による血管壁構造の破綻 た 入院時より認めていた左胸水が急速に増量し 呼 により血管径が増大した状態であり 感染塞栓によ 吸状態が増悪したため 第 4 病日に血清胸水900mL るもの mycotic aneurysm 血管壁への局所感染か を穿刺し Stanford B型大動脈解離 および切迫破 ら新たな瘤が形成されるもの microbial arteritis with 裂と診断した 降圧療法と疼痛管理を行い良好な経 aneurysm 既存の大動脈瘤や血管病変に 2 次的に感 過であった 第60病日より夜間の発熱と原因不明の 染が合併するもの infected preexisting aneurysm 炎症反応上昇が再度出現し CRP 8 10と上昇を認 外傷後のものに分類され 動脈硬化性変化はいずれ めた 造影CT検査にて偽腔に不均一な造影効果の出 の病態にもリスクとなり得る 2 感染の経路としては 現を認め 大動脈径は37mmから50mmと著明に拡 隣接感染巣からの直接波及 感染塞栓によるもの 大しており これらの所見は血栓閉塞が進んでいる 血流中の細菌の栄養血管 vaso vasorum を介した粥 感染性大動脈瘤と感染性大動脈解離が疑われた 3 例 1311

Vol.42 No.10( 2010)

Clin Cardiol Ann Thorac Surg J Vasc Surg J Vasc Surg J Vasc Surg Arch Surg Clin Infect Dis Radiology Radiographics J Vasc Surg Vascular J Vasc Surg