Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的 本県教育委員会は 児童生徒の体力 運動能力及び健康 3 原則の実態を的確に把握し 今後の 体育 保健体育の授業や健康 体力つくりの活動等の指導に生かすとともに 各学校はもとより 各地域の健康 体力つくりに対する関心を高め もって児童生徒の体力 健康の向上に資するこ とを目的とする 2 調査の内容 新 体 ア ) 握 力 イ ) 上体起こし ウ ) 長座体前屈 エ ) 反復横とび オ )20m シャトルラン 力カ )50m 走 テ ス ト キ ) 立ち幅とび 調査項目 ク ) ソフトボール (1 号 ) 投げ ケ ) ハンドボール (2 号 ) 投げ 小学校 : 新体力テスト 文部科学省 ( 6 歳 ~11 歳対象 ) 中 : 新体力テスト 文部科学省 ( 12 歳 ~19 歳対象 ) による 公立小学校 公立中学校 ( 全日 定時制 ) 健康 3 原則等にかかわる 以下 10 項目のアンケート (6 歳 ~19 歳対象 ) 1. 運動部やスポーツクラブへの所属状況 健 2. 運動 スポーツの実施状況 康 3.1 日の運動 スポーツの実施状況 実 4. 朝食の摂取状況 態 5. スナック菓子や炭酸飲料の摂取状況 調 6. 家族との夕食の状況 査 7. 家庭料理の摂取状況 8.1 日の睡眠時間の状況 9.1 日の家庭学習時間の状況 ( 平日 ) 10.1 日のテレビ等視聴時間の状況 ( 平日 ) 1 日の睡眠時間及び 1 日の家庭学習時間の選択肢については小 学校と中 で異なる 3 実施時期 平成 17 年 4 月 ~7 月 - 1-
4 調査対象者数 実施人数及び実施率 公立小学校 205 校 公立中学校 97 校 公立全日制 34 校 定時制 9 校の児童生徒全員を対 象とした 実施人数及び実施率については 次の表及び図に示すとおりである 表. 各校種別調査対象者数 実施人数及び実施率 校種 年齢項目 性別等 小学校中学校 6 歳 7 歳 8 歳 9 歳 10 歳 11 歳小計 12 歳 13 歳 14 歳小計 15 歳 16 歳 17 歳小計 15 歳 16 歳 17 歳 18 歳小計 総計 男子 4376 4489 447 7 4524 4690 462 62718 2 4472 459 0 447 513537 367 9 372 3 39711137 3 15 141 139 105 540 52632 標本数 1 女子 3906 4135 430 3 4263 4608 433 52555 0 4111 421 3 419 712521 339 4 352 9 36221054 5 143 108 61 35 347 48963 合計 8282 8624 878 0 8787 9298 896 15273 2 8583 880 3 867 226058 707 3 725 2 75932191 8 298 249 20 140 887 101595 男子 4295 4362 435 9 4455 4585 455 32660 9 4309 436 9 421 612894 362 8 359 2 39291114 9 82 79 90 58 309 50961 実施数 女子 3830 4028 423 2 4188 4510 425 52504 3 4008 405 1 391 711976 332 9 341 9 35991034 7 55 39 39 23 156 4752 合計 8125 8390 859 1 8643 9095 880 85165 2 8317 842 0 813 324870 695 7 701 1 75282149 6 137 118 129 81 465 98483 実施率 (%) 実施数 / 標本数 98.1 97.3 97.8 98.4 97.8 98.3 98.0 96.9 95.6 93.8 95.4 98.4 96.7 99.1 98.1 46.0 47.4 64.5 57.9 52.4 96.9 1 標本数は平成 17 年 5 月 1 日現在 学校基本調査より 10 98.1 97.3 97.8 98.4 97.8 98.3 98.0 96.9 95.6 93.8 95.4 98.8 96.3 99.1 98.1 96.9 64.5 57.9 46.0 47.4 52.4 6 歳 7 歳 8 歳 9 歳 10 歳 11 歳小計 12 歳 13 歳 14 歳小計 15 歳 16 歳 17 歳小計 15 歳 16 歳 17 歳 18 歳小計 小学校中学校 総計 調査実施率 ( 実施数 / 標本数標本数は平成 17 年 5 月 1 日現在 学校基本調査より ) 図. 各校種別調査実施率 - 2-
