P3-37 １００から１０００までの数の空間表象 Mental representation for the number from 100 to 1000 岡本真彦米澤生筒美 OKAMOTO Masahiko, YONEZAWA Itsumi 大阪府立大学人間社会学部 Osaka Prefe

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はすなたつざわ
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1 １００から１０００までの数の空間表象 Mental representation for the number from to 0 岡本真彦米澤生筒美 OKAMOTO Masahiko, YONZAWA Itsumi 大阪府立大学人間社会学部 Osaka Prefecture University, School of umanities and Social Sciences okamoto@hs.osakafu-u.ac.jp Abstract This article discussed about the structure of mental representation for number from 10 to 0. Two experiments were carried out to examine this purpose. The results showed that the decade break at was obtained in two experiments. It indicated that we have the discontinuity number space from ten-base number representation to hundred-base number representation. And the distance effect was obtained for both hundred-base and thousand-base number representation in experiment 2. This result indicated that we have the magnitude information in hundred-base number representation and thousand-base number representation. 特に Domahs ら 2010 に限らず１０を超える数や１００１０００を超える数の空間表象がどのような構造をしているのかということについては議論が分かれているのが現状である例えば ibbon & hurch 1981 や Siegler & Opfer 2003 は数の表象は大きくなるにつれて距離が小さくなるような対数的な表象であるとしている Dehane 1997 にしても Domahs ら 2010 や ibbon & hurch 1982 にしても議論の焦点は数の空間表象の構造的な相違であるが個人間で共通した数の表象を持っているというこ Keywords number representation, SNAR effect, distance effect, decade break, five break とでは一致しているこれに対して alton 1980 や Makioka 2009 は数の空間表象はヒトによってユニークな表象を持っており 1. はじめに共通の空間表を持っていないとする研究者もいる Dehane (1997)は１から９までの数に対するしかしながらこれらの全ての研究は同じ課題心的表象が右から左に空間的に配置されているやパラダイムを用いて検討したものではなくという考えを提唱している２つの数を対提示し様々に違った課題で得られた結果をもとに考案さてその大小判断を求めた時に右側に大きな数れた数の表象モデルであるその意味ではこれが配置される場合例えば３７の方が左らの全てのモデルを一つにまとめて議論すること側に大きな数が配置される場合例えば７３自体に無理があるそこで多くの実験的証拠がに較べて反応時間が短くなるというデータが数多挙がってきている２数を提示してその大小判断く報告されており有力な仮説として受け入れらを求めるという課題を用いて研究の知見を集めれている一方で数の空間表象については近ることが数の空間表象の構造に関する議論の不年様々な議論が行われている例えば Domahs, 一致を解消するための一つの方向であろう Moeller, Willmes, & Nuerk 2010 は１からすなわち本研究の目的はこれまでに様々な５までの間でも５にひとつの段差があり１０をモデルが提唱されているから 0 までの大超えるところでも別の段差があるとしているこきな数の空間表象の構造がどのようになっているのことは Dehane 1997 が提唱するような１のかについて数の大小判断課題を用いて検討すから９までの数が連続的に配置されているというることである考えとは一致しない 785

2 2011年度日本認知科学会第28回大会 2. 実験１,, 700, 800, 900, 0 そして 1 の 28 目的個であったターゲット数は図１に示したよう本研究の目的は１００から１０００までの数の空間表象を検討することであった我々はにプライムであるが提示される位置の左右から 0 までを数えあげることを求められどちらかに提示されたた時, 101, 102,..., 999, 0 と数え上ターゲットげることもできれば, 110, 120,... や 120, 200, 300,... と数え上げることもできるこのことは我々がから 0 までの数をプライム 1 単位でも 10 単位でもあるいは単位でも扱うことができることを示しているが実際 + 認知的にもそれらの数の表象を同等に扱うことができるかどうかを検討することを実験１の第１の目的とした加えて従来の数表象の研究では図１比較する数の間隔が大きい方が判断に要する時実験１での刺激提示スケジュール間が短くなる距離効果の存在が報告されているので 10 単位の表象や単位の表象でも距離効結果分析には大小判断が正しい反応の反応時果が見られるかどうかを検討することを第２の目間のみを用いたが全反応時間の平均 2SD を超的としたえる反応時間については分析から除外した各ターゲット数への反応時間図２について２参加者大学生 25 名が実験に参加した提示位置左 vs. 右３系列 1 3 ９系課題と刺激課題は１００をプライム刺激とし列位置 1 9 の３要因分散分析を行った系列て提示しその後 1 0 までのターゲット数位置とは３つの系列におけるからの距離でを提示しターゲット数がよりも大きいか小あり系列位置 2 となるのはさいかの大小判断を参加者に求めるものであったである方法図１ターゲット数はから 10 ずつ小さ分析の結果系列の主効果が有意であったのでくなる 10 系列 90, 80, 70, 60, 50, 40, 30, 20, F(2, 48)=71.65, p<.01 下位検定を行うと 10 から 10 ずつ大きくなる 110 系列 110, 系列１が系列２３よりも反応時間が長くなるこ 120, 130, 140, 150, 160, 170, 180, 190 とが明らかになった p<.05 また系列位置のからずつ大きくなる 200 系列 200, 300, 400, 主効果も有意であり F(8, 192)=4.84, p< からの系列位置 6 7 図２ターゲット数の大小判断に要する時間系列 : 左 10系列 : 右 110系列 : 左 110系列 : 右 200系列 : 左 200系列 : 右

