2 年 3 組数学科学習指導案 1 単元名 次関数 2 単元について (1) 単元観数学の学習において いろいろな事象の中にある関係や法則を数理的にとらえ 考察し処理していくことは大切なねらいである そのため 中学校での関数の学習では 事象の中にあるともなって変わる2つの数量の変化や対応に着目して 関数的な表現や処理の仕方について学び 関数的な見方や考え方を伸ばすことが必要とされる 関数は本来 ある情報をもとに未来を予測するために考えられたものであり それによって時速 40kmで走り続ければ 目的地まであと何時間で到着するとか 風呂にお湯を入れる時間をその場にいなくてもおおよそ見当がつく あるいは桜の開花予想など日常でも意識することなく経験しているはずである このように これから先の事象を見通す学習であることを強調すれば 生徒にとっても興味深く学習していける教材であると考えられる 関数の指導で大切なことは 自分がとらえようとする事柄を すでにわかっている事柄 あるいはよりとらえやすい事柄に置き換えて考えることができることを理解させることである これは問題解決における活動の中には必ず含まれていることであり 関数 の章だけで扱うものではないが ここではそれを 関数 として整理し 意識化していく 小学校では ともなって変わる2つの数量の関係については 低学年からいろいろな場面で学習してきている たとえば 2 年生での九九の構成で 乗数と積の関係は比例関係にあるが 乗法のきまりということで取り扱われてきている 4 年生においては 2つの変わる量 で ともなって変わる2つの数量を表に表し 5 年生では 面積や体積の公式などの簡単な式で表すことができる関係について 式から変化や対応の仕方の特徴を調べている そして6 年生では 比例の意味を理解し 簡単な場合 表やグラフでその特徴を調べるという学習を進めている さらに中学 1 年では具体的な事象における2つの数量の変化や対応を調べ 比例反比例の関係について学習した そこでは 変数と変域や座標について理解するとともに比例反比例の関係を表式グラフなどで表し それらの特徴について学んだ 中学 2 年では 既習内容をもとに 比例関係の発展的な内容である次関数について考察していく 次関数の番の特徴は 変化の割合が常に定の値となり グラフで表した場合に直線になることである 変化の割合 や グラフのかき方 の指導は その本質に関わる部分であり 特に丁寧に指導していく必要がある しかし その求め方や表現処理ばかりが生徒の印象に残り 具体的な事象の中での意味や表式グラフの関連性 また式化することの有用性などが見失われてしまう可能性もある そこで前述したように それらを 未知の事柄について予測したり より考えやすいものに置き換えて解決しようとする有用性 便利性を感じさせながら課題に取り組ませたい (2) 生徒の実態 ( 略 ) (3) 指導観 次関数の利用 では 1 日常生活の中に次関数を見出し 関数式や表グラフを利用して問題を解決する 2 実験実測によって得た数値の変化を調べて 2つの数量の関係を求めて問題を解決する の2つの学習内容が考えられる これらの学習を通して関数的なものの見方考え方やその処理の仕方を学び 問題解決能力を育んでいく 関数関係についての理解を深め 実生活に活用する
力は 主体的に問題を解決するための基盤となるものである 体験的な活動や表式グラフを相互 に関連づけたりする活動を多く取り入れながら 授業を進めていくことが大切であり それが新学習 指導要領にある数学的な活動を通した数学の楽しさ 良さにつながると考える 3 単元の目標 (1) さまざまな事象を次関数としてとらえたり 表式グラフなどで表したりするなど 数学的に考え 表現することに関心を持ち 意欲的に問題の解決に活用して考えようとしている ( 数学への関心意欲態度 ) (2) 次関数の特徴を 表式グラフを相互に関連づけて考察したり それを説明したりすることができる ( 数学的な見方や考え方 ) (3) 次関数の特徴を 表式グラフを用いて的確に表現したり 数学的に処理することができる また 二元次方程式を関数関係を表す式とみてグラフに表したりすることができる ( 数学的な表現処理 ) (4) 日常の事象の中には次関数としてとらえられるものがあることや次関数の変化の特徴を表式グラフから理解することができる ( 数量や図形などについての知識理解 ) 4 単元の観点別評価規準評価の観点評価規準数学への関心具体的な事象の中にある 2 つの数量に関心を持ち 観察 実験等を通して次関意欲態度数を調べようとする 次関数に関心を持ち 表式グラフ等を用いてその特徴を調べようとする 次関数が実生活に深く関わっていることに気づき 問題の解決に活用とする 二元次方程式を2つの変数の関数関係ととらえられることに気づき 次関数と関連づけて考察しようとする 数学的な見方具体的な事象の中にある2つの数量を取り出し それらの間の変化や対応の関係や考え方に着目して調べ考察し 