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TDMを活用した抗菌薬療法

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿

添付文書の薬物動態情報 ~基本となる3つの薬物動態パラメータを理解する~

グリコペプチド系 >50( 常用量 ) 10~50 <10 血液透析 (HD) 塩酸バンコマイシン散 0.5g バンコマイシン 1 日 0.5~2g MEEK 1 日 4 回 オキサゾリジノン系 ザイボックス錠 600mg リネゾリド 1 日 1200mg テトラサイクリン系 血小板減少の場合は投与

者における XO 阻害薬の効果に影響すると予測される 以上の議論を背景として 本研究では CKD にともなう FX および尿酸の薬物体内動態 ( PK ) 変化と高尿酸血症病態への影響を統合的に解析できる PK- 薬力学 (PD) モデルを構築し その妥当性を腎機能正常者および CKD 患者で報告さ

TDM研究 Vol.26 No.2

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減量・コース投与期間短縮の基準

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

グリコペプチド系 >50( 常用量 ) 10~50 <10 血液透析 (HD) 塩酸バンコマイシン散 0.5g MEEK バンコマイシン 1 日 0.5~2g 1 日 4 回 オキサゾリジノン系 ザイボックス錠 600mg リネゾリド 1 日 1200mg テトラサイクリン系 血小板減少の場合は投与

総論 2 腎不全患者に特徴的な薬物動態の変化 薬効 薬物名 商品名 尿中排泄率 (%) 副作用 リバビリン レベトール 50 骨髄抑制, 意識障害 禁忌 アマンタジン シンメトレル 90 不穏, せん妄, 幻視 禁忌 抗ウイルス薬 オセルタミビル タミフル 70( 活性代謝物 99 悪心, 嘔吐,

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

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 85歳(141

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2006 年 3 月 3 日放送 抗菌薬の適正使用 市立堺病院薬剤科科長 阿南節子 薬剤師は 抗菌薬投与計画の作成のためにパラメータを熟知すべき 最初の抗菌薬であるペニシリンが 実質的に広く使用されるようになったのは第二次世界大戦後のことです それまで致死的な状況であった黄色ブドウ球菌による感染症に

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

福岡大学薬学部薬学疾患管理学教授

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

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BSA(m 2 )= 体重 (kg) 身長 (cm) =1.27m 2 となり 173.6mL/min/1.73m 2 を 1.27m 2 である患者個人の腎機能に換算 ( で補正を外すと ) すると 127.4mL/min になりますが これでも実測 CCr

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

添付文書がちゃんと読める 薬物動態学 著 山村重雄竹平理恵子城西国際大学薬学部臨床統計学

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

学術委員会学術第 1 小委員会 慢性腎臓病(CKD) 患者への適正な薬物療法に関する調査 研究 ~ 腎機能低下患者への投与に関係する添付文書記載の問題点の調査 ~ 委員長東京薬科大学薬学部医療実務薬学教室竹内裕紀 Hironori TAKEUCHI 委員白鷺病院薬剤科和泉智 Satoshi IZUM

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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緒言

用法・用量DB

腎薬ニュース第 5 号 (2007 年 6 月 ;2012 年 1 月加筆修正 ) 熊本大学薬学部臨床薬理学分野平田純生 添付文書どおり腎機能に基づいた投与量にしても起こるアシクロビル中毒の原因は? 1. アシクロビル中毒の症状は? 慢性腎臓病 (CKD) 患者に頻発するアシクロビル バラシクロビル

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第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

薬物動態開発の経緯 特性製品概要臨床成績副作用 mgを空腹時に単回経口投与副作用また 日本人及び白人健康成人男性において アピキサバン 薬物動態薬物動態非臨床試験に関する事項非臨床試験に関する事項1. 血中濃度 (1) 単回投与 (CV185013) 11) 日本人健康成人男性

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

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を用いる必要があります Du Bois の式を用いて体表面積を計算すると 3) BSA(m 2 )= 体重 (kg) 身長 (cm) =1.27m 2 となり 173.6mL/min/1.73m 2 を 1.27m 2 である患者個人の腎機能に換算 ( で補正

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

院外処方箋の検査値活用法につ??

