第 5 章 化粧料の反射特性のデータ化と再現

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1 九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository A Study on the Archive Method of the Kabuki Make-up 松永, 孔梨子 Faculty of Design, Kyushu University 出版情報 : 九州大学, 29, 博士 ( 芸術工学 ), 課程博士バージョン :published 権利関係 :

2 第 5 章 化粧料の反射特性のデータ化と再現

3 第 5 章 化粧料の反射特性のデータ化と再現 本章の概要と目的本章では 第 1 章で明らかにした 歌舞伎化粧の構成要素 のうち 舞台 照明環境 および 化粧道具 材料 のデータ化と データ応用としての反射モデルを作成 3DCG による再現について述べる 化粧道具 材料の記録では 歌舞伎化粧の地色として多く用いられる白粉の化粧料の偏角分光反射特性の計測をおこない 反射特性の推定を行った また 舞台 照明環境の記録では 照明光の分光情報の取得を行った そして 3DCG により 測定した照明光の分光情報と白粉の反射特性推定結果から白粉の測色的色再現をおこない 可視化した また さらなる応用として 照明光の分光情報をろうそくの分光分布と置換することによって ろうそく舞台における化粧の再現を行った 本章の構成は以下の通りである 5.1 節では物体の偏角分光反射特性の計測及びモデル化について概観を示し 本章で行った反射特性推定のための指針を述べる 5.2 節では化粧料の計測計画を立てるための予備実験について述べる 5.3 節では予備実験の結果をもとに 化粧料の反射特性の計測実験について述べる 5.4 節では 5.3 節の実験結果をもとに 化粧料の反射特性推定について述べる 5.5 節では照明光の分光放射輝度の計測およびその照明光下での色再現について述べる 5.6 節において 5.4 節および 5.5 節での測定結果に基づき 模型と 3DCG による歌舞伎化粧の表現手法を述べる さらに 5.7 節においてろうそくサンプルの照明光の情報を用い 3DCG によるろうそくの照明光のもとでの歌舞伎化粧の再現について述べる そして 5.8 節で本手法についてまとめる 5.1. 物体の偏角分光反射特性の計測およびモデル化物体の光反射特性は その表面の見えに大きく関わっており 近年 歴史的文化財等の記録や保存においては 立体形状だけでなく 分光反射特性の計測や再現も大きな研究課題となっている [38] 分光反射特性を記録し 反射特性をモデル化することで 仮想環境の照明条件における物体の見えの再現といったシミュレーションへの応用も可能となる 本節では物体の反射特性の計測およびモデル化に関する先行研究について述べる 分光反射率の計測および色再現照明光に依存しない物体色の計測のために 波長ごとに分光した光を照射しそれぞれの反射率を得る分光反射率の計測が有効である 物体の反射特性の再現に関しても分光データを用いることが多く 計測された分光反射率データに CIE1931XYZ の等色関数を適用し モニタ等の測色的色再現が行われている 本項では 物体の分光反射率の計測およびその分光データからの測色的色再現方法について述べる 65

4 物体の分光反射率を得るためには ( 図 5.1(a)) および ( 図 5.1(b)) に示した2つの方法がある ( 図 5.1(a)) は 照明光として 分光放射分布が既知で 38-78nm の波長の電磁波 すなわち 可視光域の光をまんべんなく含んでいる色評価用の蛍光灯などを用い 直接 その光を物体表面に当て 物体表面から反射された光を分光器や干渉フィルタなどで単波長光として 分光反射率を計測する方法である この場合 物体と計測器の間に分光器がある 一方 ( 図 5.1(b)) は照明光と物体の間に分光器をおき 物体表面は 単色光によって照明される そして 物体表面からの反射光をそのまま計測器で測定する方法である どちらの場合も 照明光の分光放射分布および分光器の特性が既知であれば 物体の分光反射率を求めることができる ただし 物体が蛍光特性を持つ場合 ( 図 5.1(b)) の方法では 入射波長とは異なる波長の光が物体表面から出射されるため適さない 法線方向 法線方向 照明光 L 入射方向 N 分光器 V 反射方向 計測器 照明光 L 入射方向 分光器 N V 反射方向 計測器 試料 試料 図 5.1. 分光反射率の計測の模式図 モニタなどの表示装置における色再現は 基本的には測色的色再現を目標に設計されている 測色的色再現とは CIE1931XYZ 表色系において ある照明光下での物体の xy 色度座標 (x,y) とルミナンスファクタ Y( モニタなどの発光型の表示装置では モニタなどの発光型の表示装置では 完全拡散反射面のルミナンスファクタ 1 を想定する必要がある ) を再現する色再現の一指針である xy 色度座標 (x,y) とルミナンスファクタ Y は 取得した物体の分光反射率から以下の [5.1 式 ] で算出できる [39] 66

