H29.3 実施のアンケート結果より

Similar documents
アリムタとシスプラチンの話

当院のレジメン一覧

減量・コース投与期間短縮の基準

(1) 使い方 がん化学療法説明書の紹介と 使い方 1 病院において説明書を用いて患者指導する 2 患者が保険薬局に説明書を持参し薬局薬剤師が確認する また 患者が持参しない場合においても 患者の聞き取りからレジメン名が把握できる場合は 当院薬剤部ホームページより説明書を選択し印刷する 3 説明書の

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

2 本スライドは国際がんサポーティブケア学会 (MASCC) によりすべての人々に供与されるものであり 変更を施さない限り また MASCC 及び ESMO のロゴと情報の日付が留保される限り 自由に使用可能である 問い合せ先 : Matti Aapro 委員

レジメン名抗がん剤 ( 一般名 ) 抗がん剤 ( 商品名 ) 用量用法 1 クール適応 シタラビン (AraC) キロサイド注 75mg/ m2 静脈内注射 day 36, 1013, 17 20, メルカプトプリン (6MP) ロイケリン散 60mg/

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

Microsoft Word - CDDP+VNR患者用パンフレット doc

<4D F736F F F696E74202D20322D CE899E82AA82F189BB8A7797C C A838B82CC96F08A E303

抗がん剤を受けられる皆様へ

リンパ腫グループ:リンパ腫治療開発マップ

5 がん化学療法に附随する消化器症状への対応 下痢, 便秘および 重篤な消化管症状への対応 後藤歩, 小栗千里, 光永幸代, 市川靖史 小林規俊, 前田愼, 遠藤格

第2回卒後教育講座 HP用.pptx

M GE A S ES がんの薬 物 療 法 を 受 ける あなたへ 医師から 抗がん剤で治療する と告げられたとき 患者さんやご家族がまっさきに心配するのは薬の副作用のことです がんの薬物療法を受けると 必ず何らかの副作用が起こります しかし 副作用といっても いろいろなレベルのものがあり 薬を中

日本内科学会雑誌第98巻第12号

がんの治療

医師のためのTUE申請ガイドブック2013_本文.indd

「             」  説明および同意書

<4D F736F F F696E74202D F91E592B082AA82F182CC8F708CE396F295A897C C982A882AF82E996F28DDC8E7482CC8AD682ED82E E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

スライド 1

DRAFT#9 2011

70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法

スライド 1

目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

放射線併用全身化学療法 (GC+RT 療法 ) 様の予定表 No.1 月日 経過 達成目標 治療 ( 点滴 内服 ) 検査 処置 活動 安静度 リハビリ 食事 栄養指導 清潔 排泄 / 入院当日 ~ 治療前日 化学療法について理解でき 精神的に安定した状態で治療が

フォルフォックス FOLFOX 療法を受けられる患者さんへ 監修福井大学医学部長外科学 1 教授山口明夫

治療法 下記 FOLFIRI 療法 FOLFIRI + 療法 FOLFIRI + 療法 FOLFIRI + 療法 8~9 入 はじめに大腸癌 化学療法 手術後 再発 予防 補助化学療法 切除不能 進行再発大腸癌 対 全身化学療法 抗 剤治療 多 方法 基本 広 使 FOLFOX( ) 療法 FOLF

1)表紙14年v0

抗精神病薬の併用数 単剤化率 主として統合失調症の治療薬である抗精神病薬について 1 処方中の併用数を見たものです 当院の定義 計算方法調査期間内の全ての入院患者さんが服用した抗精神病薬処方について 各処方中における抗精神病薬の併用数を調査しました 調査期間内にある患者さんの処方が複数あった場合 そ

Microsoft Word (嘔吐2007V1)2回目納品.doc

この時間の目標 (50 分 ) 1. がん治療によって生じる代表的な副作用 合併症について理解する 2. がん治療によって生じる代表的な副作用 合併症に対する支持療法や日常生活上の工夫について理解する

