(サマリー)TDB REPORT 113号「スマートフォン業界読解/地域経済動向」



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資料3 家電エコポイント制度の政策効果等について

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

●電力自由化推進法案

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

第316回取締役会議案

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

タイトル

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Microsoft PowerPoint - 総合型DB資料_県版基金説明用.pptx

(2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 該 当 事 項 はありません (3) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 作 成 に 係 る 会 計 処 理 の 原 則 手 続 表 示 方 法 等 の 変 更 当

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Microsoft Word )40期決算公開用.doc

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

2000 年 12 月 輸 出 の 減 速 によりテンポはやや 鈍 化 しているものの 緩 やかな 回 復 を 続 けている 2001 年 1 月 緩 やかな 回 復 を 続 けているが そのテンポは 輸 出 の 減 速 により 鈍 化 している 2001 年 2 月 緩 やかな 回 復 を 続 け

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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

個人住民税徴収対策会議

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支


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Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有


スライド 1

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調 査 結 果 トピック1: 性 年 代 別 利 用 率 の 利 用 率 は 男 女 ともに 各 年 代 で 大 きく 伸 長 している 2011 年 9 月 の 調 査 では の 年 代 別 利 用 率 は 男 女 とも が 最 も 高 く が 23.9% が 20.5%だったが 今 年 の 調

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Microsoft PowerPoint 神戸大学講義(前半)開示.ppt


注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

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一般競争入札について

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

文化政策情報システムの運用等

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

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経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

(Microsoft Word - \203A \225\345\217W\227v\227\314 .doc)

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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1 書 誌 作 成 機 能 (NACSIS-CAT)の 軽 量 化 合 理 化 電 子 情 報 資 源 への 適 切 な 対 応 のための 資 源 ( 人 的 資 源,システム 資 源, 経 費 を 含 む) の 確 保 のために, 書 誌 作 成 と 書 誌 管 理 作 業 の 軽 量 化 を 図

学校安全の推進に関する計画の取組事例

市 の 人 口 密 度 は 5,000 人 を 超 え 図 4 人 口 密 度 ( 単 位 : 人 /k m2) に 次 いで 高 くなっている 0 5,000 10,000 15,000 首 都 圏 に 立 地 する 政 令 指 定 都 市 では 都 内 に 通 勤 通 学 する 人 口 が 多

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平成24年度 業務概況書

1. 中 小 企 業 等 経 営 強 化 法 の 目 的 (1) 生 産 性 向 上 の 必 要 性 (3) 業 種 別 の 経 営 課 題 への 対 応 少 子 高 齢 化 人 手 不 足 等 の 状 況 において 効 果 的 に 付 加 価 値 を 生 み 出 せるよう 製 造 業 はもとより

財政再計算結果_色変更.indd

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

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●幼児教育振興法案

スライド 1

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PowerPoint プレゼンテーション

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

Microsoft Word 運営方針(本編)

No.7 アメリカ 合 衆 国 小 規 模 事 例 (そ4) 助 金 も 財 源 になっている しかし 小 規 模 事 業 体 では 連 邦 政 府 から 基 金 はもちろん 市 から 補 助 金 もまったくない が 実 状 である すなわち 給 人 口 が25 人 から100 人 規 模 小 規

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

ができます 4. 対 象 取 引 の 範 囲 第 1 項 のポイント 付 与 の 具 体 的 な 条 件 対 象 取 引 自 体 の 条 件 は 各 加 盟 店 が 定 めます 5.ポイントサービスの 利 用 終 了 その 他 いかなる 理 由 によっても 付 与 されたポイントを 換 金 すること

Microsoft Word 短信.doc

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資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

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の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

3 圏 域 では 県 北 沿 岸 で2の 傾 向 を 強 く 見 てとることができます 4 近 年 は 分 配 及 び 人 口 が 減 少 している 市 町 村 が 多 くなっているため 所 得 の 増 加 要 因 を 考 える 場 合 は 人 口 減 少 による 影 響 についても 考 慮 する

平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

連結計算書

説 明 内 容 料 金 の 算 定 期 間 と 請 求 の 単 位 について 分 散 検 針 制 日 程 等 別 料 金 料 金 の 算 定 期 間 と 支 払 義 務 発 生 日 日 程 等 別 料 金 の 請 求 スケジュール 料 金 のお 支 払 い 方 法 その 他 各 種 料 金 支 払

市 町 村 税 の 概 況 市 町 村 税 の 概 況 は 平 成 25 年 度 地 方 財 政 状 況 調 査 平 成 26 年 度 市 町 村 税 の 課 税 状 況 等 の 調 及 び 平 成 26 年 度 固 定 資 産 の 価 格 等 の 概 要 調 書 等 報 告 書 等 の 資 料 に

2013年3月期第1四半期決算資料

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3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