5 X =K 7 4 O E x d Y =K Z =K O E y d O E z d -[5.1] K = E y d ここで X Y Z は三刺激値であり O は物体の分光反射率 E は光源の分光放射分布 x y z は 1931 に定められた標準観測者における CIE1931 等色関数である 算出した XYZ の値を用いて以下の [5.2 式 ] により色度座標 x,y が求められる x= y= X X Y Z Y X Y Z -[5.2] 人間の眼球に入射した光は 網膜に分布する三種の視細胞の生理的働きを介して三種の生体信号に変換され さらに視神経を経由して大脳皮質の視覚中枢に伝送される この際 基本的に それらの比に応じて様々な色が知覚される CIE1931XYZ 表色系の三刺激値 XYZ は この三種類の視細胞の応答に相当する ( 実際には 視細胞の応答は三刺激値 XYZ の線形変換により求めることができる ) そのため 撮影時の物体と同じ比率の三刺激値を持つ再現された物体を撮影時と同じ照明光および同じ順応状態で観察すれば それらは同じ色に見えることになる ここで [5.1 式 ] における E は撮影時の光源の分光放射分布とあるが CG などのシミュレーション画像においては E は任意に設定することができる つまり 仮想の照明光源のもとで 分光反射率をもつ物体がどのような色に見えるかを測色的に再現することができる このことが 物体の分光反射率 O を測定する利点である そして 上式によって算出した xy 色度座標 (x,y) とルミナンスファクタ Y は 最近では 再現画像を srgb 規格の特性を持つ表示機器に提示することを前提に コンピュータでの 67

6 色指定に用いられる RGB 値への変換が行われている 偏角分光反射特性の推定物体の三次元構造を CG によって可視化するには 物体表面への照明光の入射角およびその物体表面から観察者の視点方向への反射光強度が必要となる 物体表面から あらゆる方向に対する反射特性を偏角反射特性といい この反射特性の分光データのことを偏角分光反射特性という 偏角分光反射特性の計測から 反射特性を推定する方法として 物体の反射を双方向反射分布関数 (BRDF: Bidirectional Reflectance Distribution Function) を反射マップとして用いる方法と 反射モデルを適応してパラメータを推定する方法がある 以下 この二つの方法について概要を述べる 1.BRDF 反射マップ法による反射特性の再現 BRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function) は入射方向と反射方向ごとの反射強度を計測し 反射特性としてモデル化する方法である 光源方向と視線方向ごとの BRDF の反射を記述したマップを作成し 条件に応じた反射強度の計算に利用する 多数の入射方向と反射方向の組み合わせによる計測データから BRDF を獲得することで高精細な表現が可能となるが 膨大なデータ量が必要となる そのため 計測物体の特性を観察することによって 計測点の省略や 再現性の向上が検討されている M. Ashikhmin ら [4] は布地の微視的幾何構造を基にして BRDF の生成手法を提案した また 武田ら [37] は織布の反射特性を表現するため 繊維の断面形状と織り構造に着目し 少数の多視点観測画像から反射光解析に基づいて織布の異方性反射特性を表す BRDF を自動生成する方法を提案している 2. 反射パラメータ推定法による反射特性の再現 BRDF 反射マップを用いた手法が 光源からの光が物体表面に照射してどのように伝搬するかを記録したデータを用いるのに対して 反射パラメータ推定手法は 反射モデルを適用し 未知の反射係数を推定することにより反射特性の生成を計算的に実現させる方法である 物体の反射は S.A.Shafer [41] による 拡散反射と鏡面反射の線形和であるとする二色性反射モデルに従うとされ 多くの反射モデルの基礎となっている [ 注 7] このため 反射パラメータ推定法では拡散反射と鏡面反射を分離して計測することが必要であり 偏光板や 色情報拡散反射強度の視点への非依存性を利用した拡散反射と鏡面反射の分離に関する研究が広くおこなわれている [42][43] また 効率よく反射特性を計測するための撮影時の光源の配置や撮影方向に関する問題 68

7 が重要である 町田ら [44][45] は 拡散 鏡面反射計測のための光源 センサの位置につい て提案している 5.2. 予備実験 本節では 化粧料の反射特性の計測計画を立てるため 予備実験をおこない歌舞伎白粉 の大まかな反射特性を把握する 実験概要 1. 実験目的歌舞伎白粉の反射特性推定の計測計画を立てるため 白粉の大まかな反射特性を取得すること 2. 実験方法 a. 計測装置反射特性の計測には 偏角分光画像計測装置を用いた 偏角分光画像計測装置の概略を ( 図 5.2-1) に示す この偏角分光画像計測装置は 光源 試料台およびセンサから構成されていた そして 試料台に対して 光源とセンサ位置が可動できるようになっているため 光源の入射角度と測定反射角度を任意に設定することができた 光源には 放電灯高安定ランプ (TOTO,M66SBU) を用いた この光源は 可視光域において まんべんなくどの波長も含んでいた センサには 12bits の階調解像度を持つ工業用モノクロデジタルカメラ ( 浜松ホトニクス,C-8484) を用いた このデジタルカメラの入出力カメラ特性は線形であり ( つまり 12bits の階調は入力放射輝度に対して線形に量子化される ) 画像は 画素で撮影された また 偏角分光画像計測装置は 節で示した ( 図 5.1(b)) タイプのものであり 光源の前には 干渉フィルタ (45-73nm) が設置され 計測試料は単色光によって照明された さらに 物体表面からの反射光を拡散成分と鏡面成分とに分離するため 直線偏光板を光源と試料の間および d とセンサの間に設置した 反射前の偏光板の変更方向と反射後の偏光板の変更方向を一致させたときは 主に鏡面反射成分の光を記録することができ これらの偏光方向を直行させたときは 拡散反射成分の光を記録することができる 69