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葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

DRAFT#9 2011

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精神科専門・様式1

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

57巻S‐A(総会号)/NKRP‐02(会長あいさつ)

薬物動態開発の経緯 特性製品情報(3) 薬物動態に対する食事の影響 ( 外国人データ )(B66119)12) 品情報臨床成績臨床成績薬物動態薬物動態薬効薬理薬効薬理一般薬理 毒性一般薬理 毒性(2) 反復投与 (CV18546) 11) 日本人健康成人男性 6 例に アピキサバン 1 回 2.5

腎機能を有効かつ安全な薬物療法に活かす

2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ


婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

Cpk=36.5 μg/ml =0.99 meq/l Cav=27.9 μg/ml =0.75 meq/l Ctr=20.7 μg/ml = 0.56 meq/l 4) 躁病治療の有効血中濃度は 0.3~1.2mEq/L であるが この投与量で治療効果が得られるか? Li は 2 分子含まれているの

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

第11回感染制御部勉強会 『症例から考える抗MRSA治療薬の使い方』

2012 年 1 月 25 日放送 歯性感染症における経口抗菌薬療法 東海大学外科学系口腔外科教授金子明寛 今回は歯性感染症における経口抗菌薬療法と題し歯性感染症からの分離菌および薬 剤感受性を元に歯性感染症の第一選択薬についてお話し致します 抗菌化学療法のポイント歯性感染症原因菌は嫌気性菌および好

egfr(ml/min/1.73 m2 ) が標準体形に補正してある意義は何か? 小柄な体格の方は体格なりの小さな GFR で十分なのに 体表面積未補正値を用いると腎機能を過小評価して分類されてしまうことを防ぐためです かつては日本人の体表面積は 1.49m 2 が用いられていましたが 国際的に 1

(別紙様式1)

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

相互作用DB

④資料2ー2

抗菌薬と細菌について。

(2) 健康成人の血漿中濃度 ( 反復経口投与 ) 9) 健康成人男子にスイニー 200mgを1 日 2 回 ( 朝夕食直前 ) 7 日間反復経口投与したとき 血漿中アナグリプチン濃度は投与 2 日目には定常状態に達した 投与 7 日目における C max 及びAUC 0-72hの累積係数はそれぞれ

検査項目情報 6475 ヒト TARC 一次サンプル採取マニュアル 5. 免疫学的検査 >> 5J. サイトカイン >> 5J228. ヒトTARC Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 thymus a

変更一覧表 変更内容新現備考 Peak 50~60 Trough 4 未満 Peak 20.0~30.0 Trough 8.0 以下 アミカシン 静注投与後 1 時間 Trough 1 未満 Peak 4.0~9.0 Trough 2.0 以下 トブラマイシン 静注投与後

DRAFT#9 2011

よる感染症は これまでは多くの有効な抗菌薬がありましたが ESBL 産生菌による場合はカルバペネム系薬でないと治療困難という状況になっています CLSI 標準法さて このような薬剤耐性菌を患者検体から検出するには 微生物検査という臨床検査が不可欠です 微生物検査は 患者検体から感染症の原因となる起炎

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

腎機能を正しく評価するための 10 の鉄則改訂 5 版 熊本大学薬学部附属育薬フロンティアセンター 臨床薬理学分野平田純生 標準化 egfr(ml/min/1.73m 2 ) は CKD 重症度分類に使うためのものであり 薬物投与設計には使わない 薬物投与設

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

負荷試験 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 検体ラベル ( 単項目オーダー時 )

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Microsoft Word 高尿酸血症痛風の治療ガイドライン第3版主な変更点_最終

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

腎機能を正確に見積もるコツと理論 ~ 投与設計のすべてがここから始まる ~ 阿蘇の雲海 熊本大学薬学部附属育薬フロンティアセンター 臨床薬理分野平田純生

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

日本内科学会雑誌第98巻第12号

2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

抗精神病薬の併用数 単剤化率 主として統合失調症の治療薬である抗精神病薬について 1 処方中の併用数を見たものです 当院の定義 計算方法調査期間内の全ての入院患者さんが服用した抗精神病薬処方について 各処方中における抗精神病薬の併用数を調査しました 調査期間内にある患者さんの処方が複数あった場合 そ

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

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3 病床数 施設 ~19 床 床 床以上 284 (3 施設で未回答 ) 4 放射線専門医数 ( 診断 治療を含む ) 施設 ~5 人 226 6~10 人 人

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

( 別添 ) 御意見 該当箇所 一般用医薬品のリスク区分 ( 案 ) のうち イブプロフェン ( 高用量 )(No.4) について 意見内容 <イブプロフェン ( 高用量 )> 本剤は 低用量製剤 ( 最大 400mg/ 日 ) と比べても製造販売後調査では重篤な副作用の報告等はない 一方で 今まで