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スライド 1

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

業 種 別 業 況 は 製 造 業 が 46.2 で 前 期 より 12.3 ポイント 低 下 ( 前 期 33.9) し 建 設 業 が 48.1 で 13.1 ポイントの 低 下 商 業 サービス 業 が 65.1 で 3.4 ポイントの 低 下 となりました 製 造 業 のポイントの 低 下

工 事 名 渟 城 西 小 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 2 月 23 日 ( 火

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

2016年夏のボーナス見通し

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

Transcription:

TDB REPORT 113 号 -スマートフォン 業 界 読 解 / 地 域 経 済 動 向 2012-1. スマートフォン 業 界 読 解 通 話 やインターネットへの 接 続 音 楽 動 画 の 再 生 といった 多 様 な 機 能 を 持 つ スマートフォ ン 国 内 外 において 急 速 に 普 及 が 進 むこの 情 報 通 信 端 末 は 電 子 機 器 部 品 産 業 のみならず 通 信 事 業 やソフトウェアなど 関 係 する 業 界 に 競 争 を 起 こし 新 たな 盛 衰 をもたらしつつある また 今 後 についても その 利 用 により 業 務 の 効 率 化 や 生 産 性 の 向 上 が 図 れることから 業 界 を 問 わず 企 業 の 成 長 発 展 を 促 す 可 能 性 がある そこで 第 1 特 集 では スマートフォンの 市 場 拡 大 が 関 係 する 業 界 にもたらす 変 化 を 考 察 する とともに 部 品 製 造 ならびにソフトウェア(アプリ) 開 発 について 業 界 への 参 入 企 業 の 分 析 を 試 み 成 長 産 業 業 界 の 現 状 と 今 後 を 展 望 した スマートフォンはパソコンの 発 展 形 日 本 では 1990 年 代 後 半 から インターネットへの 接 続 や 音 楽 プレーヤーとしての 機 能 などを 備 え る 多 機 能 な 携 帯 電 話 (フィーチャーフォン)の 開 発 普 及 が 進 んできている スマートフォンはこのフ ィーチャーフォンの 進 化 形 と 認 識 されがちだが 両 者 にはいくつかの 違 いがある スマートフォンとフィーチャーフォンの 最 大 の 違 い それはコンピュータの 基 本 的 な 制 御 を 行 うソ フトウェア OS にある フィーチャーフォンに 搭 載 される OS は 通 信 事 業 者 や 端 末 に 特 化 した 固 有 のものであるのに 対 し スマートフォンでは 通 常 のパソコン 向 けの OS をベースとした 汎 用 性 のある ものである 言 い 替 えれば パソコンと 互 換 性 のある OS が 搭 載 されることが スマートフォンの 最 大 の 特 徴 である したがって スマートフォンとは 携 帯 電 話 の 多 機 能 化 進 化 形 ではなく パソコン のモバイル 化 の 発 展 形 といえる 市 場 拡 大 の 要 因 は 端 末 そのものと 利 用 環 境 の 変 化 スマートフォンの 代 名 詞 ともいえる iphone 日 本 でも 爆 発 的 にヒットした 要 因 のひとつには タッ チパネルという 新 たな 操 作 方 法 ユーザーインターフェース(UI)を 提 供 したことにある 番 号 キーや キーボードによる 操 作 と 比 べ 簡 単 で 分 かりやすく かつスムーズな 操 作 感 を 提 供 するこの 特 徴 は ス マートフォンが 市 場 を 拡 大 してきている 大 きな 要 因 といえる スマートフォンについてはさらに 膨 大 な 数 のアプリにより 機 能 の 追 加 ができ パソコンで 管 理 している 各 種 データを 同 期 ( 自 動 で 同 じ 状 態 に 保 つ 機 能 )して 持 ち 運 べる ことを 特 徴 としてあげる ことができる このスマートフォンならではの 利 便 性 が 評 価 され 市 場 の 拡 大 につながっていることは 論 を 待 たないが それは コンピュータシステムとネット 環 境 が 高 度 化 し アプリやデータがクラウ ドサービスを 介 して 動 作 活 用 できるようになったことで 実 現 している スマートフォンの 市 場 拡 大 は ソフトウェアやデータの 利 用 環 境 の 変 化 が 後 押 ししたものといえる 国 内 のスマートフォン 市 場 2010 年 度 に 急 拡 大 国 内 におけるスマートフォンの 市 場 は 2010 年 度 に 急 拡 大 した MM 総 研 の 発 表 によると 同 年 度 のスマートフォンの 国 内 出 荷 台 数 は 855 万 台 前 年 度 比 265.4% 増 の 大 幅 増 だった 各 通 信 事 業 者 からアンドロイド 端 末 が 相 次 ぎ 発 売 されたこと 特 に 年 末 商 戦 にお いて ワンセグ や 非 接 触 IC カード 赤 外 線 ポート など 携 帯 電 話 の 付 加 機 能 として 独 自 に 発 展 した 1

