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(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

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曲線 = f () は を媒介変数とする自然な媒介変数表示 =,= f () をもつので, これを利用して説明する 以下,f () は定義域で連続であると仮定する 例えば, 直線 =c が曲線 = f () の漸近線になるとする 曲線 = f () 上の点 P(,f ()) が直線 =c に近づくこ

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数学○ 学習指導案

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

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4 3. (a) 2 (b) 1 2 xy xz- x , 4 R1 R2 R1 R xz- 2(a) 2(b) B 1 B 2 B 1 B 2 2

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問 題

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○数学科 2年 連立方程式

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モデリングとは

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関数を活用することで現実世界の課題を解決できるということを通して, 生徒に関数の有用性を実感させたい そのために, 陸上競技トラックの問題 を用いて, 現実世界の課題から関数関係を見いだし, 表 式 グラフなどを用いて数学的に処理し, 現実世界の課題を解決する ことで, 関数を用いた問題解決の理解を

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パソコンシミュレータの現状

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学習指導要領 ( イ ) 集合集合と命題に関する基本的な概念を理解し それを事象の考察に活用すること 向丘高校学力スタンダード 三つの集合について 共通部分 和集合を求めることができる また 二つの集合について ド モルガンの法則 を理解する ( 例 ) U ={ n n は 1 桁の自然数 } を

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の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

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[] ,,, P.,,[3,4],[5,6], 3,,,[7] [7], 1,,,,,[8],, 1 acm bcm, AB = a + b,, AP : P B = b : a AP = x

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数学科学習指導案

Transcription:

平成 22 年度高等学校授業力向上研修実践記録 Excel を利用した区分求積法の指導 ( 視覚的効果を用いた指導 ) - 数学 Ⅱ 積分の応用 ( 面積 ) の指導を通して - 県立長岡高等学校涌井英幸 Ⅰ 指導構想本単元における 研究テーマ に迫るための視点定積分が 単に面積を求めるためだけに用いられるのではなく 積分 という演算が グラフ上で f(x) の連続した和であることを意識できるよう 積分と面積の関係をより詳しく学習する 定積分によって面積が計算できることは 教科書を見れば書いてある事項であるが 教具を用い 二次関数でも同様に面積が導出されることを体感し ( 現象として認識させ ) 証明をおこない ( 理論として認識させ ) 積分の意味から面積が導出されることを理解させる ( グラフとの関連を認識させる ) Ⅱ 学習指導案 1 単元名 ( 題材名 ) 第 5 章微分法 積分法 3 定積分と面積 2 対象クラス 2 年 8,9 組 ( 理数科 )( 習熟度展開による発展クラス ) 3 指導目標 積分法の意味を積極的に理解しようと取り組み ほかに与えられた数式についても その意味を積極的に考察しようとできるようにする ( 関心 意欲 態度 ) 積分法の図形的な意味 ( 具体的にどんな変化を表現しているのか ) を理解し 立体や 別のパラメータの積分などが表している図形的意味をイメージし 活用することができるようにする ( 数学的な見方や考え方 ) 円の面積 球の体積などのさまざまな公式について 積分法の考え方を用いて説明ができるようにする ( 表現 処理 ) 積分法とは 連続的に足し算を行っているということを理解させる ( 知識 理解 ) 4 指導と評価の計画 ( 全 10 時間 ) 時学習内容学習活動評価と方法 1~2 不定積分 不定積分の定義 n x の不定積分 不定積分の性質 不定積分の定義について理解している 不定積分の計算を間違えずに行うことができる 3~5 定積分 定積分の定義 定積分の性質 定積分と微分の関係 不定積分の定義について理解している 不定積分の計算を間違えずに行うことができる 定積分と微分の関係を理解している

