GISTは 異なる分子サブセットを有する腫瘍の異種グループから構成されます KIT 変異が最も多く 続いてPDGF 受容体 α 変異が多くなっています KITおよびPDGF 受容体の変異で イマニチブ感受性 スニチニブ感受性 イマニチブ耐性 並びにスニチニブ耐性の疾患タイプを見つけることができます

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Jean-Yves Blay, MD, PhD: 今日は このプログラムにようこそ 私の名前はJean-Yves Blayです 私はフランスのリヨンで腫瘍内科学で教授として働いています TKI 抵抗性 GISTの治療についての課題 という題目のこのプログラムにお越しいただいてありがとうございます まず 消化管間質腫瘍 (GIST) 患者で 現在利用可能なチロシンキナーゼ阻害剤 (TKI) の治療への抵抗性を定義することから始めましょう

GISTは 異なる分子サブセットを有する腫瘍の異種グループから構成されます KIT 変異が最も多く 続いてPDGF 受容体 α 変異が多くなっています KITおよびPDGF 受容体の変異で イマニチブ感受性 スニチニブ感受性 イマニチブ耐性 並びにスニチニブ耐性の疾患タイプを見つけることができます これらはGIST 内での異なる疾病グループを定義します GISTはおそらく少なくとも10の異なる疾患グループから構成され 異なる標準治療を必要とすることが今日知られています

GISTには 標準の第一選択であるイマチニブ治療に対するキナーゼ耐性変異を含む変異があります これには PDGF 受容体 α 変異を含む患者でのD842V 変異 およびNF1 腫瘍の症例があります この症例では これらは GISTの標準的な第一選択治療であるイマチニブに耐性である難治性の原発腫瘍です イマチニブまたはスニチニブである程度の腫瘍制御を経験した患者も また耐性を発現する場合があります これは いわゆる二次耐性が 高レベルの腫瘍異質性に関連しているため 困難な問題となります 進行時に分子多様性があり 異なる転移部 並びに同じ転移部の異なる部位で種々の二次変異が観察されています この分子多様性は 第二選択 第三選択 第四選択の治療に時に耐性 時に部分的に感受性となるキナーゼをコードするため 治療にとって困難な問題となります 耐性を管理し克服するための現在の対策は何でしょうか?

最初の戦略は 患者の治療への順守を見ることです 経口治療は一部の患者で問題になり 全患者の順守が最適ではありません 一部の患者は治療スケジュールに順守せず 定期的に錠剤を取らないことも時々あります これは 慢性骨髄性白血病の患者およびGIST 患者で実証されました 私たちは これが耐性と2 回目の進行の発現に大きく影響しうることを第 3 相治験での過去の経験から知っています 患者でこれを適切にモニタリングする必要があります

イマチニブへの曝露はどれくらいでしょうか? 第一選択治療を受ける患者でイマチニブのトラフ濃度を調査するいくつかの研究が実施され これらのレベルは第一選択治療としてイマチニブを受ける患者での進行のリスクと関連する可能性のあることが実証されました これは特にB2222 治験で報告され 第 4 相試験で治療された多数の患者で示唆され イマニチブのトラフレベルを更に調査する価値が確実にあることを確証しています しかし この問題に答えるには更に研究が必要です

イマニチブへの順守と適切な曝露の役割について述べました 進行したGIST 患者でイマニチブ治療を停止すべきでないことも私たちは知っています BFR14 試験では 1 年目 3 年目 5 年目に治療の中断を無作為に実施しました これは 1 年目および3 年目の中断において6ヶ月 5 年目の中断において12ヶ月の平均期間で 再進行のリスクでの大幅な増加と関連していました イマニチブ治療を再開した患者の大部分は腫瘍制御を達成しましたが 二次耐性の発現の影響は本試験では明確に定義されていませんでした 全生存期間 (OS) への治療中断の影響も明確ではありません この問題に答えるには 試験の検出力が不十分でした したがって 基準として 第一選択治療としてイマニチブを受けている進行疾患患者では イマチニブの治療を中断してはなりません