機 能 を 搭 載 したモデルが 登 場 したことが 要 因 である 同 年 度 の 携 帯 電 話 端 末 の 国 内 出 荷 台 数 に 占 める スマートフォン 端 末 の 割 合 は 22.7%であり 同 15.9 ポイント 増 となった さらに 市 場 拡 大 は 2011 年 度 に 入 って 加 速 している ( 万 台 ) 同 社 の 発 表 によると 同 年 度 携 帯 電 話 端 末 の 国 内 出 荷 台 数 上 半 期 (4~9 月 期 )のスマー 6,000 60 出 荷 台 数 : 携 帯 電 話 スマートフォンシェア トフォンの 国 内 出 荷 台 数 は 5,000 ( 左 目 盛 ) ( 右 目 盛 ) 50 1,004 万 台 であり すでに 出 荷 台 数 :スマートフォン 4,000 ( 左 目 盛 ) 40 前 年 度 通 期 を 上 回 った 通 年 度 では 2,330 万 台 同 3,000 30 172.5% 増 となる 見 込 みだ 携 帯 電 話 端 末 におけるスマ ートフォンの 出 荷 台 数 シェ 2,000 1,000 20 10 アも 同 33.3 ポイント 増 の 56.0%と 過 半 数 を 上 回 る 0 0 2006 07 08 09 10 11 ( 年 度 ) 出 典 :( 株 )MM 総 研 { 東 京 港 } 注 :2011 年 度 は 見 通 し とみられている (%) スマートフォンがもたらす 変 化 情 報 通 信 端 末 のなかでその 存 在 感 を 増 しているスマートフォン その 隆 盛 は 通 信 事 業 や 端 末 部 品 製 造 ソフトウェア 開 発 など 関 連 する 業 界 はもとより 機 能 が 重 なる 電 子 機 器 の 業 界 にも 変 化 をも たらしつつある その 現 状 と 今 後 を 展 望 する 通 信 事 業 者 契 約 件 数 獲 得 と 通 信 料 金 単 価 アップの 強 い 武 器 に 通 信 事 業 収 入 は 契 約 件 数 と 通 信 料 金 単 価 の 積 算 である このうち 国 内 の 移 動 体 通 信 契 約 件 数 は 漸 増 しており 2010 年 度 末 には 1 億 2,000 万 件 を 突 破 した 計 算 上 国 民 1 人 が 1 契 約 を 持 つ 飽 和 状 況 に 陥 りつつある 一 方 通 信 料 金 単 価 については 漸 減 している 契 約 獲 得 に 向 け 値 下 げ 競 争 が 繰 り 広 げられているこ と また 連 絡 手 段 として 電 話 ではなく 電 子 メールの 利 用 が 拡 大 し 通 話 料 収 入 ( 音 声 ARPU)が 低 下 し ていることが 要 因 である したがって 通 信 事 業 各 社 にとって 他 社 契 約 の 奪 取 による 契 約 件 数 の 増 加 と 通 信 料 金 単 価 の 引 き 上 げが 収 入 増 に 向 けた 喫 緊 の 課 題 となっている スマートフォンは この 課 題 を 解 決 する 強 力 な 武 器 となる フィーチャーフォンとは 違 う 新 たな 端 末 としてアピールできるとともに その 利 用 においてネット 接 続 による 大 量 のデータ 通 信 が 見 込 まれ デ タ 通 信 の ARPU の 上 昇 それによる 通 信 料 金 単 価 の 維 持 上 昇 を 期 待 できるためだ iphone は 通 信 事 業 者 を 疲 弊 させる 可 能 性 がある KDDI は 2011 年 10 月 14 日 から iphone の 販 売 を 開 始 した iphone によるソフトバンクと KDDI の 新 たな 顧 客 争 奪 競 争 は 両 社 はもとより iphone を 持 たないドコモにも 厳 しい 状 況 をもたらす 可 能 性 がある KDDI とソフトバンクの 攻 防 の 焦 点 は 通 信 のつながりやすさ にあり KDDI はソフトバンクに 比 べ つながりやすい という 点 をアピールして 契 約 奪 取 を 目 指 している ただ スマートフォンのデー 2