3 下位検定の結果系列位置 9 が 2, 5, 7, 8 より置にも同様の段差があると考えることもできるも反応時間が長くなっていた p<.05 さらにただこれらのうちどの解釈が正しいのかについ系列系列位置の交互作用も有意であった F(16, ては本研究からは結論づけられずさらに検討 384)=3.15, p<.01 が必要である第２の目的に関してはどの系列であっても系考察第１の目的に関して本研究の結果からは列位置が大きくなるにつれて反応時間が短くなる系列の種類によって反応時間が異なり 10 からといった距離効果は見られなかった先行研究で 90 までのターゲット数への反応がその他のターは空間距離が大きくなるにつれて反応時間がゲット数への反応に比べて明らかに長くなってい短くなる距離効果が現れていることが多く本研ることが示された一方で 110 から 190 の系列２究の結果はそれらと一致しないこの結果の不と 200 から 900 の系列３の間には差は見られなか一致は先行研究の多くが２数を同時提示して大ったこの結果はという 10 単位小判断を求めているのに対して本研究はプラの数表象とという単位の数表イムとして提示した後にターゲット数を提示す象を同等に処理することができることを示しておるというパラダイムを用いたことが原因ではないりから 0 までの数の空間表象では 10 かと考えられる大きな数の空間表象が直線的幅をベースとした空間区切りと幅をベースとであるか対数的であるかということについてはした空間区切りのどちらも利用可能な状態の空間議論が分かれるが少なくとも一定の順序性があ表象が構築されていることが示唆されるるということ先行研究でも支持されているのでこれに対してより小さな数を含む 10 系本研究の結果から距離効果が見られないからとい列では一貫して反応が遅くなっているこの結ってから 0 にかけての数の空間表象は果についてはいくつかの解釈が可能である一順序的なものではないと結論づけることはできなつ目は１から１０００までの数の空間表象においと考えられるいて１から１００までの空間距離と１００から１０００までの空間距離が異なっており１００ 3. 実験２よりも左側小さい側の空間距離が短いために目的小さい数での反応時間が長くなるという解釈であな数は連続的な空間表象構造となっていないる二つ目の解釈は被験者の処理方略によるも可能性が示されたそこで実験２では第１とであるという解釈であるというのも実験１にと 0 をまたぐ数の空間表象が連続ではターゲット刺激の２３を１００よりも大性を持つかどうか第２にそれらの数の空間きな数が占めているそこで被験者が１００を表象が順序性を持つのか距離効果が見られるベースにそれよりも大きな数を表象して反応するのかどうか第３に大小判断の基数が 0 以という方略をとっていたのならばその結果とし外であっても上記の効果が見られるのかどうて１００よりも小さい数への反応が遅くなると考かについても検討するえられる三つ目の解釈は１から１０００まで方法の数の空間表象の１００の位置に明確な段差が存課題と刺激実験２では２つの数を対提示し在しといったをまたぐようなどちらの数が大きいかどうかの大小判断を求め数の空間表象には連続性がないという解釈であるる課題であった刺激として用いた数字ペアは Domahs ら 2010 は１から２０までの数を用表１に示した 32 組のであった刺激の提示スいた実験で１０の位置に明確な段差 decade ケジュールは図３に示した break があることを報告しており１００の位 787 実験１の結果からはをまたぐよう参加者大学生 36 名が実験に参加した

