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りさこふじがわ
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1 < 海外港湾事情 > 欧州港湾事情 ~ オランダ国ロッテルダム港 ~ 成川和也. ロッテルダム港の沿革と概要ロッテルダム市は欧州大陸における EU 諸国のほぼ中心に位置し人口約 60 万人オランダ国内第二の都市である欧州最大のロッテルダム港を有し港湾地域は,000 社を越える企業が立地する一大物流拠点となっているロッテルダム港は国際河川マース河口部に位置し約 40 kmにおよぶ欧州最大の港湾として欧州一のコンテナ取扱量を誇っている同港は以前はロッテルダム市港湾局 (RMPM: Rotterdam Municipal Port Management) が港湾管理者として港湾管理行政を一元的に担っていたが 2004 年度から港湾の運営管理を市の管理から独立させ株式会社に移行している 2. 貨物取扱量ロッテルダム港ではライン川とマーズ川スケルト川を利用した河川輸送が盛んでコンテナ取扱量の約 3 割以上が内陸水運によるものであるコンテナのロッテルダム経由の内陸輸送の比率は全体の 75% でありフィーダー 25% となっている (2008 年 ) 内陸輸送コンテナに関する輸送モード別の比率は道路 49% 鉄道 4% 内水路 37%(2007 年 ) であり将来的には各々道路 35% 鉄道 20% 内水路 45% とすることを目標 (2035 年 ) としている寄港船舶数数および貨物取扱量の概要は以下のとおりであるロッテルダム港におけるコンテナのモーダルスプリットは近年大きな変化は無く鉄道 4% 道路 49% バージ 37% である (2007 年実績 ) 本船積卸量 00% とすると陸側輸送量 ( 鉄道道路バージ )75% フィーダー輸送量 25% である (2008 年実績 ) ロッテルダム港位置図コンテナ貨物取扱量 ( 単位 : 千 TEU) 年移出輸出移入輸入トランシッフ率合計実入り空実入り空 (%) ,035 4,257 8, ,487 4,800 9, ,689 4,963 9, ,26 5,529 0,790 n.a ,288 5,496 0,784 n.a. 港湾利用状況 ( 単位 : 千トン隻 ) 年輸移出貨物量輸移入貨物量合計貨物量入港船舶数 ,433 27,60 352,593 30, ,82 28,47 370,238 30, , ,549 38,753 33, , , ,82 34, ,00 33,000 42,00 33,82 ロッテルダム港における主要施設を下表に示す水域を含む港域面積は 0,556 ha そのうち 5,257 haが産業用地,960 haが社会基盤用地である我が国の港湾で最も広い名古屋港の臨海地区が 4,55 haと比較してもこの港湾の規模が想定できるまた岸壁総延長は 89 km タンク貯蔵容量は 28.4 百万キロリットルである 3. 主要施設及びコンテナターミナルロッテルダム港はマース川河口から市中央に至まで 40 kmにわたって延長し河口区域の最大水深は 24 m 33

ロッテルダム港の主要施設 (2008 年現在 ) 港湾全体面積 ( ) 産業用地 ( ) 水域 ( ) 社会基盤用地 ( ) パイプライン全長 ( ) 岸壁全長 (km) タンク貯蔵容量 ( 百万立米 ) 原油鉱油製品化学製品植物油脂クレーン ( 基 ) コンテナ岸壁クレーン多目的クレーン