Ⅱ 調査結果の概要 1 体力 運動能力の全国的動向 文部科学省は 平成 17 年 10 月に平成 16 年度体力 運動能力調査の結果を報告している 6 歳 から19 歳の青少年に関する年次推移の傾向は 走 (50m 走 持久走 ) 跳 ( 立ち幅跳び ) 投 ( ソフトボール投げ またはハンドボール投げ ) の基礎運動能力並びに握力の年次推移を長期 的にみると ほとんどの年齢段階で引き続き低い水準にある とされている このような青少年の体力 運動能力の低下傾向は 20 年前の昭和 60 年から続いている 2 山梨県の児童生徒の体力 運動能力の傾向 (1) 合計点から見た総合的な体力の傾向図 1は 山梨県と全国における年齢段階別にみた体力 運動能力調査の合計点の平均値を示したものである 測定種目の相違から小学校と中 とを比較することは不可能であるが 女子を除き 男女ともにと同様に加齢に伴い体力水準は向上の傾向を示した また 全ての年齢段階で 山梨県の合計点の平均値は全国の合計点を下回った このことは 山梨県の児童生徒の体力 運動能力が 全国に対し低いレベルにとどまっていることを示している 点 7 6 小学校中学校 点合計点男子 7 6 小学校 中学校 合計点 女子 図 1. 山梨県と全国における年齢段階別にみた体力 運動能力調査の合計点の平均値 - 3-
(2) 新体力テスト各調査項目の傾向 握力 今回実施した山梨県の新体力テストの結果と 昨年度の全国体力 運動能力調査の結果を比 較すると 年次の推移はほぼ同様な傾向を示しているが 全ての種目においてほとんどの年齢 段階で 本県の結果はを下回っていた 特に敏捷性を捉えるための 反復横跳び の 本県の平均値は 大きく下回っている傾向が見られた 男女とも加齢とともに 平均値は高くなっており 全国とほぼ同様な傾向を示している 男子 の15 17 歳 17 歳 女子の15 16 歳 18 歳 が を上回っている 小学校 中学校 握力 (kg) 男子 小学校 中学校 握力 (kg) 女子 図 2-1. 山梨県と全国における年齢段階別にみた握力の平均値 上体起こし 男女とも14 歳までは加齢とともに 平均値は高くなるが 15 歳で一旦平均値を下げる その後男子は再び記録が高まるが 女子は14 歳をピークに横ばい傾向である 定時制の女子は加齢とともに記録が低下していく 男女とも6 7 歳がを上回っている 小学校 中学校 小学校 中学校 上体起こし ( 回 ) 男子 上体起こし ( 回 ) 女子 図 2-2. 山梨県と全国における年齢段階別にみた上体起こしの平均値 長座体前屈 男子は加齢とともに 平均値は高くなり 全国とほぼ同様な傾向を示している 女子は15 歳で一旦平均値を下げ その後は再び記録が高まるが 16 歳から横ばい傾向である 定時制は男女とも記録にばらつきがある 男女とも全ての年齢段階でを下回っている 6 6 小学校 中学校 小学校 中学校 長座体前屈 (cm) 男子 長座体前屈 (cm) 女子 図 2-3. 山梨県と全国における年齢段階別にみた長座体前屈の平均値 - 4-