4 2011年度日本認知科学会第28回大会果が明確に見られないこれらのことから９数字ペア 90 ０１００１１０やといった 110 １００や１０００をまたぐような数字の表象が不連続な表象であるということは先行研究から + も結論づけられず 10 から 1700 ぐらいまでの数の空間表象の１００の位置や１００の位置には一定の段差が存在すると考えるほうがより図３結果妥当ではないだろうか実験２での刺激提示スケジュールまた第２の目的に関しては同桁の数字ペ大小判断が正しい試行で反応時間が全アの場合には一貫して距離効果が見られたこ体の平均 2SD を超えない試行を除いて分析をとから同桁内の数表象においては順序性が行った最初にを中心とした数字ペアのあるといえるだろうこの結果は先行研究と反応時間について２基数: 0 vs. 5 ２桁も一致しており１００や１０００を超えるよの異同: 同桁 vs. 異桁２距離: vs. うな大きな数においても連続性のある数の空間２提示位置: 左 vs. 右の４要因表象が形成されていると考えてよいだろう分散分析を行った結果基数の主効果 F(1, 最後に第３の目的に関しては５を基数とす 35)=15.61, p<.01 桁の異同の主効果 F (1, るような大小判断を求めた場合でも同桁の判 35)= , p<.01 距離の主効果 F(1, 断では距離効果が見られることから順序性があ 35)=13.80, p<.01 がいずれも有意であったるといえるが５を基数とした大小判断ではまた桁の異同提示位置の交互作用 F(1, 異桁の場合はいつも早く反応できているわけで 35)=5.65, p<.05 基数提示位置の交互作用はなくいくつかの条件下では距離効果が見 F(1, 35)=19.67, p<.01 が有意であった次られないすなわち５を基数とした判断ではに 0 を中心とした数字ペアについても同反応が安定しないということを意味している様に分散分析を行った結果基数の主効果 F(1, これまで特に子どもを対象とした数の空間表 35)=11.07, p<.01 桁の異同の主効果 F (1, 象の研究において５を基数とした数の空間表 35)= , p<.01 距離の主効果 F(1, 象を形成しているとする研究が存在するが栗 35)=7.34, p<.01 がいずれも有意であったまた桁の異同山吉田, 1985 大人の大きな数の空間表象に提示位置の交互作用 F(1, おいては５は基数となっておらず Domahs 35)=5.68, p<.05 基数提示位置の交互作用ら 2010 の５ベースの数表象というのも小さ F(1, 35)=19.10, p<.01 基数距離の交互作な数に限られたものであると考えるのが妥当で用 F(1, 35)=5.81, p<.05 が有意であった考察はないだろうか第１の目的に関しては本実験の結果からは異桁は同桁の数字ペアの場合よりも反応が速くかつ異桁数字ペアの場合には距離効表１を中心とし同桁た数ペア 0を中心とした数ペア実験２で用いた刺激の数ペア異桁同桁異桁

5 参考文献 [5] 栗山和宏吉田甫 [1] Dehane, S. (1997) The Number Sense. る数の表象構造について Oxford University Press & Nuerk, numerosity:. 心的加算におけ教育心理学研究, 43, [2] Domahs, F., Moeller, K., uber, S., Willmes, K., (1995). (2010). Implicit [6] Makioka, S. (2009). A self-organizing mbodied learning hand-based account of number-form synaesthesia. ognition, 112, representations influence symbolic number processing across cultures. ognition, 116, 付記れた研究の一部であるまた本論文の執筆にお [3] alton, F. (1880). Visualised numerals. 本研究は第２著者の卒業論文として行わいては認知科学会の２人の査読者から貴重なご Nature, 21, 意見を頂いたのでここに記して謝意を表します [4] ibbon,., & hurch, R.M. (1981). Time left: Linear versus logarithmic subjective time. ournal of the xperimental Analysis of ehavior, 7, : 同桁 0: 異桁 0: 同桁反転 0: 異桁反転 5: 同桁 5: 異桁 5: 同桁反転 5: 異桁反転図４を中心としたペアでの大小判断に要する時間 400 0: 同桁 0: 異桁 0: 同桁反転 0: 異桁反転 5: 同桁 5: 異桁 5: 同桁反転図５ 0を中心としたペアでの大小判断に要する時間 789 5: 異桁反転

博士論文考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月広島大学大学院総合科学研究科向井秀文

博士論文考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月広島大学大学院総合科学研究科向井秀文博士論文考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月広島大学大学院総合科学研究科向井秀文目次はじめに第一章診断横断的なメタ認知モデルに関する研究動向 1. 診断横断的な観点から心理的症状のメカニズムを検討する重要性 2 2. 反復思考 (RNT) 研究の歴史的経緯 4 3. RNT の高まりを予測することが期待されるメタ認知モデル

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