患者が治療を受けていることを確立したら 真の進行を同定したしたときに尋ねるべき次の質問は どのような対策を取るべきかです 毎日 400 mgを服用している患者では イマチニブの投与量増加が最初の論理的アプローチになることが ガイドラインで明確に実証されています これは EORTC 62005とSO033の2つの試験で実証されました これらの2つの治験では このクロスオーバーまたは投与量増加によって患者の三分の一で腫瘍制御が見られ その無増悪生存期間 (PFS) の平均は3ヶ月間の範囲あることが実証されました 1 年間のPFS 率は20% に近づいていました 臨床ガイドラインで述べられているように これはこれらのタイプの患者で標準的治療です [1]

患者が400 mgまたは800 mgのイマチニブ投与量まで上昇すると 400 mgの患者では何らかの理由で投与量増加が不可能な場合があり その場合 次のステップは第二選択治療としてスニチニブで患者を治療することです スニチニブはKITだけでなく VEGFR2もブロックします これはGIST 患者で腫瘍制御を誘発することが実証されており 50 mg/ 日のスニチニブを4 週間与え 2 週間与えないスケジュールと プラセボとの比較をする無作為化第 3 相試験が実施されました この試験は クロスオーバーのため スニチニブアームで増殖抑制期間において有意な改善を実証しました OSに差はありませんでしたが 傾向はスニチニブアームの方へ傾いていました スニチニブはこのような状況で標準の治療になります

興味深いことに スニチニブで治療された患者の転帰を調査中に これらの患者で 2 番目の変異の転帰への影響を見ることができます 転移部においてエクソン13および14 並びにエクソン17および18での変異が同定され 患者の転帰に差が出たことがわかりました スニチニブ治療に感受性のある変異をもつ患者の転帰は 耐性に関連する変異を有する患者と比べて 非常に良好です 第二選択の設定でスニチニブを服用する患者の分析もまた 耐性の機構を理解する上で有益です エクソン13および14での二次変異の存在は エクソン17および18での二次的変異の存在よりはるかに良好な転帰と関連しています エクソン13および14でコードされるタンパク質はスニチニブに感受性がある一方 エクソン17および18によってコードされるタンパク質は 多くの場合 スニチニブの阻害活性に耐性です これは 耐性の分子的理解がこれらの患者の制御で重要であるもう一つのケースです しかし 臨床診断ガイドラインでは一次的変異の診断が現在推奨されており 二次変異は研究のトピックとして留まっているにすぎません

最後に 耐性の管理で全く取り組まれていない非常に重要な質問は 耐性クローンの外科的除去の価値です いくつかの試験によって 進行時および安定疾患時期の両方で 腫瘍除去の価値が後ろ向きに研究されました 全体的には 手術の利益はまだ不明です すべての腫瘍細胞を外科的に除去し 腫瘍細胞量を大幅に減らすことが より良好な転帰に関連しうるかどうかについて 1つの非常に重要な概念的質問が残ります 無作為化治験がこの問題を研究していますが これまでに終了していません これは 将来の学術的研究が答えるべき重要な質問となっています 標準的なイマチニブの第一選択治療およびスニチニブの第二選択治療後に進行した患者での治験オプションは何でしょうか? これらの患者ではどのように耐性を管理できるのでしょうか?

いくつかの異なる第三選択療法および第三選択以降の療法が開発中です これらの薬剤の異なる面について焦点を当てましょう まず 第三選択治療についての無作為化第 3 相治験を検討します 終了している第 3 相治験が2つあります 1つの治験では 医師の選択によるニロチニブによる治療と 緩和ケア (BSC) と主要なTKI( イマチニブまたはスニチニブなど ) の治療とを比較しました 2 番目の治験では 二重盲検法でレゴラフェニブとプラセボの比較が研究されました

最初の治験では ニロチニブとBSC( 緩和維持治療 ) のみ ±( イマチニブおよびスニチニブ ) の比較で無作為で実施されました この最近報告された治療では 主要エンドポイント ( 中央放射線部によって評価されたPFS) で有意な差は観察されませんでした しかし 興味深いことに 治験医師によるPFSの評価に関してはその差は有意でした これは これらの患者で進行の評価で差異と困難があることを再度浮かび上がらせています 特にこの無作為化治験では 以前の治療に耐えられなかった場合はその患者を無作為化できました したがって すべての患者で以前の進行が実証されていませんでした これは本試験の結果に重大な影響を与えた可能性があります 実際に その他の第 2 相試験では これらの患者でニロチニブの抗腫瘍活性が実証されました