反復横跳び 男子は加齢とともに 平均値は高くなるが 女子は 14 歳をピークに横ばい傾向である 全国と ほぼ同様な傾向を示している 定時制は男女とも記録にばらつきがある 女子の 17 歳 がを上回っているが 男女ともほとんどの年齢でを下回り 特に 男子の 10~ 14 17 歳 16 18 歳 女子の10~15 17 歳 16 18 歳 は大きく下回る傾向にある 6 6 小学校 中学校 小学校 中学校 反復横とび ( 点 ) 男子 反復横とび ( 点 ) 女子 図 2-4. 山梨県と全国における年齢段階別にみた反復横跳びの平均値 20m シャトルラン 男女とも 14 歳でピークとなり 男子はその後横ばい傾向を示すが 女子は加齢とともに低下傾 向にある 全国が 16 歳より再び記録が高まるという傾向とは異なる 定時制は男女とも記録にば らつきがある 女子の 15 歳 がを上回っているが 男女ともすべての年齢段階 でを下回っており 特に 男子の17 歳 16~18 歳 女子の16~18 歳 は大きく下回っている 10 10 9 9 8 8 7 7 6 6 小学校 中学校 小学校 中学校 20m シャトルラン ( 折り返し数 ) 男子 20m シャトルラン ( 折り返し数 ) 女子 図 2-5. 山梨県と全国における年齢段階別にみた 20m シャトルランの平均値 50m 走 男女とも 14 歳までは加齢とともに 平均値は高くなるが 15 歳で一旦平均値を下げる その後 男子は再び記録が高まるが 女子は14 歳をピークに低下していく 全国とほぼ同様な傾向を示す 定時制は男女ともにばらつきがある 男女とも全ての年齢段階でを下回っている 6.00 6.00 8.00 8.00 12.00 12.00 14.00 14.00 小学校 中学校 小学校 中学校 50m 走 ( 秒 ) 男子 50m 走 ( 秒 ) 女子 図 2-6. 山梨県と全国における年齢段階別にみた 50m 走の平均値 - 5-
立ち幅跳び 男子は加齢とともに 平均値は高くなる 女子は14 歳をピークに横ばい傾向である 全国とほぼ同様な傾向を示している 定時制は男女とも記録にばらつきがある 男女とも17 歳 がを上回っている 2 2 20 20 1 1 10 10 小学校 中学校 小学校 中学校 立ち幅とび (cm) 女子 立ち幅とび (cm) 男子 図 2-7. 山梨県と全国における年齢段階別にみた立ち幅跳びの平均値 ソフトボール投げ( 小学校 ) ハンドボール投げ( 中 ) 男子は加齢とともに 平均値は高くなるが 女子は 14 歳をピークに横ばい傾向である 全国女 子が 16 歳より再び記録が高まるという傾向と異なる 定時制は男子は加齢とともに平均値が高ま るが 女子は横ばい傾向である 男女とも全ての年齢段階でを下回っている 35.00 35.00 25.00 25.00 15.00 15.00 5.00 5.00 小学校 中学校 小学校 中学校 ボール投げ (m) 男子 ( 小学校はソフトボール投げ 中学校はハンドボール投げ ) ボール投げ (m) 女子 ( 小学校はソフトボール投げ 中学校はハンドボール投げ ) 図 2-8. 山梨県と全国における年齢段階別にみたボール投げの平均値 3 T スコアによる山梨県と全国の比較 図 3 は 全国の合計点の平均値を 50 とし 山梨県の児童生徒の合計点の平均値を T スコアに 換算したものである 男女ともに 全ての年齢段階で T スコアは 50 を下回っており 小 中 ともに 本 県の児童生徒の体力 運動能力は 全国と比較し劣っていることが明らかになった 特に男子では8 歳 ( 小 3 ) 10 歳 ( 小 5) から12 歳 ( 中 1 ) 16 歳 ( 高 2) 17 歳 ( 高 3 ) 女子で は10 歳 ( 小 5) 11 歳 ( 小 6 ) 13 歳 ( 中 2) 14 歳 ( 中 3 ) 17 歳 ( 高 3 ) さらに定時制の全 年齢段階で T スコアが低い数値を示し 値との差がみられた - 6-
男子 女子 47.50 45.00 42.50 37.50 小学校 中学校 T スコアによる県平均値と値の比較 ( 合計点 ) 図 3. 