次関数によってとらえられるものがあることに気づく 次関数の特徴を表式グラフなどを用いて考察することができる 具体的な事象を次関数を用いて考察し その結果が適切であるか振り返って考えることができる 次関数と二元次方程式との関係を用いて 方程式の解の意味などを考察することができる 数学的な次関数の関係を式で表すことができる 表現処理次関数の関係を表式グラフなどで表したり その特徴を読み取ったりすることができる 次関数の変化の割合を求めることができる 次関数の表式グラフなどを用いて 具体的な事象を表現したり 処理したりすることができる 二次方程式の解を座標平面上に表すことができ 連立二元次方程式の解を二直線の交点の座標として求めることができる
数量図形につ いての知識理 解 関数や関数関係 次関数の意味を理解している 次関数の変化の様子 グラフの形 y ax b の意味 変化の割合の意味など次関数の特徴を理解している 次関数をどのような場面でどのように用いるのか理解している 次関数を用いることで 事象を考察したり 予測したりすることができることを理解している 次関数と二元次方程式の関係を理解している 連立二元次方程式の解は座標平面上の二直線の交点の座標であることを理解している 5 単元の指導と評価計画 (18 時間 ) 節項時学習活動評価項目方法 1 1 関数 次関数の意味を理 関心意欲態度 次関数 次関数 2 解し 身の回りの事象の中から次関数を見出すことができる 身の回りの事象の中から 関数や次関数と見られるものを見つけようとし 表現しようとする ( 発表ワークシート ) 知識理解 関数 次関数の意味などを理解している と ( ワークシート ) グ ラ フ 次関数の値の変化 3 次関数の値の変化を考察し 変化の割合について理解する 見方考え方 次関数 y ax b で 変化の割合は定で傾き a に等しいことがわかる ( ワークシートノート ) 4 次関数のグラフの特徴 関心意欲態度 次 を理解し 次関数のグラフ 比例のグラフをもとにして次関数をグラフに表そ 関 5 をかく うとし グラフの特徴を明らかにすることなどに意 数 欲的に取り組もうとする ( 発表ノート ) の 6 表現処理 グ 次関数のグラフをかくことができる ( ワークシー ラ ト ) フ 知識理解 次関数のグラフの傾きと切片の意味やグラフの特 徴などを理解している ( ワークシート ) 7 次関数のグラフからそ 表現処理 次 の関数の式を求める 次関数の式を グラフ 傾きと 1 点の座標 関 8 2 点の座標から それぞれ求めることができる ( 発 数 表ワークシート ) の 9 見方考え方 式 次関数のグラフで 傾き 切片 通る点のうちい
を くつかがわかるとその関数の式を求めることができ 求 ることに気づく ( ワークシートノート ) め 知識理解 る 次関数の式を与えられた条件によって効率よく求 こ める方法を理解している と ( 発表ワークシート ) 2 方程式とグラ 10 二元次方程式のグラフについて理解し そのグラフ 知識理解 二元次方程式 ax by c のグラフの意味とそのか 次関数と方程 フ 連立方程式とグラフ 11 12 をかく連立方程式の解とグラフの関係を理解し 2 直線の交点を求める き方を理解している ( ワークシートノート ) 表現処理 連立方程式の解が 2 直線の交点の座標であることを理解し 交点の座標を求めることができる ( ノートワークシート ) 式 3 13 事象の中から次関数を見 関心意欲態度 いだし 次関数を利用し 事象の中には次関数と見ることができるものがあ 次 14 て問題を解決する ることに気づき それらを次関数を用いて解決 関 次 しようとする ( ワークシート発表 ) 数 関 15 表現処理 の 数 本 事象を 次関数の表式グラフを用いて表現し 利 の 時 たり 処理したりすることができる ( ワークシー 用 利 トノート ) 用 見方考え方 事象を次関数と見て考察することで 問題を解決 することができる ( ワークシートノート ) 章 ま 16 基本の確かめ 末 と 17 章末問題 め 18 単元テスト 6 本時の指導 (15/18 時間 ) (1) 主題次関数の利用 日常生活との関わりの場面で (2) 目標グラフをもとに事象の考察を行うことができるようにする ( 数学的な見方や考え方 ) (3) 観点別評価項目 1 事象における意味や数量を問題文からではなく, グラフから読み取る ( 数学的な知識理解 ) 2 与えられた問題文やグラフを, 新たな事象の考察に活用できる ( 数学的な見方や考え方 )