クルーズターミナルを確保しているこの港湾は単に北西ヨーロッパの物 0,556 5,257 3,

2 ロッテルダム港の主要施設 (2008 年現在 ) 港湾全体面積 ( ) 産業用地 ( ) 水域 ( ) 社会基盤用地 ( ) パイプライン全長 ( ) 岸壁全長 (km) タンク貯蔵容量 ( 百万立米 ) 原油鉱油製品化学製品植物油脂クレーン ( 基 ) コンテナ岸壁クレーン多目的クレーンバルク荷役用岸壁クレーンその他ターミナルコンテナターミナル ( 箇所 ) 多目的ターミナル ( 箇所 ) 全天候型ターミナル ( 箇所 ) Ro/Ro ターミナル ( 箇所 ) 自動車ターミナル ( 箇所 ) 果実ジュースターミナル ( 箇所 ) バルクターミナル ( 箇所 ) リキッドバルクターミナルクルーズターミナルを確保しているこの港湾は単に北西ヨーロッパの物 0,556 5,257 3,440,960, 流の玄関口としての機能のみならず石油精製基地合成化学工場コンテナプロセッシング輸入果実のパッキング等 25,000 万人の人口を抱える背後圏へのディストリビューションセンターとしての多機能を有しているロッテルダム港におけるコンテナターミナルは当初ロッテルダム市中心部に近い Eemhaven 地区に建設された Home Terminal 及び Hanno Terminal が現在でも稼動しているコンテナリゼーションの発展コンテナ船の巨大化と共にコンテナターミナルの中心は次第に大水深の河口 Maasvlakte 地区に移動し巨大ターミナルが建設され現在に至っているロッテルダム港おける港湾区域の機能ごとの配置状況を下図に示す 4. 新ターミナル及び将来計画と展望 () ユーロマックス Euromax ターミナル新ターミナル現在のデルタターミナルのあるマースフラクテ地区の APM Delta Terminal Euromax Terminal ECT Hannno Terminal APM Home Terminal ECT Delta Terminal ＥＣＴデルタターミナル 34

北側に位置するマースフラクテオイルターミナルの西側プラン及び環境アセスメント等を実施し 2006 年に隣接地に新たな大水深コンテナターミナルであるユー第 2 コンテナターミナルについて APM ターミナルとロマックスターミナルが建設されハチソンポートホールディンググループ Hutchson Port Holdings Group = HPH のメンバー会社であるヨーロッパ

3 北側に位置するマースフラクテオイルターミナルの西側プラン及び環境アセスメント等を実施し 2006 年に隣接地に新たな大水深コンテナターミナルであるユー第 2 コンテナターミナルについて APM ターミナルとロマックスターミナルが建設されハチソンポートホールディンググループ Hutchson Port Holdings Group = HPH のメンバー会社であるヨーロッパコンテナターミナル社 Europe Container Terminals =ECT は 2008 年 9 月ユーロマックスターミナル Euromax Terminal を正式に開設した 2007 年に DP World DPW New World Alliance T N WA APL Hy undai Merchant Marine HMM Mitsui O.S.K. Lines Ltd MOL 及び CMA CGM のコンソーシアムとのコンセッション契約が締結されているマースフラクテ 2 Maasvlakte2 は絶えこの新ターミナルはコスコ Cosco ハンジンざる発展を積み重ねてきたロッテルダム港 Port of Hanjin ヤンミン Yang Ming 川崎汽船 K Rotterdam にさらなる発展を約束するものといえる -Line のアライアンス 4 社と ECT とのジョイントベヨーロッパ市場の戦略的位置を占めていることに加えンチャー事業で北海に直接面するロッテルダムマー内陸部との連絡がよくさまざまな施設がそろっているスフラクテ Maasvlakte に位置している岸壁長さためロッテルダム港のビジネス求心力はきわめて大き,500 ｍ広さ 84 を誇り年間 230 万 TEU の取いり扱いが可能であるロッテルダム港では港湾の拡張が求められる状況をなおユーロマックスターミナルは段階的に整備が常に先取りしてコンテナ船の大型化にも対応しなが進められる計画となっており最終的には 5,600 万ら 20 世紀中期にボトレック Botlek 続いて 960 TEU の年間取扱能力となることが見込まれている年代にはユーロポート Europoort 970 年代には現在のマースフラクテ Maasvlakte が建設されてお (2) マースフラクテ Maasvlakte 2 計画マースフラクテ 2 計画は現在のデルタターミナルのり現在次のステップとしてマースフラクテ 2 の建設が進んでいるあるマースフラクテ地区の沖合に新たな埋立地を造成し港湾施設及び関連施設を整備するもので開発規模ロッテルダム港は国際貨物物流の要衝でありヨーは 000 である主要な土地利用はコンテナターロッパの物流センターであり大規模工業の拠点でもミナルロジスティックセンター化学工業用地およびあるロッテルダム港は直接間接に大きな付加価値と自然保護レクレーション地域である雇用を生み出しており地域のみならずオランダの国全体に利益をもたらしているそして何よりもヨーロッ開発計画については年にマスターパ経済に果たす役割は大きい多くの物資がロッテルダムを通ってヨーロッパに流入しまたヨーロッパから世界に向けて輸送されている段階的な整備計画マースフラクテ 2 は現在のマースフラクテと直結する構造になり建設方法としては海中に堤防を築きその中に砂を入れ新たな土地を造ることとなっている段階的に整備は進められる計画となっているがこれは非経済的な投資を避け不要不急な土地を造 35