6~10 定積分と面積積分により面積が求められることの証明 曲線の間の面積 定積分の公式 積分法により面積が求まられることを理解している 二つの曲線に囲まれた図形の面積を計算することができる 5 評価規準 Ⅰ 関心 意欲 態度 Ⅱ 数学的な見方や考え方 Ⅲ 表現 処理 Ⅳ 知識 理解 積分法の意味を積極的に理解しようと取り組み ほかに与えられた数式についても その意味を積極的に考察しようとできる 積分法の図形的な意味 ( 具体的にどんな変化を表現しているのか ) を理解し 立体や 別のパラメータの積分などが表している図形的意味をイメージし 活用することができる 円の面積 球の体積などのさまざまな公式について 積分法の考え方を用いて説明することができる 積分法とは 連続的に足し算を行っているということを理解できる また この事実を曲線以外にも発展した考えを持つことができる 6 本時の計画 (7/10 時間 ) (1) ねらい曲線で囲まれる部分の面積の計算を 区分求積法の方法を用いて実際に行い 積分の計算により求められる値に近づいていくことを体感する またその値に近づいていく理由を 図形的な変化から考察し 定積分による面積が求められる理由を確認する (2) 本時における 研究テーマ に迫るための指導の構想コンピュータを利用して 関数 (y=x 2 ) と それをおおう長方形を重ねたものを作図し連続的に底辺を半分にしていき 面積が実際の値に近づいていくことを視覚的に近づいていく ( 長方形を集めた図形が なめらかに曲線に近づいていく ) 様子を確認し 積分の本質的な意味をとらえられるような指導を行う (3) 展開 時間 学習活動 教師の働きかけと予想される生徒の反応支援 評価 留 意点 導入 前時限までに 定積分で面積を導き出すことを学習しており 確認として 1 0 2 1 x dx 1 3 を含めた定積分 ( 面積 ) の計算を行わせ 特に1が放物線 x 1 x 軸で囲まれる部分の面積であることを確認しておく 定積分の計算を 復習をかねて計算させる 多項式の積分しか出てこないので 計算はほぼ完璧にできるものと思われる 定積分の計算を正しくできている 定積分を計算することで 面積を求めることができる

展開 Ⅰ これまでは 半ば天下り適に 定積分により面積が求められる としてきたが 実際にそのことを 長方形に分割して その長方形の和を計算 することで 3 1 に近づいてい くことを 10 分割 20 分割について 左と右の和を実際に計算することで確認していく まずはじめに 曲線内の面積を測るための工夫として 台形近似 長方形分割があることを紹介 ここでは長方形分割で面積を求める その準備として 小さい分割で どのように計算を行うかの準備のため 5 分割程度をこちらで計算する また 計算は各自に 4 つ全部を計算させるのでなく 4 人ずつのグループを作り 分担して計算をさせる 10 分割 20 分割程度では 近づくこと は見えても 近づ 計算を行った結果が 1 に近づいて 3 いくことに気づくことができる いていく先が 3 1 であることは みえにくい いったん計算した値を確認した後 グラフを用いて近づく様子を確認させ Excel を用いて徐々に分割を増やしていき 近づいていく様子を確認させる 分割数を増やしていくことで 隙間が小さくなっていく様子をコンピュータを用いて確認し 最終的には分割数を無限に増やしていくことで 積分と は 高さ f (x) 幅 dx の長方形を 足し算していったものであること つまり f ( x) dx の式の意味として f ( x) dx の面積の長方形に対 して 連続的に和を求めているのであることを確認させる