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

Microsoft PowerPoint - H24基礎(2)支持療法(資料用).pptx

SC234特集2岩村氏本文.indd

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

<4D F736F F F696E74202D AA82F18EA197C396F282C6959B8DEC977091CE8DF AA8EE A836E B835E2E >

大腸がんレジメン一覧 大腸がん 登録番号レジメン名一般名商品名投与量ルート施行日 1 コースの期間 En-1 En-2 イリノテカンイリノテカン 80mg/m^2 DIV Day1 15 テガフール \ ギメラシル \ オテラシルカリウム ティーエスワン配合カプセル 80mg/m^2 PO Day1

本日の内容 化学療法 ( 抗がん剤治療 ) の現状 肺がん治療薬と副作用 いざという時に備えて

95_財団ニュース.indd

選択した 薬剤から表示される処方内容 44 26: 漢方薬 35~40Kg ツムラ柴朴湯エキス顆粒 ( 医療用 ) g 1: 内服 1:1 日 3 回毎食後に : 漢方薬 40Kg~ ツムラ柴朴湯エキス顆粒 ( 医療用 ) g 1: 内服 1:1 日 3

○○グループ:○○がん治療開発マップ

臨床研究の審査申請の手引き

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿

はじめに 1. 食事調整シート作成の背景がん患者は多様な要因によって食欲低下が起こります そのためがん患者の栄養管理においては 病態や栄養状態はもとより 経口摂取を阻害するさまざまな治療の副作用症状を総合的に考慮して 食事の風味 物性 量 頻度等の調整を行い 食事をおいしく食べやすく調整することが必

外来在宅化学療法の実際

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

NCCN2010.xls

<4D F736F F D DC58F4994C5817A53544C2094E789BA928D5F8AB38ED28CFC834B F94CC94848CB392C78B4C C5292E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

Evolving Standards in the Management of Ovarian Cancer

と判断した 3. 欧米等 6カ国の承認状況等について (1) 欧米等 6カ国の承認状況及び開発状況の有無について 4) 1) 米国効能 効果 統合失調症 双極 I 型障害における躁症状又は混合性エピソードの急性期治療及び双極 I 型障害の維持治療 双極 I 型障害における躁症状又は混合性エピソードに

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

PowerPoint プレゼンテーション

長野県がん診療連携拠点病院整備検討委員会機能評価 会議記録(要旨)

頭頚部がん1部[ ].indd

大腸癌化学療法における副作用対策の臨床アウトカム評価に関する研究 目次 序論 1 第 1 章大腸癌化学療法における悪心 嘔吐の発現リスクの解析および制吐薬適正使用推進の臨床評価に関する研究はじめに 8 (1) 大腸癌化学療法での制吐対策におけるエビデンス- 診療ギャップとギャップ充填効果 1. 緒言

01_告示(本文)案文_171121

ダラツムマブってどんな薬? 初発の患者さん ( 初めて治療を受ける患者さん ) の治験募集についてー 米国で承認された ダラツムマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 名古屋市立大学病院血液 腫瘍内科診療部長飯田真介先生です Q1 ダラツムマブという薬が米国で承認され

日産婦誌58巻9号研修コーナー


未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

(別添様式)

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx

外来化学療法における 薬剤師の役割

BD( 寛解導入 ) 皮下注療法について お薬の名前と治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 薬の名前作用めやすの時間 1 日目

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

(2) 健康成人の血漿中濃度 ( 反復経口投与 ) 9) 健康成人男子にスイニー 200mgを1 日 2 回 ( 朝夕食直前 ) 7 日間反復経口投与したとき 血漿中アナグリプチン濃度は投与 2 日目には定常状態に達した 投与 7 日目における C max 及びAUC 0-72hの累積係数はそれぞれ