400-800 年 800-900 年 920-940 年 946-960 年 960-970 年 970 年 - 現在 2008 年以降ロッテルダム港の拡張の歴史成するのを防ぎ環境リスクを低減させるためであるなお各段階およびその実施方法の最終決定は市場需要環境への厳密な影響度工事入札事業者の提案などを考慮して行なわれる埋め立て作業は

4 年年年年年 970 年 - 現在 2008 年以降ロッテルダム港の拡張の歴史成するのを防ぎ環境リスクを低減させるためであるなお各段階およびその実施方法の最終決定は市場需要環境への厳密な影響度工事入札事業者の提案などを考慮して行なわれる埋め立て作業は北海部分に硬軟の堤防を敷設することによって行なわれ海浜と砂丘が堤防のソフト部分を自然石とコンクリートブロックがハード部分を形成することとなっている必要な砂は海沿い ( または海中 ) 地点で調達されるが港湾内の掘削による砂も利用する埋め立て総面積は 2,000 ヘクタールに及び半分はインフラ部分 ( 堤防水路港の内湾鉄道道路など ) で残りがビジネスエリアとなる立地希望企業の要望に応える柔軟性がマースフラクテ 2 建設の大きな特徴となっている企業は自社の立地場所についての議論に参画できるため自社にとって最適なレイアウトを実現することが可能となる 2) アクセシビリティ外洋および内陸水路からマースフラクテ 2 への船舶の入港は現在のマースフラクテのヤンツェハーヴェン (Yangtzehaven) 経由となるそのためヤンツェハーヴェンが位置する内湾を 600 m( 約 2,000 フィート ) へと拡幅水深も 20 m(66 フィート ) へと掘り下げる工事が進行中であるこれによって超大型船でも接岸できることになり荷役所要時間も大幅に短縮されるマースフラクテ 2 はロッテルダムとドイツ以遠を直結する特別貨物専用の鉄道ベートゥウェルート (Betuwe route) の発着点であることなど鉄道トラックパイプライン輸送とのアクセスも十分でありヨーロッパの内陸部各地との連絡も容易である 3) 経済と環境を重視した大規模プロジェクトマースフラクテ 2 の建設はそれ自体大規模プロジェクトであるがさらに大規模な構想の一環で埋め立て事業は主要港の拡張と地域の社会環境の改善を目的とする幅広い施策の一部であるそれが南ホラント州 (Province of South Holland) ロッテルダム市地区 (Rotterdam City District) ロッテルダム市 (Rotterdam Municipality) 等が 997 年に協同で発足させたPMR(Project Mainportontwikkeling Rotterdam: 主要港開発ロッテルダムプロジェクト ) である政府当局は PMR 構想を通じて港を増強するとともにこの地域の生活環境の質を向上させ経済と環境の調和を図っている PMR は次の 3 件のプロジェクトで構成されておりそれらを同時に実施することとなっているマースフラクテ 2 の建設 ( 建設過程で失われる恐れのある自然地区を補償するための広範な措置を含む ) 現在のロッテルダム地区プロジェクトスペースの有効活用と社会的環境の改善を目的とする既存の港湾や工業地区におけるさまざまなプロジェクトの実施 750 haの自然レクリエーション地区の新設これらの PMR プロジェクトはたがいに密接に関連しておりロッテルダム港はマースフラクテ 2 の建設に責任をもちロッテルダム市は既存の港湾と工業地区におけるプロジェクトの実施を受け持ち南ホラント州は新自然レクリエーション地区の建設に責任を負っている 4) 組織形態とスケジュールマースフラクテ 2 第一次進出事業者の選定のための公開アセスメント手続きが策定されている情報請求提案要請交渉の 3 段階からなっておりコンテナ部門の第一次事業者選定作業は