8 第5章 化粧料の反射特性のデータ化と再現 センサ 試料 偏光板 試料台 光源 偏光板 分光器 図 偏角分光画像計測装置 b. 計測試料 計測試料を ( 図 5.2-2) に示す 模型と同じ素材で制作した平面の肌サンプルに 実際の 化粧手順により歌舞伎白粉 ( 三善, 歌舞伎白粉 ) を塗布したものを計測試料とした c. 計測方法 町田ら [44] による拡散 鏡面反射計測のための光源 センサの位置に関する研究をもと に 計測試料面について法線方向を とし 光源の位置 すなわち 入射角を 45 とし 反射特性計測のセンサ角θを -75 から 3 まで 15 間隔の間隔の8箇所とした ( 図 5.2-3) センサ角θが -6,-45,-3 の条件は 鏡面反射計測 15,3 の条件は拡散反射計測 としてデータを扱った 入射方向 Diffuse センサ方向 Specular 図 予備実験に用いた計測サンプル -9 図 拡散および鏡面反射の計測角 7

9 撮影した計測試料の中心部の 1 1 画素の範囲を平均し 計測試料の画像強度レベルとした また これらの計測にて反射率既知のグレースケールを同時に撮影し 反射率を出力画像の強度レベル値の関数として算出したカメラ特性によって 画像強度レベル値から反射率を算出した さらに 反射モデルパラメータを推定する際に 二色性反射モデルを考慮する場合を考え 偏光による鏡面反射成分と拡散反射成分の分離を行った 反射前の偏光板の偏光方向と反射後の偏光板の偏光方向を直交させたとき 取得した画像を拡散反射成分とした そして これらの偏光方向を一致させたとき取得した画像は 鏡面反射成分に加えて偶然にも偏光方向が偏光板の偏光方向と一致した拡散反射成分からなる反射光を記録していると仮定した そのため この画像から先に取得した拡散反射成分を減算した画像を鏡面反射成分とした 実験結果計測結果のグラフを ( 図 5.2-4) に示す 計測結果より 以下のことがわかった 白粉の反射が鏡面反射と拡散反射の和でできており 二色性反射モデルに従うこと 光源方向 45 における拡散反射強度が 反射方向の変化 光波の偏光方向の変化にあまり影響がなく ほぼ均等の値を示すこと 鏡面反射の際 直線偏光板を用いて分離された縦波と横波の崩れ方に違いがでること 45 入射角における鏡面反射率が -9 に近づくにつれ大きくなっており 鏡面反射のピークが正反射方向より水平方向にずれる Off-Specular 現象 [46] が起こっていること ( 図 5.2-5) 本実験では Off-Specular 現象を計測するため 計測角をより細かく設定する必要がある また 鏡面反射の計測をおこなうには 入射光の偏光方向により差がでるため 入射光が 縦波の場合と横波の場合の平均値を用いる必要がある 71

10 拡散および鏡面反射率 ( 入射角 45, 光波長 488nm) 反射率 D( 拡散反射率 ) S( 鏡面反射率 ) 入射方向正反射方向 図 予備実験計測結果 図 予備実験における鏡面反射の Off-Specular 現象 ( 入射方向 45 / 波長 488nm) 左から センサ方向 -15,-45 ( 正反射方向 ),-75 72

11 5.3. 化粧料の偏角分光反射特性計測実験予備実験の結果をもとに 歌舞伎白粉の偏角分光反射特性計測実験をおこなう 予備実験の結果から 歌舞伎白粉の反射が二色性反射モデルにしたがい 歌舞伎白粉の鏡面反射には Off-Specular 現象が起こっていることが確認できた このような特性を持つ白粉の反射を計測するため 以下の 2 種類の実験をおこなうこととした 実験 1 ー拡散反射モデルのための化粧料の分光反射率の計測 実験 2 ー拡散 鏡面反射モデルのための白粉の偏角反射特性の計測 実験 1 では 隈取の化粧に用いる歌舞伎白粉 紅 黒の化粧料の分光反射率を計測し srgb モニタによる RGB 色変換を行い 拡散反射モデルの物体色に用いる 実験 2では 歌舞伎白粉の偏角反射特性を計測し 拡散反射モデル 鏡面反射モデルの推定に用いることとする 実験概要 1. 化粧料の分光反射率の計測実験 ( 実験 1) a. 実験目的物体色に用いるため 歌舞伎白粉 紅 黒の化粧料の分光反射率の計測 b. 計測装置分光光度計 KONICAMINOLTA SPECTOROPHOTOMETER CM-26d c. 計測試料化粧料の分光反射率計測サンプルを ( 図 5.3-1, 図 5.3-2) に示す 模型 と同じ素材で制 作した肌サンプルと肌に実際の化粧手順により歌舞伎白粉 ( 三善 歌舞伎白粉 ) 紅 ( 資 生堂紅 ) 黒 ( 三善ライニングカラー ) を塗布したものを計測試料とした 図 分光反射率計測のための肌サンプル 図 サンプルの発色検討のため肌に施した化粧 73

12 d. 計測方法分光反射率計測値は CIE1931XYZ 三刺激値に変換し 白粉 紅 黒のそれぞれに対し サンプルと肌へ塗布した化粧料の色差を算出したのち 肌サンプルに塗布した化粧料の色情報を RGB 変換する 2. 白粉の偏角反射特性の計測実験 ( 実験 2) a. 実験目的 反射モデルを推定するための歌舞伎白粉の偏角反射特性の計測 b. 計測装置 予備実験時と同様に 偏角分光画像計測装置を使用 c. 計測試料 予備実験時と同じ計測試料を使用 d. 計測方法 計測方向 :Off-Specular 現象の計測のため さらに細かい計測をおこなうように計測方 向を以下のように指定した ( 図 5.3-3) 入射角 Ψ: 反射角 θ:-85 θ 85 を 5 間隔で計測 ( ただし センサと光源が重なるため光源から 15 以内の角度は測定しない ) 計測範囲 反射率算出は予備実験時と同様におこない 鏡面反射成分と拡散反射成分の算 出には 入射光が縦偏光の場合と 横偏光の場合を算出し それぞれ平均値を用いること とした 入射方向 図 白粉の偏角反射特性計測方向 センサ方向 ( 反射角 )

