1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め

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九州支部卒後研修会症例

血糖高いのは朝食後のため検査項目 下限値上限値 単位名称 9 月 3 日 9 月 6 日 9 月 15 日 9 月 18 日 9 月 21 日 9 月 24 日 9 月 28 日 10 月 1 日 10 月 3 日 10 月 5 日 10 月 9 日 10 月 12 日 10 月 15 日 10 月

2.7.6 MJR a MRI CT b 2 Beecham r-afs mg/ mg/ Gn-RH 742

参考 9 大量出血や急速出血に対する対処 2) 投与方法 (1) 使用血液 3) 使用上の注意 (1) 溶血の防止 参考 9 大量出血や急速出血に対する対処 参考 11 慢性貧血患者における代償反応 2) 投与方法 (1) 使用血液 3) 使用上の注意 (1) 溶血の防止 赤血球液 RBC 赤血球液

<4D F736F F D204E6F C82518DC490B C790AB956E8C8C88E38E742E646F63>

387 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )


はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに


/ B B ( ) ( -298) VL VH( ) Very Low( ) Very High( ) ( 10 2 %) (g/l) ( 10 2 %) 0.75 ( 10 2 %) 0.15 ( 10 2 %)

BLF57E002C_ボシュリフ服薬日記_ indd

2010 年 6 月 25 表 身体所見 134 cm 31 kg /60 mmhg 83/ ,

ロミプレート 患者用冊子 特発性血小板減少性紫斑病の治療を受ける患者さんへ

70 表 入院時検査成績 尿一般異常なし 便潜血 一 末梢血 WBC μl Mb1 Pro 1 0 O Myel B l3 0 Poly 46 0 LDH CHE Hb g dl in Cr g dl 14 4 PIt μl 352 APTT 39 9 F

2 章 +αの 情 報 に 着 目 する! 1 血 球 算 定 検 査 結 果 2 生 化 学 検 査 結 果 手 がかりに 乏 しいのも+α 1 症 例 をみてみよう! 1 60 吉 見 祐 輔 percutaneous coronary intervention PCI

(1) ) ) (2) (3) (4) (5) (1) (2) b (3)..

デスフルラン

CD1 data

当院の血液検査室の概要 血液検査 system 自動血球分析装置塗抹標本作製装置 La-vietal LS (Sysmex 社 ) XN-3000 (Sysmex 社 ) XN 台 ( RET WPC PLT-F の各チャンネル ) XN 台 SP-10 (Sysmex

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発作性夜間ヘモグロビン尿症 :PNH (Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria) 1. 概要 PNH は PIGA 遺伝子に後天的変異が生じた造血幹細胞がクローン性に拡大する 造血幹細胞疾患である GPI アンカー型蛋白である CD59 や DAF などの補体制御因子

白血病治療の最前線

骨髄線維症 1. 概要造血幹細胞の異常により骨髄に広汎に線維化をきたす疾患 骨髄の線維化に伴い 造血不全や髄外造血 脾腫を呈する 骨髄増殖性腫瘍のひとつである 2. 疫学本邦での全国調査では 患者数は全国で約 700 人と推定されている 発症年齢の中央値は 66 歳である 男女比は 2:1 と男性に

抗がん剤を受けられる皆様へ

第 34 回京阪血液研究会松下記念病院 確定診断が得られなかった MF から移行した血液疾患症例 高知医療センター SRL 検査室 根来利次 筒井敬太 筒井義和 福留由香里 山崎喜美高知医療センター 血液内科上村由樹 今井利 町田拓哉 駒越翔山根春那 橋本幸星

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貧血 

減量・コース投与期間短縮の基準


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実践!輸血ポケットマニュアル

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ROCKY NOTE 特発性血小板減少性紫斑病 Idiopathic thrombocytopenic purpura:itp(130109) 5 歳男児 四肢に紫斑 特に誘因なし 関節内出血なし 粘膜に出血無

◎ 国民年金・厚生年金保険障害認定基準の説明

063 特発性血小板減少性紫斑病

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検査項目情報 LDH アイソザイム ( 乳酸脱水素酵素アイソザイム ) Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 生化学的検査 >> 3B. 酵素および関連物質 >> 3B05

59 20 : 50 : : : : : 2 / :20 / 25 GTP /28 5/3 5/4 5/8 6/1 1 7kg 6/9 :178.7cm :68.55kg BMI:21.47 :37.3 :78 / :156/78mmHg 1

「             」  説明および同意書

抗血栓薬内服の必要な ITP 患者の管理 杉本健 1) 大幡真也 1) 髙橋利匡 2) 阿部智喜 3) 古賀明日香 3) 竹内健人 2) 髙吉倫史 2) 西山勝人 3) 原賢太 2) 安友佳朗 3) 北播磨総合医療センター 1) 血液腫瘍内科 2) 糖尿病 内分泌内科 3) 内科 老年内科 内容の一


糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

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白血病治療の最前線

血液内科的データ解釈

設問 3 FFP PC が必要になった場合 輸血できるものを優先する順番に並べてください 1A 型 2B 型 3O 型 4AB 型また 今回この症例患者は男性ですが 女性で AB 型 (-) だった場合 PC の輸血で注意する点はありますか? 患者は AB 型なので 4AB 型 >1A 型 =2B

日本呼吸器学会雑誌第48巻第6号

限を加えることを必要とする程度のもの 後発障害 両下肢の用を全く廃したもの 1 号 6 134% 1により差引認定すると 差引残存率は134 %-63%=71% となり 差引結果認定表により認定すれば 後発障害は2 級となるが 後発障害の障害の状態は 前発障害の影響を受けることなく生じたものであると

48 表1 主な術前末梢 ll検査値 GPT 311U AFP ALP l8 l IU CA n9 nil 2n9 ml 2U m1 LDII 3361U CA125 Ou lni GOT 211U CEA RBC ALB 3 7g dl Ilb l2 09dl A G 1 42 Ht

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4 小川/小川


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メディカルスタッフのための白血病診療ハンドブック

1 末梢血標本の着眼.ppt

第 15 回学術部一泊合同研修会 症例検討 臨床化学 事例 1 28 歳 男性 項目 TP ALB CRE UN AST ALT ALP LDH CK 初検 ( 再測定前 ) 測定値 項目 測定値 7.6 CKMB TC Na K Cl 1

貧血はその成因から 赤血球の1 産生障害と 2 崩壊亢進 喪失 ( 出血 ) そして先天性と後天性に分類します 造血幹細胞の正常な分化と増殖が障害される骨髄不全が再生不良性貧血です 成人例のほとんどは後天性の特発性再生不良性貧血ですが 小児では新生児期から発症する先天性骨髄不全症候群や後天性の肝炎後

骨髄異形成症候群 by KI/NK 入院日年月日 症状 : 体重減少 [ ] 発熱 [ ] 倦怠感 [ ] 浮腫 [ ] めまい [ ] リンパ節腫脹 ( 鼻腔 扁桃 頸部 腋窩 鼠径 )[ ] 貧血 [ ] 赤芽球血症 [ ] 巨赤芽球 [ ] 環状鉄芽球 [ ] 多核赤芽球 [

Microsoft Word - 第1回RCPC案内

医学教育用基準範囲 JCCLS 共用基準範囲に基づく 医学部学生用基準範囲設定についてのパブリックコメント公募 JCCLS 基準範囲共用化委員会 JCCLS 共用基準範囲は一般的な臨床検査 40 項目の基準範囲であり 日本臨床検査医学会 日本臨床化学会 日本臨床衛生検査技師会 日本検査血液学会の共同

1. 重篤な不正出血の発現状況 ( 患者背景 ) (1) 患者背景 ( 子宮腺筋症 子宮筋腫合併例の割合 ) 重篤な不正出血発現例の多くは子宮腺筋症を合併する症例でした 重篤な不正出血を発現した 54 例中 48 例 (88.9%) は 子宮腺筋症を合併する症例でした また 子宮腺筋症 子宮筋腫のい

2 129-B*-006P 129-B*-007P C*-004P 129-D*-001P ADH B*-006P B*-007P C*-004P D*-001P Na

Sample2 g/dl Target1 : 6.01 g/dl TP Target2 : 8.39 g/dl

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

/12/28 UP 3+, TP 4.2g/dl, Alb 1.9g/dl PSL 50mg/day 1/17 PSL 45mg/day PSL 2006/4/4 PSL 30mg/day mpsl mpsl1000mg 3 2 5/ :90 / :114/64 mmhg


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白血病とは 異常な血液細胞がふえ 正常な血液細胞の産生を妨げる病気です 血液のがん 白血病は 血液細胞のもとになる細胞が異常をきたして白血病細胞となり 無秩 序にふえてしまう病気で 血液のがん ともいわれています 白血病細胞が血液をつくる場所である骨髄の中でふえて 正常な血液細胞の産 生を抑えてしま

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仙台市立病院医誌 索引用語 ヘモクロマトーシス 急性骨髄性白血病 症例報告 潟血療法 原発性ヘモクロマトーシスに合併した 急性骨髄性白血病の1例 祐 二 洋 哲 也 泉 克 義 田 勝 堀 山本島 村 柳 エ 山矢 子 奥 ハ 祥 栄 ハ 沼 沼 新 ヲ 大 小 う 平

125 2 P 1st washout 2 PB P mg/dL nd washout 2 P 5.5mg/dL< mg/dL <2.5mg/dL P P 2 D D 3 Ca 10

測定方法 測定方法 ( ラット マウス共通 一部の系統でのみ測定されている項目も含む ) 血液学的検査 測定条件 絶食 : 約 16 時間 麻酔 : ネンブタール腹腔内投与 採血部位 : 後大静脈 抗凝固剤 : EDTA-2Na(WBC RBC HGB HCT MCV MCH MCHC PLT) E