(4) 展開時配 学習活動と内容 教師の指導支援 ( ) と評価項目方法 ( ) < 本時の課題 > 兄と弟がいっしょに家を出て 学校に向かった ところが兄は途中で忘れ物に気づき 家に戻り 忘れ物をとってすぐ学校に向かった なお 弟はつねに定の速さで歩いてい るが 兄は忘れ物に気づくまで弟と同じ速さで それ以後はあらたに定の速さで歩いて いるとする 10 分 問題 1 グラフ1は 兄弟が家を出てから兄が学校に着くまでの時間 x 分と 弟の家からの距離 y mとしたときの弟の動きを表したものです このグラフからわかることを説明してみましょう 4 3 2 1 グラフ Ⅰ A 弟の動き 0 9 8 7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 予想される反応速さ 60m/ 分距離が 12m まっすぐなところは兄の到着を待っている y 60x 0 x 20 y 12 20 x など 生徒が HP を用いて説明する グラフ1をHPで表示する その後 ワークシート1を配布し, 自由に考えさせる 学校までの距離や弟の速さ, 横にまっすぐになっているときの弟の状態などに気づかせたい 評価 1-1 [ ワークシート点検 ] 点 Aは何を表しているかわかるそれ以降の水平な部分が何を表しているかわかる ( 手だて ) 速さ距離時間の関係を個別指導で読み取らせる 弟の速さ毎分 60m 家から学校までの距離 12mなど必要な事項を板書する
問題 2 弟と別れてからの兄の速さはいつも毎分 80mです また忘れ物に気づいたのは家を出てから 8 分後です 兄の動きを問題 1 のグラフに赤でかきこみましょう とまどっている生徒には 忘れ物に気づくまで何 m 進んでいるのか 家にもどってから学校まで名分かかるのか考えさせる 10 分 グラフ Ⅱ 弟の動き B 予想される反応 D A 兄の動き 兄の動きを式で表してからかく y 80x 120(8 x 14) y 80x 1120(14 x 29) C 速さ 時間 道のりの関係から B C D 点の座標 を求める グラフから兄 弟の動きが読み取れることと点 A,B,C,Dの意味を確認しておく A: 弟が学校に着いたとき B: 兄が忘れ物に気がついたとき C: 二人が学校で会ったとき D: 兄が家にもどったとき シートに書き込み 生徒が HP で説明する 問題 3 A 君は 兄弟が家を出でてからの時間を x 分とし て いろいろなグラフをかいてみました それぞれ何 を y としたグラフなのか 説明しましょう また グ ラフのどの部分からそのような判断をしたのかまと めましょう (1) グラフ Ⅲ ワークシート2を配布する 表し方を 兄弟が家を出てからの時間 x 分と y mの関係 という書き込みの形にしておく 戸惑っている場合は (1) のグラフの水平になっている部分の y の値に注目させる
(2) (3) グラフ Ⅳ グラフ Ⅴ 小グループで自由に話し合わせ 互いに教えあいながら考えさせる 評価 1-2 [ 話し合いの内容 ] 時間が大きくなるにつれて y の値がどうなっているのか ことばで言うことができる ( 手だて ) 線分図を用意し 兄弟の動きのグラフの様子を目に見える形で全体に説明する 20 分 (4) グラフ Ⅵ 特に (3) (4) は誰もが理解できる ことばで説明できるようにする 予想される反応 (1) 兄弟が家を出てからの時間 x 分と弟の学校からの距離 y mの関係 < 根拠 > 最初に近づいてきて 20 分後には定になるなど (2) 兄弟が家を出てからの時間 x 分と兄の学校からの距離 y mの関係 < 根拠 > 度 近づいてきたが 8 分後には離れていき再度 近づいてきているなど
5 分 5 分 (3) 兄弟が家を出てからの時間 x 分と学校へ行く途 中 家から 480m 地点から弟までの距離 y m の関係 < 根拠 > 最初に近づいてきて 8 分後には 0m になり その後離れていくなど (4) 兄弟が家を出てからの時間 x 分と学校へ行く途 中 家から 480m 地点から兄までの距離 y m の関係 < 根拠 > 度 近づいてきて 0m になったが 離れて いき 20 分後に再度 近づいてきて 0m になり離れ ていくなど 生徒がつずつ HP で説明する (5) グラフ Ⅶ P Q 兄弟が家を出てからの時間 x 分と兄弟の距離の 差 y m を表したグラフ 生徒が HP で説明する [ まとめ ] グラフを読むことでさまざまな情報を得られる つの事象でも見方によっていろいろなグラフが かける 今日の授業の感想を書く R S (1)~(4) までいったん答え合わせを行う 評価 2 [ つぶやき挙手 ] 兄弟の差であることに気づく ( 手だて ) 下のような表を用いることをヒントとして全体に示す弟兄 P 間学校へ学校へ PQ 間学校へ家へ QR 間学校へ学校へ RS 間到着学校へ グラフⅦを拡大した模造紙を用意しておく (5) 板書計画 * 次関数の利用 本時の課題 問題 3( 線分図 ) (5) 家学校 [ 問題 1,2の確認事項 ] グラフⅦ 弟の速さ 兄弟が家を出てからの時間 x 分と 家と学校との距離 (1) 兄の速さ (2) 兄が忘れ物に気づいた時間 (3) まとめ 水平な部分の意味など (4)