13 実験結果 1. 化粧料の分光反射率実験 1 で計測した 化粧料の分光反射率の計測結果を ( 表 5.3-1) に示す 白粉の色差はΔ E= 紅の色差は最も大きく Δ E= 黒の色差は最も小さく Δ E= という結果を示した ( 図 5.3-4) に肌サンプルと肌に塗布した化粧の xy 色度値を示す 計測結果より 模型における黒の色みの再現性が高く 紅の色みの再現性が低いことがわかった 肌サンプルに塗布した化粧料の分光反射率を RGB 色空間へ変換し 物体色として用いる 白粉 Sample 表 肌サンプルと肌に塗布した化粧の色比較 白粉 紅 Sample 紅 黒 Sample X Y Z x y L* a* b* Δ Eab 黒 75

14 図 サンプルと肌に塗布した化粧の xy 値 2. 歌舞伎白粉の偏角反射特性実験 2 で計測した歌舞伎白粉の偏角反射特性の計測結果を ( 図 5.3-5) に示す 計測結果より 計測に用いた全ての入射角において 赤線で示された鏡面反射率のピークが 緑の破線で示された正反射方向より水平方向にずれる現象が確認できる このことから 鏡面反射で Off-Specular 現象 [34] が起こっていることがわかった この結果から 本研究では拡散反射特性の表現に Lambert モデル 鏡面反射特性の表現に Off-Specular 現象を表現する反射モデルのパラメータを推定することにより白粉の反射特性を再現することに決定した 76

15 入射角に対する拡散および鏡面反射率 ( 光波長 488nm) Ψ=8 Ψ= Ψ=6 Ψ= Ψ=3 Ψ= Ψ= D( 拡散反射率 ) S( 鏡面反射率 ) 入射方向正反射方向 図 歌舞伎白粉の偏角分光反射率計測結果グラフ ( 青線 : 拡散反射赤線 : 鏡面反射 ) 上段左から 入射方向 下段左から入射方向

16 5.4. 化粧料の反射特性の推定本節では 5.3 節の実験結果をもとに 化粧料の反射特性を推定する 推定する反射特性は 化粧料の物体色としての分光反射特性 歌舞伎白粉の偏角分光反射率として拡散反射特性と鏡面反射特性である 実験結果を解析し モデルパラメータとして推定された反射特性を 3DCG へ応用する 化粧料の分光反射率推定実験 1 の計測結果から得られた肌サンプルに塗布した化粧の色情報を モニタ出力のため RGB に変換する 標準の光源として物体の測定用光源である D65 光源 srgb 出力条件で変換を行う また紅に関しては G,B の値が非常に小さく srgb モニタの再現域から外れたため ( 図 5.4-1) srgb 規格における R の xy 座標 (.64,.33) を用い 人間が敏感な輝度値のファクターである Y を保存することで X の値を補正した このため紅においては補正した値の R 値のみを用いる 計測結果は小数点以下を四捨五入し 整数値として用いる ( 表 5.4-1) 表 肌サンプルに塗布した化粧の RGB 値 R ( 使用値 ) G ( 使用値 ) B ( 使用値 ) 白粉紅紅 ( 補正後 ) 黒 25.4 (25) (-) (162) (27) () (215) () (28) (33) 43.9 (43) 78

17 図 サンプルに塗布した化粧の xy 値 歌舞伎白粉の拡散反射特性の推定本研究では 実験 2 で得られた歌舞伎白粉の拡散反射特性を Lambert モデルで近似する Lambert モデルは拡散反射のモデルとして最も広く使われているモデルであり その強度が反射角に依存しないため 各入射角における拡散反射光強度が センサ方向 θに対して概ね均等な値を持つ本実験結果と適合すると考えられる Lambert モデルにより 拡散反射率 Yd は以下の式で表される Yd =Kd cos S E -[5.3] ここで Ψは入射角 Kd は拡散反射率であり S は物体の分光反射率 E は照 明光の分光放射輝度をしめす [39] 各入射角ごとの拡散反射率の平均値を算出し仮の Kd とし 全ての入射角における仮 の Kd の平均値を算出することで Kd を算出した この結果 Kd = とな り ( 表 5.4-2) 推定された Lambert モデルにおいて 各入射角における拡散反射率の平均 値との平均二乗誤差 = となり 各入射角別にみても概ね適合する結果が得られた 79

18 第 5 章化粧料の反射特性のデータ化と再現 ( 図 5.4-2) 表 拡散反射率算出のための入射角における拡散反射データ 拡散反射率データ 入射角 Ψ 平均分散標準偏差 cos Ψ 平均 / cos Ψ Lambert による予測 Kd cos Ψ 二乗誤差 Average(Kd) 平均二乗誤差 図 推定された Lambert モデルと計測値の比較 8