男女別にみた山梨県の合計点の T スコア ( 値を 50 とした場合 ) 4 県内地区別にみた合計点 図 4は 10 歳 ( 小 5) 男子の合計点を山梨県内の地区別に示したものである すべての地区の合計点が 値である55.10 点を下回った また 山梨県全体の平均値である51.81 点を上回った地区は 南アルプス市 甲斐市 甲州市 笛吹市 芦川村 峡南地区 韮崎市 北杜市 富士吉田市 大月市 上野原市 丹波山村 小菅村であった 一方 甲府市 中央市 昭和町 南都留郡の合計点は 値及びや山梨県全体の平均値を下回っていた このような地区別の傾向は 男女とも小 中学校の他の年齢段階においても ほぼ同様の結果であった 全国本県甲府市南アルプス市甲斐市中央市 昭和町山梨市甲州市笛吹市 芦川村峡南地区 ( 南巨摩 西八代 ) 韮崎市北杜市都留市富士吉田市南都留郡大月市上野原市 丹波山村 小菅村 55.10 51.81 50.56 52.14 52.20 50.57 51.34 53.83 52.17 53.98 52.38 52.78 51.64 52.45 49.98 52.64 52.20 ( 点 ) 6 8 ( 地区は H18.3 月末日段階での枠組み ) 図 4.10 歳 ( 小 5) 男子における山梨県内の地区別にみた合計点 - 7-
5 過去からの共通種目における記録の推移 図 5 は 昭和 59 年 平成 5 年 平成 17 年における小学校男子のソフトボール投げの推移を示 したものである すべての年齢段階において 昭和 59 年 平成 5 年 平成 17 年の順に ソフトボール投げの記 録は減少する傾向が見られた 特に 昭和 59 年の値を100 としたときの平成 17 年の値は 6 歳 ( 小 1) が 73.43 7 歳 ( 小 2) が 78.62 8 歳 ( 小 3) が 80.69 9 歳 ( 小 4) が 79.62 10 歳 ( 小 5) が 8 11 歳 ( 小 6) が 83.76 にとどまり 低下の傾向が顕著であることが明らかになった ま た 女子についても同様な傾向がみられ 中学校及びにおいても低下の傾向にあった さらに 50m 走や立ち幅跳びについても 昭和 59 年 平成 5 年 平成 17 年の順に記録は減少 し 全国調査と同様に山梨県の児童生徒においても 20 年前から体力が低下していることが示 された ( m) 6 歳 7 歳 8 歳 9 歳 10 歳 11 歳 35.00 25.00 15.00 5.00 S59 H5 H17 ( 年 ) 図 5. 山梨県の小学生男子におけるソフトボール投げの推移 6 総合評価の分布における山梨県と全国との比較 図 6は 年齢段階別にみた小学校男子における山梨県と全国との総合評価の分布を示したものである 体力 運動能力を総合的に評価し 最も優れたレベルであるA 段階及びやや優れたレベルであるB 段階に属した男子は すべての年齢段階において 全国の割合に比べ山梨県の割合が下回った 一方 やや劣っているD 段階及び最も劣っているE 段階に属した男子は すべての年齢段階において 全国の割合に比べ山梨県の割合が上回った このような傾向は 女子においても また中学校及びの生徒においても ほぼ同様であった このことから 総合評価において 山梨県の児童生徒の体力は 全国レベルより低いレベルにとどまっていることが明らかになった 年齢段階別にみると 全体的に加齢に伴って全国との差が大きくなる傾向が見られた - 8-
A B C D E 本県 6 歳全国 6 歳 4.9 7.1 19.4 24.5 36.5 40.7 25.3 17.8 14.0 1 本県 7 歳全国 7 歳 4.6 6.7 17.4 21.1 39.5 40.1 28.1 24.8 10.5 7.3 本県 8 歳全国 8 歳 5.8 9.6 22.3 31.5 35.9 36.6 26.0 18.1 1 4.3 本県 9 歳全国 9 歳 6.7 12.4 20.7 27.2 34.1 33.1 25.8 19.3 12.8 7.9 本県 10 歳全国 10 歳 5.8 13.9 20.3 27.3 37.2 33.8 25.3 19.0 11.3 6.0 本県 11 歳全国 11 歳 5.9 13.0 22.7 34.1 36.1 31.4 24.8 16.3 10.5 5.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 総合評価の分布比較小学生男子 図 6. 