Taro-01_告示(本文)案分

ÿþ"o¹eÈ0¥0Ç0¤0

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

1-0 治験実施計画書の要約

<4D F736F F D208F CC89BA979F C668DDA94C5816A2E646F6378>

乳がん術後連携パス

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63>

膵臓癌について

<4D F736F F F696E74202D F5C8E9A C982A882AF82E996F28A AC7979D E352E A2915D8FC0904C88EA29312E B8CDD8AB B83685D>

スライド 1

AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

STEP 1 検査値を使いこなすために 臨床検査の基礎知識 検査の目的は大きく 2 つ 基準範囲とは 95% ( 図 1) 図 1 基準範囲の考え方 2

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132>

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

<4D F736F F D20362E8CFB93E0898A975C96688E8E8CB193AF88D390E096BE95B68F E E646F63>

Ⅱ章 背景知識 しかし 骨転移の体動時痛を 動いても痛くないようにすることは難しい場合が ある また神経障害性疼痛の場合 症状の完全な緩和が困難な場合もある これら のことを患者に理解してもらえるように 繰り返し丁寧に説明することが重要であ る 鎮痛薬の使用法 の治療は薬物療法と非薬物療法の組み合わ

院内登録レジメン一覧 [ 血液がん ] レジメン番号 審査日レジメン名抗がん剤 ( 一般名 ) 抗がん剤 ( 商品名 ) 用量用法 1 クール適応 Rituximab(375) 悪性リンパ腫リツキシマブ ( R ) リツキサン注 375mg/ m2点滴静注 day

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

がん化学療法レジメン

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

後期専門コース 前期修了者 後期のみ 総数 競争倍率 採用者数 ( 任期付正職員 + 薬剤師レジデント ( 前期 ))/ 応募者にて算出 倍率 薬剤師レジデント修了者数 修了者 6

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

肺がん はじめに 肺がんは悪性腫瘍による死亡原因の第 1 位であり わが国においては年間 7 万人以上の患者さんがこの病気でお亡くなりになっています 肺がんの治療成績向上には早期発見が最も重要でありますが 手術不能の進行した状態で発見される患者さんが多くいらっしゃるのが現状です 特に異常がなくても定

Transcription:

制吐剤適正使用ガイドラインについて マツダ病院薬剤部 第 16 回安芸薬薬連携研修会 2017 年 11 月 30 日

H29.3 実施のアンケート結果より

悪心 嘔吐の治療の基本 1 治療目標は発現予防であるが 過剰になることは慎むべきである 催吐性リスクに応じて適切な制吐薬を使用する 悪心 嘔吐が発現 持続する期間は通常高度リスクで 4 日間 中等度で 3 日間程である 発現リスクのある期間 最善の予防を行う 2 制吐薬は経口薬 注射薬のいずれも有効性は同等である 3 各種制吐薬特有の副作用を考慮する 4 制吐薬の選択は 予定する抗がん薬の催吐性リスク 過去の制吐療法の効果 患者背景因子を考慮して決定する 5 がん治療に直接起因しない悪心 嘔吐の原因 イレウス 脳転移 電解質異常 オピオイドなどの併用薬剤 腸管運動麻痺 心因性要因 など

悪心 嘔吐の治療の基本 6 放射線治療やがん薬物療法とは無関係の悪心 嘔吐に対しても制吐療法を行う 7 多剤併用療法においては最も催吐性リスクの高い薬剤に対する制吐療法を選択する 8 最小度リスク抗がん薬の投与時 胸やけ消化不良症状の訴えに対しては H2 受容体拮抗薬 またはポロトンポンプ阻害薬を考慮する 9 自己管理に関する患者教育 指導 我慢しないことを含めた患者自身によるセルフアセスメントの認識と 患者日記等による記録の推進に関する教育 10 生活環境における工夫や整備 ゆったりとした服装 食事は少量ずつ回数を増やす 食べやすい性状にする におい 味付け 温度等に配慮する 11 専門性を高めた多職種連携のチーム医療での実施が重要

催吐性リスク 制吐薬の予防投与なしで各種抗がん薬投与後 24 時間以内に発現する悪心 嘔吐 ( 急性期の悪心嘔吐 ) の割合で 4 つに分類される 高度催吐性リスク :90% を超える患者に発現する 中等度催吐性リスク :30~90% を超える患者に発現する 軽度催吐性リスク :10~30% を超える患者に発現する 最小度催吐性リスク :10% 未満である