19 歌舞伎白粉の鏡面反射特性の推定実験 2 の計測結果より 鏡面反射のピークが正反射方向より水平方向にずれる Off- Specular 現象が起こっていることが確認できる Off-Specular 現象をはじめて表現した Torrance-Sparrow モデル [46] では 反射の推定に 入射方向ごとの反射方向の反射率をその正反射方向における反射率に対して求めたものを用いている Torrance-Sparrow モデルにおいて 入射角 Ψ 反射方向 ( θ, φ ) における双方向反射率 ;, と 入射角 Ψの正反射方向への反射率 ;, の比率は 以下の式であらわされる ;, ;, = Ks F,n [G p, p /cos ]exp c2 2 Ks F,n [G, /cos ] cos co -[5.4] ここで Ks は 鏡面反射係数である F はフレネル反射率を示す項で入射角 ψ と屈折 率 n の関数であらわされる G は幾何学的減衰を示す項で 入射角 ψと反射角 θの関数であらわされる exp c 2 2 は微小面分布関数を示す項であり αは正反射方向と反射方向のずれ角であり θ = ψ, φ = のときα = である c は定数である Torrance-Sparrow モデルであらわされた正反射方向に対する双方向反射率の比率は ( 図 5.3-3) のようなグラフを描く Off-Specular 現象のため 正反射方向 ;, のときに1となり 反射角が大きくなるにつれて値も大きくなる 本実験結果でも同様の状態を確認することができる 本研究においても 正反射方向における反射率に対する反射率を 入射方向ごとに算出し 鏡面反射特性の推定に用いることとする ( 図 5.4-4) 図 Torrance-Sparrow モデルにより近似された入射角による正反射方向の輝度値に対する反射方向の輝度値 左 ; 計測値右 ; モデル推定値 81

20 4.8 4 Ψ8 Ψ75 Ψ6 Ψ45 Ψ3 Ψ 図 本実験結果における入射角による正反射方向の輝度値に対する反射方向の計測値 Off-Specular を表現したモデルには 代表的なものとして Torrance-Sparrow モデル Blinn モデル [47] Cook-Torrance モデル [48] がある 以上 3 つのモデルは以下の式であら わすことができる Ys =Ks D G F N V E -[5.5] ここで Ks は鏡面反射係数 E は照明光の分光分布 N は法線ベクトル V は視線ベクトル D は微小面の分布関数 F はフレネル係数である ( 図 5.4-5) に以上 3つの Off-Specular モデルの幾何図を示す 82

21 N H α L Ψ θ V 図 Off-Specular モデルの幾何図 以上 3 つのモデルにおいて G と F は同様にあらわされる Torrance-sparrow モデルにおいて提案された G は幾何学的減衰の関数であり 以下の 式であらわされる G=min{1,2 N H N V / V H,2 N H N L / V H } -[5.6] ここで N は法線ベクトル L は光源ベクトル V は視線ベクトル H は L と V の中間の方向のベクトルである F はフレネル反射率であり 物体の屈折率のパラメータ n を用いて以下の式であらわされる F {,n,k }=F,n = 1 2 g cos 2 g= n 2 cos 2 1 g cos 2 {1 [cos g cos 1]2 [cos g cos 1] 2 } -[5.7] D は鏡面の微小面の向きを表す分布関数であり これで H の方向を向く微小面の割合が定まる D は各モデルによって定義されている Torrance-Sparrow モデルでは D にパラメータ c2 を用いた次式のガウス分布が用いられる D =exp c 2 2 -[5.8] 83

22 Jim Blinn によって提案された Blinn モデルは Torrance-Sparrow モデルの式をより簡略 させて用いている Blinn モデルにおいて鏡面の微小面の向きを表す分布関数 D はパラメー タ c3 を用いた以下の式であらわされる c3 2 2 D ={ cos 2 c } -[5.9] M. Hébert らによって提案された Cook-Torrance モデルでは Torrance-Sparrow モデルの式を用い より金属面の表現に適すように編集している Cook-Torrance モデルでは 鏡面の微小面の向きを表す分布関数 D はベックマン分布を用いており パラメータ m を用いた以下の式であらわされる exp D = tan m m 2 cos 4 2 -[5.1] 本研究では この3つのモデルに対しパラメータの推定をおこない フィッティング結果から比較検討し最も適合するモデルを用いる このとき 省略して用いられることのある幾何学的減衰 G の項については 1とした場合においてもパラメータ推定をおこなった ( 表 5.4-3) 表 本研究で用いる反射モデルの計算式と推定パラメータ 反射モデル Torrance- Cook- Torrance- Blinn Cook- Sparrow Blinn Torrance Sparrow (G=1) Torrance (G=1) (G=1) D の式 式 [5.8] 式 [5.9] 式 [5.1] G の式 式 [5.6] 1 式 [5.6] 1 式 [5.6] 1 F の式 式 [5.7] 推定パラメータ Ks, n, c2 Ks, n, c3 Ks, n, m 84

