(1) 政府の方針 (2) 近年の法改正の動向 (3) 国の高齢者雇用施策の概要 2 神奈川県の取組 (1) シニア ジョブ スタイル かながわ (2) 神奈川生涯現役促進協議会の取組 (3) 第 10 次神奈川県職業能力開発計画 (4) 経済団体への要請 (5) シルバーベンチャーの創出促進 (6

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第3節 重点的な取り組み

取材時における留意事項 1 撮影は 参加者の個人が特定されることのないよう撮影願います ( 参加者の顔については撮影不可 声についても収録後消去もしくは編集すること ) 2 参加者のプライバシーに配慮願います 3 その他 (1) 撮影時のカメラ位置等については 職員の指示に従ってください (2) 参

第第第ライフスタイルに対する国民の意識と求められるすがた50 また 働いていないが 今後働きたい と回答した人の割合は 男性では 7.4% であるのに対し て 女性は19.1% である さらに 女性の中では 30 代の割合が高く ( 図表 2-1-2) その中でも 特に三大都市圏で高い割合となってい

少子高齢化班後期総括

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市報2016年3月号-10

Microsoft PowerPoint - 【セット版】140804保育キャンペーン資料

中央労働災害防止協会発表

26公表用 栃木局版(グラフあり)(最終版)

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

6 市町村と連携した就職促進セミナー ( 総括 コーディネート ) 就職活動の進め方 履歴書の書き方 面接対策 等をテーマにしたセミナーを市町村等実施地区の関係者と協力 連携して実施 ( 県内 15 地区 ) 7 新入社員向け職場定着促進セミナー ( 総括 コーディネート ) 概ね入社後 1 年の若

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

Microsoft PowerPoint - 分野別事業概論(酒井)

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2018年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

ダイバーシティ 年に向けた政策展開のポイント テレワークが当たり前になる社会 の実現に向け 多様な主体と連携した普及啓発や導入支援への取組を強化 地域での就労支援やマッチング強化により 女性や高齢者の就業を推進 働き方改革と併せて時差 Biz の定着に向けた取組を推進 強化した政策

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市町村における再任用制度の構築・運用に向けて

2. 繰上げ受給と繰下げ受給 65 歳から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金は 本人の選択により6~64 歳に受給を開始する 繰上げ受給 と 66 歳以降に受給を開始する 繰下げ受給 が可能である 繰上げ受給 を選択した場合には 繰上げ1カ月につき年金額が.5% 減額される 例えば 支給 開始年齢

別添

事業タイトル 秋田犬と暮らし生涯現役社会を目指すハチ公のふるさと大館 事業構想提案団体 : 大館市高齢者活躍支援協議会 ( 事業対象地域 : 秋田県大館市 ) 大館市は平成 17 年に周辺町と合併したが 65 歳以上の高齢者が 36% をしめるなど 人口減少と高齢化が深刻 な状況である 一方 合併か

計画の今後の方向性

このような団塊の世代が高齢期を迎えようとする中 高齢者も他の世代とともに地域を支えていくという考え方を基本として 団塊の世代を含む高齢者の活躍が期待されているところです 地域活動に関するアンケート ( 平成 20 年 3 月大阪市 ) によると 地域活動に 既に参加 または 今後参加したい と考えて

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

企業の人材確保支援 中小企業人材支援センターによる採用 定着支援や 障がい者の雇用促進 企業の成長を担うプロ人材の採用支援等により 大阪産業を支える中小企業の人材確保を支援する 大阪働き方改革支援センターの人材確保支援の機能を強化し 大阪人材確保推進会議と協働して製造 運輸 建設の 3 分野を中心に

< その他 > 定年制度自体の廃止をするべき (30 代金融コンサルティング ) 若い人の給与が減少 高齢者の雇用を義務付けるのではなく雇用に機会を増やすべき (50 代メーカー研究開発 ) 7 割が 定年は 65 歳以上が適切 と回答 Q: 定年は何歳が適切だと考えますか? 75 歳 4% 70

求職者と企業を繋ぐ支援ツールであるジョブ カードが 在職者 学生にも使いやすくなりました ジョブ カードは キャリア プランシート 職務経歴シート 職業能力証明シート で構成されており キャリアコンサルティング ( P23) 等の相談のもと生涯を通じた キャリア プランニング ( 職業生活設計 )

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PowerPoint プレゼンテーション

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Microsoft Word - H29 結果概要

結果概要 Ⅰ 人手不足への対応について 1. 人員の過不足状況について 社 % 不足している 1, 過不足はない 1, 過剰である 合計 2, 全体では 半数以上の企業が 不足している と回答 n =2,