年齢段階別にみた小学校男子における山梨県と全国との総合評価の分布の比較 7 児童生徒の運動を実施する頻度 図 7 は 年齢段階別にみた山梨県の児童生徒の運動を実施する頻度の割合を示したものであ る ここでの運動の頻度とは 学校の体育 ( 保健体育 ) の授業以外に 運動やスポーツをどの くらい実施しているのかを ほとんど毎日( 週 3 日以上 ) 時々( 週 1~2 日くらい ) と きたま ( 月に1~3 日くらい ) しない の4 段階で明らかにしたものである 男女ともに 児童期においては 加齢に伴って ほとんど毎日 時々 の割合が増加し しない の割合が減少する傾向があり 運動の頻度が高まっていくことが示された 一方 男女ともに14 歳 ( 中 3) より ほとんど毎日 の割合が減少し また 男子では13 歳 ( 中 2 ) 女子では 10 歳 ( 小 5) より しない の割合が増加し その後運動の頻度が少なくなっていく 傾向が見られた ほとんど毎日時々ときたましない ほとんど毎日時々ときたましない 10 1 小学校 中学校 小学校 中学校 運動の頻度男子 運動の頻度女子 図 7. 年齢段階別にみた運動を実施する頻度 - 9-
8 運動の実施頻度と体力 運動能力との関係 図 8 は 運動を実施する頻度と児童生徒の体力 運動能力調査の合計点との関係を示したも のである 男女ともにすべての年齢段階において ほとんど毎日( 週 3 日以上 ) 運動を実施している 児童生徒は 運動を実施していない児童生徒に比べ 合計点が高いことが示された また 加齢に伴って合計点の差が増大し 運動の実施状況が体力 運動能力を高める要因の 一つであることが明らかになった 7 ほとんど毎日ときどきときたましていない ほとんど毎日ときどきときたましていない 7 6 6 6 歳 7 歳 8 歳 9 歳 10 歳 1 歳 12 歳 13 歳 14 歳 15 歳 16 歳 17 歳 15 歳 16 歳 17 歳 18 歳 小学校 中学校 小学校 中学校 運動頻度別にみた合計点の平均値男子 運動頻度別にみた合計点の平均値女子 図 8. 運動を実施する頻度別にみた体力 運動能力調査の合計点 9 朝食の摂取状況と体力 運動能力との関係 図 9 は 朝食の摂取状況を示したものである 朝食の摂取状況は 男女ともに加齢に伴って 毎日食べる が減少し 毎日食べない が増加する傾向が見られた 図 10 は 朝食の摂取状況別に児童生徒の体力 運動能力調査の合計点を示したものである 朝食の摂取は 毎日食べる 時々食べない 毎日食べない の3 段階で明らかにしたも のである 朝食の摂取状況と体力 運動能力との関係をみると 男女ともに 毎日朝食を摂取している 児童生徒は 時々食べない 毎日食べない 児童生徒に比べ 合計点が高いことが示され た 毎日食べる時々食べない毎日食べない 毎日食べる時々食べない毎日食べない 10 10 小学校 中学校 小学校 中学校 朝食摂取男子 朝食摂取女子 図 9. 年齢段階別にみた朝食の摂取状況 -10-
毎日食べる時々食べない毎日食べない 毎日食べる時々食べない毎日食べない 7 7 6 6 小学校中学校 小学校中学校 朝食摂取状況別にみた合計点の平均値男子 朝食摂取状況別にみた合計点の平均値女子 図 10. 朝食の摂取状況別にみた体力 運動能力調査の合計点 10 睡眠時間と体力 運動能力との関係 図 11 は 年齢段階別に見た 1 日の児童生徒の睡眠時間の状況を示したものである 児童生徒 の睡眠時間は 男女ともに加齢に伴って減少する傾向が見られた 1 日の睡眠時間は 小学生では 8 時間以上 6~8 時間 6 時間未満 の3 段階で また 中学生 生では 7 時間以上 5~7 時間 5 時間未満 の3 段階で 明らかにしたも のである 図 12 は 1 日の睡眠時間別に児童生徒の体力 運動能力調査の合計点を示したものである 睡眠時間と体力 運動能力との関係をみると 男女ともに 6(5) 時間未満 と睡眠時間が 短い児童生徒は 8(7) 時間以上 6(5)~8(7) 時間 の睡眠をとっている児童生徒に 比べ 合計点が低いことが示された このことから 睡眠時間が体力 運動能力に影響を与え ていることが明らかになった 8(7) 時間以上 6(5)~8(7) 時間 6(5) 時間未満 *() 内の数字は中 生 8(7) 時間以上 6(5)~8(7) 時間 6(5) 時間未満 *() 内の数字は中 生 10 10 小学校 中学校 小学校 中学校 睡眠時間男子 図 11. 