23 1.Torrance-Sparrow モデルパラメータ推定 Torrance-Sparrow モデルのパラメータは, フレネル反射率算出における屈折率 n 微小 面分布関数としてガウス分布における c2 鏡面反射係数 Ks である 屈折率 n に関しては 白粉で用いられる酸化チタンの屈折率 n=2.72 [49][5] を用いた c2 に関しては 計測値にたいし最小二乗法により近似解を算出した 入射角の関数である鏡 面反射係数 Ks は 対数関数の多項式として最小二乗法により近似した ( 表 5.4-4) に Torrance-sparrow モデルによる鏡面反射に関する推定パラメータを示す ( 図 5.4-6) に Torrance-sparrow モデルによる入射角 Ψごとのセンサ角 θ 方向への鏡面反 射率推定結果をしめす ( 図 5.4-7) に Torrance-sparrow モデルの鏡面反射率 Ks の推 定結果を示す また ( 表 5.4-5) に, 幾何学的減衰 G 項を1とした場合の Torrance-sparrow(G=1) モデ ルによる鏡面反射に関する推定パラメータを示す ( 図 5.4-8) に Torrance-sparrow(G=1) モデルによる入射角 Ψごとのセンサ角 θ 方向への鏡面反射率推定結果をしめす ( 図 5.4-9) に Torrance-sparrow(G=1) モデルの鏡面反射率 Ks の推定結果を示す 表 Torrance-Sparrow による鏡面反射推定パラメータ Torrance-Sparrow モデル推定パラメータと誤差 c 誤差平均 n 2.72 誤差分散.5... ks Ks=exp(-.3x5+.63x x x x ) x= Ψ (degree), R 2 = 表 Torrance-Sparrow モデル (G=1) による鏡面反射推定パラメータ Torrance-Sparrow モデル (G=1) 推定パラメータと誤差 c 誤差平均.8... n 2.72 誤差分散... ks Ks=(-.562x x x ) x= Ψ (degree),, R 2 =

24 Ψ8 Ψ75 8 Ψ6 75 Ψ45 6 Ψ3 45 Ψ 図 Torrance-Sparrow による鏡面反射推定結果 y = -.3 x x x x x R 2 = 鏡面係数の対数関数 多項式近似 図 Torrance-Sparrow における Ks の推定 86

25 Ψ8 8 Ψ75 75 Ψ6 6 Ψ Ψ3 15 Ψ15 図 Torrance-Sparrow(G=1) による鏡面反射推定結果 y = x x x R 2 = 鏡面係数の対数関数 多項式近似 図 Torrance-Sparrow(G=1) における Ks の推定 87

26 2.Blinn モデルパラメータ推定 Blinn モデルのパラメータは, フレネル反射率算出における屈折率 n 微小面分布関数における c3 鏡面反射係数 Ks である 屈折率 n に関しては 白粉で用いられる酸化チタンの屈折率 n=2.72 を用いた c3 に関しては計測値にたいし最小二乗法により近似解を算出した 入射角の関数である鏡面反射係数 Ks は 対数関数の多項式として最小二乗法により近似した ( 表 5.4-6) に Blinn モデルによる鏡面反射に関する推定パラメータを示す ( 図 5.4-1) に Blinn モデルによる入射角 Ψごとのセンサ角 θ 方向への鏡面反射率推定結果を示す ( 図 ) に Blinn モデルの鏡面反射率 Ks の推定結果を示す また ( 表 5.4-7) に, 幾何学的減衰 G 項を1とした場合の Blinn(G=1) モデルによる鏡面反射に関する推定パラメータを示す ( 図 ) に Blinn(G=1) モデルによる入射角 Ψごとのセンサ角 θ 方向への鏡面反射率推定結果を示す ( 図 ) に Blinn(G=1) モデルの鏡面反射率 Ks の推定結果を示す 表 Blinn モデルによる鏡面反射推定パラメータ Blinn モデル推定パラメータと誤差 c 誤差平均.9... n 2.72 誤差分散... ks Ks=exp(-.62x4+.826x x x ) x= Ψ (degree), R 2 = 表 Blinn モデル (G=1) による鏡面反射推定パラメータ Blinn モデル推定パラメータと誤差 c 誤差平均 n 2.72 誤差分散.1... ks Ks=exp(.132x x ) x= Ψ (degree), R 2 =

27 Ψ8 8 Ψ Ψ6 45 Ψ45 3 Ψ3 15 Ψ15 図 Blinn による鏡面反射推定結果 y = -.62 x x x x R 2 = 鏡面係数の対数関数 多項式近似 図 Blinn における Ks の推定 89

28 Ψ8 8 Ψ Ψ6 45 Ψ45 3 Ψ3 15 Ψ15 図 Blinn(G=1) による鏡面反射推定結果 y =.132 x x R 2 = 鏡面係数の対数関数 多項式近似 図 Blinn(G=1) における Ks の推定 9

29 3.Cook-Torrance モデルパラメータ推定 Cook-Torrance モデルのパラメータは, フレネル反射率算出における屈折率 n 微小面 分布関数におけるベックマン分布式の m 鏡面反射係数 Ks である 屈折率 n に関しては 白粉で用いられる酸化チタンの屈折率 n=2.72 を用いた m に関 しては計測値にたいし最小二乗法により近似解を算出した 入射角の関数である鏡面反射 係数 Ks は 対数関数の多項式として最小二乗法により近似した ( 表 5.4-8) に Cook-Torrance モデルによる鏡面反射に関する推定パラメータを示す ( 図 ) に Cook-Torrance モデルによる入射角 Ψごとのセンサ角 θ 方向への鏡面反射率推 定結果を示す ( 図 ) に Cook-Torrance モデルの鏡面反射率 Ks の推定結果を 示す また ( 表 5.4-9) に, 幾何学的減衰 G 項を1とした場合の Cook-Torrance(G=1) モデル による鏡面反射に関する推定パラメータを示す ( 図 ) に Cook-Torrance(G=1) モデ ルによる入射角 Ψごとのセンサ角 θ 方向への鏡面反射率推定結果をしめす ( 図 ) に Cook-Torrance(G=1) モデルの鏡面反射率 Ks の推定結果を示す 表 Cook-Torrance モデルによる鏡面反射推定パラメータ Cook-Torrance モデル推定パラメータと誤差 m.9243 誤差平均 n 2.72 誤差分散... ks Ks=exp(-.62x x x x ) x= Ψ (degree), R 2 = 表 Cook-Torrance モデル (G=1) による鏡面反射推定パラメータ Cook-Torrance モデル (G=1) 推定パラメータと誤差 m 誤差平均 n 2.72 誤差分散 ks Ks=exp(.132x x ) x= Ψ (degree), R 2 =

