第 3 アンケート調査から見た在住外国人の現状 石川県では 県内在住外国人の生活実態や行政への要望等を把握し 今後の多文化共生 交流社会づくりを推進していく上での参考とするため 在住外国人及び外国人が多く居住すると思われる県内の自治会等を対象としてアンケート調査を実施した ( 在住外国人に対するアンケート ) 調査期間 : 平成 19(2007) 年 1 月 ~2 月対象者 : 石川県内に在住する特別永住者を除く外国人 300 人回収数 :282 件 ( 回収率 :94.0%) ( 自治会等に対するアンケート ) 調査期間 : 平成 19(2007) 年 1 月 ~2 月対象者 : 石川県内の自治会 町内会の代表者 50 人回収数 :37 件 ( 回収率 :74.0%) 在住外国人に対するアンケートから 1 日本語について (1) 日本語の能力日常会話や読み書きが困難な人が 3 割程度いる状況となっている 日常会話能力 読み書き能力 まったくできない 5.7% 簡単なあいさつのみできる 20.6% 1.1% 不自由なく会話できる 21.6% 日常会話程度ならできる 51.1% まったくできない 7.8% ひらがななら読める 26.2% 6.4% 不自由なくできる 13.1% ある程度はできる 46.5% (2) 日本語を学んだところ ( 日本語のできる人への設問 ) 母国で学んだと答えた人が半数を超えている 日本語を学んだところ 母国で来日後 独学で来日後 日本語教室で来日後 大学 高校で来日後 会社の研修で 1.5 6.3 7.3 18.0 34.6 28.8 53.2 0 10 20 30 40 50 60 (%) 7
(3) 今後の日本語の学び方 ( 日本語のできない人への設問 ) 日本語教室に通うまたは通いたい人が 1/3 を占める一方 学びたいがその方法がわからないという人も 2 割を超えている 今後の日本語の学び方 学びたいとは思わない 9.5% 4.1% 学びたいがその方法がわからない 21.6% 日本語教室に通う 33.8% 独学で 9.5% 日本人の知人 友人等に教えてもらう 21.6% 2 日常生活全般について (1) 日常生活での悩みや心配事 言葉が通じない 文化や習慣の違い 母国語で書かれた情報が少ない 病気やケガをした場合の対応など心配事を抱える人は多いが 悩みや心配事はないという人も約 2 割見られる 能登地区では 母国語で書かれた情報が少ない 育児や子どもの教育と答えた人の回答の割合が他地区に比べ多い状況となっている 留学生は就職が困難 日本人の配偶者等は自動車運転免許を取ることが主な悩み事となっている 言葉が通じないこと 悩みや心配事はない 文化や習慣の違い 母国語で書かれた情報が少ないこと 病気やケガをした場合の対応 地震等の大災害が起きた場合の対応 就職が困難 自動車運転免許を取ること 外国人ということで差別や偏見を受けること 育児や子どもの教育のこと 住まいに関すること 公共交通機関を利用する場合の対応 ゴミ出し等における近所とのトラブル 日常生活での悩みや心配事 3.9 4.6 8.5 11.7 15.6 14.9 14.9 14.2 13.8 20.9 20.2 19.5 18.4 32.3 0 5 10 15 20 25 30 35 (%) 8 能登 地区別 金沢 加賀 永住者 定住者 在留資格別 研修 特定活動 留学 日本人配偶者等 32.9 30.0 33.6 18.4 34.8 44.3 25.9 28.2 16.5 14.4 21.2 28.9 21.7 20.0 11.1 7.7 22.8 20.0 18.6 26.3 10.9 28.6 18.5 20.5 27.8 10.0 21.2 13.2 19.6 15.7 18.5 28.2 13.9 18.9 21.2 31.6 21.7 10.0 18.5 15.4 19.0 20.0 9.7 18.4 19.6 7.1 13.0 17.9 13.9 17.8 13.3 15.8 10.9 2.9 31.5 25.6 12.7 15.6 15.9 13.2 8.7 5.7 18.5 33.3 17.7 17.8 8.8 21.1 17.4 10.0 18.5 5.1 20.3 8.9 13.3 23.7 19.6 1.4 1.9 30.8 5.1 22.2 8.0 13.2 4.3 2.9 22.2 12.8 15.2 5.6 6.2 5.3 4.3 4.3 9.3 23.1 1.3 4.4 5.3-6.5-9.3 7.7 8.9 3.3 2.7 5.3 2.2 5.7 5.6 5.1