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

第15回日本臨床腫瘍学会 記録集

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Epilepsy2015

15,000 例の分析では 蘇生 bundle ならびに全身管理 bundle の順守は, 各々最初の 3 か月と比較し 2 年後には有意に高率となり それに伴い死亡率は 1 年後より有意の減少を認め 2 年通算で 5.4% 減少したことが報告されています このように bundle の merit

Transcription:

平成 24 年 9 月 25 日香川県 TDM 研究会 薬物解析ソフトEasy-TDM 投与設計編ローデングドーズテイコプラニン 半減期の長い薬剤や腎障害患者に対する投与設計のポイントは? ~テイコプラニン (TEIC) を例にローデングドーズの TDM 解析をしましょう~ テイコプラニン (TEIC) のモニタリングポイント 日本化学療法学会と日本 TDM 学会が合同で 抗菌薬 TDM ガイドラインを作成 2012 年 6 月に神戸で開催された第 29 回日本 TDM 学会 学術大会で発表されました 今回は 抗 MRSA 薬のテイコプラニンにおける TDM ガイドラインの概要についてお示します Ⅲ-2 テイコプラニン 1.TDMの適応 a. 安全性の面からのルーチンのTDM 実施の必要性はコンセンサスが得られていない b. テイコプラニン (TEIC) の血中濃度は予測困難であり 効果発現を目的に 4 日以上のTEI C 治療を受ける患者は TDM 実施を考慮する 2.PK-PD a. 臨床および細菌学的効果に関するPK-PDパラメータは確立していない b. TDMにおいてはトラフ値を評価する c. ピーク濃度 (Cpeak) の採血の時期は確立されておらず 測定の意義はない 3.TDMの方法 ( 採血ポイントなど ) a. TEICは半減期が長く ( 分布容積が比較的大きく クリアランスが小さい ) 定常状態への到達が遅れる b. 負荷投与を行った症例では腎機能に関わらず 3 日間投与後 4 日目にTDMを行う 早期に有効域を確保する目的で 3 日目にTDMを実施した場合 定常状態に到達していないことを考慮する 1

c. 何らかの理由で 前日に 1 日 2 回の負荷投与を行った場合 トラフ値の採血は最終投与から 18 時間以上経過してから行うことが望ましい d. 投与設計を変更した症例 腎機能低下例 重症感染例では 2 回目以降のTDMを実施する 通常は 1 週間に 1 度であるが 病態次第では頻回な実施を考慮 4.TDMの目標値 a. 目標トラフ値は 10-30 ug/ml に設定するが 専門家は 15 ug/ml 以上を推奨している b. 重症例や複雑性感染症 ( 心内膜炎 骨関節感染症など ) では 良好な効果を得るために目標トラフ値を 20 ug/ml 以上に設定する c. トラフ値が 30 ug/ml 以上での高い有効率に関する報告はなく またコストの面を考慮し本剤を 30 ug/ml 以上で維持することは推奨しない d. トラフ値が 40-60 ug/ml 以上では 腎障害 血液毒性 肝障害などの副作用が報告されている 5. 初期投与設計 ( 投与方法 ; 投与量 投与間隔 ) a. 早期に定常状態に達するために負荷投与を行う b. 初回のTDMでトラフ値をl5ug/mL 以上とするためには 一般的なローデイングドーズ ( 初日のみ 400mgを 2 回 ) では不十分であり 専門家は 400mg(6mg/kg) 1 日 2 回の 2 日間連続投与を推奨している さらなる高用量レジメンに関しても検討されている 6. 特殊病態 新生児 小児 a. 腎機能低下時 : 腎機能低下患者においても 初日よりローデイングドーズを含め 3 日間は腎機能正常者と同じ投与を行う その後は投与間隔の延長または 1 回投与量の減量を行う b. 血液透析 (HD) 1) 初日より 3 日間は腎機能正常者と同じ投与法を行い 初回のTDM 実施時期も同様とする TDMがHD 日の場合はHD 前に採血するのが実際的である 2) 維持投与量は透析日のみ投与する 透析除去率は他の抗菌薬と比較し低いことを考慮し 透析後に 3-6mg/kgを目安として 1 回投与し TDMで調節する 3) 2 回目以降のTDMはコンセンサスが得られていないが 頻度は 1 週間に 1 回を目安とし 一般に透析日に合わせて行う c. 持続的血液ろ過透析 (CHDF) 1) 初日より 3 日間は腎機能正常者と同じ投与法を行い 初回のTDM 実施時期も同様とする 2) 維持投与量は 48 時間毎に 3-6mg/kg 投与 ( または 1 回 3mg/kg 連日投与 ) を目安とし TDMで調節する 3)2 回目以降のTDM 実施時期に関してコンセンサスは得られていないが 頻度は 1 週間に 1 回を目安とする d. 低アルブミン血症 : 投与量から予想されるよりも血中濃度が低くなることがあるが その臨床的意義については不明である e. 小児 : ローデイングドーズとして 10mg/kgを 12 時間ごとに 3 回投与し 維持投与量として 10mg/kgを 24 時間ごとに投与しTDMで調節する この標準投与量ではトラフ濃度 l5 ug/ml 以上を維持できない可能性があるが 小児における高用量投与についてはエビデンスがなく 今後の課題である 2