30 Ψ8 75 Ψ75 6 Ψ6 45 Ψ45 3 Ψ3 15 Ψ15 図 Cook-Torrance による鏡面反射推定結果 y = -.62 x x x x R 2 = 鏡面係数の対数関数 多項式近似 図 Cook-Torrance における Ks の推定 92

31 Ψ8 75 Ψ75 6 Ψ6 45 Ψ45 3 Ψ3 15 Ψ15 図 Cook-Torrance(G=1) による鏡面反射推定結果 y =.132 x x R 2 = 鏡面係数の対数関数 多項式近似 図 Cook-Torrance(G=1) における Ks の推定 93

32 4. 反射モデルによる推定結果比較 各モデルにおける実測値との誤差平均値と分散値を ( 表 5.4-1) に示す 全ての入射角 における鏡面反射の誤差平均値は Torrance-Sparrow(G=1) モデルが最も小さく 各入射角 ごとの誤差との分散も非常に小さく 最も実測値と近似した結果であるといえる このた め 歌舞伎白粉の鏡面反射には幾何学的減衰 G の項を 1 とした Torrance-Sparrow(G=1) モデルを用いる 反射 モデル 表 Off-Specular モデルによる鏡面反射特性推定誤差 Torrance-Sparrow Torrance-Sparrow (G=1) Blinn Blinn (G=1) Cook-Torrance 誤差平均 誤差分散 Cook-Torrance (G=1) 5.5. 照明光の分光放射輝度計測および色再現照明光の色計測 モニタにおける再現として 分光反射率計測に用いた D65 光源と 江戸時代に歌舞伎の照明で用いられたろうそく照明のサンプルの分光放射輝度計測 RGB 色空間における色再現をおこなった D65 照明の分光放射輝度に関しては規定値を用いた 分光放射輝度は 節と同様に 分光放射輝度を CIE1931 に従い三刺激値 XYZ に変換し srgb モニタ出力のため RGB に変換する ろうそくの光は (R:388.26, G:191.99, B:-) と srgb モニタの再現域から外れたため ( 図 5.5) R を最大値 255 B を最低値 とし G の値は 計測時の R との比を保存することにより補正して用いることとする 計測結果は小数点以下を四捨五入し 整数値として用いる ( 表 5.5) ろうそく照明のサンプルとしては カメヤマローソク 3 号 211 大ローソクを用いた 表 5.5.D65 光源とろうそくの色 D65 光源 ろうそくの光 X Y Z x y R( 使用値 ) (249) (255) G( 使用値 ) (247) (192) B( 使用値 ) (246) - () 94

33 図 5.5.D65 照明とろうそく照明の xy 値 95

34 5.6. 3DCG と模型による歌舞伎化粧の再現 5.4 節でパラメータ推定した Torrance-Sparrow(G=1) モデル 5.5 節で行った D65 照明光の色再現結果を用い 3DCG ソフトによるレンダリングをおこなった 照明光は平行光とし 反射モデルのプログラミングは C for graphics 言語を用いて行い ( 付録 ) Autodesk Maya 9. により DirectX 3D によるハードウェアレンダリングをおこなった 3DCG でレンダリングを行った光源方向と同様に測色用 D65 蛍光ランプを模型に照射し 3DCG のカメラ方向と同様の方向から模型を撮影した 3DCG におけるレンダリング 模型の撮影の幾何図を ( 図 5.6-1) に示す また照明方向 視点方向を同様に設定した撮影結果を ( 表 5.6) に示す 図 模型と 3DCG の撮影に関する幾何図 入射方向 ( 水平方向, 垂直方向 )/ 視点方向 -6,/-9 表 5.6. 照明 視点方向による模型と 3DCG の撮影結果 視点位置から撮影した模型 視点位置からレンダリングした 3DCG 96

35 入射方向 ( 水平方向, 垂直方向 )/ 視点方向,/-6 視点位置から撮影した模型 視点位置からレンダリングした 3DCG -9,/-3-6,/ -3,/3 97

36 入射方向 ( 水平方向, 垂直方向 )/ 視点方向 -3,45/6 視点位置から撮影した模型 視点位置からレンダリングした 3DCG 鏡面反射のピークが正反射方向より水平方向にずれる Off-Specular 現象を表現する Torrance-Sparrow モデルの適用により 顔の前面のなだらかな凹凸より輪郭のような急激なほうが際立って見え 深い皺や鼻のような視線方向と水平な面方向からなる極端な凹凸がある箇所はよく表現ができているといえる ( 図 5.6-2) また 模型におこなった詳細表現が照明方向によっては強調される場合もある ( 図 5.6-3) のような模型の血管の強調は鏡面反射面が視点方向と水平に近くなった場合におこっている 図 反射特性推定結果から見られた off-specular 反射左 : 模型右 :3DCG によるレンダリング結果 図 off-specular 反射による詳細な凹凸の強調左 : 模型右 :3DCG によるレンダリング結果 98