2 番目の無作為化試験は GISTで生物学的重要をもつキナーゼ (KIT PDGF 受容体 α VEGFR2など ) をブロックする新しいマルチキナーゼ阻害剤であるレゴラフェニブを研究しました 最近報告されたGRID 治験では イマチニブおよびスニチニブの後に進行になった患者でのレゴラフェニブの活性を研究しました この治験では プロトコールにクロスオーバース計画を含めて レゴラフェニブとBSCを比較する二重盲検形式で2:1の無作為化を行いました 合計 199 人の患者がこの治験の対象となりました

この無作為化試験では 0.3 未満のハザード比で主要エンドポイント ( 中央審査委員会によるとPFS) に到達しました このグループの患者では レゴラフェニブがPFSを大幅に改善しました 興味深いことに OSには改善はありませんでした これは プラセボアームで進行が起こっている患者に提案されたクロスオーバーの結果であったと考えられます レゴラフェニブが提供されたプラセボアームの患者のPFSは 最初のステップでレゴラフェニブに無作為化された患者のPFS(5ヶ月間の範囲 ) と同じ範囲であったことに注記することも重要です イマチニブおよびスニチニブが作用しなかった後にGISTで実証された活性をもつ第三の薬剤を得たことになります 重要なことは 研究可能であるGISTの異なる分子サブセットのほとんど (KITエクソン11を有するGIS T KITエクソン9を有するGIST 並びに野生型 KITおよびPDGF 受容体 αのgistを含む ) は レゴラフェニブ治療で同様の程度の利点を達成しました これは将来の研究でおそらく重要になります

新しいTKIマシチニブを研究する第 2 相治験など 他の無作為化治験が実施されました この試験はイマチニブが作用しなかった患者で第二選択の設定で実施され 40 人の患者でマシチニブとスニチニブが比較されました この小さい試験は 米国臨床腫瘍学会 (ASCO) の2012 年学会で報告され PFS 主要エンドポイントにおいて有意な差が マシチニブとスニチニブの間で観察されませんでした マシチニブではより長い生存の傾向がありましたが クロスオーバーがマシチニブアームでのみで許可されたため これはクロスオーバーの不均衡による可能性があります

もう1つの薬剤も言及する価値があります ドビチニブは イマチニブ スニチニブ 場合によっては第 3 選択と第 4 選択の治療で成功しなかった患者に対する第 2 相試験に 韓国の同僚者によって最近報告されました この治験は欧州臨床腫瘍学会 (EMSO) の2012 年学会で報告され 研究者は 以前かなりの治療を受けていた患者集団にもかかわらず ドビチニブを服用した患者において かなり多くの割合で腫瘍が制御されていることを報告しました PFSは4ヶ月間に近く それは第 2 選択 第 3 選択の設定ですでに発表され 研究された他の薬剤の活性範囲です

その他のいくつかの薬剤も研究されています それらは 後ろ向き第 2 相治験にあるソラフェニブ 第 2 相治験にあるモテサニブ 前向き第 2 相試験にあるバタラニブが含まれます これらの治験は最近報告および発表され すべて同様の方向に向かっています 第 2 選択 第 3 選択 またはそれ以上の進行した設定で これらの薬剤を服用する患者のかなりの割合がある程度の腫瘍制御を達成し その平均 PFSは通常 3~5ヶ月の範囲です イマチニブの直後にこれらの治療を受ける患者のほとんどは イマチニブとスニチニブの両方で不成功であった後に治療を受けた患者と比べて わずかに良好な転帰を示しました 他の薬剤も現在 研究中です パゾパニブは 腎細胞癌および進行した肉腫の治療用に現在登録されている薬剤です パゾパニブは2つの治験で試験中であり それらは 米国の第 2 相治験と イマチニブ スニチニブ その後の療法後にGISTの進行を伴った患者を対象とした欧州での無作為化第 2 相治験です