マークフラクテ 2 現在のロッテンダム地域プロジェクト 750 の新しい自然レクリエーション地域マースクフクラフテ 2 の建設地年初めに開始されたうちコンテナターミナル用エリア 625 20 うち物流事業用エリア 65

スフラクテ 2 プロジェクト組織が設置されている進行中の入札手続きは設計建設部門建設業者は堤防などの設計と埋め立て工事の双方に責堤防石やコンクリートによるハード部分約 4 約8 任をもつすべての手続きが終わった後の

結果入港可能船舶の喫水 5 社進入水路の幅員 2006 年末まで資格審査と選定 2007 年末までコンテナ企業 2 社と条件を詰めて契約に調印現在 2008 年 2008 年万は港内掘削工事により生じた分を充当 20 ｍ

5 マークフラクテ 2 現在のロッテンダム地域プロジェクト 750 の新しい自然レクリエーション地域マースクフクラフテ 2 の建設地年初めに開始されたうちコンテナターミナル用エリアうち物流事業用エリア 65 シーレーン深さ最大 20 ｍ港湾面積の拡張率 20 建設費用 29 億ユーロうち化学工業用エリアマースフラクテ 2 の事業主体はロッテルダム港湾局マー Port of Rotterdam Authority で同局内にスフラクテ 2 プロジェクト組織が設置されている進行中の入札手続きは設計建設部門建設業者は堤防などの設計と埋め立て工事の双方に責堤防石やコンクリートによるハード部分約 4 約8 任をもつすべての手続きが終わった後の 2008 年堤防砂浜や砂丘によるソフト部分に建設が開始されたその 4 年後には第一号企砂の必要量総量 3 億 2,500 万うち 5,000 業が事業を開始する予定である 2005 年 6 月末まで候補企業の事前選定結果入港可能船舶の喫水 5 社進入水路の幅員 2006 年末まで資格審査と選定 2007 年末までコンテナ企業 2 社と条件を詰めて契約に調印現在 2008 年 2008 年万は港内掘削工事により生じた分を充当 20 ｍ 600 ｍ以上なるかわかずや上席研究員手続きと意見聴取の終了建設開始第一号企業が操業開始 5 マースフラクテ 2 のエリア施設等の概要マースフラクテ 2 総面積約 2,000 工業用エリア約,000 37

資料 3-1 国際コンテナ戦略港湾政策について平成 30 年 11 月 6 日関税外国為替等審議会関税分科会国土交通省港湾局

資料 3-1 国際コンテナ戦略港湾政策について平成 30 年 11 月 6 日関税外国為替等審議会関税分科会国土交通省港湾局資料 3-1 国際コンテナ戦略港湾政策について平成 30 年 11 月 6 日関税外国為替等審議会関税分科会国土交通省港湾局世界各地域の港湾におけるコンテナ取扱個数の推移 2006 年から 2016 年までの 10 年間で世界の港湾におけるコンテナ取扱個数は 1.7 倍に増加している ( 億 TEU) 7.5 7.0 6.5 6.0 5.5 5.0 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0