f. 新生児 : 初回 16mg/kg 以後 8mg/kgを 24 時間毎に投与しTDMで調節する 7. 薬物間相互作用特記すべきことはない 8. 血中濃度測定法 FPIA 法 ( 蛍光偏光免疫測定法 ) では CRP 高値の患者や高コレステロール血症患者における TEIC 測定値への影響が報告されているため 注意して評価する 患者背景 :73 歳男性 身長 165cm 体重 83kg 血清クレアチニン値 0.71mg/ml 医師は 73 歳を考慮し テイコプラニン ( タゴシッド ) を添付文書に従い 400mg/ 分 2(7:00 19:00) 30 分点滴で初日投与し 翌日より 1 日 200mg/ 分 1(7:00)30 分点滴の注射指示をオーダーした そのオーダーを確認した病棟薬剤師は EasyTDM にて そのレジメンで妥当かどうか解析してみようと思い血中濃度推移をシミュレーションした 添付文書 通常 成人にはテイコプラニンとして初日 400mg( 力価 ) 又は 800mg( 力価 ) を 2 回に分け 以後 1 日 1 回 200mg( 力価 ) 又は 400mg( 力価 ) を 30 分以上かけて点滴静注する 1 患者情報の入力 story1 レジメンの妥当性をシュミレーションで検討する 患者番号 ;123456789 ( 適当な番号 ) 氏名 ; 香川太郎 ( 適当でいいです ) 性別 ; 男性年齢 ;73 歳身長 ;165cm 体重 ;83kg 入力後 確定をクリック 3

2 薬剤情報の入力 薬剤区分一般名商品名肥満 Scr 値 ; グリコペプチド系抗生物質 ; テイコプラニン ; 注射用タゴシッド ; あり ;0.71mg/ml 入力後 確定をクリック Cockcroft-Gault 式を用いた Scr( 血清クレアチニン ) 値から CLcr( クレアチニンクリアランス ) 値を求めるポイント EasyTDM では 血清 Cr(mg/dL) 値 (Scr とも言う ) より CLCr(mL/min) 値を算出する際 Cockcroft-Gault 式を用いて推定しています Cockcroft-Gault 式 男性の場合 : 推定 CLCr 値 =(140 年齢 ) 体重 (kg) (72 血清 Cr 値 ) 女性の場合 : 推定 CLCr 値 =(140 年齢 ) 体重 (kg) 0.85 (72 血清 Cr 値 ) * 女性の場合は筋肉量が少なくクレアチニンの産生量も低いため 0.85 をかけています 男性は 1 をかけます ここで注意が必要なのが 肥満患者の場合です Cockcroft-Gault 式は年齢と体重と Scr 値が変数となっていますが このうち体重 ( 分布容積を体重で評価している ) が推定誤算を大きくすると考えます そこで EasyTDM では 肥満があるか? ないか? を聞き ある 場合は 除脂肪体重 (LBW) を用いて体重補正を行っています これは 他の TDM 解析ソフトにはない機能です 男性の場合 :LBW(kg)=50+( 身長 (cm) 152.4) 0.89 女性の場合 :LBW(kg)=45.4+( 身長 (cm) 152.4) 0.89 * ジゴキシンやバンコマイシンやテイコプラニンなどのように 母集団パラメーターの計算に CLcr 値を使用する薬剤で Scr 値より CLcr 値を推定する場合は 薬剤情報画面 の入力項目に 肥満 の有無を入力するラジオボタンを作りました 肥満ありにチェックを入れた場合は 除脂肪体重 (LBW) を Cockcroft-Gault 式の体重 (kg) に入力しています * 血清 Cr から CLCr を推定する式には Cockcroft-Gault 法以外にも安田の式や Jelliffe の推定式などいろいろありますが 詳細につきましては今後のテーマとし今回は割愛します *CLcr 値の計算には 体重以外にも大きく誤差を生じさせるファクターがあります そのため Cockcroft-Gault 式で計算すると 90 歳のお年寄りの CLcr 値が 120(mL/min) とスーパー腎排泄能力を持つ値になったりしませんか? その場合も 補精が必要です こちらも今後のテーマとし今回は割愛します 4