37 また ( 図 5.6-4) では3DCG によるレンダリング結果において実際におこらない耳の輝度の差が確認できる 耳の部分に白粉を塗っていない模型に対して 3DCG では顔モデル全体のマテリアルとして反射モデルを適応してあるため 急激な凹凸のある耳の部分でハイライトが多く起こってしまったためと考えられる また ( 図 5.6-5) のような耳部分のハイライトや頬部分の影の差は 光源の違いが原因と考えられる 本研究でレンダリングに用いたライトは平行光であり 模型に照射した蛍光ランプは平行成分が主であるが完全な平行光ではなく 光源からはなれた箇所では光の減衰も起こるため差が現れてしまった この問題を解決するためには 照明光の方向や減衰を含めた光源のモデル化が必要であると考えられる また 白粉だけでなく肌や 他の化粧料に関しても反射モデルを適応させる必要があるが テクスチャの座標とモデルの座標が同一でないため 化粧のパターンのテクスチャに合わせた形状モデルデータを顔モデルと別に作成するか 反射特性の適応範囲をテクスチャに合わせて設定する必要があり不便である スペキュラマッピング技術などを応用し 一つの形状データで複数の反射特性を表現することができれば 反射特性のパターンへの応用もスムーズになると考えられる 図 off-specular 反射による耳部分の凹凸の強調左 : 模型右 :3DCG によるレンダリング結果 図 照明の違いによる頬部分 耳部分の輝度の差左 : 模型右 :3DCG によるレンダリング結果 99

38 5.7. 記録データの再編 展開本研究の記録の応用として 5.5 節で色再現をおこなったろうそくサンプルの照明光の情報を用い ろうそくの照明光のもとでの歌舞伎化粧の見えを 3DCG にて再現することができた ( 図 5.7) D65 光源のもとと比較し 白粉と紅のコントラストが低下し 隈取と白粉の境界があいまいになることで陰影としての隈の効果が強調されると考えられる このような舞台照明による化粧の見えのシミュレーションを用いて 第 1 章の調査で明らかになった あまり明るくない照明のもとで手指を使い大胆に化粧をするという役者の わざ を その効果とともに提示することも可能となると考えられる また 役者が照明により適した考案するのに役立てられ 新しい わざ の発見を喚起することへもつながる可能性がある 本節では照明光の色情報の置換をおこなったが ろうそくは揺らぎや光の減衰などの要素を持つため 光源のモデル化が必要である また 化粧料の情報も当時のものを用い 舞台のモデル化による観客の視線からの再現をおこなうなど さらなる情報が必要である 図 5.7. ろうそくの照明のもとでの歌舞伎化粧の見えの 3DCG による再現結果 1

39 5.8. まとめ本章では 歌舞伎化粧の構成要素である 舞台 照明環境 化粧料 の記録として 模型に施した化粧料の反射特性の計測と推定 照明光の分光放射輝度の計測と色再現をおこなった 化粧料の反射特性推定では 歌舞伎化粧の地色として多く用いられる歌舞伎白粉の偏角分光反射特性の計測結果から 反射モデルのパラメータ推定をおこなった ここでは拡散反射に対して Lambert モデル 鏡面反射に対して Torrance-Sparrow(G=1) モデルにより反射特性をモデル化することができた また 照明光についても分光放射輝度を計測し 推定された反射特性とともに 照明方向 視点方向を設定し 3DCG により可視化をおこなった 第 3 章 第 4 章で わざ が含まれる情報としての 歌舞伎化粧の構成要素 を記録し 模型 と 3DCG により再現をおこなうことができた また 記録データを再編し ろうそくの光源における歌舞伎化粧の見えの再現へ応用することができた このような記録データの再編により 状況に応じた役者の わざ を その効果とともに提示することも可能となると考えられる 照明に限らず 顔形状データや表情変化など 記録するあらゆる要素に対し情報の置換が可能であり わざ を浮き彫りにすることができる 例えば 記録データのうち顔形状のデータだけを他の役者のものと置換することにより 自分の顔形状に対する役者の わざ を提示できる このようなシミュレーションは 役者が状況に合わせた化粧法を考案するのに役立てられ 歌舞伎の伝承において重要な新しい わざ の発見を喚起することへもつながるといえる また 本章でおこなった実験より 以下のことが明らかになった 反射特性の計測より 白粉には Off-Specular 現象が起こっていることがわかった このため歌舞伎白粉には頬などのなだらかな凹凸は平らにみえ 鼻などの極端な凹凸は強調するという効果があることがわかった 歌舞伎白粉は 日本古来の美意識をしめす 中高 ( なかだか ) の美 という言葉にあらわされるような 鼻筋の通った顔を作るのに適した化粧料であるといえる 模型と実際の肌への化粧の分光反射率の計測をしたことで 模型と実際の人間に化粧を施した場合 発色に差があることがわかった 特に紅に関しては無視できない色差があることがわかった これは模型に用いたシリコンと肌の温度やシリコンの水を吸収しない特性が影響していると考えられる 実際に化粧をする模型を作るには肌の構造を考慮すべきである 化粧料の分光反射率 照明光の分光放射輝度計測結果から ろうそくの光と紅は srgb モニタの再現外の色であることが明らかになった 近年テレビ放送や映画など歌舞伎を映像として再現する試みがなされているが その出力形態を決定する際に紅などの化粧料の色再現について検討が必要である 11

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