第 2 選択 第 3 選択 またはそれ以上の進行した設定での薬剤を試験する治療を見てみると KITおよび VEGFR2を制限する特性を有するTKI またはKITのみを阻害するTKIのいずれかを使用した場合でも その結果はPHSおよび腫瘍制御率に関しては非常に類似しているように見えます 腫瘍制御に関して これらの結果は平均で約 4~5ヶ月間のPFSを示し これは第 1 選択の設定でイマチニブで観察されるPFSとは非常に対照的です いくつかの薬剤にある程度のレベルの活性がありますが 臨床でこれらの薬剤を使用する最適な順序および対策はまだ未知であり 今後の研究のトピックになるでしょう

最後に イマチニブの再導入は これらのオプションのすべてが尽きた進行中の患者で考慮すべき対策です イマニチブ耐性が実証された腫瘍にイマニチブをなぜ再導入するのでしょうか? この対策は 非常に異種性である耐性の生物学を理解することに基づいています イマチニブ感受性のクローンは イマニチブ耐性のクローンと共に転移性腫瘍内にまだ存在しています イマチニブ感受性のクローンへの圧力が除去されると 患者のイマチニブ耐性のみのクローンがイマチニブに曝露される場合と比較して すべての腫瘍細胞クローンが進行します この理由のため 臨床ガイドラインでは すべての標準的治療で耐性を経験した患者 および臨床治験に含むことのできない患者で イマチニブの再導入を推奨しています [1] この困難な概念は 韓国の同僚によって無作為化された設定で現在試験されています

その他のクラスの薬剤は 後期の開発段階にあります これらの薬剤で関心があるのはダサチニブです ダサニチブはKIT 阻害剤であり またSrcキナーゼでも活性があり 2つの治験で評価されました 米国臨床腫瘍学会 (ASCO) の2012 年学会で この薬剤は第 1 選択の設定で活性があることが報告されましたが 第 1 選択治療で通常観察される程度 ( 特にイマチニブ ) と比較して やや限定された程度でした ダサニチブは第 2 選択の設定でも試験され ASCOで2 年前に報告されたように ある程度の活性を示しました しかし 一部の腫瘍細胞でSrcの発現が潜在的なバイオマーカーとして興味深い観察が報告されたにもかかわらず その程度は再び限定されていました ダサニチブはこれらの設定では更に試験されていません

組み合わせについて研究すべきでしょうか? 実際に イマチニブと PI3キナーゼ阻害剤またはmTOR 阻害剤の組み合わせは 非常に道理がかなっています 耐性細胞の生物学の理解から mtor 経路の再活性化がこれらの腫瘍細胞で一般的な現象であることを私たちは知っています この患者集団でのイマチニブとエベロリムスを組み合わせる第 1 相 / 第 2 相治験が 2~3 年前に報告されました

この治験は イマチニブのみに耐性を示した患者 並びにイマチニブおよびスニチニブの両方に耐性を示した患者で これらの薬剤の組み合わせが実行可能であることを示しました この治験では 約 10% の患者のみが長期間の腫瘍制御を達成したため 利点の程度は期間に関して限定された程度に留まりました にもかかわらず その概念は明確で イマニチブと PI3キナーゼ /AKT/mTOR 経路の阻害剤の組み合わせが道理にかなうことを示しています イマチニブと開発中のPI3キナーゼ阻害剤とを組み合わせる新しい治験が実施されています

関心のある別のクラスの薬剤としてHsp90 阻害剤があります Hsp90を標的にする理論は キナーゼの限定した活性をブロックするだけでなく Hsp90タンパク質 ( 変異したキナーゼの通常のフォールディングの役割を果たす ) を占有することによってキナーゼを破壊しようとすることにあります 患者がこの薬剤に曝露されると 腫瘍は変異したキナーゼを破壊し 望ましくは 進行と分裂が停止し アポトーシスになるでしょう この概念は臨床設定で試験されており 少し興味のある結果がでています 新しい薬剤を使用した無作為化の第 3 相治験を含め 治験はかなりのレベルの活性を示しました

最近発表された第 2 相治験では この概念が有効なことが示されました イマチニブまたはスニチニブの標準的治療で成功しなかった患者の一部は Hsp90 阻害剤で一定レベルの腫瘍制御を達成しました 将来は おそらくこのクラスの薬剤が更に研究されるでしょう