タ 通 信 量 はフィーチャーフォンの 10~20 倍 とされ iphone の 導 入 によるユーザー 数 の 急 増 が 通 信 回 線 (3G 回 線 )の 容 量 の 限 界 を 早 める 恐 れがある KDDI は 同 状 況 を 想 定 し アンドロイド 端 末 に 高 速 データ 通 信 サービス WiMAX 対 応 モデルを 用 意 し データ 通 信 を 3G 回 線 から 同 サービスに 担 わせる 施 策 を 進 めている だが iphone についてはユ ーザー 獲 得 のためデータ 定 額 料 金 をアンドロイド 端 末 より 安 く 設 定 したため アンドロイド 端 末 が 売 れず 同 策 が 奏 功 しない 可 能 性 がある また iphone は アプリを 販 売 する 市 場 (App Store)や 音 楽 映 画 などのコンテンツを 販 売 する 市 場 (itunes Store) 課 金 システムなどのすべてをアップルが 設 計 している EZ ナビウォーク や au Run&Walk などの 独 自 コンテンツ 音 楽 配 信 サービス LISMO を 展 開 してきた KDDI にとって は iphone の 導 入 は 自 社 サービスの 利 用 減 退 収 益 減 を 招 く 可 能 性 があることも 懸 念 点 といえる 一 方 ソフトバンクも iphone の 大 ヒットにより 急 速 に 顕 在 化 した つながりにくい という 状 況 の 改 善 に 向 け 2010 年 3 月 に ソフトバンク 電 波 改 善 宣 言 を 打 ち 出 し 基 地 局 整 備 やスマートフォン のデータを ADSL などの 固 定 通 信 網 に 移 すための 機 器 の 配 布 などの 対 策 を 進 めている 2011 年 11 月 からは 経 営 破 綻 したウィルコムから 承 継 した 周 波 数 帯 を 使 用 する 次 世 代 ネットワーク サービスを 開 始 し 2012 年 度 末 までには 全 国 政 令 指 定 都 市 人 口 の 99%をカバーするサービスの 提 供 を 目 指 してい る ただ KDDI との 競 争 が 今 後 の 収 益 に 影 響 を 与 えることは 必 至 であり ソフトバンクにとって 急 速 なインフラ 整 備 にともなうコスト 増 は 大 きな 負 担 となる 可 能 性 を 否 定 できない さらに 両 社 はもちろんドコモにも 降 りかかる 恐 れがあるのが 料 金 競 争 の 一 層 の 激 化 である iphone の 取 り 扱 いに 際 しては 契 約 上 アップルから 通 信 事 業 者 に 一 定 量 の 販 売 台 数 が 課 せられる 顧 客 奪 取 だけでなく 販 売 ノルマの 達 成 に 向 け KDDI とソフトバンクの 両 社 は iphone 用 に 戦 略 的 な 料 金 プランや 販 促 支 援 策 を 設 定 せざるを 得 ない 他 方 両 社 の iphone 攻 勢 に 立 ち 向 かうため ドコ モも 競 争 力 のあるスマートフォン 向 け 料 金 プランの 設 定 を 避 けられない 実 際 KDDI は 導 入 に 合 わせて iphone 向 けに 同 社 が 扱 うほかのスマートフォン 向 けよりも 低 額 の 料 金 プランを 設 定 ソフトバンクは 旧 モデルからの 機 種 変 更 を 実 質 無 料 とするキャンペーンを 実 施 し ている ドコモも 新 たな 高 速 通 信 サービスに 対 応 するスマートフォン 向 けのデータ 定 額 料 金 の 大 幅 値 下 げを 打 ち 出 した 電 気 通 信 事 業 者 協 会 の 発 表 によると 2011 年 10 月 の 契 約 純 増 数 はドコモが 8 万 9,600 件 KDDI が 19 万 6,900 件 ソフトバンクが 24 万 7,600 件 新 たな 料 金 設 定 による 各 社 の 契 約 への 影 響 を 判 断 するには 時 期 尚 早 だが 依 然 としてソフトバンクが iphone 先 行 による 強 さをみせているといえる 仮 にこの 状 況 が 今 後 も 続 くとなると KDDI は 現 状 ではソフトバンクよりも 高 めに 設 定 されている iphone 向 け 料 金 プランを 値 下 げし さらには 他 のスマートフォン 向 け 料 金 プランも 見 直 しを 余 儀 なく される 可 能 性 がある そうすると ソフトバンクやドコモも 対 抗 策 として 料 金 プランの 値 上 げを 行 う とみられ 料 金 競 争 の 激 化 は 避 けられなくなる なお 通 信 回 線 容 量 の 限 界 は 消 費 者 にも 影 響 を 及 ぼす 問 題 となりつつある 通 信 量 を 抑 えるため に データ 通 信 料 金 の 定 額 制 から 従 量 制 への 移 行 が 検 討 されているためだ 海 外 ではすでに 移 行 した 事 例 があり 国 内 事 業 者 の 判 断 が 注 目 されている 端 末 メーカー グローバル 競 争 に 巻 き 込 まれる 国 内 の 携 帯 電 話 端 末 市 場 において 国 内 メーカーは 圧 倒 的 な 強 さを 誇 っている だが 世 界 市 場 で は 国 内 メーカーは 存 在 感 がない その 理 由 は 2 つある ひとつは 国 内 では 1990 年 代 後 半 端 末 に 日 本 独 自 の 通 信 規 格 や 仕 様 が 採 用 されたことである 3

