1. ベクトル ベクトル : 方向を持つ量 ベクトルには 1 方向 2 大きさ ( 長さ ) という 2 つの属性がある ベクトルの例 : 物体の移動速度 移動量電場 磁場の強さ風速力トルクなど
2. ベクトルの表現 2.1 矢印で表現される 矢印の長さ : ベクトルの大きさ 矢印の向き : ベクトルの方向 2.2 2 個の点を用いて表現する 始点 () と終点 () を結ぶ半直線の向き : ベクトルの方向 2 点間の距離がベクトルの大きさを表す V
3. ベクトルの足算 ベクトル U と V の和を求めるために ある点 に U の始点を持っていく 次に ベクトル V の始点を U の終点に持っていく この時の V の終点を C とする を始点とし C を終点とするベクトル W は U と V の和 つまり UV とし 次の式で表す WUV 上記の操作において Uと Vを入替えても 最後の終点の位置は同じなので WUVVU が成り立つ つまり交換律が成立つ V U W V C
4. ベクトルの引算 引算は足算の逆計算として定義される WUV なら V は W と U の差として定義され 次の式で表す VW-U WUV C V U VW-U
5. ベクトルと数値との掛算 ( スカラー積 ) ベクトル と数値 との積 C は の方向を変えずに その長さを 倍であるベクトルであり 次の式で表す C C
6. ベクトルの内積ベクトル と との内積は の長さと の長さと と の間の角度の余弦との積である 次の式で表す l
内積の性質 1: ( ) が成立つので 定義により ( ) 特例 : 2 2: と が直交している場合 o o (9 或いは 9 )
7. ベクトルと 3 次元座標ベクトル の X, Y, Z 座標はそれぞれ,, とし X, Y, Z 軸の単位ベクトルをそれぞれ,, とすれば の X, Y, Z 成分は次のように表現できる Y Z Y X v v v,, v v Y X したがって v X v Y X v Z v v v Z Y X
8 3 次元ベクトルの足し算 引き算足し算 引き算
9 直線のベクトル表現 点 p 1 と p 2 を結ぶ直線を その直線上の任意の点 pを用いて表現する ベクトル p p 1 は p2 p 1 と同じ向きなので その間の違いは大きさ ( 長さ ) だけである 従って 両者の関係は次の式で表現できる p p 1 2 p t ( p ) 1 p p1 ここで t p p は p p 1 1 の長さ p2 p1 p p 2 は p2 p 1 の長さである v p 2 p 1 とすれば p p 1 tv p tv p 1 1 が得られ 1 v 2
1 3 次元ベクトルの内積 一方 が成立するため 1
1 3 次元ベクトルの内積 ( 続き ) とすると
11 3 次元空間内の平面 平面の性質 : 1. 平面上にある平行でない直線と直交する直線は平面上のすべての直線と直交する その直線のことを法線という 平面 plneの法線ベクトルを n とし 平面上の既知の1つの点を p とし p を平面上の任意の点とする ベクトル p と n と直交するために p n ( p p ) n あるいは n p n p p p plne
12 平面と直線との交差点 直線の方程式 : 平面の方程式 : p tv p p n p n 1 交差点は平面と直線の両方にあるために 両方の方程式を満たしている p tv p1 n p n p この連立方程式より tn v n p n p n ( p p したがって ) 1 t n v n ( p1 p) p v p n v 1 1
練習問題 1 1.1 点と点を通る直線の方程式を求めなさい 1.2 点と点を通る直線の方程式を求めなさい 4 3 2 p 1 8 6 4 p 2 p 1 4 3 2 p 2 2 4 1 1.3 点と点を通る直線と点を通り ベクトルと垂直する平面との交差点を求めなさい 4 3 2 p 1 8 6 4 p 2 3 2 1 p 3 1 1 4 n
ベクトル 座標軸と座標 原点 座標軸 X
3 次元座標系とベクトル ( 点 ) の座標ベクトル ( 点 ) の,, 座標は と X, Y, Z 軸の単位ベクトル,, との内積を表すことができる (1)
回転変換 がO-XYZにおける座標が既知 O -X Y Z 座標系におけるの座標を求める問題である Y Y (,, ) (,, ) X O X
回転変換前提条件 : が O-XYZ における座標,, O -X Y Z 座標系の各軸の単位ベクトルが O-XYZ における座標が既知であること
とすると,, 回転行列は変換先の座標軸の単位ベクトルのである
1 1 1 RR 回転行列の性質 R R -1
1 - R R 1 - R 回転行列の性質したがって,,
座標変換 がO-XYZにおける座標が既知 O -X Y Z 座標系におけるの座標を求める問題である Y Y -O X O O X
( ) ( ) ( ) O O O したがって 並進ベクトル O
回転行列の計算 回転軸と回転角度から
3 次元ベクトルの外積 とすると したがって ( ) ( )
と, と, そして と は垂直である したがって,, は X, Y, Z 軸の単位ベクトルで と, と, そして と は平行である だから したがって ) ( ) ( ) (
簡単な記述法として ベクトルの表現なら行列の表現なら まずを下記のように定義すると 行列の表現なら まずを下記のように定義すると
定理 : 証明 : 定理 : が単位ベクトルの場合 証明 : 宿題にする I
Y X O (, ) (,) α ρ ρ 3 次元の回転変換 : 回転軸が Z 軸の場合 回転後の回転後の α ρ α ρ α ρ α ρ α ρ α ρ )sn ( ) sn ( ) sn( )sn sn ( ) ( ) ( sn sn したがって
一般的な場合における回転変換 1. まず 回転軸を Z 軸とする座標系の設定 2. 点の座標をその座標系に変換する 3.Z 軸まわりの回転変換を行う 4. 変換した後の座標を元の座標系に戻す 回転軸 回転後 回転前 O
ω: 回転軸の単位ベクトル : 新しい座標系の Z 軸の単位ベクトル点 の新しい座標系での Z 座標は 回転軸 ω ω ω ω ω ベクトル と と垂直な方向を Y 軸の方向とすると ( ) O Y 軸の単位ベクトル そして の新しい座標系での Y 座標は
: 新しい座標系の X 軸の単位ベクトル点 の新しい座標系での X 座標は 回転軸 O
回転後の座標 : sn sn sn
回転後の座標 : sn ( ) ( ) I sn sn sn
回転行列 : R R ( ) I ωω ω sn ωω
回転変換回転行列 : ( ) ( ) ( ) ω ωω ωω ω ωω I R ωω ω ωω I R sn 1 sn sn ( ) ( ) ( ) ω ω ω ω ωω ω ωω ) ( 1 sn sn ) ( 1 sn 1