(2) 困ったときの相談者母国にいる家族 親戚に相談する人が約 4 割いるが 他の選択肢も多くの回答がされており 知人 友人などさまざまな人的ネットワークに頼っていることが伺える ただし 公的機関 NPO などに相談する人は少ない 困ったときの相談者 母国にいる家族 親戚日本人の知人 友人日本人以外の知人 友人職場や学校の担当者日本にいる家族 親戚相談する人がいない役所等の公的機関の相談窓口 NPO 等のボランティア団体 6.0 4.6 1.1 1.8 25.9 32.3 31.2 38.3 42.6 0 10 20 30 40 50 (%) (3) 日常生活の情報入手方法テレビ ラジオから情報を入手する人が 6 割近くを占めているほか インターネットからも 4 割以上の人が情報入手を行っている 日常生活の情報入手方法 テレビ ラジオ家族や親戚 友人インターネット日本語の新聞 情報誌日本語以外の新聞 情報誌町内会等地域の人々行政の窓口 広報誌など NPO 等のボランティア団体 2.8 2.5 11.3 10.3 18.1 24.8 44.0 41.1 57.1 0 10 20 30 40 50 60 (%) 3 住まいについて特に困っていることはないと答えた人が半数を超えているが 困っている人の中では家賃が高いと答えた人が約 2 割と目立っている 住まいについて困っていること 特に困っていることはない家賃が高い交通の便が悪い外国人であることを理由に入居を断られた保証人がなかなか見つからない近隣の住民とうまく付き合っていけない 11.3 4.6 4.6 1.8 9.6 24.1 55.3 0 10 20 30 40 50 60 (%) 9
4 医療 保健について病気やけがの時に困ることは 医師とのコミュニケーションがとれないと答えた人が約 3 割おり そのために病院での通訳を望む人が最も多い 病気やケガのとき困ること 医師とのコミュニケーションがとれない治療を受けたことがない医療費が高いどこの病院に行けばいいかわからない病院での手続きが面倒でわかりにくい診察を拒否されたことがある 0.4 29.1 24.8 22.0 18.1 14.5 12.8 0 10 20 30 40 (%) 医療に望むサービス 病院等での母国語の通訳 32.6 保険制度の説明 27.3 特に望むことはない 27.0 母国語での対応可能な病院等の情報 24.1 病院等での母国語表記 20.9 8.2 0 10 20 30 40 (%) また 健康診断の受診者の割合は 75% にとどまっているが 健康保険にはほとんどの人が入っている 健康診断の受診状況 健康保険の加入状況 あること受けたを知らいとはない思わな 2.1% い 1.1% 1.4% それ以外の保険に入っている 8.2% 入っていない 3.5% 1.8% 知っているが受けたことはない 19.9% 受けたことがある 75.5% 職場の健康保険に入っている 35.8% 国民健康保険に入っている 50.7% 10
5 子育て 子どもの教育について子育てをする上で困っていることは特にないと答えた人が最も多いが 育児の情報が入らない 入っても日本語が理解できないという人も多く 能登地区でそれが目立っている また 教育での心配ごとは 今後の進学が不安 母国語や母国の文化が学べないという人が多いが 特にないと答えた人も多い 子育てで困っていること 特にない 22.2 育児の情報が入らない 理解できない 13.3 ママ友同士の付き合いが難しい 10.0 子どもの遊ぶところがない 7.8 周囲に子育てを相談できる人がいない 6.7 子どもを預けるところがない 5.6 夫や祖父母と子育て方針が食い違う 4.4 7.8 0 10 20 30 (%) 子どもの教育で心配なこと 今後の進学が不安 14.4 特にない母国語や母国の文化が学べない教育費が高い日本語ができない学校からのお知らせが理解できない授業についていけないいじめられる友だちができない学校に通っていない 4.4 3.3 2.2 1.1 1.1 0.0 4.4 8.9 11.1 14.4 0 10 20 (%) 6 仕事について (1) 就労形態 正社員として働いている人は 28% にとどまっており パート アルバイトが 2 5% 派遣社員が 17% となっている 男性は正社員 女性はパート アルバイトが最も多い 就労形態就労形態 ( 男女別 ) 技能実習生である 11.3% パート アルバイトをしている 24.8% 仕事をしていない 15.2% 3.9% 正社員として働いている 27.7% 派遣社員として働いている 17.0% 11 男性 女性 正社員として働いている 37.0 19.6 派遣社員として働いている 24.4 11.1 パート アルバイトをしている 17.3 31.4 技能実習生である 7.1 14.4 仕事をしていない 8.7 20.9