通 信 事 業 者 の 主 導 によるこの 決 定 により 海 外 メーカーの 国 内 市 場 への 参 入 が 難 しくなった 一 方 国 内 メーカーの 海 外 展 開 も 海 外 向 け 端 末 の 開 発 という 負 担 により 容 易 ではなくなったのである もうひとつは ガラパゴスケータイ と 揶 揄 されるほど 日 本 独 自 のものとして 端 末 が 進 化 してし まったことである 2000 年 代 以 降 国 内 でも 世 界 標 準 の 通 信 規 格 (W-CDMA/cdma2000)が 採 用 され たことから 端 末 メーカー 各 社 の 海 外 展 開 は 活 発 化 した だが 日 本 の 消 費 者 の 細 かなニーズに 対 応 するなかで ワンセグ や おサイフケータイ など 海 外 では 利 用 できない 多 様 な 機 能 が 端 末 に 付 加 さ れたうえ 高 価 格 となってしまい 世 界 で 求 められるものと 異 なってしまったのである ただ スマートフォンについては こうした 問 題 は 海 外 展 開 の 足 かせとはならない それは OS の 規 格 仕 様 が 世 界 に 公 開 された すなわち 基 本 仕 様 が 世 界 共 通 のアンドロイドを 利 用 すれば 海 外 向 けの 端 末 も 共 通 化 でき 世 界 のニーズにそった 商 品 を 低 価 格 で 提 供 できるためだ 国 内 メーカーにと って フィーチャーフォンでは 失 敗 した 海 外 展 開 のチャンスが 再 びもたらされたのである 一 方 このことはまた 海 外 メーカーが 国 内 市 場 への 進 出 を 加 速 する 可 能 性 があることも 意 味 する スマートフォンの 普 及 は 端 末 市 場 の 競 争 をこれまで 以 上 にグローバル 化 するものといえる 部 品 メーカー より 高 い 製 品 力 技 術 力 コストパフォーマンスが 求 められる スマートフォンが 部 品 メーカーにもたらす 変 化 としては 大 きく 2 つをあげることができる 変 化 のひとつは 需 要 される 部 品 の 変 化 である たとえば フィーチャーフォンでは 数 字 ボタンで 多 くの 操 作 を 行 うが スマートフォンではタッチパネルに 触 れて 操 作 する したがって スマートフ ォンでは 数 字 ボタンに 関 連 する 部 品 の 需 要 は 減 り 代 わりにタッチパネルに 関 連 する 部 品 の 需 要 が 拡 大 する ただ スマートフォンとフィーチャーフォンとを 比 べた 場 合 ハードとしての 変 化 はタッチ パネルの 採 用 以 外 に 本 質 的 な 違 いはない この 影 響 は 一 部 にとどまるとみるべきである もうひとつの 変 化 は 求 められるスペック 技 術 の 変 化 である こちらの 変 化 の 影 響 は 大 きい スマートフォンは 高 機 能 化 にともない フィーチャーフォンと 比 べ 1 台 に 搭 載 される 部 品 の 数 が 多 い にもかかわらず 1 回 の 充 電 による 使 用 時 間 を 伸 ばすために 電 池 の 大 型 化 も 避 けて 通 れない そ のため より 小 型 で 高 い 省 エネ 性 能 を 持 つ 部 品 の 需 要 が 拡 大 するとともに 限 られたスペースに 部 品 を 詰 め 込 む 高 密 度 実 装 技 術 の 重 要 性 が 高 まっている 一 方 世 界 市 場 では 低 価 格 な 端 末 の 需 要 が 拡 大 していることから 部 品 も 値 下 げ 圧 力 が 高 まってい るとみられる 部 品 メーカーにとってスマートフォンは より 高 い 製 品 力 と 技 術 力 コストパフォー マンスを 要 求 される 厳 しい 商 品 といえるだろう ただ この 要 件 を 端 末 メーカーや EMS メーカーに より 認 められた 企 業 にとっては 今 後 の 高 い 成 長 を 期 待 できる 商 品 ともいえる モジュール 化 の 進 化 がカギ モバイル 型 の 情 報 携 帯 端 末 では 部 品 のモジュール 化 が 進 んでいる モジュール 化 は 組 み 合 わせの 方 法 によって 少 ない 体 積 で 部 品 を 実 装 でき また 部 品 の 交 換 により 機 能 向 上 を 容 易 に 行 えるというメ リットがあるためである スマートフォンについても 多 様 な 機 能 を 限 られたスペースに 搭 載 するた めに モジュール 化 が 可 能 な 機 能 におけるモジュール 部 品 の 採 用 は 進 んでいる モジュール 化 は 部 品 メーカーにとっても 事 業 拡 大 のチャンスといえる 技 術 力 のアピールに 加 え 端 末 メーカーとの 共 同 開 発 の 機 会 が 生 まれ 部 品 が 採 用 される 可 能 性 が 高 まるためだ ただ 今 後 の 市 場 拡 大 にともない スマートフォンも 一 層 の 小 型 薄 型 化 の 要 求 が 強 まり 既 存 の モジュール 化 技 術 では 対 応 できないレベルが 求 められる 可 能 性 がある 部 品 メーカーにとっては モ ジュール 化 技 術 の 進 化 はスマートフォン 事 業 で 勝 ち 抜 くためのひとつの 重 要 な 要 素 になるとみられる 4