他のクラスの薬剤は GISTの分子サブセットのみで研究されています そのような薬剤の例にはクレノラニブがあります これは 非選択的に ただし高レベルの活性でPD GF 受容体 αのd842v 変異をブロックします これはよく知られている多剤耐性の変異です これは稀ですが 疾患が転移中に進行する場合は 非常に耐性の患者グループです 第 2 相治験が現在実施されており 結果は2013 年または2014 年の始めに利用可能になる可能性があります

GISTの他の稀な分子形態は IGF1R 経路またはBRAF 変異の活性化に関与します 例えば いくつかの治験では BRAF V600E 変異を有する少数グループ ( おそらく野生型 GISTの約 10% に相当 ) のGIST 患者でBRAFをブロックできる薬剤を試験しています 黒色腫の治療に使用される薬剤が このBRAF V600Eキナーゼをブロックできます IGF1R 経路の増幅または活性化を使ってGISTに焦点を当てる治験も 興味深い治験です このグループの患者の第 2 相試験でリンシチニブが試験されています

GISTでは多くの新しい薬剤が研究されています これらの薬剤はすべてのGIST 用またはGISTの選択サブセット用のいずれかであり チロシンキナーゼ阻害性 またはHsp90 阻害剤などキナーゼの破壊を試みる新しい特性をもっています しかし 過去から学んだように 十分に長期間待つと すべての患者で耐性が発現するように見えます 私たちは 治療の組み合わせを含めて 治療のパラダイムを再び考慮する必要があるかも知れません 将来の臨床治験を 薬剤 Aと薬剤 Bを比較する第 1 選択 第 2 選択 第 3 選択の設定で行うべきでしょうか? 薬剤 Aと AおよびBの組み合わせとを比較する治験を実施すべきでしょうか? 以前の治療への耐性が現れる前に新しい治療を導入するなど ローテーションを試す治験を実施すべきでしょうか? この疑問は 過去に実施しなかった薬剤を開発する方法はどれかという 薬剤の開発順序に注意を向

けています これは 将来に必ず研究されることになるでしょう このプレゼンテーションでは 実際に イマチニブまたはスニチニブに耐性のGISTの治療で活性のある数種類の薬剤があることを見てきました このスライドは 2013 年における耐性患者を治療する課題を要約しています 最初の重要な点は 分子生物学が治療を導くはずであるという点です これらの患者のドライバー変異を正確に理解する必要があります GISTの分子サブセットには異なる治療が必要なため これは時に複雑になりますが必須です 第二点として 二次耐性の発現における腫瘍病因の役割をより良く理解する必要があります TKIに感受性または耐性である 異なる変異をもった複数の異なるクローンがあるため これは困難な問題です

この状況で どのようにしてこの問題を対処し 治療を開発できるでしょうか? これは更に研究される必要があり 新しい作用モードをもつ薬剤を求めることになるでしょう 多くの新薬が試験中です 新しいクラスの薬剤には VEGFR2 阻害剤だけでなく GIST 用のサブセット特異的阻害剤も含まれ またHsp90 阻害剤も含まれます Hsp90 阻害剤は 活性化されたキナーゼを非常に特異的に破壊できるため 非常に魅力的です そのような薬剤の開発と試験は 注意深く検証される必要があります 最後に 言及すべき重要なことがあります 転移性をもつ患者では感受性のクローンが存在したままであるため これらの患者で 進行性のものを含めて KITブロックの維持を考慮する必要があります 総合的に見て これらの新しい薬剤および概念と共に 新しい治療と薬剤開発のパラダイムが必要です GISTは 肉腫を超えて腫瘍内科学のモデルとなり 実際 より頻繁に見られる腫瘍タイプすべてのモデルになってきました 腫瘍学分野全体の将来の利益のために この方向で続けていく必要があり またこの状況下でどのように新しい治験を実施できるかの決定を試みる必要があります このプログラムをご覧いただいてありがとうございます このプログラムが興味深いものであることを願っています 将来にあなたと協力できることを望んでいます This transcript has been edited for style and clarity.