分類高度 ( 催吐性 ) リスク high emetic risk 薬剤, レジメン AC 療法 : ドキソルビシン+シクロホスファミド EC 療法 : エピルビシン+シクロホスファミド 軽度 ( 催吐性 ) リスク low emetic risk インターフェロン-α(5~10 million IU/m2) インターロイキン-2( 12 million IU/m2) 最小度 ( 催吐性 ) リスク minimal emetic risk ( 催吐頻度 <10%) L-アスパラギナーゼアレムツズマブイピリムマブ ( 催吐頻度 >90%) シクロホスファミド ( 1,500 mg/m2) ( 催吐頻度 10~30%) エトポシド インターフェロン -α( 5 million IU/m2) 中等度 ( 催吐性 ) リスク moderate emetic risk ( 催吐頻度 30~90%) シスプラチンストレプトゾシンダカルバジン carmustine(>250 mg/m2) mechlorethamine アクチノマイシンD アザシチジンアムルビシン 2) イダルビシン エリブリンカバジタキセルゲムシタビンシタラビン (100~200 mg/m2) トラスツズマブエムタンシンドキソルビシンリポソームドセタキセルニムスチン 7) オファツムマブクラドリビンゲムツズマブオゾガマイシン * シタラビン (<100 mg/m2) セツキシマブテムシロリムストラスツズマブニボルマブネララビン イホスファミド ノギテカン パニツムマブ イリノテカン パクリタキセル ビノレルビン インターフェロン-α( 1,000 万 IU/m2) インターロイキン-2(>1,200 万 ~1,500 万 IU/m2) エノシタビン 3) エピルビシンオキサリプラチンカルボプラチンクロファラビン三酸化ヒ素シクロホスファミド (<1,500 mg/m2) シタラビン (>200 mg/m2) パクリタキセルアルブミン懸濁型フルオロウラシルブレンツキシマブペメトレキセドペントスタチンマイトマイシンC ミトキサントロン ビンクリスチンビンデシン 9) ビンブラスチンフルダラビンブレオマイシンベバシズマブペグインターフェロンペプロマイシン 10) ペルツズマブ ダウノルビシン メトトレキサート (50~250 mg/m2) ボルテゾミブ テモゾロミド ラニムスチン 8) メトトレキサート ( 50 mg/m2) ドキソルビシン amifostine( 300 mg) ラムシルマブ ネダプラチン 4) ピラルビシン 5) ブスルファンベンダムスチンミリプラチン 6) メトトレキサート ( 250 mg/m2) メルファラン ( 50 mg/m2) amifostine(>300 mg/m2) carmustine( 250 mg/m2) carfilzomib floxuridine ixabepilone omacetaxine pralatrexate romidepsin ziv-aflibercept リツキシマブ decitabine denileukin diftitox obinutuzumab pegaspargase pembrolizumab siltuximab valrubicin vincristine( liposomal)

当院採用注射薬の催吐性リスク 分類薬剤, レジメン分類薬剤, レジメン高度 ( 催吐性 ) リスク AC 療法 : 軽度 ( 催吐性 ) リスクエトポシドドキソルビシン +シクロホスファミド high emetic risk EC 療法 : エピルビシン +シクロホスファミド催吐頻度 >90% シクロホスファミド ( 1,500 mg/m2) シスプラチン low emetic risk 催吐頻度 10~30% カバジタキセル ゲムシタビン ドセタキセル 中等度 ( 催吐性 ) アムルビシンパクリタキセルリスクパクリタキセルイリノテカンアルブミン懸濁型 moderate emetic risk エピルビシンフルオロウラシル 催吐頻度 30~90% オキサリプラチンブレンツキシマブ カルボプラチン シクロホスファミド (<1,500 mg/m2) 最小度 ( 催吐性 ) リスク ペメトレキセド セツキシマブ テモゾロミド minimal emetic risk ニボルマブ 催吐頻度 <10% パニツムマブ ベバシズマブ ペルツズマブ