ソフトウェア 開 発 事 業 者 中 小 事 業 者 でも 参 入 が 容 易 なアプリ 開 発 スマートフォンがもたらす 変 化 として 市 場 の 活 況 という 変 化 をもっとも 強 く 受 けているといえる のが アプリを 開 発 するソフトウェア 開 発 事 業 者 である スマートフォンはアプリの 追 加 により 端 末 としての 利 便 性 が 高 まることから アプリの 開 発 市 場 投 入 が 端 末 の 市 場 拡 大 を 促 し また 新 たなア プリの 開 発 を 後 押 しする 循 環 にあるためだ アプリはソフトウェアの 開 発 販 売 において 独 特 な 面 があることも 市 場 の 隆 盛 の 一 因 といえる ソフトウェア 開 発 は 基 本 的 に 発 注 者 から 大 手 ( 元 請 け) 中 小 ( 下 請 け) 零 細 個 人 ( 孫 請 け)という 重 層 的 な 下 請 け 構 造 を 持 つ 受 注 産 業 であり 大 手 を 除 いては 自 らコンテンツを 企 画 開 発 し 販 売 する という 取 り 組 みはほとんどない だが アプリについては 中 小 や 零 細 個 人 事 業 者 でも 自 ら 企 画 開 発 ができ App Store や Android Market といった 専 用 サイトで 販 売 することができる 技 術 力 があれば 中 小 以 下 の 事 業 者 にもチャンスがあるこの 仕 組 みにより 市 場 は 多 くの 事 業 者 の 参 入 を 招 き 活 況 を 呈 しているのである 収 益 向 上 には 貢 献 せず だが 市 場 の 活 況 が 事 業 者 の 収 益 向 上 につながっているわけではない 前 述 のとおり ソフトウェ ア 開 発 事 業 は 重 層 的 な 下 請 け 構 造 となっていることに 加 え 参 入 激 化 により 開 発 料 金 のたたき 合 いが 厳 しいためである また 仮 にアプリを 自 ら 企 画 開 発 したとしても アプリの 販 売 (ダウンロード 課 金 )から 収 益 を 得 ることは 難 しいとみられる 現 状 では アプリの 販 売 を 収 益 の 軸 とするソフトウェア 開 発 事 業 者 は 少 ないとみられる 中 小 や 零 細 個 人 事 業 者 が 自 らアプリを 企 画 開 発 販 売 する 取 り 組 みは 開 発 技 術 力 をアピールするため と 考 えられる ソフトウェア 開 発 事 業 にとってスマートフォンは 収 益 向 上 に 貢 献 するには 難 しい 分 野 であるとい える ただ 参 入 が 容 易 であることから 今 後 もスマートフォン 関 連 業 界 のなかではもっとも 盛 り 上 がりを 見 せるものとみられる デジタル 機 器 メーカー スマートフォン 特 に 国 内 市 場 に 投 入 されるガラパゴス 化 した 端 末 は 機 能 が 重 なる 他 のデジタル 機 器 の 市 場 を 侵 食 する 可 能 性 がある 1.パソコン ~ ネットブックは 駆 逐 される 可 能 性 が 高 い パソコンのなかで スマ (%) ートフォン 同 様 に 携 帯 性 が 25.0 特 長 のモバイルノート 型 の 20.0 成 長 にはやや 鈍 化 の 傾 向 が 15.0 10.0 うかがえる 電 子 情 報 技 術 5.0 産 業 協 会 の 発 表 によると 0.0 モバイルノート 型 パソコン -5.0-10.0 の 2010 年 度 の 出 荷 台 数 伸 -15.0 び 率 は 前 年 度 比 6.5% 減 -20.0-25.0 ノート 型 パソコン 全 体 に 占 めるシェアは 同 2.8 ポイン モバイルノート 型 パソコンの 国 内 出 荷 動 向 モバイルノート 型 パソコンの ノート 型 パソコンに 占 める 割 合 モバイルノート 型 パソコンの 国 内 出 荷 伸 び 率 2006 07 08 09 10 11( 年 度 ) ( 上 半 期 ) 出 典 : 電 子 情 報 技 術 産 業 協 会 発 表 資 料 より 帝 国 データバンク 作 成 5