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

求職者と企業を繋ぐ支援ツールであるジョブ カードが 在職者 学生に も使いやすくなりました ジョブ カードは キャリア プランシート 職 務経歴シート 職業能力証明シート で構成されており キャリアコンサルティング ( P19) 等の相談の もと生涯を通じた キャリア プランニング ( 職業生活設計

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

PowerPoint プレゼンテーション

厚生労働省発表

資料9

調査要領 1. 調査の目的 : 人口減少による労働力不足が懸念されるなかで 昨年 4 月には女性活躍推進法 ( 正式名称 : 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 ) が施行されるなど 女性の社会進出がさらに進むことが期待されている そこで 女性の活躍に向けた取り組み状況について調査を実施す

厚生労働省告示第六十四号中小企業等経営強化法平成十一年法律第十八号第十二条第一項の規定に基づき職業紹介事業 ( ) 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指針を次のように定めたので同条第五項の規定に基づき公 表する平成三十一年三月十四日厚生労働大臣根本匠職業紹介事業 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指

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女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

4 子育てしやすいようにするための制度の導入 仕事内容への配慮子育て中の社員のため以下のような配慮がありますか? 短時間勤務ができる フレックスタイムによる勤務ができる 勤務時間等 始業 終業時刻の繰上げ 繰下げによる勤務ができる 残業などの所定外労働を制限することができる 育児サービスを受けるため

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

①公表資料本文【ワード軽量化版】11月8日手直し版【1025部長レク⑤後】平成30年61本文(元データあり・数値1004版)


Ⅱ.1 ワーク ライフ バランス施策の定義と類型 (1) ワーク ライフ バランス施策とは work-life balance 1 (2) ワーク ライフ バランス施策の類型

平成 31 年度予算案 の概要について 平成 30 年 12 月 人材開発統括官

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2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

調査結果の概要 1. 3 つの原則 関連 何を学ぶか 働き手の 理想のキャリアパス と 学び直す内容 ( スペシャリスト志向にも関わらず 趣味 生活に関する学び を志向 ) や 企業と働き手 ( 生涯を通して新しいスキルと専門技能を獲得しつづけること に対する認識 ) の間にギャップがあ

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

平成30年版高齢社会白書(全体版)

Microsoft PowerPoint - 020_改正高齢法リーフレット<240914_雇用指導・

3. 無期労働契約への転換後の労働条件無期労働契約に転換した後の職務 勤務地 賃金 労働時間等の労働条件は 労働協約 就業規則または個々の労働契約等に別段の定めがない限り 直前の有期労働契約と同一になるとされており 無期転換に当たって職務の内容などが変更されないにもかかわらず 無期転換後の労働条件を


処遇体系処遇体系の再構築再構築 は世代分断世代分断の賃金削減施策 処遇体系の再構築 施策は これまでに 雇用選択 を受けた 既選択世代 と 50 歳以下の 未選択世代 を意図的に分断し それぞれに厳しい賃下げを押し付け る不合理なものです 既選択世代に是正措置是正措置なし まず 重大なことは これま

男女共同参画に関する意識調査

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政


〔社団法人 小野市シルバー人材センターの設立にかかる事前協議資料〕

緑の雇用 事業を開始するまでは 林業の新規就業者数は年平均約 2 千人程度でしたが 事業 を開始した以後は約 3 千 4 百人に増加し 平成 22 年度には 4,013 人となっています ( 図 ) 2

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厚生労働省(職業能力開発行政)におけるキャリア教育の捉え方と関連する取組について


(3) お住まいはどちらですか?( 単身赴任の場合は家族の居住地 ) 住まいは 名古屋市内 が 40.8% 名古屋市外 が 59.2% である 図 36 住まい 名古屋市外 59.2 n=191 名古屋市内 40.8 (4) ご家族 家族は 核家族 ( 二世代 子どもと親のみ ) が 49.7% と

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ


1 調査の概要 1-1 調査の目的我が国は 人口減少社会を迎えており 働く意欲と能力のある高年齢者が その能力を発揮して 希望すればいくつになっても働くことができるような環境整備が課題となっている これまで 年金の支給開始年齢の引上げ等もあり 65 歳までの雇用確保 ( 継続 ) に力点が置かれがち

Microsoft Word - 4AFBAE70.doc

PowerPoint プレゼンテーション

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

福利厚生基本計画

H30年度 シンポジウム宮城・基調講演(藤波先生)

第16回税制調査会 別添資料1(税務手続の電子化に向けた具体的取組(国税))