EasyTDM では 年齢が 65 歳以上 ( 高齢者 ) で クレアチニンクリアランスが 80ml/min 以上の場合に 左のコーション ( 注意 警告 ) メッセージを表示することにしています ( ただ 表示するだけです (-_-;)) 3 ローデングドーズ投与スケジュールの入力 <1 日目の 400mg/ 分 2の入力方法 > 1) 1 投与開始日 ;9 月 17 日 2) 2 投与期間 ;9 月 17 日 Or 設定日のみ 3) 4 投与スケジュール 投与時刻;7:00 投与量 ;200mg 入力後 処方入力をクリック 4)19:00 についても同様に入力 投与時刻;19:00 投与量 ;200mg 入力後 処方入力をクリック <2 日目からの 200mg/ 分 1 の入力方法 > 1) 1 投与開始日 ;9 月 18 日 2 投与期間 ; 無限 その後 解析をクリック 2) 4 投与スケジュール 投与時刻;7:00 投与量 ;200mg 入力後 処方入力をクリック 5

5 採血情報 を入力しない場合は ベイジアン推定は実行されない この場合 患者条件の 82 歳 83kg 男性 CLcr 値 80.22ml/min の母集団値より血中濃度推移グラフを作成します つまり 採血値がない場合の解析は 母集団の平均値 ( シュミレーション ) グラフであり 患者個別の血液濃度推移グラフではない 4 血中濃度推移の確認 高齢者のため 添付文書の用量のうち少ない方のスケジュールである 初日 400mg( 力価 ) を1 日 2 回に分け投与 以後 1 日 1 回 200mg( 力価 ) を30 分以上かけて点滴静注しても TDM ガイドラインの 4. 目標値 のトラフ値 10-30 ug/ml( 専門家は 15 ug/ml 以上 ) に到達しないことが TDM 解析で分かった これは 5. 初期投与設計 ( 投与方法 ; 投与量 投与間隔 ) に b. 初回のTDMでトラフ値をl5ug/mL 以上とするためには 一般的なローデイングドーズ ( 初日のみ 400mgを 2 回 ) では不十分であり 専門家は 400mg (6mg/kg) を 1 日 2 回の 2 日間連続投与を推奨している と書かれていることから添付文書の低用量では効果が期待できないことは明白である 今回の例では分布容積が大きい ( 太い ) く腎機能は 73 歳 ( 我々の研究では 70 歳代の CLcr 平均値は 65ml/min) にしては排泄力が優れているので 年齢だけで判断して投与量を減量してはならないことがわかる (story2 に続く ) 6

story2 目標トラフ値に投与変更する TDM ガイドラインに従い 800mg/ 分 2(2 日間 ) 以後 400 mg/ 分 1に血中濃度がどのように推移するのかシミュレーションする 1 投与量の変更 <1~2 日目の 800mg/ 分 2の変更入力方法 > 1) 解析結果画面で 投与変更をクリック ( 投与 / 採血スケジュール画面ですが 画面下に 変更番号 が表示される ) 2) 1 投与開始日 ;9 月 17 日 3) 2 投与期間 ;9 月 18 日 4) 4 処方投与スケジュール 処方削除をクリック ( 下図 ) 投与開始日 (2012/09/17) から投与終了日 (2012/09/18) まで削除 確定をクリック 投与時刻;7:00 投与量 ;400mg 入力後 処方入力をクリック 投与時刻;19:00 投与量 ;400mg 入力後 処方入力をクリック <3 日目以降の 400mg/ 分 1 の変更入力方法 > 5) 1 投与開始日 ;9 月 19 日 6) 2 投与期間 ; 無限 4) 4 処方投与スケジュール 処方削除をクリック 投与開始日 (2012/09/19) から投与終了日まで削除 確定をクリック 7