(2) 仕事での不満や困ったこと賃金が安い 3 年で帰国しなければならないなどと答えた人が目立つが 特に不満や困ったことがない人が半数近くいる状況となっている 仕事での不満や困ったこと 特にない 49.1 賃金が安い 22.8 3 年で帰国しなければならない 14.0 困ったときに相談する所がない 9.6 職場の人間関係がうまくいかない 7.9 正社員になれない 7.0 残業が多い 4.8 5.7 0 10 20 30 40 50 60 (%) 7 防災について避難場所を知っている人は 約 3 割にとどまっており 母国語による防災マップの配布 災害発生時の母国への速やかな安否連絡 災害発生時の外国人の避難誘導体制の確保を望む人が多い状況である 知らない 64.9% 避難場所の認知 2.1% 知っている 33.0% 母国語による防災マップの配布 災害時の母国への安否連絡等 災害時の外国人の避難誘導体制 防災グッズの配布 地域における防災訓練への参加 特に望むことはない 防災講習会の開催 防災で望むこと 0.4 14.2 13.5 16.7 23.0 34.8 33.3 43.3 0 10 20 30 40 50 (%) 8 地域社会との交流について地域活動への参加状況では まったく参加しない 余り参加しない人が 6 割以上いる一方 地域社会と交流したいという人は 7 割近くに達している 地域活動への参加状況 交流希望の有無 まったく参加しない 31.2% あまり参加しない 30.1% 2.5% よく参加する 9.2% ときどき参加する 27.0% どちらともいえない 19.1% 交流したくない 5.0% 6.0% 交流希望の有無 交流したい 69.9% 12
また 希望する交流方法は 地域イベントへの参加や 地域住民から日本や地元の文化を学ぶとの回答が多い 希望する交流方法 地域のイベントへの参加 地域住民から日本や地元の文化を学ぶ 48.9 52.5 地域住民に母国語や母国の文化を伝える 33.3 地域の奉仕活動への参加 25.5 特にない 12.1 町内会等の役員に加わる 3.5 4.3 0 10 20 30 40 50 60 (%) 9 在住外国人の行政に対する要望日本語学習への支援を要望する人が約 4 割と最も多く 特に能登地区では 約半数の方がそれを望んでいる また 母国語による行政サービス情報の提供や地域の人々と交流する機会の提供の要望も多い 地区別 在住外国人の行政に対する要望 能登 金沢 加賀 日本語学習への支援 42.9 49.4 38.9 41.6 母国語による行政サーヒ ス情報の提供 34.4 41.8 24.4 37.2 地域の人々と交流する機会の提供 34.0 26.6 41.1 33.6 公共施設等における外国語表記 32.3 36.7 18.9 39.8 就職に関する相談等 31.6 24.1 44.4 26.5 母国語による相談窓口の設置 31.2 34.2 25.6 33.6 特にない 12.8 6.3 10.0 17.7 子どもの日本語学習への支援 8.2 7.6 8.9 8.0 1.1 1.3-1.8 0 10 20 30 40 50 (%) 13
自治会等に対するアンケートから 1 自治会等への加入状況について在住外国人が加入していないと答えた自治会 町内会が 7 割にのぼっている 自治会 町内会への加入状況 2.7% ほとんどの外国人 ( 世帯 ) が加入している 21.6% ほとんど加入していない 70.3% 一部の外国人 ( 世帯 ) が加入している 5.4% 2 自治会行事への在住外国人の参加状況について在住外国人が積極的及びある程度参加していると答えた自治会 町内会は 約 2 割となっているが まったく参加していないという自治会 町内会は半数以上になっている 自治会行事への在住外国人の参加状況 わからない 0.0% 10.8% まったく参加していない 54.1% 5.4% 積極的に参加している 5.4% ある程度参加している 13.5% あまり参加していない 10.8% 3 自治会等から在住外国人に対する加入や行事参加の働きかけの状況について自治会等から ごみの出し方など日常生活習慣遵守 自治会等の活動 イベントなどへの参加をお願いしている例が多いが 何もしていない自治会等も約 4 割ある 自治会等から在住外国人に対する働きかけの状況 ごみの出し方など日常生活習慣遵守のお願いをしている 自治会行事への在住外国人の参加状況 何もしていない 37.8 37.8 自治会等の活動 イベントなどへの参加をお願いしている 自治会 町内会への加入状況 34.0 自治会等への加入をお願いしている 5.4 話し合いの場などの機会を提供している 2.7 10.8 0 10 20 30 40 (%) 14
4 自治会等におけるトラブルについて生活文化の違いや言葉の不自由などを原因とした問題が発生し 在住外国人への対応が課題となったことがあると答えた自治会等は 約 3 割にのぼっている 自治会等におけるトラブル 0.0% ある 32.4% ない 67.6% 主なトラブルの内容 ゴミ出しに関するもの ( 曜日 分別方法 ) 生活習慣の違い ( 夜中に大声を出す等 ) 交通ルール マナー ( 自転車の乗り方 ) 15