3 社会全体が支える力 を大きくするために Ⅲ-3-1 結婚 妊娠 出産 育児の切れ目のない支援の推進 施策体系 123

7 8 O KAYAKU spirit I O K T C % E C O M T O K T T M T I O O T C C C O I T O O M O O

Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書 記入例

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参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

(2) 熟練技能者等の派遣による若年技能者等に対する実技指導ものづくりマイスター対象職種以外の職種で企業等から実技指導の要請を受けた場合 熟練技能者等を派遣し実施します (3) 学校単位の製作実演のイベント熟練技能者等を小中学校 訓練施設等へ派遣し 製作実演 ものづくり体験等を行う ものづくり体験教

みずほインサイト 政策 2013 年 2 月 20 日 希望者全員を 65 歳まで雇用義務化高齢者が活躍できる職場の創設と人材育成が課題 政策調査部上席主任研究員堀江奈保子 年 4 月 1 日に高年齢者雇用安

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1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

新たな外国人材受入れ制度の検討経緯及び概要 平成 30 年 7 月 12 日 経済産業省 製造産業局 今年 2 月 20 日の経済財政諮問会議において 総理から以下の指示 安倍政権として いわゆる移民政策をとる考えはありません この点は堅持します 他方で 5 年間のアベノミクスによって 有効求人倍率

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11月は『職業能力開発促進月間

Transcription:

資料 神奈川県における今後の高齢者就労対策について 報告書骨子案 目次 Ⅰ 神奈川県の現状 1 人口の高齢化の状況 (1) 神奈川県の人口の状況と見通し 2 高齢者の就業の状況 (1) 高齢者の就業者数の推移 (2) 雇用形態別有業率 (3) 有効求人倍率 3 高齢者の意識 健康 (1) 就業の意向 (2) 就業を希望する理由 (3) 健康寿命等の状況 4 企業の高齢者雇用確保措置の状況 (1) 雇用確保措置の状況 (2)65 歳以上まで働ける企業の状況 Ⅱ 高齢者就労施策の動き 1 国の動向 1

(1) 政府の方針 (2) 近年の法改正の動向 (3) 国の高齢者雇用施策の概要 2 神奈川県の取組 (1) シニア ジョブ スタイル かながわ (2) 神奈川生涯現役促進協議会の取組 (3) 第 10 次神奈川県職業能力開発計画 (4) 経済団体への要請 (5) シルバーベンチャーの創出促進 (6) 人生 100 歳時代の設計図 の取組み Ⅲ 今後の神奈川県の取り組み 1 基本的な考え方 2 現状と課題 (1) 企業における高齢者雇用の促進 (2) 高齢期に向けた職業生活設計と能力開発への支援 (3) 地域社会における多様な雇用 就業機会の提供 3 課題への対応の検討 4 神奈川県が今後展開すべき施策 (1) 高齢者が働きやすい就業機会の拡大と就労環境の整備促進 (2) 人生 100 歳時代のキャリアチェンジへの支援 (3) 地域社会における多様な雇用 就業機会の充実 2

Ⅲ 今後の神奈川県の取り組み 1 基本的な考え方 ( 高齢者就労の積極的意義 ) 我が国では 平均寿命の延伸により 人生 100 歳時代を迎えつつあるが 特に本県は 全国屈指のスピードで高齢化が進展している 少子高齢化の進展に伴い 今後 労働力の中核となる生産年齢人口 (15 歳 ~64 歳 ) が大きく減少することは避けられない状況となっている 今後 経済のエンジンを回し 地域社会の活力を維持していくためには 高齢者の持っている技能 経験 専門能力も出来る限り活用することができる場と機会を増やすことにより 働く意欲と能力のあるすべての人が 年齢にかかわりなく 生涯現役で活躍することができる社会の実現が求められている ( 高齢者就労の状況 ) 高齢者の就業状況についてみると 年金支給年齢の引き上げ 企業における 65 歳までの雇用確保措置の義務化により 60 歳を過ぎても働く高齢者は大幅に増加している また 平成 24 年就業構造基本調査 によれば 高齢者の就労意欲は高く 現在就業していない高齢者の 70 代前半層においても 1 割は就業を希望している状況である なお 内閣府の 平成 27 年高齢の生活と意識に関する国際比較調査 によれば 高齢期にも働きたい理由としては 経済上の理由のほか 生きがい 社会参加 健康上の理由などがあげられ 高齢者が働きたい理由は様々である 雇用には 単に生活の糧を得るだけでなく 特に高齢者にとっては 自身の社会的存在価値や人格的価値を再確認するという意義も大きい なお 高齢者の就労に当たっては 体力や健康状態 家庭環境などの制約条件があるほか それまでのキャリア 経験 希望する働き方などの個人差も大きく このような高齢者の多様なニーズに応えることのできる就労機会の確保や就労環境の整備を進め 3