抄録/抄録1    (1)V

頻度 頻度 播種性血管内凝固 (DIC) での使用 前期 後期 PLT 数 大半が Plt 2.5 万 /ml 以下で使用 使用指針 血小板数が急速に 5 万 /μl 未満へと低下 出血傾向を認

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

日本内科学会雑誌第96巻第4号

レジデント初期研修用資料 内科診療ヒントブック 改訂2版

調査レポート

白血病治療の最前線

様式 2 の (1) 記載要領 血球系障害 * (1) 患者の氏名 測定日 H27 年 9 月 17 日 身長 160 cm 体重 48 kg (3) 現住所 (4) 副作用によるものとみられる疾病の名称又は症状 ( 注 ) - ) 身長 体重は (6) の医薬品を使用した時点の直近の値を記入してく

障害年金の診断書 ( 血液 造血器疾患による障害 ) を作成する医師の皆さまへ 平成 29 年 12 月 1 日から 国民年金 厚生年金保険の診断書 血液 造血器疾患の障害用 ( 様式第 120 号の 7) の様式が変わります 障害基礎年金 障害厚生年金の 血液 造血器疾患による障害 についての認定

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ジーラスタを使用される患者さんへ:がん化学療法による「発熱性好中球減少症」の発症を抑えるために<お薬説明書>

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094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

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TTP 治療ガイド ( 第二版 ) 作成厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 血液凝固異常症等に関する研究班 ( 主任研究者村田満 ) 血栓性血小板減少性紫斑病 (thrombotic thrombocytopenic purpura:ttp) は 緊急に治療を必要とする致死的疾患である

1章A_責了.indd

蛋白 総蛋白 (TP) 6.6 ~ 8.1 血液中に含まれる蛋白の総量です 数値が低い場合は栄養障害 ネフローゼ症候群 がんなど 高い場合は多発性骨髄腫 慢性炎症 脱水などが疑われます アルブミン (ALB) 4.1 ~ 5.1 血液中で最も多く含まれる蛋白です 肝臓で合成されます 肝臓障害 栄養不

入院時検査所見検査所見 WBC /µl RBC /µl Hb 13.4 g/dl Ht 38.4 % MCV 85.7 Fl MCH 29.2 pg MCHC 34.9 % PLT /µl PT-% 63.8 % PT-INR 1.23 APTT

医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1

白血病治療の最前線

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml RNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 氷 MINテイリョウ. 採取容器について 0

Transcription:

1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP 125 6 7 alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O 7 137 DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認められない PAIgG 177 3ng 107 cell meq 1 砂糖水試験 一 Fe 236 μg dl TIBC 325μg dl UIBC Ferritin 逼 4 ザ meq l 〆ジ クロダミン 一 meq l 101 s 薬剤リンパ球刺激試験 護 Na g dl 忠 TP 2 5μ9 ml ぷ 601U l O 5 破 壊 γgtp TB 113 28 1sec も 曇 ぜ埜 PT 281U I 已 161U I GPT 竃譜 GOT t ぺ無 息 凝固系 生化学 φ 89μg dl 439 ng ml る び 灘 ていた 3月8日に近医を受診し汎血球減少を指 摘され 10日に当科に紹介されて 入院となった 入院時現症 入院時 四肢を中心に紫斑 点状 出血を全身に認め 結膜は貧血様で 肝脾腫 表 鰹 在リンパ節を触知しなかった 入院時検査成績 表1 2 末梢血では赤血球 295 104 μ1 ヘモグロビン9 9g dl ヘマトク リット29 2 白血球数2 500 pt 1 血小板8 000 図2 入院時骨髄シンチグラフィー 骨髄造血巣の著減認められる μ1と汎血球減少を示し 網赤血球は0 9 と減少 していた その他の検査所見では生化学的検査 免 疫学的検査でも異常を認めなかった その他汎血 板輸血を行いながら シクロスポリン プレドニ 球減少の原因として発祥前服用していた抗アレル ンを投与開始したが効果なかった 4月よりはメ ギー剤 クロダミン の関与も疑われたがDLST テノロンを併用したものの同様で輸血依存性が持 では否定された 続し その程度が進行傾向であった また G CSF 骨髄検査 図1 胸骨 腸骨とも低形成で巨核 球は標本上認められず 血球の異形性や芽球など 投与により好中球の増加は認められたが軽度で持 異常細胞はなく 染色体分析でも46 XYと正常 続的投与が必要であった この間 当初よりATG 療法を薦めていたが その予想される副作用を詳 核型であった 細に説明した段階で患者は躊躇していた また 病 骨髄シンチグラフィー 図2 骨髄造血巣の著 状 年齢からは骨髄移植の適応であり患者 家族 減が示され 以上の結果より重症型再生不良性貧 に十分な説明を行ったが希望しなかった しかし 血と診断された 状態が次第に増悪傾向を示すため 患者と相談し 入院後経過 図3 入院後直ちに赤血球 血小 平成11年8月31日よりATG療法を行うことと