ト 減 の 19.7%だった 2011 年 度 上 半 期 についても 出 荷 台 数 伸 び 率 は 前 年 同 期 比 10.0% 増 と 回 復 し たものの シェアは 18.7%に 低 下 した 文 書 作 成 やデータ 整 備 解 析 など パソコンは 入 力 や 思 考 のためのツールとして 現 代 において 欠 か せず また キーボードという 入 力 デバイスの 操 作 性 が 勝 る 面 もあることから スマートフォンおよ びタブレット 型 端 末 がすべてのパソコンに 置 き 換 わることはないだろう ただ 将 来 的 には モバイ ル 性 とネット 接 続 という 機 能 では 優 位 なことから スマートフォンがネットブックを 駆 逐 する 可 能 性 は 高 いとみられる 2.デジタルカメラ ~ コンパクトタイプの 需 要 先 細 りは 否 定 できない デジタルカメラの 市 場 は 近 年 おおむね 成 長 傾 向 で 推 移 している だが コンパクトデジタルカメ ラに 限 ると その 動 向 は 浮 沈 を 繰 り 返 している 市 場 には 断 続 的 に 最 新 機 能 を 盛 り 込 んだ 機 種 の 投 入 が 図 られているものの 景 気 低 迷 による 消 費 減 退 に 加 え 携 帯 電 話 の 高 機 能 化 のひとつとして 解 像 度 の 高 いカメラ 機 能 の 搭 載 が 進 んでいることが 需 要 減 を 招 いているとみられる デジタルカメラそのものについては 一 眼 レフやミラーレス 一 眼 など 高 機 能 モデルが 市 場 を 形 成 し ており スマートフォンによる 代 替 が 起 きることはないと 見 込 まれる ただ コンパクトデジタルカ メラについては ネットブック 同 様 需 要 が 先 細 る 可 能 性 は 否 定 できないだろう 3. 電 子 辞 書 ~ 市 場 侵 食 は 不 可 避 電 子 辞 書 の 国 内 市 場 は 2008 年 以 降 減 少 基 調 にある 2007 年 に 手 書 き 文 字 入 力 や 音 声 出 力 カ ラー 化 ワンセグ TV 搭 載 など 技 術 革 新 が 一 気 に 進 み 需 要 の 前 倒 しが 起 きたとみられることが 大 き いが その 後 辞 書 機 能 を 搭 載 する 携 帯 電 話 の 普 及 が 進 んだことも 減 退 の 動 きに 拍 車 をかけている スマートフォンは 膨 大 な 数 のアプリを 追 加 できることから フィーチャーフォン 以 上 に 辞 書 機 能 を 強 化 することができる さらにいえば 通 常 のパソコンと 同 様 の 機 能 を 持 つことから 辞 書 に 収 録 されていない 情 報 の 検 索 も 可 能 である スマートフォンの 普 及 とともに 電 子 辞 書 の 市 場 が 侵 食 されて いくことは 避 けられないとみられる スマートフォンは 業 界 問 わず 変 化 をもたらす 通 信 事 業 や 端 末 部 品 製 造 ソフトウェア 開 発 など スマートフォンにかかわる 業 界 では 現 在 市 場 の 隆 盛 にともない 新 たな 経 営 戦 略 の 実 行 や 企 業 参 入 など 活 発 な 動 きが 続 いており 業 績 向 上 やシェ ア 奪 取 など 少 しずつ 結 果 をあげる 企 業 も 表 れはじめている 一 方 パソコンやデジタルカメラ 電 子 辞 書 などスマートフォンと 機 能 が 重 なるデジタル 機 器 では 一 部 に 市 場 縮 小 の 動 きもうかがえ 生 き 残 りに 向 けた 早 急 な 取 り 組 みを 迫 られている 今 後 これらの 業 界 では 勢 力 関 係 が 変 わり 再 編 の 動 きへとつながっていくことが 予 想 される 他 方 関 連 する 業 界 企 業 以 外 にも スマートフォンは 少 なからぬ 変 化 をもたらすといえる フィ ーチャーフォンやノート 型 パソコンにより 実 現 してきた 営 業 生 産 性 の 向 上 や 業 務 の 効 率 化 などが 一 層 進 化 することで 新 たな 企 業 の 成 長 ひいては 業 界 の 勢 力 関 係 の 変 化 をもたらす 可 能 性 があるためだ ネット 時 代 の 新 たな 情 報 端 末 として スマートフォンがもたらす 変 化 は 今 後 も 大 きく かつ 重 要 性 を 増 していくことは 間 違 いないと 見 込 まれる 6