展開 Ⅱ n 分割の時の計算を グラフの分割とともに行い n の式を導出する 分割を増やしたときに 定数に近づいていくことの 数式上の意味を理解したら P C を用いて図形的に何が変化しているのかを確認する n 分割の時の式で定数部分と n の入った部分に分かれていることから 分割数が増えることで 定数との差が小さくなることを確認する n 分割の式の導出は区分求積法の公式の導き方と同じであるため そのことを意識し行う 定積分の式の中に出てくる記号の意味を理解し 応用させることができる まとめ 積分法とは f(x) を連続的に足し算していることを確認する (4) 評価 Ⅰ 関心 意欲 態度 Ⅱ 数学的な見方や考え方 Ⅲ 表現 処理 Ⅳ 知識 理解 計算を終えた結果に対し さらに多くの分割を考えようとすることができる 計算結果から どんな値に近づいていくかを予想することができ それに対する考察を与えることができる 計算結果が 1/3 に近づいていく理由を 図形の変化を用いて表現することができる 計算結果が 1/3 に近づいていく理由を 理論的に説明でき 一般化を行うことができる Ⅲ 授業の実際 プロジェクターとプリントを用いたこともあり, 生徒はみな顔を上げて授業に集中しているようであった. また作業 ( 計算 ) をおこなうとき, 大きな計算でもあるので, より時間がかかることが予想されたが, 生徒の大半が数列のシグマの公式を用いることに気付いたため, 時間をもてあましているものも出て, そういった生徒については自主的に一般のケース (n 分割 ) の計算と, それが無限大に発散するときの考察をおこなっていた. 授業後の生徒の感想より ( 生徒と話した中で ) 一本一本の長方形が細くなり, 面積が真の値に近づいていくことが, 当たり前であると頭では分かっていても, 実際視覚的に確認することで, より具体的なイメージを持つことが出来た. 時間を, もう少し短かくまとめられるのではないか? 見ていて面白いものではあったが, これが本当に今後の役に立つのか?

Ⅳ 実践の考察とまとめ Excel のセルを利用し,y=x 2 のグラフとそれに覆われる長方形のグラフを 5 分割,10 分割,20 分割,40 分割で描き, 分割を増やしていけば面積の差が少なくなることを確認していった. このグラフについて以下の考察 改善点 より効果的な指導が考えられる. (1) 連続的に見せるだけで, 生徒に対する考察をおこなわせることが出来なかった. 以下のような考察をおこなえるのではないかと思う. 1 値が近づいていくのは何が変化していくためか? 2 真の値との差がどれくらいずつへっていくか? 3 2 の値になっているのはどうしてなのか? 4 1 回分割を半分にするごとに, 真の値にどれだけ近づいていくのか (n 分割を 2n 分割にするときに,1/4n だけ真の値に近づく ) 5 4 の値になるのはどうしてか? 以上は棒グラフの変化の様子を連続的に確認することで, 予想 確認をおこなうことが可能であり, 以上の活動を通して数学的な活動を行うことが出来ると思われる. y=x 2 のグラフと 長方形による分割 10 分割 20 分割 40 分割 実際に用いたグラフは Excel を用いて描画しています (2) このグラフを用いることで, 次のようなケースについても視覚的な効果をあたえることができるのではないか? 1 立体を横から見た形とすることで, 立体も平面を積み重ねたものであることを視覚的に確認する. 2 特に上下に対称な長方形に変えることで, 回転体の体積が, 円盤を集めたものであることを確認することが出来る. 5 分割のケースにおいては, 覆われる長方形のグラフと覆う長方形のグラフの両方を作成し, 二つのグラフを重ね合わせたものを作成した. このグラフについて以下の考察 改善点 より効果的な指導が考えられる. (1) このグラフと実際の計算結果を用いて, 生徒に以下のような考察をあたえることが出来ると思われる. 1 5 分割のとき, 二つの長方形の和の差が 1/5 になるのはどうしてか? これには以下の二つの理由があります. 同じ長方形状の誤差を足すと, ちょうど幅が 1/5 で, 高さが 1 の長方形が出来る. 覆われるほうの長方形を左にスライドさせるとぴったり重なり, 右端の幅が 1/5 で, 高さが 1 の長方形が残る. 2 1 の誤差については分割を変えても成り立つか?( 成り立つ ) 3 2 が成り立つのであれば n 分割の時の誤差はどれくらいになるか? また分

割を限りなく増やしていくと (n を無限にしていくと ) 二つの図形の面積はどのようになっていくか?( 限りなく近づく ) y=x 2 のグラフと それを覆う長方形 放物線を覆う長方形 放物線を覆う長方形