ていくことが重要である ( 就労環境の整備 ) 高齢者も含め 人生 100 歳時代を踏まえた働き方についての個人の意識改革 短時間勤務やワークシェアリングなど柔軟な働き方の導入 促進や 高齢者などの体力に応じた就労環境の整備など 企業において 高齢者が能力を発揮しやすい環境整備を進めることが望まれる こうした環境整備は 高齢者に限らず 女性や障がい者等 誰もが働きやすい職場作りにもつながってくる また 雇用だけでなく 地域の身近な場所にシルバー人材センターによる働く場もあるほか 自らの知識 経験を活かし 起業など 高齢者の就労 社会参画の機会の拡大と高齢者につなげていく取組が重要である ( 職業生活設計 キャリア設計 ) 人生 100 歳時代を迎えるなかで 現役世代のうちから職業人生の長期化も意識した職業生活設計 キャリア設計を行い そのためのキャリア開発 キャリア形成を行っていくことも必要となっている そのためには 若年期から仕事をしながら職業生活設計やキャリア設計を行うこともできることが必要である 2 現状と課題 (1) 企業における高齢者雇用の促進平成 24 年の高年齢者雇用安定法により 希望者全員の 65 歳までの雇用については 定年制の廃止 定年の引き上げ 継続雇用制度の導入のいずれかによる雇用確保措置が企業に義務付けられている このため 神奈川労働局が発表した 平成 28 年高年齢者の雇用状況 によると 県内企業の 99.8% がいずれかの措置を導入しているが 70 歳以上まで働ける県内企業の割合は 平成 29 年 6 月 1 日時点で 21.2% にとどまっている 4

( 高齢労働者に合った職の充実 ) 高齢労働者を積極的に活用するためには 高齢者に見合った職務の確保とともに 給与体系や人事処遇制度の見直しが必要である 高齢者が働きやすい短時間勤務 短期の就労等を促進するためには 仕事の切出し ワークシェアリングが必要である 高齢者は 体力面の制約 あるいは自らの病気や親等の介護を抱えている場合も多く 介護や治療と両立できるような勤務形態を勘案する必要がある ( 高齢労働者に適した就労環境の充実 ) 加齢により低下する身体的能力を補い 労働生産性を高めるための機械化や事 故を未然に防止するための労働安全衛生上の配慮措置が必要となる (2) 高齢期に向けた職業生活設計と能力開発への支援人生 100 歳時代を迎えるなかで 一人ひとりの生き方についても かつてのように定年退職までは仕事 定年後は悠々自適の生活というような生き方ではなく 定年退職後の長い期間も見据え 現役世代のうちから職業人生の長期化も意識した職業生活設計 キャリア設計を行い そのためのキャリア開発 キャリア形成を行っていくことも必要となっている そのためには 一つの職場で長時間従事する働き方を前提にするのでなく 若年期から仕事をしながら職業生活設計やキャリア設計を行うこともできることが必要である ( キャリア設計 職業能力開発機会の不足 ) 人生 100 歳時代を見据えた人生設計が求められているが 定年後の過ごし方や 5

キャリアが見えないまま定年を迎えている高齢者も多い 現役時代からの準備不足により 定年後の再就職や就労に備えた 新たな職業能力が不足している ( 現役時代の業種へのこだわり ) 高齢者はホワイトカラー層を中心に現役時代の業種 職種へのこだわりが強く ミスマッチが生じている (3) 地域社会における多様な雇用 就業機会の確保 本県は 男女とも通勤 通学時間が全国で最も長い ( 約 1 時間 45 分 ) ことから 現役時代は居住地域との接点が乏しい労働者が多い 高齢者は 自宅など身近な地域での就業を希望することが少なくないことや 就労の目的が必ずしも経済的基盤の安定ではなく 生きがいや健康維持などを求めることも多い 身近な地域で 臨時的 短期的な仕事を希望する高齢者にとって ほぼ市町村単位で設置されているシルバー人材センターが 就労機会の受け皿の一つとなっている その一方でシルバー人材センターの提供する仕事が 樹木の剪定や駐輪場の管理などが中心で 事務的な仕事が少ないことなど ホワイトカラー層の受け皿になりにくい 3 課題への対応の検討 ( 企業における高齢者雇用の側面 ) 高齢者が働きやすい柔軟な働き方 ( フレキシブル勤務制度 繁忙期のみ勤務するセカンドライフ勤務 モザイク就労 ) が高齢者の活用には必要である 高齢者が働きやすい就労環境を実現することで 高齢者だけでなく 女性や障がい 6