年齢段階別にみた睡眠時間の状況 睡眠時間男子 8(7) 時間以上 6(5)~8(7) 時間 6(5) 時間未満 *() 内の数字は中 生 8(7) 時間以上 6(5)~8(7) 時間 6(5) 時間未満 *() 内の数字は中 生 7 6 7 6 小学校 中学校 小学校 中学校 一日の睡眠時間別にみた合計点の平均値男子 一日の睡眠時間別にみた合計点の平均値女子 図 12.1 日の睡眠時間別にみた体力 運動能力調査の合計点 -11-
11 まとめ 今年度実施した 新体力テスト 健康実態調査 結果から 山梨県全体の児童生徒の体力 運 動能力及び生活実態について特徴的なものを以下のようにまとめてみた (1) 今回実施された山梨県の新体力テストの結果と 昨年度の全国体力 運動能力調査の結果を比 較すると 全ての種目においてほとんどの年齢段階で 本県の結果がを下回っていた また 全ての年齢段階で 合計点の平均値は全国を下回り 山梨県の児童生徒の体力 運動能 力が 全国に対し低いことが示された (2) 県内地区別に新体力テストの合計点を比較すると 地区によってばらつきはあるが ほとんど の年齢段階で 男女ともに値を下回った (3) 握力 ボール投げ 50m 走 立ち幅跳びについての 昭和 59 年 平成 5 年 平成 17 年の記録を 見ると いずれの種目も低下傾向が見られ 全国調査と同様に山梨県の児童生徒においても 20 年前から体力が低下していることが示された (4) 体力 運動能力の総合評価においても 山梨県の児童生徒の体力は 全国より低いレベルにと どまっていることが明らかになった また 年齢段階別にみると 加齢に伴って全国との差が広 がる傾向が見られた (5) 児童生徒の運動を実施する頻度は 男女ともに 12 歳 ( 中 1) までは 加齢に伴って ほとんど 毎日 時々 の割合が増加し 運動の頻度が高まっていく傾向が見られるが 13 歳 ( 中 2) を ピークに ほとんど毎日 の割合が減少し その後運動の頻度が少なくなっていくことが示され た (6) 運動の実施頻度と体力 運動能力との関係をみると ほとんど毎日( 週 3 日以上 ) 運動を実 施している児童生徒は 運動を実施していない児童生徒に比べ 合計点が高いことが示された また 加齢につれて合計点の差が増大する傾向が見られた (7) 朝食の摂取状況と体力 運動能力との関係をみると 男女ともに 毎日朝食を摂取している児 童生徒は 時々食べない 毎日食べない 児童生徒に比べ 合計点が高いことが示された (8) 睡眠時間と体力 運動能力との関係をみると 男女ともに 6(5) 時間未満 と睡眠時間が短 い児童生徒は 8( 7 ) 時間以上 6( 5) ~8( 7 ) 時間 の睡眠をとっている児童生徒に比べ 合計点が低いことが示された 12 結果から考えられる今後の課題等 (1) 今日の児童生徒の体力 運動能力の低下は 単に測定種目の数値の低下にとどまらず 運動量の減少 ケガの増加 生活習慣病の増加といったさまざまなからだの問題を包含しているものと考えることができる (2) 児童生徒の体力 運動能力の低下の原因としては 身体活動の減少 食の問題 睡眠の問題をあげることができ その解決にあたっては 運動 食 睡眠といった基本的な生活習慣をトータルにとらえた改善が必要であると考えられる (3) 児童生徒の体力 運動能力を向上させるためには 学校における体育 保健体育の授業 業前 業間 昼休み 放課後等を活用した身体能力を高めるためのプログラムやさまざまな動きづくりを 計画的及び継続的に導入していくことが必要であると思われる (4) また 体力 運動能力の向上のためには 上記の運動実践と併行して 規則正しい食事 適度な睡眠の確保といった基本的な生活習慣の改善が重要であると思われる (5) 学校での実践とともに 保護者や地域住民が児童生徒の体力 運動能力の実態を認識することが重要である そのためにも 学校 家庭 地域の連携を通した体力 運動能力の向上のための取り組みが必要であると考える -12-