投与時刻;7:00 投与量 ;400mg 入力後 処方入力をクリック その後 解析をクリック 2 血中濃度推移の確認 青線が 変更 1 の薬物濃度推移である TDM ガイドラインに従い 投与量を変更したところ 目標トラフ値 10-30 ug/ml ( 専門家は 15 ug/ml 以上 ) に達することができた 2 レポートの出力 印字をクリック 8

確定をクリックし印刷する ローディングドーズについて考える >> 半減期の長い薬剤はローディングドーズを考慮 半減期 (T1/2) とは 体内の薬物量が1/2になるのに要する時間です 非常に早く血液中から消失する場合でも その物質が脂肪組織に長くとどまって少しずつしか血液中に出て行かないと言う事があれば 半減期は長くなります つまり クリアランスと分布容量と言う概念を理解しないといけないのですが 長くなるので別記事にします ( 本当は今理解していないからです (^.^)) 半減期は くり返し投与下で薬物動態が定状状態に至るのに要する時間を決定できる という所に意義があります! 薬剤は連続投与すると 定状状態になります 半減期の 3 倍の時間が経つと定状状態の 88% 5 倍の時間が経つと 97% が定状状態濃度になります なので 半減期の 3~5 倍が定状状態になる時間と言っています よって半減期が短い薬剤は 投与し始めてすぐに定状状態になりますが 長い薬剤は定状状態までに時間がかかります 半減期が 1 分と言う薬があったとして その薬を投与し始めて 3 分 ( 可能であれば 5 分 ) たったら その効果は定状状態に入っています イノバン ( ドーパミン ) は半減期が 1 分ぐらいだそうです < 半減期 > ジゴキシンは 半減期が 36 時間です よって 飲み始めて 3 日後に血中濃度を測定したら低かったからと言って投与量を増やすと1 週間後に中毒になる可能性メロペン約 1 時間があります (Easy-TDM アドバイス編 ( ジゴキシン ) 薬物解析ソフトEsay-TDM バンコマイシン約 5 時間基礎操作編 1ジゴキシンに書いています ) フェニトイン約 20 時間ミルリーラ と言う薬は 半減期が 1.5-2 時間だそうです よって 維持量で開始タゴシッド約 50 時間すると 安定するまでに約 6 時間かかります しかし 通常は血圧が低いなどの重プロジフ約 30 時間症な患者さんに使用しますので 維持量よりも多い量をまず投与しローディングドーズを行います ジゴキシン約 36 時間今回紹介した タゴシッドの半減期は約 50 時間と長いでローディングドーズが必要なのです それでは 最後に患者側の影響で半減期が長くなる場合のロードディングドーズを紹介して終わりにします (story3 に続く ) http://kekimura.blog.so-net.ne.jp/2009-02-26-1 救急科専門医の独り言 ( 改変 ) 9

story3 腎機能が悪い患者でのローディングドーズ 腎機能が悪い患者では 腎臓での排泄能力が落ちているため バンコマイシンなどの腎臓で排泄される薬のクリアランスが低下し半減期が伸びるため ローデングドーズを考慮する必要があります バンコマイシンの添付文書では腎障害の患者に腎障害患者の腎機能に応じて 1 回投与量を減量する方法である Moellering( モレリング or モーラリング ) のノモグラムが載っています ( 図 6) このノモグラムは VCM が時間依存性の抗生物質であるため適しているように思われがちですが ほとんどが腎から排泄される V CM では半減期が著明に延長し Moellering の方法では有効治療濃度に達するのに数日を要してしまうため使いづらいのです いっぽう Matzke( マツケ ) のノモグラム ( 図 6) は ローディングドーズ ( 初回負荷投与 ) を考慮しているため Moellering のノモグラムより評価が高いのです 10

宿題 CLcr 30 ml/min 体重 50 kg の患者にバンコマイシン投与する場合の投与量について検討しましょう まずは Moellering のノモグラムで投与量を設定し EasyTDM でシュミレーションし その妥当性と医師へのアドバイスについて考察してみてください さらに Matzke のノモグラムでも投与量を設定し EasyTDM でシュミレーションし その妥当性と医師へのアドバイスについて考察してみてください 11