当院採用経口薬の催吐性リスク 分類 薬剤 分類 薬剤 中等度 ( 催吐性 ) リスク イマチニブ 最小度 ( 催吐性 ) リスク ゲフィチニブ moderate emetic risk テモゾロミド minimal emetic risk ソラフェニブ ( 催吐頻度 30~90%) トリフルリジン チピラシル (TAS-102) ( 催吐頻度 <10%) カペシタビンスニチニブ 軽度 ( 催吐性 ) リスク テガフール ウラシル (UFT) low emetic risk テガフール ギメラシル オテラシル (S-1) ( 催吐頻度 10~30%)

高度催吐性リスクに対する制吐療法 1 2 3 4 5 ( 日 ) アプレピタント ( mg ) 125 80 80 5-HT 3 受容体拮抗薬 デキサメタゾン ( mg ) 9.9 8 8 8 8 アプレピタントは CYP3A4 阻害作用をもちデキサメタゾンの AUC を約 2 倍にする デキサメタゾンは 1 日目は注射薬 2 日目以降は経口薬

中等度催吐性リスクに対する制吐療法 1 2 3 4 5 ( 日 ) 5-HT 3 受容体拮抗薬デキサメタゾン ( mg ) 9.9 8 8 8 デキサメタゾンを積極的に利用できない場合は 5-HT3 受容体拮抗薬を追加する デキサメタゾンは 1 日目は注射薬 2 日目以降は経口薬 オプション カルボプラチン イリノテカンなど使用時 アプレピタント ( mg ) 125 80 80 5-HT 3 受容体拮抗薬デキサメタゾン ( mg ) 4.95 4 4 アプレピタントは CYP3A4 阻害作用をもちデキサメタゾンの AUC を約 2 倍にする デキサメタゾンを積極的に利用できない場合は 5-HT3 受容体拮抗薬を追加する デキサメタゾンは 1 日目は注射薬 2 日目以降は経口薬

軽度催吐性リスクに対する制吐療法 1 2 3 4 5 ( 日 ) デキサメタゾン ( mg ) 6.6 最小度催吐性リスクに対する制吐療法 1 2 3 4 5 ( 日 ) 通常 予防的な制吐療法は推奨されない 注この制吐療法は一般的な全体像を示したものであるが 日常臨床では個々の症例に応じた柔軟な対応が望まれる

予期性悪心 嘔吐に対する予防 治療 薬物療法前夜と当日治療の 1~2 時間前に経口服用ロラゼパム 0.5~1.5 mg (1 回量 ) または薬物療法前夜から経口 1 日 2~3 回服用アルプラゾラム 0.4~0.8 mg (1 回量 ) リラクゼーション / 催眠 / イメージ療法

当院での悪心嘔吐処方提案フロー Day1-5 悪心嘔吐あり イメンドなし イメンド投与 次クール悪心嘔吐なし Do 処方 イメンドあり 催吐リスク高 Day1 テギサート 2V に増量 Day2-4 デカドロン 8mg/ 日 次クール悪心嘔吐あり 次クール悪心嘔吐なし 次クール悪心嘔吐あり Do 処方 Day1-5 ジプレキサ 5 mg / 日 ( 眠前 ) を追加 催吐リスク中以下 Day2-4 ナゼア 1T/ 日 次クール悪心嘔吐なし Do 処方 Day6 以降悪心嘔吐あり day6 以降は化学療法が直接的な要因とは考えにくい 症状を再度細かく確認し以下を参考に対応する 胸焼けランソプラゾール OD15 1T 1 食欲不振 モサプリド 5 3T 3 or 補中益気湯 3 包 3 腹部膨満感 大建中湯 3 包 3 or モサプリド 5 3T 3 味覚異常 ポラプレジンク 75 2T 2 胃部不快感 プリンペラン 5 3 or ドンペリドン 10 3T 3 口内炎 アズノールうがい液 予測性嘔吐 アルフ ラソ ラム 0.4 3T 3