者等 多様な人材を活用することが可能となる 高齢者の専門的知識や経験を生かせる働く場 働き方を実現することが望ましい ICTの活用等により 安全を確保しつつ 生産性を落とさず 高齢者を支援する技術革新を実現することが望ましい 年齢不問の求人では高齢者雇用は困難 高齢者に限定した求人の仕掛け 仕組みが必要である 高齢者の就労に向け 制度や運用など ソフト面での就労環境の整備が必要で ハード面とソフト面の整備を柔軟に組み合わせることが就労促進に繋がる 人手不足の業種と高齢者の求職ニーズのマッチングを視野に入れる必要がある ( 職業生活設計 能力開発の支援の側面 ) 現役時代から退職後を展望した職業生活設計及びキャリアチェンジへの啓発 高齢者が新たな技能 技術を学びなおすために リカレント教育や職業訓練を実施 求職者の中には 頑張って訓練をしようとする姿勢や心の準備ができていない人もおり キャリアチェンジなどの意識改革を進める必要がある 高齢者の生活保護世帯が増加している 生活基盤を確保するために就労が必要な高齢者の就業支援も必要である ( 地域社会における就業機会の側面 ) 高齢者が地域で働ける場や地域ニーズの掘りおこしが必要 地域人材ニーズを踏まえた職業訓練の設定及び周知 地域における新たな起業等 ソーシャルビジネスの活用 シルバー人材センターの会員の希望に適う多様な仕事の開拓が必要である 7

福祉 介護分野などをはじめとした地域サービスの担い手として シルバー人材セ ンターの活用を促進していくことが求められる 高齢者が地域での就業機会等の情報を得る手段を提供する必要がある 4 神奈川県が今後展開すべき施策 (1) 高齢者が働きやすい就業機会の拡大と就労環境の整備促進ア企業向け普及啓発の実施 高齢者を雇用するメリットや 留意点等の啓発 仕事を分割するワークシェアリング また高齢者の多様な働き方への希望にあわせて 例えば1 日当りの勤務時間を自由に設定できるフレキシブル勤務制度や 繁忙期の期間のみ勤務するセカンドライフ勤務制度といった多様な働き方の紹介 退職後を展望した従業員教育の充実の必要性や退職後を視野に入れた職業生活設計 職業能力開発等の啓発 在職者が自発的にスキルアップできるような就労環境の整備等 企業規模が小さく情報収集力の弱い県内の中小 零細企業には 高齢者雇用支援制度の周知が届きにくいため 普及啓発を図る イ高齢者の就労機会拡大に向けた取組 高齢者自身の生涯にわたるキャリア形成や 職業能力を証明するツールであるジョブ カードの活用 キャリアカウンセリングによる個別の助言により 働く意欲のある高齢者への支援 通勤時間の短縮に効果があるテレワークの活用に向け 中小企業やテレワークに不慣れな高齢者層も対象にしたモデル事業を実施する シニア ジョブスタイル かながわ において ハローワークと連携した 高 8

齢者雇用に積極的な企業と高齢者との交流会等の実施や 高齢者の多様な就労ニー ズや働き方の希望を踏まえた情報提供の充実を図る 中小企業等の生産性向上を図るため IoT の普及啓発や IoT 技術導入に向け た支援を行う (2) 人生 100 歳時代のキャリアチェンジへの支援ア退職後を展望した意識啓発 ( 中高年向けの退職後の生活設計 キャリアチェンジへの啓発等 ) 高齢期の就労 社会参加に向けた備えができるような意識づけの啓発事業を行い 現役時代から意識改革を図る 高齢期に向け 現役時代に副業 兼業ができる環境作りについて 課題等の洗い出し 検討を行う イ高齢者や中高年齢者が学び直すための機会の提供 職業技術校等において実施する職業訓練において 高齢者の特性を踏まえた訓練内容や実施の可能性を検討する シニア ジョブスタイル かながわ において 中高年齢者に向けて キャリアチェンジを見据えたキャリアカウンセリングを進める (3) 地域社会における多様な雇用 就業機会の充実ア市町村との連携強化 高齢者にとって身近な行政機関である市町村と 高齢者の雇用 就労に関する情報共有を促進するなど 連携を強化する 9

イシルバー人材センター等の地域資源の活用促進 地域社会における多様な就業機会の確保のため 様々な地域資源に対して市町 村等と連携した支援を検討する 10