2. 地 域 経 済 動 向 2012 2011 年 の 国 内 経 済 は 3 月 の 東 日 本 大 震 災 の 発 生 年 後 半 の 急 激 な 円 高 の 進 行 およびタイの 洪 水 被 害 と 改 善 の 足 取 りにブレーキをかけるアクシデントに 相 次 ぎ 見 舞 われた 震 災 の 打 撃 は 復 興 需 要 として 年 末 には 景 気 回 復 のけん 引 力 となったものの 円 高 を 主 因 とする 製 造 業 の 疲 弊 そ れにともなう 雇 用 所 得 環 境 の 悪 化 懸 念 による 内 需 産 業 の 低 迷 から 改 善 の 勢 いは 鈍 ったままで ある 2012 年 においても ユーロ 経 済 の 危 機 や TPP( 環 太 平 洋 経 済 連 携 協 定 )の 参 加 などの 問 題 がくすぶり 国 内 経 済 の 先 行 きには 厳 しさが 見 込 まれる 第 2 特 集 では 厳 しい 状 況 にある 国 内 経 済 の 現 状 と 展 望 を 帝 国 データバンク(TDB) 景 気 動 向 調 査 の 最 新 データにより 地 域 ごとに 解 説 する さらに 都 道 府 県 ごとの 経 済 の 現 状 についても TDB の 企 業 概 要 データベース COSMOS2 や 公 的 統 計 データを 用 いて 概 観 する 2012 年 の 国 内 景 気 は 震 災 の 悪 影 響 が 徐 々に 緩 和 されるものの 不 安 定 な 欧 米 経 済 や 円 高 脆 弱 な 内 需 などで 緩 やかな 回 復 にとどまるとみられる 地 域 別 でみると 復 興 需 要 の 増 大 によってけん 引 され る 東 日 本 に 比 べて 西 日 本 の 回 復 遅 れが 続 く 可 能 性 が 高 い (DI : 0~100 50が 判 断 基 準 ) 45 景 気 DI 40 東 日 本 大 震 災 予 測 35 北 京 五 輪 30 25 世 界 的 な 金 融 危 機 の 拡 大 外 需 減 速 円 高 サッカーW 杯 南 アフリカ 大 会 全 国 景 気 DI 改 善 率 製 造 改 善 率 小 売 改 善 率 ( 年 月 ) 順 位 順 位 順 位 (%) 順 位 (%) 順 位 (%) 順 位 201104 30.4-63.5-32.4-64.8-28.3-61.8-20 リーマン ショック バンクーバー 冬 季 五 輪 15 08 09 10 期 間 :2008 年 1 月 ~2012 年 12 月 201106 33.2-69.3-35.2-70.4-31.5-68.8-201108 35.2-73.5-36.8-73.6-35.0-76.4-201110 36.1-75.4-37.4-74.8-35.3-77.1 - 注 : 改 善 率 はそれぞれ 前 回 の 景 気 回 復 局 面 における 最 高 水 準 に 対 する 当 月 のDIの 回 復 の 度 合 いを 表 す 11 12 ( 年 ) TDB 景 気 天 気 図 2011 年 全 国 北 海 道 東 北 北 関 東 南 関 東 北 陸 東 海 近 畿 中 国 四 国 九 州 TDB 景 気 天 気 図 2012 年 3 月 31.6 25.5 24.0 28.7 31.5 32.3 31.9 34.2 33.4 34.1 33.6 10.2 2011 年 6 月 33.2 28.2 31.3 32.8 34.6 33.7 31.8 33.7 32.6 33.9 33.0 6.4 9 月 35.5 30.8 38.3 35.4 36.0 36.5 37.3 34.8 34.5 36.1 34.2 7.5 12 月 37.2 30.6 41.0 35.6 39.3 35.6 38.8 37.8 35.3 36.7 36.7 10.4 3 月 37.7 31.5 41.2 37.4 41.3 37.2 39.5 38.8 36.0 36.9 37.0 9.8 2012 年 6 月 39.1 31.2 42.5 36.6 41.7 38.7 39.6 38.1 36.0 36.8 36.7 11.3 9 月 40.1 33.1 41.9 35.9 42.1 39.7 40.4 38.1 37.2 37.1 37.5 9.0 12 月 39.5 31.7 40.6 35.9 41.6 39.6 40.4 37.9 37.4 37.4 37.8 9.9 2011 年 3 月 および6 月 9 月 は 実 測 値 下 線 太 字 は 当 月 の 全 国 と 同 水 準 以 上 であることを 示 す TDB 景 気 天 気 図 は 景 気 DIの 水 準 と 方 向 性 地 域 の 経 済 指 標 などを 総 じて 表 す 指 標 地 域 間 格 差 は 地 域 間 における 各 月 の 最 高 と 最 低 の 差 を 表 す 地 域 間 格 差 7

TDB REPORT 113 号 スマートフォン 業 界 読 解 / 地 域 経 済 動 向 2012 目 次 第 1 特 集 スマートフォン 業 界 読 解 第 1 章 変 化 をもたらすスマートフォン 第 2 章 スマートフォンを 裸 にする 第 1 節 スマートフォンを 構 成 する 部 品 群 第 2 節 スマートフォンを 構 成 する 企 業 群 第 3 章 スマートフォンアプリ 解 剖 第 1 節 アプリ 開 発 の 動 向 第 2 節 アプリ 開 発 業 の 現 状 と 実 態 第 2 特 集 地 域 経 済 動 向 2012 第 1 章 地 域 経 済 の 現 状 と 展 望 第 2 章 47 都 道 府 県 の 概 要 連 載 中 小 企 業 の 目 利 き 日 本 経 済 展 望 データ レビュー プレビュー(2011 年 10 月 ~2012 年 3 月 ) TDB 経 済 統 計 主 な 企 業 の 合 併 商 号 変 更 上 場 一 覧 (2011 年 10~11 月 ) 8